JP2018079844A - 車体フレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】車体フレームの重量を増加させることなく耐荷重を増加させることが可能な車体フレームを提供すること。【解決手段】複数の一般面により形成される多角形の閉断面空間を有する車体フレーム100は、複数の一般面のうち、車体フレームに荷重が作用することにより変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する補強部200を備える。補強部には、圧縮側になる一般面における一方の角稜部210から他方の角稜部220までの一般面長さLの方向に沿って、当該一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部S2、当該一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部S1が凹部および凸部の曲率半径に基づいて設定された配置間隔Pに従って交互に形成されている。凹部および凸部の数は、関数INT(一般面長さ/配置間隔)に基づき決定され、補強部には、関数INTにより決定された数の凹部および凸部が少なくとも形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は車体フレームに関する。
車体フレームに作用する曲げ応力または軸圧縮力に対して、目標とする耐荷重が得られない場合、車体フレームを構成する部材の板厚を厚くしたり、パッチ(補強材)の追加、レイアウト上可能な場合は車体フレームの断面を大型化したり、より高い強度の材質のフレーム部材にグレードアップするなどの補強対策が行われる。
例えば、特許文献1には、追加パッチにより車両のドア構造におけるフレーム剛性を向上させる構成が開示されている。また、特許文献2には、補強用パッチでピラー構造を補強する構成が開示されている。
特開2008−168707号公報 特開2005−119354号公報
しかしながら、従来技術における追加パッチ等による補強対策では、耐荷重を増加させるためには車体フレームの重量が増加し得る。
本発明の目的は、従来技術における課題に鑑み、車体フレームの重量を増加させることなく耐荷重を増加させることが可能な車体フレームを提供することにある。
本発明の一つの側面に係る車体フレームは、複数の一般面により形成される多角形の閉断面空間を有する車体フレームであって、
前記複数の一般面のうち、前記車体フレームに荷重が作用することにより変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する補強部を備え、
前記補強部には、
前記圧縮側になる一般面における一方の角稜部から他方の角稜部までの一般面長さの方向に沿って、当該一般面から前記閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部と、当該一般面から前記閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部とが、前記凹部および前記凸部の曲率半径に基づいて設定された配置間隔に従って交互に形成され、
前記凹部および凸部の数は、
関数INT(前記一般面長さ/前記配置間隔)に基づき、当該一般面長さを前記配置間隔で除算した除算結果の値よりも小さく、当該除算結果の値を超えない最大の整数に基づき決定され、
前記補強部には、前記関数INTにより決定された数の前記凹部および凸部が少なくとも形成されていることを特徴する。
本発明によれば、車体フレームの重量を増加させることなく耐荷重を増加させることが可能な車体フレームを提供することが可能になる。また、本発明によれば、部品点数を増やしたり、フレーム部材のグレードアップなどの補強対策を行わなくても、耐荷重を増加させることが可能になるため、コスト低減を図ることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る車体フレームの概略構成を示す図。 車体フレームの閉断面形状を例示する図。 補強部における凹部および凸部の形状の変形例を示す図。 3点曲げ試験の概要を説明する図。 車体フレームに対して3点曲げによる負荷をかけた場合における曲げ荷重と変形の関係(荷重―変形特性)を示す図。 補強部の凹凸部における応力状態を模式的に示す図。 車体フレームの閉断面形状のバリエーションを示す図。 3点曲げによる曲げ荷重と変形の関係を示す図。 凹凸部の曲率半径の比較例を説明する図。 凹凸部の曲率半径を変えた車体フレームに対する3点曲げによる曲げ荷重と変形の関係を示す図。 凹凸部の曲率半径の比較例として、3点曲げによる負荷をかけた場合における車体フレームの閉断面形状の変形を例示的に示す図。 座屈試験の概要を示す図。 車体フレームの閉断面形状のバリエーションを示す図。 圧縮荷重と車体フレームの変形の関係を示す図。 (A)は、車体構造の概略を示す図であり、(B)は、(A)のA部を拡大した図。 車体前部におけるフロントピラーに補強部が形成された状態を例示する図。
図1は本発明の一実施形態に係る車体フレーム100の概略構成を示す図であり、図2は、車体フレーム100の閉断面形状(閉断面空間)を例示する図である。車体フレーム100は、複数の一般面105により形成される多角形の閉断面空間を有する。図1、2に示す車体フレーム100の例では、矩形状の閉断面空間を形成する例を示しているが、この例に限定されるものではない。車体フレーム100は、複数の一般面105のうち、車体フレーム100に荷重が作用することにより変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する補強部200を備える。補強部200は、車体フレーム100に曲げ荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強することが可能である。この曲げ変形に対する補強部200の補強効果については、図4〜図11で説明する。あるいは、補強部200は、車体フレーム100に、当該車体フレーム100の長手方向に沿った軸方向から圧縮荷重が作用することにより座屈変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強することが可能である。この座屈変形に対する補強部200の補強効果については、図12〜図14で説明する。
