JP2018082662A - デミグラスソースの製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られるデミグラスソースの製造方法を提供する。【解決手段】デミグラスソースの製造方法であって、小麦粉を1%以下、加工澱粉を0.1以上4%以下配合し、さらに、下記(a)〜(c)工程により得られた一番フォン及び二番フォンを、デミグラスソース全量中に合計1%以上配合する、デミグラスソースの製造方法;(a)常圧環境下で、畜肉原料からフォンを抽出する一番フォン抽出工程(b)(a)工程で一番フォンを抽出した畜肉原料から、さらに常圧環境下でフォンを抽出する二番フォン抽出工程(c)(b)工程で抽出した二番フォンを、常圧環境下でBrix15以上60以下に濃縮して濃縮二番フォンを得る、二番フォン濃縮工程【選択図】 なし

Description

本発明は、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースの製造方法に関する。
デミグラスソースは、西洋料理の基本的なソースのひとつであり、黒に近い褐色をしているソースである。このデミグラスソースを使用したメニューは幅広い世代から人気であり、外食等でもハヤシライス、オムライス、ハンバーグ等といった様々なメニューに用いられている。
一方、デミグラスソースの製造は非常に手間と時間を有するものである。そのため、デミグラスソースを製造するためのルウや(特許文献1)、開封し加熱するだけで使用できる、容器入りデミグラスソースが製造・販売されている。
このようなデミグラスソースは、必要時に手軽に使用することが可能であり、外食市場を中心に人気である。
ところで、デミグラスソースは一般的に、小麦粉を用いることで粘度を付与し、ソース状の物性に調整する。しかしながら、小麦粉を多く使用して物性を調整した場合には、口どけが悪くなってしまい、重い口当たりとなる場合があった。また、得られたデミグラスソースをベースとして、調味料を混合してアレンジを加えた場合においても、デミグラスソース自体の味のバランスが変化してしまうことから、好ましい食味を調整しにくいという問題があった。
このことから、製造後長期保管した場合においても、重い食味とならず、さらに調味料等を添加してアレンジしやすいデミグラスソースが強く求められている。
特開2013−9671号公報
本発明の目的は、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られるデミグラスソースの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、デミグラスソースの製造方法であって、小麦粉、加工澱粉を特定量配合し、さらに、特定の方法により調製されたフォンを配合することにより、意外にも、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)デミグラスソースの製造方法であって、
小麦粉を1%以下、
加工澱粉を0.1以上4%以下配合し、さらに、
下記(a)〜(c)工程により得られた一番フォン及び濃縮二番フォンを、デミグラスソース全量中に合計1%以上配合する、
デミグラスソースの製造方法;
(a)常圧環境下で、畜肉原料からフォンを抽出する一番フォン抽出工程
(b)(a)工程で一番フォンを抽出した畜肉原料から、さらに常圧環境下でフォンを抽出する二番フォン抽出工程
(c)(b)工程で抽出した二番フォンを、常圧環境下でBrix15以上60以下に濃縮して濃縮二番フォンを得る、二番フォン濃縮工程、
(2)(1)記載のデミグラスソースの製造方法であって、
前記一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率が15:1〜1:2である、
デミグラスソースの製造方法、
である。
本発明によれば、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースを提供することができる。これによって、デミグラスソースを用いるメニュー等の拡大に貢献できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、デミグラスソースの製造方法であって、小麦粉を1%以下、加工澱粉を0.1以上4%以下配合し、さらに、下記(a)〜(c)工程により得られた一番フォン及び濃縮二番フォンを、デミグラスソース全量中に合計1%以上配合する、デミグラスソースの製造方法とすることにより、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られるデミグラスソースが得られることに特徴を有する;
(a)常圧環境下で、畜肉原料からフォンを抽出する一番フォン抽出工程
(b)(a)工程で一番フォンを抽出した畜肉原料から、さらに常圧環境下でフォンを抽出する二番フォン抽出工程
