JP2018083732A - 窒化鉄粒子及び窒化鉄粒子の製造方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、出発原料である酸化鉄またはオキシ水酸化鉄の凝集粒子をボールミル等で粉砕して分散させ、得られた鉄化合物粉末を水素還元し、その後に窒化処理を施すことで窒化鉄粉末(Fe16N2)を製造する方法が記載されている。
また、非特許文献1には、分子線エピタキシー法によって鉄の窒化物層を形成する方法が記載されている。非特許文献2には、スパッタリング法によって鉄の窒化物層を形成する方法が記載されている。
また、引用文献1に記載の方法により製造されるα’’−Fe16N2を含有する窒化鉄粒子は、粒子の外殻にFeOが形成されている。これは、窒化処理後に粒子表面界面だけの窒素が抜けた鉄金属部分が酸化するためであるとされている。
平均粒径が10nm以上、10μm以下で、α’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上である窒化鉄粒子、である。
また、本発明の一態様に係る窒化鉄粒子の製造方法は、
上記窒化鉄粒子を製造する方法であって、
溶融塩中に、アノードとして純度が99質量%以上の鉄を、カソードとして窒素ガス還元電極を設けて溶融塩電解を行なうことにより、前記溶融塩中にα’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上である窒化鉄粒子を析出させる電解工程を有し、
前記電解工程において前記溶融塩の温度は250℃以下である窒化鉄粒子の製造方法、である。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る窒化鉄粒子は、
平均粒径が10nm以上、10μm以下で、α’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上である窒化鉄粒子、である。
上記(1)に記載の発明の態様によれば、α’’−Fe16N2を高濃度で含有する窒化鉄粒子を提供することができる。
(3)上記(2)に記載の防食層は、ε−Fe2―3N、炭化鉄又は酸化鉄であることが好ましい。
上記(2)又は上記(3)に記載の発明の態様によれば、大気等の雰囲気の影響を受け難く、劣化され難い窒化鉄粒子を提供することができる。
上記(1)に記載の窒化鉄粒子を製造する方法であって、
溶融塩中に、アノードとして純度が99質量%以上の鉄を、カソードとして窒素ガス還元電極を設けて溶融塩電解を行なうことにより、前記溶融塩中にα’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上である窒化鉄粒子を析出させる電解工程を有し、
前記電解工程において前記溶融塩の温度は250℃以下である窒化鉄粒子の製造方法、である。
上記(4)に記載の発明の態様によれば、α’’−Fe16N2を高濃度で含有する窒化鉄粒子の製造方法を提供することができる。
前記電解工程において、アノードに印加する電位はLi+/Li基準で0.5V以上、3.5V以下であることが好ましい。
上記(5)に記載の発明の態様によれば、窒化鉄粒子を比較的短時間で簡易に製造することが可能な窒化鉄粒子の製造方法を提供することができる。
前記電解工程の前に、前記溶融塩中に窒化物イオン(N3−)を溶解させる準備工程を有することが好ましい。
上記(6)に記載の発明の態様によれば、電解工程において速やかにα’’−Fe16N2の粒子を析出させることができる。
前記電解工程の後に、前記窒化鉄粒子の表面に防食層を形成する防食層形成工程を有することが好ましい。
(8)上記(7)に記載の窒化鉄粒子の製造方法は、
前記防食層が、ε−Fe2−3N、炭化鉄又は酸化鉄であることが好ましい。
上記(7)又は上記(8)に記載の発明の態様によれば、大気等の雰囲気の影響を受け難く、劣化され難い窒化鉄粒子の製造方法を提供することができる。
前記溶融塩が、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物又はこれらの混合物であることが好ましい。
(10)上記(9)に記載の窒化鉄粒子の製造方法は、
前記アルカリ金属のハロゲン化物が、アルカリ金属の臭化物、ヨウ化物又は臭化物とヨウ化物の混合物であることが好ましい。
(11)上記(9)又は上記(10)に記載の窒化鉄粒子の製造方法は、
前記アルカリ土類金属のハロゲン化物が、アルカリ土類金属の臭化物、ヨウ化物又は臭化物とヨウ化物の混合物であることが好ましい。
