JP2018081432A - 不正攻撃検知用の警報センサと、それを使用する金庫 - Google Patents

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【課題】製作容易であり、実用性に優れた警報センサ10を提供する。【解決手段】収納用の構造体である金庫20の各壁面に2枚1組のメッシュ材11、11を設け、メッシュ材11、11は、各壁面の全面に亘り、互いに絶縁して配置する。【選択図】図1

Description

この発明は、たとえば金庫などの収納用の構造体に不正な攻撃が加えられたことを適確に検知することができる不正攻撃検知用の警報センサと、それを使用する金庫に関する。
物品を収納する構造体に不正な攻撃が加えられたことを検知し、それを外部に警報するために、各種のセンサが提案され、実用されている(たとえば特許文献1)。
これらのセンサの最もありふれた形態は、絶縁基板上において、電線を十分小さいピッチごとに折り返して配置してパネル状に形成し、構造体の各壁面に組み込むものである。壁面に対して不正に孔が明けられたりすると、絶縁基板上の電線が切断されるから、これを電気的に検出して不正な攻撃を検知することができる。なお、絶縁基板上の電線は、光ファイバに代えてもよい。
また、絶縁シートを挟んで2層の導電性の液体層を形成する形態も知られている。この形態のセンサを組み込んだ壁面に孔が明けられると、絶縁シートに生じる開孔を通じて2層の液体層が電気的に導通するから、これを検出して不正な攻撃を検知する。
特開2004−46863号公報
かかる従来技術の前者によるときは、絶縁基板上の電線または光ファイバは、いわゆる一筆書きのパターンを形成する必要があるから、構造体の壁面の大きさに合わせて固有のパターンが必要であり、製作が煩雑になりがちであるという問題があった。また、後者によるときは、絶縁シートの両側に2層の液体層を形成する構成を工業的に実現すること自体必ずしも容易でなく、実用性が十分でないという問題があった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、導電性のメッシュ材または単一の液体層を採用することによって、製作が容易であり、実用性に優れた不正攻撃検知用の警報センサと、それを使用する金庫を提供することにある。
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、収納用の構造体に対する不正な攻撃検知用の警報センサであって、構造体の各壁面に装着する2枚1組の導電性のメッシュ材を備えてなり、メッシュ材は、各壁面の全面に亘り、互いに絶縁して配置することをその要旨とする。
第2発明(請求項2に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、収納用の構造体に対する不正な攻撃検知用の警報センサであって、構造体の中空の各壁面内に充填する導電性の液体と、液体のレベル低下を検出する電極とを備えることをその要旨とする。
なお、液体の漏れを検出する電極を構造体の床上に付設することができる。
第3発明(請求項4に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、第1、第2発明に係る不正攻撃検知用の警報センサと、警報センサの動作時に外部にメール送信する制御部とを備えることをその要旨とする。
なお、収納中のメモリディスクを機械的に破壊する破壊部を付加することができる。
かかる第1発明の構成によるときは、構造体の各壁面に装着する導電性のメッシュ材は、外部からの不正な攻撃が加えられると、たとえばドリルやダイヤモンドカッタなどの攻撃用の工具を介して互いに電気的に導通するから、これを検出して不正な攻撃を検知することができる。導電性のメッシュ材は、金属線や炭素繊維などの導電性の素線を使用して、たとえば網組織、織組織、編組織などを介して任意のピッチの薄いシート状に形成することができる他、互いに平行に引き揃えて単層または複層のプリプレグ状に形成してもよい。2枚のメッシュ材は、薄い絶縁シートを介して互いに絶縁して2重に配置すればよく、構造体の壁面の大きさに合わせて任意に切断して使用することができるので、設計製作上の自由度が極めて高いという利点がある。なお、2枚のメッシュ材は、中間の絶縁シートとともに、構造体の壁面に埋設するか、壁面の内面側に貼り付けて装着することが好ましい。また、メッシュ材は、ハンマなどによる壁面の破壊攻撃がなされると、壁面の破断部分から露出する各メッシュ材の素線が互いに接触して電気的に導通する。
