まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、後述する振分装置201が形成された第1始動入賞口203や、後述する普通可変入賞球装置6,220が形成する第2始動入賞口6a,222を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、振分装置201と普通可変入賞球装置220を備える入賞ユニット200が設けられている。また、入賞ユニット200の右方位置には、普通可変入賞球装置6が設けられている。図3に示すように、振分装置201内には、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口203が形成されている。普通可変入賞球装置220は、入賞ユニット200において振分装置201の近傍位置に設けられた装置である。また、詳細は後述するが、普通可変入賞球装置220は、振分装置201内に形成された作動入賞口204に入賞した遊技球が連動機構300を動作させることによって垂直位置となる通常開放状態から傾動位置となる拡大開放状態に変化する1の可動翼片221を有しており、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口222を形成する。
尚、普通可変入賞球装置220における『振分装置201の近傍位置』とは、例えば、第2始動入賞口222が拡大開放状態であるときに、進入口202から振分装置201内に進入できなかった遊技球が第2始動入賞口222に進入可能な位置や、遊技中の遊技者が視線を移動させること無く振分装置201と普通可変入賞球装置220とを視認可能な位置である。
一方、普通可変入賞球装置6は、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口6aを形成する。
つまり、本実施例における第2始動入賞口6aは、電動により遊技球が入賞可能に開放される始動入賞口であり、本実施例における第2始動入賞口222は、非電動の機構により遊技球が入賞可能に開放される始動入賞口である。
第1始動入賞口203を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動入賞口222を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと、また、第2始動入賞口6aを通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Cによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。また、作動入賞口204を通過(進入)した遊技球がカウントスイッチ24Aに検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
普通可変入賞球装置6の下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な開放状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な閉鎖状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
尚、後述する入賞ユニット200には一般入賞口223,224が形成されており、一般入賞口223に進入(通過)した遊技球がカウントスイッチ24Bに検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出され、一般入賞口224に進入(通過)した遊技球がカウントスイッチ24Cに検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取り付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9、図示しない各種モータ、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口203に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口6a,222に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な開放状態とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。尚、本実施例では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に第1特図の保留データ(第1特図保留記憶)と第2特図の保留データ(第2特図保留記憶)の両方が存在する場合は、第2特図の保留データに基づく変動表示を第1特図の保留データに基づく変動表示よりも優先して実行する(第2特図変動優先)が、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特図の保留データに基づく変動表示と第2特図の保留データに基づく変動表示とは、第1特図の保留データや第2特図の保留データが発生した順番(遊技球が第1始動入賞口203や第2始動入賞口222,6aに入賞した順番)に実行してもよい。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、演出表示装置5に特定のキャラクタの画像を表示するキャラクタ予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