図2に示す車体フレーム100の閉断面形状(閉断面空間)において、車体フレーム100の高さはHであり、横幅はL(一般面長さ)である。補強部200は、4つの一般面105のうち、車体フレーム100に荷重(FB)が作用することにより変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する。補強部200には、圧縮側になる一般面における一方の角稜部210から他方の角稜部220までの一般面長さLの方向に沿って、当該一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部S2と、当該一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部S1とが、凹部S2および凸部S1の曲率半径に基づいて設定された配置間隔Pに従って交互に形成されている。
凹部および凸部の数Nは、以下の(1)式に基づいて決定することができる。関数INTは、一般面長さLを配置間隔P(ピッチ)で除算した除算結果の値よりも小さく、当該除算結果の値を超えない最大の整数(integer)を出力する関数である。以下の(1)式に示す関数INTにおいて、Lは一般面長さであり、Pは凹凸部の配置間隔(ピッチ)である。
N=関数INT(L/P)・・・・(1)
補強部200には、関数INTにより決定された数の凹部および凸部が少なくとも形成されている。例えば、一般面長さL=70mm、配置間隔P(ピッチ)=12mmである場合、N=5となる。この場合、一般面には、少なくとも5個(以上)の凹凸部が補強部200に形成されることになる。車体フレーム100の補強部200には、関数INTにより決定された、少なくともN個(N個以上)の凹凸部が形成されている。図2において、凹部S2および凸部S1は、曲率半径Rを有しており、凹部S2と凸部S1とが、配置間隔P(ピッチ)に基づいて交互に波形形状に形成されている。配置間隔P(ピッチ)は、曲率半径×4で設定される。例えば、曲率半径R=3mmの場合、凹凸部の配置間隔Pは、3mm×4=12mmとなる。凹部S2および凸部S1は、配置間隔P(ピッチ)により交互に形成された波形形状として、補強部200に形成されている。
図3は、補強部200における凹部S2および凸部S1の形状の変形例を示す図である。図3(A)では、一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された台形状の凸部と、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された台形状の凹部と、が示されている。また、図3(B)では、一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された三角形状の凸部と、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された三角形状の凹部と、が示されている。このように構成された凹凸部により補強部200を構成することも可能である。
次に、補強部200が形成された車体フレーム100に3点曲げによる曲げ荷重をかけた場合の効果について説明する。図4は3点曲げ試験の概要を説明する図である。車体フレーム100の長手方向(軸方向)の長さはLA(=1000mm)であり、車体フレーム100は支持部410、420により両端が支持されている。支持部410、420間の支持部間距離をLB(=900mm)とする。車体フレーム100の軸方向の長さLAの中央部に負荷430(曲げ荷重)が作用する。補強部200は車体フレーム100の軸方向長さの中央部に形成されており、補強部200の軸方向の長さはLC(=400mm)である。車体フレーム100の閉断面は、一辺の長さL1(=70mm)×L1(=70mm)の正方形断面とする。車体フレーム100の板厚はT1=1.2mmとする。凹凸部の曲率半径はR=2mmとする。
(凹凸部の数の比較)
図5は車体フレーム100に対して3点曲げによる曲げ荷重をかけた場合における曲げ荷重(Force)と変形(Stroke)の関係(荷重―変形特性)を示す図である。図5において、波形510は、一般面に7個の凹凸部を設けた場合の曲げ荷重と変形の関係を示している。波形520は、一般面に4個の凹凸部を設けた場合の曲げ荷重と変形の関係を示している。波形530は、一般面に凹凸部を設けていない場合の曲げ荷重と変形の関係を示している。この場合は、車体フレーム100に補強部200が形成されていない場合における曲げ荷重と変形の関係となる。また、波形540は、一般面に2個の凹凸部を設けた場合の曲げ荷重と変形の関係を示している。波形510、520、540において、凹凸部の曲率半径はR=2mmで共通である。
図5に示すように、変形ST1の近傍で各波形の曲げ荷重はピークとなる。一般面に7個の凹凸部を設けた場合の波形510は、変形ST1でピーク荷重FB5.5(FB5とFB6の中間)となり、各波形の中で最も高い曲げ荷重となる。一般面に4個の凹凸部を設けた場合の波形520、および2個の凹凸部を設けた場合の波形540においても、凹凸部を設けていない場合の波形530に比べて、曲げ荷重のピークは大きくなり補強部200の効果は認められるが、凹凸部の数が多いほど、曲げ荷重のピークは高くなり補強部200の効果が顕著になる。
追加パッチ等の補強対策では車体フレームの重量は増加するが、本実施形態の車体フレームにおける補強部200の補強効果により車体フレームの重量を増加させることなく、曲げ荷重に対する耐荷重を高くすることができる。荷重―変形特性を示す波形により囲まれる部分の面積は、曲げ荷重が作用して変形が生じることにより、補強部200の凹凸部に吸収される曲げエネルギである。曲げに対する耐荷重(曲げ荷重が作用する際のピーク荷重)を高くしたい場合、エネルギ吸収量を多くしたい場合は、補強部200の凹凸部を多くしたほうが、より効果的である。