第2発明の構成によるときは、構造体の各壁面内に充填する導電性の液体は、外部からの不正な攻撃によって壁面に孔が明けられたり、壁面が破壊されたりすると、外部に漏れ出してレベルが低下する。そこで、レベル低下を検出する電極によりこれを電気的に検出して不正な攻撃を検知することができる。なお、ここでいう導電性の液体は、普通の水でもよく、さらに、任意の導電性のイオンを含有させてもよい。また、レベル低下検出用の電極は、正規のレベルの液体を介して電気的に導通する2個1組を設け、液体のレベル低下により一方または双方が液体外に出て双方の導通が断たれるように、その配置位置を選定する。液体層を2層に分離する必要がないため、全体構造が簡単で製作容易であり、実用性に優れている。
液体の漏れを検出する電極を構造体の床上に付設すれば、不正な攻撃により液体が床上に漏出すると、液体のレベル低下を検出するより一層速やかに不正な攻撃を検知することができる。
なお、第1、第2発明において、収納用の構造体とは、内部に物品や人の収納用の空間を備える任意の構造体をいい、たとえば、金庫、収納庫、保管庫などの他、物品輸送用のコンテナや船体、トラックの荷箱、重要設備用の建造物、刑務所などにおける囚人の収容房などを含むものとする。
第3発明の構成によるときは、制御部は、不正攻撃検知用の警報センサの動作時に外部にメール送信し、金庫に対する不正な攻撃の事実を外部に警報報知することができる。なお、メール送信は、有線、無線、インターネットなどのいずれの回線によってもよい。また、金庫の使用者と管理者とが別人の場合、使用者による正規の使用状態の有無、誤使用の有無などの詳細情報を併せて管理者にメール送信するようにしてもよい。
メモリディスクの破壊部を付加すれば、不正な攻撃を受けた際に破壊部を作動させて収納中のメモリディスクを機械的に破壊することができ、不正な攻撃によってメモリディスクが奪取されるような事態を有効に阻止することができる。なお、破壊部は、たとえばワイヤカッタやヒータ線、レーザカッタ、水圧カッタなどによりメモリディスクを機械的に破断して破壊することができる。ただし、ここでいうメモリディスクとは、たとえばCVD、DVD、ブルーレイディスクのようなプラスチックディスクメモリを指すものとする。
全体構成模式説明図(1) 全体構成模式説明図(2) 全体構成斜視図(1) ブロック系統図 要部構成説明図(1) 要部構成説明図(2) プログラムフローチャート 全体構成斜視図(2)
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
不正攻撃検知用の警報センサ10は、2枚1組の導電性のメッシュ材11、11を備えてなる(図1)。なお、図1において、警報センサ10は、金庫20の外板21、内板22からなる2重構造の各壁面に共通に内装されている。ただし、図1(A)、(B)は、それぞれ金庫20の模式縦断面図、一部破断模式斜視図であり、図1(C)は、ドリルDによる不正な攻撃時におけるメッシュ材11、11の要部模式動作断面図である。
図1において、2枚のメッシュ材11、11は、図示しない絶縁シートを挟んで互いに絶縁され、全体として2重に配置されている。なお、金庫20の各壁面は、図示に拘らず、外板21、内板22の間に実質的な空間を残すことなく、警報センサ10を内部に装着しているものとする。また、警報センサ10は、図1に拘らず、金庫20の各壁面ごとに分割し、各壁面における内側、外側のメッシュ材11、11をすべての壁面についてそれぞれ電気的に接続してもよい。
警報センサ10は、金庫20の任意の壁面に対し、たとえばドリルDにより孔を明けるような不正な攻撃が外部から加えられると(図1(C))、メッシュ材11、11が接触して電気的に導通する。そこで、これを検出して不正な攻撃の事実を検知することができる。なお、メッシュ材11、11の電気的な導通は、図1(C)のように、一方のメッシュ材11が他方のメッシュ材11側に変形して接触するのみならず、メッシュ材11、11を貫通するドリルDを介して両者が電気的に導通することもある。また、メッシュ材11、11による警報センサ10は、ドリルD以外の工具による破壊工作に対しても、十分有効に動作することができる。
他の実施の形態
警報センサ10は、金庫20の中空の各壁面を構成する外板21、内板22の間に導電性の液体12を充填するとともに、レベル検出用の電極13、13を配設して構成することができる(図2(A)、(C))。ただし、図2(A)、(B)は、それぞれ金庫20の模式縦断面図、模式縦断面拡大構成図であり、図2(C)、(D)は、それぞれ模式動作図、要部拡大模式動作図であり、図2(E)は、図2(D)相当の比較説明図である。
