JP2016142392A - 手動変速機のシフトアシスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルの粘性抵抗等によって生じるシフトレバーによるシフト操作の重たさを、電気的な制御機構を簡素化し、簡単な構造で軽減できるシフトアシスト装置を提供する。
【解決手段】シフトレバーのシフト操作により中立位置を挟んで奇数段側と偶数段側との一方へ移動して1つの変速段のギヤ列を接続させるシフトセレクトシャフト4と、シフト操作をアシストするシフトアシスト機構16と、シフトアシスト機構16を動作させるシフトアシスト制御ユニットとを有し、シフトアシスト制御ユニットはシフトレバーの奇数段側或いは偶数段側へのシフト操作を予測したとき、奇数段アシストピストン26或いは偶数段アシストピストン27を動作させて、アシストボール24をシフトセレクトシャフト4に形成した奇数段アシスト斜面16a側或いは偶数段アシスト斜面16b側へ押圧させてアシストさせる。
【選択図】図9

Description

本発明は、変速段を選択する際のシフト操作感を良好にする手動変速機のシフトアシスト装置に関する。
従来、この種の手動変速機は、ステアリングコラム部に設けられたコラム式シフトレバー、或いは、運転席横のフロアに設けられたフロア式シフトレバーを所定にセレクト操作、及びシフト操作することで所望の変速段を得るようにしている。運転者が、発進或いは走行中の変速のためシフト操作を行うと、シフトレバーの操作力が各種リンク機構を介して、所望変速段のシンクロ機構に伝達され、このシンクロ機構を動作させて、所望ギヤ列を選択的に接続して変速が成立される。
通常、シフトレバーを操作し、変速段を選択する際のシフト操作感(フィーリング)は、変速段毎にほぼ一定しており、運転者は、変速段毎のいつも通りの操作感を予測してシフト操作を行う。
従って、極低温時など、外気温が低く変速機が充分に暖機されていない状態では、ミッションオイルの粘性が高いため、その粘性抵抗によりシフト操作が重たくなり、運転者に違和感を与えてしまう。
常に一定のシフト操作感を得るようにする技術として、例えば、特許文献1(特開2001−99315号公報)には、シフト方向へ動作させるシフトフォークを電動駆動とし、変速段設定スイッチを操作することで、所望の変速段のシフトフォークを動作させて変速させる技術が開示されている。
この文献に開示されている変速段設定スイッチをシフトレバーのシフト操作でON/OFFさせれば、ミッションオイルの粘性が高くても常に一定の操作感でシフト操作を行うことができる。
特開2001−99315号公報
しかし、上述した文献に開示されている技術では、シフトセレクトシャフトをシフト方向へ動作させるシフトフォーク毎にモータを配設する構造であるため、例えば、前進6段、後進1段の手動変速装置では、モータが4個必要となり、装置全体が大型化してしまう不都合がある。
これに対処するに、シフトレバーにリンク機構を介して連設するセレクトレバーをアクチュエータで押圧することでアシストすることも考えられるが、シフトレバーによるシフト方向をいち早く検知してアシストさせる必要があり、シフト操作の際に、シフトレバーをニュートラルポジションで安定的に維持させるディテント機構を乗り越える際の操作力までもが軽減され易く、シフトレバーの操作と同期した制御タイミングの調整が難しいと云う問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、簡単な構造で、装置全体が大型化せず、電気的な制御機構が簡素化され、しかも、シフトレバーによるシフト操作と簡単に同期させることが可能なばかりか、低コストで、且つ、高い汎用性を得ることのできる手動変速機のシフトアシスト装置を提供することを目的とする。
本発明は、シフトレバーのシフト操作により中立位置を挟んで奇数段側と偶数段側との一方へ軸方向に沿って移動して1つの変速段のギヤ列を接続させるシフトセレクトシャフトと、前記シフトレバーのシフト操作をアシストするシフトアシスト手段と、前記シフトアシスト手段を動作させる制御手段とを有する手動変速機のシフトアシスト装置において、前記シフトアシスト手段は、前記シフトセレクトシャフトに、軸方向に沿って形成された奇数段アシスト斜面及び偶数段アシスト斜面と、前記シフトセレクトシャフトの軸方向への移動に伴い前記奇数段アシスト斜面側或いは前記偶数段アシスト斜面側へ相対摺動するアシスト部材と、前記アシスト部材を前記シフトセレクトシャフト方向へ押圧する付勢手段とを有し、前記制御手段は、前記シフトレバーの前記奇数段側或いは前記偶数段側へのシフト操作を予測したとき、前記付勢手段にて前記アシスト部材を前記奇数段アシスト斜面側或いは前記偶数段アシスト斜面側へ押圧させる。
本発明によれば、シフトレバーのシフト操作をアシストするシフトアシスト手段が、シフトセレクトシャフトに軸方向に沿って形成された奇数段アシスト斜面及び偶数段アシスト斜面と、シフトセレクトシャフトの軸方向への移動に伴い奇数段アシスト斜面側或いは偶数段アシスト斜面側へ相対摺動するアシスト部材と、アシスト部材をシフトセレクトシャフト方向へ押圧する付勢手段とを有し、制御手段は、シフトレバーの奇数段側或いは偶数段側へのシフト操作を予測したとき、付勢手段にてアシスト部材を奇数段アシスト斜面側或いは偶数段アシスト斜面側へ押圧させるようにしたので、簡単な構造で、装置全体が大型化せず、電気的な制御機構を簡素化することができる。しかも、付勢手段にてアシスト部材を押圧しているだけであるため、シフトレバーによるシフト操作と簡単に同期させることが可能となる。又、シフトセレクトシャフトには奇数段アシスト斜面側と偶数段アシスト斜面側とを形成しただけの簡単な構造であるため、低コストで、且つ、高い汎用性を得ることができる。
