JP2018080644A - 内燃機関制御装置および内燃機関制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波生成装置に異常が発生したとしても失火を抑制する。
【解決手段】実施形態の一態様に係る内燃機関制御装置は、高周波制御部と、回転数決定部とを備える。高周波制御部は、内燃機関に設けられた点火プラグの火花放電に応じてプラズマを発生させるために高周波を生成する高周波生成装置を制御する。回転数決定部は、高周波生成装置に異常が発生した場合に、内燃機関の回転数を正常な場合よりも上昇させる。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態の一態様に係る内燃機関制御装置は、高周波制御部と、回転数決定部とを備える。高周波制御部は、内燃機関に設けられた点火プラグの火花放電に応じてプラズマを発生させるために高周波を生成する高周波生成装置を制御する。回転数決定部は、高周波生成装置に異常が発生した場合に、内燃機関の回転数を正常な場合よりも上昇させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関制御装置および内燃機関制御システムに関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関において、点火プラグを用いて燃焼室内に発生させた火花放電をプラズマの核とし、高周波生成装置が生成した高周波を供給することで、プラズマ領域を拡大させて混合気に着火するプラズマ点火型の着火方式が提案されている。
たとえば、特許文献1には、プラズマの生成状態に応じて内燃機関の運転状態を変更する技術が記載されている。
しかしながら、上述した従来技術では、高周波を生成する高周波生成装置に故障等が発生し高周波を供給できなくなった場合について考慮されていない。高周波を供給できなくなった場合、プラズマ点火が行えないため失火が起こりやすくなり、失火によるトルク変動などによって振動が発生するおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高周波生成装置に異常が発生したとしても失火を抑制することができる内燃機関制御装置および内燃機関制御システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関制御装置は、高周波制御部と、回転数決定部とを備える。高周波制御部は、内燃機関に設けられた点火プラグの火花放電に応じてプラズマを発生させるために高周波を生成する高周波生成装置を制御する。回転数決定部は、高周波生成装置に異常が発生した場合に、内燃機関の回転数を正常な場合よりも上昇させる。
本発明によれば、高周波生成装置に異常が発生したとしても失火を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する内燃機関制御装置および内燃機関制御システムの実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では、内燃機関制御装置が車両用のエンジンを制御する場合を例に挙げて説明するが、内燃機関制御装置は、船舶や航空機など車両用のエンジン以外の内燃機関を制御することも可能である。その他、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
以下では、実施形態に係る内燃機関制御装置(エンジン制御装置)を備えるエンジン制御システムの概要について図1を参照して説明した後に、エンジン制御システムの詳細について図2〜図6を参照して説明することとする。
(1.エンジン制御システムの概要)
まず、エンジン制御システムの概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係るエンジン制御システムを説明する図である。
まず、エンジン制御システムの概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係るエンジン制御システムを説明する図である。
図1に示すエンジン制御システム100は、エンジンの点火制御や回転数制御を行う。エンジン制御システム100は、エンジンの燃焼室内に発生した火花放電に高周波を供給してプラズマを発生させ混合気に着火する。これにより、エンジン制御システム100は、理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気にも確実に着火することができる。
また、エンジン制御システム100は、エンジンの運転状態に応じて回転数制御を行うとともに、回転数高周波を生成する高周波生成装置に異常が発生し、高周波が生成できなくなった場合に、エンジンの回転数を上昇させる。これにより、エンジンの失火を抑制することができる。
エンジン制御システム100は、高周波生成装置1と、エンジン制御装置2と、点火コイル3と、点火プラグ4とを備える。なお、二次電池装置5は、バッテリ(図示せず)を備え、高周波生成装置1と、エンジン制御装置2と、点火コイル3とに電力を供給する。
図1に示すエンジン制御装置2は、エンジンの点火制御およびエンジンの回転数制御を行う。
エンジン制御装置2は、エンジンの点火制御を行う場合、点火コイル3を介して点火プラグ4の火花放電を制御するとともに、高周波生成装置1を介してプラズマを発生させる。
具体的に、エンジン制御装置2は、点火信号を生成して点火コイル3に出力することで、点火プラグ4の火花放電を制御する。点火信号は、点火コイル3の通電時間や点火プラグ4による火花放電の発生時期(点火時期)等を制御するための信号である。この点火信号は、高周波生成装置1にも入力される。
また、エンジン制御装置2は、高周波生成装置1に対し、例えば2.45GHzのマイクロ波である高周波を生成するように制御する制御信号を出力することで、プラズマを発生させる。制御信号は、高周波の出力レベルや照射期間等を制御するための信号である。
このように、エンジン制御装置2は、点火信号および制御信号を生成することでエンジンの点火制御を行う。
エンジン回転数を制御する場合、エンジン制御装置2は、エンジンの回転数に基づいてスロットル6の開度を制御する。エンジン制御装置2は、エンジンの回転数を増加させる場合、スロットル6の開度を大きくする。また、エンジン制御装置2は、エンジンの回転数を減少させる場合、スロットル6の開度を小さくする。