金庫20の外板21、内板22の間は、クランク状に屈曲するスペーサ23、23…を介し、液体12を充填可能な中空状に構成されている(図2(B))。また、電極13、13は、外板21の天面に対し、下向きに固定されている(図2(C))。そこで、電極13、13の双方が沈むように、外板21、内板22の間に液体12を満杯に充填すると(図2(A))、電極13、13は、液体12を介して電気的に導通する。
一方、金庫20の外部からたとえばドリルDによる不正な攻撃があって壁面に孔が明けられると(図2(C))、液体12による内外の漏れ12a、12aを生じ、液体12のレベルが低下して電極13、13が液体12の上方に露出し、電極13、13間の導通が断たれるから、これを電気的に検出して不正な攻撃を検知することができる。なお、このとき、ドリルDの刃先がたまたまスペーサ23の位置に当ったとしても、スペーサ23が屈曲しているため(図2(B)、(D))、液体12の漏れ12aが必ず発生し、不正な攻撃を確実に検知することができる。これに対し、スペーサ23が直線状であると(図2(E))、ドリルDがスペーサ23を貫通して液体12の漏れ12aを生じないことがあり、不正な攻撃を検知できないおそれがある。
なお、金庫20の内部の床上には、液体12の室内側への漏れ12aを検出する電極14を配設してもよい(図2(C))。電極14は、電極13、13による液体12のレベル低下の検出に先き立って液体12の漏れ12aを検出し、不正な攻撃を一層速やかに検知することができる。
図1または図2の警報センサ10を組み込む金庫20は、外扉24、内扉25を備えている(図3)。
外扉24には、図示しない鍵付きのダイヤル錠が付設され、内扉25には、暗証番号入力用のキー25aが搭載されている。また、内扉25の上方には、カメラ26が配置され、金庫20には、制御部30が組み込まれている。
制御部30は、警報センサ10、キー25aを接続するマイクロコンピュータ31を備えている(図4)。
マイクロコンピュータ31は、商用電源ACから基板電源32を介して給電されており、基板電源32の出力側には、バックアップ用のバッテリBTが接続されている。また、マイクロコンピュータ31は、ワイファイ端子33a、ブルーレイ端子33b、USB端子33c、LAN端子33dのいずれかを介し、有線または無線により、外部のインターネット回線、電話回線、携帯電話回線などの通信回線と双方向に通信可能である。さらに、マイクロコンピュータ31には、キー25aなどの操作指示用の表示器25b、内扉25を解錠制御するソレノイド25c、内扉25の開閉を検出するドアセンサ25dの他、カメラ26が接続され、金庫20内のメモリディスクを破壊する破壊部40が接続されている。なお、破壊部40は、商用電源ACから給電する他、図示しないバックアップ用のバッテリからも給電されている。
破壊部40は、たとえばヒータ線41を介し、金庫20内に一列に整列して収納されている複数枚のメモリディスクM、M…を一挙に破壊することができる(図5(A)、(B))。すなわち、ヒータ線41は、適切な可動サポート41a、41aを介して直線状に張られて保持されており(図5(A))、これを通電加熱してメモリディスクM、M…の径方向に進行させることにより(図5(B)の矢印方向)、メモリディスクM、M…を一挙に径方向に溶断して破壊することができる。
また、破壊部40は、スプロケット42a、42aに巻き掛けるワイヤカッタ42であってもよい(図6(A))。スプロケット42a、42aを介してワイヤカッタ42を回転駆動するとともに、メモリディスクM、M…の径方向に進行させることにより(図6(B)の矢印方向)、メモリディスクM、M…を一挙に径方向に切断して破壊することができる。なお、破壊部40は、図5、図6以外の形式であってもよい。
図4の制御部30の動作は、たとえば図7のプログラムフローチャートのとおりである。ただし、図7のプログラムは、ダイヤル錠を解錠して金庫20の外扉24を開き、内扉25を開くためにキー25aを操作したときに加えて、金庫20に対する不正な攻撃が実行されて警報センサ10が動作したときに作動を開始するものとする。
プログラムは、まず、警報センサ10が動作したことにより起動した場合でないことを確認すると(図7のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)、キー25aが操作されたことを確認した上(2)、キー25aを介して入力された暗証番号の正否を確認する(3)。暗証番号が正しければ(3)、ソレノイド25cを駆動して内扉25を解錠するとともにドアセンサ25dを介して内扉25の開放を確認し(4)、以上の動作内容情報を日付、時刻情報とともにセットして記憶し(5)、一連の動作内容情報を所定の連絡先にメール送信して通報する(6)。なお、以上の動作は、たとえば金庫20の正規の使用者が正規の暗証番号を入力して金庫20の内部を正規に利用する場合に相当し、その事実は、プログラムステップ(6)のメールを介し、管理者宛てに通知される。ただし、プログラムステップ(6)において発信されるメールには、カメラ26によって撮影された使用者の顔写真などの動画または静止画の撮影データを添付することができる。