図6は、曲げ荷重ピーク付近における補強部200の凹凸部における応力状態を模式的に示す図である。凸部の上面側に作用する応力(上面応力)は圧縮応力であり、凹部の下面側に作用する応力(下面応力)は引張応力である。凹凸部によるエネルギ吸収量は、凹凸部が形成されていない場合に比べて約2倍になる。更に、補強部200の凹凸部の全域(長さLC)にわたり図6に示すような応力状態を維持することができる。そのため、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部と、一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部とを、交互に複数個配置した補強部200を車体フレームに形成することにより、車体フレームの重量を増加させることなく、曲げに対する耐荷重(曲げ荷重が作用する際のピーク荷重)を効率的に高くすることができる。
(閉断面形状の比較)
3点曲げ試験における閉断面形状の比較例として、図7は、車体フレーム100の閉断面形状のバリエーションを示す図である。図7(A)は、本実施形態の車体フレーム100における補強部200の閉断面形状を例示する図である。図7(A)の閉断面形状において、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部と、一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部とが交互に、一般面(稜線)700の位置に対して上下対称に形成されている。凹凸部の曲率半径の例としてR=2mmとしている。
図7(B)は、比較例として、凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状を示している。図7(B)では、フラットな閉断面形状として、4つの面の板厚が板厚T1(=1.2mm)で形成された閉断面形状(図7(B)の(2))と、閉断面形状の上面720が板厚T2(=1.8mm)で形成され、他の3つの面の板厚が板厚T1(=1.2mm)で形成された閉断面形状(図7(B)の(3))と、を示している。
図7(C)は、比較例として、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部が、一般面(稜線)730の位置に対して下側に形成された閉断面形状を示している。図7(C)の閉断面形状は、一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部が形成されていない点、および、凹部には曲率半径が形成されていない点で、図7(A)に示す閉断面形状と相違する。
図8は、図7に示した閉断面形状の車体フレーム100に対する3点曲げによる曲げ荷重と変形の関係(荷重―変形特性)を示す図である。図8において、波形810は、図7(A)の閉断面形状における曲げ荷重と変形の関係を示している。波形820は、図7(B)(2)の閉断面形状における曲げ荷重と変形の関係を示し、波形830は、図7(B)(3)の閉断面形状における曲げ荷重と変形の関係を示している。また、波形840は、図7(C)の閉断面形状における曲げ荷重と変形の関係を示している。
図8に示すように、変形ST1の近傍で各波形の曲げ荷重はピークとなる。波形810は、変形ST1でピーク荷重FB5.5(FB5とFB6の中間)となり、各波形の中で最も高い曲げ荷重となる。変形ST1から変形ST5の間において、波形810は、他の波形(波形820〜波形840)に比べて高い荷重―変形特性の分布を示し、図7(A)に示すように、本実施形態の補強部200が形成された閉断面構造は、図7(B)の(2)、(3)、図7(C)に示す閉断面構造に比べて、曲げ荷重に対する車体フレーム100の耐荷重を増加させるとともに、曲げ荷重によるエネルギ吸収量を増加させることを可能にする。
(凹凸部の曲率半径の比較)
次に、凹凸部の曲率半径の比較例として、曲率半径を変えた車体フレームに対して、3点曲げによる負荷をかけた場合における曲げ荷重と変形の関係(荷重―変形特性)の変化を説明する。
図9は、凹凸部の曲率半径の比較例を説明する図であり、図9(A)は、補強部200における凹凸部を示す。複数の一般面により形成される多角形の閉断面空間を有する車体フレームにおいて、一面のみに補強部200の構成を適用する。補強部200は、車体フレーム100に曲げ荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する。
図9(B)に示すように、圧縮側になる一般面における一方の角稜部911から他方の角稜部922までの一般面長さLの方向に沿って、当該一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部S2と、当該一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部S1とが、凹部S2および凸部S1の曲率半径に基づいて設定された配置間隔Pに従って交互に複数個形成されている(図9(A))。図9(A)において、一般面の板厚をTとし、凹凸部の曲率半径をRとし、凸部の上面と凹部の下面との間の凹凸部高さをA(=2R)として示している。凸部S1および凹部S2の数Nは、一般面長さLと配置間隔Pとを、(1)式の関数INTに適用することで決定することができる。
図10は、図9に示した補強部200の凹凸部の曲率半径を変えた車体フレーム100に対する3点曲げによる曲げ荷重と変形の関係(荷重―変形特性)を示す図である。図10において、波形1010は、凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合の車体フレームにおける曲げ荷重と変形の関係を示している。波形1020は、凹凸部の曲率半径をR=8mmとした場合の車体フレームにおける曲げ荷重と変形の関係を示している。波形1030は、凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状で板厚T1(=1.2mm)の車体フレームにおける曲げ荷重と変形の関係を示している。
また、波形1040は、凹凸部の曲率半径をR=4mmとした場合の車体フレームにおける曲げ荷重と変形の関係を示している。波形1050は、凹凸部の曲率半径をR=6mmとした場合の車体フレームにおける曲げ荷重と変形の関係を示している。波形1060は、凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状であり、上面が板厚T2(=1.8mm)で形成され、他の3つの面の板厚が板厚T1(=1.2mm)で形成された閉断面形状の車体フレームにおける曲げ荷重と変形の関係を示している。