次に、図3〜図11に基づいて、入賞ユニット200について説明する。図3は、入賞ユニットを示す正面図である。図4は、入賞ユニットを斜め前から見た状態の分解斜視図である。図5は、入賞ユニットを斜め後ろから見た状態の分解斜視図である。図6(A)は振分部材を示す斜視図であり、図6(B)は、振分部材を示す平面図である。図7(A)は、第1振分状態の振分部材を示す正面図であり、図7(B)は、第2振分状態の振分部材を示す正面図であり、図7(C)は、第2振分状態の振分部材を示す平面図であり、図7(D)は、図7(C)におけるX−X断面図であり、図7(E)は、図7(D)におけるY−Y断面図である。図8(A)は遊技球が振分装置内に進入したときの振分装置の内部を示す正面図であり、図8(B)は、図8(A)におけるA−A断面図であり、図8(C)は、振分部材が第2振分状態であるときの振分装置の内部を示す正面図であり、図8(D)は、図8(C)におけるA−A断面図である。図9(A)は、振分部材が第2振分状態であるときに新たに遊技球が振分装置内に進入したときの振分装置の内部を示す正面図であり、図9(B)は、図9(A)におけるB−B断面図であり、図9(C)は、作動入賞口に遊技球が入賞したときの振分装置の内部を示す正面図であり、図9(D)は、図9(C)におけるB−B断面図である。図10(A)は、第2始動入賞口が通常開放状態である可変入賞球装置を示す背面図であり、図10(B)は、図10(A)におけるC−C断面図であり、図10(C)は、第2始動入賞口が拡大開放状態である可変入賞装置を示す背面図であり、図10(D)は、図10(C)におけるC−C断面図である。
図3〜図5に示すように、入賞ユニット200は、正面視で左右幅方向に長寸に形成されたベース体240と、該ベース体240に対して前方から取り付けられる前部カバー体230と、該ベース体240に対して後方から取り付けられる後部カバー体250と、から主に構成されている。入賞ユニット200の右部は、ベース体240に前部カバー体230が取り付けられることによって振分装置201を形成しており、入賞ユニット200の左部は、ベース体240に前部カバー体230が取り付けられることによって普通可変入賞球装置220を形成している。また、入賞ユニット200の左端部は、ベース体240に前部カバー体230が取り付けられることによって一般入賞口223,224を形成している。
振分装置201は、遊技球が振分装置201内に進入可能なように上方に向けて開口する進入口202と、該進入口202よりも下方において、振分装置201内に進入した遊技球が進入(通過)可能な第1始動入賞口203と作動入賞口204と、が形成されている。また、進入口202と第1始動入賞口203との間には、振分装置201内に進入した遊技球が第1始動入賞口203に向けて通過可能な第1通路206が形成されており、進入口202と作動入賞口204との間には、振分装置201内に進入した遊技球が作動入賞口204に向けて通過可能な第2通路207が形成されている。図8(B)及び図8(D)に示すように、第1通路206の上流部は振分装置201の後方から前方に向けて下方に傾斜するように形成されており、第1通路206の下流部は振分装置201の前方から後方に向けて下方に傾斜するように形成されている。つまり、図8(B)及び図8(D)に示すように、第1通路206はA−A断面視において略くの字型を成すように形成されている。
ここで、振分部材210の構造について図6及び図7に基づいて説明する。図6(A)〜図6(B)及び図7(A)〜図7(E)に示すように、振分部材210は、振分装置201内において該振分装置201の前後方向を向くように設けられた図示しない回動軸を挿通可能な挿通口211が形成されている。振分部材210は、該挿通口211に該回動軸が挿通されることによって、該回動軸周りに回動可能となっている。
挿通口211の上方には、上方に向けて開口するとともに、正面視で略円弧状に形成された球受面212が形成されている。また、振分部材210の後部には、該振分部材210の左方に向けて膨出する膨出部213が形成されている。尚、膨出部213からは、後方に向けて円柱状の突出部213aが突出形成されている。突出部213aは、振分装置201内における振分部材210の後方(ベース体240)に形成された正面視で円弧状のガイド溝205内に配置されている。振分部材210は、前記回動軸周りに回動する際に、突出部213aがガイド溝205の長手方向側の一端部に当接することによって球受面212が上方を向く第1振分状態(図7(A)参照)と、突出部213aがガイド溝205の長手方向側の他端部に当接することによって球受面212が振分装置201の右方を向く第2振分状態(図7(B)参照)と、に変化可能となっている。
尚、振分部材210は、後述するように遊技球が該振分部材210上(より具体的には球受面212や第1転動面214a、第2転動面215a(共に後述))を転動していないときは、膨出部213の荷重によって、振分部材210に対して正面視で反時計回り方向にはたらくモーメントの方が振分部材210に対して正面視で時計回り方向にはたらくモーメントよりも大きくなるため、突出部213aがガイド溝205の長手方向側の一端部に当接し、振分部材210が第1振分状態となる。