第1実施形態によるシフトレバーと変速パターンの説明図 同、手動変速機のニュートラル位置にあるシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図 同、シフトセレクトシャフトの側面図 同、図2のIV-IV断面図 同、シフトアシスト制御ユニットの概略構成図 同、シフトアシスト判定ルーチンを示すフローチャート 同、アシスト制御ルーチンを示すフローチャート 同、シフトセレクトシャフトのアシストを奇数段側にセットした状態のシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図 同、(a)はシフトセレクトシャフトを奇数段側にシフトさせた状態のシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図、(b)はシフトセレクトシャフトをアシストするベクトル成分を示す説明図 シフトセレクトシャフトを奇数段側にシフトさせた状態でアシストを偶数段側にセットした状態のシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図 ニュートラル位置にあるシフトセレクトシャフトに対しアシストが偶数段側にセットされている状態のシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図 シフトセレクトシャフトを偶数段側にシフトさせた状態のシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図 シフトレバーのシフト操作に伴うシフト操作力の変化とアシスト力の変化、及び各負荷要素の変化を示すタイムチャート 第2実施形態による手動変速機のニュートラル位置にあるシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図 第3実施形態による手動変速機のニュートラル位置にあるシフトセレクトシャフト周辺の一部断面側面図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1〜図13に本発明の第1実施形態を示す。本実施形態で採用する手動変速機は、常時噛合型平行軸式であり、図1に示すように、H型の変速パターンを有し、変速段は前進6段、後進1段が例示されている。変速パターンは、セレクト方向(Y方向)に1−2速シフト、3−4速シフト、5−6速シフト、リバース(Rev)シフトが平行に配設され、これら各シフトのニュートラル位置Nがセレクト方向(X方向)で連続されている。
この手動変速機の変速機構は、シンクロ機構にて各ギヤ列の係合状態を選択的に切換えることで変速を行うものであり、図1に示すシフトレバー1は、ステアリングコラム、インストルメントパネル、センターコンソール等に配設されている。このシフトレバー1は支持部1aを支点として、上述した変速パターンのセレクト方向(X方向)、或いはシフト方向(Y方向)に沿って移動自在にされている。
又、このシフトレバー1がセレクトリンク機構2、シフトリンク機構3を介して、変速機ケース(図示せず)内に配設されているシフトセレクトシャフト4(図2参照)に連結されている。図2に示すように、シフトセレクトシャフト4は、シフトレバー1のセレクト方向(X方向)への移動に追従して回動し、シフト方向(Y方向)への移動に追従して軸方向へ往復移動する。尚、本実施形態では、シフトセレクトシャフト4を、図2の右方向へスライドさせると奇数段(1速、3速、5速)の変速が成立し、左方向へスライドさせると偶数段(2速、4速、6速、Rev)の変速が成立する。
このシフトセレクトシャフト4に、シフトセレクトシャフト4と一体に回動及びスライドするシフトインナレバー5が固設されている。又、図2、図4に示すように、このシフトインナレバー5のセレクト方向(X方向)であって、このX方向と交差する位置に、1−2速シフト、3−4速シフト、5−6速シフト、リバース(Rev)シフトの各シフトフォークロッドに軸着されているシフトヘッド6〜9の上端部が配設されている。更に、この各シフトヘッド6〜9の上端部に、シフトインナレバー5の先端部5aに係合する溝部6a〜9aが形成されている。
運転者がシフトレバー1をセレクト操作して、シフトセレクトシャフト4をニュートラルの状態からセレクト方向(X方向)へ回動させると、シフトインナレバー5が各シフトヘッド6〜9に形成されている溝部6a〜9a内をX方向へ回動する。そして、所望のシフト位置でシフトセレクトシャフト4をセレクト方向(Y方向)へ移動させると、シフトインナレバー5の先端部5aが所望の変速段のシフトヘッド6〜9の溝部6a〜9aに係合し、当該シフトヘッド6〜9を軸方向へスライドさせ、シンクロ機構を移動させて1速〜6速、或いはリバース(Rev)のギヤ列を選択的に接続して、所望の変速段が成立される。
又、シフトセレクトシャフト4にディテント機構11が取付けられている。このディテント機構11は、シフトセレクトシャフト4のニュートラル位置、及び、ニュートラル位置からシフト方向(Y方向)へ移動させて変速段を成立させた際に、シフトセレクトシャフト4にガタが発生しないように位置保持させるものである。すなわち、図3に示すようにシフトセレクトシャフト4には、シフト方向(Y方向)のニュートラルに対応する位置に中立ロック溝4aが形成され、この中立ロック溝4aを挟む軸方向両側に奇数段ロック溝4bと偶数段ロック溝4cとが形成されている。
一方、このシフトセレクトシャフト4のロック溝4a〜4cに対応する位置にディテントスリーブ12が相対摺動自在に挿通されている。このディテントスリーブ12は図示しない手動変速機のミッションケースと一体に形成されており、このディテントスリーブ12の中央に円筒部12aが形成され、内部に圧縮スプリング13を介してロックボール14が装着され、このロックボール14がシフトセレクトシャフト4に圧縮スプリング13の付勢力を受けて押し付けられている。
図2、図8には、ロックボール14が中立ロック溝4aに係合されて、シフトセレクトシャフト4をニュートラル位置で保持している状態が示されている。又、図9(a)には、ロックボール14が奇数段ロック溝4bに係合されて、シフトセレクトシャフト4を奇数段位置で保持している状態が示されている。更に、図12にはロックボール14が偶数段ロック溝4cに係合されて、シフトセレクトシャフト4を偶数段位置で保持している状態が示されている。
更に、シフトセレクトシャフト4には、シフトアシスト手段としてのシフトアシスト機構16が設けられている。このシフトアシスト機構16は、極低温時等の状況でミッションオイルの粘性抵抗が大きく、シフト操作感が重たくなる状況を予測し、運転者のシフト操作をアシストするものである。
