JP2018082357A - バンドパスフィルタアレイ、撮像装置及び信号処理方法 - Google Patents

バンドパスフィルタアレイ、撮像装置及び信号処理方法 Download PDF

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康平 是澤
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Abstract

【課題】高精度で色分離が可能なバンドパスフィルタアレイなどを提供する。【解決手段】所定面に入射する光を選択的に透過させるバンドパスフィルタアレイ1は、それぞれが、互いに重複しない2以上の透過帯域を有する複数のバンドパスフィルタ(BPF)20及び30を備え、所定面を平面視した場合において、所定面には、複数のBPF20及び30のうちの1つのみのBPF20又は30が設けられた非重複領域11と、複数のBPF20及び30のうちの2以上のBPF20及び30が重なるように設けられた重複領域12とが含まれており、複数のBPF20及び30の各々は、自身に重なるように設けられた他のバンドパスフィルタが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、バンドパスフィルタアレイ、当該バンドパスフィルタアレイを備える撮像装置及び信号処理方法に関する。
従来、2次元イメージングにおいて、入射光を色(波長)毎に分離するための色分離(色分解)フィルタが知られている。例えば、特許文献1には、シアン、イエロー及びグリーンの各々に対応した染料系カラーフィルタを備える色分解ストライプフィルタが開示されている。シアンフィルタとイエローフィルタとは互いに交差するようにストライプ状に形成されており、交差部にグリーンフィルタが配置されている。
特開昭58−195807号公報
しかしながら、上記従来の色分解ストライプフィルタでは、染料系カラーフィルタが用いられているため、透過波長帯域が広く、各色の分離精度が低い。
そこで、本発明は、高精度で色分離が可能なバンドパスフィルタアレイ、当該バンドパスフィルタアレイを備える撮像装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るバンドパスフィルタアレイは、所定面に入射する光を選択的に透過させるバンドパスフィルタアレイであって、それぞれが、互いに重複しない2以上の透過帯域を有する複数のバンドパスフィルタを備え、前記所定面を平面視した場合において、前記所定面には、前記複数のバンドパスフィルタのうちの1つのみのバンドパスフィルタが設けられた非重複領域と、前記複数のバンドパスフィルタのうちの2以上のバンドパスフィルタが重なるように設けられた重複領域とが含まれており、前記複数のバンドパスフィルタの各々は、自身に重なるように設けられた他のバンドパスフィルタが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する。
また、本発明の一態様に係る撮像装置は、イメージセンサと、前記イメージセンサの光入射側に設けられた、前記バンドパスフィルタアレイとを備える。
また、本発明の一態様に係る信号処理方法は、前記バンドパスフィルタアレイを透過した光が入射するイメージセンサが生成した電気信号である受光信号を処理する信号処理方法であって、前記イメージセンサから、前記非重複領域と前記重複領域とで構成され、互いに透過特性の異なる複数の領域の各々を透過した光の受光信号を取得する取得ステップと、前記複数の領域の1つである対象領域とは異なる領域で、かつ、前記対象領域に含まれる1以上のバンドパスフィルタの全てが含まれる領域であるフィルタ共通領域が、前記複数の領域に含まれる場合に、前記対象領域に対応する受光信号から、前記フィルタ共通領域に対応する受光信号を減算する減算ステップとを含む。
本発明に係るバンドパスフィルタアレイなどによれば、高精度で色分離を行うことができる。
実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイの平面図である。 図1のII−II線における実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイの断面図である。 実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイの領域毎の透過特性を示す図である。 実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイを備える撮像装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイを介した光信号からRGBの各々の色信号を生成するための信号処理を説明するための図である。 実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイの製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の変形例1に係るバンドパスフィルタアレイの断面図である。 実施の形態1の変形例2に係るバンドパスフィルタアレイの断面図である。 実施の形態1の変形例3に係るバンドパスフィルタアレイの平面図である。 実施の形態1の変形例3に係るバンドパスフィルタアレイの領域毎の透過特性を示す図である。 実施の形態1の変形例3に係る信号処理方法を示すフローチャートである。 実施の形態2に係るバンドパスフィルタアレイの平面図である。 アライメントずれの発生の有無毎の実施の形態2に係るバンドパスフィルタアレイを示す平面図である。 実施の形態2の変形例1に係るバンドパスフィルタアレイの平面図である。 実施の形態2の変形例1に係るバンドパスフィルタアレイの領域毎の透過特性を示す図である。 実施の形態2の変形例2に係るバンドパスフィルタアレイの平面図である。 実施の形態2の変形例2に係るバンドパスフィルタアレイの領域毎の透過特性を示す図である。 実施の形態2の変形例3に係るバンドパスフィルタアレイの平面図である。 実施の形態2の変形例3に係るバンドパスフィルタアレイの領域毎の透過特性を示す図である。 実施の形態2の変形例3に係る信号処理方法を示すフローチャートである。 実施の形態2の変形例3に係る信号処理方法におけるサブ減算処理を示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ、撮像装置及び信号処理方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
[概要]
まず、実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイの概要について説明する。
バンドパスフィルタアレイは、所定面に入射する光を選択的に透過させる二次元状のフィルタアレイである。具体的には、バンドパスフィルタアレイは、所定面における領域毎に異なる波長帯域の光を透過させる。領域は、バンドパスフィルタアレイが備える複数のバンドパスフィルタ(BPF)の有無によって区分される。
所定面を平面視した場合において、所定面には、非重複領域と重複領域とが含まれている。非重複領域は、バンドパスフィルタアレイが備える複数のBPFのうちの1つのみのBPFが設けられた領域である。重複領域は、バンドパスフィルタアレイが備える複数のBPFのうちの2以上のBPFが重なるように設けられた領域である。
具体的には、バンドパスフィルタアレイは、n個(nは、2以上の自然数)のBPFを備える。非重複領域には、n個のBPFのうちのp個(pは、n以下の自然数)のBPFの各々が1つのみ設けられたp個の非重複領域が含まれている。重複領域には、n個のBPFから2以上のBPFを選択するq通り(qは自然数)の組み合わせに対応し、対応する組み合わせとして選択された2以上のBPFが重なるように設けられたq個の重複領域が含まれている。
複数のBPFはそれぞれが、互いに重複しない2以上の透過帯域を有する。複数のBPFの各々は、自身に重なるように設けられた他のBPFが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する。透過帯域の詳細については、後で例を挙げながら詳細に説明する。
[構成]
まず、実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイの構成について、図1及び図2を用いて説明する。以下では、一例として、フィルタ数が2(n=2)、非重複領域の個数が2(p=2)、重複領域の個数が1(q=1)の場合のバンドパスフィルタアレイについて説明する。
図1は、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1の平面図である。図2は、図1のII−II線における本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1の断面図である。なお、図1では、各領域の範囲が明確になるように領域毎にドットの網掛けを付している。
図1及び図2に示すように、バンドパスフィルタアレイ1は、BPF20と、BPF30と、基板40と、基板50とを備える。バンドパスフィルタアレイ1では、所定面を平面視した場合において、BPF20と、BPF30とが一部が重なるように設けられている。
所定面は、例えば、バンドパスフィルタアレイ1に対する光の入射面である。具体的には、所定面は、図2に示す基板50の上面(BPF30の反対側の主面)である。なお、所定面は、BPF30の上面、又は、BPF20とBPF30との界面とみなしてもよい。
図1に示すように、バンドパスフィルタアレイ1では、非重複領域11と重複領域12とを含む単位領域10が所定面内で繰り返し設けられている。非重複領域11には、第1非重複領域11aと、第2非重複領域11bとが含まれている。
第1非重複領域11aは、BPF20及びBPF30のうちBPF20のみが設けられた領域である。第2非重複領域11bは、BPF20及びBPF30のうちBPF30のみが設けられた領域である。重複領域12は、BPF20及びBPF30が重なるように設けられた領域である。各領域に設けられたBPFが互いに異なるので、各領域の透過特性も互いに異なる。
BPF20及びBPF30はそれぞれが、互いに重複しない2以上の波長領域に光の透過帯域を有するマルチバンドパスフィルタの一例である。BPF20及びBPF30の各々の透過特性については、図3を用いて後で説明する。
BPF20及びBPF30はそれぞれ、3層以上の薄膜が積層された多層構造を有する薄膜干渉フィルタである。例えば、多層構造を構成する3層以上の薄膜の膜厚、屈折率及び積層数を適切に設計することで、所望の波長帯域に光の透過帯域を有するBPF20及びBPF30をそれぞれ実現することができる。薄膜は、例えば、誘電体材料を用いた無機膜である。例えば、薄膜は、酸化シリコン(SiO)膜、及び、酸化チタン(TiO)膜などである。各薄膜は、基板40又は基板50上に、蒸着、スパッタリングなどによって形成される。BPF20及びBPF30の膜厚は、例えば1μm〜5μmであるが、これに限らない。
図1に示すように、BPF20及びBPF30はそれぞれ、平面視において、ラインアンドスペース状(ストライプ状)に形成されている。BPF20のラインとスペースとは、互いに同じ幅であるが、異なっていてもよい。また、複数のラインの各々の幅、及び、複数のスペースの各々の幅は、互いに同じ幅であるが、異なっていてもよい。BPF30についても同様である。
