JP2018079449A - 水質改良装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人力によるアンカーの操作が不要な水質改良装置を提供すること。【解決手段】水質改良装置1は、水面Wに浮かぶ浮体2と、水中に投入される浮沈体6を備える。浮体2と浮沈体6の間は、気泡混合水生成装置3からの気泡混合水と、コンプレッサ4からの空気が選択的に供給される供給管9で接続される。制御装置19は、位置検出装置16が検出した位置が移動の目的地である場合、気泡混合水生成装置3から浮沈体6に気泡混合水を供給し、浮沈体6に沈下力を生成させて湖底Bに到達させ、錨の機能を発揮させる。風向検出装置16が検出した風向きが、移動の目的地に向かう方向であり、かつ、風力発電装置14が検出した風速が所定の値以上である場合、コンプレッサ4から浮沈体6に空気を供給し、浮沈体6に浮力を生成させて湖底Bから浮上させ、錨の機能を停止して、風の力で水質改良装置1を目的地へ移動させる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば海や湖沼や河川、特に利水ダムや治水ダム等のダム湖や遊水池等の水質を改良する水質改良装置及び水質改良方法に関する。
海や湖沼や河川等において、浅瀬等の地形的条件によって水が滞留する箇所では、溶存酸素量が比較的少なく、嫌気性微生物が優勢となり、ヘドロの生成によって臭気の発生や水質の悪化等の問題が生じる場合がある。このような問題を解決するため、従来より、水中に空気を供給して曝気を行い、海水や湖沼水の溶存酸素量を高めることが行われている。
従来、海や湖沼に曝気を行って水質を改良する水質改良装置として、図10に示すような浮体式のものが提案されている(特許文献1参照)。この水質改良装置101は、発泡スチロール等で形成されたフロート102と、フロート102で水上に支持される枠体103と、枠体103上に配置されたポンプ104と、上記枠体103に接続されて水底106に配置されるアンカー107を備える。上記ポンプ104は、吸入側に吸水ホースが取り付けられている一方、吐出側に、先端に噴射ノズル109が設けられた吐出配管110が取り付けられている。上記枠体103上には、太陽電池112と、この太陽電池112からの供給電力に応じて上記ポンプ104を制御する制御装置113が配置されている。
この水質改良装置101は、上記ポンプ104が、海や湖沼の嫌気性の水を吸入すると共に、吸入側に設けられた孔から空気を吸引し、水にキャビテーションを生じさせて微細な泡を形成する。この微細な泡を含む水を、吐出配管110を通して噴射ノズル109から水中に噴射し、嫌気性の水を改良して好気性となるようにしている。また、噴射ノズル109から水を噴射する勢いにより、水質改良装置101を、平面視においてアンカー107の周りに円運動を行わせて、周辺の水を改良するようにしている。
特開2016−107169号公報
しかしながら、上記水質改良装置101は、海や湖沼の比較的広い水域の環境を改良するためには、アンカー107を中心とする円運動の範囲が対象の水域をカバーするように、アンカー107の位置を変更する必要がある。このアンカー107は、枠体103に綱で接続されているので、アンカー107の上げ下げに人手が必要である。したがって、対象の水域内で、水質改良装置101の運転を行う度に、人手でアンカー107を引き上げ、水質改良装置101が移動した後に、人手でアンカー107を投下する必要があり、大きな手間がかかる問題がある。また、ポンプ104の内部でキャビテーションにより生成された微細な気泡は、水中に吐出されると、水面に向かって上昇するので、水底に溜ったヘドロ等の嫌気性環境を改良することが困難であるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、人力によるアンカーの操作が不要であり、少ない手間で比較的広い水域の環境を改良できる水質改良装置を提供することにある。また、水底付近の環境を改良できる水質改良装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の水質改良装置は、水面に浮かぶ浮体と、
上記浮体が浮かぶ水を吸引し、吸引した水に酸素を含む気泡を添加してなる気泡混合水を生成する気泡混合水生成装置と、