(c)(b)工程で抽出した二番フォンを、常圧環境下でBrix15以上60以下に濃縮して濃縮二番フォンを得る、二番フォン濃縮工程
<デミグラスソース>
デミグラスソースとは、西洋料理における基本的なソースの一つであり、エスパニョルソース(牛のすね肉や骨を炒め、これに炒めた香味野菜、褐色ルーと水を煮込み、さらにトマトピューレーを加えた煮込んだ後、漉すことで得られるソース)等のブラウンソースをさらに煮込み、風味づけしたものをいう。本発明のデミグラスソースは、そのまま温めて料理に用いてもよく、必要に応じて調味料や食材を添加し、アレンジを加えることもできる。アレンジを加えることにより、濃厚な食味が維持されたオリジナルの味を手軽に調製することができ、特に外食分野等において好適に使用することができる。
<小麦粉の配合量>
小麦粉の配合量は、デミグラスソース全量に対して1%以下であり、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されることから、当該配合量は0.8%以下であるとよい。
小麦粉の配合量が前記範囲外である場合は、得られるデミグラスソースが重い食味となってしまい、口どけが良く軽い味わいのデミグラスソースが得られにくいものとなる。
<加工澱粉>
加工澱粉としては、食品衛生法で含有物に指定された化学的処理を施された澱粉であって食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられる。
なかでも、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されたデミグラスソースが得られやすいことから、架橋デンプンとしてヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプンを用いるとよい。
<加工澱粉の配合量>
加工澱粉の配合量は、デミグラスソース全量に対して0.1%以上4%以下であり、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されやすいことから、当該配合量は0.5%以上3%以下であるとよい。
加工澱粉の配合量が前記範囲外である場合は、得られるデミグラスソースが重い食味となってしまい、口どけが良く軽い味わいを有するデミグラスソースが得られにくいものとなる。
<フォン>
フォンとは、フランス料理において、主としてソースのベースに使われる代表的な出汁であり、例えば、焼成した仔牛の骨を用いたフォン・ド・ヴォーや、焼成した鹿の骨を用いたフォン・ド・ジビエなどが挙げられる。特に、デミグラスソースを調製する際には前述したフォン・ド・ヴォーが好適に使用される。
本願のデミグラスソースは、後述する(a)〜(c)の工程により得られる一番フォン及び濃縮二番フォンを配合することにより、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースを得ることができる。
<デミグラスソースに配合するフォン配合量>
本発明のデミグラスソースに配合する一番フォンと濃縮二番フォンの合計配合量は、デミグラスソース全量に対し1%以上であるとよく、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られやすいことから、当該配合量は10%以上であるとよく、10%以上60%以下であるとよい。
デミグラスソースのフォン配合量が前記範囲外である場合には、得られるデミグラスソースの味に深みが不足し、味に深みがあり口どけがよく、軽い味わいを有するデミグラスソースが得られにくいものとなる。
<一番フォン>
本発明において、一番フォンとは、畜肉原料等から最初に抽出した出汁をいい、畜肉原料、野菜原料、清水、その他原料を後述する(a)工程により十分に煮出し、その後裏ごし器を用いて裏ごしすることにより、液部のみ取り出したものをいう。
一番フォンのBrixは、Brix5以上であるとよく、Brix5以上15以下であるとよい。
<濃縮二番フォン>
本発明において、濃縮二番フォンとは、前述の一番フォン抽出工程で液部を取り出した後の畜肉原料残部に対し、再度清水、その他配合原料を添加し、一番フォンと同様に十分に煮出し、その後裏ごし器を用いて裏ごしし、液部のみ取り出して抽出したものの濃縮物をいう。本発明において、濃縮二番フォンは、後述する(b)工程及び(c)工程の方法により調製することができる。
<畜肉原料>
ここで、畜肉原料とは、フォンの抽出元となる畜肉の骨や、肉が付着した骨をいい、前記畜肉としては、たとえば、牛、豚、鶏等が挙げられる。
これらの畜肉原料は、後述する下処理を行ったのち、(a)〜(c)各工程に用いることにより、好適にフォンを製造することができる。
<畜肉原料の下処理>
前記畜肉原料は、10℃前後の冷水を用いて流水中、あるいは貯め水で2〜3回程度の水晒し処理等を行うことにより、血抜き処理を施す。次いで、前記血抜き処理後の畜肉原料を脱水後、170℃以上230℃以下で、15分以上90分以下程度の条件で焼き色が着くまで焼成し、その後、後述するフォン抽出工程を行うことにより、香ばしい風味を有するフォンを調製することができる。
