JP2018082067A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】異常電圧印加時にヒューズ部が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがない積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】積層体20の内部には、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれよりもW寸法が短い第1のヒューズ電極72aと、T方向において第1のヒューズ電極72aに対向し、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれよりもW寸法が短い第2のヒューズ電極72bと、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に形成されるセラミック層40とを有するヒューズ部70が配設され、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低いことを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサは、一般に、構造欠陥や異常電圧、寿命などを原因に故障した場合、その殆どが内部電極層によるショートモードでの故障である。このような故障の場合、積層セラミックコンデンサには電流通電が継続されるため、最悪の場合、発煙や発火などの大きな問題に至る虞がある。内部電極層によるショートモードでの故障を回避するための技術として、大きく以下4つの対策が知られている。
特許文献1には、複数に分割された内部電極と、内部電極に接続され、かつ、内部電極の電極幅より狭い回路幅に形成された複数のヒューズ部と、この複数のヒューズ部のそれぞれの周囲に設けた空間部と、複数のヒューズ部を相互に接続する集電電極部よりなる内部電極層を有する積層セラミックコンデンサが開示されている。すなわち、特許文献1の積層セラミックコンデンサは、内部電極において細い部分が形成され、それをヒューズとして機能させる構造である。
特許文献2には、誘電体の内部に、複数の内部電極層がその端部を露出させるように埋め込まれてなるコンデンサ素子を有する積層セラミックコンデンサにおいて、コンデンサ素子が、第1、第2の複数の内部電極層が埋め込まれてなる2個の積層コンデンサ構造を有し、この2個の積層コンデンサ構造が、ヒューズを介して直列に接続された積層コンデンサが開示されている。すなわち、特許文献2の積層コンデンサは、その積層体の表面にヒューズ機能が形成された構造である。
特許文献3には、焼成体の両電極となる端面のやや内側にそれぞれの電極に対応する内部電極を貫通し、かつ焼成を貫通した少なくとも1つの貫通孔を有し、貫通孔内表面において内部電極と電気的に接続された低温度にて溶融する薄膜状の金属からなる中間電極を設けた積層セラミックコンデンサが開示されている。すなわち、特許文献3の積層セラミックコンデンサは、その外部電極にヒューズ機能が形成された構造である。
特許文献4には、表面実装配線板と、この表面実装配線板上に実装した面実装部品と、この表面実装配線板とこの面実装部品の間に設けた耐熱性フィルムとを備え、表面実装配線板と面実装部品とは耐熱性フィルムを介して電気的に接続された面実装部品の実装体が開示されている。すなわち、特許文献4の実装体は、その外部に付加する態様でヒューズ機能が形成された構造である。
特開平2−39406号公報 特開平3−257809号公報 特開平2−67707号公報 特開平8−222831号公報
特許文献1〜4に開示された従来技術は、いずれも内部電極層によるショートモードでの故障が発生した後にヒューズ機能が作動し、積層体全体が電気的に絶縁され、回路全体をショートさせない構造である。このような構造の積層セラミックコンデンサは、上記したような故障が発生したとしても、発煙や発火などの大きな問題に至らないという利点がある。しかしながら、特許文献1〜4は、ヒューズ機能が一度でも作動すると、コンデンサとしての機能を失ってしまい、回路全体が正常に動作しなくなってしまうという問題があった。
それゆえに、この発明の目的は、異常電圧印加時にヒューズ部が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがない、積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、複数のセラミック層と、複数の第1の内部電極層と、複数の第2の内部電極層とが交互に積層されることにより直方体状に形成され、積層方向において相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向において相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向において相対する第1の端面および第2の端面とを含む積層体と、少なくとも第1の端面に形成されることにより、第1の内部電極層に電気的に接続される第1の外部電極と、少なくとも第2の端面に形成されることにより、第2の内部電極層に電気的に接続される第2の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、積層体の内部には、第1の端面において第1の外部電極に電気的に接続され、且つ第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれよりも幅方向の寸法が短い第1のヒューズ電極と、積層方向において第1のヒューズ電極に対向し、第2の端面において第2の外部電極に電気的に接続され、且つ第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれよりも幅方向の寸法が短い第2のヒューズ電極と、第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極との間に形成されるセラミック層とを有するヒューズ部が配設され、ヒューズ部の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とがセラミック層を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低いことを特徴とする。
好ましくは、第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極との間に位置するセラミック層の厚みは、第1の内部電極層と第2の内部電極層との間に位置するセラミック層の厚みよりも薄く形成される。
好ましくは、第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極との間に位置するセラミック層の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層と第2の内部電極層との間に位置するセラミック層の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低い。
好ましくは、第1のヒューズ電極の第1の端面とは反対側の先端部分および第2のヒューズ電極の第2の端面とは反対側の先端部分の少なくとも一方の厚みは、第1のヒューズ電極および第2のヒューズ電極の他の部分の厚みよりも厚く形成される。
好ましくは、第1の内部電極層は、積層方向において第2の内部電極層にセラミック層を介して対向する第1の対向電極部と、第1の対向電極部から第1の端面までの第1の引出し電極部とを有し、且つ第2の内部電極層は、積層方向においてセラミック層を介して第1の内部電極層に対向する第2の対向電極部と、第2の対向電極部から第2の端面までの第2の引出し電極部とを有し、積層体は、第1の対向電極部と第1の主面との間に位置する第1の外層部、および第2の対向電極部と第2の主面との間に位置する第2の外層部と、第1の対向電極部と第1の側面との間に位置する第1の側部、および第2の対向電極部と第2の側面との間に位置する第2の側部と、第1の対向電極部と第1の端面との間に位置する第1の端部、および第2の対向電極部と第2の端面との間に位置する第2の端部とをさらに含み、ヒューズ部は、第1の外層部、第2の外層部、第1の側部および第2の側部の少なくとも1つに配設される。
さらに好ましくは、ヒューズ部は、第1の外層部と第1の側部とが重なる部分、第1の外層部と第2の側部とが重なる部分、第2の外層部と第1の側部とが重なる部分、および第2の外層部と第2の側部とが重なる部分の少なくとも1つに配設される。
好ましくは、第1の内部電極層の層数と第2の内部電極層の層数との和をnとしたとき、ヒューズ部の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とがセラミック層を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率を10/n%以下とするように設定される。
この発明によれば、異常電圧印加時にヒューズ部が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがない、積層セラミックコンデンサを提供し得る。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの外観を2点鎖線で示し、主たる内部構造を実線で示した斜視図である。 この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの長さ方向に沿った断面図である。 この発明の第2の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第3の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第4の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第5の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第6の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第7の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第8の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第9の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 この発明の第9の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの長さ方向に沿った断面図である。 この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確かめるために発明者らが行った実験例1において用いた回路図である。 この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確かめるために発明者らが行った解析結果を示すグラフである。