すなわち、図2、図3に示すように、シフトセレクトシャフト4には、奇数段アシスト斜面16aと偶数段アシスト斜面16bとが所定間隔を開けて対称に一対形成されており、シフトセレクトシャフト4の外周と各アシスト斜面16a,16bの端縁との間は所定のR加工が施されている。又、シフトセレクトシャフト4には両アシスト斜面16a,16bを覆うようにアシストスリーブ17が摺動自在に挿通されている。このアシストスリーブ17は図示しない手動変速機のミッションケースと一体に形成されており、このアシストスリーブ17に、円筒状の奇数段アシストガイド筒17aと偶数段アシストガイド筒17bとが所定間隔を開けて立設されている。
この各アシストガイド筒17a,17bにアシスト部材としてのアシストボール24が挿通されていると共に、その背面に、圧縮スプリング25を介して奇数段アシストピストン26及び偶数段アシストピストン27がそれぞれ進退自在に挿通されている。尚、このアシストピストン26,27と圧縮スプリング25とで、本発明の付勢手段が構成されている。尚、奇数段アシストガイド筒17aに設けた圧縮スプリング25と奇数段アシストピストン26、及び偶数段アシストガイド筒17bに設けた圧縮スプリング25と奇数段アシストピストン26とで、本発明の付勢手段が構成されている。
この各アシストピストン26,27の基部側がアシストガイド筒17a,17bから外方に突出されており、この突出部分に従動ギヤ26a,27aが形成されている。尚、このアシストボール24はアシストガイド筒17a,17bの内壁に摺接されて進退自在にされている。
又、この両従動ギヤ26a,27a間に駆動ギヤ28が軸直交方向で噛合されている。この従動ギヤ26a,27aと駆動ギヤ28とはヘリカルギヤ等を用いた直交ギヤであり、この駆動ギヤ28に、アクチュエータとしてのアシストモータ29が直接或いは減速ギヤを介して連設されている。従動ギヤ26a,27aは、駆動ギヤ28の回転によって、シフトセレクトシャフト4に対し軸直交方向へ相対摺動され、アシストモータ29はキースイッチ32(図5参照)をONした直後、初期位置に戻される。その結果、このアシストモータ29に連設する駆動ギヤ28が、両従動ギヤ26a,27aを、図2に示す中立位置に一旦保持させる。両従動ギヤ26a,27aが中立位置に保持された状態では、両アシストピストン26,27がシフトセレクトシャフト4に対して等しい位置で待機しており、各アシストボール24は圧縮スプリング25の付勢力を受けてシフトセレクトシャフト4の軸周に所定圧力で押接されている。尚、従動ギャ26a,26b、駆動ギヤ28,アシストモータ29で、本発明の駆動手段が構成されている。
上述したアシストモータ29は可逆モータであり、図2に示す中立位置から、図8に示すように、駆動ギヤ28を時計回り方向へ回転させると、奇数段アシストピストン26が圧縮スプリング25を押圧し、アシストボール24に対する付勢力を増加させる。相対的に、偶数段アシストピストン27は圧縮スプリング25を伸張させる方向へスライドされる。
一方、図2に示す中立位置から、図10に示すように、駆動ギヤ28を反時計回り方向へ回転させると、偶数段アシストピストン27が圧縮スプリング25を押圧し、アシストボール24に対する付勢力を増加させる。相対的に、奇数段アシストピストン26は圧縮スプリング25を伸張させる方向へ相対的にスライドされる。
又、ディテントスリーブ12の軸方向両側に、シフト位置検知手段としての奇数段シフトスイッチ22及び偶数段シフトスイッチ23が配設されている。この両シフトスイッチ22,23は、シフトセレクトシャフト4が奇数段の変速を成立させたか、偶数段の変速を成立させたかを検出するもので、図2に示すように、ロックボール14が中立ロック溝4aに係入している状態では、両シフトスイッチ22,23が奇数段ロック溝4bと偶数段ロック溝4cとの外側縁部に待機したOFFとなる。
一方、図9(a)に示すように、シフトセレクトシャフト4を奇数段方向へスライドさせて、ロックボール14を奇数段ロック溝4bに係合させると、奇数段シフトスイッチ22が偶数段ロック溝4cに係入してON動作する。又、図12に示すように、シフトセレクトシャフト4を偶推断方向へスライドさせて、ロックボール14を偶数段ロック溝4cに係合させると、偶数段シフトスイッチ23が奇数段ロック溝4bに係入してON動作する。
上述したアシストモータ29は、図5に示す制御手段としてのシフトアシスト制御ユニット21からの駆動信号に従って回転駆動される。このシフトアシスト制御ユニット21は、周知のマイクロコンピュータ、及びその周辺機器で構成されており、入力側に、奇数段シフトスイッチ22、偶数段シフトスイッチ23、及び手動変速機内のオイルの温度(油温)を検出する油温センサ31が接続されていると共に、エンジンキーの操作によりON/OFF動作するキースイッチ32等が接続されている。
シフトアシスト制御ユニット21では、システム起動後、油温センサ31で検出した自動変速機内の油温Tを読込み、この油温Tに基づいてシフトアシストが必要か否かを判定し、シフトアシストが必要な場合、各シフトスイッチ22,23からの信号に従って、運転者のシフトチェンジを検出して、次の変速段(奇数段か偶数段)のアシストを行うべく、アシストモータ29に駆動信号を送信する。
シフトアシスト制御ユニット21で実行されるシフトアシスト制御は、具体的には、図6に示すシフトアシスト判定ルーチン、及び、図7に示すシフトアシスト制御ルーチンに従って処理される。
図6に示すシフトアシスト判定ルーチンは、システム起動後、1回のみ実行され、ステップS1でキースイッチ32からON信号SkONが出力されるまで待機する。そして、運転者がエンジンキーを操作して、キースイッチ32からのON信号SkONを検出した場合、ステップS2へ進み、アシストモータ29を初期位置に戻す駆動信号を出力する。すると、このアシストモータ29に直接或いは減速ギヤ等を介して連設する駆動ギヤ28が両従動ギヤ26a,27aを回転させて、図2に示すように、両アシストピストン26,27を中立位置で待機させる。
その後、ステップS3へ進み、手動変速機内の油温Tを読込み、ステップS4で、油温Tとアシスト判定油温Toとを比較し、シフトアシストの要否を判定する。尚、このアシスト判定油温Toは、極低温時等、オイルの粘性抵抗が大きくなる温度を判定する値で有り、本実施形態では、おおよそ0〜−10[℃]の範囲に設定されているが、このアシスト判定油温Toは、使用しているオイルの種別や手動変速機の特性等に応じて個別に設定する。