また、図6(A)〜図6(B)及び図7(A)〜図7(E)に示すように、球受面212の右部には、壁部214が設けられている。該壁部214は、振分部材210の後方に向けて突出形成されている。壁部214における球受面212側の側部には、振分部材210が第2振分状態である場合に前方から後方に向けて下方に傾斜する第1転動面214aが形成されている。更に、壁部214における球受面212側の側部における第1転動面214aの後方には、振分部材210が第2振分状態である場合に左方から右方に向けて下方に傾斜する第2転動面214bが形成されている。また、振分部材210における膨出部213の前方には、振分部材210が第2振分状態である場合に右方から左方に向けて下方に傾斜する第3転動面214cが形成されている。
次に、本実施例における振分装置201の動作について図8及び図9に基づいて説明する。先ず、図8(A)及び図8(B)に示すように、振分部材210が第1振分状態であるときに遊技球が進入口202から振分装置201内に進入すると、振分部材210が、球受面212において該遊技球を受け止める。振分部材210が、球受面212において遊技球を受け止めると、該遊技球の荷重によって振分部材210に対して正面視で時計回り方向にはたらくモーメントが振分部材210に対して正面視で反時計回り方向にはたらくモーメントよりも大きくなることによって振分部材210が正面視で時計回り方向に回動し、第1振分状態から第2振分状態に変化する。
そして、図8(C)及び図8(D)に示すように、振分部材210が第2振分状態に変化した後の遊技球は、第1転動面214a上を振分装置201の後方に向けて転動した後、後部カバー体250に衝突する。このとき遊技球は、後部カバー体250に衝突することによって減速するので、第1転動面214a上を転動している期間が長くなり、結果として振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化するまでの期間が遅延する。尚、遊技球が第1転動面214a上を転動する速度が十分に速い場合は、遊技球が後部カバー体250に衝突することによる反発力によって一時的に遊技球が第1転動面214a上を前方に向けて転動するので、遊技球が第1転動面214a上を転動している期間が長くなり、結果として振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化するまでの期間が遅延する。
尚、本実施例では、第1転動面214a上を転動する遊技球が後部カバー体250に衝突することで振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化するまでの期間が遅延する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、振分部材210の後端部に第1転動面214a上を転動する遊技球が衝突可能な壁部を設け、該壁部に遊技球が衝突することによって振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化するまでの期間が遅延してもよい。
後部カバー体250に衝突した後の遊技球は、第2転動面214b上を転動して第1通路206上に移行する。このように遊技球が第1転動面214a及び214b上を転動している間は、振分部材210に対して正面視で時計回り方向にはたらくモーメントが振分部材210に対して正面視で反時計回り方向にはたらくモーメントよりも大きい状態で維持されることによって、第2振分状態を維持する。そして、第1通路206上に移行した遊技球は、該第1通路206を通過して第1始動入賞口203に進入する。第1始動入賞口203に進入した遊技球は、第1始動口スイッチ22A(図8、図9には図示せず)によって検出された後、所定の排出路を通過してパチンコ遊技機1外に排出される。
尚、本実施例における振分部材210は、モータやソレノイド等を用いて電気的に第1振分状態から第2振分状態に変化しているのではないので、進入口202から振分装置201内に第1速度で進入した遊技球は、進入口202から振分装置201内に第1速度よりも遅い第2速度で進入した遊技球よりも高速で第1転動面214a及び第2転動面214b上を転動し、第1通路206に移行する。つまり、本実施例における振分部材210においては、進入口202から振分装置201内に進入する遊技球の速度に応じて、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化の遅延時間が異なっている。
尚、遊技球が第2転動面214bから第1通路206上に移行した後の振分部材210は、振分部材210に対して正面視で時計回り方向にはたらくモーメントが振分部材210に対して正面視で反時計回り方向にはたらくモーメントよりも小さくなることによって正面視で反時計回り方向に回動し、第2振分状態から第1振分状態に変化する。つまり、本実施例における第1転動面214a及び第2転動面214bは、振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化することを遅延する遅延手段として機能している。