図10において、荷重―変形特性を比較すると、曲率半径の変化によってピーク荷重に有意な差は現れないが、曲率半径を大きくすると、同じ曲げ荷重を加えた場合の変形が大きくなる傾向が表れる。例えば、FB5.5(FB5とFB6の中間)(kN)の曲げ荷重を車体フレームに加えた場合、凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合の波形1010における変形はST1となり、他の波形(波形1020、波形1040、波形1050)における変形に比べて、最も小さくなる。曲げ荷重が作用する車体フレームにおいて、ピーク荷重(耐荷重)を高くしつつ、変形量を小さくする場合、波形1010〜波形1060の中では、曲率半径をR=2mm(波形1010)で形成するのが有効である。
例えば、ドアロック近傍のセンターピラー補強材ではドア開閉を阻害しないように、曲率半径をR=2mmとした凹凸部により補強部200を構成することにより、ピーク荷重(耐荷重)を高くしつつ、変形量を小さくすることが可能になる。曲率半径を大きくすると(例えば、R=8mmなど)、車体フレームの外側に凸形状となることで他部品との干渉が生じ得るが、曲率半径がR=8mmよりも小さい、例えば、曲率半径をR=2mmの場合は、他部品との干渉を最小限にすることが可能になる。
図11は、凹凸部の曲率半径の比較例として、3点曲げによる負荷をかけた場合における車体フレームの閉断面形状の変形を例示的に示す図である。車体フレーム100の閉断面は、一辺の長さL1(=70mm)×L1(=70mm)の正方形断面を例としている。
図11(A)は、凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状の変形を例示しており、この閉断面形状は、図10の波形1030に対応している(板厚T1(=1.2mm))。閉断面形状1111は、図4に示す負荷430(曲げ荷重)が車体フレームに作用する前の閉断面形状を示し、閉断面形状1112は、曲げ荷重がピーク(PEAK1)になったときの閉断面形状の変形を例示的に示している。閉断面形状1112において、曲げ荷重のピーク(PEAK1)は、図10に示した荷重―変形特性の波形1030において、曲げ荷重がピークとなるP1に対応している。たわみ曲線1110は曲げ荷重が作用することによる一般面の概略的な変形を示している。
図11(B)は、凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合の車体フレームにおける閉断面形状の変形を例示しており、この閉断面形状は、例えば、図10の波形1010に対応している(板厚T(=1.2mm))。閉断面形状1121は、図4に示す負荷430(曲げ荷重)が車体フレームに作用する前の閉断面形状を示し、閉断面形状1122は、曲げ荷重がピークに到達する前の閉断面形状の変形を例示的に示している。たわみ曲線1120は曲げ荷重が作用することによる一般面の概略的な変形を示している。閉断面形状1123は、曲げ荷重がピーク(PEAK1)になったときの閉断面形状を例示的に示している。閉断面形状1123において、曲げ荷重のピーク(PEAK1)は、図10に示した荷重―変形特性の波形1010において、曲げ荷重がピークとなるP2に対応している。PEAK1における変形状態は、凸部の高さが、車体フレームの角稜部(例えば図2の210、220)と同じ高さになる変形状態である。
図11(A)において、閉断面形状1112は、曲げ荷重がピーク(PEAK1)に到達した状態の変形状態を示す断面であり、図11(B)において、閉断面形状1122は、曲げ荷重がピーク(PEAK1)に到達する前の変形状態を示す断面である。図11(A)のたわみ曲線1110と図11(B)のたわみ曲線1120とを比較すると、変形量は同等となる。凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合の車体フレームは、凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状の車体フレームに比べて、ピーク荷重(耐荷重)を高くしつつ、変形量を小さくすることができる。
図11(C)は、凹凸部の曲率半径をR=4mmとした場合の車体フレームにおける閉断面形状の変形を例示しており、この閉断面形状は、例えば、図10の波形1040に対応している(板厚T(=1.2mm))。閉断面形状1131は、図4に示す負荷430(曲げ荷重)が車体フレームに作用する前の閉断面形状を示し、閉断面形状1132は、曲げ荷重が一つ目のピーク(PEAK1)になったときの閉断面形状の変形を例示的に示している。たわみ曲線1130は曲げ荷重が一つ目のピーク(PEAK1)になったときの一般面の概略的な変形を示している。PEAK1における変形状態は、凸部の高さが、車体フレームの角稜部(例えば図2の210、220)と同じ高さになる変形状態である。閉断面形状1133は、曲げ荷重が二つ目のピーク(PEAK2)になったときの閉断面形状を例示的に示している。PEAK2における変形状態は、最も高い曲げ荷重が作用するときの変形状態である。
曲げ荷重の一つ目のピーク(PEAK1)は、図10に示した荷重―変形特性の波形1040において、曲げ荷重が一つ目のピークとなるP3に対応し、曲げ荷重の二つ目のピーク(PEAK2)は、波形1040において、曲げ荷重が二つ目のピークとなるP4に対応している。
図11(D)は、凹凸部の曲率半径をR=8mmとした場合の車体フレームにおける閉断面形状の変形を例示しており、この閉断面形状は、例えば、図10の波形1020に対応する(板厚T(=1.2mm))。閉断面形状1141は、図4に示す負荷430(曲げ荷重)が車体フレームに作用する前の閉断面形状を示し、閉断面形状1142は、曲げ荷重が一つ目のピーク(PEAK1)になったときの閉断面形状の変形を例示的に示している。たわみ曲線1140は曲げ荷重が一つ目のピーク(PEAK1)になったときの一般面の概略的な変形を示している。PEAK1における変形状態は、凸部の高さが、車体フレームの角稜部(例えば図2の210、220)と同じ高さになる変形状態である。閉断面形状1143は、曲げ荷重が二つ目のピーク(PEAK2)になったときの閉断面形状を例示的に示している。PEAK2における変形状態は、最も高い曲げ荷重が作用するときの変形状態である。