そして、油温Tがアシスト判定油温To以下の場合(T≦To)、アシスト要と判定し、ステップS5へ進み、シフトアシストを奇数段側に設定する処理を実行した後、ステップS6へ進み、アシスト判定フラグFASをセットして(FAS←1)、ルーチンを終了する。一方、上述したステップS4において、油温Tがアシスト判定油温Toを超過している場合(T>To)、アシスト不要と判定し、ステップS7へ分岐し、アシスト判定フラグFASをクリアして(FAS←0)、ルーチンを終了する。
上述したステップS5で実行する奇数段シフトアシスト処理は、シフトアシスト制御ユニット21からアシストモータ29に対して、奇数段アシストピストン26をシフトセレクトシャフト4方向へ押圧する駆動信号を出力し、駆動ギヤ28を、図2の時計回り方向へ所定角度回転させる処理を行う。
すると、図8に示すように、この駆動ギヤ28に対して軸直交に噛合する奇数段アシストピストン26に設けた従動ギヤ26aを回動させて、この奇数段アシストピストン26をシフトセレクトシャフト4の方向へ奇数段アシストガイド筒17aに支持された状態でスライドさせる。その結果、奇数段アシストガイド筒17aに内装されている圧縮スプリング25が圧縮され、アシストボール24がシフトセレクトシャフト4の表面に押圧される。
一般に運転者は、エンジンキーを操作してキースイッチをONして、エンジン始動後に車両を発進させるに際し、先ず、ブレーキペダルを踏込み或いはパーキングブレーキを動作させた状態で、クラッチペダルを踏込み、シフトレバー1を1速(奇数段)にシフトさせる。その際、図8に示すように、奇数段アシストガイド筒17aに支持されているアシストボール24が圧縮スプリング25の付勢力で、シフトセレクトシャフト4に押し付けられている。従って、図9(a)に矢印で示すように、シフトセレクトシャフト4を1速シフトの方向へ、ディテント機構11及びシフトアシスト機構16の各スリーブ12,17に支持された状態でスライドさせると、アシストボール24がシフトセレクトシャフト4の外表面から奇数段アシスト斜面16a側へ相対移動され、当該斜面16aに圧縮スプリング25の付勢力を受けて押接される。
すると、同図(b)に示すように、アシストボール24の奇数段アシスト斜面16aに接地している部位には、圧縮スプリング25の付勢力方向に、当該付勢力によるベクトルF1が発生する。このベクトルF1は、奇数段アシスト斜面16aの斜面方向に沿うベクトル成分F2と直交方向に作用するベクトル成分F3とに分解される。又、シフトセレクトシャフト4はスリーブ12,17に支持されて、軸方向及び軸周り方向への移動のみが規制されているため、ベクトル成分F3からベクトルF1方向へ落とした垂線の分解成分F4’が、軸方向に作用するベクトル成分F4となる。
従って、このベクトル成分F4がシフトセレクトシャフト4のアシスト力として最適な値となるように、奇数段アシスト斜面16aの傾斜角、及び、圧縮スプリング25による付勢力を調整する。尚、後述するように、シフトレバー1を偶数段(2速、4速、6速、Rev)にシフトさせた際には、偶数段アシスト斜面16bとアシストボール24との間に、上述したベクトル成分F4と逆向きにアシストするベクトルが発生する。
ところで、運転者がシフトレバー1をシフト操作して、シフトセレクトシャフト4を軸方向へスライドさせると、このシフトセレクトシャフト4のストローク範囲において、図3に太一点鎖線で示すディテント機構11のロックボール14が、中立ロック溝4aを乗り越える際の負荷、及び二点鎖線で示す各種リンク機構を動作させる際の負荷、及び細一点鎖線で示すシンクロ機構に係合させるための負荷等、種々の負荷が発生し、これらが、加算されて、細実線で示すようにシフトレバー1の操作力Ntに反映される。従って、シフトレバー1をシフト操作するとシフトセレクトシャフト4がニュートラルからストロークエンドに達するまでの間に、シフトレバー1に掛かる負荷が段階的に変化する。
運転者は、変速毎のシフトレバー1に掛かる段階的な操作力(負荷)の変化を感触として受けるため、自車両を日常的に繰り返し運転することで、シフト操作時の感触に慣れるため、異なる感触が生じた場合、違和感を覚える。例えば、極低温時等のようにオイルの粘性抵抗が大きい状況でシフト操作を行った場合、シフト操作感が通常よりも重くなるため違和感を覚えてしまう。
これに対し、本実施形態では、極低温時などの冷えた状態において運転者がシフトレバー1によりシフト操作し、シフトセレクトシャフト4を軸方向へスライドさせるに際し、図13に破線で示すようにアシストボール24からの押圧力によって奇数段アシスト斜面16a(偶数段アシスト斜面16b)を軸方向へ押圧するアシスト力(ベクトル成分F4)が発生するため、同図に太実線で示すように、上述した細実線で示す操作力を、アシスト力(ベクトル成分F4)の分だけ軽くすることができる。
ところで、図13に示すようにアシスト力の開始は、シフトセレクトシャフト4をニュートラルからスライド開始させた直後ではなく、ロックボール14が中立ロック溝4aの乗り越えを完了させた後に設定されている。これにより、シフト操作時のクリック感を確保するようにしている。従って、同図に示す区間Lは、図2に示すシフトセレクトシャフト4がニュートラル位置にあるときのアシストボール24の接地位置からアシスト斜面16a,16bの端縁に施されたR加工面に差し掛かるまでの距離に対応している。
従って、エンジン始動後の車両発進に際し、運転者がシフトレバー1をニュートラル状態から1速にシフトすると、シフトセレクトシャフト4が、図8に示すニュートラル位置から、図の右方向へスライドし、先ず、ディテント機構11のロックボール14が中立ロック溝4aを乗り越えて、隣接する奇数段ロック溝4bへ相対移動する。ロックボール14が中立ロック溝4aの乗り越えを完了するまで、シフトアシスト機構16の奇数段アシストガイド筒17aに支持されているアシストボール24は、シフトセレクトシャフト4の外周を相対摺動する(図13の区間L)。
又、図13の区間Lでは、アシストボール24によるアシスト力としてのベクトルF1とベクトル成分F3とは同一方向に作用するため、アシスト力であるベクトル成分F4は発生しない。一方、アシストボール24が奇数段アシスト斜面16aの端縁に形成したR加工面を通過するときは、圧縮スプリング25が伸張を開始した直後であるため、比較的大きなアシスト力(ベクトル成分F4)が発生する。そして、アシストボール24が奇数段アシスト斜面16aを相対摺動するに際し、圧縮スプリング25が次第に伸張するため、アシスト力(ベクトル成分F4)は次第に減少する。