一方、図9(A)〜図9(D)に示すように、遊技球が第1転動面214aや第2転動面214b上を転動している間に進入口202から新たな遊技球が振分装置201内に進入した場合、該遊技球は、第3転動面214c上を転動することによって、第2通路207に移行する。第2通路207に移行した遊技球は、該第2通路207を通過して作動入賞口204に進入する。作動入賞口204に進入した遊技球は、カウントスイッチ24A(図8及び図9には図示せず)によって検出され、後述する連動アーム301の一端部上に載置された後、所定の排出路を通過してパチンコ遊技機1外に排出される。
普通可変入賞球装置220は、遊技球が進入可能な第2始動入賞口222と、該第2始動入賞口222を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための可動翼片221を有している。尚、本実施例における可動翼片221は、前部カバー体230の背面から後方に向けて突出形成された回動軸230a(図4及び図5参照)に下端部が回動可能に軸支されており、後述する連動機構300の動作によって垂直位置から傾動位置への変化と、形動位置から垂直位置への変化とを実行可能となっている。
また、図10(A)〜図10(D)に示すように、振分装置201及び普通可変入賞球装置220の後部(ベース体240の背面)には、前述した作動入賞口204に遊技球が進入(入賞)したこと連動して第2始動入賞口222を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための連動機構300が設けられている。
連動機構300は、連動アーム301と、揺動部材302、係合部材303及び錘体304を備えている。このうち連動アーム301の左部には前後方向を向く挿通口301aが形成されており、該挿通口301aにベース体240の背面から後方に向けて突出形成された回動軸240aが挿通されている。また、ベース体240と連動アーム301との間には、連動アーム301を正面視で反時計回り方向(図10(A)及び図10(C)では時計回り方向)に付勢するための付勢バネ305が取り付けられている。このため、連動アーム301は、回動軸240aに対して揺動可能となっている。尚、連動アーム301の右端部には遊技球を載置可能な載置面301bが形成されており、該載置面301bは、作動入賞口204の下方位置に配置されている。
また、揺動部材302は、連動アーム301の左端部の上方位置においてベース体240に対して前後方向に揺動可能に枢支されており、連動アーム301の右端部が下方から押圧することによって上方に向けて押し上げられるようになっている。
係合部材303は、揺動部材302の前方において、普通可変入賞球装置220の左右幅方向を向くようにベース体240に形成された図示しない枢軸に対して回転可能に枢支されている略円柱状の部材である。係合部材303の回転方向には約120度毎に突出片303aが形成されている。
錘体304は、揺動部材302及び係合部材303の上方においてベース体240に対して前後方向に揺動可能に枢支されており、1の突出片303aに対して上方から当接する部材である。
係合部材303は、該突出片303aのいずれかが連動アーム301の右端部によって押し上げられた揺動部材302によって下方から1の突出片303aが押圧されることによって、錘体304を押しのけながら回動する。このとき、係合部材303が回動することによって新たな突出片303aが錘体304に下方から当接することにより、係合部材303は必ず120度のみ回動する。
更に、係合部材303の右端部には、該係合部材303の円周の1/3(つまり、120度分)に亘って可動翼片221の下端部に係合可能な係合部303bが形成されている。尚、可動翼片221は、垂直位置において該可動翼片221の下端部が係合部303bに係合し、該可動翼片221の下端部での係合部303bの係合が解除されることによって傾動位置まで回動する。つまり、第2始動入賞口222は、可動翼片221の下端部が係合部303bに係合している場合は、通常開放状態を維持する。一方で、遊技球が作動入賞口204に入賞し、連動アーム301の載置面301bに配置されることで連動機構300を構成する連動アーム301、揺動部材302が動作することによって係合部材303が120度回動し、可動翼片221の下端部での係合部303bの係合が解除されること、可動翼片221が傾動位置に回動することによって拡大開放状態となる。
尚、このように拡大開放状態となった第2始動入賞口222は、遊技球が第2始動入賞口222に2球入賞することによって再び通常開放状態となる。具体的には、1球目の遊技球が第2始動入賞口222に入賞すると、先ず、該遊技球が可動翼片221の下端部に当接することによって可動翼片221を一時的に傾動位置から垂直位置まで回動させる。また、該遊技球は、第2始動入賞口222内に露出している1の突出片303aに上方から当接することで、係合部材303を120度回動させる。このとき、垂直位置に回動した可動翼片221は、係合部材303が120度回動したことにより下端部に係合部303bが係合しないため、再び傾動位置まで回動し、第2始動入賞口222に新たな遊技球が入賞可能となる。