曲げ荷重の一つ目のピーク(PEAK1)は、図10に示した荷重―変形特性の波形1020において、曲げ荷重が一つ目のピークとなるP5に対応し、曲げ荷重の二つ目のピーク(PEAK2)は、波形1020において、曲げ荷重が二つ目のピークとなるP6に対応している。
図11(C)では、閉断面形状1132、1133に示すように、2つのピークが現れる(図10の波形1040のピークP3、P4に対応)。凹凸部の曲率半径をR=4mmとした場合(図11(C))、波形1040の一つ目のピークP3において、曲げ荷重の増加傾向が変化し、曲げ荷重は、横ばい、もしくは、荷重低下の傾向を示した後、再び増加傾向となり二つ目のピークP4に到達する。
また、図11(D)では、閉断面形状1142、1143に示すように、2つのピークが現れる(図10の波形1020のピークP5、P6に対応)。凹凸部の曲率半径をR=8mmとした場合(図11(D))、波形1020の一つ目のピークP5において、曲げ荷重の増加傾向が変化し、曲げ荷重は、横ばい、もしくは、荷重低下の傾向を示した後、再び増加傾向となり二つ目のピークP6に到達する。
図6で説明したように、曲げ荷重ピーク付近における補強部200の凹凸部の応力状態は、凸部の上面側に作用する応力(上面応力)は圧縮応力であり、凹部の下面側に作用する応力(下面応力)は引張応力となる。引張応力と圧縮応力の差分(エネルギ吸収量)を大きくするためには、曲率半径Rを大きく設定したほうが効果的であるが、曲率半径Rを大きくすると、曲げ荷重が作用することにより、凸部の上面は閉断面の内側に押し込まれる(例えば、図11(C)の閉断面形状1132、図11(D)の閉断面形状1142を参照)。曲げ荷重が凸部の変形に消費されることにより、図10の波形1040の一つ目のピークP3における荷重、および、波形1020の一つ目のピークP5における荷重は、横ばい、もしくは、低下傾向を示すことになる。この傾向は、より曲率半径の大きい曲率半径R=8の場合に顕著になる。
すなわち、曲率半径R2より大きい曲率半径R4、R8では、全体の変形量(ストローク:PEAK1+PEAK2)に対してPEAK1の変形が占める割合が大きくなる。曲率半径R4、R8では、PEAK1において、曲げ荷重が凸部の変形に消費されるため、変形量(ストローク)に対する曲げ荷重(耐荷重)の増加傾向(荷重UPの効率)が低下する。したがって、少ない変形量(ストローク)で曲げ荷重(耐荷重)を立ち上げたいとき、すなわち、より少ない変形量(ストローク)で曲げ荷重(耐荷重)を高くする場合は、曲率半径Rは小さいほうがよい。
図10に示していないが、凹凸部の曲率半径をR=3mmとした場合の車体フレームについても同様に3点曲げ試験をしたところ、曲率半径R=2とした場合の波形1010と同様の結果が得られた。
車体フレームに荷重が作用することにより変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する補強部200において、凹凸部の曲率半径をR=3mmとした場合、曲率半径R=2の場合と同様に、凸部のつぶれによる荷重低下の影響を受けることなく、圧縮側になる一般面を補強することができる。すなわち、曲げ荷重に対する車体フレーム100の耐荷重を増加させるとともに、曲げ荷重によるエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。
板厚T=1.2(mm)とした場合、凹凸部における曲率半径として形成可能な最小の曲率半径はR=0.5×T=0.6(mm)である。従って、補強部200に形成される凹部および凸部において、曲率半径Rを、0.6(mm)以上、3mm以下に形成することで、曲げ荷重に対する車体フレーム100の耐荷重を増加させるとともに、曲げ荷重によるエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。
このように形成された凹部および凸部を有する補強部200によれば、補強部にR=4mm、R=8mmの曲率半径の凹凸部が形成された車体フレームや、凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状の車体フレーム、または、凹部が稜線(一般面)の下側に形成されている車体フレームに比べて、ピーク荷重(耐荷重)を高くしつつ、より多くの曲げエネルギを補強部200の凹凸部に吸収させることが可能になる。
また、同じ曲げ荷重を加えた場合に生じる変形量を小さくすることができる。例えば、R=8mmなどのように曲率半径を大きくすると、車体フレームの外側に凸形状となることで他部品との干渉が生じ得るが、曲率半径がR=8mmよりも小さい、曲率半径が0.6(mm)以上、3mm以下の場合は、他部品との干渉を低減ことが可能になる。
この数値範囲で、より小さい値の曲率半径Rを用いることにより、配置間隔P(=R×4)を、より小さい値に設定することができる。このため、一定の一般面長さに対して、より多くの凹凸部を補強部200に形成することができる。凹凸部を、より多く形成することにより、曲げに対する耐荷重を増加させるとともに、曲げ荷重によるエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。
(車体フレームが座屈荷重を受ける場合)
次に、補強部200が形成された車体フレーム100が座屈荷重を受ける場合の効果について説明する。補強部200は、車体フレーム100に、当該車体フレーム100の長手方向に沿った軸方向から圧縮荷重が作用することにより座屈変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強することが可能である。図12は座屈試験の概要を示す図である。車体フレーム100の外形寸法は図4で説明した寸法と同様である。車体フレームの一端が固定されており、自由端側に車体フレーム100を長手方向(軸方向)に圧縮する圧縮荷重FCが作用する。圧縮荷重FCは、車体フレーム100の閉断面形状の重心からオフセットした位置に作用する。
(閉断面形状の比較)
座屈試験における閉断面形状の比較例として、図13は、車体フレーム100の閉断面形状のバリエーションを示す図である。図13(A)は、本実施形態の車体フレーム100における補強部200の閉断面形状を例示する図である。図13(A)の閉断面形状において、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部と、一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部とが交互に、一般面(稜線)の位置に対して上下対称に形成されている。凹凸部の曲率半径の例としてR=2mmとしている。一般面の板厚は、例えば、板厚T1(=1.2mm)である。