1.第1の実施の形態
以下、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図1〜4に基づいて説明する。図1は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。図2は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの外観を2点鎖線で示し、主たる内部構造を実線で示した斜視図である。図3は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。図4は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの長さ方向に沿った断面図である。
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、直方体状に形成された積層体20と、積層体20の表面に形成された第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60bと、積層体20の内部に配設されたヒューズ部70とを備える。
(積層体20)
積層体20は、複数のセラミック層40と、複数の第1の内部電極層50aと、複数の第2の内部電極層50bとが交互に積層されることにより直方体状に形成される。
積層体20は、積層方向(図1〜4に示すT方向)において相対する第1の主面22aおよび第2の主面22bと、T方向に直交する幅方向(図1〜4に示すW方向)において相対する第1の側面24aおよび第2の側面24bと、T方向およびW方向に直交する長さ方向(図1〜4に示すL方向)において相対する第1の端面26aおよび第2の端面26bとを含む。以下の説明において、T方向の寸法を「T寸法」、W方向の寸法を「W寸法」、L方向の寸法を「L寸法」とする。積層体20の角部および稜線部には、丸みが付けられることが好ましい。また、積層体20の表面(すなわち、第1の主面22aおよび第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24b並びに第1の端面26aおよび第2の端面26b)には、その一部または全部に凹凸などが形成されてもよい。
積層体20は、複数の第1の内部電極層50aと複数の第2の内部電極層50bとが対向する内層部30と、内層部30と第1の主面22aとの間に位置する第1の外層部32aと、内層部30と第2の主面22bとの間に位置する第2の外層部32bとを含む。また、積層体20は、内層部30と第1の側面24aとの間に位置する第1の側部34a(Wギャップ)と、内層部30と第2の側面24bとの間に位置する第2の側部34b(同前)と、内層部30と第1の端面26aとの間に位置する第1の端部36a(Lギャップ)と、内層部30と第2の端面26bとの間に位置する第2の端部36b(同前)とを含む。なお、内層部30の第1の主面22a側の端面には、第1の内部電極層50aが配設される。一方、内層部30の第2の主面22b側の端面には、第2の内部電極層50bが配設される。
(セラミック層40)
セラミック層40は、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に挟まれて積層される。セラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3、PbTiO3、Pb(Zr、Ti)O3などの主成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加してもよい。第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の1層あたりの厚みは、0.3μm以上30μm以下であることが好ましい。
(第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50b)
第1の内部電極層50aは、セラミック層40の界面を平板状に延在し、その端部が積層体20の第1の端面26aに露出する。したがって、第1の内部電極層50aは、セラミック層40を介して第2の内部電極層50bに対向する第1の対向電極部と、第1の対向電極部から第1の端面26aまでの第1の引出し電極部とを有する。なお、第1の引出し電極部は、第1の対向電極部の第1の端面26a側の端部から第1の端面26aまでの部分と、第1の端面26aから露出した部分とを含む。一方、第2の内部電極層50bは、セラミック層40を介して第1の内部電極層50aと対向するようにセラミック層40の界面を平板状に延在し、その端部が積層体20の第2の端面26bに露出する。したがって、第2の内部電極層50bは、セラミック層40を介して第1の内部電極層50aに対向する第2の対向電極部と、第2の対向電極部から第2の端面26bまでの第2の引出し電極部とを有する。なお、第2の引出し電極部は、第2の対向電極部の第2の端面26b側の端部から第2の端面26bまでの部分と、第2の端面26bから露出した部分とを含む。第1の対向電極部と第2の対向電極部とがセラミック層40を介して対向することにより、静電容量が発生する。その結果、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、コンデンサとして機能する。
第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、それらの金属のうち少なくとも1種を含む合金(例えば、Ag−Pd合金)などの適宜の導電材料により構成され得る。第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれの1層あたりの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下程度であることが好ましい。
(第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60b)
第1の外部電極60aは、第1の端面26aを覆うように形成されることにより、第1の端面26aにその端部が露出した第1の内部電極層50aと電気的に接続される。第1の外部電極60aは、第1の端面26aに形成された部分から延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成されることが好ましい。なお、第1の外部電極60aは、第1の端面26aにのみ形成されてもよい。一方、第2の外部電極60bは、積層体20の第2の端面26bを覆うように形成されることにより、第2の端面26bにその端部が露出した第2の内部電極層50bと電気的に接続される。第2の外部電極60bは、第2の端面26bに形成された部分から延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成されることが好ましい。なお、第2の外部電極60bは、第2の端面26bにのみ形成されてもよい。
第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60bそれぞれは、導電性金属およびガラスを含む下地電極層と、めっき層とを含む。
第1の外部電極60aの下地電極層は、積層体20の第1の端面26aを覆うように形成される。第1の外部電極60aの下地電極層は、第1の端面26aから延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成されることが好ましい。なお、第1の外部電極60aは、第1の端面26aにのみ形成されてもよい。同様に、第2の外部電極60bの下地電極層は、積層体20の第2の端面26bを覆うように形成される。第2の外部電極60bの下地電極層は、第2の端面26bに形成された部分から延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成されることが好ましい。なお、第2の外部電極60bは、第2の端面26bにのみ形成されてもよい。
下地電極層は、焼付け層および薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含む。
焼付け層は、ガラスおよび金属を含む。焼付け層のガラスは、例えば、B、Si、Ba、Mg、AlおよびLiなどから選ばれる少なくとも1つを含む。また、焼付け層の金属は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金およびAuなどから選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体20に塗布して焼き付けることにより形成される。焼付け層は、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bと同時焼成することにより形成されてもよいし、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bを焼成した後に焼き付けることにより形成されてもよい。なお、焼付け層は複数層構造であってもよい。焼付け層の最も厚い部分の厚みは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。
薄膜層は、スパッタ法または蒸着法などの薄膜形成法により形成される。薄膜層は、金属粒子が堆積した1μm以下の層である。
下地電極層の表面には、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂層が形成されていてもよい。
第1の外部電極60aのめっき層は、第1の外部電極60aの下地電極層を覆うように形成されることが好ましい。同様に、第2の外部電極60bのめっき層は、第2の外部電極60bの下地電極層を覆うように形成されることが好ましい。
めっき層は、例えば、Cu、Sn、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金およびAuなどから選ばれる少なくとも1つを含む。めっき層は複数層構造であってもよい。好ましくは、下層側に形成されるNiめっきと、上層側に形成されるSnめっきとを含んだ2層構造である。下地電極層および導電性樹脂層を覆うようにNiめっきが形成されることで、下地電極層および導電性樹脂層が実装の際に半田によって侵食されることを防止することができる。また、Niめっきの表面にさらにSnめっきが形成されることで、半田の濡れ性を向上させることができる。これにより、実装作業が容易になる。めっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
(ヒューズ部70)