そして、2球目の遊技球が第2始動入賞口222に入賞すると該遊技球が可動翼片221の下端部に当接することによって可動翼片221を傾動位置から垂直位置まで回動させる、また、該遊技球は、第2始動入賞口222内に露出している1の突出片303aに上方から当接することで、係合部材303を更に120度回動させる。このとき、垂直位置に開土した可動翼片221は、係合部材303が再び120度回動したことにより下端部に係合部303bが係合し、形動位置に回動することなく垂直位置に留まる。つまり、第2始動入賞口が通常開放状態となる。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1においては、遊技球が振分装置201内に形成された作動入賞口204に入賞したことに基づいて遊技球が入賞可能となる第2始動入賞口222が形成された普通可変入賞球装置220を設けるとともに、進入口202から振分装置201内に進入する遊技球を第1始動入賞口203と作動入賞口204とに振り分ける振分部材210を振分装置201内に設け、振分部材210が遊技球を第1始動入賞口203に向けて振り分けることで該振分部材210が新たに進入口202から振分装置201内に進入する遊技球を作動入賞口204に振り分けるための第2振分状態に変化した際に、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延するので、遊技球を作動入賞口204に適切に振り分けることができ、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例においては、振分装置201内に第1始動入賞口203と作動入賞口204とを形成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、振分装置201内に形成する入賞口は第1始動入賞口203と作動入賞口204のいずれか一方のみとしてもよい。尚、このように振分装置201内に第1始動入賞口203と作動入賞口204のいずれか一方のみを設ける場合は、振分部材210が第2振分状態であるときに振分装置201内に進入した遊技球が該入賞口に振り分けられればよい。
また、本実施例においては、振分装置201内に第1始動入賞口203と作動入賞口204とを形成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、振分装置201内には、これら第1始動入賞口203や作動入賞口204に替えて、或いは加えて、普通入賞口や通過ゲート41、遊技球が入賞することによって遊技状態が大当り遊技に制御されるV入賞口、大当り遊技中に遊技球が入賞することによって該大当り遊技終了後に確変制御が実行される確変入賞口等を形成してもよい。尚、3以上の入賞口やゲートを振分装置201内に設ける場合は、進入口202から振分装置201内に進入した遊技球が振分部材210によってどの入賞口やゲートを通過するかに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。つまり、本発明における『遊技者にとって有利な遊技価値の付与』とは、所定数の賞球が付与されることや普通図柄の変動表示が実行されること、第2特別図柄の変動表示が実行されること、遊技状態が大当り遊技状態に制御されること、大当り遊技終了後に確変制御が実行されること等を含んでいる。
また、本実施例では、内部に作動入賞口204が形成された振分装置201と、第2始動入賞口222が形成された普通可変入賞球装置220と、を備え、遊技球が作動入賞口204に入賞したことに基づいて他の遊技球が第2始動入賞口222に入賞可能となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、作動入賞口204に替えて振分装置201内に第2始動入賞口を形成し、振分部材210が第2振分状態である場合に、進入口202から振分装置201内に進入した遊技球が該第2始動入賞口に入賞可能となってもよい。尚、このように作動入賞口204に替えて振分装置201内に第2始動入賞口を形成する場合は、普通可変入賞球装置220を設けずともよい。
また、振分部材210は、進入口202から振分装置201内に進入した遊技球を球受面212にて受けた後、正面視で時計回り方向(正面視で右方向)に回動することによって第1振分状態から第2振分状態に変化する。そして、遊技球は、振分部材210の回動方向とは異なる方向である振分装置201の後方に向けて第1転動面214a及び第2転動面214bを転動していくので、遊技球が振分部材210上を転動する面である第1転動面214a及び第2転動面214bの左右幅方向の寸法を抑えることができる。
尚、本実施例では、第2振分状態の振分部材210において遊技球を振分装置201の後方に向けて第1転動面214a及び第2転動面214b上を転動させることにより、遊技球が第1転動面214a及び第2転動面214b上の転動を終了するまでの期間、すなわち、振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化するまでの期間を遊技者が特定し難くなるので、振分部材210が新たに振分装置201内に進入した遊技球を作動入賞口204に振り分ける第2振分状態から新たに振分装置201内に進入した遊技球を第1始動入賞口203に振り分ける第1振分状態に変化するまでの期間にも遊技者を注目させることができる。
尚、本実施例では、第1転動面214a及び第2転動面214bは振分装置201の前後幅方向に長寸に形成されているため、振分部材210が第2振分状態である場合、遊技球がこれら第1転動面214a及び第2転動面214b上を振分装置201の後方に向けて転動する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、振分部材210が第2振分状態であるときの第1転動面214a及び第2転動面214bを振分装置201の左右幅方向に長寸に形成することで、振分部材210が第2振分状態である場合に遊技球がこれら第1転動面214a及び第2転動面214b上を振分装置201の右方向に向けて転動するようにしてもよい。