エンジン制御装置2は、エンジンの運転状態に基づいてエンジンの回転数を制御する。以下、エンジンがアイドル状態である場合を例にとって説明するが、エンジンの運転状態はこれに限定されない。例えば、エンジンの運転状態としては、アイドル状態以外にも一定速度で運転を行っている状態や加速している状態などが挙げられる。
エンジンがアイドル状態である場合、エンジン制御装置2は、エンストしない程度の回転数となるように、スロットル6の開度を制御する。
高周波生成装置1は、エンジン制御装置2から入力される点火信号および制御信号に基づいて高周波を生成する。例えば、高周波生成装置1は、点火信号に応じたタイミングで制御信号に基づいた高周波を生成し、点火プラグ4へ出力する。
点火コイル3は、エンジン制御装置2からの点火信号の入力を受けて高電圧を発生させる。点火コイル3には、例えば点火信号に応じた時間だけ電流が流れ、これにより点火コイル3に高電圧が発生する。点火コイル3で発生した高電圧は点火プラグ4に供給される。
点火コイル3からの高電圧が点火プラグ4へ印加されることによって、点火プラグ4が火花放電を発生させる。
また、点火プラグ4は、高周波生成装置1から高周波が供給されると、この高周波を燃焼室内に照射する。点火プラグ4から高周波が燃焼室内に照射されると、プラズマが発生し、燃焼室内の混合気に着火する。このように、プラズマによって点火エネルギーを増加させることで、理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気でエンジンを駆動する場合などにおいても、混合気を安定して燃焼させることができる。
ここで、従来技術において高周波生成装置に異常が発生して高周波を生成できなくなった場合、火花放電に高周波を供給できず、高周波によってプラズマを生成することができなくなる。そのため、プラズマによって点火エネルギーを増加させることができなくなり、例えば燃焼室内の混合気に着火できず、失火してトルク変動等が発生することで車両が振動するおそれがある。
特に、上述したようにエンジンがアイドル状態の場合、エンジン制御装置2は、エンジンの回転数をエンストしない程度の最低限に抑えている。そのため、二次電池装置5の充電系統の異常によって高周波が供給できずエンジンが失火してしまうと、エンストしてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態に係るエンジン制御装置2では、高周波生成装置1に異常が発生した場合に、エンジンの回転数を正常な場合より増加させることとした。
具体的には、高周波生成装置1は、例えば異常が発生して高周波を生成できなくなった場合に、その旨をエンジン制御装置2に通知する。エンジン制御装置2は、高周波生成装置1から通知を受け取ると、高周波生成装置1が正常である場合よりエンジンの回転数が増加するようスロットル6を制御する。
エンジン制御装置2は、エンジンの回転数を増加させる場合、開度が大きくなるように、スロットル6を制御する。これにより、エンジンの回転数が増加し、混合気に着火しやすくなることで、エンジンの失火を抑制することができる。
このように、本実施形態では、高周波生成装置1に異常が発生した場合、エンジンの回転数を増加させることで失火を抑制する。これにより、エンストの発生を抑制することができる。
なお、ここでは、高周波生成装置1が異常を検出して、エンジン制御装置2に通知するとしたが、これに限定されない。エンジン制御装置2が高周波生成装置1の異常を検出するようにしてもよく、また例えば異常検出装置(図示せず)など高周波生成装置1の異常を検出する装置を高周波生成装置1とは別に設けてもよい。
(2.エンジン制御システムの詳細)
以下、エンジン制御システム100の詳細な構成について、図2〜図5を参照して説明する。まず、図2を用いてエンジン制御システム100が搭載されるエンジンシステムSの概要について説明する。図2は、実施形態に係るエンジンシステムSの構成例を示す模式図である。図2では、エンジンシステムSを説明するために必要な構成要素について模式的に記載している。
以下、エンジン制御システム100の詳細な構成について、図2〜図5を参照して説明する。まず、図2を用いてエンジン制御システム100が搭載されるエンジンシステムSの概要について説明する。図2は、実施形態に係るエンジンシステムSの構成例を示す模式図である。図2では、エンジンシステムSを説明するために必要な構成要素について模式的に記載している。
(2−1.エンジンシステム)
図2に示すエンジンシステムSでは、エンジン制御装置2を含む電子制御装置200(以下、ECU200と記載する)によって、燃焼制御等の各種制御が行われる。また、高周波生成装置1が生成する高周波が点火プラグ4から照射される。このように、エンジンシステムSでは、プラズマ点火型の着火方式による点火制御が行われる。
図2に示すエンジンシステムSでは、エンジン制御装置2を含む電子制御装置200(以下、ECU200と記載する)によって、燃焼制御等の各種制御が行われる。また、高周波生成装置1が生成する高周波が点火プラグ4から照射される。このように、エンジンシステムSでは、プラズマ点火型の着火方式による点火制御が行われる。
図2に示すように、エンジンシステムSが備える気筒(シリンダ)50には、吸気管60と排気管70とが、吸気弁16と排気弁17とを介して連結される。吸気管60には、吸入空気量を調整するスロットル6や燃料を吸気管60内に噴射するインジェクタ7を備える。吸気管60には、エアクリーナー107を介して吸気された空気が流れ込む。
シリンダ50には、点火コイル3および点火プラグ4が設けられる。さらに、シリンダ50内にはピストン51が備えられている。
ここで、4ストロークエンジンの場合のエンジンシステムSの動作について説明する。
まず、シリンダ50内に備えるピストン51がY軸の負方向へ移動する際に、空気と燃料とが混合された混合気は吸気弁16が開くことによってシリンダ50内へ吸気される。
その後、ピストン51がY軸方向の正方向へ移動することによって、シリンダ50内の混合気が圧縮される。続いて、点火コイル3にエンジン制御装置2から点火信号が入力され、点火プラグ4が火花放電を発生させる。その後、高周波生成装置1によって生成された高周波が点火プラグ4から照射されることでプラズマが発生し混合気に着火する。