積層体20の内部における第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分(図1〜3において、積層体20内の右上角部分)には、ヒューズ部70が配設される。ヒューズ部70は、第1のヒューズ電極72aと、第2のヒューズ電極72bと、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に配設されるセラミック層40とを含む。
第1のヒューズ電極72aのW寸法は、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW寸法よりも短く形成される。また、第1のヒューズ電極72aは、積層体20の内部をL方向に延びるように配設され、そのL寸法が第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのL寸法よりも短く形成される。さらに、第1のヒューズ電極72aは、その一方の端部が第1の端面26aに露出することにより第1の外部電極60aに電気的に接続され、その他方の端部がL方向において積層体20の中央部分よりも僅かに第2の端面26b側に位置するように配設される。
第2のヒューズ電極72bのW寸法は、第1のヒューズ電極72aのそれと同じかまたはほぼ同じであるように形成される。また、第2のヒューズ電極72bは、積層体20の内部をL方向に延びるように配設され、そのL寸法が第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのL寸法よりも短く形成される。さらに、第2のヒューズ電極72bは、その一方の端部が第2の端面26bに露出することにより第2の外部電極60bに電気的に接続され、その他方の端部がL方向において積層体20の中央部分よりも僅かに第1の端面26a側に位置するように配設される。
上記した第1のヒューズ電極72aの他方の端部およびその近傍部分と、上記した第2のヒューズ電極72bの他方の端部およびその近傍部分とは、T方向においてセラミック層40を介して対向する。
上記したように、内層部30の第1の主面22a側の端面には、第1の内部電極層50aが配設される。そして、当該第1の内部電極層50aの側に第1のヒューズ電極72aが配設され、第1の主面22aの側に第2のヒューズ電極72bが配設される。このように、ヒューズ部70の最も近くに位置する内部電極層(第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50b)と、当該内部電極層の側に位置するヒューズ電極(第1のヒューズ電極72aまたは第2のヒューズ電極72b)とは、同じ外部電極(第1の外部電極60aまたは第2の外部電極60b)に接続されることが好ましい。これにより、ヒューズ部70の最も近くに位置する内部電極層(第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50b)とヒューズ部70との間で絶縁破壊が生じることを抑制することができる。
第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。これにより、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低くなる。好ましくは、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みと比較して15%以上25%以下だけ薄く形成される。好ましくは、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、0.2μm以上26μm以下である。
第1の内部電極層50aの層数と第2の内部電極層50bの層数との和をnとしたとき、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率を10/n%以下とするように設定されることが好ましい。ここで、図15は、この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確かめるために発明者らが行った解析結果を示すグラフである。図15において、横軸xのBDV[V]がヒューズ部70の絶縁破壊電圧[V]を意味し、縦軸yのF(t)[%]が第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率[%]を意味する。図15のグラフは、y=16.43ln(x)−82.23に基づいてプロットされたものである。例えば、第1の内部電極層50aの層数と第2の内部電極層50bの層数との和を100層としたとき、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率は0.1%である。したがって、図15に基づいて、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧は、100V以下となるように設定することが好ましい。
(効果)
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、積層体20の内部に配設されたヒューズ部70を備える。ヒューズ部70は、第1のヒューズ電極72aと、第2のヒューズ電極72bと、これらの間に形成されるセラミック層40とを含む。第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bは、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれよりもW寸法が短い。そして、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低い。これにより、異常電圧が印加された場合、ヒューズ部70が最初にショートするが、W寸法が短いため溶断されてオープンとなる。したがって、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bにより、異常電圧印加後も静電容量がほとんど変化せず、通常のコンデンサとして継続使用することができる。その結果、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、異常電圧印加時にヒューズ部70が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部70が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがない。
また、この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。これにより、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも容易に低く形成され得る。なお、この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みと比較して15%以上25%以下だけ薄く形成されることが好ましい。これにより、第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bは、最初に(すなわち、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとが対向する領域よりも先に)安定してショートすることができる。その結果、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、異常電圧印加後に絶縁復帰する効果を確実に得ることができる。
さらに、この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分に形成される。これにより、ヒューズ部70がショートしたことを原因にその近傍でクラックが生じたとしても、静電容量の発生領域ではないため、発煙や発火に至ることを防止することができる。
そして、この実施の形態では、第1の内部電極層50aの層数と第2の内部電極層50bの層数との和をnとしたとき、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率を10/n%以下とするように設定される。このようにヒューズ部70の絶縁破壊電圧を設定することで、異常電圧印加時に最初にヒューズ部70が絶縁破壊され、その後に絶縁復帰する可能性を向上させることができる。
2.第2の実施の形態
この発明の第2の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図5に基づいて説明する。図5は、この発明の第2の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサのW方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の主面22aに最も近い第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50b、並びにヒューズ部70を除いて、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態では、第1の主面22aに最も近い第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50b(以下、この実施の形態において「当該第1の内部電極層50aおよび当該第2の内部電極層50b」という)のW寸法が、他の第1の内部電極層50aおよび他の第2の内部電極層50bのW寸法よりも短く形成される。また、当該第1の内部電極層50aおよび当該第2の内部電極層50bそれぞれの第2の側面24b側の端部は、他の第1の内部電極層50aおよび他の第2の内部電極層50bそれぞれの第2の側面24b側の端部とW方向において同じ位置に配設される。したがって、当該第1の内部電極層50aおよび当該第2の内部電極層50bそれぞれの第1の側面24a側の端部は、他の第1の内部電極層50aおよび他の第2の内部電極層50bそれぞれの第1の側面24a側の端部よりも第2の側面24b側に位置することになる。
そして、この実施の形態に係るヒューズ部70は、積層体20の内部において、当該第1の内部電極層50aおよび当該第2の内部電極層50bと第1の側面24aとの間に、W方向において等間隔で一直線状に並ぶように3つ配設される。また、この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。
3つの第1のヒューズ電極72aそれぞれは、T方向において、当該第1の内部電極層50aと同じ位置に配設される。また、第1の側面24aの最も近くに位置する第1のヒューズ電極72aの第1の側面24a側の端部は、W方向において、他の第1の内部電極層50aおよび他の第2の内部電極層50bそれぞれの第1の側面24a側の端部と同じ位置になる。