その結果、図13に太実線で示すように、運転者がシフトレバー1を1速へシフトさせると、区間Lでは、シフトアシスト機構16によるアシスト力(ベクトル成分F4)が発生しないため、ディテント機構11のロックボール14が中立ロック溝4aを乗り越える際のクリック感を得ることができる。
そして、ロックボール14が中立ロック溝4aを乗り越えると、シフトアシスト機構16の奇数段アシストガイド筒17aに支持されているアシストボール24が、奇数段アシスト斜面16aの端縁部に差し掛かり、このR加工面を通過する際に、圧縮スプリング25の比較的大きな付勢力にて発生するベクトル成分F4にてシフトセレクトシャフト4を、奇数段のシフト方向へアシストする。その後、アシストボール24がシフトセレクトシャフト4の移動に伴い奇数段アシスト斜面16aを移動すると、圧縮スプリング25が次第に伸張して、軸方向のベクトル成分F4によるシフトアシストが次第に弱まる。
従って、オイルの粘性抵抗が高い状態で、運転者がシフトレバー1をシフト操作すると、図13に太実線で示すように、ディテント機構11のロックボール14が中立ロック溝4aを乗り越えるまでは、若干負荷の大きいシフト感となるが、その後は、シフトセレクトシャフト4がベクトル成分F4にて軸方向へシフトアシストされるため、良好なシフト操作感を得ることができる。
次に、図7に示すシフトアシスト制御ルーチンについて説明する。このルーチンは、上述したシフトアシスト判定ルーチンが終了した後、設定演算周期毎に実行され、先ず、ステップS11で、アシスト判定フラグFASの値を参照し、アシスト不要(FAS=0)の場合は、そのままルーチンを抜け、又、アシスト要(FAS=1)の場合は、ステップS12へ進む。
ステップS12へ進むと、奇数段シフトスイッチ22がONか否かを調べる。この奇数段シフトスイッチ22は、シフトセレクトシャフト4が奇数段にセットされた状態を検出するものであり、ONの場合はステップS13へ進み、又、OFFの場合はステップS14へ分岐する。
車両発進時、運転者は、クラッチペダルを踏み込んで、シフトレバー1を奇数段である1速にシフトする。すると、シフトセレクトシャフト4は、図8に示すニュートラルの状態から、図9に示す奇数段シフトの方向(図の右方向)へスライドし、ディテント機構11のロックボール14が中立ロック溝4aから隣接する奇数段ロック溝4bへ移行して、シフトセレクトシャフト4のガタつきを規制する。一方、ディテント機構11のディテントスリーブ12に立設されている奇数段シフトスイッチ22が偶数段ロック溝4cに係入してON動作される。尚、この奇数段シフトスイッチ22の動作は、シフトレバー1を他の奇数段(3速、或いは5速)にシフトする際も同様であるため説明を省略する。
そして、ステップS13へ進むと、アシストを偶数段側に設定する処理が実行される。図9に示すように、奇数段シフトスイッチ22がONされた状態は、運転者がシフトレバー1をシフト操作して変速段を奇数段(1速、3速、或いは5速)にセットした状態であり、次は、偶数段(2速、4速、6速、Rev)にシフト操作することが予測される。
そのため、ステップS13で実行する偶数段シフトアシスト処理は、運転者がシフトレバー1を偶数段側へシフトさせる前に、シフトセレクトシャフト4に対して偶数段側へシフトする際のアシストに備える。すなわち、シフトアシスト制御ユニット21からアシストモータ29に対して、偶数段アシストピストン27をシフトセレクトシャフト4方向へ押圧する駆動信号を出力し、駆動ギヤ28を、図9の状態から反時計回り方向へ回動させる。
すると、駆動ギヤ28に噛合する奇数段アシストピストン26の従動ギヤ26aは、後退し、一方、駆動ギヤ28に噛合する偶数段アシストピストン27の従動ギヤ27aは、シフトセレクトシャフト4の方向へスライドされる。そして、図2に示す中立位置を通過した後、図10に示すように、偶数段アシストガイド筒17bに内装されている圧縮スプリング25が圧縮され、アシストボール24がシフトセレクトシャフト4の表面に押圧される。一方、奇数段アシストガイド筒17aに内装されている圧縮スプリング25は、奇数段アシストピストン26がシフトセレクトシャフト4側から離間することで伸張され、アシストボール24の奇数段アシスト斜面16a対する押圧力が弱められる。
そして、運転者がシフトレバー1にて変速段を2速などの偶数段にシフトさせる操作を行うと、シフトセレクトシャフト4が、図10の奇数段側にシフトされている状態から、図11に示すように、ロックボール14が中立ロック溝4aに係合するニュートラル位置を乗り越えて、偶数段ロック溝4c側へ相対移動する。
すると、シフトアシスト機構16の偶数段アシストガイド筒17bに支持されているアシストボール24が、偶数段アシスト斜面16bの端縁部に差し掛かり、このR加工面を通過する際に、圧縮スプリング25の押圧力により比較的大きなベクトル成分F4(図9(b)参照)による付勢力が発生し、この付勢力でシフトセレクトシャフト4を偶数段のシフト方向へアシストする。そして、アシストボール24がシフトセレクトシャフト4の移動に伴い偶数段アシスト斜面16bを移動すると、圧縮スプリング25が次第に伸張して、軸方向のベクトル成分F4によるアシスト力が次第に弱まる。
又、上述した奇数段側へのシフト操作と同様、シフトセレクトシャフト4は、単に圧縮スプリング25の押圧力で発生するベクトル成分F4にて、シフトセレクトシャフト4を偶数段シフト方向へアシストしているだけであるため、オイルの粘性抵抗が高い状態でのシフト操作に際し、上述した奇数段側へのシフト操作と同様、良好なシフト操作感を得ることができる。
一方、ステップS12からステップS14へ分岐すると、偶数段シフトスイッチ23がONか否かを調べ、ONの場合はステップS15へ進み、OFFの場合は、シフトセレクトシャフト4がスライド中であると判定し、ステップS16へ進む。
ステップS15へ進むと、アシストを奇数段側に設定する処理が実行される。この処理は、上述した図6に示すシフトアシスト判定ルーチンのステップS5での処理と同様、シフトアシスト制御ユニット21からアシストモータ29に対して、奇数段アシストピストン26をシフトセレクトシャフト4の方向へ押圧する駆動信号を出力し、駆動ギヤ28を、図12の状態から時計回り方向へ所定角度回転させる。