圧縮空気を生成するコンプレッサと、
上記浮体に接続され、上記コンプレッサから供給された空気が内部に導かれて浮力が生じる一方、内部に貯留した空気が排出されて沈下力が生じる浮沈用タンクと、上記気泡混合水生成装置から供給された気泡混合水を吐出する吐出ノズルとを有し、水底に達したときに錨として機能する浮沈体と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、海や湖沼や河川等の水面に浮かぶ浮体に、水底に達したときに錨として機能する浮沈体が接続される。この浮沈体の浮沈用タンクは、コンプレッサから空気が内部に供給されると浮力を発生する一方、内部の空気が排出されると浮力が消失して沈下力が生じる。例えば、水中に位置する浮沈体は、浮沈用タンクにコンプレッサから空気が供給されると、浮力により水中を浮上する。一方、水面付近に浮く浮沈体は、浮沈用タンクの内部の空気が排出されると、浮力が消失して水中を沈下する。このように、水底に達したときに錨として機能する浮沈体を、人力や他の装置で力を加えることなく、空気の供給と排出によって浮上及び沈下させることができる。したがって、水質改良装置を移動させる際の手間を、従来よりも大幅に削減できる。
ここで、気泡混合水には、種々の直径の気泡が含まれるが、直径が10μm〜50μm程度のマイクロバブルや、直径が500nm〜10μm程度のマイクロナノバブルや、直径が10nm〜500nm程度のナノバブルであるのが好ましい。マイクロバブルやマイクロナノバブルは、水中を浮上する速度が比較的遅いので、気泡混合水が吐出された周辺の水を効果的に改良できる。更に、ナノバブルは、水面に浮上することなく水中に長期にわたって残存するので、気泡混合水が吐出された周辺の水を、更に効果的に改良できる。
また、浮沈体の吐出ノズルから気泡混合水が吐出されると、気泡混合水に含まれる酸素が周辺の水に供給され、嫌気性の環境が改良される。特に、浮沈体が水底に位置するとき、吐出ノズルから気泡混合水を吐出することにより、水底に蓄積したヘドロの好気性微生物による分解を促進して、水底の水質を改善することができる。
ここで、気泡混合水生成装置は、吸引した水に空気を混合することにより、気泡混合水を形成してもよく、また、吸引した水に高濃度の酸素を混合することにより、気泡混合水を形成してもよい。
一実施形態の水質改良装置は、上記浮沈体の浮沈用タンクは、空気及び気泡混合水が選択的に供給される単一の供給管に連なっており、
上記浮沈体の吐出ノズルは、上記浮沈用タンクを介して気泡混合水が供給される。
上記実施形態によれば、浮沈体の浮沈用タンクは、単一の供給管を通して、空気と気泡混合水が選択的に供給される。浮沈用タンクに供給管を通して空気が供給されると、浮沈体に浮力が生じて水中を浮上する。一方、浮沈用タンクに供給管を通して気泡混合水が供給されると、浮沈体に沈下力が生じて水中を沈下する。浮沈体の吐出ノズルは、供給管を通して浮沈用タンクに供給された気泡混合水が、この浮沈用タンクを介して供給され、外部に吐出する。このように単一の供給管で浮沈体を接続することにより、空気を供給する管と、気泡混合水を供給する管とを分離して浮沈体に接続するよりも、構造を簡易にできる。また、浮沈体が水中を浮沈する際に、複数の管が絡まる不都合を防止できる。
一実施形態の水質改良装置は、上記浮沈体の浮沈用タンクは、上記供給管を通して上記コンプレッサから供給された空気により浮力が生じる一方、上記供給管を通して上記気泡混合水生成装置から供給された水又は気泡混合水により沈下力が生じる。
上記実施形態によれば、浮沈用タンクは、供給管を通してコンプレッサから供給された空気により、浮力が生じる。一方、浮沈用タンクは、供給管を通して気泡混合水生成装置から供給された水又は気泡混合水により、沈下力が生じる。このように、供給管が、コンプレッサ又は気泡混合水生成装置に選択的に接続されることにより、簡易な構造で浮力と沈下力を発生させることができる。ここで、沈下力を発生させるとき、気泡混合水生成装置から浮沈用タンクに供給するのは、水と気泡混合水のいずれでもよい。浮沈用タンクを介して吐出ノズルから気泡混合水を吐出する必要がある場合は、浮沈用タンクに気泡混合水を供給すればよい一方、浮沈用タンクを介して吐出ノズルから気泡混合水を吐出する必要が無い場合は、浮沈用タンクに水を供給すればよい。
