JP2018082604A - 回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法 - Google Patents

回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転角度検出器の回転角度の補正量を算出可能な状態の頻度を増やすことができる回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】回転電機の制御装置は、回転子の回転角度を検出する回転角度検出器と、回転角度検出器が検出した回転角度に対して、回転角度補正量を設定する補正手段と、補正された回転角度に基づいて算出したq軸電圧指令値とd軸電圧指令値に応じた交流電圧を固定子に印加することで、固定子に流れる電流を制御する電流制御手段と、を備え、補正手段が、回転子の回転数が所定値以上である場合に回転子の界磁を減磁する弱め界磁制御が行われている状態で、回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、d軸電圧指令値又はq軸電圧指令値とを比較することにより、回転角度補正量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法に関する。
交流回転電機の制御手法の一つにベクトル制御がある。ベクトル制御では、交流回転電機の制御に回転角度に応じた座標変換を導入することで、回転電機に流れる電流をトルクを発生する電流成分(q軸成分)とそれに直交して磁束を発生する電流成分(d軸成分)とに分解して、直流モータ的に各成分が独立して制御される。また、永久磁石を用いて回転子を構成する回転電機(例えば3相DC(直流)ブラシレスモータ)では、磁極の回転角度を検出する回転角度検出器を用いて座標変換の基準となる回転角度が検出される。この回転角度検出器はホール素子、ロータリエンコーダ等を用いて構成される。
回転角度検出器は取り付け誤差によって回転角度の検出誤差が生じることがある。そのため、実際の動作状態において検出誤差を補正するための補正量を算出する技術が開発されてきた(例えば特許文献1)。特許文献1に記載されている制御装置では、ベクトル制御において、トルク指令をゼロに設定するとともに、d軸電流指令値とq軸電流指令値をゼロとし、d軸電圧指令値がほぼゼロとなるように補正量が算出される。
特許第3688673号公報
特許文献1に記載されている構成では、トルク指令をゼロに設定し、d軸電流指令値とq軸電流指令値をともにゼロとする直交領域において補正量が算出される。ここで直交領域とは、固定子(電機子)の逆起電圧Eがq軸方向の成分のみからなる制御が行われる領域である。一方、直交領域ではない弱め界磁領域では特許文献1の構成を用いることはできない(例えば特許文献1の段落0030)。弱め界磁領域では、回転電機の高回転数域でd軸電流を負の所定値に制御し、逆起電圧Eをq軸成分とd軸成分とから構成することで、逆起電圧Eのq軸成分を抑制する制御が行われる。
上述したように、特許文献1に記載されている構成では、回転電機の回転数が弱め界磁制御が行われない低回転域にあり、かつ、トルク指令をゼロに設定することができる場合に、補正量を算出することができる。すなわち、低回転域でトルク指令をゼロに設定できる状態でのみ補正量を算出することができる。したがって、高回転域で使用することができない等、補正量を算出可能な状態の頻度(機会)が少なくなってしまうという課題がある。
また、特許文献1に記載されている構成には適用範囲が限定されてしまうという課題もある。すなわち、パラレルハイブリッド型車両等、回転電機に駆動連結される他の動力源(内燃機間等)がある場合には、他の動力源が駆動した状態であれば、低回転域で回転電機のトルク指令をゼロに設定した状態を確保することは比較的容易である。これに対し、回転電機に駆動連結される他の動力源を有していないシリーズハイブリッド型車両、電気自動車等においては、低回転域でトルク指令をゼロに設定する機会を確保することが困難であるという課題がある。
以上のように、特許文献1に記載されている構成では、回転角度検出器の回転角度の補正量を算出可能な状態の頻度(機会)が少なくなってしまうことがあるという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回転角度検出器の回転角度の補正量を算出可能な状態の頻度を増やすことができる回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法を提供することを目的の一つとする。
請求項1記載の発明は、回転子及び固定子を有する回転電機(例えば実施形態の永久磁石式回転電機(モータ)1)と、前記回転子の回転角度を検出する回転角度検出器(例えば実施形態の回転角度検出器8)と、前記回転角度検出器が検出した前記回転角度に対して、回転角度補正量を設定して前記回転角度を補正する補正手段(例えば実施形態の位相補正器18)と、補正された前記回転角度に基づいて前記固定子に流れる電流をトルク成分(q軸成分)と磁界成分(d軸成分)に分解し、前記回転子に流れるq軸電流とd軸電流が所望のq軸電流指令値とd軸電流指令値に一致するように、q軸電圧指令値とd軸電圧指令値を算出し、算出した前記q軸電圧指令値と前記d軸電圧指令値に応じた交流電圧を前記固定子に印加することで、前記固定子に流れる電流を制御する電流制御手段(例えば実施形態の電流座標変換器12、減算処理器13、減算処理器14、電圧指令生成器15、電圧座標変換器16、及びPWMインバータ17を組み合わせた構成)と、を備え、前記補正手段が、前記回転子の回転数が所定値以上である場合に前記回転子の界磁を減磁する弱め界磁制御が行われている状態で、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とを比較することにより、前記回転角度補正量を算出することを特徴とする回転電機の制御装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の回転電機の制御装置であって、前記補正手段が、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とが略一致するように、前記回転角度補正量を算出するものである。