本実施の形態では、BPF20及びBPF30は、それぞれのラインが平行になるように設けられている。また、BPF20及びBPF30は、平面視において一部が重なっている。平面視において重なる部分が、重複領域12である。具体的には、BPF20の半分がBPF30の半分と重なっている。すなわち、重複領域12と、第1非重複領域11aと、第2非重複領域11bとは、互いに同じ大きさ及び同じ形状を有する。したがって、重複領域12、第1非重複領域11a及び第2非重複領域11bの各々に入射する光の量を同じにすることができる。
基板40は、BPF20を支持する。基板40は、例えば、平面視形状が矩形の板材であり、主面(表面)上にBPF20が設けられている。
基板50は、BPF30を支持する。基板50は、例えば、平面視形状が矩形の板材であり、主面(表面)上にBPF30が設けられている。本実施の形態では、基板50は、基板40との間にBPF20及びBPF30を挟んでいる。具体的には、基板50は、BPF30が形成された主面が、基板40に対向するように配置されている。
なお、基板40及び基板50の平面視形状は、矩形に限らず、多角形、又は、円形若しくは楕円形などの曲線を含む形状でもよい。基板40及び基板50はそれぞれ、透光性を有する材料を用いて形成されている。例えば、基板40及び基板50の材料としては、透明なガラス材料又は樹脂材料を用いることができる。基板40及び基板50は、互いに同一の構成を有するが、これに限らない。
なお、図2に示すように、バンドパスフィルタアレイ1では、基板40と基板50との間にBPF20及びBPF30が設けられており、BPF20及びBPF30の各々のスペースは空洞(空気層)であるが、これに限らない。当該空洞には、透光性を有する樹脂層が充填されていてもよい。例えば、BPF20が設けられた基板40とBPF30が設けられた基板50との貼り合わせに用いる接着材料(図示せず)が、当該空洞に充填されていてもよい。
[透過特性]
続いて、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1の透過特性について説明する。
図3は、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1の領域毎の透過特性を示す図である。図3の(a)〜(c)はそれぞれ、第1非重複領域11a、第2非重複領域11b及び重複領域12の透過特性を示している。
第1非重複領域11aには、図1及び図2に示すように、平面視においてBPF20のみが設けられている。したがって、図3の(a)に示す第1非重複領域11aの透過特性は、BPF20の透過特性(フィルタ特性)に実質的に一致する。なお、ここでは、基板40及び基板50などでの光の減衰を考慮しないものとする。
BPF20は、自身が設けられている重複領域の個数と同数の、又は、当該個数より1大きい数の透過帯域を有する。具体的には、BPF20は、重複領域12に設けられているので、1つ又は2つの透過帯域を有する。
具体的には、BPF20は、第1バンドパスフィルタの一例であり、図3の(a)に示すように、互いに重複しない透過帯域61と透過帯域62とを有する。また、BPF20は、透過帯域61と透過帯域62との間に遮断帯域71を有する。
透過帯域61は、第1透過帯域の一例であり、例えば、中心波長が約450nmで帯域幅が約50nmの波長帯域である。透過帯域61は、主として青色光(B)を透過させるための波長帯域である。ここで、中心波長は、帯域幅の中央値における波長である。帯域幅は、絶対的な光の透過率が50%となる部分での透過帯域の幅である。
透過帯域62は、第2透過帯域の一例であり、例えば、透過帯域61より中心波長が大きい波長帯域である。透過帯域62は、例えば、中心波長が約550nmで帯域幅が約50nmの波長帯域である。透過帯域62は、主として緑色光(G)を透過させるための波長帯域である。
遮断帯域71は、第1遮断帯域の一例であり、光の透過率が10%以下である。なお、BPF20は、透過帯域61及び透過帯域62以外に光の透過帯域を有さない。具体的には、BPF20では、透過帯域61及び透過帯域62を除いた他の波長帯域における光の透過率が10%以下である。
BPF20は、透過帯域61と透過帯域62とを有するので、青色成分及び緑色成分を含む光(シアン光)を透過させる。したがって、BPF20のみが設けられた第1非重複領域11aは、シアン光(C)を透過させ、かつ、他の色成分(波長成分)の光を実質的に透過させない領域である。
第2非重複領域11bには、図1及び図2に示すように、平面視においてBPF30のみが設けられている。したがって、図3の(b)に示す第2非重複領域11bの透過特性は、BPF30の透過特性(フィルタ特性)に実質的に一致する。
BPF30は、自身が設けられている重複領域の個数と同数の、又は、当該個数より1大きい数の透過帯域を有する。具体的には、BPF30は、重複領域12に設けられているので、1つ又は2つの透過帯域を有する。
具体的には、BPF30は、第2バンドパスフィルタの一例であり、図3の(b)に示すように、互いに重複しない透過帯域63と透過帯域64とを有する。また、BPF30は、透過帯域63と透過帯域64との間に遮断帯域72を有する。
透過帯域63は、第3透過帯域の一例であり、例えば、中心波長が約550nmで帯域幅が約50nmの波長帯域である。透過帯域63は、主として緑色光を透過させるための波長帯域である。
透過帯域64は、第4透過帯域の一例であり、例えば、透過帯域63より中心波長が大きい波長帯域である。透過帯域64は、例えば、中心波長が約650nmで帯域幅が約50nmの波長帯域である。透過帯域64は、主として赤色光を透過させるための波長帯域である。
遮断帯域72は、第2遮断帯域の一例であり、光の透過率が10%以下である。なお、BPF30は、透過帯域63及び透過帯域64以外に光の透過帯域を有さない。具体的には、BPF30では、透過帯域63及び透過帯域64を除いた他の波長帯域における光の透過率が10%以下である。
BPF30は、透過帯域63と透過帯域64とを有するので、緑色成分及び赤色成分を含む光(イエロー光)を透過させる。したがって、BPF30のみが設けられた第2非重複領域11bは、イエロー光(Y)を透過させ、かつ、他の色成分(波長成分)の光を実質的に透過させない領域である。
本実施の形態では、BPF20及びBPF30はそれぞれ、自身に重なるように設けられた他のBPFが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する。BPF20及びBPF30は互いに、重複領域12で重なっている。したがって、BPF20は、自身に重なるように設けられたBPF30が有する透過帯域63及び透過帯域64の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する。同様に、BPF30は、自身に重なるように設けられたBPF20が有する透過帯域61及び透過帯域62の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する。
具体的には、図3の(a)及び(b)に示すように、BPF20の透過帯域62とBPF30の透過帯域63とは、重複している。具体的には、透過帯域62と透過帯域63とは、一致している。
なお、透過帯域62と透過帯域63とは、完全に一致していなくてもよい。具体的には、透過帯域62と透過帯域63とで、帯域幅、立ち上がり時及び立ち下がり時の波長、並びに、透過率の平均値及び最大値などが互いに異なっていてもよい。例えば、透過帯域62が透過帯域63に含まれていてもよく、透過帯域63が透過帯域62に含まれていてもよい。例えば、透過帯域62の大部分(例えば帯域幅の90%以上)と、透過帯域63の大部分とが一致していてもよい。
また、本実施の形態では、非重複領域11に設けられているBPF20及びBPF30の各々は、自身を除いた残りのBPFが有する全ての透過帯域とは重複しない透過帯域を有する。具体的には、BPF20の透過帯域61は、BPF30の透過帯域63及び透過帯域64と重複していない。同様に、BPF30の透過帯域64は、BPF20の透過帯域61及び透過帯域62と重複していない。すなわち、透過帯域61と透過帯域64とは、重複していない。
本実施の形態では、透過帯域61〜64の各々における光の透過率は、90%以上である。当該光の透過率は、95%以上でもよい。なお、透過帯域における光の透過率は、例えば、透過帯域の中心波長における透過率である。また、透過帯域61〜64の各々の中心波長及び帯域幅は、上記例に限らない。帯域幅は、例えば、20nm〜80nmの範囲内で定められた値であってもよい。
重複領域12では、図1及び図2に示すように、BPF20とBPF30とが重複するように設けられている。このため、重複領域12の透過特性は、BPF20の透過特性とBPF30の透過特性とを掛け合わせた特性となる。つまり、重複領域12では、BPF20の透過特性とBPF30の透過特性との重複部分の波長帯域に光の透過帯域が形成される。
具体的には、図3の(c)に示すように、重複領域12は、透過帯域62(透過帯域63)のみを有する。本実施の形態では、透過帯域62は、緑色成分を透過させるので、重複領域12は、グリーン光(G)を透過させ、かつ、他の色成分(波長成分)の光を実質的に透過させない領域である。
なお、本実施の形態では、透過帯域62と透過帯域63とが重複(具体的には一致)している例について示したが、これに限らない。例えば、BPF30は、透過帯域63の代わりに透過帯域61を有してもよい。あるいは、BPF20は、透過帯域62の代わりに透過帯域64を有してもよい。
[信号処理]
続いて、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1を利用した信号処理方法について説明する。信号処理方法は、例えば、図4に示す撮像装置100の信号処理回路90が行う。以下では、まず、図4を用いて撮像装置100の構成について説明する。
図4は、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1を備える撮像装置100の構成を示すブロック図である。図4に示すように、撮像装置100は、バンドパスフィルタアレイ1と、イメージセンサ80と、信号処理回路90とを備える。
図4では、バンドパスフィルタアレイ1のBPF20及びBPF30のみを示している。入射光のうち光L1は、BPF20のみが設けられた第1非重複領域11aに入射する。入射光のうち光L2は、BPF30のみが設けられた第2非重複領域11bに入射する。入射光のうち光L3は、BPF20及びBPF30が重なるように設けられた重複領域12に入射する。
イメージセンサ80は、入射した光を光電変換することで、電気信号を生成する。イメージセンサ80は、例えば、二次元状(マトリクス状)に配置されたフォトダイオード又はフォトトランジスタなどを有する。イメージセンサ80は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどである。例えば、イメージセンサ80では、各画素が第1非重複領域11a、第2非重複領域11b及び重複領域12にそれぞれ対応するように配置されている。