一実施形態の水質改良装置は、上記気泡混合水生成装置及びコンプレッサに電力を供給するための風力発電装置を備える。
上記実施形態によれば、例えば海や湖沼や河川に浮いた状態で、商用電源から電力を受けることなく、気泡混合水生成装置及びコンプレッサを作動させて、水質の改良を行うことができる。ここで、風力発電装置は、風により回転する風車と、この風車で駆動されて電力を生成する発電機を有する。この風力発電機の風車は、風を受けるに伴って風下に向かう力が作用し、この風下向きの力が浮体に伝達され、浮体が風下方向に移動する。このように、風力発電装置を利用して、電力を生成すると共に、浮体を移動することができる。
一実施形態の水質改良装置は、上記気泡混合水生成装置及びコンプレッサに電力を供給するための太陽光発電装置を備える。
上記実施形態によれば、例えば海や湖沼や河川に浮いた状態で、商用電源から電力を受けることなく、気泡混合水生成装置及びコンプレッサを作動させて、水質の改良を行うことができる。
一実施形態の水質改良装置は、位置を検出する位置検出装置を備える。
上記実施形態によれば、位置検出装置で位置を検出することにより、水質改良装置が水質の改良を行う位置を、特定することができる。
一実施形態の水質改良装置は、上記位置検出装置は、衛星から受信した信号に基づいて位置を検出する。
上記実施形態によれば、位置検出装置は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星から出力される信号を受信し、この信号に基づいて、現在の位置を検出することができる。すなわち、位置検出装置は、衛星からの信号の受信機と、この受信機で受信した信号の解析装置を有することにより、水質改良装置の現在の位置を特定することができる。
一実施形態の水質改良装置は、風向きを検出する風向検出装置と、
上記位置検出装置で検出された位置と、上記風向検出装置で検出された風向きとに基づいて、上記浮沈用タンクの空気の供給と排出を制御する制御装置と
を備える。
上記実施形態によれば、風向きが風向検出装置によって検出され、現在の位置が位置検出装置で検出される。制御装置により、現在の位置と風向きとに基づいて、浮沈用タンクの空気の供給と排出を制御することにより、浮沈体の錨の機能を制御して、水質改良装置の移動を制御することができる。
一実施形態の水質改良装置は、上記制御装置は、
上記風向検出装置が検出した風向きが、移動の目的地が存在する方向と一致するときに、上記浮沈用タンクにコンプレッサから空気を供給させる一方、
上記位置検出装置が検出した位置が、移動の目的地と一致するときに、上記浮沈用タンクの空気を排出させる。
上記実施形態によれば、水質改良装置が移動する際、風向検出装置で検出された風向きが、移動の目的地が存在する方向と一致するとき、制御装置によってコンプレッサから浮沈用タンクに空気が供給され、これにより浮沈体が浮上して錨作用が解消される。したがって、水質改良装置が、風力によって、移動の目的地が存在する方向に移動する。一方、水質改良装置が移動しているとき、位置検出装置で検出された位置が、移動の目的地と一致するとき、制御装置によって浮沈用タンクの空気が排出させられる。浮沈用タンクからの空気の排出は、例えば、気泡混合水生成装置から浮沈用タンクへ水又は気泡混合水を供給することにより、行うことができる。あるいは、浮沈用タンクに開閉弁を設け、開閉弁を開くことにより、浮沈用タンクの空気を水中に排出してもよい。これにより、浮沈体が沈下して水底に達して錨作用が発揮され、水質改良装置が停止する。このようにして、制御装置の制御により、風力を利用して、水質改良装置を目的地に移動させることができる。
一実施形態の水質改良装置は、上記制御装置は、
水質の改良を行う領域が含まれる地図情報を格納する情報格納部を有し、
上記情報格納部に格納された地図情報のうち、上記吐出ノズルから気泡混合水を所定時間以上吐出した位置を示す情報に、水質の改良を実行した旨の改良実行情報を関連付ける一方、
上記地図情報のうち、改良実行情報が関連付けられていない情報が示す位置を、上記目的地に設定し、上記浮沈用タンクへの空気の供給と排出を制御する。