<一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率>
本発明のデミグラスソースに配合する一番フォンと濃縮二番フォンは、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られやすいことから、15:1〜1:2であるとよく、12:1〜1:1であるとよい。ここで、比率の算出は配合量から求めるとよく、一番フォンはストレート、濃縮二番フォンはBrix15〜60での配合量から求める。
<(a)工程>
(a)工程では、常圧環境下で畜肉原料から一番フォンの抽出を行う。具体的には、常圧環境下で畜肉原料を野菜原料、清水、その他原料とともに十分に煮込み、その後裏ごし器を用いて裏ごしし、液部のみを取り出すことで、一番フォンの抽出を行う。
なお常圧環境下とは、特別に減圧も加圧も行わない状態をいい、通常、大気圧に等しい圧力をいう。
これにより、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られる。
<(b)工程>
(b)工程では、(a)工程で使用した畜肉原料を用い、常圧環境下で二番フォンを抽出する。具体的には、(a)工程での一番フォン抽出に使用した畜肉原料(裏ごし器で液部のみ取り出した残部)と清水とを十分に煮込み、その後裏ごし器を用いて裏ごしし、液部のみを取り出すことで、二番フォンの抽出を行うことができる。二番フォンのBrixは特に限定されないが、Brix5〜12程度であるとよい。
ここで、常圧環境下とは、(a)工程と同様に特別に減圧も加圧も行わない状態をいい、通常、大気圧に等しい圧力をいう。
二番フォンを用いない場合は、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時にひと手間加えた場合にも、濃厚な食味が維持されるデミグラスソースが得られにくいものとなる。
<(c)工程>
(c)工程では、(b)工程で抽出した二番フォンを、常圧環境下でBrix15以上60以下に濃縮して濃縮二番フォンを得る。ここで、常圧環境下とは、(a)工程(b)工程と同様に特別に減圧も加圧も行わない状態をいい、通常、大気圧に等しい圧力をいう。
(c)工程により得られる濃縮二番フォンの配合を行わない場合には、得られるデミグラスソースの味に深みが不足し、味に深みがあり口どけがよく、軽い味わいを有するデミグラスソースが得られにくいものとなる。
<濃縮二番フォンのBrix>
濃縮二番フォンのBrixは15以上60以下であり、味に深みがあり口どけがよいにも拘らず、軽い味わいを有することから、当該Brixは15以上50以下であるとよい。
濃縮二番フォンのBrixが前記範囲外である場合は、得られるデミグラスソースの味に深みが不足し、味に深みがあり口どけがよく、軽い味わいを有するデミグラスソースが得られにくいものとなる。
なお、濃縮二番フォンのBrixは、例えば加熱濃縮などの濃縮を行うことにより適宜調製することができる。
<容器>
本発明のデミグラスソースに用いる容器は、食品用に用いられ細菌等の侵入を防ぎ密封できるものを用いるとよく、レトルト(加圧加熱)殺菌を行う場合には、前記レトルト殺菌に耐えるものであるとよい。また、容器の形態はパウチや缶詰等の形状であるとよい。
<その他原料>
本発明のデミグラスソースは、本発明の必須原料である加工澱粉、一番フォン、濃縮二番フォン以外の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し、配合することができる。
具体的には、ニンジン、タマネギ、セロリ、トマト、ニンニク等の野菜類、畜肉類、魚介類、豆類、豆腐等の豆類加工品類、油脂、食塩、醤油、酢、砂糖、ショ糖、デキストリン、又はトレハロース等の糖類、糖アルコール、各種調味料、各種ペプチド、各種アミノ酸、各種エキス、各種香辛料等が挙げられる。
<デミグラスソースの製造方法>
次に、本発明のデミグラスソースの代表的な製造方法について説明する。
本発明のデミグラスソースの製造方法は、上述の通り、加工澱粉、(a)〜(c)工程により得られたフォンを使用してデミグラスソースを調製する。
まず、畜肉原料(仔牛の骨)を冷水に浸漬して血抜き処理し、次いで脱水処理後にオーブンで加熱することにより下処理を施す。得られた下処理済の畜肉原料(仔牛骨)を、野菜類、清水、その他原料とともに抽出釜に投入し、常圧環境下で加熱し、その後、裏ごし器を用いて裏ごしすることにより液部のみを取り出し、一番フォンを得る。
次いで、抽出釜に残った(a)工程での一番フォン抽出残部に対し、前記抽出残部全体が完全に浸るまで清水を注入し、常圧環境下でさらに加熱することで二番フォンの抽出を行う。抽出後の二番フォンは、一番フォンと同様に裏ごし器を用いて裏ごしすることにより、液部のみ取り出す。