(12)上記(9)から上記(11)のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法は、
前記アルカリ金属が、Li、K及びCsからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
(13)上記(9)から上記(12)のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法は、
前記アルカリ土類金属が、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
(14)上記(4)から上記(13)のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法は、
前記溶融塩が、LiBr−KBr−CsBrもしくはLiI−KI−CsIであることが好ましい。
(15)上記(4)から上記(14)のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法は、
前記溶融塩がLi+、K+及びCs+を含有し、Li+の含有率が40mol%以上、80mol%以下、K+の含有率が5mol%以上、30mol%以下、Cs+の含有率が10mol%以上、40mol%以下であることが好ましい。
上記(9)から上記(15)のいずれか一項に記載の発明の態様によれば、α’’−Fe16N2が安定な温度範囲の溶融塩を、比較的入手が容易であり、また、取扱も容易な材料種によって形成することができる。
本発明の実施形態に係る窒化鉄粒子及びその製造方法の具体例を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態に係る窒化鉄粒子は、α’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上である。α’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上であることにより、飽和磁化が高いα’’−Fe16N2の特性を十分に発揮することができる。α’’−Fe16N2の含有率は高ければ高いほど好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
なお、窒化鉄粒子には、α’’−Fe16N2以外の成分が意図的又は不可避的に含まれていても構わない。α’’−Fe16N2以外の成分としては、例えば、Fe、Fe4N、Fe3N、FeO、Fe2O3、Fe3O4、FeOH等が含まれていてもよい。
電子顕微鏡としては、走査型電子顕微鏡の場合にはJEOL社製のJSM7000F等を、透過型電子顕微鏡の場合にはJEM−2100(EDX、CMOS換装)等を用いることができる。また、電子顕微鏡で観察した窒化鉄粒子の像から平均粒径を算出するには、例えば、解析ソフトウェアとしてImageJ等を利用して平均粒径(フェレ径)を算出すればよい。
本発明の実施形態に係る窒化鉄粒子は、大気等の雰囲気による劣化を抑制するために表面に防食層を有していることが好ましい。防食層としては、例えば、α’’−Fe16N2とは組成が異なる窒化鉄が考えられる。例えば、耐食性の高いε−Fe2−3Nを用いることができる。防食層としての窒化鉄はα’’−Fe16N2と窒化率が異なる相であるため、窒化処理の方法を変えることで生成させることが可能である。例えば、表面に窒素プラズマを照射して窒化鉄による防食層を形成させることができる。
その他の防食層としては、炭化鉄や酸化鉄を適用することができる。酸化鉄の場合、窒化鉄粒子の形成後に緩やかな酸化処理を施すことで形成できる。また、鉄系以外にも、SiO2やAl2O3を窒化鉄粒子表面に設けても、防食層とすることができる。
また、防食層の厚みは、0.5nm以上、20nm以下であることが好ましい。防食層の厚みが0.5nm以上であることにより、大気等の雰囲気による窒化鉄粒子の劣化を抑制できる。また、防食層の厚みが20nm以下であることにより、窒化物層にひずみなどの影響を与えることが抑えられ、また、多大な手間や時間をかけることなく防食層を生成することができる。防食層の厚みは、1nm以上、10nm以下であることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る窒化鉄粒子の製造方法は、上記の本発明の実施形態に係る窒化鉄粒子を製造する方法である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る窒化鉄粒子の製造方法は、溶融塩3中にアノード1とカソード2を設け、それぞれを電源4に接続して溶融塩電解を行なう電解工程を有するものである。アノード1に高純度の鉄を用い、カソード2に窒素ガス還元電極を用いることで、アノード1においては鉄を溶融塩3中に溶解し、カソード2においては窒素ガスを還元して溶融塩3中に窒化物イオン(N3−)が溶解させることができる。そして、溶融塩3中にはα’’−Fe16N2を高純度で含む窒化鉄粒子5が析出する。電源4は電位を制御することができるものであればよく、例えば、ポテンショ・ガルバノスタットを好ましく用いることができる。