3つの第2のヒューズ電極72bそれぞれは、T方向において、当該第1の内部電極層50aと当該第2の内部電極層50bとの間に位置するように配設される。また、第1の側面24aに最も近い第2のヒューズ電極72bの第1の側面24a側の端部は、W方向において、他の第1の内部電極層50aおよび他の第2の内部電極層50bそれぞれの第1の側面24a側の端部と同じ位置に配設される。
(効果)
この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。これにより、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも容易に低く形成され得る。
また、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、3つのヒューズ部70を備える。これにより、異常電圧印加時にヒューズ部70が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部70が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがないという、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10が奏する効果を一層顕著にすることができる。
3.第3の実施の形態
この発明の第3の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図6に基づいて説明する。図6は、この発明の第3の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサのW方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、ヒューズ部70を除いて、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分、第1の外層部32aと第2の側部34bとが重なる部分、第2の外層部32bと第1の側部34aとが重なる部分、および第2の外層部32bと第2の側部34bとが重なる部分のそれぞれに配設される。すなわち、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、合計4つのヒューズ部70を備える。また、この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。
内層部30の第1の主面22a側の端面には、第1の内部電極層50aが配設される。そして、第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分、および第1の外層部32aと第2の側部34bとが重なる部分のそれぞれにおいて、当該第1の内部電極層50aの側に第1のヒューズ電極72aが配設され、第1の主面22aの側に第2のヒューズ電極72bが配設される。一方、内層部30の第2の主面22b側の端面には、第2の内部電極層50bが配設される。そして、第2の外層部32bと第1の側部34aとが重なる部分、および第2の外層部32bと第2の側部34bとが重なる部分のそれぞれにおいて、当該第2の内部電極層50bの側に第2のヒューズ電極72bが配設され、且つ第2の主面22bの側に第1のヒューズ電極72aが配設される。
(効果)
この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。これにより、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも容易に低く形成され得る。
さらに、この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分、第1の外層部32aと第2の側部34bとが重なる部分、第2の外層部32bと第1の側部34aとが重なる部分、および第2の外層部32bと第2の側部34bとが重なる部分のそれぞれに配設される。これにより、ヒューズ部70がショートしたことを原因にその近傍でクラックが生じたとしても、静電容量の発生領域ではないため、発煙や発火に至ることを防止することができる。
また、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、4つのヒューズ部70を備える。これにより、異常電圧印加時にヒューズ部70が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部70が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがないという、上記した第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10が奏する効果を一層顕著にすることができる。
4.第4の実施の形態
この発明の第4の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図7に基づいて説明する。図7は、この発明の第4の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサのW方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、ヒューズ部70を除いて、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の外層部32aにW方向において等間隔で一直線状に並ぶように7つ配設され、且つ第2の外層部32bにもW方向において等間隔で一直線状に並ぶように7つ配設される。すなわち、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、合計14つのヒューズ部70を備える。また、この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。
第1の外層部32aに配設された7つのヒューズ部70は、そのうちの1つが第1の側部34aと重なる部分に配設され、そのうちの他の1つが第2の側部34bと重なる部分に配設され、残りの5つがそれらの間の部分に配設される。ここで、内層部30の第1の主面22a側の端面には、第1の内部電極層50aが配設される。そして、当該第1の内部電極層50aの側に7つの第1のヒューズ電極72aが配設され、第1の主面22aの側に7つの第2のヒューズ電極72bが配設される。このように、ヒューズ部70の最も近くに位置する内部電極層(第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50b)と、当該内部電極層の側に位置するヒューズ電極(第1のヒューズ電極72aまたは第2のヒューズ電極72b)とは、同じ外部電極(第1の外部電極60aまたは第2の外部電極60b)に接続されることが好ましい。これにより、ヒューズ部70の最も近くに位置する内部電極層(第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50b)とヒューズ部70との間で絶縁破壊が生じることを抑制することができる。特に、この実施の形態に係るヒューズ部70は、T方向において第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bと対向しているため、当該効果が一層顕著になる。
第2の外層部32bに配設された7つのヒューズ部70は、そのうちの1つが第1の側部34aと重なる部分に配設され、そのうちの他の1つが第2の側部34bと重なる部分に配設され、残りの5つがそれらの間の部分に配設される。ここで、内層部30の第2の主面22b側の端面には、第2の内部電極層50bが配設される。そして、当該第2の内部電極層50bの側に第2のヒューズ電極72bが配設され、且つ第2の主面22bの側に第1のヒューズ電極72aが配設される。この構造により奏する効果は、上記した第1の外層部32aの場合と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
(効果)
この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みよりも薄く形成される。これにより、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも容易に低く形成され得る。
また、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、14つのヒューズ部70を備える。これにより、異常電圧印加時にヒューズ部70が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部70が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがないという、上記した第1〜3の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10が奏する効果を一層顕著にすることができる。
5.第5の実施の形態
この発明の第5の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図8に基づいて説明する。図8は、この発明の第5の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサのW方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、ヒューズ部70および第1の外層部32aを除いて、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の側部34aに配設される。そして、第1のヒューズ電極72aは、内層部30の第1の主面22a側の端面に配設される第1の内部電極層50aとT方向において同じ位置に配設される。また、第2のヒューズ電極72bは、第1の側部34aと第1の外層部32aとが重なる部分に配設される。そして、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みと同じであるように形成される。
この実施の形態では、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧を第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低くするために、上記した第1〜4の実施の形態のように第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40を薄く形成した構造に代えて、次の構成を有する。すなわち、この実施の形態では、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低くされる。このようなセラミック材料は、例えば、絶縁破壊電圧の序列「BaTiO3<SrTiO3<CaTiO3<CaZrO3<Pb(Zr、Ti)O3<PbTiO3」などに基づいて選択することができる。なお、この実施の形態では、図8において異なるハッチングで示すように、第1の外層部32aに位置するセラミック層40の全ての形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低くされている。