信号処理回路90は、イメージセンサ80が生成した電気信号を処理する。具体的には、信号処理回路90は、電気信号を処理することで、BPF20及びBPF30が有する透過帯域毎の色信号を生成する。本実施の形態では、信号処理回路90は、RGBの各色信号を生成する。
信号処理回路90は、例えば、マイコンなどで実現される。具体的には、信号処理回路90は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。信号処理回路90は、ソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアで実現されてもよい。
続いて、図5を用いて、具体的な信号処理の一例について説明する。図5は、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1を介した光信号からRGBの各々の色信号を生成するための信号処理を説明するための図である。
信号処理回路90は、第1非重複領域11aを透過した光の受光信号である第1信号S1と、第2非重複領域11bを透過した光の受光信号である第2信号S2と、重複領域12を透過した光の受光信号である第3信号S3とを取得する。第1信号S1は、青色成分と緑色成分とを含むシアン光(C)の強度に応じた電気信号である。第2信号S2は、緑色成分と赤色成分とを含むイエロー光(Y)の強度に応じた電気信号である。第3信号S3は、グリーン光(G)の強度に応じた電気信号である。
信号処理回路90は、図5の(a)に示すように、第1信号S1から第3信号S3を減算することで、透過帯域61の光に相当する信号を生成する。具体的には、透過帯域62及び透過帯域63に相当する緑色成分が打ち消されて、透過帯域61に相当する青色成分のみが残るので、青色光(B)の強度に応じた色信号を生成することができる。
信号処理回路90は、図5の(b)に示すように、第2信号S2から第3信号S3を減算することで、透過帯域64の光に相当する信号を生成する。具体的には、透過帯域62及び透過帯域63に相当する緑色成分が打ち消されて、透過帯域64に相当する赤色成分のみが残るので、赤色光(R)の強度に応じた色信号を生成することができる。
信号処理回路90は、図5の(c)に示すように、第3信号S3をそのまま、緑色光(G)の強度に応じた色信号として利用することができる。
以上のようにして、信号処理回路90は、RGBの各々の色信号を生成することができる。このように、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1を利用することで、2つのフィルタ(BPF20及びBPF30)から3つの波長成分の信号を生成することができる。つまり、少ないフィルタ数で多くの波長成分を取り出すことができる。本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1による利得(=取り出せる波長帯域の数/BPFの数×100)は、150%となる。
なお、本実施の形態では、RGBの各々の色信号を生成する例について示したが、これに限らない。生成できる色信号は、BPF20及びBPF30の透過帯域に依存する。具体的には、透過帯域61と、透過帯域62(=透過帯域63)と、透過帯域64との各々の波長成分に応じた色信号を生成することができる。
例えば、BPF20又はBPF30の透過帯域は、可視光でなくてもよい。例えば、透過帯域61〜64のいずれかが赤外領域又は紫外領域に含まれる場合、赤外光又は紫外光に応じた信号を生成することができる。つまり、所望の波長成分に合わせてBPF20及びBPF30の透過帯域を適切に設計することで、所望の波長成分を取り出すことができる。
[製造方法]
続いて、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1の製造方法について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1の製造方法を説明するための断面図である。
図6の(a)に示すように、まず、フィルタ素子2及びフィルタ素子3を準備する。具体的には、基板40及び基板50を準備し、基板40上にBPF20を積層することでフィルタ素子2を形成し、基板50上にBPF30を積層することでフィルタ素子3を形成する。なお、BPF20及びBPF30はそれぞれ、所望の透過特性を実現するように、SiO及びTiOなどの誘電体材料を適切な膜厚、屈折率及び積層数で、基板40又は基板50上に積層することで形成される。
次に、図6の(b)に示すように、フィルタ素子2とフィルタ素子3とを貼り合わせる。例えば、透光性の接着材料(図示せず)を介してフィルタ素子2とフィルタ素子3とを貼り合わせる。本実施の形態では、フィルタ素子2のBPF20上に、フィルタ素子3のBPF30を載置する。
このとき、第1非重複領域11a、第2非重複領域11b及び重複領域12が互いに同じ形状、かつ、同じ大きさ(面積)になるように、BPF20とBPF30との位置合わせ(アライメント)を行う。アライメントの精度を高めることで、各領域を精度良く形成することができ、色分離(波長分離)の精度を高めることができる。
以上のようにして、バンドパスフィルタアレイ1を製造することができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1は、所定面に入射する光を選択的に透過させるバンドパスフィルタアレイであって、それぞれが、互いに重複しない2以上の透過帯域を有する複数のBPF20及び30を備え、所定面を平面視した場合において、所定面には、複数のBPF20及び30のうちの1つのみのBPFが設けられた非重複領域11と、複数のBPF20及びBPF30のうちの2以上のBPFが重なるように設けられた重複領域12とが含まれており、複数のBPF20及び30の各々は、自身に重なるように設けられた他のBPFが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する。
このように、BPF20及びBPF30の各々が、互いに重複しない2つの透過帯域を有するマルチバンドパスフィルタである。マルチバンドパスフィルタは、透過帯域以外の波長帯域の光を十分に減衰させることができる。したがって、BPF20及びBPF30の少なくとも一方が設けられた各領域を通過した光に含まれるノイズ成分を十分に小さくすることができる。すなわち、SN比を高めることができ、色分離の精度を高めることができる。
また、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ1によれば、図5で示したように、2つのバンドパスフィルタによって3つの波長帯域に相当する色信号を生成することができる。つまり、少ない数のフィルタによって、フィルタ数より多い波長帯域の色信号を生成することができる。フィルタ数の削減により、バンドパスフィルタアレイ1の軽量化、製造工程の簡略化及び低コスト化などを実現することができる。
具体的には、製造工程におけるアライメント(位置合わせ)工程の数を減らすことができる。例えば、RGBの3つのバンドパスフィルタを備えるフィルタアレイを製造する場合は、少なくとも2回のアライメントが必要になる。これに対して、本実施の形態では、BPF20とBPF30との位置合わせを1回行うだけでよい。
また、例えば、複数のBPF20及び30の各々は、自身に重なるように設けられた他のBPFが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと一致する透過帯域を有する。
これにより、BPF20の透過帯域62とBPF30の透過帯域63とが一致しているので、重複領域12を透過した光に含まれるノイズ成分を十分に小さくすることができ、色分離の精度を一層高めることができる。
また、例えば、BPF20及びBPF30はそれぞれ、3層以上の薄膜が積層された多層構造を有する薄膜干渉フィルタであり、透過帯域61、透過帯域62、透過帯域63及び透過帯域64の各々における光の透過率は、90%以上であり、BPF20は、透過帯域61と透過帯域62との間に、光の透過率が10%以下である遮断帯域71を有し、BPF30は、透過帯域63と透過帯域64との間に、光の透過率が10%以下である遮断帯域72を有する。
これにより、透過帯域と遮断帯域とで光の透過率が大きく異なっているので、各領域を透過した光に含まれるノイズ成分を十分に小さくすることができる。また、例えば、BPF20及びBPF30の各々を構成する薄膜の膜厚、屈折率(材料)及び積層数などを適切に調整することで、所望の波長帯域に光の透過帯域を容易に形成することができる。つまり、BPF20及びBPF30として薄膜干渉フィルタを利用することで、バンドパスフィルタアレイ1の透過帯域の設計の自由度を高めることができる。
また、例えば、非重複領域11と重複領域12とを含む単位領域10は、所定面内において所定ピッチで繰り返し設けられている。
これにより、所定面内で単位領域10が繰り返し設けられているので、単位領域10毎に、複数の波長帯域の光を分離することができる。したがって、二次元イメージセンシングを実現することができる。
また、例えば、本実施の形態に係る撮像装置100は、イメージセンサ80と、イメージセンサ80の光入射側に設けられた、バンドパスフィルタアレイ1とを備える。
これにより、高精度で色分離が可能なバンドパスフィルタアレイ1を備えるので、高精度イメージングを行うことができる。
また、例えば、バンドパスフィルタアレイ1は、n個(nは2以上の自然数)のBPFを備え、非重複領域には、n個のバンドパスフィルタのうちのp個(pはn以下の自然数)のBPFの各々が1つのみ設けられたp個の非重複領域が含まれ、重複領域には、n個のBPFから2以上のBPFを選択するq通り(qは自然数)の組み合わせに対応し、対応する組み合わせとして選択された2以上のBPFが重なるように設けられたq個の重複領域が含まれている。
これにより、n個のBPFを用いて、透過特性が互いに異なるp+q個の領域が所定面に形成される。p+q個の領域の各々を透過した光の受光信号を処理することで、p+q個の波長帯域の信号を生成することができる。つまり、入射光からp+q個の波長帯域の光を分離することができる。pの最大値pmaxは、nである。qは、n個のBPFから2以上のBPFを選択する組み合わせであるので、qの最大値qmaxは、以下の式を満たす。
Figure 2018082357
n個のBPFを用いて分離できる波長帯域の個数の最大値λmaxは、pmaxとqmaxとの合計である。例えば、n=2の場合、pmax=2、qmax=1であるので、λmax=3となる。n=3の場合、pmax=3、qmax=4であるので、λmax=7となる。このように、バンドパスフィルタアレイ1が備えるフィルタ数以上の波長帯域の光を分離することができる。
また、例えば、p個のBPFの各々は、自身を除いた残りのn−1個のBPFが有する全ての透過帯域とは重複しない透過帯域を有する。つまり、p個のBPFはそれぞれ、自身に固有の透過帯域を有する。
これにより、p個の非重複領域を透過した光の受光信号を処理することで、p個のBPFの各々が有する固有の透過帯域の光を分離することができる。したがって、例えば、BPFの固有の透過帯域として、分離したい光の波長帯域を予め設計しておくことで、容易に所望の光を分離することができる。
また、例えば、n個のBPFの各々は、自身が設けられている重複領域の個数と同数の、又は、当該個数より1大きい数の透過帯域を有する。