図13(B)は、本実施形態の車体フレーム100における補強部200の閉断面形状を例示する図であり、図13(A)と同様に凹部および凸部が交互に、一般面(稜線)の位置に対して上下対称に形成されている。凹凸部の曲率半径の例としてR=4mmとしている。一般面の板厚は、例えば、板厚T1(=1.2mm)である。
図13(C)は、比較例として、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成されたビード部が、一般面(稜線)の中央部に一つ形成された閉断面形状(CTR-bead)を示している。一般面の板厚は、例えば、板厚T1(=1.2mm)である。
図13(D)は、比較例として、一般面から閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部が、一般面(稜線)の位置に対して下側に形成された閉断面形状(square)を示している。一般面の板厚は、例えば、板厚T1(=1.2mm)である。図13(C)、(D)の閉断面形状は、一般面から閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部が形成されていない点、および、凹部には曲率半径が形成されていない点で、図13(A)、(B)に示す閉断面形状と相違する。
図13(E)は、比較例として、凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状を示している。図13(E)では、フラットな閉断面形状として、4つの面の面厚(板厚)が板厚T1(=1.2mm)で形成された閉断面形状と、閉断面形状の上面(紙面上側の面)が板厚T2(=1.8mm)で形成され、他の3つの面の板厚が板厚T1(=1.2mm)で形成された閉断面形状と、を示している。
図14は、図13に示した閉断面形状の車体フレーム100に対して、図12に示した圧縮荷重FCを作用させた場合の圧縮荷重と車体フレーム100の変形の関係(荷重―変形特性)を示す図である。
図14において、波形1410は、図13(D)の凹部が一般面(稜線)の位置に対して下側に形成された閉断面形状(square)の車体フレームにおける圧縮荷重と変形の関係を示している。波形1420は、図13(B)の凹凸部の曲率半径をR=4mmとした場合の車体フレームにおける圧縮荷重と変形の関係を示している。
波形1430は、図13(E)の凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状であり、上面が板厚T2(=1.8mm)で形成され、他の3つの面の板厚が板厚T1(=1.2mm)で形成された閉断面形状の車体フレームにおける圧縮荷重と変形の関係を示している。波形1440は、図13(A)の凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合の車体フレームにおける圧縮荷重と変形の関係を示している。
波形1450は、図13(E)の凹凸部が形成されていないフラットな閉断面形状で板厚T1(=1.2mm)とした車体フレームにおける圧縮荷重と変形の関係を示している。波形1460は、図13(C)のビード部が、一般面(稜線)の中央部に一つ形成された閉断面形状(CTR-bead)の車体フレームにおける圧縮荷重と変形の関係を示している。
図14において、荷重―変形特性を比較すると、各波形は、変形D1で圧縮荷重FCはピークとなる。3点曲げでは、曲率半径R=2mmの場合(図10の波形1010)と曲率半径R=4mmの場合(図10の波形1040)とでは、車体フレームの周長さが同じである。このため、3点曲げ試験では、ピーク荷重に差がつかなかった。しかし、軸方向の圧縮(軸圧縮)では、波形1410〜1460の中で、曲率半径R=4mmとした場合(波形1420)の車体フレームにおけるピーク圧縮荷重(耐荷重)が最も高くなる。また、変形D1から変形D5の間において、凹凸部の曲率半径をR=4mmとした場合の波形1420は、他の波形(波形1410、波形1430〜波形1460)に比べて高い荷重―変形特性の分布を示し、図13(B)に示す閉断面構造(R=4mm)は、図13(A)、図13(C)、図13(D)、図13(E)に示す閉断面構造に比べて、より多くの圧縮エネルギを、補強部200の凹凸部に吸収させることができる。
凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合においても、波形1440は、曲率半径R=4mmとした場合の波形1420に比べて、ピーク圧縮荷重(耐荷重)は低いが、他の波形(波形1410、波形1430、波形1450、波形1460)に比べてピーク圧縮荷重(耐荷重)は高くなる。また、変形D1から変形D5の間において、凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合の波形1440は、他の波形(波形1410、波形1430、波形1450、波形1460)に比べて高い荷重―変形特性の分布を示し、より多くの圧縮エネルギを、補強部200の凹凸部に吸収させることができる。凹凸部の曲率半径をR=2mmとした場合においても、圧縮荷重に対する補強効果を得ることができる。
従って、補強部200に形成される凹部および凸部において、曲率半径Rを、2mm以上、4mm以下に形成することで、圧縮荷重に対する車体フレーム100の耐荷重を増加させるとともに、圧縮荷重によるエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。
図15(A)は、車体構造の概略を示す図であり、図15(B)は、図15(A)のA部を拡大した図である。図15(B)において、断面1530はA−A断面の構成を例示しており、サイドシル1510の外面に凹凸部が形成された補強部1515(ビード)が形成されている。また、図15(B)において、断面1540はB−B断面の構成を例示しており、センターピラー1520の下部に、凹凸部が形成された補強部1525(ビード)が形成されている。