次に、プログラムステップ(3)において、入力された暗証番号が不正であった場合は、表示器25bにその旨を表示して暗証番号の再入力を指示するとともに、暗証番号の誤入力回数が設定許容回数以内であることを確認して(7)、暗証番号の誤りにより金庫20を開くことができなかった旨の情報を日付、時刻情報とともにセットして記憶し(8)、その事実を管理者宛てにメール送信する(6)。なお、このときも、カメラ26による使用者の撮影データをメールに添付することができる。
金庫20に対する不正な攻撃により警報センサ10が動作した場合(1)、プログラムは、破壊部40を起動して金庫20に収納されているメモリディスクM、M…を破壊するとともに(9)、その旨の情報を日付、時刻情報とともにセットして記憶し(10)、その事実を管理者宛てにメール送信して通報する(6)。なお、プログラムステップ(7)において、暗証番号の誤入力回数が設定許容回数を超えたことが検出された場合も全く同様である((7)、(9)、(10))。
図3〜図7において、金庫20の外扉24の開閉を検出するドアセンサを設けてマイクロコンピュータ31に接続すれば、外扉24の開放によってカメラ26を作動させることにより、外扉24を開けた人物の顔写真を確実に撮影することができる上、たとえば鍵を使用せずに外扉24が不正に開けられたことを検出して、内扉25が開けられる前に破壊部40を作動させることも可能である。ただし、後者を実現するには、鍵付きのダイヤル錠の正規の使用により外扉24を電気的に開放させるために、外扉24用のソレノイドを追加するものとする。なお、破壊部40は、メモリディスクM、M…を金庫20に収納する予定がないときは、これを省略することができる。また、金庫20の不正な持去りを検出するために、いわゆる持上げセンサを付加してもよい。制御部30は、持上げセンサの動作により、警報センサ10の動作時と同様に対処することができる。
金庫20の内部は、内扉25付きの複数の小室に区分してもよい(図8)。各小室の内扉25、25…には、それぞれ開閉検出用のドアセンサ25dが装着されており、金庫20の使用者は、あらかじめ指定の単一または複数の特定の小室のみの利用が許容されており、その他の利用が禁止されている。そこで、使用者が利用可能な小室を正規に利用する限り、管理者宛てのメール送信を省略し、利用を許容されない小室の内扉25を開いたときに限り管理者宛てにメール送信するようにすれば、管理者に到達するメールの件数を削減して管理し易くすることができる。
以上の説明において、金庫20の使用者、管理者は、たとえば企業や団体などの担当者と、その上司としてもよいし、一般家庭において、高齢の父母と、別に暮らす単一または複数の子供として、いわゆる振込詐欺などの被害防止対策としてもよい。そこで、図7のプログラムステップ(6)のメールの宛先は、必要に応じて、単一であってもよく、複数であってもよい。
なお、金庫20は、物品や人の収納用の空間を備える任意の構造体とすることができる。
この発明は、金庫20の他、任意の構造体を対象とする不正な攻撃を検知する用途に対し、広く好適に適用することができる。
M…メモリディスク
10…警報センサ
11…メッシュ材
12…液体
12a…漏れ
13、14…電極
20…金庫
30…制御部
40…破壊部

特許出願人 株式会社 リニア・サーキット

Claims (5)

  1. 収納用の構造体に対する不正な攻撃検知用の警報センサであって、前記構造体の各壁面に装着する2枚1組の導電性のメッシュ材を備えてなり、該メッシュ材は、前記各壁面の全面に亘り、互いに絶縁して配置することを特徴とする不正攻撃検知用の警報センサ。
  2. 収納用の構造体に対する不正な攻撃検知用の警報センサであって、前記構造体の中空の各壁面内に充填する導電性の液体と、該液体のレベル低下を検出する電極とを備えることを特徴とする不正攻撃検知用の警報センサ。
  3. 前記液体の漏れを検出する電極を前記構造体の床上に付設することを特徴とする請求項2記載の不正攻撃検知用の警報センサ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載の不正攻撃検知用の警報センサと、該警報センサの動作時に外部にメール送信する制御部とを備えてなる金庫。
  5. 収納中のメモリディスクを機械的に破壊する破壊部を付加することを特徴とする請求項4記載の金庫。
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