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の回転電機の制御装置であって、前記q軸電流指令値が前記回転子のトルク指令に応じて変化するものであり、前記補正手段が、前記回転数が前記所定値より大きくかつ略一定であり、かつ前記トルク指令が略ゼロである場合に、前記q軸電流指令値をゼロに切り替えるとともに前記d軸電流指令値を前記弱め界磁制御において前記回転子のトルクをゼロとする前記回転数に応じた値に切り替え、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とが略一致するように、前記回転角度補正量を算出するものである。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置であって、前記回転電機は車両駆動用として車両に搭載され、前記補正手段は、前記車両の速度が所定速度以上である場合に、前記回転角度検出器が出力した前記回転角度の補正を行うことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置であって、前記回転電機は車両駆動用として車両に搭載され、前記補正手段は、所定期間における前記車両の速度の変化量が所定値以下である場合に、前記回転角度検出器が出力した前記回転角度の補正を行うことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、回転子及び固定子を有する回転電機と、前記回転子の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記回転角度検出器が検出した前記回転角度に対して、回転角度補正量を設定して前記回転角度を補正する補正手段と、補正された前記回転角度に基づいて前記固定子に流れる電流をトルク成分(q軸成分)と磁界成分(d軸成分)に分解し、前記回転子に流れるq軸電流とd軸電流が所望のq軸電流指令値とd軸電流指令値に一致するように、q軸電圧指令値とd軸電圧指令値を算出し、算出した前記q軸電圧指令値と前記d軸電圧指令値に応じた交流電圧を前記固定子に印加することで、前記固定子に流れる電流を制御する電流制御手段と、を備える回転電機の制御装置において、前記補正手段によって、前記回転子の回転数が所定値以上である場合に前記回転子の界磁を減磁する弱め界磁制御が行われている状態で、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とを比較することにより、前記回転角度補正量を算出することを特徴とする回転電機の制御方法である。
請求項1及び6に記載の発明によれば、補正手段が、回転子の回転数が所定値以上である場合に回転子の界磁を減磁する弱め界磁制御が行われている状態で、回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、d軸電圧指令値又はq軸電圧指令値とを比較することにより、回転角度補正量を算出する。この構成によれば、回転電機の弱め界磁領域、すなわち回転子の回転数が高い領域において回転角度を補正することが可能となる。すなわち、請求項1及び4に記載の発明によれば、回転角度検出器の回転角度の補正量を算出可能な状態の頻度を増やすことができる。
請求項2に記載の発明によれば、補正手段が、回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、d軸電圧指令値又はq軸電圧指令値とが略一致するように、回転角度補正量を算出する。この構成によれば、略一致するか否かを判定するだけでよいので、回転角度補正量の算出処理を簡単化することができる。
請求項3に記載の発明によれば、補正手段が、回転数が所定値より大きくかつ略一定であり、かつトルク指令が略ゼロである場合に、q軸電流指令値をゼロに切り替えるとともにd軸電流指令値を弱め界磁制御において回転子のトルクをゼロとする回転数に応じた値に切り替え、回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、d軸電圧指令値又はq軸電圧指令値とが略一致するように、回転角度補正量を算出する。すなわち、この構成では、回転数が所定値より大きくかつ略一定であり、トルク指令が略ゼロであるという条件において、q軸電流指令値とd軸電流指令値を所定値に切り替えて回転角度補正量を算出するので、それらの条件や制御を限定しない場合と比較して安定した状態で回転角度補正量を算出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、補正手段が、車両の速度が比較的高い場合に、回転角度の補正を行うため、回転角度の補正を行う間、回転電機のトルクがゼロとなる場合であっても、車両が惰性走行を継続する。