ここで、エンジンの着火状態について説明する。例えば、高周波生成装置1に異常が発生して高周波を生成できないなどの理由で、混合気に十分な点火エネルギーを供給できず着火できないことがある。このように点火エネルギーが不十分でシリンダ50内で混合気がほとんど燃焼されないと、エンジンの着火状態は「失火」となる。
一方、混合気に十分な点火エネルギーが供給されて着火し、シリンダ50内の混合気が完全に燃焼すると、エンジンの着火状態は「完全着火」となる。また、混合気に着火しても、供給される点火エネルギーが十分でなく、シリンダ50内の混合気の一部だけが燃焼する場合がある。この場合、エンジンの着火状態は「不完全着火」となる。
なお、エンジンの着火状態は、高周波生成装置1が高周波を生成するか否か、すなわち混合気に供給される点火エネルギーの大きさだけでなく、例えばエンジンの回転数や空燃比等、混合気の燃焼のしやすさによっても変化する。
混合気に着火すると、ピストン51は、混合気の燃焼によるガスの膨張圧を受けて、Y軸の負方向へ移動する。このY軸の負方向へ移動するピストン51の運動は、コネクティングロッド53を介して回転運動として図示しないクランクシャフトへと伝わり、車輪が駆動する。
クランク角センサ8は、クランクシャフトの回転角度を検出する。エンジンの着火状態によってシリンダ50内のガスの膨張圧が変化し、ピストン51の移動速度、すなわちクランクシャフトの回転速度が変化する。そのため、クランク角センサ8が検出する回転角度の時間変化に基づいてエンジンの着火状態を検出することができる。
続いて、ピストン51がY軸の負方向へ移動して排気弁17が開くと、慣性によりピストン51がY軸の正方向へ移動することによって、排気ガスがシリンダ50の外へ押し出され、排気管70、71経由で排気孔91へ排出される。
エンジンシステムSの構成の説明に戻る。排気管70および排気管71の間には、三元触媒装置80が設けられる。また、排気管71および排気孔91の間には、NOx吸蔵還元型三元触媒装置81が設けられる。三元触媒装置80およびNOx吸蔵還元型三元触媒装置81は、触媒を利用して排気ガス中の有害成分を浄化する。
(2−2.エンジン制御システム)
続いて、図3を用いて実施形態に係るエンジン制御システム100を説明する。図3は、実施形態に係るエンジン制御システム100の構成を示すブロック図である。なお、図3では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
続いて、図3を用いて実施形態に係るエンジン制御システム100を説明する。図3は、実施形態に係るエンジン制御システム100の構成を示すブロック図である。なお、図3では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図3に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図3に示すように、エンジン制御システム100は、高周波生成装置1とエンジン制御装置2と、点火コイル3と、点火プラグ4とを備える。
(2−3.点火コイル)
点火コイル3は、一次コイルおよび二次コイル(図示せず)を備えており、エンジン制御装置2から入力される点火信号に基づいて一次コイルに一次電流を流すとともに、一次電流を遮断することにより誘導現象によって二次コイルに高電圧を発生させる。二次コイルで発生した高電圧は点火プラグ4に供給される。
点火コイル3は、一次コイルおよび二次コイル(図示せず)を備えており、エンジン制御装置2から入力される点火信号に基づいて一次コイルに一次電流を流すとともに、一次電流を遮断することにより誘導現象によって二次コイルに高電圧を発生させる。二次コイルで発生した高電圧は点火プラグ4に供給される。
(2−4.点火プラグ)
点火プラグ4は、中心電極およびかかる中心電極と狭小ギャップを有するように配置された接地電極(図示せず)を備える。点火コイル3からの高電圧が中心電極へ印加されると、狭小ギャップの空間に火花放電が発生する。
点火プラグ4は、中心電極およびかかる中心電極と狭小ギャップを有するように配置された接地電極(図示せず)を備える。点火コイル3からの高電圧が中心電極へ印加されると、狭小ギャップの空間に火花放電が発生する。
また、点火プラグ4は、高周波生成装置1から高周波(マイクロ波)が供給されると、かかる高周波を燃焼室内に照射するアンテナとして機能する。点火プラグ4から高周波が燃焼室内に照射されると、プラズマの核となる火花放電に高周波が供給されてプラズマ領域が拡大し、燃焼室内の混合気に着火する。
これにより理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気でエンジンを駆動する場合などにおいても、混合気を安定して燃焼させることができる。なお、燃焼室内に高周波を照射するための専用のアンテナを点火プラグ4とは別に設けてもよい。この場合、高周波生成装置1は、専用のアンテナに対して高周波を供給する。
(2−5.高周波生成装置)
高周波生成装置1は、エンジン制御装置2から点火信号および制御信号が入力されると高周波を生成し、点火プラグ4に出力する。高周波生成装置1は高周波生成部11と、異常検出部12とを備える。
高周波生成装置1は、エンジン制御装置2から点火信号および制御信号が入力されると高周波を生成し、点火プラグ4に出力する。高周波生成装置1は高周波生成部11と、異常検出部12とを備える。
(2−5−1.高周波生成部)
高周波生成部11は、エンジン制御装置2から点火信号が入力されると高周波の非出力状態から出力準備状態へ移行する。高周波生成部11は、出力準備状態で制御信号が入力されると、制御信号に基づいた照射条件および照射タイミングで高周波を生成し、点火プラグ4に出力する。
高周波生成部11は、エンジン制御装置2から点火信号が入力されると高周波の非出力状態から出力準備状態へ移行する。高周波生成部11は、出力準備状態で制御信号が入力されると、制御信号に基づいた照射条件および照射タイミングで高周波を生成し、点火プラグ4に出力する。
高周波生成部11は、二次電池装置5から電力の供給を受けて高周波を生成する。ここで、二次電池装置5の説明をしておく。二次電池装置5は、図示しないバッテリやオルタネータ(発電機)を備える。二次電池装置5は、エンジンの回転によってオルタネータで発電した電力をバッテリに蓄電する。また、二次電池装置5は、バッテリに蓄電された電力を高周波生成装置1、エンジン制御装置2、および、点火コイル3に供給する。