上記実施形態によれば、水質改良装置は、制御装置の情報格納部に、水質の改良を行う領域が含まれる地図情報を格納する。この地図情報は、水質を改良する対象が湖沼である場合、湖沼の水質を行う領域の位置を、経度と緯度で特定して示した情報である。制御装置は、浮沈体の吐出ノズルから気泡混合水を所定時間以上吐出すると、周辺の水が改良されたとして、地図情報のうち、上記気泡混合水が吐出された位置を示す情報に、水質の改良を実行した旨の改良実行情報を関連付ける。一方、地図情報のうち、改良実行情報が関連付けられていない位置を、上記目的地として設定し、浮沈用タンクへの空気の供給と排出を制御し、水質改良装置を移動させる。これにより、水質の改良が行われていない位置に、水質改良装置を移動させることができる。この改良実行情報が関連付けられていない位置で、浮沈体の吐出ノズルから気泡混合水を所定時間以上吐出することにより、水質の改良を実行できる。このようにして、制御装置の情報格納部に地図情報を格納し、この地図情報に関連付けられる改良実行情報に基づいて気泡混合水生成装置とコンプレッサを制御することにより、水質改良装置を自律的に移動させ、地図情報に示した領域の水質を、実質的に人手をかけることなく改良することができる。
一実施形態の水質改良装置は、上記気泡混合水生成装置は、大気から酸素を抽出する酸素発生器に接続され、この酸素発生器から供給された酸素の気泡を水に添加する。
上記実施形態によれば、気泡混合水生成装置が、酸素発生器から供給された酸素を用いて気泡混合水を生成することにより、浮沈体の吐出ノズルから、酸素濃度の高い気泡混合水を吐出することができる。したがって、気泡混合水が吐出された周辺の水を、効果的に好気性の環境に改良することができる。ここで、酸素発生器としては、ゼオライトで形成された窒素吸着剤や窒素選択性透過膜に、高圧空気を導いて酸素を濃縮する方式のものを用いることができる。
一実施形態の水質改良装置は、上記気泡混合水生成装置が生成する気泡混合水は、直径が10nm以上500nm以下の気泡を含む。
上記実施形態によれば、気泡混合水が、直径が10nm以上500nm以下の微小な気泡であるナノバブルを含むことにより、酸素の微小な気泡を、水面に浮上することなく水中に長期にわたって残存させることができる。したがって、気泡混合水が吐出された周辺の水の環境を、効果的に改良することができる。
本発明の実施形態の水質改良装置を示す模式図である。 実施形態の水質改良装置の一部を示す模式図である。 実施形態の水質改良装置の浮沈体を示す断面図である。 実施形態の水質改良装置の気泡混合水生成装置を示す模式図である。 実施形態の水質改良装置の気泡混合水生成装置が有する気泡微細化装置を示す縦断面図である。 実施形態の気泡微細化装置が有する微細化ブロックを示す平断面図である。 実施形態の気泡微細化装置が有する微細化ブロックを示す縦断面図である。 実施形態の水質改良装置を示すブロック図である。 実施形態の水質改良装置の制御装置が有する地図情報を示す模式図である。 従来の水質改良装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の水質改良装置を示す模式図である。この水質改良装置1は、ダム湖の水質を改良するものであり、主に湖底に酸素を供給し、湖底に堆積したヘドロを解消するものである。
この水質改良装置1は、ダム湖の水面Wに浮かぶ浮体2と、この浮体2に接続されて水中に投入される浮沈体6を備える。浮体2は、発泡スチロール等で形成されたフロート11と、フロート11によって水上に保持される架台12を有する。浮体2の架台12の上には、浮沈体6に供給する気泡混合水を生成する気泡混合水生成装置3と、浮沈体6に供給する空気を生成するコンプレッサ4と、気泡混合水生成装置3に酸素を供給する酸素発生器5が設置されている。また、浮体2の架台12の上には、風力発電装置14と、風向きを検出する風向検出装置15と、この水質改良装置1の位置を検出する位置検出装置16と、太陽光発電装置17と、この水質改良装置1の動作を制御する制御装置19と、各機器に電力を供給する電源装置24が設置されている。浮体2と浮沈体6の間は、単一の接続管9で接続されており、この接続管9を通して、気泡混合水生成装置3の気泡混合水と、コンプレッサ4の空気が浮沈体6に供給される。浮沈体6に供給された気泡混合水は、この浮沈体6の底部に設けられた複数の吐出ノズル8から吐出される。