したがって、車両速度の低下を抑制しながら、(回転電機の回転速度の低下も抑制されるため)回転角度の補正精度の低下を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、補正手段が、車両速度が過渡的に変化するような場合を避け、車両速度の変化量が比較的小さい場合に回転角度の補正を行う。したがって、車両挙動に対する影響を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る回転電機制御システムの構成例を示すブロック図である。 図1に示す位相補正器18等の動作例(第1実施形態)を示すフローチャートである。 図1に示す回転電機制御システム100の動作例(第1実施形態)を示すタイミングチャートである。 本実施形態の動作例を説明するための模式図である。 参考例の動作例を説明するための模式図である。 図1に示す位相補正器18等の動作例(第2実施形態)を示すフローチャートである。 図1に示す回転電機制御システム100の動作例(第2実施形態)を示すタイミングチャートである。 第1実施形態と第2実施形態の差異を説明するためのタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本実施形態の一実施形態に係る回転電機制御システム100の構成例を示すブロック図である。図1に示す回転電機制御システム100は、永久磁石式回転電機1(以下、モータ1という)と、このモータ1の電流制御を行なうモータ制御装置2とを備えている。
本実施形態では、モータ1は、例えばシリーズハイブリッド型車両、電気自動車等の車両の動力源であって、モータ1の出力トルクを図示しない変速機等の動力伝達装置を介して車両の駆動輪に伝達する。この場合、当該車両はモータ1以外の動力源を搭載していない。モータ1は、本実施形態では3相DCブラシレスモータであり、内部に図示していない回転子と固定子とを備える。このモータ1が内部に備える回転子は永久磁石を有して構成されていて、固定子は鉄心とその鉄心に巻回された3相巻線を有する電機子を構成している。
また、モータ1には、回転子の磁極位置すなわち回転角度を検出する回転角度検出器8が組み付けられている。回転角度検出器8は、ホール素子やロータリエンコーダを用いて構成された公知のものであり、回転子の所定の基準回転位置からの磁極の回転角度θactの検出値を示す信号を磁極位置の検出信号として出力する。なお回転角度検出器8により得られる回転角度θactの検出値(以下、磁極検出角θactという)は、回転角度検出器8の組み付け誤差等に起因して、一般には回転子の実際の磁極位置(磁極の実際の回転角度)に対して磁極位置誤差角θofsを生じる。
モータ制御装置2は、電流指令生成器9、電流指令切換器10、電機子電流検出器11u、電機子電流検出器11v、電流座標変換器12、減算処理器13、減算処理器14、電圧指令生成器15、電圧座標変換器16、PWM(パルス幅変調)インバータ17、位相補正器18、減算処理器19、速度算出器20、及び弱め界磁電流指令生成器21を備える。モータ制御装置2は、上述したdq座標系を用いたベクトル制御によってモータ1の運転制御を行なう。ここで、電流座標変換器12、減算処理器13、減算処理器14、電圧指令生成器15、電圧座標変換器16、及びPWMインバータ17を組み合わせたものが本発明の電流制御手段の一例である。
電流指令生成器9は、モータ1に発生させるトルクの指令値(目標値)であるトルク指令値Tq_tarに応じて、d軸電流指令値Id_tar及びq軸電流指令値Iq_tarを算出する。d軸電流指令値Id_tar及びq軸電流指令値Iq_tarは、モータ1の固定子に流す電流(電機子電流)の指令値のd軸成分及びq軸成分である。電流指令生成器9に入力されるトルク指令値Tq_tarは、図外の演算処理装置によって車両の運転状態(アクセル操作量等)に応じて設定されるものである。
電流指令切換器10は、電流指令生成器9が出力するd軸電流指令値Id_tar及びq軸電流指令値Iq_tarの組(Id_tar、Iq_tar)と、弱め界磁制御においてトルク指令値Tq_tarを“0”にするd軸電流指令値Id_tar及びq軸電流指令値Iq_tarの組(id_tq0、0)とを選択的に出力する。“id_tq0”は、モータ1の現在の回転数(角速度ω)において所定の電圧進角値φにて弱め界磁制御を行う場合にトルクが“0”となる界磁電流の指令値であり、弱め界磁電流指令生成器21によって角速度ωに応じて生成される。一方、q軸電流指令値Iq_tar=0は、トルク指令を“0”とする場合に固定子に流す電流のq軸成分であり、“0”である。電流指令切換器10は、その出力を後述する位相補正器18の指令に応じて切換える。
電機子電流検出器11u及び電機子電流検出器11vは、モータ1の電機子のU相、V相を流れる電機子電流Iu、Ivをそれぞれ検出する。モータ1の固定子(電機子)は3相であるため、その任意の1つの相を流れる電流は他の2つの相を流れる電流によって一義的に決まる。例えばW相を流れる電流は、−(Iu+Iv)となる。このため、本実施形態では電機子電流検出器11u及び11vは2つの相(本実施形態ではU相、V相)の電流を検出するものとしている。