(2−5−2.異常検出部)
異常検出部12は、高周波生成装置1に発生した異常を検出する。例えば、高周波生成装置1の二次電池装置5と接続し電力の供給を受ける電源経路にショートや断線が起こると、高周波生成装置1に電力が供給されなくなり、高周波が生成できなくなるおそれがある。また、高周波を生成する例えば高周波生成部11の回路等にショートや断線が起こると、高周波が生成できなくなったり、意図しないタイミングや照射条件で高周波が出力されたりするおそれがある。
異常検出部12は、高周波生成装置1に発生した異常を検出する。例えば、高周波生成装置1の二次電池装置5と接続し電力の供給を受ける電源経路にショートや断線が起こると、高周波生成装置1に電力が供給されなくなり、高周波が生成できなくなるおそれがある。また、高周波を生成する例えば高周波生成部11の回路等にショートや断線が起こると、高周波が生成できなくなったり、意図しないタイミングや照射条件で高周波が出力されたりするおそれがある。
このように、高周波生成装置1に異常が発生すると、高周波が正常に生成されないことで、失火や燃焼室内からの高周波の漏洩といった不具合が生じるおそれがある。
そこで、異常検出部12は、高周波生成装置1に発生した異常を検出する。異常検出部12は、例えば高周波生成部11が制御信号に基づいた照射条件の高周波を生成したか否かを検出することで、異常を検出することができる。異常検出部12は、異常を検出すると、高周波の出力を停止し、エンジン制御装置2に通知する。
なお、異常検出部12による異常検出は上述した例に限定されない。例えば、高周波生成装置1の回路の電圧等を検出することで異常を検出してもよい。
(2−6.エンジン制御装置)
エンジン制御装置2は、点火信号や制御信号を生成し、火花放電やプラズマ生成を制御することで、エンジンの点火を制御する。また、エンジン制御装置2は、エンジンの運転状態や高周波生成装置1の異常の有無に応じてエンジンの回転数を制御する。
エンジン制御装置2は、点火信号や制御信号を生成し、火花放電やプラズマ生成を制御することで、エンジンの点火を制御する。また、エンジン制御装置2は、エンジンの運転状態や高周波生成装置1の異常の有無に応じてエンジンの回転数を制御する。
エンジン制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)および記憶部26などを備えたマイクロコンピュータであり、エンジン制御システム100全体を制御する。エンジン制御装置2は、例えばECU(Electric Control Unit)200(図2参照)に実装される。
エンジン制御装置2は、信号生成部21と、高周波制御部22と、異常取得部23と、着火状態検出部24と、制御部25とを備える。
(2−6−1.信号生成部)
信号生成部21は、点火プラグ4による火花放電を制御する点火信号を生成し、点火コイル3に出力する。点火信号は、点火コイル3の通電時間および点火時期を制御するための信号である。信号生成部21は、エンジンの運転状態に応じて点火信号を生成する。
信号生成部21は、点火プラグ4による火花放電を制御する点火信号を生成し、点火コイル3に出力する。点火信号は、点火コイル3の通電時間および点火時期を制御するための信号である。信号生成部21は、エンジンの運転状態に応じて点火信号を生成する。
(2−6−2.異常取得部)
異常取得部23は、高周波生成装置1が異常を検出した場合に、検出した異常を取得する。異常取得部23は、異常を取得した場合に高周波制御部22および制御部25に通知する。
異常取得部23は、高周波生成装置1が異常を検出した場合に、検出した異常を取得する。異常取得部23は、異常を取得した場合に高周波制御部22および制御部25に通知する。
(2−6−3.高周波制御部)
高周波制御部22は、高周波生成装置1に対し、高周波の出力レベルや照射タイミング等の設定パラメータを含んだ制御信号を出力する。設定パラメータとして、例えば高周波を照射するタイミング、期間、周期、回数等が挙げられる。
高周波制御部22は、高周波生成装置1に対し、高周波の出力レベルや照射タイミング等の設定パラメータを含んだ制御信号を出力する。設定パラメータとして、例えば高周波を照射するタイミング、期間、周期、回数等が挙げられる。
高周波制御部22は、例えばエンジン状態と各設定パラメータとを対応付けた制御信号マップ26aに基づき、制御信号を生成する。制御信号マップ26aは、例えば実験等に基づいて生成され、記憶部26に記憶される。
また、高周波制御部22は、異常取得部23が高周波生成装置1の異常を取得した場合、エンジン状態によらず、高周波を出力しないよう高周波生成装置1を制御する。この場合、高周波制御部22は、例えば高周波の出力レベルをゼロとする制御信号を生成する。
(2−6−4.着火状態検出部)
着火状態検出部24は、クランク角センサ8の検出結果を取得することで、エンジンの着火状態を検出する。シリンダ50(図2参照)内の燃焼が弱く着火状態が悪いほど、ピストン51を押す力が弱くなり、クランクシャフトの回転速度が遅くなる。
着火状態検出部24は、クランク角センサ8の検出結果を取得することで、エンジンの着火状態を検出する。シリンダ50(図2参照)内の燃焼が弱く着火状態が悪いほど、ピストン51を押す力が弱くなり、クランクシャフトの回転速度が遅くなる。
このように、エンジンの着火状態に応じて、クランクシャフトの回転速度、すなわちクランク角センサ8の検出結果が変化する。そこで、着火状態検出部24は、例えばクランク角センサ8の検出結果を着火状態として制御部25に出力する。
(2−6−5.制御部)
制御部25は、エンジンの運転状態や着火状態、高周波生成装置1の異常の有無に応じて、エンジンの回転数制御を行う。制御部25は、高周波生成装置1が正常な場合と、高周波生成装置1に異常が発生した場合とのそれぞれの場合において、エンジンの運転状態等に基づいて回転数制御を行う。
制御部25は、エンジンの運転状態や着火状態、高周波生成装置1の異常の有無に応じて、エンジンの回転数制御を行う。制御部25は、高周波生成装置1が正常な場合と、高周波生成装置1に異常が発生した場合とのそれぞれの場合において、エンジンの運転状態等に基づいて回転数制御を行う。
具体的には、例えば高周波生成装置1の正常時は、エンジンの運転状態と稼働している電気負荷(例えばエアコン等)と、目標回転数とを対応付けたマップを用いて回転数制御を行う。また、例えば高周波生成装置1の異常時は、エンジンの着火状態と目標回転数とを対応付けたマップを用いて回転数制御を行う。