これにより、n個のBPFの各々が形成する重複領域の透過特性を互いに異ならせることができる。したがって、例えば、所定面の単位面積当たりに、透過特性が異なる複数の重複領域をより多く形成することができるので、入射光をより多くの波長帯域に分離することができる。
[変形例1]
ここで、本実施の形態の変形例1について説明する。以下に示す変形例1は、実施の形態1と比較して、バンドパスフィルタアレイ1の断面構造が相違する。平面視形状及び各領域の透過特性などについては、実施の形態1と同じである。
図7は、変形例1に係るバンドパスフィルタアレイ1aの断面図である。図7に示すように、バンドパスフィルタアレイ1aでは、基板50がBPF20上に載置されている。つまり、基板50は、基板40との間にBPF20を挟んでいる。
実施の形態1では、BPF20とBPF30とが接触して設けられていたのに対して、本変形例では、BPF20とBPF30との間に基板50が介在している。このように、BPF20とBPF30とは接触していなくてもよい。
[変形例2]
次に、本実施の形態の変形例2について説明する。以下に示す変形例2は、実施の形態1と比較して、バンドパスフィルタアレイ1の断面構造が相違する。平面視形状及び各領域の透過特性などについては、実施の形態1と同じである。
図8は、変形例2に係るバンドパスフィルタアレイ1bの断面図である。図8に示すように、バンドパスフィルタアレイ1bは、基板50を備えていない。具体的には、基板40上に、BPF20とBPF30とが順に積層されている。
また、バンドパスフィルタアレイ1bは、BPF20のスペースに設けられた樹脂層25を有する。樹脂層25は、透光性を有する樹脂材料から形成されている。樹脂層25は、BPF20の上面を平坦にするために設けられている。図8に示す例では、樹脂層25は、BPF20のスペースを充填しているが、これに限らず、BPF20の上面を覆っていてもよい。BPF20の上面を平坦化することで段差がなくなるので、BPF30の膜切れなどを抑制することができる。
[変形例3]
次に、本実施の形態の変形例3について説明する。
以下に示す変形例3は、実施の形態1と比較して、バンドパスフィルタアレイ1の平面視形状が相違している。具体的には、本変形例では、フィルタ数が3(n=3)、非重複領域の個数が3(p=3)、重複領域の個数が2(q=2)の場合のバンドパスフィルタアレイについて説明する。
図9は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ101の平面図である。
図9に示すように、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ101は、3つのBPF121〜123を備える。BPF121〜123はそれぞれ、薄膜干渉フィルタである。
なお、詳細な説明を省略するが、BPF121〜123は、各々に対応する基板上に設けられている。バンドパスフィルタアレイ101は、図2又は図7で示したバンドパスフィルタアレイ1又は1aと同様に、3つの基板が順に貼り合わされて形成されている。あるいは、バンドパスフィルタアレイ101は、図8で示したバンドパスフィルタアレイ1bと同様に、1つの基板上にBPF121〜123が順に積層されることで形成されていてもよい。
本変形例では、BPF121〜123の各々の平面視形状は、ラインアンドスペース状(ストライプ状)である。BPF121のラインとスペースとは、互いに同じ幅であるが、異なっていてもよい。また、複数のラインの各々の幅、及び、複数のスペースの各々の幅は、互いに同じ幅であるが、異なっていてもよい。BPF122及び123についても同様である。
本実施の形態では、BPF121〜123は、それぞれのラインが平行になるように設けられている。また、BPF121〜123は、平面視において一部が重なっている。BPF121とBPF122とが平面視において重なる部分が、重複領域112aである。BPF122とBPF123とが平面視において重なる部分が、重複領域112bである。
本変形例では、具体的には、BPF121の半分がBPF122の3分の1と重なっている。BPF123の半分がBPF122の3分の1と重なっている。すなわち、3つの非重複領域111a〜111c、並びに、2つの重複領域112a及び112bは、互いに同じ形状、かつ、同じ大きさである。したがって、3つの非重複領域111a〜111c、並びに、2つの重複領域112a及び112bの各々に入射する光の量を同じにすることができる。
図9に示すように、バンドパスフィルタアレイ101では、非重複領域111と重複領域112とを含む単位領域110が所定面内で繰り返し設けられている。非重複領域111には、3つの非重複領域111a、111b及び111cが含まれている。重複領域112には、2つの重複領域112a及び112bが含まれている。
非重複領域111aは、BPF121のみが設けられた領域である。非重複領域111bは、BPF122のみが設けられた領域である。非重複領域111cは、BPF123のみが設けられた領域である。
重複領域112aは、BPF121とBPF122とが重なるように設けられた領域である。重複領域112bは、BPF122とBPF123とが重なるように設けられた領域である。
本変形例では、非重複領域と重複領域とが交互に並んで配置されている。具体的には、非重複領域111a、重複領域112a、非重複領域111b、重複領域112b、非重複領域111cの順で並んでいる。
なお、単位領域110を構成する複数の領域には、説明の都合上、番号を付して示している。番号は、対応する領域内で重なるように設けられたフィルタの数(すなわち、フィルタ重複数)が小さい領域から昇順で付されている。フィルタ重複数が同じ領域に対しては、任意の順で番号を昇順に付している。
本変形例では、図9に示すように、単位領域110を構成する5つの領域(3つの非重複領域111a、111b及び111c、並びに、2つの重複領域112a及び112b)には、「1」〜「5」の番号を付している。具体的には、非重複領域111a、111b及び111c、並びに、重複領域112a及び112bには、この順で「1」〜「5」の番号が付されている。本変形例における以降の説明において、領域1は、非重複領域111aに対応する。領域2〜5についても同様である。領域1〜3のフィルタ重複数は1であり、領域4及び5のフィルタ重複数は2である。
本変形例では、領域1〜5の各々の透過特性が互いに異なっている。以下では、図10を用いて、各領域の透過特性、及び、BPF121〜123の透過特性について説明する。
図10は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ101の領域毎の透過特性を示す図である。図10の(a)〜(e)はそれぞれ、領域1〜5の各々の透過特性を示している。
領域1(非重複領域111a)には、図9に示すように、平面視においてBPF121のみが設けられている。したがって、領域1の透過特性は、BPF121の透過特性に実質的に一致する。同様に、領域2の透過特性は、BPF122の透過特性に実質的に一致する。領域3の透過特性は、BPF123の透過特性に実質的に一致する。
以下では、まず、図10の(a)〜(c)を参照しながら、BPF121〜123の透過特性について説明する。
BPF121〜123はそれぞれ、自身が設けられている重複領域の個数より1大きい数の透過帯域を有する。BPF121は、1つの重複領域112aに設けられているので、図10の(a)に示すように、2つの透過帯域λ1及びλ4を有している。BPF122は、2つの重複領域112a及び112bに設けられているので、図10の(b)に示すように、3つの透過帯域λ2、λ4及びλ5を有している。BPF123は、1つの重複領域112bに設けられているので、図10の(c)に示すように、2つの透過帯域λ3及びλ5を有している。
なお、透過帯域λ1〜λ5はそれぞれ、図3で示した透過帯域61などと同様に、光の透過率が90%以上となる波長帯域である。透過帯域λ1〜λ5は、互いに重複しない波長帯域である。透過帯域λ1〜λ5の各々の中心波長及び帯域幅は、特に限定されない。透過帯域λ1〜λ5の各々の間には、光の透過率が10%以下となる遮断帯域が設けられている。
BPF121〜123の各々は、自身に重なるように設けられた他のBPFが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと一致する透過帯域を有する。
具体的には、BPF121には、領域4(重複領域112a)でBPF122が重なるように設けられているので、BPF121は、BPF122が有する3つの透過帯域(透過帯域λ2、λ4及びλ5)の少なくとも1つである透過帯域λ4を有する。BPF123には、領域5(重複領域112b)でBPF122が重なるように設けられているので、BPF123は、BPF122が有する3つの透過帯域(透過帯域λ2、λ4及びλ5)の少なくとも1つである透過帯域λ5を有する。
BPF122には、領域4(重複領域112a)でBPF121が重なるように、かつ、領域5(重複領域112b)でBPF123が重なるように設けられている。したがって、BPF122は、BPF121が有する2つの透過帯域(透過帯域λ1及びλ4)の少なくとも1つである透過帯域λ4と、BPF123が有する2つの透過帯域(透過帯域λ3及びλ5)の少なくとも1つである透過帯域λ5とを有する。
また、BPF121〜123の各々は、自身を除いた残りの2個のBPFが有する全ての透過帯域とは重複しない透過帯域を有する。すなわち、BPF121〜123の各々は、1つの固有の透過帯域を有する。例えば、透過帯域λ1は、BPF121のみが固有に有し、BPF122及び123が有していない透過帯域である。同様に、透過帯域λ2は、BPF122のみが固有に有し、BPF121及び123が有していない透過帯域である。透過帯域λ3は、BPF123のみが固有に有し、BPF121及び122が有していない透過帯域である。
次に、領域1〜5の各々の透過特性について図10の(a)〜(e)を用いて説明する。なお、領域1〜3の透過特性はそれぞれ、BPF121〜BPF123の透過特性と実質的に一致するので、既に説明した通りである。
領域4(重複領域112a)には、図9に示すように、平面視においてBPF121とBPF122とが重なるように設けられている。したがって、領域4の透過特性は、BPF121とBPF122との各々の透過特性をかけ合わせることで得られる。具体的には、領域4の透過特性は、図10の(d)に示すように、BPF121とBPF122との各々に共通する透過帯域λ4を有する。
領域5(重複領域112b)には、図9に示すように、平面視においてBPF122とBPF123とが重なるように設けられている。したがって、領域5の透過特性は、BPF122とBPF123との各々の透過特性をかけ合わせることで得られる。具体的には、領域5の透過特性は、図10の(e)に示すように、BPF122とBPF123との各々に共通する透過帯域λ5を有する。
続いて、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ101を透過した光の受光信号の信号処理方法について説明する。当該信号処理方法は、例えば、図4に示す撮像装置100が、バンドパスフィルタアレイ1の代わりにバンドパスフィルタアレイ101を備える場合に、信号処理回路90によって実行される。