電流座標変換器12は、電機子電流検出器11u及び電機子電流検出器11vが検出した電機子電流Iu及びIvの検出値を座標変換することによって指令値座標d−qでのd軸電流Id及びq軸電流Iqを算出する。ここで指令値座標d−qは、モータ制御装置2において演算で用いられているdq座標を示す。モータ制御装置2は、回転角度検出器8が検出した磁極検出角θactを補正した磁極回転角度θに基づいて指令値座標d−qを検知する。しかしながら、磁極回転角度θは、初期値は例えば磁極検出角θactと同じであり、補正される前は磁極位置誤差角θofsを含んでいる。すなわち、補正される前の磁極回転角度θに基づいて検知された指令値座標d−qは、モータ1のハードウェアに起因する(すなわち現実の)dq座標とは一致せず、指令値座標d−qとdq座標の2つの座標間には磁極位置誤差角θofs分の誤差がある。一方、磁極位置誤差角θofsが補正された後は、指令値座標d−qはモータ1のハードウェアに起因するdq座標と一致する。電流座標変換器12による座標変換は、モータ1の回転子の磁極の回転角度を示すものとして後述する減算処理器19により求められ磁極回転角度θを用いて次式により行なわれる。
Figure 2018082604
この座標変換により求められるId及びIqは、磁極回転角度θにより定まる指令値座標d−q(θをd軸の回転位置として定まるdq座標)でのd軸電流の検出値、q軸電流の検出値としての意味を持つものである。以下の説明では、d軸電流Id及びq軸電流Iqをd軸検出電流Id及びq軸検出電流Iqと称する。
減算処理器13は、電流指令切換器10が出力したd軸電流指令値Id_tarと電流座標変換器12が出力したd軸検出電流Idとの偏差(Id_tar−Id)を算出して出力する。減算処理器14は、電流指令切換器10が出力したq軸電流指令値Iq_tarと電流座標変換器12が出力したq軸検出電流Iqとの偏差(Iq_tar−Iq)を算出して出力する。
電圧指令生成器15は、減算処理器13及び14が出力した偏差(Id_tar−Id)及び(Iq_tar−Iq)に応じて指令値座標d−qでの各軸方向の印加電圧の指令値であるd軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarを求める。電圧指令生成器15は、例えば、偏差(Id_tar−Id)及び(Iq_tar−Iq)をそれぞれ“0”にするようにPI制御(比例・積分制御等のフィードバック制御)によってd軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarを求める。
電圧座標変換器16は、電圧指令生成器15が求めたd軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarを座標変換することによってモータ1の電機子の各相の印加電圧の指令値Vu_tar、Vv_tar、及びVw_tar(以下、相電圧指令値Vu_tar、Vv_tar、及びVw_tarという)を算出する。電圧座標変換器16による座標変換は、電流座標変換器12の座標変換で使用したものと同一の磁極回転角度θを用いて次式(2)によって行われる。
Figure 2018082604
この座標変換により求められる相電圧指令値Vu_tar、Vv_tar、及びVw_tarは、モータ1の電機子の各相U、V、及びWの印加電圧の大きさ及び位相を規定する。
PWMインバータ17は、電圧座標変換器16が算出した相電圧指令値Vu_tar、Vv_tar、及びVw_tarに従ってモータ1の電機子の各相の実際の印加電圧を制御する。PWMインバータ17は、相電圧指令値Vu_tar、Vv_tar、及びVw_tarに従ってモータ1の電機子の各相U、V、及びWの印加電圧の大きさ(振幅)及び位相を制御する。
位相補正器18は、回転角度検出器8が出力した磁極検出角θactに含まれている実際の磁極の回転角度からの誤差角を表す磁極位置誤差角θofsを回転角度補正量として求めて出力する(以下、磁極位置誤差角θofsを回転角度補正量θofsという)。位相補正器18は、本発明における補正手段の一例である。その処理の詳細は後述するが、位相補正器18は、所定の条件下で回転角度補正量θofsを求めて記憶保持し、所定の条件下以外のモータ1の通常的な運転時には、記憶保持している回転角度補正量θofsを出力する。そして、位相補正器18は、回転角度補正量θofsを求める処理を実行しているときには、回転角度補正量θofsの仮設定値α(以下、仮設定補正角αという)を出力する。この場合には、後述する減算処理器19が求める磁極回転角度θは、θ=θact−αとなる。
なお、位相補正器18には、回転角度補正量θofsを求める処理を行なうために、トルク指令値Tq_tarが入力されるとともに、電圧指令生成器15からd軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarの算出値が入力され、速度算出器20から角速度ωの算出値が入力される。さらに、位相補正器18には、レゾルバ0点学習モードを表すデータが入力される。レゾルバ0点学習モードを表すデータは、回転角度補正量θofsの設定及び記憶保持処理が実行済みか否かを示すデータである。例えば回転電機制御システム100の製造後、まだ動作されたことがない状態では、レゾルバ0点学習モードは、回転角度補正量θofsの設定及び記憶保持処理がまだ実行されていない旨を表す値に設定されている。また、位相補正器18は、回転角度補正量θofsを求める処理を実行しているときに、電流指令切換器10から弱め界磁制御におけるトルク指令値“0”のd軸電流指令値Id_tar及びq軸電流指令値Iq_tarの組(Id_tq0、0)を出力させるための切換指令を電流指令切換器10に対して出力する。
