JP2018083903A - 変性共役ジエン重合体、ゴム組成物、変性共役ジエン重合体の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記共役ジエン重合体を(D)キナゾリン誘導体により変性させる工程と、
により得られたことを特徴とする変性共役ジエン重合体の製造方法。
前記共役ジエン重合体を(D)キナゾリン誘導体により変性させる工程と、
により得られたことを特徴とする変性共役ジエン重合体の製造方法。
本発明で用いられる変性剤は、(D)キナゾリン誘導体(キナゾリン環を有する化合物)であり、キナゾリノン誘導体やキナゾリンジオン誘導体などのカルボニル基を有するキナゾリン誘導体が好ましい。
カルボニル基を有するキナゾリン誘導体として具体的には、2−キナゾリノン、4−キナゾリノン、6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オン、2,4(1H,3H)−キナゾリンジオン、6,7−ジメトキシ−2,4(1H,3H)−キナゾリンジオン、メタクアロン、エタクアロン、クロロクアロン、アフロクアロンなどが挙げられる。これらの変性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これらの変性剤は、入手容易なものも多く、工業的に有利である。
本発明の触媒系の(A)成分である希土類金属化合物又はアルカリ金属化合物は、非極性の有機溶媒に溶解する状態であれば、特に限定はなく、ジケトン型希土類金属錯体、ケトイミン型希土類金属錯体、ジイミン型希土類金属錯体、希土類金属アルコキシド、希土類金属カルボン酸塩、希土類金属リン酸塩、有機アルカリ金属化合物などが挙げられる。
また希土類金属化合物は、アルカリ金属化合物よりも、1,4−シス構造の多いハイシスポリブタジエンが得られるという点で好ましい。希土類金属としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウムなどが好適に用いられる。
本発明の変性共役ジエン重合体組成物は、一種または二種以上の本発明の変性共役ジエン重合体を含むものであり、本発明の変性共役ジエン重合体(α)と、(α)以外のジエン系重合体(β)と、ゴム補強剤(γ)とを含むことが好ましい。本発明の変性共役ジエン重合体組成物の製造方法は、上述した本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法により変性共役ジエン重合体(α)を製造する工程を有することを特徴とするものである。
具体的には、本発明の変性共役ジエン重合体は、単独で、または他の合成ゴム若しくは天然ゴムとブレンドして配合し、必要ならばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの充填剤、加硫剤、加硫促進剤、その他の通常の配合剤を加えて加硫し、タイヤ、ホース、ベルト、クローラ、その他の各種工業用品などの機械的特性、耐摩耗性、低燃費性などが要求されるゴム用途に使用することができる。
本発明の変性共役ジエン重合体組成物は、(α)+(β)と、ゴム補強剤(γ)との混合割合をそれぞれ調整することにより、タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物として好適に用いることができる。
本発明のタイヤの製造方法は、変性共役ジエン重合体を含むタイヤの製造方法であって、上述した本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法により変性共役ジエン重合体を製造する工程を有することを特徴とするものである。
本発明のゴムベルトは、本発明の変性共役ジエン重合体組成物を用いたものである。本発明のゴムベルトの製造方法は、変性共役ジエン重合体を含むゴムベルトの製造方法であって、上述した本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法により変性共役ジエン重合体を製造する工程を有することを特徴とするものである。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物に配合されるジエン系重合体(β)としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及びポリイソプレンのうち少なくとも一種以上であることが好ましい。
ミクロ構造:赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス734cm−1、トランス967cm−1、ビニル910cm−1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒480ml及びブタジエン500mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)3.6mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン(La(dpm)3)のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)4.0mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)10.0mlを添加した。20℃で20分間重合した後、6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オン(DMQ)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.05mol/L)10.0mLを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。得られた変性ポリブタジエンの変性度は0.84であった。その他の重合結果を表1に示した。
トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)の添加量を3.0mlとし、重合時間を25分間とした以外は、実施例A−1と同様に実験を行った。重合結果を表1に示した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒530ml及びブタジエン550mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)5.0mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン(La(dpm)3)のトルエン溶液(0.005mol/L)4.4mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)11.0mlを添加した。20℃で20分間重合した後、6,7−ジメトキシキナゾリン−2,4−ジオン(DMQDO)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.1mol/L)5.5mLを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒240ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.5mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm)3)のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)2.0mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)5.0mlを添加した。20℃で25分間重合した後、6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オン(DMQ)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.05mol/L)5.0mLを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒530ml及びブタジエン550mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)3.4mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン(La(dpm)3)のトルエン溶液(0.005mol/L)4.4mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)11.0mlを添加した。