すると、この駆動ギヤ28に噛合する奇数段アシストピストン26側の従動ギヤ26aを回動させて、この奇数段アシストピストン26をシフトセレクトシャフト4の方向へ奇数段アシストガイド筒17aに支持された状態でスライドさせる。その結果、奇数段アシストガイド筒17aに内装されている圧縮スプリング25が圧縮され、アシストボール24がシフトセレクトシャフト4の表面に押圧されて、次に運転者が奇数段側へシフトする際のアシストに備える。尚、奇数段側へのアシスト動作については既述したので、ここでの説明は省略する。
その後、ステップS13,S14,或いはステップS15からステップS16へ進むと、油温センサ31で検出した油温Tを読込み、ステップS17で、油温Tがアシスト判定油温Toまで上昇したか否かを判定する。そして、油温Tが未だアシスト判定油温Toに達していない場合(T≦To)、アシスト要と判定し、シフトアシスト処理を継続すべく、ルーチンを抜ける。一方、油温Tがアシスト判定油温Toを超過した場合(T>To)、アシスト不要と判定し、ステップS18へ進み、アシスト判定フラグFASをクリアして(FAS←0)、ステップS19へ進む。
ステップS11、或いはステップS18からステップS19へ進むと、シフトアシスト制御ユニット21からアシストモータ29を初期位置に戻す駆動信号を出力する。すると、このアシストモータ29に連設する駆動ギヤ28が両従動ギヤ26a,27aを回転させて、両アシストピストン26,27を中立位置に移動させる(図2参照)。
ところで、シフトアシスト制御ユニット21は、最初にキースイッチのON信号SkONを検出した場合、図6のステップS5で奇数段シフトアシスト処理を一律に実行する。そのため、例えば、運転者がエンジンジ始動直後の停車状態から、2速発進、或いは後進(Rev)させようとした場合、シフトセレクトシャフト4は、図8の状態から図面左方向へスライドするため、奇数段アシストガイド筒17aに設けたアシストボール24が奇数段アシスト斜面16a側へ相対移動することはない。
従って、運転者が2速或いは後進(Rev)へシフトレバー1をシフト操作する際に、シフト操作感をやや重たく感じることはあるが、奇数段アシストガイド筒17aに設けたアシストボール24によって、シフトセレクトシャフト4に対し逆方向へのアシストが積極的に印加されることは無い。
このように、本実施形態では、運転者がシフトレバー1をシフト操作する際のアシスト力を、シフトアシスト機構16に設けた圧縮スプリング25にて押圧されているアシストボール24で、奇数段アシスト斜面16a,16bを付勢する際に発生する軸方向へのベクトル成分F4で行うようにしたので、アシストするタイミングを運転者のシフト操作に追従して制御する必要がない。その結果、簡単な構造で、装置全体が大型化せず、又、アシストボール24の付勢力でベクトル成分F4を発生させるようにしているため、電気的な制御機構が簡素化され、運転者のシフトレバー1によるシフト操作と簡単に同期させることができる。
更に、アシストモータ29の駆動により、圧縮スプリング25を介してアシストボール24を、シフトレバー1に連設して移動するシフトセレクトシャフト4に形成されたアシスト斜面16a,16bに押圧付勢させるだけの簡単な構造であるため、低コストで、且つ、高い汎用性を得ることができる。
又、運転者がエンジンキーを操作してキースイッチ32をONすると、シフトアシスト機構16は、最初の1速へのシフト操作に備えて、奇数段アシストガイド筒17aに設けたアシストボール24を押圧し、シフト操作の際の付勢力を発生させるようにしたので、運転者はシフトレバー1をスムーズに1速へシフトさせることができ、良好な操作感を得ることができる。又、運転者がシフトレバー1をシフト操作して、奇数段(1速、3速、5速)或いは偶数段(2速、4速、6速、Rev)へのシフト操作が完了すると、シフトアシスト機構16は、次の偶数段、或いは奇数段へのシフト操作に備えて、偶数段アシストガイド筒17bに設けたアシストボール24、或いは奇数段アシストガイド筒17aに設けたアシストボール24をシフトセレクトシャフト4側へ押圧付勢させるようにしたので、運転者のシフト操作に対して、アシスト遅れが生じることがなく、より良好なシフト操作感を得ることができる。
[第2実施形態]
図14に本発明の第2実施形態を示す。上述した第1実施形態では、アシストモータ29にて駆動ギヤ28を正転、或いは逆転させることで、アシストピストン26,27を相対的に進退動作させるようにしたが、本実施形態では、アシストモータ29でリニアカム36を、シフトセレクトシャフト4の延在方向と同方向へ往復動作させることで、アシストピストン26,27を選択的に進退動作させるようにしたものである。尚、第1実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。又、制御フローチャートは、図5、図6と同様であるため、同図を用いて説明する。
本実施形態によるシフトアシスト機構16はカム機構で構成されており、奇数段アシストピストン26と偶数段アシストピストン27とには、第1実施形態の従動ギヤ26a,27aに代えて、カムフォロワ26b,27bが形成されている。
又、このカムフォロワ26b,27bの先端がリニアカム36に摺接されている。リニアカム36はシフトセレクトシャフト4の軸方向と同方向に延在されており、このリニアカム36の上面中央のカムベース36aが形成され、このカムベース36aを挟む両側に、奇数段用リフト部36bと偶数段用リフト部36cとが所定間隔を開けて対向配列されている。
又、このリニアカム36の底面にねじ機構37が設けられている。このねじ機構37は、例えばボールねじであり、一対のナット部37aがリニアカム36の底面に所定間隔を開けて固設されており、この両ナット部37aにねじ軸37bが螺入されている。更に、このねじ軸37bの一端にアシストモータ29が連設されている。尚、リニアカム36、ねじ機構37、アシストモータ29で、本発明の駆動手段が構成されている。
このような構成では、上述した図6に示すシフトアシスト判定ルーチンのステップS2において、シフトアシスト制御ユニット21からアシストモータ29に対し、初期位置に戻す駆動信号を出力する。
すると、アシストモータ29の回転によりリニアカム36が、図14に示す初期位置へ移動し、両アシストピストン26,27のカムフォロワ26b,27bがリニアカム36のカムベース36aに摺接する中立位置で待機される。