減算処理器19は、位相補正器18から出力された回転角度補正量θofsを回転角度検出器8が出力した磁極検出角θactから減算することによって、電流座標変換器12及び電圧座標変換器16の座標変換で用いる磁極回転角度θ(=θact−θofs)を求める。
速度算出器20は、磁極検出角θactを微分することによってモータ1の回転子の角速度ω=dθact/dtを求める。
弱め界磁電流指令生成器21は、所定の電圧進角値φにて弱め界磁制御を行う場合に、トルクが“0”となる界磁電流の指令値であるd軸電流指令値Id_tarの目標値id_tq0とモータ1の角速度ωとの対応関係を決定するテーブルを有し、速度算出器20が出力した角速度ωを入力し、その角速度ωに応じた目標値id_tq0を求めて出力する。
なお、以上説明した本実施形態のモータ制御装置2において、例えば、電流指令生成器9、電流指令切換器10、減算処理器13、減算処理器14、減算処理器19、電圧指令生成器15、電流座標変換器12、電圧座標変換器16、位相補正器18、速度算出器20、弱め界磁電流指令生成器21は、所定のプログラムが実装されたマイクロコンピュータ(入出力回路を含む)の機能的手段として構成することができる。
ここで、図4及び図5を参照して、位相補正器18による回転角度補正量θofsの算出動作の基本的な考え方について説明する。図4は、dq座標系において弱め界磁領域にてトルク指令値Tq_tarを“0”に制御する場合のモータ1の固定子の逆起電圧Eとd軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarとの関係を示す図である。
図4(a)は回転角度補正量θofsがゼロ(誤差無し)の場合を示す。図4(b)は回転角度補正量θofsがゼロ(誤差無し)ではない場合を示す。図5は、参考例を説明するための図であり、dq座標系において直交領域にてトルク指令値Tq_tarを“0”に制御する場合のモータ1の固定子の逆起電圧Eとd軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarとの関係を示す。図5(a)は回転角度補正量θofsがゼロ(誤差無し)の場合を示す。図5(b)は回転角度補正量θofsがゼロ(誤差無し)ではない場合を示す。
図4(a)に示す回転角度補正量θofs=0の場合、モータ制御装置2が演算処理で用いる指令値座標d−qのd軸及びq軸は、モータ1のハードウェアに起因するdq座標のd軸及びq軸と一致する。この場合、d軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarは逆起電圧Eと電圧進角値φとから次式で表される。
Figure 2018082604
Figure 2018082604
一方、図4(b)に示す回転角度補正量θofs≠0の場合、モータ制御装置2が演算処理で用いる指令値座標d−qのd軸及びq軸は、モータ1のハードウェアに起因するdq座標のd軸及びq軸に対して回転角度補正量θofsの位相差を有している。
この場合、d軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarは逆起電圧Eと電圧進角値φと回転角度補正量θofsとから次式で表される。
Figure 2018082604
Figure 2018082604
また、図5(a)に示す回転角度補正量θofs=0の場合、モータ制御装置2が演算処理で用いる指令値座標d−qのd軸及びq軸は、モータ1のハードウェアに起因するdq座標のd軸及びq軸と一致する。この場合、d軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarは逆起電圧Eから次式で表される。
Figure 2018082604
Figure 2018082604
一方、図5(b)に示す回転角度補正量θofs≠0の場合、モータ制御装置2が演算処理で用いる指令値座標d−qのd軸及びq軸は、モータ1のハードウェアに起因するdq座標のd軸及びq軸は回転角度補正量θofsの位相差を有している。この場合、d軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarは逆起電圧Eと回転角度補正量θofsとから次式で表される。
Figure 2018082604
Figure 2018082604
図4(a)に示すように、回転角度補正量θofsがゼロ(誤差無し)の場合、逆起電圧Eとd軸電圧指令値Vd_tar及びq軸電圧指令値Vq_tarとの関係は式(3)及び式(4)で表される。すなわち、回転角度補正量θofsがゼロ(誤差無し)の場合、式(3)及び式(4)が成立する。一方、式(5)及び式(6)に含まれる回転角度補正量θofsは、dq座標と指令値座標d−qの位相差に対応したものであり、図1に示す構成では位相補正器18が“0”を出力している場合に減算処理器19が出力する磁極回転角度θに含まれる取り付け誤差による角度誤差に対応する。したがって、回転角度補正量θofsを適切に設定することで減算処理器19が出力する磁極回転角度θから取り付け誤差による角度誤差を除くことができる。その場合、dq座標と指令値座標d−qの位相差はゼロとなるので、式(5)及び式(6)に含まれる回転角度補正量θofsはゼロとなる。式(5)及び式(6)において回転角度補正量θofsをゼロとすると、式(5)及び式(6)は式(3)又は及び式(4)に一致する。よって、位相補正器18は、式(3)又は及び式(4)が成立するか否かを判定することで、回転角度補正量θofsが適切であるか否かを判定することができる。