図11は、本変形例に係る信号処理方法を示すフローチャートである。なお、図11に示す信号処理方法を具体的に適用したものが、図5を用いて説明した実施の形態1に係る信号処理方法である。
まず、信号処理回路90は、複数の領域1〜5の各々を透過した光の受光信号を取得する(S10)。ここで、受光信号は、対応する領域を透過した光がイメージセンサ80によって光電変換された電気信号である。
次に、信号処理回路90は、複数の領域1〜5の各々に対して、以下の処理(減算処理)を実行する(S20)。以下の説明において、処理中の領域が対象領域である。すなわち、対象領域は、複数の領域1〜5のいずれか1つの領域である。
信号処理回路90は、対象領域のフィルタ共通領域が存在する(すなわち、複数の領域1〜5に含まれる)か否かを判定する(S30)。フィルタ共通領域は、対象領域とは異なる領域で、かつ、対象領域に含まれる1以上のBPFの全てが含まれる領域である。具体的には、フィルタ共通領域は、対象領域に含まれる1以上のBPFと、他のBPFとの少なくとも2つのBPFを含む重複領域である。なお、1つの対象領域に対して、複数のフィルタ共通領域が存在する場合がある。
例えば、領域1が対象領域である場合、領域1には、BPF121が含まれている。したがって、フィルタ共通領域は、BPF121を含む領域4(重複領域112a)である。同様に、領域2が対象領域である場合、領域2には、BPF122が含まれている。したがって、フィルタ共通領域は、BPF122を含む領域4及び領域5(重複領域112a及び112b)である。
また、領域4が対象領域である場合、領域4には、BPF121とBPF122とが含まれている。ここで、領域1〜5には、領域4以外に、BPF121とBPF122とが含まれる領域は含まれていない。したがって、領域4が対象領域である場合、フィルタ共通領域は存在しない。同様に、領域5が対象領域である場合、フィルタ共通領域は存在しない。
フィルタ共通領域が存在する場合(S30でYes)、信号処理回路90は、対象領域に対応する受光信号から、フィルタ共通領域の受光信号を減算する(S40)。信号処理回路90は、減算後の信号を出力する(S50)。
例えば、領域1が対象領域である場合には、領域1に対応する信号S1から、領域4に対応する信号S4を減算する。図10の(a)に示すように、信号S1には、透過帯域λ1及びλ4の波長成分が含まれ、信号S4には、透過帯域λ4の波長成分が含まれているので、減算後の信号は、透過帯域λ1に相当する信号となる。
このとき、複数のフィルタ共通領域が存在する場合、信号処理回路90は、対象領域に対応する受光信号から、存在する全てのフィルタ共通領域の受光信号を減算する。例えば、領域2が対象領域である場合には、領域2に対応する信号S1から、領域4及び領域5に対応する信号S4及びS5を減算する。これにより、図10の(b)に示すように、透過帯域λ2に相当する信号が生成される。
フィルタ共通領域が存在しない場合(S30でNo)、信号処理回路90は、対象領域に対応する信号をそのまま出力する(S50)。例えば、対象領域が領域4である場合には、領域4に対応する信号S4をそのまま出力する。信号S4は、図10の(d)に示すように、透過帯域λ4に相当する信号である。対象領域が領域5である場合についても同様である。
以上のように、本変形例に係る信号処理方法は、バンドパスフィルタアレイ1を透過した光が入射するイメージセンサ80が生成した電気信号である受光信号を処理する信号処理方法であって、イメージセンサ80から、非重複領域111と重複領域112とで構成され、互いに透過特性の異なる複数の領域1〜5の各々を透過した光の受光信号を取得する取得ステップと、複数の領域1〜5の1つである対象領域とは異なる領域で、かつ、対象領域に含まれる1以上のBPFの全てが含まれる領域であるフィルタ共通領域が、複数の領域1〜5に含まれる場合に、対象領域に対応する受光信号から、フィルタ共通領域に対応する受光信号を減算する減算ステップとを含む。
これにより、3つのBPF121〜123を用いて、領域1〜5の各々に対応する信号S1〜S5から、透過帯域λ1〜λ5の各々に相当する信号を生成することができる。少ない数のフィルタによって、フィルタ数より多い波長帯域の色信号を生成することができる。本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ101による利得(=取り出せる波長帯域の数/BPFの数×100)は、167%となる。フィルタ数の削減により、バンドパスフィルタアレイ1の軽量化、製造工程の簡略化及び低コスト化などを実現することができる。
ここで、信号処理回路90は、バンドパスフィルタアレイ101が備える領域1〜5の全ての領域に対して信号処理を行ったが、一部の領域のみに行ってもよい。例えば、信号処理回路90は、透過帯域λ3の受光信号を得たい場合には、領域3に対応する受光信号の処理を行えばよい。これにより、全ての領域に対応する受光信号の処理を行わなくてもよいので、処理量を削減することができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点については説明を省略又は簡略化する。
[構成]
図12は、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ201の平面図である。図12に示すように、バンドパスフィルタアレイ201は、実施の形態1に係るバンドパスフィルタアレイ1と比較して、BPF20及びBPF30の代わりに、BPF220及びBPF230を備える点が相違する。
BPF220及びBPF230はそれぞれ、実施の形態1に係るBPF20及びBPF30に対応し、フィルタ特性(透過特性)が同じである。BPF220及びBPF230はそれぞれ、BPF20及びBPF30と比較して、互いの重なり方が相違している。これに伴い、本実施の形態では、単位領域210の平面視形状が、実施の形態1に係る単位領域10の平面視形状と相違する。
本実施の形態では、図12に示すように、単位領域210の平面視形状は、矩形、具体的には正方形である。単位領域210は、所定面内で行列状に配置されている。つまり、単位領域210は、縦方向及び横方向の各々に所定のピッチで繰り返し設けられている。具体的には、行列状に配置された単位領域210は、隣り合う単位領域同士が連続する(一辺を共有する)ように配置されている。
単位領域210には、図12に示すように、非重複領域211と、重複領域212と、無フィルタ領域213とが含まれる。非重複領域211には、第1非重複領域211aと、第2非重複領域211bとが含まれる。
第1非重複領域211aは、BPF220及びBPF230のうちBPF220のみが設けられた領域である。第2非重複領域211bは、BPF220及びBPF230のうちBPF230のみが設けられた領域である。重複領域212は、BPF220及びBPF230が重なるように設けられた領域である。無フィルタ領域213は、BPF220及びBPF230のいずれも設けられていない領域である。
第1非重複領域211a、第2非重複領域211b、重複領域212及び無フィルタ領域213は、互いに同じ大きさ及び形状を有する。具体的には、第1非重複領域211a、第2非重複領域211b、重複領域212及び無フィルタ領域213の各々の平面視形状は、同じ大きさの正方形である。したがって、第1非重複領域211a、第2非重複領域211b、重複領域212及び無フィルタ領域213の各々に入射する光の量を同じにすることができる。
無フィルタ領域213には、BPF220及びBPF230のいずれも設けられていないので、無フィルタ領域213を通過する光は、バンドパスフィルタアレイ201に対する入射光そのものである。すなわち、無フィルタ領域213は、白色光を透過する白色領域に相当する。無フィルタ領域213を透過した信号(白色信号)から、RGBの信号を減算することで、入射光に含まれるRGB以外の波長成分に相当する信号(すなわち、外光ノイズ成分に相当する)を生成することができる。
BPF220及びBPF230はそれぞれ、平面視において、ラインアンドスペース状(ストライプ状)に形成されている。BPF220のラインとスペースとは、互いに同じ幅であるが、異なっていてもよい。また、複数のラインの各々の幅、及び、複数のスペースの各々の幅は、互いに同じ幅であるが、異なっていてもよい。BPF230についても同様である。
本実施の形態では、BPF220及びBPF230は、それぞれのラインが所定角度で交差するように設けられている。具体的には、BPF220のラインとBPF230のラインとが直交している。つまり、所定角度は90°である。BPF220とBPF230とは、平面視において、それぞれのラインの直交部分で重なっている。当該直交部分が、重複領域212である。
なお、BPF220のラインとBPF230のラインとが交差する角度は、90°に限らない。例えば、BPF220のラインとBPF230のラインとが交差する角度は、60°でもよい。この場合、第1非重複領域211a、第2非重複領域211b、重複領域212及び無フィルタ領域213の各々の平面視形状は、同じ大きさの菱形になる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ201では、所定面を平面視した場合において、所定面には、さらに、複数のBPF220及び230のいずれも設けられていない無フィルタ領域213が含まれている。
これにより、無フィルタ領域213を透過した光に基づく電気信号を、外光ノイズの補正に利用することができる。したがって、ノイズ成分を抑制することができるので、色分離の精度を一層高めることができる。
また、例えば、所定面を平面視した場合において、複数のBPF220及び230はそれぞれ、ラインアンドスペース状に形成され、複数のBPF220及び230の各々のラインは、平行、又は、互いに所定角度で交差している。
これにより、BPF220とBPF230とのアライメントずれが発生したとしてもバンドパスフィルタアレイ201の光学特性がほとんど変わらない。つまり、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ201は、アライメントのロバスト性を有するので、歩留まりを向上させることができる。
図13は、アライメントずれの発生の有無毎の本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ201及び201xを示す平面図である。具体的には、図13の(a)は、アライメントずれが発生していないバンドパスフィルタアレイ201を示している。図13の(b)は、アライメントずれが発生したバンドパスフィルタアレイ201xを示している。
本来であれば、図13の(a)に示すように、BPF220とBPF230とが適切に配置されることが好ましい。しかしながら、製造工程において、BPF220とBPF230とのアライメントずれは一定確率で発生する恐れがある。例えば、平面内において、BPF220及びBPF230の一方が平面に沿った方向に並進してずれる恐れがある。
図13の(b)には、BPF220がBPF230に対して、紙面斜め上方にずれた例を示している。このとき、BPF220の回転ずれが起きていなければ、BPF220とBPF230とがなす角度は一致している。