図2は、浮体2の架台12上の気泡混合水生成装置3と、コンプレッサ4と、酸素発生器5と、制御装置19の接続状態を示す模式図である。気泡混合水生成装置3は、後に詳述するように、取水管13を通して湖の水を吸引し、吸引した水に酸素発生器5からの高濃度酸素を混合し、混合した高濃度酸素の気泡を微細化して気泡混合水を生成する。取水管13により水を吸引する位置は、湖の水面の近傍や湖底の近傍等に、適宜設定可能である。気泡混合水生成装置3の吐出側と、コンプレッサ4の吐出側は、三方弁21に接続されている。三方弁21は、弁体がアクチュエータで駆動される電動式三方弁である。三方弁21は、2つの流入側が気泡混合水生成装置3とコンプレッサ4に夫々接続され、流出側が、浮沈体6に連なる接続管9に接続されている。この三方弁21により、気泡混合水生成装置3からの気泡混合水と、コンプレッサ4からの空気のいずれかを接続管9に導いて、浮沈体6へ供給するように形成されている。気泡混合水生成装置3とコンプレッサ4と酸素発生器5と三方弁21は、制御装置19に接続され、この制御装置19によって動作が制御されて、浮沈体6への気泡混合水と空気の供給を制御するように構成されている。これにより、浮沈体6の浮上及び沈下と、浮沈体6の吐出ノズル8からの気泡混合水の吐出と、水質改良装置1の移動を制御するようになっている。
制御装置19は、水質改良装置1の制御プログラムがインストールされた汎用のパーソナルコンピュータで形成されている。この制御装置19は、CPU(中央処理装置)、メモリ、記憶装置及び入出力装置等を有し、記憶装置に格納されたプログラムをCPUで読み出して実行し、本発明の水質改良装置1の機能を実現する。なお、制御装置19は、パーソナルコンピュータ以外に、マイクロコンピュータを含んで構成された組み込みシステムで形成されてもよく、本発明の機能を実現することが可能な機器又は装置であれば、制御装置19の形態は特に限定されない。
図3は、浮沈体6を示す断面図である。この浮沈体6は、接続管9に接続された浮沈用タンク7と、この浮沈用タンク7の下部に設置され、浮沈用タンク7の内部に連通した複数の吐出ノズル8,8,8,・・・を有する。接続管9は、浮体2から気泡混合水又は空気を導くと共に、浮沈体6が錨として機能するときに浮体2を係留する力を伝達するように形成されている。浮沈体6の浮沈用タンク7は、台形断面の中空体で形成され、接続管9を通して導かれた気泡混合水又は空気を、内部に貯留する。吐出ノズル8は、浮沈体6の底部に配置されており、浮沈用タンク7内に貯留された気泡混合水を、浮沈体6が接する湖底Bに向けて吐出するように形成されている。
浮体2に設置された風力発電装置14は、風によって回転する風車と、回転する風車によって駆動される発電機を有する。風車は、例えばプロペラ風車や、多翼型風車や、ベルシオン式風車等の種々の風車を用いることができ、揚力型風車と抗力型風車のいずれでもよい。また、風力発電装置14は、風車の回転数に基づいて、風速を検出する。太陽光発電装置17は、太陽光を受けて電力を生成するソーラーパネルを有する。
上記風力発電装置14と太陽光発電装置17は、電源装置24に接続されている。この電源装置24は、風力発電装置14と太陽光発電装置17で生成された電力を蓄える一方、蓄えた電力を出力する2次電池と、この2次電池に関する電力の入出力を制御する電力制御装置を有する。この電力制御装置は、風力発電装置14から供給される電力と、太陽光発電装置17から供給される電力を制御して、2次電池の過充電を防止するように形成されている。
風向検出装置15は、風を受けて鉛直軸回りに回転する翼と、この翼の向く鉛直軸回りの角度を検出するエンコーダを有し、風の吹く方向を、所定の方角に対する角度によって出力する。なお、風向検出装置15は、超音波の発信機と受信機の対を複数組有し、各組の超音波の伝播時間に基づいて風向を検出する超音波式風向計であってもよい。
位置検出装置16は、GPS衛星から信号を受信する受信機と、受信機で受信した信号に基づいて現在の位置を算出する位置特定装置を有する。位置特定装置16は、現在の位置を緯度及び経度で表した位置情報を出力する。なお、位置検出装置16は、GPS衛星以外の他のGNSSの測位用衛星が発する信号を用いてもよい。また、位置検出装置16は、携帯電話基地局から受信する信号に基づいて、現在の位置を特定してもよい。