その後、ステップS4からステップS5へ進み、シフトアシストを奇数段側に設定する処理を実行すると、先ず、シフトアシスト制御ユニット21からアシストモータ29に対して、奇数段アシストピストン26をシフトセレクトシャフト4方向へ押圧する駆動信号を出力する。
すると、アシストモータ29の回転により、ねじ機構37を介してリニアカム36が、図14の右方向へスライドし、奇数段用リフト部36bが、一点鎖線瀬で示すように奇数段アシストピストン26側へ移動して、この奇数段アシストピストン26のカムフォロワ26bをリフトアップする。その結果、奇数段アシストガイド筒17aに内装されている圧縮スプリング25を圧縮して、アシストボール24をシフトセレクトシャフト4の表面に押圧させる。
又、図7に示すシフトアシスト制御ルーチンのステップS13において実行する、シフトアシスト制御ユニット21がアシストを偶数段側に設定する処理では、先ず、アシストモータ29の回転によりねじ機構37を介して、リニアカム36を、図14の左方向へスライドさせる。
すると、リニアカム36の偶数段用リフト部36cが、一点鎖線瀬で示すように偶数段アシストピストン27側へ移動し、この偶数段アシストピストン27のカムフォロワ27bをリフトアップする。又、奇数段用リフト部36bも同方向へ移動するため、奇数段アシストピストン26のカムフォロワ26bは奇数段用リフト部36bの傾斜に沿ってカムベース36aまで後退して、中立位置に戻される。
その結果、偶数段アシストガイド筒17bに内装されている圧縮スプリング25を圧縮して、アシストボール24をシフトセレクトシャフト4の表面に押圧させる。一方、奇数段アシストガイド筒17aに設けたアシストボール24は、奇数段アシストピストン26のシフトセレクトシャフト4側からの離間により圧縮スプリング25のアシストボール24に対する付勢力が弱められる。
又、ステップS15において実行する、シフトアシスト制御ユニット21がアシストを奇数段側に設定する処理では、シフトアシスト制御ユニット21からの駆動信号によりアシストモータ29を回転させ、ねじ機構37を介して、リニアカム36を、図14の右方向へスライドさせる。すると、リニアカム36の奇数段用リフト部36bが、一点鎖線で示すように奇数段アシストピストン26側へ移動し、この奇数段アシストピストン26のカムフォロワ26bをリフトアップする。同時に、偶数段用リフト部36cも同方向へ移動するため、偶数段アシストピストン27のカムフォロワ27bは、偶数段用リフト部36cの傾斜に沿ってカムベース36aまで後退して中立位置に戻される。
このように、本実施形態では、アシストピストン26,27を、リニアカム36をスライドさせることで進退動作させるようにしたので、リニアカム36、及びねじ機構37をシフトセレクトシャフト4の軸方向に沿って配列させることが可能となり、狭隘な変速機ケース内を有効利用することができる。
[第3実施形態]
図15に本発明の第3実施形態を示す。上述した第1実施形態ではアシストモータ29の回動を駆動ギヤ28に噛合する従動ギヤ26a,27aによって直線運動に変換して、アシストピストン26,27を進退動作させるようにしたが、本実施形態では、両アシストピストン26,27を、リンク部材としてのリンクプレート41で連設し、このリンクプレート41を、アシストモータ29の回動によりシーソーのように揺動させることで、アシストピストン26,27を相対的に進退動作させるようにしたものである。尚、第1実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。又、制御フローチャートは、図5、図6と同様であるため、同図を用いて説明する。
すなわち、直線状のリンクプレート41の両端部に穿設されている長孔41aが、各アシストピストン26,27の下部に設けたホルダ部26d,27dに形成されているスリット部26e,27eにピン42を介して回動自在に支持されている。又、リンクプレート41の中央に従動ギヤ43が一体的に固設されており、この従動ギヤ43に噛合する駆動ギヤ44が、アシストモータ29に直接或いは減速ギヤを介して連設されている。尚、本実施形態では、駆動ギヤ44としてウォームを採用し、又、従動ギヤとしてウォームホイールを採用している。尚、アシストモータ29、ホルダ部26d,27d、ピン42、従動ギヤ43、駆動ギヤ44、リンクプレート41で、本発明の駆動手段が構成されている。
アシストモータ29の回転により、駆動ギヤ(ウォーム)44を介して従動ギヤ(ウォームホイール)43が、図の時計回り方向へ所定角度回転すると、リンクプレート41が同方向へ回動し、奇数段アシストピストン26をシフトセレクトシャフト4側へ奇数段アシストガイド筒17aに支持されながらスライドさせる。すると、この奇数段アシストピストン26が圧縮スプリング25を圧縮し、アシストボール24をシフトセレクトシャフト4側へ押圧する。一方、偶数段アシストピストン27は偶数段アシストガイド筒17bに支持された状態で後退し、圧縮スプリング25が次第に伸張するため、アシストボール24に対する押圧力が弱められる。
又、アシストモータ29が駆動ギヤ(ウォーム)44を介して従動ギヤ(ウォームホイール)43を図の反時計回り方向へ所定角度回転させると、リンクプレート41が同方向へ回動し、偶数段アシストピストン27をシフトセレクトシャフト4側へ偶数段アシストガイド筒17bに支持されながらスライドさせる。すると、この偶数段アシストピストン27が圧縮スプリング25を圧縮し、アシストボール24をシフトセレクトシャフト4側へ押圧する。一方、奇数段アシストピストン26は奇数段アシストガイド筒17aに支持された状態で後退し、圧縮スプリング25が次第に伸張するため、アシストボール24に対する押圧力が弱められる。
従って、シフトアシスト制御ユニット21は、第1実施形態の図6に示すシフトアシスト判定ルーチンのステップS5、及び図6に示すアシスト制御ルーチンのステップS15において、従動ギヤ43を時計回り方向へ回動させ、又、ステップS13において、従動ギヤ43を時計回り方向へ回動させるように、アシストモータ29に対して駆動信号を出力させれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