(効果)
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みを変化させることなく、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧が低く形成されるため、設計の自由度を高めることができる。
6.第6の実施の形態
この発明の第6の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図9に基づいて説明する。図9は、この発明の第6の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサのW方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、ヒューズ部70を除いて、上記した第2の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の主面22aに最も近い第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50b(以下、この実施の形態において「当該第1の内部電極層50aおよび当該第2の内部電極層50b」という)と第1の側面24aとの間に、W方向において等間隔で一直線状に並ぶように3つ配設される。
3つの第1のヒューズ電極72aそれぞれは、T方向において、当該第1の内部電極層50aと同じ位置に配設される。また、第1の側面24aの最も近くに位置する第1のヒューズ電極72aの第1の側面24a側の端部は、W方向において、他の第1の内部電極層50aおよび他の第2の内部電極層50bそれぞれの第1の側面24a側の端部と同じ位置になる。
3つの第2のヒューズ電極72bそれぞれは、T方向において、当該第2の内部電極層50bと同じ位置に配設される。また、第1の側面24aの最も近くに位置する第2のヒューズ電極72bの第1の側面24a側の端部は、W方向において、他の第1の内部電極層50aおよび他の第2の内部電極層50bそれぞれの第1の側面24a側の端部と同じ位置になる。
この実施の形態では、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧を第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低くするために、第1〜4の実施の形態のように第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40を薄く形成した構造に代えて、次の構成を有する。すなわち、この実施の形態では、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低くされる。具体的には、T方向において、3つの第1のヒューズ電極72aと3つの第2のヒューズ電極72bとの間に位置し、且つ第1の側面24aから第2の側面24bまで延在するセラミック層40のうち、当該第1の内部電極層50aおよび当該第2の内部電極層50bの第1の側面24a側の端部と、第2の側面24bに最も近い第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bの第2の側面24b側の端部との間から、第1の側面24aまでの部分の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧が低くされる。
(効果)
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みを変化させることなく、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧が低く形成されるため、設計の自由度を高めることができる。
また、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、3つのヒューズ部70を備える。これにより、異常電圧印加時にヒューズ部70が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部70が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがないという、上記した第1の実施の形態などに係る積層セラミックコンデンサ10が奏する効果を一層顕著にすることができる。
7.第7の実施の形態
この発明の第7の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図10に基づいて説明する。図10は、この発明の第7の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサのW方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第2の外層部32bおよびヒューズ部70を除いて、上記した第5の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の側部34aおよび第2の側部34bに2つずつ配設される。
第1の側部34aに配設された2つのヒューズ部70のうち、第1の主面22aの近傍に配設されたヒューズ部70に含まれる第1のヒューズ電極72aは、内層部30の第1の主面22a側の端面に配設される第1の内部電極層50aとT方向において同じ位置に配設される。また、当該ヒューズ部70に含まれる第2のヒューズ電極72bは、第1の側部34aと第1の外層部32aとが重なる部分に配設される。そして、当該ヒューズ部70に含まれるセラミック層40(すなわち、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40)の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みと同じであるように形成される。なお、第2の側部34bに配設された2つのヒューズ部70のうち、第1の主面22aの近傍に配設されたヒューズ部70に含まれる第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bについても同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
第1の側部34aに配設された2つのヒューズ部70のうち、第2の主面22bの近傍に配設されたヒューズ部70に含まれる第2のヒューズ電極72bは、内層部30の第2の主面22b側の端面に配設される第2の内部電極層50bとT方向において同じ位置に配設される。また、当該ヒューズ部70に含まれる第1のヒューズ電極72aは、第1の側部34aと第2の外層部32bとが重なる部分に配設される。そして、当該ヒューズ部70に含まれるセラミック層40(すなわち、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40)の厚みは、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の厚みと同じであるように形成される。なお、第2の側部34bに配設された2つのヒューズ部70のうち、第2の主面22bの近傍に配設されたヒューズ部70に含まれる第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bについても同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
この実施の形態では、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧を第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低くするために、第1〜4の実施の形態のように第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40を薄く形成した構造に代えて、次の構成を有する。すなわち、この実施の形態では、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低くされる。このようなセラミック材料は、例えば、絶縁破壊電圧の序列「BaTiO3<SrTiO3<CaTiO3<CaZrO3<Pb(Zr、Ti)O3<PbTiO3」などに基づいて選択することができる。なお、この実施の形態では、図10において異なるハッチングで示すように、第1の外層部32aに位置するセラミック層40の全て、および第2の外層部32bに位置するセラミック層40の全ての形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧が、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に位置するセラミック層40の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低くされている。
(効果)
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の厚みを変化させることなく、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧が低く形成されるため、設計の自由度を高めることができる。
また、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、4つのヒューズ部70を備える。これにより、異常電圧印加時にヒューズ部70が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部70が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがないという、上記した第1の実施の形態などに係る積層セラミックコンデンサ10が奏する効果を一層顕著にすることができる。
8.第8の実施の形態