しかしながら、本実施例のように正面視で時計回り方向に回動することで第1振分状態から第2振分状態に変化した振分部材210の第1転動面214a及び第2転動面214b上で遊技球を転動させる場合は、振分部材210の回動中心から離間する方向に遊技球が転動しないので、振分部材210にかかる負荷を振分装置201の右方向に転動させる場合よりも振分部材210にかかる負荷を低減することができる。
また、本実施例のように正面視で時計回り方向に回動することで第1振分状態から第2振分状態に変化した振分部材210の第1転動面214a及び第2転動面214b上で遊技球を転動させる場合は、第1転動面214a及び第2転動面214bの左右方向の幅寸法を長寸に形成する必要がないので、振分装置201の左右幅寸法を短寸化できる。
更に、正面視で時計回り方向に回動することで第1振分状態から第2振分状態に変化した振分部材210の第1転動面214a及び第2転動面214b上で遊技球を転動させることで、遊技球が振分装置201内に進入した際の遊技球の速度を減速することができるので、遊技球が第1転動面214a及び第2転動面214b上を転動する期間、すなわち、新たに振分装置201内に進入する遊技球が作動入賞口204に振り分けられる期間が遊技球の速度によって変化してしまうことを低減できる。
また、入賞ユニット200において、普通可変入賞球装置220は振分装置201の近傍位置に設けられているので、遊技者は、視線を移すこと無しに振分装置201と普通可変入賞球装置220の双方を同時に視認できるので、作動入賞口204を遊技球が通過したことに基づいて第2始動入賞口222が通常開放状態から拡大開放状態に変化したことを認識し易くできる。
尚、本実施例では、普通可変入賞球装置220を振分装置201の近傍位置に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通可変入賞球装置220を遊技者が視線を移さなければ視認することが困難な位置等の非近傍位置に設けてもよい。尚、このように普通可変入賞球装置220を振分装置201の非近傍位置に設ける場合は、遊技球が作動入賞口204に入賞したことに基づいて第2始動入賞口222が通常開放状態から拡大開放状態に変化する旨を報知する演出を実行することで、第2始動入賞口222が通常開放状態から拡大開放状態することを遊技者に分かり易くしてもよい。尚、普通可変入賞球装置220を設ける振分装置201の非近傍位置は、演出表示装置500の下方位置の他、演出表示装置500の左右位置や上方位置等であってもよい。
また、本実施例では、遊技球が進入口202から振分装置201内に進入する速度に応じて振分部材210が第2振分状態から第1振分状態の変化を遅延する遅延時間が変化するので、遊技球が進入口202から振分装置201内に進入する速度に応じて振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化するタイミングが異なることにより遊技興趣を向上できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、演出表示装置5における第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uに保留記憶表示を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留記憶表示の表示態様として第1表示態様と該第1表示態様とは異なる第2表示態様とを設け、保留記憶表示が第1表示態様で表示される場合と第2表示態様で表示される場合とで、当該保留記憶表示に対応する変動表示結果が大当りとなる割合が異なるようにしてもよい。また、このように保留記憶表示の表示態様として第1表示態様と第2表示態様とを設ける場合には、変形例1として図11に示すように、第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uに表示されているいずれかの保留記憶表示に作用する作用演出を実行し、該作用演出の演出結果として保留記憶表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変化する保留変化演出を実行可能としてもよい。
具体的には、先ず、図11(A)に示すように、作用演出として、変動表示の実行中にキャラクタ930を表示し、該キャラクタ930がカラーボール931を第1保留記憶表示エリア5Dに第1表示態様にて表示されている保留記憶表示に向けて投げる演出を実行する。尚、これら作用演出及び保留変化演出としては、保留記憶表示の表示態様を第1表示態様から第2表示態様に変化させることが決定している場合は、図11(A)、図11(B)及び図11(C)に示すように、キャラクタ930が投げたカラーボール931が保留記憶表示に衝突したことによって保留記憶表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変化する第1パターンにて実行し、保留記憶表示の表示態様を第1表示態様から第2表示態様に変化させることが決定していない場合は、図11(A)、図11(B)及び図11(D)に示すように、キャラクタ930が投げたカラーボール931が保留記憶表示に衝突するも跳ね返り保留記憶表示の表示態様が第1表示態様から変化しない第2パターンにて実行すればよい。