図4は、気泡混合水生成装置3を模式的に示す図である。この気泡混合水生成装置3は、吸入側が取水管13に接続されたポンプ31と、このポンプ31の吐出側に接続された気泡微細化装置32を有する。ポンプ31は、取水管13を通して湖の水を吸引し、吸引した水に、酸素発生器5からの高濃度酸素を混合して気泡を生成し、この気泡を含んだ水を気泡微細化装置32に排出する。湖の水を吸引する取水管13の長さは調節可能に形成されており、湖の所望の深さ又は位置の水を吸引可能に形成されている。取水管13の先端の取水口を、水質の悪化した位置に配置することにより、水質の悪化した水を吸引して高濃度酸素を混合し、水質を酸素によって直接的に改良することができる。更に、浮沈体6を、取水管13の取水口と実質的に同じ位置に配置することにより、浮沈体6の配置位置の水に効率的に酸素を供給できるので、この位置の水を効率的に浄化できる。
気泡混合水生成装置3の気泡微細化装置32は、ポンプ31から供給された水に含まれる気泡を微細化し、直径が10nm〜500nm程度の高濃度酸素のナノバブルを生成する。この気泡微細化装置32により生成されたナノバブルを含む気泡混合水を、三方弁21を介して接続管9へ供給するようになっている。
図5は、気泡混合水生成装置3が有する気泡微細化装置を示す縦断面図である。この気泡微細化装置32は、概ね球状の耐圧ケーシング33と、耐圧ケーシング33内に収容された微細化ブロック35とで大略構成されている。気泡微細化装置32には、耐圧ケーシング33に連結された供給管34を通して、ポンプ31から気泡混合水が耐圧ケーシング33内に圧送される。耐圧ケーシング33に圧送された気泡混合水は、微細化ブロック35内に被圧状態で流入し、気泡が微細化されて、微細化ブロック35に連結された排出管36を通って耐圧ケーシング33の外部へ排出される。排出管36は耐圧ケーシング33の供給管34と反対側に挿通して固定されており、微細化ブロック35を耐圧ケーシング33に固定する固定具を兼ねている。
図6は、微細化ブロック35を示す平断面図であり、図7は、微細化ブロック35の縦断面図である。微細化ブロック35は、平面視において概ね正八角柱のブロック本体37と、ブロック本体37の中心軸の周りに等角度をおいて形成された4つの旋回室R,R,R,Rと、ブロック本体37の中心軸と同心に形成され、対向する旋回室R,Rの間を結ぶ線と直角をなす直角通路Pが内部に形成されている。微細化ブロック35は、例えばフッ素樹脂等の合成樹脂で製造することができる。なお、微細化を行う対象や、気泡混合水の温度等の条件に応じて、他の合成樹脂を用いて微細化ブロック35を製造してもよい。また、ステンレス鋼等の金属で微細化ブロック35を製造してもよい。
微細化ブロック35の旋回室Rは、円筒の端面に半球を連ねたような回転体形状を有し、円筒部が微細化ブロック35の外径側を向くと共に半球部が微細化ブロック35の内径側を向くように形成されている。対向する2つの旋回室Rは、中心軸が一直線上に配置されて、旋回室対を構成している。本実施形態では、2つの旋回室対が設けられており、これら2つの旋回室対は、各対の旋回室R間を結ぶ中心軸が互いに直交するように配置されている。上記直角通路Pは、各旋回室対の旋回室Rの間を結ぶ中心軸に対して直角方向に延在している。直角通路Pには、4つの旋回室Rの半球部の先端が連通している。直角通路Pの各旋回室対の旋回室Rの間に位置する部分が、2つの旋回室対の共通の衝突室となっている。直角通路Pの衝突室よりも排出管36側に位置する部分は、衝突室で微細化した気泡混合水を排出する排出路となっている。一方、直角通路Pの供給管34側の端部は、キャップ41で閉じられている。上記直角通路Pの排出路の端部は、排出管36に接続されている。
微細化ブロック35には、旋回室Rへ気泡混合水を供給する供給路39が形成されている。供給路39は、旋回室Rの中心軸方向視において内周面の接線を描くように形成されており、微細化ブロック35の端面に形成された入口開口39aから気泡混合水が流入し、旋回室Rの内側面に形成された流入開口39bから気泡混合水を室内に放出するようになっている。供給路39は、旋回室Rの中心軸に関して対称の位置に2つ設けられており、各供給路39の入口開口39aは、微細化ブロック35の両端面に夫々形成されている。図6の平断面図には、断面に表れない側の供給路39の平面方向の位置を仮想線で示している。なお、耐圧ケーシング33に供給される気泡混合水の流量や圧力、或いは、旋回室Rに形成すべき旋回流の速度等に応じて、2つの供給路39のうちの一方が閉鎖されてもよい。あるいは、微細化ブロック35に、1つの旋回室Rにつき供給路39を1つのみ形成してもよい。