このように、本実施形態では、両アシストピストン26,27をリンクプレート41で連設し、このリンクプレート41を、中央を軸としてシーソー状に回動させることで、両アシストピストン26,27を進退動作させるようにしたので、両アシストピストン26,27間の距離を比較的容易に設定することができ、設計の自由度を増すことができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えばアシスト部材は、アシストボールに限らず、先端を球状に形成した棒状部材であっても良い。又、付勢手段はアシストピストン26,27自体を弾性体で形成することで、圧縮スプリング25を省略するようにしても良い。
又、上述した各実施形態では、シフトアシストが必要か否かを、一つのアシスト判定油温Toに基づいて判定しているが、アシスト判定油温を複数段設定し、各アシスト判定油温とミッションオイルの粘性抵抗等の変化との関係に基づき、段階毎にアシスト力(図9(b)のベクトル成分F4)を可変設定するようにしても良い。これによりミッションオイルの粘性抵抗等の変化に応じた最適なアシスト力を発生させることができ、エンジン始動後の車両発進時において、より良好なシフト操作感を得ることができる。
1…シフトレバー、
3…シフトリンク機構、
4…シフトセレクトシャフト、
4a…中立ロック溝、
4b…奇数段ロック溝、
4c…偶数段ロック溝、
11…ディテント機構、
14…ロックボール、
16…シフトアシスト機構、
16a…奇数段アシスト斜面、
16b…偶数段アシスト斜面、
17a…奇数段アシストガイド筒、
17b…偶数段アシストガイド筒、
21…シフトアシスト制御ユニット、
22…奇数段シフトスイッチ、
23…偶数段シフトスイッチ、
24…アシストボール、
25…圧縮スプリング、
26…奇数段アシストピストン、
26a,27a.43…従動ギヤ、
26b,27b…カムフォロワ、
27…偶数段アシストピストン、
28,44…駆動ギヤ、
29…アシストモータ、
31…油温センサ、
32…キースイッチ、
36…リニアカム、
36a…カムベース、
36b…奇数段用リフト部、
36c…偶数段用リフト部、
37…ねじ機構、
37b…ねじ軸、
41…リンクプレート、
Nt…操作力、
T…油温、
To…アシスト判定油温

Claims (6)

  1. シフトレバーのシフト操作により中立位置を挟んで奇数段側と偶数段側との一方へ軸方向に沿って移動して1つの変速段のギヤ列を接続させるシフトセレクトシャフトと、
    前記シフトレバーのシフト操作をアシストするシフトアシスト手段と、
    前記シフトアシスト手段を動作させる制御手段と
    を有する手動変速機のシフトアシスト装置において、
    前記シフトアシスト手段は、
    前記シフトセレクトシャフトに、軸方向に沿って形成された奇数段アシスト斜面及び偶数段アシスト斜面と、
    前記シフトセレクトシャフトの軸方向への移動に伴い前記奇数段アシスト斜面側或いは前記偶数段アシスト斜面側へ相対摺動するアシスト部材と、
    前記アシスト部材を前記シフトセレクトシャフト方向へ押圧する付勢手段と
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記シフトレバーの前記奇数段側或いは前記偶数段側へのシフト操作を予測したとき、前記付勢手段にて前記アシスト部材を前記奇数段アシスト斜面側或いは前記偶数段アシスト斜面側へ押圧させる
    ことを特徴とする手動変速機のシフトアシスト装置。
  2. 前記制御手段は、前記シフトレバーの前記奇数段側へのシフト操作の予測をキースイッチからのオン信号に基づいて判定し、オン信号を検出した場合、前記付勢手段にて前記アシスト部材を前記奇数段アシスト斜面側へ押圧させる
    ことを特徴とする請求項1記載の手動変速機のシフトアシスト装置。
  3. 前記制御手段は、前記キースイッチからのON信号が出力された後の前記シフトレバーの前記奇数段側或いは前記偶数段側へのシフト操作の予測は、前記シフトセレクトシャフトの奇数段位置での保持状態及び偶数段位置での保持状態を検出するシフト位置検出手段からの検出信号に基づいて判定し、前記シフトセレクトシャフトが前記奇数段位置に保持されたことを検出した場合、前記付勢手段にて前記アシスト部材を前記偶数段アシスト斜面側へ押圧させ、又前記シフトセレクトシャフトが前記偶数段位置に保持されたことを検出した場合、前記付勢手段にて前記アシスト部材を前記奇数段アシスト斜面側へ押圧させる
    ことを特徴とする請求項2記載の手動変速機のシフトアシスト装置。
  4. 前記付勢手段は前記制御手段からの駆動信号で動作する駆動手段にて動作され、
    前記駆動手段が、
    前記制御手段からの駆動信号に応じて動作するアクチュエータと、
    前記アクチュエータに連設する駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤに噛合すると共に前記付勢手段と一体に進退動作する従動ギヤと
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の手動変速機のシフトアシスト装置。
  5. 前記付勢手段は前記制御手段からの駆動信号で動作する駆動手段にて動作され、
    前記駆動手段が、
    前記制御手段からの駆動信号に応じて動作するアクチュエータと、
    前記アクチュエータにて前記シフトセレクトシャフトの軸方向と同方向へ往復動作されるリニアカムと、
    前記リニアカムに摺接すると共に前記付勢手段と一体に進退動作するカムフォロワと
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の手動変速機のシフトアシスト装置。
  6. 前記付勢手段は前記制御手段からの駆動信号で動作する駆動手段にて動作され、
    前記駆動手段は、
    前記制御手段からの駆動信号に応じて動作するアクチュエータと、
    前記アクチュエータに連設する駆動ギヤと、
    前記駆動ギャに噛合する従動ギヤと、
    前記従動ギヤと一体に揺動して前記アシスト部材を前記アシスト斜面方向へ押圧させるリンク部材と
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の手動変速機のシフトアシスト装置。
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