なお、参考例として図5に示す直交領域では、式(7)が成立するか否かを判定することで、回転角度補正量θofsが適切であるか否かを判定することができる。
次に、本実施形態のモータ制御装置2の動作について、位相補正器18の詳細な処理を中心に図2のフローチャート及び図3のタイミングチャートを参照して説明する。図3のタイミングチャートは、上から順に、モータ1の回転数、トルク指令値Tq_tarのレベル、STEP1の判定結果、STEP2の判定結果、STEP3の判定結果、STEP4の実行期間、STEP5−1の実行期間、回転角度補正量θofsの記憶保持状態、及び通常のベクトル制御と回転角度補正量θofsの学習動作の実行状態の時間変化を示す。
例えば、位相補正器18に入力されるレゾルバ0点学習モードが回転角度補正量θofsの設定及び記憶保持処理(学習)がまだ行われていない旨を示す場合(レゾルバ0点未学習の場合(STEP0で「YES」の場合))、位相補正器18はSTEP1以降の処理を実行する。例えば、モータ制御装置2は、トルク指令値Tq_tarに応じてモータ1に流れる電流を制御する(図3の時刻t0〜時刻t1)。モータ回転数が弱め界磁境界回転数を越えると(図3の時刻t1)、位相補正器18は、角速度ωが所定値を以上であると判定する(STEP1で「YES」)。また、トルク指令値Tq_tarが略ゼロになり、また、角速度ωが略一定になると(図3の時刻t2以降)、位相補正器18は、角速度ωが略一定であり(STEP2で「YES」)、トルク指令値Tq_tarが略ゼロである(STEP3で「YES」)と判定する。次に、弱め界磁電流指令生成器21が、角速度ωに応じたトルク指令を“0”とするd軸電流指令値Id_tarの目標値id_tq0を、角速度ωと目標値id_tq0との対応関係を示すテーブルから検索して取得して出力する(STEP4(図3の時刻t2〜時刻t3))。次に、位相補正器18が、電流指令切換器10に対して、出力信号をId_tar=Id_tq0及びIq_tar=0に切り替える切替指令を出力する(STEP5−1(図3の時刻t3))。
次に、位相補正器18は、仮設定補正角αの初期値を“0”として、これを回転角度補正量θofsの代わりに減算処理器19に対して出力する(STEP5−2)。次に、位相補正器18は、所定時間待機する(STEP5−3)。この待機は、減算処理器19に対して入力する仮設定補正角αを変化させた場合に、フィードバック制御において、d軸電圧指令値Vd_tarに変化が生じて収束するまでの時間を確保するためのものである。所定時間は例えば数十ms程度とすることができる。次に、位相補正器18は、式(3)(あるいは式(4))が略成立するか否かを判定する(STEP5−4)。位相補正器18は、式(3)(あるいは式(4))が略成立してはいないと判定した場合(STEP5−4で「NO」の場合)、仮設定補正角αを、その現在値にあらかじめ定めた微小な所定量Δαだけ増加させた値に更新した後(STEP5−5)、STEP5−3からの処理を繰り返す。
一方、位相補正器18は、式(3)(あるいは式(4))が略成立していると判定した場合(STEP5−4で「YES」の場合)、現在出力している仮設定補正角αを回転角度補正量θofsと得る(STEP6−1)。そして、位相補正器18は、この回転角度補正量θofsを記憶保持し(STEP6−2)、図2に示す処理を終了する。
以上のようにして、位相補正器18は、d軸電圧指令値Vd_tarがほぼEsinφになるまで(あるいはq軸電圧指令値Vq_tarがほぼEcosφになるまで)、仮設定補正角αの値を所定量Δαずつ変化させ、最適な仮設定補正角αが探索される。そして、位相補正器18は、その探索した仮設定補正角αの値を、最終的に回転角度補正量θofsとして記憶保持する。
図2に示す動作例では、位相補正器18が、モータ1の回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値φにおける固定子の逆起電圧Eのd軸電圧成分(Esinφ)又はq軸電圧成分(Ecosφ)と、d軸電圧指令値Vd_tar又は前記q軸電圧指令値Vq_tarとを比較し、それらが略一致するように、回転角度補正量θofsを算出する。ただし、比較の結果に基づいて、例えば、比較した両者の差分の符号が変化した時点の仮設定補正角αの値を回転角度補正量θofsに設定したり、比較した両者の差分に基づき所定の近似式を用いて回転角度補正量θofsを算出したりしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、回転電機の弱め界磁領域、すなわち回転子の回転数が高い領域においても、回転角度を補正することが可能となる。したがって、例えば、高車速時において運転者の要求駆動力が小さい場合などに、微小時間トルクをゼロとして回転角度の補正を行うことで、運転者への影響を抑制しながら、回転角度の補正可能な状態頻度の低下を抑制することができる。したがって、例えば、シリーズハイブリッド型車両、電気自動車などでも補正頻度の低下を抑制することができる。すなわち、本実施形態によれば、弱め界磁領域において回転角度補正量θofsを算出することができるので、回転角度検出器8の回転角度の補正量を算出可能な状態の頻度を増やすことができる。
(第2実施形態)
次に図6〜図8を参照して、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。図6は、図1に示す位相補正器18等の第2実施形態における動作例を示すフローチャートである。図7は、図1に示す回転電機制御システム100の第2実施形態における動作例を示すタイミングチャートである。図8は、第1実施形態と第2実施形態の差異を説明するためのタイミングチャートである。なお、図6及び図7では第1実施形態と共通の部分について図2及び図3と共通の符号を付け、説明を適宜省略する。第2実施形態の構成例は、図1に示す第1実施形態の構成例と同一である。第2実施形態は、動作の一部が第1実施形態と異なる。