また、本発明の実施形態に係る窒化鉄粒子の製造方法は、必要に応じて、電解工程の前に、溶融塩3中に窒化物イオンを溶解させる準備工程を有してもよい。更に、電解工程の後に、窒化鉄粒子5の表面に防食層を形成する防食層形成工程を有してもよい。以下に各構成を詳述する。
上述のように、電解工程は溶融塩中にカソードとアノードを設けて溶融塩電解を行なう工程である。
−アノード−
アノードには純度が99質量%以上の鉄を用いる。アノードとして用いる鉄には、1質量%以下であれば鉄以外の成分が意図的に又は不可避的に含まれていても構わない。しかしながら、鉄よりも窒化しやすい成分や、α’’−Fe16N2の磁気特性に影響を与える成分はできる限り含まれていない方が好ましい。例えば、Ti、V、Cr、Mn、ランタノイドや、Al、Siなどの軽金属は鉄よりも窒化しやすいため、電解時にα’’−Fe16N2の生成を阻害してしまう。アノードに用いる鉄の純度は高ければ高いほど好ましい。
また、アノードとして用いる鉄の形状は特に限定されるものではなく、平板状等、目的に応じて適宜選択すればよい。
カソードには窒素ガス還元電極(以下では単に「ガス電極」と記載する)を用いる。ガス電極に窒素ガスを供給し、窒素を電気化学的に還元することによっても溶融塩中に窒化物イオン(N3−)を生成させることができる。ガス電極は、窒素ガスを含むガスを電極表面に供給することが可能な電極であればよく公知のものを利用可能であるが、図2〜図5に示す構造のガス電極であることが好ましい。
前記ガス電極は、窒素ガス、溶融塩、及びガス電極の通電部、の三相界面を形成する部分が多いほど高効率である。このため、通電部に多孔質の部材を用いる図3及び図5に示す態様のガス電極がより効果的である。
ガス電極に供給するガスは、窒素ガスの他にも、溶融塩に影響を与えないガスと窒素ガスとの混合ガスを用いることもできる。窒素ガスに混合させるガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)ガスを好ましく利用することができる。窒素ガスと他のガスとの混合ガスを供給する場合には、電極表面での反応効率を考慮すれば窒素ガスの濃度が高いガスであることが好ましい。すなわち、使用する電極で反応が可能な最大量の窒素ガスを供給するような濃度に調整するのが望ましい。
また、ガス電極から排出される未反応のガスを回収して、ガス電極に再度供給するように循環させてもよい。
溶融塩は250℃以下で溶融して液体となるものを選択すればよい。低融点で、かつ、比較的入手が容易な溶融塩としては、例えば、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物又はこれらの混合物であることが好ましい。一般に、一成分の塩よりも多成分の塩の方が低融点となるため、複数種の塩を混合して用いることが好ましい。また、アルカリ金属のハロゲン化物は臭化物、ヨウ化物又は臭化物とヨウ化物の混合物であることが好ましい。同様に、アルカリ土類金属のハロゲン化物も臭化物、ヨウ化物又は臭化物とヨウ化物の混合物であることが好ましい。ヨウ化物や臭化物の塩は低い温度で溶融させることができ、また、取扱も容易であるため好ましい。
また、溶融塩がLi+、K+及びCs+を含有する場合には、Li+の含有率が40mol%以上、80mol%以下、K+の含有率が5mol%以上、30mol%以下、Cs+の含有率が10mol%以上、40mol%以下であることが好ましい。これにより低融点の溶融塩とすることができる。
溶融塩におけるLi+の含有率は、45mol%以上、75mol%以下であることがより好ましく、50mol%以上、70mol%以下であることが更に好ましい。
溶融塩におけるK+の含有率は、7mol%以上、25mol%以下であることがより好ましく、9mol%以上、20mol%以下であることが更に好ましい。
溶融塩におけるCs+の含有率は、15mol%以上、35mol%以下であることがより好ましく、20mol%以上、30mol%以下であることが更に好ましい。