この発明の第8の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図11に基づいて説明する。図11は、この発明の第8の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサのW方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の外層部32aおよび第2の外層部32b、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50b、並びにヒューズ部70を除いて、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態では、上記した第1の実施の形態で第1の主面22aに最も近い第1の内部電極層50aが配設された位置において、当該第1の内部電極層50aの代わりに、5つの第1のヒューズ電極72aが配設される。また、上記した第1の実施の形態で第2の主面22bに最も近い第2の内部電極層50bが配設された位置において、当該第2の内部電極層50bの代わりに、5つの第2のヒューズ電極72bが配設される。したがって、この実施の形態では、上記した第1の実施の形態と比較して、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bが1つずつ少ない。このような構造に伴い、この実施の形態では、上記した第1の実施の形態と比較して、第1の外層部32aおよび第2の外層部32bそれぞれの厚みが厚くなる。そして、この実施の形態では、内層部30の第1の主面22a側の端面に第2の内部電極層50bが配設され、内層部30の第2の主面22b側の端面に第1の内部電極層50aが配設される。
この実施の形態に係るヒューズ部70は、第1の外層部32aにW方向において等間隔で一直線状に並ぶように7つ配設され、且つ第2の外層部32bにもW方向において等間隔で一直線状に並ぶように7つ配設される。すなわち、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、合計14つのヒューズ部70を備える。
第1の外層部32aにおける7つのヒューズ部70は、そのうちの1つが第1の側部34aと重なる部分に配設され、そのうちの他の1つが第2の側部34bと重なる部分に配設され、残りの5つがこれらの間の部分に配設される。上記したように、内層部30の第1の主面22a側の端面には、第2の内部電極層50bが配設される。そして、当該第2の内部電極層50bの側に7つの第1のヒューズ電極72aが配設され、第1の主面22aの側に7つの第2のヒューズ電極72bが配設される。一方、第2の外層部32bにおける7つのヒューズ部70は、そのうちの1つが第1の側部34aと重なる部分に配設され、そのうちの他の1つが第2の側部34bと重なる部分に配設され、残りの5つがこれらの間の部分に配設される。上記したように、内層部30の第2の主面22b側の端面には、第1の内部電極層50aが配設される。そして、当該第1の内部電極層50aの側に7つの第2のヒューズ電極72bが配設され、第2の主面22bの側に7つの第1のヒューズ電極72aが配設される。
この実施の形態では、上記した構造により、ヒューズ部70の最も近くに位置する内部電極層(第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50b)と、当該内部電極層の側に位置するヒューズ電極(第1のヒューズ電極72aまたは第2のヒューズ電極72b)とは、異なる外部電極(第1の外部電極60aまたは第2の外部電極60b)に接続される。このような場合、積層体20の外層部(第1の外層部32aおよび/または第2の外層部32b)において、内層部30の側に配置されるヒューズ電極から、当該ヒューズ電極の側の積層体20の主面(第1の主面22aおよび/または第2の主面22b)までの部分の絶縁破壊電圧のみが、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bの絶縁破壊電圧よりも低いことが好ましい。この実施の形態では、第1の外層部32aにおける第1のヒューズ電極72aから第1の主面22aまでの部分、および第2の外層部32bにおける第2のヒューズ電極72bから第2の主面22bまでの部分の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧が、これらの間の部分の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低い。その結果、ヒューズ部70の最も近くに位置する内部電極層(第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50b)とヒューズ部70との間で絶縁破壊が生じることを抑制することができる。特に、この実施の形態に係るヒューズ部70は、T方向において第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bと対向しているため、当該効果が一層顕著になる。
なお、絶縁破壊電圧の低いセラミック材料を用いることに代えて、例えば、第1の外層部32aにおける第1のヒューズ電極72aから第1の主面22aまでの部分、および第2の外層部32bにおける第2のヒューズ電極72bから第2の主面22bまでの部分のセラミック層40の厚みを薄く形成することにより、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧を第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低くしてもよい。
9.第9の実施の形態
この発明の第9の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図12および図13に基づいて説明する。図12は、この発明の第9の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。図13は、この発明の第9の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの長さ方向に沿った断面図である。なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、ヒューズ部70を除いて、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
この実施の形態に係る第1のヒューズ電極72aの第1の端面26aとは反対側の先端部分の厚みは、第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bの他の部分の厚みよりも厚く形成される。これにより、第1のヒューズ電極72aと第2のヒューズ電極72bとの間に位置するセラミック層40の製造時におけるプレス後の厚みを薄く形成することができる。その結果、当該セラミック層40の絶縁破壊電圧が低くなるため、ヒューズ部70を第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bよりも早くショートさせることができる。
この実施の形態では、上記したように、第1のヒューズ電極72aの第1の端面26aとは反対側の先端部分の厚みを他の部分よりも厚く形成するだけで、ヒューズ部70の絶縁破壊電圧を低く形成することができる。これにより、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、容易に製造され得る。
なお、この実施の形態では、第1のヒューズ電極72aの第1の端面26aとは反対側の先端部分の厚みが第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bの他の部分の厚みよりも厚く形成される場合について説明したが、この場合に限定されない。すなわち、第1のヒューズ電極72aの第1の端面26aとは反対側の先端部分および第2のヒューズ電極72bの第2の端面26bとは反対側の先端部分の少なくとも一方の厚みが、第1のヒューズ電極72aおよび第2のヒューズ電極72bの他の部分の厚みよりも厚く形成されればよい。
10.変形例
上記した実施の形態では、例えば、ヒューズ部70が、第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分に形成される場合(第1の実施の形態および第9の実施の形態)や、第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分、第1の外層部32aと第2の側部34bとが重なる部分、第2の外層部32bと第1の側部34aとが重なる部分および第2の外層部32bと第2の側部34bとが重なる部分それぞれに形成される場合(第3の実施の形態、第4の実施の形態および第8の実施の形態)などについて説明した。しかしながら、これらの場合に限定されず、ヒューズ部70は、積層体20の内部の他の位置に形成されてもよい。好ましくは、ヒューズ部70は、第1の外層部32a、第2の外層部32b、第1の側部34aおよび第2の側部34bの少なくとも1つに配設される。より好ましくは、ヒューズ部70は、第1の外層部32aと第1の側部34aとが重なる部分、第1の外層部32aと第2の側部34bとが重なる部分、第2の外層部32bと第1の側部34aとが重なる部分、および第2の外層部32bと第2の側部34bとが重なる部分の少なくとも1つに配設される。
11.積層セラミックコンデンサの製造方法
この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例について、上記した第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10を例に説明する。
はじめに、複数のセラミック層と、複数の第1の内部電極層と、複数の第2の内部電極層とを含む積層体を作製する。具体的には次の通りである。
まず、セラミック粉末を含むセラミックペーストおよび内部電極形成用の導電性ペーストを準備する。
次に、準備したセラミックペーストを、例えば、スクリーン印刷法などを用いてシート状に塗布して乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製する。
また、作製したセラミックグリーンシートの表面に、内部電極形成用の導電性ペーストを、例えば、スクリーン印刷法などを用いて所定のパターンで塗布することにより、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを作製する。また、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートも準備する。なお、セラミックグリーンシートや内部電極用の導電性ペーストには、例えば、公知のバインダや溶剤が含まれてもよい。