したがって、アライメントずれが発生したバンドパスフィルタアレイ201xと、アライメントずれが発生していないバンドパスフィルタアレイ201とで、第1非重複領域211a、第2非重複領域211b、重複領域212及び無フィルタ領域213の大きさ及び形状は変化しない(同じである)。つまり、バンドパスフィルタアレイ201xの大部分(図13の一点鎖線で囲む領域)は、バンドパスフィルタアレイ201と同じである。
このため、アライメントずれが発生したバンドパスフィルタアレイ201xであっても、適正品として利用することができる。このように、本実施の形態に係るバンドパスフィルタアレイ201は、アライメントのロバスト性を有するので、歩留まりを向上させることができる。
[変形例1]
ここで、本実施の形態の変形例1について説明する。以下に示す変形例1は、実施の形態2と比較して、バンドパスフィルタアレイ201の平面視形状が相違している。具体的には、本変形例では、フィルタ数が3(n=3)、非重複領域の個数が3(p=3)、重複領域の個数が2(q=2)の場合のバンドパスフィルタアレイについて説明する。
図14は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ301の平面図である。
図14に示すように、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ301は、3つのBPF321〜323を備える。BPF321〜323はそれぞれ、薄膜干渉フィルタである。
本変形例では、BPF321〜323の各々の平面視形状は、ラインアンドスペース状(ストライプ状)である。BPF321及び322は、それぞれのラインが互いに平行に設けられている。BPF321とBPF322との間隔は、例えば、一定であるが、間隔毎に異なっていてもよい。BPF323のラインは、BPF321及び322のラインと直交するように設けられている。
図14に示すように、バンドパスフィルタアレイ301では、非重複領域311と重複領域312と無フィルタ領域313とを含む単位領域310が所定面内で繰り返し設けられている。非重複領域311には、3つの非重複領域311a、311b及び311cが含まれている。重複領域312には、2つの重複領域312a及び312bが含まれている。
単位領域310に含まれる複数の領域と、各領域に設けられたBPFとの関係を表したものが、以下に示す表1である。なお、表1には、各領域に付された番号(図14を参照)と、各領域を通過した光の受光信号に基づく信号処理方法についても表している。
Figure 2018082357
表1に示すように、例えば、非重複領域311aには、BPF321のみが設けられている。重複領域312aには、BPF321とBPF323とが重なるように設けられている。他の非重複領域311b及び311c並びに重複領域312bについても同様である。
続いて、図15を用いて、各領域の透過特性、及び、BPF321〜323の透過特性について説明する。
図15は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ301の領域毎の透過特性を示す図である。図15の(a)〜(e)は、領域1〜5の各々の透過特性を示している。
領域1(非重複領域311a、以下同様)には、BPF321のみが設けられているので、領域1の透過特性は、BPF321の透過特性と実質的に一致する。同様に、領域2及び3の透過特性はそれぞれ、BPF322及び323の透過特性と実質的に一致する。
本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ301では、フィルタ数(n=3)、非重複領域の個数(p=3)及び重複領域の個数(q=2)が、実施の形態1の変形例3にかかるバンドパスフィルタアレイ101と同じである。したがって、バンドパスフィルタアレイ101と同様に信号処理を行うことで、5つの透過帯域の光信号を分離することができる。具体的な信号処理方法は、表1に示す通りである。なお、表1において、S1〜S5はそれぞれ、領域1〜5の各々を透過した光の受光信号であり、λ1〜λ5はそれぞれ、透過帯域λ1〜λ5に対応する信号(すなわち、分離された光信号)である。
これにより、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ301による利得(=取り出せる波長帯域の数/BPFの数×100)は、167%となる。本変形例では、無フィルタ領域313が設けられている。このため、実施の形態2と同様に、無フィルタ領域313を透過した光の受光信号を、外光ノイズの補正に利用することができ、色分離の精度を一層高めることができる。
[変形例2]
続いて、本実施の形態の変形例2について説明する。以下に示す変形例2は、実施の形態2と比較して、バンドパスフィルタアレイ201の平面視形状が相違している。具体的には、本変形例では、フィルタ数が4(n=4)、非重複領域の個数が4(p=4)、重複領域の個数が4(q=4)の場合のバンドパスフィルタアレイについて説明する。
図16は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ401の平面図である。図16に示すように、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ401は、4つのBPF421〜424を備える。BPF421〜424はそれぞれ、薄膜干渉フィルタである。
本変形例では、BPF421〜424の各々の平面視形状は、ラインアンドスペース状(ストライプ状)である。BPF421及び422は、それぞれのラインが互いに平行に設けられている。BPF421とBPF422との間隔は、例えば一定であるが、間隔毎に異なっていてもよい。BPF423及び424も同様である。BPF423及び424の各々のラインは、BPF421及び422の各々のラインと直交するように設けられている。
図16に示すように、バンドパスフィルタアレイ401では、非重複領域411と重複領域412と無フィルタ領域413とを含む単位領域410が所定面内で繰り返し設けられている。非重複領域411には、4つの非重複領域411a〜411dが含まれている。重複領域412には、4つの重複領域412a〜412dが含まれている。
単位領域410に含まれる複数の領域と、各領域に設けられたBPFとの関係を表したものが、以下に示す表2である。なお、表2には、各領域に付された番号(図16を参照)と、各領域を通過した光の受光信号に基づく信号処理方法についても表している。
Figure 2018082357
表2に示すように、例えば、非重複領域411aには、BPF421のみが設けられている。重複領域412aには、BPF421とBPF423とが重なるように設けられている。他の非重複領域411b〜411d及び重複領域412b〜412dについても同様である。
続いて、図17を用いて、各領域の透過特性、及び、BPF421〜424の透過特性について説明する。
図17は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ401の領域毎の透過特性を示す図である。図17の(a)〜(h)は、領域1〜8の各々の透過特性を示している。
領域1(非重複領域411a、以下同様)には、BPF421のみが設けられているので、領域1の透過特性は、BPF421の透過特性と実質的に一致する。同様に、領域2〜4の透過特性はそれぞれ、BPF422〜424の透過特性と実質的に一致する。
以下では、まず、図17の(a)〜(d)を参照しながら、BPF421〜424の各々の透過特性について説明する。
BPF421〜424はそれぞれ、自身が設けられた重複領域の個数より1大きい数の透過帯域を有する。BPF421は、2つの重複領域412a及び412bに設けられているので、図17の(a)に示すように、3つの透過帯域を有している。図17の(b)〜(d)に示すように、BPF422〜BPF424についても同様に、それぞれ3つの透過帯域を有する。
BPF421〜424の各々が有する3つの透過帯域は、以下のように定められる。
具体的には、BPF421〜424の各々は、自身に重なるように設けられた他のBPFが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと一致する透過帯域を有する。また、BPF421〜424の各々は、自身を除いた残りの3つのBPFが有する全ての透過帯域とは重複しない透過帯域を有する。すなわち、BPF421〜424の各々は、1つの固有の透過帯域を有する。
例えば、BPF421は、BPF423と領域5で重複しているので、BPF423が有する3つの透過帯域のうち、透過帯域λ5を有している。同様に、BPF421は、BPF424と領域6で重複しているので、BPF424が有する3つの透過帯域のうち、透過帯域λ6を有している。
さらに、BPF421は、固有の透過帯域として、透過帯域λ1を有する。透過帯域λ1は、図17の(a)〜(d)に示すように、他のBPF422〜424が有する透過帯域のいずれとも重複していない。
以上のことから、BPF421は、図17の(a)に示すように、3つの透過帯域λ1、λ5及びλ6を有する。同様に、BPF422は、図17の(b)に示すように、3つの透過帯域λ2、λ7及びλ8を有する。BPF423は、図17の(c)に示すように、3つの透過帯域λ3、λ5及びλ7を有する。BPF424は、図17の(d)に示すように、3つの透過帯域λ4、λ6及びλ8を有する。
次に、領域1〜8の各々の透過特性について、図17の(a)〜(h)を用いて説明する。なお、領域1〜4の透過特性はそれぞれ、BPF421〜424の透過特性と実質的に一致するので、既に説明した通りである。
領域5(重複領域412a)には、図16に示すように、平面視において、BPF421とBPF423とが重なるように設けられている。したがって、領域5の透過特性は、BPF421とBPF423との各々の透過特性を掛け合わせることで得られる。具体的には、領域5の透過特性は、図17の(e)に示すように、BPF421とBPF423との各々に共通する透過帯域λ5を有する。
領域6〜8についても、それぞれに、互いに組み合わせの異なる2つのBPFが設けられている。このため、領域6〜8の各々の透過特性は互いに異なり、図17の(f)〜(h)に示す通りになる。
続いて、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ401を透過した光の受光信号の信号処理方法について説明する。当該信号処理方法は、例えば、図4に示す撮像装置100が、バンドパスフィルタアレイ1の代わりにバンドパスフィルタアレイ401を備える場合に、信号処理回路90によって実行される。信号処理回路90は、図11のフローチャートで示される動作を行う。
まず、信号処理回路90は、複数の領域1〜8の各々を透過した光の受光信号を取得する(S10)。次に、信号処理回路90は、複数の領域1〜8の各々に対して、以下の処理(減算処理)を実行する(S20)。以下の説明において、処理中の領域が対象領域である。すなわち、対象領域は、複数の領域1〜8のいずれか1つの領域である。
信号処理回路90は、対象領域のフィルタ共通領域が存在する(すなわち、複数の領域1〜8に含まれる)か否かを判定する(S30)。
例えば、領域1が対象領域である場合、領域1には、BPF421が含まれている。したがって、フィルタ共通領域は、BPF421を含む領域5(重複領域412a)及び領域6(重複領域412b)である。領域2〜4についても同様である。