溶融塩電解時にアノードに印加する電位は、Li+/Li基準で0.5V以上、3.5V以下程度とすることが好ましい。溶融塩中に鉄イオンが溶解している場合には、アノードに印加する電位を0.5V(vs.Li+/Li)以上とすることで、α’’−Fe16N2を含む窒化鉄粒子を生成させることができる。また、溶融塩中に鉄イオンが溶解していない場合には、アノードに印加する電位を1.5V(vs.Li+/Li)超とすることで、アノードとして用いた鉄を溶解させてα’’−Fe16N2を含む窒化鉄粒子を生成させることができる。一方、アノードに印加する電位を3.5V(vs.Li+/Li)以下とすることで、溶融塩中の陰イオン、例えば、ハロゲン化物イオン等を酸化させずに鉄をアノード溶解させることができる。
溶融塩電解を行なう時間は特に限定されるものではなく、目的となるα’’−Fe16N2が十分に形成される時間行なえばよい。
窒化鉄粒子の熱処理は、室温以上、溶融塩電解処理温度より低い温度で、例えば15℃以上、200℃以下程度で行なうことが好ましい。また、熱処理を行なう雰囲気は特に限定されず、電解液中で行なってもよいし、ガス雰囲気中で行なってもよい。
準備工程は、電解工程の前に行う工程であり、溶融塩中に窒化物イオン(N3−)を溶解させる工程である。
例えば、溶融塩中にLi3Nを添加して溶解させることで溶融塩中に窒化物イオンを生成させることができる。窒化物イオンの添加量としては、例えば、Li3Nの濃度が0.05mol%以上、5mol%以下となるようにLi3Nを溶融塩に添加すればよい。Li3Nの濃度が0.05mol%以上となるようにすることで、準備工程に続けて行なう電解工程においてα’’−Fe16N2を電析させるのに十分な量の窒化物イオンを溶融塩中に生成することができる。また、Li3Nの濃度が5mol%以下とすることで、溶融塩の融点の上昇を抑制することができる。これらの観点から、Li3Nの添加量は、Li3Nの濃度が0.1mol%以上、3mol%以下となるようにすることがより好ましく、0.2mol%以上、2mol%以下となるようにすることが更に好ましい。
なお、電解工程においてα’’−Fe16N2が電析し始めると溶融塩中の窒化物イオンは消費されるが、カソードに送られる窒素ガスが還元されて、窒化物イオンとなり溶融塩中に供給される。
防食層形成工程は、電解工程の後に行なう工程であり、電解工程によって形成された窒化鉄粒子の表面に防食層を形成する工程である。窒化鉄粒子の表面に形成する防食層は、ε−Fe2−3N、炭化鉄又は酸化鉄であること好ましい。
防食層として、ε−Fe2−3Nのように、α’’−Fe16N2と窒化率が異なる相の窒化鉄を形成する場合には、例えば、窒化方法を変えることによって形成することができる。すなわち、電解工程後に、窒素プラズマを照射して窒化鉄粒子表面を窒化することで、耐食性に優れたε−Fe2−3Nを含む窒化鉄による防食層を窒化鉄粒子の表面に形成することができる。
防食層として炭化鉄を形成する場合には、例えば、洗浄後に炭化材(液状炭化水素等)を塗布して不活性雰囲気炉で焼く、または、CO雰囲気中で熱処理をする、といった処理を施せばよい。
防食層として酸化鉄を形成する場合には、α’’−Fe16N2を含む窒化鉄粒子を緩やかな条件で酸化処理すればよい。緩やかな酸化処理の条件としては、例えば、洗浄後に100℃程度の熱処理でFe3O4を形成すればよい。
その他、防食層としてSiO2やAl2O3を形成してもよい。
LiBr、KBr及びCsBrを、混合比率がモル比で56.1:18.9:25.0となるように混合して250℃に加熱し、溶融塩を作製した。
アノードとして5mm×5mm×1mmtのFe板を、カソードとして窒素ガス還元電極を溶融塩中に配置した。また、参照極としてAl−Li合金を用いた。溶融塩の温度は240℃とした。
窒素ガス還元電極は図2に示す構成とした。具体的には、グラッシーカーボン製のパイプ(外径13mm、内径9mm)を筒状電極部材とし、そのパイプ内に窒素ガスを供給した。窒素ガスはパイプの先端から溶融塩中に噴出される構造とした。窒素ガスの流量は20ml/minとした。
アノードとカソードを、それぞれ電位を制御できる電源としてポテンショ・ガルバノスタットに接続してアノードにLi+/Li基準で2.0Vの電位を印加し、定電位で溶融塩電解を3時間行なうことで窒化鉄粒子No.1を製造した。溶融塩電解はArフロー雰囲気のグローブボックス内で行なった。
実施例1において溶融塩の温度を245℃とした以外は実施例1と同様にして窒化鉄粒子No.2を製造した。
実施例1において溶融塩の温度を255℃とした以外は実施例1と同様にして窒化鉄粒子No.3を製造した。
(生成相)
実施例1、2、比較例のすべての条件で溶融塩中に粉末の生成が認められた。