本実施形態の車体フレームはセンターピラーの下部を構成する車体フレームであって、補強部200は、センターピラー1520の下部に荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する。また、本実施形態の車体フレームはサイドシルの外面を構成する車体フレームであって、補強部200は、サイドシルの外面に荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する。
図15(B)に示すように、センターピラー1520の下部に、凹凸部が形成された補強部1525(ビード)およびサイドシル1510の外面に凹凸部が形成された補強部1515(ビード)を形成することで、各車体フレームの耐荷重およびエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。これにより側面衝突時における車体変形量を抑えることが可能になる。また、車体フレームにおける局所的な部分に補強部1515、1525を形成するだけで、補強効果を得ることができるので、車体フレームの重量を増加させることなく、コスト低減が可能な車体フレームを提供することが可能になる。
図16は、車体前部におけるフロントピラー1610(Aピラー)に補強部1615が形成された状態を例示する図である。本実施形態の車体フレームは、フロントピラーを構成する車体フレームであって、補強部200は、フロントピラーに荷重が作用することにより座屈変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する。車両の正面衝突時に軸圧縮荷重が作用するフロントピラー1610において、座屈する部位の圧縮側に、凹凸部が形成された補強部1615(ビード)を形成することで、フロントピラー1610を構成する車体フレームの耐荷重およびエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。例えば、図16に示すように、フロントピラー1610が車室の外側に向って座屈する場合は、フロントピラー1610の車内側の面に補強部1615(ビード)を形成することにより、フロントピラーを構成する車体フレームの耐荷重およびエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。これにより正面衝突時における車体変形量を抑えることが可能になる。また、車体フレームにおける局所的な部分に補強部1615を形成するだけで、補強効果を得ることができるので、車体フレームの重量を増加させることなく、コスト低減が可能な車体フレームを提供することが可能になる。
<実施形態のまとめ>
構成1.上記実施形態の車体フレーム(例えば図2の100)は、複数の一般面(例えば図1の105)により形成される多角形の閉断面空間を有する車体フレームであって、
前記複数の一般面のうち、前記車体フレームに荷重が作用することにより変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する補強部(例えば図2の200)を備え、前記補強部には、
前記圧縮側になる一般面における一方の角稜部(例えば図2の210)から他方の角稜部(例えば図2の220)までの一般面長さ(例えば図2のL)の方向に沿って、当該一般面から前記閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部(例えば図2のS2)と、当該一般面から前記閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部(例えば図2のS1)とが、前記凹部および前記凸部の曲率半径に基づいて設定された配置間隔(P)に従って交互に形成され、
前記凹部および凸部の数は、
関数INT(前記一般面長さ/前記配置間隔)に基づき(例えば(1)式)、当該一般面長さを前記配置間隔で除算した除算結果の値よりも小さく、当該除算結果の値を超えない最大の整数に基づき決定され、
前記補強部には、前記関数INTにより決定された数の前記凹部および凸部が少なくとも形成されていることを特徴する。
構成1の実施形態によれば、車体フレームの重量を増加させることなく耐荷重を増加させることが可能な車体フレームを提供することが可能になる。また、構成1の実施形態によれば、部品点数を増やしたり、フレーム部材のグレードアップなどの補強対策を行わなくても、耐荷重を増加させることが可能になるため、コスト低減を図ることが可能になる。
構成2.前記補強部(例えば図2の200)は、前記車体フレームに曲げ荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強し、
前記補強部に形成された前記凹部および前記凸部の前記曲率半径は、前記一般面の板厚を1.2mmとした場合、0.6mm以上、3mm以下であり、
前記配置間隔(P)は、前記曲率半径×4で設定され、
前記凹部および前記凸部は、前記配置間隔により交互に形成された波形形状として、前記補強部に形成されていることを特徴とする。
構成2の実施形態によれば、曲げ荷重に対する車体フレームの耐荷重を増加させるとともに、曲げ荷重によるエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。
構成3.前記補強部(例えば図2の200)は、前記車体フレームに、当該車体フレームの長手方向に沿った軸方向から圧縮荷重が作用することにより座屈変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強し、
前記補強部に形成された前記凹部および前記凸部の前記曲率半径は、前記一般面の板厚を1.2mmとした場合、2mm以上、4mm以下であり、
前記配置間隔は、前記曲率半径×4で設定され、
前記凹部および前記凸部は、前記配置間隔により交互に形成された波形形状として、前記補強部に形成されていることを特徴とする。
構成3の実施形態によれば、圧縮荷重に対する車体フレームの耐荷重を増加させるとともに、圧縮荷重によるエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。
構成4.前記車体フレームはセンターピラーの下部(例えば図15の1525)を構成する車体フレームであって、