なお、以下、高周波生成装置1が正常な場合に回転数制御に用いるマップを正常時マップ26bと称し、高周波生成装置1に異常が発生した場合に回転数制御に用いるマップを異常時マップ26cと称する。これらのマップは、例えば実験等に基づいて生成され、記憶部26に記憶される。
制御部25は、回転数決定部251と、スロットル制御部252と、燃料調整部253と、を備える。
(回転数決定部)
回転数決定部251は、エンジンの運転状態や着火状態、高周波生成装置1が正常か否か等に応じて目標回転数を決定する。
回転数決定部251は、エンジンの運転状態や着火状態、高周波生成装置1が正常か否か等に応じて目標回転数を決定する。
例えば、回転数決定部251は、高周波生成装置1が正常である場合、一定の周期で、エンジンの運転状態に基づき、正常時マップ26bを参照して目標回転数を決定する。以下、エンジンの運転状態がアイドル状態であるとして説明する。
エンジンの運転状態がアイドル状態である場合、回転数決定部251は、稼働中の電気負荷に応じて目標回転数を決定する。また、回転数決定部251は、エンジンがエンストしない程度の例えば650rpm程度の低い回転数になるよう目標回転数を決定する。
なお、高周波生成装置1がシリンダ50内に高周波を照射することで、点火エネルギーを増加させ、シリンダ50内が着火しにくい状態でも混合気に着火することができる。そのため、回転数決定部251は、高周波を照射する場合の目標回転数を照射しない場合よりも低い回転数に決定する。これにより、アイドル時の燃費を低減することができる。
次に、回転数決定部251は、異常取得部23が高周波生成装置1の異常を取得した場合は、異常時マップ26cと着火状態検出部24が検出したエンジンの着火状態に基づいて目標回転数を決定する。
ここで、回転数決定部251は、異常時の回転数が正常時より増加するように目標回転数を決定する。これは、高周波生成装置1に異常が発生した場合、高周波を照射することができなくなり、点火エネルギーが減少してしまうためである。
そこで、回転数決定部251は、高周波生成装置1に異常が発生した場合、エンジンの回転数を増加させる。これにより、混合気が着火しやすくなり、低い点火エネルギーでも混合気に着火でき、失火を抑制することができる。かかる点については、図4および図5を用いて後述する。
また、上述したように、回転数決定部251は、高周波生成装置1に異常が発生した場合の目標回転数を、高周波を照射せずに点火した場合、すなわち異常発生後のエンジンの着火状態に応じて決定する。これは、エンジンの着火状態が、エンジンの個体差、経年劣化等によって変化することがあるためである。したがって、同一のエンジン回転数で混合気に着火したとしても、車両やエンジンの使用期間等によって着火状態が異なる場合がある。そのため、アイドル状態において高周波が照射できなくなった場合に、失火を抑制するために必要な回転数は、車両等、すなわち着火状態によって異なることがある。
そこで、回転数決定部251は、高周波生成装置1に異常が発生し、高周波を照射できなくなった際のエンジンの着火状態を着火状態検出部24から取得し、取得した着火状態に応じて目標回転数を決定する。
回転数決定部251は、異常時マップ26cに基づき、異常発生後の回転数が高周波の照射がなくてもエンストしない程度の最低限の回転数になるよう目標回転数を決定する。例えばエンジンの着火状態が「失火」である場合の目標回転数が最も高く、エンジンの着火状態が「完全着火」に近いほど目標回転数が低くなる。なお、エンジンの着火状態が「完全着火」である場合は、異常発生後の目標回転数を異常発生前の目標回転数と同じとしてもよい。
また、回転数決定部251は、異常発生後は一定の周期で、稼働している電気負荷等に基づいて異常時マップ26cを参照して目標回転数を決定する。
このように、回転数決定部251がエンジンの着火状態に応じて異常発生後の目標回転数を決定することで、エンジンの回転数を抑えつつ失火を抑制することができる。これにより、燃費の上昇を抑制することができる。
なお、ここでは回転数決定部251が正常時マップ26bおよび異常時マップ26cに基づいて目標回転数を決定するとしたが、これに限定されない。回転数決定部251が例えばテーブルや関数などを用いて目標回転数を決定してもよい。
(スロットル制御部)
スロットル制御部252は、回転数決定部251が決定した目標回転数に基づいてスロットル6の開度を制御する。スロットル制御部252は、目標回転数が現在のエンジン回転数より大きい場合、スロットル6の開度を大きくし回転数を増加させる。
スロットル制御部252は、回転数決定部251が決定した目標回転数に基づいてスロットル6の開度を制御する。スロットル制御部252は、目標回転数が現在のエンジン回転数より大きい場合、スロットル6の開度を大きくし回転数を増加させる。
また、スロットル制御部252は、目標回転数が現在のエンジン回転数より小さい場合、スロットル6の開度を小さくし回転数を減少させる。スロットル制御部252は、目標回転数と現在のエンジン回転数が同じである場合は現在のスロットル6の開度を維持する。
(燃料調整部)
燃料調整部253は、スロットル6の開度および空燃比に基づいて噴射する燃料の量を調整する。例えば、燃料調整部253は、スロットル6の開度が大きくなり、吸入空気量が増加すると、空燃比を一定に保つため、インジェクタ7から噴射する燃料の噴射量を増加させる。
燃料調整部253は、スロットル6の開度および空燃比に基づいて噴射する燃料の量を調整する。例えば、燃料調整部253は、スロットル6の開度が大きくなり、吸入空気量が増加すると、空燃比を一定に保つため、インジェクタ7から噴射する燃料の噴射量を増加させる。
また、高周波生成装置1に異常が発生し高周波を照射できなくなった場合に、燃料調整部253が、スロットル6の開度によらず燃料の噴射量を増加させるようにしてもよい。燃料を増加させることで、エンジンの出力トルクが増加し、エンジンの失火を抑制することができる。
続いて、図4および図5を用いて、回転数決定部251が決定する目標回転数の一例について説明する。まず図4を用いて高周波生成装置1に異常が発生しても目標回転数を変更しない場合について説明し、次に図5を用いて目標回転数を変更する場合について説明する。なお、図4および図5は、回転数決定部251が決定する目標回転数の一例について説明する図である。