(b)工程で取り出した液部をニーダーに投入し、Brix15以上60以下となるまで加熱濃縮することにより、濃縮二番フォンを調製する。
(a)〜(c)工程により得られた一番フォン及び濃縮二番フォンを1%以上、小麦粉1%以下、加工澱粉0.1以上4%以下、その他デミグラスソース配合原料を特定量撹拌釜に投入し加熱することにより、本発明のデミグラスソースを得ることができる。また、これにより得られたデミグラスソースをレトルトパウチ袋に充填しレトルト(加圧加熱)処理を行うことにより、レトルトデミグラスソースとすることができる。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
下記の配合割合に準じ、本発明のデミグラスソースを製造した。
<(a)工程>
10℃の溜め水に3回水晒しすることで、原料畜肉を血抜き処理し、次いで脱水処理後にオーブンで200℃30分間加熱することにより焼成した表1記載の畜肉原料(仔牛骨)を、表1記載のその他原料とともに抽出釜に投入し、常圧環境下で98℃8時間加熱した。加熱後、裏ごし器を用いて裏ごしすることにより液部のみを取り出し、一番フォン10kgを得た。
[表1]
<配合割合>
畜肉原料(仔牛骨) 40%
ソテー野菜
タマネギ 5%
ニンジン 2%
セロリ 1%
トマトペースト 1%
清水 残余
―――――――――――――――――――――
計 100%
<(b)工程>
(a)工程での一番フォン抽出残部に対し、抽出釜の前記抽出残部全体が完全に浸るまで清水を注入し、次いで、常圧環境下でさらに98℃2時間加熱することで二番フォンの抽出を行った。抽出後の二番フォンは、一番フォンと同様に裏ごし器を用いて裏ごしすることにより、液部のみ取り出した。得られた二番フォンのBrixは5であった。
<(c)工程>
(b)工程で取り出した液部をニーダーに投入し、次いで98℃でBrix40となるまで加熱濃縮することにより、濃縮二番フォンを得た。
<デミグラスソースの調製>
(a)〜(c)工程により得られた一番フォン及び濃縮二番フォンと、その他表2記載のデミグラスソース配合原料とを撹拌釜に投入し、90℃で20分間加熱することにより、デミグラスソースを得た。得られたデミグラスソース1kgをレトルトパウチ袋に充填し、120℃30分間のレトルト(加圧加熱)処理を行うことにより、本発明のデミグラスソースを得た。
デミグラスソース全量に対するフォン合計配合量は40%であり、一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率は7:1であった。
[表2]
<配合割合>
一番フォン(Brix10) 35%
濃縮二番フォン(Brix40) 5%
タマネギ(1mm角みじん切り) 10%
ニンジン(1mm角みじん切り) 10%
セロリ(1mm角みじん切り) 2%
トマトペースト 10%
加工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉) 2%
カラメル 1%
食塩 1%
砂糖 1%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
[試験例1]
デミグラスソースの製造方法において、(c)工程での濃縮二番フォン濃縮工程の有無及び条件の違いが、デミグラスソースの食味に与える影響を検討するため、実施例1の(c)工程を表3記載の方法に変更し、過不足分を清水で調整する以外は、実施例1と同様の方法でデミグラスソースを製した(実施例2〜3、比較例1〜2)。得られた各デミグラスソースを、下記の評価基準により評価した。結果を表3に示す。
<評価条件>
各試験により得られたデミグラスソースを95℃の湯中で加熱した後開封し、専門パネラーが喫食することにより食味を評価した。
<評価基準>
○:濃厚であり、口どけが良く軽い味わいを有しており好ましかった。
△:濃厚さ、口どけのいずれか1つ以上がやや不足するものの、問題のない範囲であった。
×:濃厚さ、あるいは口どけのいずれか1つ以上が不足しているものであった。
[表3]
<結果>
Figure 2018082662
表2の結果より、デミグラスソースの製造方法であって、小麦粉を1%以下、加工澱粉を0.1%以上4%以下配合し、さらに、(a)常圧環境下で、畜肉原料からフォンを抽出する一番フォン抽出工程、(b)(a)工程で一番フォンを抽出した畜肉原料から、さらに常圧環境下でフォンを抽出する二番フォン抽出工程、(c)(b)工程で抽出した二番フォンを、常圧環境下でBrix15以上60以下に濃縮して濃縮二番フォンを得る二番フォン濃縮工程を有する製造方法により得られた一番フォン及び濃縮二番フォンを1%以上配合する、実施例1〜3のデミグラスソースは、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、好ましいものであった。