前記補強部(例えば図15の1525)は、前記センターピラーの下部に荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強することを特徴とする。
構成5.前記車体フレームはサイドシルの外面(例えば図15の1510)を構成する車体フレームであって、
前記補強部(例えば図15の1515)は、前記サイドシルの外面に荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強することを特徴とする。
構成4および構成5の実施形態によれば、センターピラーの下部やサイドシルの外面を構成する車体フレームの耐荷重およびエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。これにより側面衝突時における車体変形量を抑えることが可能になる。また、車体フレームにおける局所的な部分に補強部を形成するだけで、補強効果を得ることができるので、車体フレームの重量を増加させることなく、コスト低減が可能な車体フレームを提供することが可能になる。
構成6.前記車体フレームは、フロントピラー(例えば図16の1610)を構成する車体フレームであって、
前記補強部(例えば図16の1615)は、前記フロントピラーに荷重が作用することにより座屈変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強することを特徴とする。
構成6の実施形態によれば、フロントピラーを構成する車体フレームの耐荷重およびエネルギ吸収量を増加させることが可能になる。これにより正面衝突時における車体変形量を抑えることが可能になる。また、車体フレームにおける局所的な部分に補強部を形成するだけで、補強効果を得ることができるので、車体フレームの重量を増加させることなく、コスト低減が可能な車体フレームを提供することが可能になる。
尚、構成2における数値範囲(前記凹部および前記凸部の前記曲率半径は、0.6mm以上、3mm以下)、および構成3における数値範囲(前記補強部に形成された前記凹部および前記凸部の前記曲率半径は、2mm以上、4mm以下)は、車体フレームを構成する一般面の板厚(T1=1.2mm)を基準板厚として一般化することができる。例えば、板厚T2=1.5×T1とした場合、各数値範囲を1.5倍にすればよい。例えば、構成2の数値範囲では、0.9mm以上、4.5mm以下とすればよい。また、構成3の数値範囲では、3mm以上、6mm以下とすればよい。
100:車体フレーム、200:補強部、S1:凸部、S2:凹部、
L:一般面長さ、1510:サイドシル、1515:補強部、
1520:センターピラー、1525:補強部、1610:フロントピラー(Aピラー)、1615:補強部

Claims (6)

  1. 複数の一般面により形成される多角形の閉断面空間を有する車体フレームであって、
    前記複数の一般面のうち、前記車体フレームに荷重が作用することにより変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する補強部を備え、
    前記補強部には、
    前記圧縮側になる一般面における一方の角稜部から他方の角稜部までの一般面長さの方向に沿って、当該一般面から前記閉断面空間の内側に向かう方向に形成された凹部と、当該一般面から前記閉断面空間の外側に向かう方向に形成された凸部とが、前記凹部および前記凸部の曲率半径に基づいて設定された配置間隔に従って交互に形成され、
    前記凹部および凸部の数は、
    関数INT(前記一般面長さ/前記配置間隔)に基づき、当該一般面長さを前記配置間隔で除算した除算結果の値よりも小さく、当該除算結果の値を超えない最大の整数に基づき決定され、
    前記補強部には、前記関数INTにより決定された数の前記凹部および凸部が少なくとも形成されていることを特徴する車体フレーム。
  2. 前記補強部は、前記車体フレームに曲げ荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強し、
    前記補強部に形成された前記凹部および前記凸部の前記曲率半径は、前記一般面の板厚を1.2mmとした場合、0.6mm以上、3mm以下であり、
    前記配置間隔は、前記曲率半径×4で設定され、
    前記凹部および前記凸部は、前記配置間隔により交互に形成された波形形状として、前記補強部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体フレーム。
  3. 前記補強部は、前記車体フレームに、当該車体フレームの長手方向に沿った軸方向から圧縮荷重が作用することにより座屈変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強し、
    前記補強部に形成された前記凹部および前記凸部の前記曲率半径は、前記一般面の板厚を1.2mmとした場合、2mm以上、4mm以下であり、
    前記配置間隔は、前記曲率半径×4で設定され、
    前記凹部および前記凸部は、前記配置間隔により交互に形成された波形形状として、前記補強部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体フレーム。
  4. 前記車体フレームはセンターピラーの下部を構成する車体フレームであって、
    前記補強部は、前記センターピラーの下部に荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車体フレーム。
  5. 前記車体フレームはサイドシルの外面を構成する車体フレームであって、
    前記補強部は、前記サイドシルの外面に荷重が作用することにより曲げ変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車体フレーム。
  6. 前記車体フレームは、フロントピラーを構成する車体フレームであって、
    前記補強部は、前記フロントピラーに荷重が作用することにより座屈変形が生じる部位で圧縮側になる一般面を補強する
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の車体フレーム。
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