図4(c)に示すように、回転数決定部251は、高周波生成装置1に異常が発生する前の目標回転数を、エンジンの運転状態(ここではアイドル状態)に基づいてR1に決定する。決定した目標回転数R1に基づいてスロットル制御部252がスロットル6の開度を制御することで、図4に示すようにエンジンの回転数はR1になる。なお、図4(c)では、目標回転数を点線で、エンジンの実回転数を実線で示している。
また、図4(b)に示すように高周波生成装置1がエンジンの点火タイミングに応じて高周波を照射する。これにより、シリンダ50内(図2参照)でプラズマを発生させることができ、目標回転数R1を例えば620rpm程度に低くすることができるため、燃費を向上させることができる。
ここで、図4(a)に示すように、時刻t1で高周波生成装置1に異常が発生し、時刻t1以降で高周波が生成できなくなったとする。この場合、図4(c)に示すように回転数決定部251が目標回転数をR1のままとすると、高周波によって点火エネルギーを増加させることができず、エンジンが失火してしまうことで、時刻t2にはエンジンの回転数が0rpmになりエンストを起こしてしまう。
そこで、本実施形態の回転数決定部251は、図5(c)に示すように時刻t1で高周波生成装置1に異常が発生すると、目標回転数をR1からR2に増加させる(R1<R2)。なお、図5(c)では、目標回転数を点線で、実際のエンジンの回転数を実線で示している。
決定した目標回転数R2に基づいてスロットル制御部252がスロットル6の開度を制御することで、図5(c)に示すようにエンジンの回転数がR2に増加する。エンジンの回転数が増加することで混合気が着火しやすくなる。そのため、高周波が照射されず点火エネルギーを増加させることができない場合であっても失火を抑制し、エンストの発生を抑制することができる。
(2−6−6.記憶部)
図3に戻る。記憶部26は、例えば高周波制御部22が制御信号の生成に用いる制御信号マップ26aや、回転数決定部251が目標回転数の決定に用いる正常時マップ26b、異常時マップ26cなど、エンジン制御装置2の各部の処理に用いる情報を記憶する。また、記憶部26は、回転数決定部251が決定した目標回転数など、エンジン制御装置2の各部の処理結果を記憶する。
図3に戻る。記憶部26は、例えば高周波制御部22が制御信号の生成に用いる制御信号マップ26aや、回転数決定部251が目標回転数の決定に用いる正常時マップ26b、異常時マップ26cなど、エンジン制御装置2の各部の処理に用いる情報を記憶する。また、記憶部26は、回転数決定部251が決定した目標回転数など、エンジン制御装置2の各部の処理結果を記憶する。
記憶部26は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置で構成される。
(3.回転数制御処理)
次に、実施形態に係るエンジン制御装置2が実行する回転数制御の処理手順について図6を用いて説明する。図6は、実施形態に係る回転数制御処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、高周波生成装置1に異常が発生した場合の回転数制御処理について説明する。エンジン制御装置2は、一定周期で図6に示す回転数制御処理を実行する。
次に、実施形態に係るエンジン制御装置2が実行する回転数制御の処理手順について図6を用いて説明する。図6は、実施形態に係る回転数制御処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、高周波生成装置1に異常が発生した場合の回転数制御処理について説明する。エンジン制御装置2は、一定周期で図6に示す回転数制御処理を実行する。
まず、エンジン制御装置2は、高周波生成装置1の異常を取得したか否かを判定する(ステップS101)。高周波生成装置1の異常を取得していない場合(ステップS101;No)、エンジン制御装置2は処理を終了する。
一方、高周波生成装置1の異常を取得した場合(ステップS101;Yes)、エンジン制御装置2は、エンジンの着火状態を検出する(ステップS102)。エンジン制御装置2は、検出した着火状態に基づいて目標回転数を決定する(ステップS103)。
エンジン制御装置2は、決定した目標回転数に基づいてスロットル6を制御し(ステップS104)、燃料の噴射量を調整する(ステップS105)。
なお、ステップS104およびステップS105の処理は、順番を入れ替えてもよく、同時に行ってもよい。
以上のように、実施形態に係るエンジン制御装置2は、高周波生成装置1に異常が発生した場合に、正常な場合よりもエンジンの回転数を上昇させる。これにより、エンジンの失火を抑制することができる。
(4.変形例)
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施形態および以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施形態および以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
(4−1.変形例1)
上述した実施形態では、高周波生成装置1に異常が発生した場合に、エンジン制御装置2の回転数決定部251が目標回転数をR1からR2に上昇させる(図5参照)としたが、これに限定されない。
上述した実施形態では、高周波生成装置1に異常が発生した場合に、エンジン制御装置2の回転数決定部251が目標回転数をR1からR2に上昇させる(図5参照)としたが、これに限定されない。
例えば、回転数決定部251が、エンジンの着火状態が目標着火状態になるまで異常時の目標回転数を徐々に上昇させるようにしてもよい。かかる点について、図7および図8を用いて説明する。
図7は、回転数決定部251が決定する目標回転数の一例について説明する図である。図7に示すように、時刻t1で高周波生成装置1に異常が発生すると、回転数決定部251は、目標回転数を例えば階段状に徐々に上昇させる。なお、図7(b)の点線は目標回転数を示し、実線はエンジンの実回転数を示している。
図7(b)に示すように、回転数決定部251が目標回転数を徐々に上昇させると、エンジンの回転数も上昇する。回転数決定部251は、時刻t3で着火状態検出部24が検出する着火状態が目標着火状態になった場合、目標回転数の上昇を停止し、時刻t3における目標回転数R3を維持する。