さらに、セラミックグリーンシートの表面に、内部電極形成用と同じ導電ペーストを、例えば、スクリーン印刷法などを用いて所定のパターンで塗布することにより、第1のヒューズ電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを作製する。第1のヒューズ電極パターンは、内部電極パターンよりもW寸法が短くなるように作製する。同様の方法で、第2のヒューズ電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートも作製する。第2のヒューズ電極パターンは、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートの厚みよりも薄いセラミックグリーンシートの表面に形成される。好ましくは、第2のヒューズ電極パターンは、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートの厚みよりも15%以上25%以下だけ薄いセラミックグリーンシートの表面に形成される。これにより、第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極との間に位置するセラミックグリーンシートの絶縁破壊電圧を低くすることができる。なお、第1の外層部に配設する他のセラミックグリーンシートについても同じ薄いセラミックグリーンシートを用いることにより、積層体の作製を容易に行うことが可能となる。また、上記したような薄いセラミックグリーンシートを用いることができない場合、第1のヒューズ電極の第1の端面とは反対側の先端部分および第2のヒューズ電極の第2の端面とは反対側の先端部分の少なくとも一方の厚みを、第1のヒューズ電極および第2のヒューズ電極の他の部分の厚みよりも厚くなるように形成してもよい。このような構造によっても、第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極との間に位置するセラミック層の絶縁破壊電圧を低く形成することができる。なお、第1のヒューズ電極の第1の端面とは反対側の先端部分および第2のヒューズ電極の第2の端面とは反対側の先端部分の少なくとも一方の厚みを厚く形成するには、スクリーン印刷法のサドルと呼ばれる端部が厚くなる効果を利用してもよいし、インクジェットプリントなどを適宜用いるようにしてもよい。
そして、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その表面に内部電極パターンが形成されたセラミックシートを所定枚数積層し、その表面に第1のヒューズ電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートおよび第2のヒューズ電極パターンが形成された薄いセラミックグリーンシートを積層し、その表面に内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層することにより、マザー積層体を作製する。このとき、ヒューズ部の最も近くに位置する内部電極層と、当該内部電極層の側に位置するヒューズ電極とは、同じ外部電極に接続されることが好ましい。これにより、ヒューズ部の最も近くに位置する内部電極層とヒューズ部との間で絶縁破壊が生じることを抑制することができる。
次に、必要に応じてマザー積層体を積層方向にプレスしてもよい。当該プレスの手段としては、静水圧プレスなどを用いることができる。
また、マザー積層体を所定の寸法にカットすることにより、生の積層体を複数作製する。このとき、バレル研磨を施すことにより、生の積層体の角部や稜線部に丸みを形成してもよい。
さらに、生の積層体を焼成することにより、第1の内部電極層および第2の内部電極層、並びに第1のヒューズ電極および第2のヒューズ電極が内部に配設され、第1の端面に第1の内部電極層および第1のヒューズ電極それぞれの端部が引き出され、且つ第2の端面に第2の内部電極層および第2のヒューズ電極それぞれの端部が引き出された積層体が作製される。このときの焼成温度は、例えば、900℃以上1300℃以下程度とすることができる。なお、焼成温度はこの場合に限定されず、用いたセラミック材料や導電材料に応じて適宜設定することができる。
そして、焼成後の積層体の第1の端面および第2の端面それぞれに、外部電極形成用の導電性ペーストを塗布して焼き付けることで、第1の外部電極および第2の外部電極それぞれの下地電極層を形成する。このときの焼付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
最後に、下地電極層および導電性樹脂層を覆うようにめっき層を形成する。めっき層は、複数層構造とすることが好ましい。
上記のようにして、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10を製造することができる。
12.実験例1
以下、この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例1について説明する。実験例1では、上記した製造方法にしたがい、第1〜9の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10として、実施例1〜9の試料(積層セラミックコンデンサ)を製造した。また、比較例1の試料(同前)も製造した。そして、これらの試料に異常電圧を印加し、第1の内部電極層と第2の内部電極層の間におけるショート発生の有無を確認した。
実施例1〜9および比較例1の試料それぞれの仕様は以下の通りである。なお、試料はそれぞれ10個ずつ作製した。
(実施例1)
実施例1の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図1〜4を参照
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BaTiO3
厚み:15μm
(実施例2)
実施例2の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み:20μm(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間の厚み)
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図5を参照(ヒューズ部同士のW方向における間隔:50μm)
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BaTiO3
厚み:15μm
(実施例3)
実施例3の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図6を参照
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BaTiO3
厚み:15μm
(実施例4)
実施例4の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図7を参照(ヒューズ部同士のW方向における間隔:50μm)
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BaTiO3
厚み:15μm
(実施例5)
実施例5の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図8を参照
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BT系だが、絶縁破壊電圧が低い組成:εr3000
厚み :20μm
(実施例6)
実施例6の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図9を参照(ヒューズ部同士のW方向における間隔:50μm)
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BT系だが、絶縁破壊電圧が低い組成:εr3000
厚み :20μm
(実施例7)
実施例7の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図10を参照
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BT系だが、絶縁破壊電圧が低い組成:εr3000
厚み :20μm
(実施例8)
実施例8の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図11を参照(ヒューズ部同士のW方向における間隔:50μm)
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BT系だが、絶縁破壊電圧が低い組成:εr3000
厚み :20μm
(実施例9)
実施例9の仕様は次の通りである。
◎積層体および外部電極
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×1.6mm×0.85mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:10nF
・定格電圧:350V
・内部電極
材料:Ni
・セラミック層の厚み(第1の内部電極層と第2の内部電極層の間):20μm
・外部電極
下地電極層:Cuとガラスを含む電極
めっき層:第1のめっき層:Ni、第2のめっき層:Sn
◎ヒューズ部
・配設位置:図12および図13を参照
・ヒューズ電極
材料:Ni
厚み:0.5μm、W寸法:50μm
第1のヒューズ電極の第1の端面とは反対側の先端部分の厚み:5μm
・セラミック層(第1のヒューズ電極と第2のヒューズ電極の間)
セラミック材料:BaTiO3
厚み :20μm
(比較例1)
比較例1は、ヒューズ部が配設されない点を除いて、実施例1と同じ構造である。
(試験方法)
この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例1の試験方法について、図14に基づいて説明する。図14は、この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確かめるために発明者らが行った実験例1において用いた回路図である。試験用回路100において、図中右側に接続されたコンデンサが評価用コンデンサ10(すなわち、実施例1〜9または比較例1)である。また、図中左側にはDC電源110が接続され、図中中央にはダンプコンデンサ120が接続される。ダンプコンデンサ120は、評価用コンデンサ10と比較して、静電容量が10倍程度であり、且つ絶縁破壊電圧が2倍以上である。また、DC電源110とダンプコンデンサ120の間にはスイッチ130aが設けられ、ダンプコンデンサ120と評価用コンデンサ10の間にはスイッチ130bが設けられる。初期状態において、スイッチ130aおよびスイッチ130bは、ともに開かれた状態とする。
まず、スイッチ130aを閉じることにより、ダンプコンデンサ120に電荷を蓄える。このときの印加電圧は、評価用コンデンサ10の絶縁破壊電圧の平均値の1.5倍程度である。
次に、閉じられていたスイッチ130aを開く。
そして、スイッチ130bを閉じることにより、ダンプコンデンサ120に蓄えられた電荷を評価用コンデンサ10に流入させる。このとき、評価用コンデンサ10の絶縁破壊電圧の平均値の1.5倍程度まで電圧を昇圧させる。ショートが発生した場合には速やかに130bを開き、評価用コンデンサ10への電荷の流入を止める。