上記微細化ブロック35の旋回室Rは、概ね正八角柱のブロック本体37が有する8個の側面のうち、1つおきの4個の側面に底が球状の円柱穴を形成し、この円柱穴の開口部を円形ドーム状の蓋体40で閉鎖して形成されている。
この気泡微細化装置32にポンプ31から気泡混合水が供給されると、耐圧ケーシング33の内側面と、微細化ブロック35の外側面との間に、気泡混合水が被圧されて満たされる。被圧された気泡混合水は、微細化ブロック35の端面に形成された入口開口39aから供給路39に流入し、流入開口39bから旋回室R内に導かれる。供給路39から旋回室Rに導かれた気泡混合水は、供給路39が旋回室Rの中心軸に対して接線方向に形成されていることにより、旋回室R内で中心軸周りの旋回流になる。旋回室R内に形成される気泡混合水の旋回流は、旋回室Rの流入開口39bが設けられた円筒部の端部から半球部の端部に向かって流れ、これに伴う旋回径の縮小によって流速が増大する。旋回室Rの微細化ブロック35の内径側に位置する半球部の端部に達した気泡混合水は、高速で旋回しながら直角通路Pの衝突室に吐出される。上記旋回室対を構成する2つの旋回室Rで生成される旋回流の旋回方向は、互いに反対向きであり、これにより、直角通路Pの衝突室で互いに反対向きの旋回流れが衝突する。これらの旋回流は、旋回室Rから衝突室に吐出され、吐出口から円錐状に旋回する旋回噴流が形成される。これら旋回噴流は、互いに反対向きに旋回するので、衝突室で互いに衝突することにより、気泡混合水の気泡が効果的に破壊され、50nm以上10μm以下の直径に微細化されて、酸素の微細気泡としてのマイクロナノバブルが生成される。さらに、2つの旋回室対が設けられていることにより、各旋回室対の気泡混合水の旋回流が衝突室で重畳的に衝突し、気泡混合水の気泡が効果的に微細化されて、マイクロナノバブルが効果的に生成される。このようにして、本実施形態の微細化ブロック35は、旋回噴流を衝突させることにより、直径が10nm以上500nm以下のナノバブルを効果的に生成することができる。
気泡混合水生成装置3に高濃度酸素を供給する酸素発生器5は、空気を吸入し、吸入した空気から窒素や二酸化炭素を除去することにより、酸素濃度を高めて高濃度酸素を生成するものである。この酸素発生器5は、ゼオライトが内側面に配置された吸着タンクに高圧空気を供給し、空気の窒素や二酸化炭素や水をゼオライトに吸着させ、吸着タンクから高濃度酸素を排出するように構成されている。なお、酸素発生器は、ゼオライトで形成された中空の窒素選択性透過膜の内側に空気を流し、この窒素選択性透過膜を透過して排出された酸素を収集して高濃度酸素を生成するものであってもよい。また、酸素発生器は、他の原理により酸素を生成するものでもよい。
図8は、本実施形態の水質改良装置1の構成を示すブロック図である。図8に示すように、電源装置24は、風力発電装置14及び太陽光発電装置17で生成された電力を蓄積すると共に、この電力を、気泡混合水生成装置3、コンプレッサ4、酸素発生器5、風向検出装置15、位置検出装置16、制御装置19及び三方弁21に供給するように形成されている。
制御装置19は、気泡混合水生成装置3、コンプレッサ4、酸素発生器5及び三方弁21を制御し、浮沈体6に気泡混合水又は空気を供給することにより、浮沈体6の動作を制御する。まず、浮沈体6の浮沈用タンク7内に空気が貯留され、湖に投入されて浮遊している浮沈体6を、錨として機能させる場合、制御装置19は、三方弁21の流入側を気泡混合水生成装置3に接続する。この後、気泡混合水生成装置3と酸素発生器5を作動させ、取水管13から吸引した湖の水に高濃度酸素の微細気泡を含有させて気泡混合水を生成し、この気泡混合水を、三方弁21及び接続管9を通して浮沈体6の浮沈用タンク7に供給する。これにより、浮沈用タンク7内の空気が吐出ノズル8から排出され、浮力が消失して沈下力が生じ、浮沈体6が湖の水中を沈下して湖底Bに達する。こうして湖底Bに配置された浮沈体6は、錨として機能する。なお、浮沈体6を沈下させる場合、気泡混合水生成装置3は、微細気泡を含有しない水のみを浮沈用タンク7に供給してもよい。