一方、比較例1〜2により得られたデミグラスソースは、濃厚な食味を感じにくいものであった。
[実施例4]
実施例1において、デミグラスソース全量中のフォン配合量を3%に変更し、小麦粉を0.8%配合し、過不足分を清水で調整する以外は実施例1と同様の方法で調製し、デミグラスソースを得た。得られたデミグラスソースを試験例1と同様に評価したところ、実施例1と比較して濃厚さがやや不足するものの、口どけが良く軽い味わいを有するものであり好ましかった。なお、一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率は実施例1と同様であった。
[実施例5]
実施例1において、デミグラスソース全量中のフォン配合量を15%に変更し、加工澱粉の種類及び配合量をヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉3%に変更し、過不足分を清水で調整する以外は実施例1と同様の方法で調製し、デミグラスソースを得た。得られたデミグラスソースを試験例1と同様に評価したところ、実施例1と同様、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有するものであり好ましかった。なお、一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率は実施例1と同様であった。
[実施例6]
実施例1において、デミグラスソース全量中のフォン配合量を45%に変更し、加工澱粉配合量を1%に変更し、過不足分を清水で調整する以外は実施例1と同様の方法で調製し、デミグラスソースを得た。得られたデミグラスソースを試験例1と同様に評価したところ、実施例1と同様、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有するものであり好ましかった。なお、一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率は実施例1と同様であった。
[実施例7]
実施例1において、一番フォン配合量を50%、濃縮二番フォン配合量を10%に変更し、デミグラスソース中の一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率を5:1に変更し、過不足分を清水で調整する以外は実施例1と同様の方法で調製し、デミグラスソースを得た。得られたデミグラスソースを試験例1と同様に評価したところ、実施例1と同様、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有するものであり好ましかった。
[実施例8]
実施例1において、一番フォン配合量を36%、濃縮二番フォン配合量を3%に変更し、デミグラスソース中の一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率を12:1に変更し、過不足分を清水で調整する以外は実施例1と同様の方法で調製し、デミグラスソースを得た。得られたデミグラスソースを試験例1と同様に評価したところ、実施例1と同様、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有するものであり好ましかった。
[実施例9]
実施例1により得られたデミグラスソースをベースとして、マデラ酒を混合しアレンジを行った。具体的には、実施例1により得られたデミグラスソースを開封後、マデラ酒を全配合量中5%配合して95℃で10分間煮込み調理することにより、マデラ酒配合デミグラスソースを調製した。
得られたマデラ酒配合デミグラスソースを試験例1と同様の基準により評価したところ、濃厚であるにもかかわらず、口どけが良く軽い味わいを有し、さらに調理時においても濃厚な食味が維持されており、大変好ましいものであった。

Claims (2)

  1. デミグラスソースの製造方法であって、
    小麦粉を1%以下、
    加工澱粉を0.1以上4%以下配合し、さらに、
    下記(a)〜(c)工程により得られた一番フォン及び濃縮二番フォンを、デミグラスソース全量中に合計1%以上配合する、
    デミグラスソースの製造方法;
    (a)常圧環境下で、畜肉原料からフォンを抽出する一番フォン抽出工程
    (b)(a)工程で一番フォンを抽出した畜肉原料から、さらに常圧環境下でフォンを抽出する二番フォン抽出工程
    (c)(b)工程で抽出した二番フォンを、常圧環境下でBrix15以上60以下に濃縮して濃縮二番フォンを得る、二番フォン濃縮工程
  2. 請求項1記載のデミグラスソースの製造方法であって、
    前記一番フォンと濃縮二番フォンの配合比率が15:1〜1:2である、
    デミグラスソースの製造方法。
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