ここで、目標着火状態は、エンジンの運転状態に応じた着火状態であればよく、必ずしも混合気が完全に燃焼する「完全着火」でなくてもよい。例えば、エンジンの運転状態がアイドル状態であれば、エンストしない程度の着火状態であればよく、着火状態が混合気の一部が燃焼する「一部着火」でもよい。
続いて、変形例1に係るエンジン制御装置2が実行する回転数制御の処理手順について図8を用いて説明する。図8は、変形例1に係る回転数制御処理を示すフローチャートである。なお、図6に示す回転数制御処理と同じ処理については、同一符号を付し説明を省略する。
エンジン制御装置2は、ステップS102で着火状態を検出すると、検出した着火状態が目標着火状態であるか否かを判定する(ステップS201)。検出した着火状態が目標着火状態である場合(ステップS201;Yes)、エンジン制御装置2は処理を終了する。
検出した着火状態が目標着火状態でない場合(ステップS201;No)、エンジン制御装置2は目標回転数を上昇させる(ステップS202)。エンジン制御装置2は、上昇させた目標回転数に応じて、スロットル6の制御、燃料噴射量の調整を行って回転数を制御し(ステップS203)、ステップS102に戻る。
以上のように、変形例1に係るエンジン制御装置2は、高周波生成装置1に異常が発生した場合、エンジンが目標着火状態になるまで目標回転数を徐々に上昇させる。これにより、エンジンの失火を抑制しつつ、回転数を低く抑えることができ、燃費を向上させることができる。
(4−2.変形例2)
なお、高周波生成装置1に異常が発生した場合の回転数の制御方法は、上述した実施形態および変形例1の方法に限定されない。例えば、回転数決定部251が、目標回転数を上昇させた後、エンジンの着火状態が目標着火状態になるまで目標回転数を徐々に下げるようにしてもよい。かかる点について、図9および図10を用いて説明する。
なお、高周波生成装置1に異常が発生した場合の回転数の制御方法は、上述した実施形態および変形例1の方法に限定されない。例えば、回転数決定部251が、目標回転数を上昇させた後、エンジンの着火状態が目標着火状態になるまで目標回転数を徐々に下げるようにしてもよい。かかる点について、図9および図10を用いて説明する。
図9は、回転数決定部251が決定する目標回転数の一例について説明する図である。図9に示すように、時刻t1で高周波生成装置1に異常が発生すると、回転数決定部251は、例えばエンジンの着火状態が「完全着火」になるほど目標回転数をR1からR4に大きく上昇させる。
その後、回転数決定部251は、例えばエンジンの回転数がR4になった時刻t4から目標回転数を階段状に徐々に下降させる。目標回転数が徐々に下降すると、エンジンの回転数も下降する。時刻t5で着火状態検出部24が検出する着火状態が目標着火状態になった場合、回転数決定部251は、目標回転数の下降を停止し、時刻t5における目標回転数R5を維持する。なお、図9(b)の点線は目標回転数を示し、実線はエンジンの実回転数を示している。
続いて、変形例2に係るエンジン制御装置2が実行する回転数制御の処理手順について図10を用いて説明する。図10は、変形例2に係る回転数制御処理を示すフローチャートである。なお、図6に示す回転数制御処理と同じ処理については、同一符号を付し説明を省略する。
エンジン制御装置2は、高周波生成装置1の異常を取得すると(ステップS101;Yes)、目標回転数を上昇させる(ステップS301)。エンジン制御装置2は、上昇させた目標回転数に応じて、スロットル6の制御、燃料噴射量の調整を行って回転数を制御する(ステップS302)。
エンジン制御装置2は、着火状態を検出し(ステップS303)、検出した着火状態が目標着火状態であるか否かを判定する(ステップS304)。検出した着火状態が目標着火状態である場合(ステップS304;Yes)、エンジン制御装置2は処理を終了する。
検出した着火状態が目標着火状態でない場合(ステップS304;No)、エンジン制御装置2は目標回転数を低減し(ステップS305)、ステップS302に戻る。
以上のように、変形例2に係るエンジン制御装置2は、高周波生成装置1に異常が発生した場合、まず目標回転数を大きく上昇させることで、異常発生直後のエンジンの失火を抑制することができる。また、エンジン制御装置2は、目標回転数を上昇させた後、目標着火状態になるまで下降させる。これにより、エンジンの回転数を低く抑えることができ、燃費を向上させることができる。
(4−3.変形例3)
上述した実施形態および変形例1、2では、エンジンが1気筒である場合、すなわちシリンダ50が1つであるとして説明したが、これに限定されない。例えばエンジンが複数の気筒(シリンダ)を有していてもよい。以下、エンジンが2つの気筒を有する場合について説明する。
上述した実施形態および変形例1、2では、エンジンが1気筒である場合、すなわちシリンダ50が1つであるとして説明したが、これに限定されない。例えばエンジンが複数の気筒(シリンダ)を有していてもよい。以下、エンジンが2つの気筒を有する場合について説明する。
図11は、変形例3に係るエンジン制御システム100aの構成を示すブロック図である。なお、図3に示すエンジン制御システム100と同じ構成には同一符号を付し、説明を省略する。
エンジン制御システム100aは、2つの気筒ごとにそれぞれ点火コイル3a、3b、点火プラグ4a、4bを備える。また、エンジン制御システム100aは、気筒ごとに高周波を生成する高周波生成装置1a、1bを備える。高周波生成装置1a、1bの高周波生成部11は、点火プラグ4a、4bにそれぞれ高周波を出力する。なお、高周波生成装置1a、1bを高周波生成システム10aとして、例えば1つの集積回路に実装してもよい。
エンジン制御装置2aの信号生成部21aは、気筒ごとに点火信号を生成し、点火コイル3a、3b、高周波生成装置1a、1bにそれぞれ出力する。また、高周波制御部22aは、高周波生成装置1a、1bごとにそれぞれ制御信号を生成し出力する。
ここで、高周波生成装置1a、1bの少なくとも1つに異常が発生し、高周波が生成できなくなった場合について説明する。ここでは、説明を簡略化するために、高周波生成装置1aに異常が発生したものとする。
この場合、高周波制御部22aは、異常が発生していない高周波生成装置1bを含め、全ての高周波生成装置1a、1bが高周波を生成しないように制御する。例えば、高周波制御部22aは、高周波の出力レベルをゼロにする制御信号を生成し、高周波生成装置1a、1bに出力する。