ここで、ヒューズ部が作動した場合、昇圧の途中で一旦ショートに至った後に絶縁復帰する。一方、ヒューズ部が作動しなかった場合、第1の内部電極層と第2の内部電極層の間でショートモードに至るため、絶縁復帰せずにショート状態が維持される。
(評価方法)
絶縁抵抗計(ADC社製 8340A)を用いて、電圧250Vおよび時間30sの値で測定を行った。絶縁抵抗が100Ωより大きい試料を良品と評価した。具体的には、ヒューズ部がショートして蓄えた電荷が通電され、ヒューズ部が溶断し、最終的にヒューズ部がオープンとなった後、第1の内部電極層と第2の内部電極層とがセラミック層を介して対向する領域により、初期状態と同じ静電容量(C)、誘電正接(DF)および絶縁抵抗(IR)を維持した試料を良品であると評価した。一方、絶縁抵抗が100Ω以下の試料を不良品と評価した。具体的には、ヒューズ部が作動しないことで、絶縁破壊電圧よりも高い電圧が印加されて第1の内部電極層と第2の内部電極層の間でショートモードに至り、第1の内部電極層と第2の内部電極層がショート状態を維持した試料を不良品であると評価した。なお、静電容量(C)、誘電正接(DF)の測定方法は、Cメーター(Agilent Technologies社製 4278A)を用いて、1kHz、0.5Vrmsの条件で得られる静電容量(C)、誘電正接(DF)を測定した。また、絶縁抵抗(IR)の測定方法は、IRメーター(ADC社製 8340A)を用いて、250V、30s印加後の絶縁抵抗(IR)を測定した。
(実験結果)
実験例1の結果は表1に示す通りである。
Figure 2018082067
表1に示すように、実施例1〜9は、不良品の個数がいずれも0個であった。一方、比較例1は、10個全てが不良品であった。以上の結果から、この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確認することができた。具体的には、異常電圧が印加された場合、ヒューズ部70が最初にショートするが、W寸法が短いため溶断されてオープンとなる。したがって、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bにより、異常電圧印加後も静電容量がほとんど変化せず、通常のコンデンサとして継続使用することができる。すなわち、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、異常電圧印加時にヒューズ部が作動することで発煙や発火に至ることを防止し、且つヒューズ部が作動した後においてもコンデンサとしての機能を失うことがない。
13.実験例2
以下、この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例2について説明する。この実験例では、ワイブル解析に基づいて図15のグラフおよび表2を作成し、好ましいヒューズ部70の絶縁破壊電圧を確認した。図15は、この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確かめるために発明者らが行った解析結果を示すグラフである。図15において、横軸xのBDV[V]はヒューズ部の絶縁破壊電圧[V]を意味し、縦軸yのF(t)[%]は第1の内部電極層と第2の内部電極層とがセラミック層を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率[%]を意味する。図15のグラフは、y=16.43ln(x)−82.23に基づいてプロットされたものである。そして、表2において、ヒューズ部の絶縁破壊電圧の評価結果を示した。表2において、「G」は良品(Good)を意味し、「NG」は不良品(No Good)を意味する。
Figure 2018082067
第1の内部電極層の層数と第2の内部電極層の層数との和をnとしたとき、ヒューズ部の絶縁破壊電圧は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とがセラミック層を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率を10/n%以下とするように設定されることが好ましい。例えば、第1の内部電極層の層数と第2の内部電極層の層数との和を100層としたとき、第1の内部電極層と第2の内部電極層とがセラミック層を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率は0.1%である。したがって、図15に基づいて、ヒューズ部の絶縁破壊電圧は、100V以下となるように設定することが好ましい。このようにヒューズ部の絶縁破壊電圧を設定することで、異常電圧印加時に最初にヒューズ部が絶縁破壊され、その後に絶縁復帰する可能性を向上させることができる。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
10 積層セラミックコンデンサ
20 積層体
22a 第1の主面
22b 第2の主面
24a 第1の側面
24b 第2の側面
26a 第1の端面
26b 第2の端面
30 内層部
32a 第1の外層部
32b 第2の外層部
34a 第1の側部
34b 第2の側部
36a 第1の端部
36b 第2の端部
40 セラミック層
50a 第1の内部電極層
50b 第2の内部電極層
60a 第1の外部電極
60b 第2の外部電極
70 ヒューズ部
72a 第1のヒューズ電極
72b 第2のヒューズ電極
100 試験用回路
110 DC電源
120 ダンプコンデンサ
130a、130b スイッチ

Claims (7)

  1. 複数のセラミック層と、複数の第1の内部電極層と、複数の第2の内部電極層とが交互に積層されることにより直方体状に形成され、積層方向において相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する幅方向において相対する第1の側面および第2の側面と、前記積層方向および前記幅方向に直交する長さ方向において相対する第1の端面および第2の端面とを含む積層体と、
    少なくとも前記第1の端面に形成されることにより、前記第1の内部電極層に電気的に接続される第1の外部電極と、少なくとも前記第2の端面に形成されることにより、前記第2の内部電極層に電気的に接続される第2の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体の内部には、前記第1の端面において前記第1の外部電極に電気的に接続され、且つ前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層それぞれよりも前記幅方向の寸法が短い第1のヒューズ電極と、前記積層方向において前記第1のヒューズ電極に対向し、前記第2の端面において前記第2の外部電極に電気的に接続され、且つ前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層それぞれよりも前記幅方向の寸法が短い第2のヒューズ電極と、前記第1のヒューズ電極と前記第2のヒューズ電極との間に形成されるセラミック層とを有するヒューズ部が配設され、
    前記ヒューズ部の絶縁破壊電圧は、前記第1の内部電極層と前記第2の内部電極層とが前記セラミック層を介して対向する領域の絶縁破壊電圧よりも低いことを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1のヒューズ電極と前記第2のヒューズ電極との間に位置する前記セラミック層の厚みは、前記第1の内部電極層と前記第2の内部電極層との間に位置する前記セラミック層の厚みよりも薄く形成される、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第1のヒューズ電極と前記第2のヒューズ電極との間に位置する前記セラミック層の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧は、前記第1の内部電極層と前記第2の内部電極層との間に位置する前記セラミック層の形成に用いられるセラミック材料の絶縁破壊電圧よりも低い、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記第1のヒューズ電極の前記第1の端面とは反対側の先端部分および前記第2のヒューズ電極の前記第2の端面とは反対側の先端部分の少なくとも一方の厚みは、前記第1のヒューズ電極および前記第2のヒューズ電極の他の部分の厚みよりも厚く形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記第1の内部電極層は、前記積層方向において前記第2の内部電極層に前記セラミック層を介して対向する第1の対向電極部と、前記第1の対向電極部から前記第1の端面までの第1の引出し電極部とを有し、且つ前記第2の内部電極層は、前記積層方向において前記セラミック層を介して前記第1の内部電極層に対向する第2の対向電極部と、前記第2の対向電極部から前記第2の端面までの第2の引出し電極部とを有し、
    前記積層体は、
    前記第1の対向電極部と前記第1の主面との間に位置する第1の外層部、および前記第2の対向電極部と前記第2の主面との間に位置する第2の外層部と、
    前記第1の対向電極部と前記第1の側面との間に位置する第1の側部、および前記第2の対向電極部と前記第2の側面との間に位置する第2の側部と、
    前記第1の対向電極部と前記第1の端面との間に位置する第1の端部、および前記第2の対向電極部と前記第2の端面との間に位置する第2の端部とをさらに含み、
    前記ヒューズ部は、前記第1の外層部、前記第2の外層部、前記第1の側部および前記第2の側部の少なくとも1つに配設される、請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記ヒューズ部は、前記第1の外層部と前記第1の側部とが重なる部分、前記第1の外層部と前記第2の側部とが重なる部分、前記第2の外層部と前記第1の側部とが重なる部分、および前記第2の外層部と前記第2の側部とが重なる部分の少なくとも1つに配設される、請求項5に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記第1の内部電極層の層数と前記第2の内部電極層の層数との和をnとしたとき、前記ヒューズ部の絶縁破壊電圧は、前記第1の内部電極層と前記第2の内部電極層とが前記セラミック層を介して対向する領域の絶縁破壊による累積故障率を10/n%以下とするように設定される、請求項1〜6のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
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