20℃で20分間重合した後、変性剤を加えることなく、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒480ml及びブタジエン500mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)3.1mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン(La(dpm)3)のトルエン溶液(0.005mol/L)4.0mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)10.0mlを添加した。20℃で25分間重合した後、変性剤を加えることなく、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒450ml及びブタジエン60mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、80℃まで昇温した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.12mlを添加した。80℃で15分間重合した後、6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オン(DMQ)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.05mol/L)5.0mLを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。収量は70.3g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.22mlとし、6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オン(DMQ)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.05mol/L)7.5mLとした以外は、実施例B−1と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は71.9g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.32mlとし、6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オン(DMQ)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.05mol/L)11.0mLとした以外は、実施例B−1と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は73.1g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒450ml及びブタジエン60mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、80℃まで昇温した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.14mlを添加した。80℃で15分間重合した後、重合液を20℃まで冷却した。次いで、6,7−ジメトキシキナゾリン−2,4−ジオン(DMQDO)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.05mol/L)5.0mLを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。収量は70.3g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.32mlとし、6,7−ジメトキシキナゾリン−2,4−ジオン(DMQDO)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(0.05mol/L)11.0mLとした以外は、実施例B−4と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は71.6g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒450ml及びブタジエン60mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、80℃まで昇温した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.22mlを添加した。80℃で15分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。収量は73.7g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)の添加量を0.30mlとした以外は、比較例B−1と同様にしてポリブタジエンを合成した。収量は74.2g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンを用い、表3に示す配合処方に従って、プラストミルで天然ゴム、カーボンブラック(三菱化学株式会社製 ダイアブラック)、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤(住友化学株式会社製 アンチゲン6C)、オイル(H&R社製 Viva Tec 400)を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤(大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーNS)、硫黄を添加する二次配合を実施することで、配合ゴムを作製した。更にこの配合ゴムを目的物性に応じて成型し、150℃にてプレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、実施例A−2に従って合成した変性ポリブタジエンを用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、実施例A−3に従って合成した変性ポリブタジエンを用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、参考例A−1に従って合成した未変性ポリブタジエンを用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、ポリブタジエンとしてJSR株式会社製、JSR BR01(Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
Claims (9)
- (A)希土類金属化合物、(B)周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物、(C)非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、から得られる触媒を用いて共役ジエン化合物を重合させた共役ジエン重合体を、(D)キナゾリン誘導体により変性させた
変性共役ジエン重合体。 - (A)アルカリ金属化合物を用いて共役ジエン化合物を重合させた共役ジエン重合体を(D)キナゾリン誘導体により変性させた
変性共役ジエン重合体。 - (D)キナゾリン誘導体が、カルボニル基を有するキナゾリン誘導体である請求項1又は請求項2に記載の変性共役ジエン重合体。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変性共役ジエン重合体を含むゴム組成物。
- 請求項4に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 請求項4に記載のゴム組成物を用いたゴムベルト。
- (A)希土類金属化合物、(B)周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物、(C)非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、から得られる触媒を用いて共役ジエン化合物を重合させて共役ジエン重合体を得る工程と、
前記共役ジエン重合体を(D)キナゾリン誘導体により変性させる工程と、
により得られる変性共役ジエン重合体の製造方法。 - (A)アルカリ金属化合物を用いて共役ジエン化合物を重合させて共役ジエン重合体を得る工程と、
前記共役ジエン重合体を(D)キナゾリン誘導体により変性させる工程と、
により得られる変性共役ジエン重合体の製造方法。 - (D)キナゾリン誘導体が、カルボニル基を有するキナゾリン誘導体である請求項7又は請求項8に記載の変性共役ジエン重合体の製造方法。
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- 2016-11-24 JP JP2016228197A patent/JP6769261B2/ja active Active
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