高周波生成装置1aに異常が発生すると、エンジン制御装置2aは、全ての気筒に対して回転数を上昇させる。そのため、異常が発生していない高周波生成装置1bが高周波を照射してプラズマを発生させると、プラズマが発生しない気筒と発生する気筒とで点火エネルギーの大きさが異なってしまう。そのため、気筒ごとの出力トルクが変動し、エンジンが振動してしまう。
そこで、本変形例では、高周波生成装置1aに異常が発生した場合、高周波生成装置1aに加え、異常が発生していない高周波生成装置1bでの高周波の生成も停止する。これにより、各気筒の点火エネルギーの差を小さくすることができ、エンジンの振動を抑制することができる。
(4−4.その他の変形例)
上述した実施形態および変形例では、異常取得部23が高周波生成装置1の異常を取得してから回転数決定部251が目標回転数を上昇させるとしたが、これに限定されない。例えば、回転数決定部251が、高周波生成装置1が正常な場合に予め異常が発生した場合の目標回転数を決定しておいてもよい。
上述した実施形態および変形例では、異常取得部23が高周波生成装置1の異常を取得してから回転数決定部251が目標回転数を上昇させるとしたが、これに限定されない。例えば、回転数決定部251が、高周波生成装置1が正常な場合に予め異常が発生した場合の目標回転数を決定しておいてもよい。
この場合、回転数決定部251は、例えば、一定の周期で電気負荷等に基づいて高周波生成装置1の正常時の目標回転数を決定するとともに高周波生成装置1の正常時の着火状態に応じて高周波生成装置1の異常時の目標回転数を決定する。
このように、高周波生成装置1が正常な場合に予め異常時の目標回転数を決定しておくことで、高周波生成装置1の異常発生直後からエンジンの失火を抑制することができる。
また、上述した実施形態および変形例では、高周波生成装置1およびエンジン制御装置2をそれぞれ別の構成としたが、これに限定されない。例えば高周波生成装置1およびエンジン制御装置2を1つのエンジン制御システムとしてECU200(図2参照)に実装してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 高周波生成装置
2 エンジン制御装置
3 点火コイル
4 点火プラグ
21 信号生成部
22 高周波制御部
23 異常取得部
24 着火状態検出部
25 制御部
251 回転数決定部
252 スロットル制御部
253 燃料調整部
26 記憶部
2 エンジン制御装置
3 点火コイル
4 点火プラグ
21 信号生成部
22 高周波制御部
23 異常取得部
24 着火状態検出部
25 制御部
251 回転数決定部
252 スロットル制御部
253 燃料調整部
26 記憶部
Claims (8)
- 内燃機関に設けられた点火プラグの火花放電に応じてプラズマを発生させるために高周波を生成する高周波生成装置を制御する高周波制御部と、
前記高周波生成装置に異常が発生した場合に、前記内燃機関の回転数を正常な場合よりも上昇させる回転数決定部と、
を備えることを特徴とする内燃機関制御装置。 - 前記回転数決定部は、
前記内燃機関がアイドル状態である場合において、前記高周波生成装置に前記異常が発生すると、前記回転数を上昇させること
を特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。 - 前記回転数決定部は、
前記高周波生成装置に前記異常が発生した場合に、前記内燃機関の着火状態に応じた目標回転数となるように前記回転数を上昇させること
を特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関制御装置。 - 前記回転数決定部は、
前記高周波生成装置に前記異常が発生した場合に、前記回転数を目標回転数まで上昇させた後、前記内燃機関が目標着火状態になるまで前記回転数を下げること
を特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関制御装置。 - 前記回転数決定部は、
前記高周波生成装置に前記異常が発生した場合に、前記内燃機関が目標着火状態になるまで前記回転数を徐々に上昇させること
を特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関制御装置。 - 前記高周波生成装置に前記異常が発生した場合に、前記内燃機関に供給する燃料を正常な場合よりも増加させる燃料調整部をさらに備えること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置。 - 前記高周波制御部は、
前記内燃機関の複数の気筒ごとにそれぞれ前記高周波を生成する複数の前記高周波生成装置の少なくとも1つで前記異常が発生した場合に、複数の前記高周波生成装置全てに対して高周波を生成しないよう制御すること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置。 - 内燃機関に設けられた点火プラグの火花放電に応じてプラズマを発生させる高周波を生成する高周波生成装置と、
前記高周波生成装置を制御する高周波制御部、および、前記高周波生成装置に異常が発生した場合に前記内燃機関の回転数を正常な場合よりも上昇させる回転数決定部、を有する内燃機関制御装置と、
を備えることを特徴とする内燃機関制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016223558A JP2018080644A (ja) | 2016-11-16 | 2016-11-16 | 内燃機関制御装置および内燃機関制御システム |
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Family Applications (1)
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JP2016223558A Pending JP2018080644A (ja) | 2016-11-16 | 2016-11-16 | 内燃機関制御装置および内燃機関制御システム |
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