更に、図11(B)に示すように、これら作用演出及び保留変化演出を第1パターンで実行する場合と第2パターンで実行する場合とでは、同じタイミングでカラーボール931の速度の減速を開始させることで、該カラーボール931によって保留記憶表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変化するか否かに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上できる。
尚、本変形例1においては、作用演出及び保留変化演出を第1パターンで実行する場合と第2パターンで実行する場合とで、同じタイミングでカラーボール931の速度を減速させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタ930の表示位置やキャラクタ930の表示態様を複数設け、キャラクタ930がいずれの位置に表示されるかや、キャラクタ930の表示態様に応じて保留記憶表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変化する割合が異なるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uに未だ開始されていない変動表示に対応する保留記憶表示を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実行中の変動表示に対応するアクティブ表示を表示するアクティブ表示エリアを設けてもよい。尚、このようにアクティブ表示エリアを設ける場合は、変形例1に示したように、キャラクタ930が投げたカラーボール931がアクティブ表示に衝突することによって、該アクティブ表示の表示態様を第1表示態様から第2表示態様に変化させてもよい。
また、前記実施例では、遊技球が第2振分状態となった振分部材210において第1転動面214a及び第2転動面214bを転動することによって振分部材210が第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例2として、第1転動面214aや第2転動面214b上に遊技球と接触可能な突出部を設け、該突出部に遊技球が接触することによって遊技球が第1転動面214aや第2転動面214b上を転動する速度を減速させてもよい。このように、突出部によって遊技球が第1転動面214aや第2転動面214b上を転動する速度を減速させることで遊技球が第1転動面214a及び第2転動面214b上を転動するのに要する時間が長くなるので、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延できる。また、このように第1転動面214aや第2転動面214b上に突出部を形成することによって振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延できるので、第1転動面214a及び第2転動面214bが形成されている壁部214の前後幅寸法を短寸に形成することができ、振分装置201の前後幅方向の省スペース化を図ることができる。
尚、本変形例2においては、第1転動面214aや第2転動面214b上に突出部を設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、突出部は、第1転動面214aや第2転動面214b上を転動する遊技球に接触可能であれば、ベース体240体や前部カバー体230,後部カバー体250等に設けられていてもよい。尚、第1転動面214aや第2転動面214b上を転動する遊技球が接触可能な突出部は、遊技球に接触して該遊技球を減速可能であれば任意の大きさであってもよいし、また、2以上の突出部を設けてもよい。
更に、本変形例2では、第1転動面214aや第2転動面214b上に遊技球が接触可能な突出部を設けることによって遊技球が第1転動面214aや第2転動面214b上を転動する速度を減速させ、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が第1転動面214aや第2転動面214b上を転動する速度を減速させ、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延可能であれば、突出部形状はどのような形状であってもよい。また、第1転動面214aや第2転動面214bを動摩擦係数の高い部材によって形成することにより、遊技球が第1転動面214aや第2転動面214b上を転動し難くすることによって振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延させてもよい。
また、前記実施例においては、遊技球が振分装置201内に進入すると、該遊技球を振分装置201の回動方向(正面視での時計回り方向)とは異なる振分装置201の後方に向けて移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例2に示したように、突出部等によって遊技球の速度を減速可能である場合は、振分装置201内に進入した遊技球を振分装置201の回動方向に移動させてもよい。