図6に示すフローチャートは、図2に示す第1実施形態のフローチャートと次の点が異なる。すなわち、図6に示すフローチャートでは、図2に示すSTEP4の処理が、STEP1の処理の後に移されてSTEP1−2の処理として設けられている。したがって第2実施形態では、位相補正器18が角速度ωが所定値以上であると判定した場合に(STEP1が「YES」の場合に)、弱め界磁電流指令生成器21が、角速度ωに応じたトルク指令を“0”とするd軸電流指令値Id_tarの目標値id_tq0を、角速度ωと目標値id_tq0との対応関係を示すテーブルから検索して取得し、出力する(STEP1−2)。また、STEP1−2の後、位相補正器18は、角速度ωが略一定であり(STEP2で「YES」)、かつ、トルク指令値Tq_tarが略ゼロである(STEP3で「YES」)と判定した場合、電流指令切換器10に対して、出力信号をId_tar=Id_tq0及びIq_tar=0に切り替える切替指令を出力する(STEP5−1)。
また、図7に示すタイミングチャートは、上から順に、モータ1の回転数、トルク指令値Tq_tarのレベル、図6に示すSTEP1の判定結果、STEP2の判定結果、STEP3の判定結果、STEP1−2の実行期間、STEP5−1〜5(STEP5)の実行期間、回転角度補正量θofsの記憶保持状態、及び通常のベクトル制御と回転角度補正量θofsの学習動作の実行状態の時間変化を示す。図7に示すタイミングチャートは、図3に示す第1実施形態のタイミングチャートと次の点が異なる。すなわち、図3に示す第1実施形態のタイミングチャートでは、時刻t2でSTEP1〜3のすべての判定結果が「YES」となった場合にSTEP4の検索処理が実行される。これに対し、図7に示す第2実施形態のタイミングチャートでは、時刻t1でSTEP1の判定結果が「YES」となった場合にSTEP1−2の検索処理が実行される。また、図3に示す第1実施形態のタイミングチャートでは、STEP4の検索処理終了後、時刻t3でSTEP5−1〜5−4(STEP5)の処理が開始される。これに対し、図7に示す第2実施形態のタイミングチャートでは、時刻t2でSTEP1〜3のすべての判定結果が「YES」となった場合にSTEP5−1〜5−4(STEP5)の処理が開始される。
第2実施形態では、目標値id_tq0の検索(STEP1−2)が行われつつSTEP1〜STEP3の判定処理が実行されるので、STEP1〜STEP3の判定条件が整ったときに位相補正器18はすぐに電流指令切換器10に対して切替指令を出力することができる(STEP5−1)。したがって、STEP1〜STEP3の判定条件が整ったときに検索処理が開始され(STEP4)、その後、切替指令が出力(STEP5−1)される第1実施形態と比較して、第2実施形態では、STEP1〜STEP3の判定条件が整ってから学習処理が完了するまでの時間(学習時間)を短縮することができる。学習時間が短縮できれば、図8に示すように、学習途中に学習処理がキャンセルされる事案を減らせるので、第2実施形態では、第1実施形態と比較して学習頻度を向上させることができる。図8は、学習可否条件判定(STEP1、STEP2及びSTEP3の判定)が整った状態(OK)から整わなくなった状態(NG)へ変化したときに、学習時間が短いとき(第2実施形態)と長いとき(第1実施形態)でどのような違いがあるのかを示す。図8は、学習時間が短い場合(第2実施形態)には学習可否条件判定がOKの間に学習が完了するときでも、学習時間が長い場合(第1実施形態)には学習可否条件判定がOKの間に学習が完了しないときがあることを示す。
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態によって得られる回転角度検出器8の回転角度の補正量を算出可能な状態の頻度を増やすことができるという効果を、より高めることができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、図1に示す回転電機制御システム100は、パラレルハイブリッド型車両等、モータ1以外の他の動力源を有する車両に搭載してもよい。そして、回転電機制御システム100(モータ1)を車両駆動用として車両に搭載する場合、位相補正器18は、車両の速度が所定速度以上である場合に回転角度検出器8が検出した回転角度の補正を行うようにすることができる。この構成では、回転角度の補正を行う間、モータ1のトルクがゼロとなる場合であっても、車両が惰性走行を継続する。したがって、車両速度の低下を抑制しながら、(モータ1の回転速度の低下も抑制されるため)回転角度の補正精度の低下を抑制することができる。あるいは、回転電機制御システム100(モータ1)を車両駆動用として車両に搭載する場合、位相補正器18は、所定期間における車両の速度の変化量が所定値以下である場合に、回転角度検出8が検出した回転角度の補正を行うようにすることができる。この構成によれば、車両速度が過渡的に変化するような場合を避け、車両速度の変化量が比較的小さい場合に回転角度の補正を行うことができる。したがって、車両挙動に対する影響を抑制することができる。また、これらの構成によれば、例えば、高車速でのクルーズ時のような、(微小時間で)速度低下を避けやすく、且つ車速変動、駆動力変動の少ないタイミングを、上手く利用して学習頻度を向上させることができる。