また、領域5が対象領域である場合、領域5には、BPF421とBPF423とが含まれている。ここで、領域1〜8には、領域5以外に、BPF421とBPF423とが含まれる領域は含まれていない。したがって、領域5が対象領域である場合、フィルタ共通領域は存在しない。同様に、領域6〜8が対象領域である場合、フィルタ共通領域は存在しない。
フィルタ共通領域が存在する場合(S30でYes)、信号処理回路90は、対象領域に対応する受光信号から、フィルタ共通領域の受光信号を減算する(S40)。信号処理回路90は、減算後の信号を出力する(S50)。
例えば、領域1が対象領域である場合には、領域1に対応する信号S1から、領域5に対応する信号S5と領域6に対応する信号S6とを減算する。図17の(a)に示すように、信号S1には、透過帯域λ1、λ5及びλ6の波長成分が含まれ、信号S5及びS6にはそれぞれ、透過帯域λ5及びλ6の波長成分が含まれているので、減算後の信号は、透過帯域λ1に相当する信号となる。
領域1〜8の各領域を透過した光の受光信号の信号処理方法をまとめたものを、表2に示している。なお、表2において、S1〜S8はそれぞれ、領域1〜8の各々を透過した光の受光信号であり、λ1〜λ8はそれぞれ、透過帯域λ1〜λ8に対応する信号(すなわち、分離された光信号)である。
以上のように、本変形例によれば、4つのBPF421〜424を用いて、8つの透過帯域の光信号を分離することができる。したがって、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ401による利得(=取り出せる波長帯域の数/BPFの数×100)は、200%となる。
また、本変形例では、無フィルタ領域413が設けられている。このため、実施の形態2と同様に、無フィルタ領域413を透過した光の受光信号を、外光ノイズの補正に利用することができ、色分離の精度を一層高めることができる。
[変形例3]
続いて、本実施の形態の変形例3について説明する。本変形例では、フィルタ数が4(n=4)、非重複領域の個数が4(p=4)、重複領域の個数が11(q=11)の場合のバンドパスフィルタアレイについて説明する。
図18は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ501の平面図である。
バンドパスフィルタアレイ501は、4つのBPF521〜524を備える。BPF521〜524はそれぞれ、薄膜干渉フィルタである。BPF521〜524の各々は、実施の形態1に係るBPF121などと比較して、透過特性が相違している。
BPF521〜524はそれぞれ、平面視において、ラインアンドスペース状(ストライプ状)に形成されている。BPF521のラインとスペースとは、同じ幅であるが、異なっていてもよい。また、複数のラインの各々の幅、及び、複数のスペースの各々の幅は、互いに同じ幅であるが、異なっていてもよい。BPF522〜524についても同様である。本変形例では、BPF521〜524の各々の平面視形状は、互いに同じであるが、互いに異なっていてもよい。
本変形例では、BPF521及びBPF522の各々のラインが平行で、かつ、BPF523及びBPF524の各々のラインが平行である。さらに、BPF521及びBPF522の各々のラインと、BPF523及びBPF524の各々のラインとは、直交している。
図18に示すように、バンドパスフィルタアレイ501では、非重複領域511と重複領域512と無フィルタ領域513とを含む単位領域510が所定面内で繰り返し設けられている。非重複領域511には、4つの非重複領域511a〜511dが含まれている。重複領域512には、11個の重複領域512a〜512kが含まれている。
単位領域510に含まれる複数の領域と、各領域に設けられたBPFとの関係を表したものが、以下に示す表3である。なお、表3には、各領域に付された番号(図18を参照)と、各領域を通過した光の受光信号に基づく信号処理方法についても表している。
Figure 2018082357
表3に示すように、例えば、非重複領域511aには、BPF521のみが設けられている。重複領域512aには、BPF521とBPF523とが重なるように設けられている。他の非重複領域511b〜511d及び重複領域512b〜512kについても同様である。
本変形例では、単位領域510には、3つ以上のBPFが重なるように設けられた領域(例えば、重複領域512gなど)が含まれている。つまり、フィルタ重複数が3以上となる重複領域が存在している。
続いて、図19を用いて、各領域の透過特性、及び、BPF521〜524の透過特性について説明する。
図19は、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ501の領域毎の透過特性を示す図である。図19の(a)〜(o)はそれぞれ、領域1〜15の各々の透過特性を示している。
領域1(非重複領域511a)には、BPF521のみが設けられているので、領域1の透過特性は、BPF521の透過特性と実質的に一致する。同様に、領域2〜4の透過特性はそれぞれ、BPF522〜524の透過特性と実質的に一致する。
以下では、まず、図19の(a)〜(d)を参照しながら、BPF521〜524の透過特性について説明する。
BPF521〜524はそれぞれ、自身が設けられた重複領域の個数より1大きい数の透過帯域を有する。BPF521は、7つの重複領域512a〜512c、512g〜512i及び512kに設けられているので、図19の(a)に示すように、8つの透過帯域を有している。図19の(b)〜(d)に示すように、BPF522〜BPF524についても同様に、それぞれ8つの透過帯域を有する。
BPF521〜524の各々が有する8つの透過帯域は、以下のように定められる。
具体的には、BPF521〜524の各々は、自身に重なるように設けられた他のBPFが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと一致する透過帯域を有する。また、BPF521〜524の各々は、自身を除いた残りの3つのBPFが有する全ての透過帯域とは重複しない透過帯域を有する。すなわち、BPF521〜524の各々は、1つの固有の透過帯域を有する。
例えば、BPF521は、BPF522と領域7、12、13及び15で重複しているので、BPF522が有する8つの透過帯域のうち、透過帯域λ7、λ12、λ13及びλ15を有している。同様に、BPF521は、BPF523と領域5、11、12及び15で重複しているので、BPF523が有する8つの透過帯域のうち、透過帯域λ5、λ11、λ12及びλ15を有している。また、BPF521は、BPF524と領域6、11、13及び15で重複しているので、BPF524が有する8つの領域のうち、透過帯域λ6、λ11、λ13及びλ15を有している。透過帯域の重複を考慮すると、BPF521は、7つの透過帯域λ5〜λ7、λ11〜λ13及びλ15を有する。
さらに、BPF521は、固有の透過帯域として、透過帯域λ1を有する。透過帯域λ1は、図19の(b)〜(d)に示すように、他のBPF522〜524が有する透過帯域のいずれとも重複していない。
以上のことから、BPF521は、図19の(a)に示すように、8つの透過帯域λ1、λ5、λ6、λ7、λ11、λ12、λ13及びλ15を有する。同様に、BPF522は、図19の(b)に示すように、8つの透過帯域λ2、λ7、λ8、λ9、λ12、λ13、λ14及びλ15を有する。BPF523は、図19の(c)に示すように、8つの透過帯域λ3、λ5、λ8、λ10、λ11、λ12、λ14及びλ15を有する。BPF524は、図19の(d)に示すように、8つの透過帯域λ4、λ6、λ9、λ10、λ11、λ13、λ14及びλ15を有する。
次に、領域1〜15の各々の透過特性について、図19の(a)〜(o)を用いて説明する。なお、領域1〜4の透過特性はそれぞれ、BPF521〜524の透過特性と実質的に一致するので、既に説明した通りである。
領域5(重複領域512a)には、図18に示すように、平面視において、BPF521とBPF523とが重なるように設けられている。したがって、領域5の透過特性は、BPF521とBPF523との各々の透過特性を掛け合わせることで得られる。具体的には、領域5の透過特性は、図19の(e)に示すように、BPF521とBPF523との各々に共通する透過帯域λ5、λ11、λ12及びλ15を有する。
領域6〜15についても、それぞれに、互いに組み合わせの異なる2つ以上のBPFが設けられている。このため、領域6〜15の各々の透過特性は互いに異なり、図19の(f)〜(o)に示す通りになる。
続いて、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ501を透過した光の受光信号の信号処理方法について説明する。当該信号処理方法は、例えば、図4に示す撮像装置100が、バンドパスフィルタアレイ1の代わりにバンドパスフィルタアレイ501を備える場合に、信号処理回路90によって実行される。
なお、本変形例では、3つ以上のBPFが重複した領域が単位領域510に含まれている。このため、信号処理回路90は、図11に示すフローチャートではなく、図20A及び図20Bに示すフローチャートで示される動作を行う。なお、図11に示すフローチャートは、図20A及び図20Bに示すフローチャートを簡略化したものである。したがって、他の実施の形態及び変形例の場合も、信号処理回路90は、図20A及び図20Bに示すフローチャートに従って動作してもよい。
図20Aは、本変形例に係る信号処理方法を示すフローチャートである。図20Bは、本変形例に係る信号処理方法におけるサブ減算処理(S100)を示すフローチャートである。
まず、信号処理回路90は、複数の領域1〜15の各々を透過した光の受光信号を取得する(S10)。次に、信号処理回路90は、複数の領域1〜15の各々に対して、以下の処理(減算処理)を実行する(S20)。以下の説明において、処理中の領域が対象領域である。すなわち、対象領域は、複数の領域1〜15のいずれか1つの領域である。
信号処理回路90は、対象領域のフィルタ共通領域が存在する(すなわち、複数の領域1〜15に含まれる)か否かを判定する(S30)。
例えば、領域1が対象領域である場合、領域1には、BPF521が含まれている。したがって、フィルタ共通領域は、BPF521を含む領域5〜7、11〜13及び15である。領域2〜14についても同様である。
また、領域15が対象領域である場合、領域15には、BPF521〜524が含まれている。ここで、領域1〜15には、領域15以外に、BPF521〜524の全てが含まれる領域は含まれていない。したがって、領域15が対象領域である場合、フィルタ共通領域は存在しない。
フィルタ共通領域が存在する場合(S30でYes)、信号処理回路90は、図20Bに示すサブ減算処理を行う(S100)。
図20Bに示すように、信号処理回路90は、複数のフィルタ共通領域の各々に対して、以下の処理(減算処理)を行う(S110)。BPF521のフィルタ共通領域として、7つの領域5〜7、11〜13及び15が存在するので、7つの領域5〜7、11〜13及び15の各々に対して以降の処理を行う。