また、前記実施例では、第2振分状態である振分部材210において遊技球を第1転動面214a及び第2転動面214b上で転動させることにより、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球の第1転動面214a及び第2転動面214b上での転動が終了した後の振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化速度を前記実施例よりも遅くすることで、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態への変化を遅延してもよい。具体的には、変形例3として、第2振分状態である振分部材210に対して正面視で反時計回り方向にはたらくモーメントが、第2振分状態である振分部材210に対して正面視で時計回り方向にはたらくモーメントよりも僅かに上回るように壁部214に錘体を設ける。このように振分部材210に錘体を設けることによって、振分部材210は、第2振分状態から第1振分状態に変化することに抗するように正面視で反時計回り方向に回動し、第1振分状態に変化する。
尚、このように、振分部材210に錘体を設ける場合は、遊技球が第1転動面214a及び第2転動面214b上を転動することによって振分部材210が第2振分状態から第1振分状態への変化を開始するまでの期間(第1遅延期間)と、錘体によって振分部材210が第2振分状態から第1振分状態に変化するまでの期間(第2遅延期間)とが異なるようにしてもよい。
また、前記実施例では、振分部材210が第1振分状態であるときに遊技球が振分装置201内に進入すると、該遊技球を受けた振分部材210が正面視で時計回り方向に回動することで第2振分状態となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、振分部材210は、第1振分状態において振分装置201内に進入した遊技球を受けることで、正面視での時計回り方向とは異なる方向に移動して第2振分状態に変化してもよい。
また、前記実施例では、ソレノイドやモータ等の電気的な構成を用いることなく機械的な構成のみで振分部材210を第1振分状態と第2振分状態とに変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、振分部材210における第1振分状態から第2振分状態への変化と第2振分状態から第1振分状態への変化との少なくとも一方をソレノイドやモータ等の電気的な構成により実行しても良い。
また、前記実施例では、ソレノイドやモータ等の電気的な構成を用いることなく連動機構300による機械的な構成のみで第2始動入賞口222を通常開放状態と拡大開放状態とに変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2始動入賞口222における通常開放状態から拡大開放状態への変化と拡大開放状態から通常開放状態への変化の少なくとも一方をソレノイドやモータ等の電気的な構成により実行しても良い。
また、前記実施例では、遊技球が作動入賞口204に入賞することに基づいて他の遊技球が入賞可能となる入賞口として第2始動入賞口222を入賞ユニット200に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が作動入賞口204に入賞することに基づいて他の遊技球が入賞可能となる入賞口は、一般入賞口等の第2始動入賞口以外の入賞口であってもよい。
また、前記実施例では、遊技球が第2始動入賞口222に2球入賞したことに基づいて該第2始動入賞口222が拡大開放状態から通常開放状態に変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2始動入賞口222は遊技球が1球または3球以上入賞したことに基づいて拡大開放状態から通常開放状態に変化してもよい。
また、前記実施例では、遊技球が第2始動入賞口222に入賞したことに基づいて第2特図の保留記憶が発生する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が第2始動入賞口222に2球入賞したことに基づいて、第1特図保留記憶に基づく変動表示とは異なる演出や、変動表示結果が大当りとなる保留記憶が有ること、通常状態よりも変動表示結果が大当りとなる確率が高い確変制御が実行されていること等を示唆する演出を該2回の第2特図保留記憶に基づく変動表示に亘って実行してもよい。
また、前記実施例では、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態の変化を遅延させるために遊技球が通過する通路として直線状の第1転動面214a及び第2転動面214bを形成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態の変化を遅延させるために遊技球が通過する通路は、第2振分状態である振分部材210において左右方向または前後方向に段状に屈曲する形状であってもよい。このように、振分部材210の第2振分状態から第1振分状態の変化を遅延させるために遊技球が通過する通路を段状に屈曲する形状とすることによって、該通路の前後幅方向の長さを短寸化できる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。