また、図2又は図6のSTEP5−5では、仮設定補正角αを微小な所定量Δαだけ増加させることで更新することとしているが、微小な所定量Δαだけ増加又は減少させる処理に代えたり、所定量Δαとして大きさが異なる複数種類を用意して仮設定補正角αを変化させたりしてもよい。また、回転角度補正量θofsの設定及び記憶保持する学習処理は、動作開始時や部品交換時等に限らず、例えば所定の条件を設定して繰り返し行うようにしてもよい。また、図1に示すモータ制御装置2は、1又は複数のコンピュータと、そのコンピュータが実行するプログラムとを用いて構成することができ、そのプログラムの一部又は全部はコンピュータ読取可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することができる。
100…回転電機制御システム、1…モータ(永久磁石式回転電機)、2…モータ制御装置、8…回転角度検出器、9…電流指令生成器、10…電流指令切換器、11u…電機子電流検出器、11v…電機子電流検出器、12…電流座標変換器、13…減算処理器、14…減算処理器、15…電圧指令生成器、16…電圧座標変換器、17…PWMインバータ、18…位相補正器、19…減算処理器、20…速度算出器、21…弱め界磁電流指令生成器

Claims (6)

  1. 回転子及び固定子を有する回転電機と、
    前記回転子の回転角度を検出する回転角度検出器と、
    前記回転角度検出器が検出した前記回転角度に対して、回転角度補正量を設定して前記回転角度を補正する補正手段と、
    補正された前記回転角度に基づいて前記固定子に流れる電流をトルク成分(q軸成分)と磁界成分(d軸成分)に分解し、前記回転子に流れるq軸電流とd軸電流が所望のq軸電流指令値とd軸電流指令値に一致するように、q軸電圧指令値とd軸電圧指令値を算出し、算出した前記q軸電圧指令値と前記d軸電圧指令値に応じた交流電圧を前記固定子に印加することで、前記固定子に流れる電流を制御する電流制御手段と、
    を備え、
    前記補正手段が、前記回転子の回転数が所定値以上である場合に前記回転子の界磁を減磁する弱め界磁制御が行われている状態で、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とを比較することにより、前記回転角度補正量を算出する
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  2. 前記補正手段が、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とが略一致するように、前記回転角度補正量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記q軸電流指令値が前記回転子のトルク指令に応じて変化するものであり、
    前記補正手段が、前記回転数が前記所定値より大きくかつ略一定であり、かつ前記トルク指令が略ゼロである場合に、前記q軸電流指令値をゼロに切り替えるとともに前記d軸電流指令値を前記弱め界磁制御において前記回転子のトルクをゼロとする前記回転数に応じた値に切り替え、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とが略一致するように、前記回転角度補正量を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記回転電機は車両駆動用として車両に搭載され、
    前記補正手段は、前記車両の速度が所定速度以上である場合に、
    前記回転角度検出器が出力した前記回転角度の補正を行う
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記回転電機は車両駆動用として車両に搭載され、
    前記補正手段は、所定期間における前記車両の速度の変化量が所定値以下である場合に、
    前記回転角度検出器が出力した前記回転角度の補正を行う
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  6. 回転子及び固定子を有する回転電機と、
    前記回転子の回転角度を検出する回転角度検出器と、
    前記回転角度検出器が検出した前記回転角度に対して、回転角度補正量を設定して前記回転角度を補正する補正手段と、
    補正された前記回転角度に基づいて前記固定子に流れる電流をトルク成分(q軸成分)と磁界成分(d軸成分)に分解し、前記回転子に流れるq軸電流とd軸電流が所望のq軸電流指令値とd軸電流指令値に一致するように、q軸電圧指令値とd軸電圧指令値を算出し、算出した前記q軸電圧指令値と前記d軸電圧指令値に応じた交流電圧を前記固定子に印加することで、前記固定子に流れる電流を制御する電流制御手段と、
    を備える回転電機の制御装置において、
    前記補正手段によって、前記回転子の回転数が所定値以上である場合に前記回転子の界磁を減磁する弱め界磁制御が行われている状態で、前記回転子のトルクをゼロとする際の電圧進角値における前記固定子の逆起電圧のd軸電圧成分又はq軸電圧成分と、前記d軸電圧指令値又は前記q軸電圧指令値とを比較することにより、前記回転角度補正量を算出する
    ことを特徴とする回転電機の制御方法。
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