まず、信号処理回路90は、フィルタ共通領域を対象領域に置き換える(S120)。例えば、フィルタ共通領域が領域5である場合に、領域5を新たな対象領域として処理を行う。
具体的には、信号処理回路90は、領域5のフィルタ共通領域が存在するか否かを判定する(S30)。領域5には、BPF521とBPF523とが含まれている。したがって、領域5のフィルタ共通領域は、BPF521とBPF523とが含まれている領域11、12及び15である。
領域5のフィルタ共通領域が存在するので(S30でYes)、信号処理回路90は、再びサブ減算処理を行う(S100)。具体的には、信号処理回路90は、新たなフィルタ共通領域である領域11、12及び15の各々を新たな対象領域に置き換えて(S120)、フィルタ共通領域の有無を判定する(S30)。
例えば、領域15が対象領域である場合、フィルタ共通領域は存在しないので(S30でNo)、減算処理などを行わずにそのままの信号(すなわち、領域15を透過した光の受光信号)を、置き換え前のフィルタ共通領域の受光信号とする(S150)。このため、領域15の受光信号がそのまま、フィルタ共通領域である領域15の受光信号となる。
同様に、領域11が対象領域である場合、フィルタ共通領域として領域15が存在するので、信号処理回路90は、サブ減算処理を行う(S100)。このサブ減算処理では、領域15の受光信号がそのまま得られるので、信号処理回路90は、対象領域である領域11の受光信号から、フィルタ共通領域である領域11の受光信号を減算する(S40)。そして、減算後の信号を置き換え前のフィルタ共通領域の受光信号とする(S150)。すなわち、フィルタ共通領域である領域11の受光信号は、領域11の受光信号である信号S11から、領域15の受光信号である信号S15を減算したものとなる。言い換えると、透過領域λ11に対応する光信号(表3におけるλ11)が算出されたことになる。
これを繰り返すことで、領域1〜15の各々から透過帯域λ1〜λ15に対応する信号が算出される。具体的に、領域1〜15の各領域を透過した光の受光信号の信号処理方法をまとめたものを、表3に示している。なお、表3において、S1〜S15はそれぞれ、領域1〜15の各々を透過した光の受光信号であり、λ1〜λ15はそれぞれ、透過帯域λ1〜λ15に対応する信号(すなわち、分離された光信号)である。
なお、フィルタ重複数が小さい領域(例えば、非重複領域)に対応する受光信号を処理する場合、フィルタ重複数が大きい領域に対応する受光信号の処理結果(具体的には、減算後の信号)を用いる。したがって、信号処理回路90は、フィルタ重複数が最大の領域から降順で受光信号を処理することで、減算処理の重複を減らすことができる。これにより、処理の高速化を実現することができる。例えば、領域15から降順に信号処理を行うことで、減算処理の重複を減らすことができる。
以上のように、本変形例に係る信号処理方法において、減算ステップでは、フィルタ共通領域を対象領域に置き換えて行う減算ステップであるサブ減算ステップ(S100)を行い、サブ減算ステップ(S100)を行うことで得られた信号を、フィルタ共通領域に対応する受光信号として、対象領域に対応する受光信号から減算する。
これにより、単位領域510に、3つ以上のBPFが重複している重複領域が含まれる場合であっても、当該重複領域に対応する受光信号を利用して、光の分離を行うことができる。したがって、所定面の単位面積当たりに、透過特性が異なる複数の重複領域をより多く形成することができるので、入射光をより多くの波長帯域に分離することができる。
また、例えば、減算ステップは、複数の領域の各々を対象領域として行われる。
これにより、4つのBPF521〜524を用いて、15個の透過帯域の光信号を分離することができる。したがって、本変形例に係るバンドパスフィルタアレイ501による利得(=取り出せる波長帯域の数/BPFの数×100)は、375%となる。
(その他)
以上、本発明に係るバンドパスフィルタアレイについて、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、複数のBPFの各々が固有の透過帯域を有する例について示したが、これに限らない。少なくとも1つのBPFは、固有の透過帯域を有していなくてもよい。すなわち、当該少なくとも1つのBPFが有する1以上の透過帯域の全ては、他のBPFのいずれかが有する透過帯域と重複(又は一致)していてもよい。この場合、所定面内には、当該少なくとも1つのBPFのみが設けられた非重複領域が形成されなくてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、各BPFの透過帯域が理想的な透過特性(立ち上がり及び立ち下がりが急峻な矩形状)を有する例について示したが、これに限らない。例えば、各BPFの透過帯域は、ガウス関数の形状を有してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、BPF20を備えるフィルタ素子2と、BPF30を備えるフィルタ素子3とを貼り合わせて一体化させたが、これに限らない。フィルタ素子2とフィルタ素子3とは、別体のまま、互いの位置関係が支持部材などで固定されていてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、1a、1b、101、201、201x、301、401、501 バンドパスフィルタアレイ
10、110、210、310、410、510 単位領域
11、111、111a、111b、111c、211、311、311a、311b、311c、411、411a、411b、411c、411d、511、511a、511b、511c、511d 非重複領域
11a、211a 第1非重複領域
11b、211b 第2非重複領域
12、112、112a、112b、212、312、312a、312b、412、412a、412b、412c、412d、512、512a、512b、512c、512d、512e、512f、512g、512h、512i、512j、512k 重複領域
20、30、121、122、123、220、230、321、322、323、421、422、423、424、521、522、523、524 バンドパスフィルタ(BPF)
61、62、63、64 透過帯域
80 イメージセンサ
100 撮像装置
213、313、413、513 無フィルタ領域

Claims (12)

  1. 所定面に入射する光を選択的に透過させるバンドパスフィルタアレイであって、
    それぞれが、互いに重複しない2以上の透過帯域を有する複数のバンドパスフィルタを備え、
    前記所定面を平面視した場合において、前記所定面には、
    前記複数のバンドパスフィルタのうちの1つのみのバンドパスフィルタが設けられた非重複領域と、
    前記複数のバンドパスフィルタのうちの2以上のバンドパスフィルタが重なるように設けられた重複領域とが含まれており、
    前記複数のバンドパスフィルタの各々は、自身に重なるように設けられた他のバンドパスフィルタが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと重複する透過帯域を有する
    バンドパスフィルタアレイ。
  2. 前記バンドパスフィルタアレイは、n個(nは2以上の自然数)の前記バンドパスフィルタを備え、
    前記非重複領域には、前記n個のバンドパスフィルタのうちのp個(pはn以下の自然数)のバンドパスフィルタの各々が1つのみ設けられたp個の非重複領域が含まれ、
    前記重複領域には、前記n個のバンドパスフィルタから2以上のバンドパスフィルタを選択するq通り(qは自然数)の組み合わせに対応し、対応する組み合わせとして選択された2以上のバンドパスフィルタが重なるように設けられたq個の重複領域が含まれている
    請求項1に記載のバンドパスフィルタアレイ。
  3. 前記p個のバンドパスフィルタの各々は、自身を除いた残りのn−1個のバンドパスフィルタが有する全ての透過帯域とは重複しない透過帯域を有する
    請求項2に記載のバンドパスフィルタアレイ。
  4. 前記n個のバンドパスフィルタの各々は、自身が設けられている重複領域の個数と同数の、又は、当該個数より1大きい数の透過帯域を有する
    請求項2又は3に記載のバンドパスフィルタアレイ。
  5. 前記複数のバンドパスフィルタの各々は、自身に重なるように設けられた他のバンドパスフィルタが有する2以上の透過帯域の少なくとも1つと一致する透過帯域を有する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のバンドパスフィルタアレイ。
  6. 前記所定面を平面視した場合において、前記所定面には、さらに、
    前記複数のバンドパスフィルタのいずれも設けられていない無フィルタ領域が含まれている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のバンドパスフィルタアレイ。
  7. 前記所定面を平面視した場合において、
    前記複数のバンドパスフィルタはそれぞれ、ラインアンドスペース状に形成され、
    前記複数のバンドパスフィルタの各々のラインは、平行、又は、互いに所定角度で交差している
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のバンドパスフィルタアレイ。
  8. 前記非重複領域と前記重複領域とを含む単位領域は、前記所定面内において所定ピッチで繰り返し設けられている
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のバンドパスフィルタアレイ。
  9. イメージセンサと、
    前記イメージセンサの光入射側に設けられた、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバンドパスフィルタアレイとを備える
    撮像装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバンドパスフィルタアレイを透過した光が入射するイメージセンサが生成した電気信号である受光信号を処理する信号処理方法であって、
    前記イメージセンサから、前記非重複領域と前記重複領域とで構成され、互いに透過特性の異なる複数の領域の各々を透過した光の受光信号を取得する取得ステップと、
    前記複数の領域の1つである対象領域とは異なる領域で、かつ、前記対象領域に含まれる1以上のバンドパスフィルタの全てが含まれる領域であるフィルタ共通領域が、前記複数の領域に含まれる場合に、前記対象領域に対応する受光信号から、前記フィルタ共通領域に対応する受光信号を減算する減算ステップとを含む
    信号処理方法。
  11. 前記減算ステップでは、
    前記フィルタ共通領域を前記対象領域に置き換えて行う前記減算ステップであるサブ減算ステップを行い、
    前記サブ減算ステップを行うことで得られた信号を、前記フィルタ共通領域に対応する受光信号として、前記対象領域に対応する受光信号から減算する
    請求項10に記載の信号処理方法。
  12. 前記減算ステップは、前記複数の領域の各々を前記対象領域として行われる
    請求項10又は11に記載の信号処理方法。

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