得られた粉末の生成相をX線回折装置により分析した。その結果を表1に示した。
上記のようにして得られた窒化鉄粒子No.1〜No.3の平均粒径を電子顕微鏡(JEOL社製のJSM 7000F)により観察し、ImageJ(解析ソフトウェア)にて解析し、平均粒径(フェレ径)を測定した。
その結果、窒化鉄粒子No.1の平均粒径は40nmであり、窒化鉄粒子No.2は43nmであり、窒化鉄粒子No.3は55nmであった。
上記のようにして得られた窒化鉄粒子No.1、No.2におけるα’’−Fe16N2の含有率をX線回折装置により測定した。
その結果、窒化鉄粒子No.1のα’’−Fe16N2の含有率は54質量%であり、窒化鉄粒子No.2は33質量%であった。
2 カソード
3 溶融塩
4 電源
5 窒化鉄粒子
21 リード線
22 筒状電極部材
31 リード線
32 筒状電極部材
33 多孔質部材
41 リード線
42 筒状部材
43 電極部材
51 リード線
52 筒状部材
53 多孔体
Claims (15)
- 平均粒径が10nm以上、10μm以下で、α’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上である窒化鉄粒子。
- 前記窒化鉄粒子の表面に防食層を有する、請求項1に記載の窒化鉄粒子。
- 前記防食層は、ε−Fe2―3N、炭化鉄又は酸化鉄である、請求項2に記載の窒化鉄粒子。
- 請求項1に記載の窒化鉄粒子を製造する方法であって、
溶融塩中に、アノードとして純度が99質量%以上の鉄を、カソードとして窒素ガス還元電極を設けて溶融塩電解を行なうことにより、前記溶融塩中にα’’−Fe16N2の含有率が30質量%以上である窒化鉄粒子を析出させる電解工程を有し、
前記電解工程において前記溶融塩の温度は250℃以下である、窒化鉄粒子の製造方法。 - 前記電解工程において、前記アノードに印加する電位はLi+/Li基準で0.5V以上、3.5V以下である、請求項4に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記電解工程の前に、前記溶融塩中に窒化物イオン(N3−)を生成させる準備工程を有する、請求項4又は請求項5に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記電解工程の後に、前記窒化鉄粒子の表面に防食層を形成する防食層形成工程を有する、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記防食層は、ε−Fe2−3N、炭化鉄又は酸化鉄である、請求項7に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記溶融塩は、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物又はこれらの混合物である、請求項4から請求項8のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記アルカリ金属のハロゲン化物は、アルカリ金属の臭化物、ヨウ化物又は臭化物とヨウ化物の混合物である、請求項9に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記アルカリ土類金属のハロゲン化物は、アルカリ土類金属の臭化物、ヨウ化物又は臭化物とヨウ化物の混合物である、請求項9又は請求項10に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記アルカリ金属は、Li、K及びCsからなる群より選択される1種以上である、請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上である、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記溶融塩は、LiBr−KBr−CsBrもしくはLiI−KI−CsIである、請求項4から請求項13のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
- 前記溶融塩はLi+、K+及びCs+を含有し、Li+の含有率が40mol%以上、80mol%以下、K+の含有率が5mol%以上、30mol%以下、Cs+の含有率が10mol%以上、40mol%以下である、請求項4から請求項14のいずれか一項に記載の窒化鉄粒子の製造方法。
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