浮沈体6の配置位置の水質を改良する場合、制御装置19は、三方弁21の流入側を気泡混合水生成装置3に接続し、気泡混合水生成装置3と酸素発生器5を作動させ、浮沈用タンク7内に気泡混合水を供給する。浮沈用タンク7に供給された気泡混合水は、浮沈用タンク7内を満たした後、吐出ノズル8から吐出される。この吐出ノズル8から吐出された気泡混合水に含まれる気泡の酸素が、湖の周辺の水に供給されることにより、この周辺の水は好気性微生物が生息できる環境になる。その結果、水質の改良を促進することができる。特に、浮沈体6が湖底Bに配置され、錨として機能しているときに、吐出ノズル8から気泡混合水を吐出することにより、湖底Bに堆積したヘドロ22に酸素を供給できる。その結果、好気性微生物によってヘドロ22の分解を促進することができる。
一方、湖底Bに配置された浮沈体6の錨の機能を停止させる場合、制御装置19は、三方弁21の流入側をコンプレッサ4に接続し、コンプレッサ4を作動させ、浮沈用タンク7内に空気を供給する。これにより浮力が生じ、浮沈体6が湖の水中を浮上して、錨の機能が停止する。こうして浮沈体6の錨の機能が停止されると、水質改良装置1は、水面W上を移動可能になる。
この水質改良装置1は、水質の改良を行う湖の地図情報を制御装置19に予め格納し、この地図情報に基づいて運転することにより、湖の改良を自律的に行うことができる。図9は、制御装置19に格納される湖の地図情報27を、模式的に示す図である。この地図情報27は、制御装置19の入出力装置を通して記憶装置25に格納される。制御装置19は、地図情報27に基づいて、浮沈体6の錨の機能と、吐出ノズル8からの気泡混合水の吐出を制御することにより、地図情報に示された湖の改良領域の水質を自律的に改良するようになっている。
制御装置19に格納される地図情報27は、図9に示されるように、経度に対応するX軸と、緯度に対応するY軸とで表される座標上に、複数のブロック28,28,28,・・・28,によって湖の形状が表されている。地図情報27には、水質の改良を行うべき範囲のブロック28が、改良領域を示す境界線で取り囲まれており、この改良領域内で水質改良装置1が気泡混合水の吐出を行うように制御される。
まず、水質改良装置1が湖に配置されると、制御装置19は、位置検出装置16によって現在の位置を特定する。現在の位置が、地図情報27で示される改良領域内であると、制御装置19は、三方弁21の流入側を気泡混合水生成装置3に切り替えると共に気泡混合水生成装置3と酸素発生器5を作動させ、浮沈体6の浮沈用タンク7に気泡混合水を供給し、浮沈体6を湖底Bに沈下させて浮沈体6を錨として機能させる。引き続いて、制御装置19は気泡混合水生成装置3と酸素発生器5の動作を継続し、浮沈体6の浮沈用タンク7に気泡混合水を更に供給し、これにより、浮沈用タンク7に連なる吐出ノズル8から気泡混合水を吐出させる。浮沈体6の底面の吐出ノズル8から吐出された気泡混合水は、浮沈体6が接している湖底Bのヘドロに噴射され、気泡混合水に含まれる酸素がヘドロに効果的に混合される。こうしてヘドロに酸素を供給することにより、好気性微生物によるヘドロの分解を促進する。
吐出ノズル8から気泡混合水を吐出して所定時間が経過すると、制御装置19は、気泡混合水生成装置3と酸素発生器5の動作を停止し、地図情報27の現在の位置を示すブロック28の情報に、改良を実行した旨の改良実行情報を関連付ける。図9に示す地図情報27では、改良実行情報が関連付けられたブロック28に、ハッチングが付されている。この後、制御装置19は、地図情報27において改良実行情報が関連付けられていないブロック28に移動するため、風向検出装置15からの情報に基づいて風向きを検知すると共に、風力発電装置14の風車の回転数に基づいて風速を検知する。風向きAが、図9に示すように、丸印29で示す水質改良装置1の現在の位置から、改良実行情報が関連付けられていないブロック28に向かう方向であり、かつ、この風の風速が所定の値以上である場合、制御装置19は次のような制御を行う。すなわち、三方弁21の流入側をコンプレッサ4側に切り替えると共にコンプレッサ4を作動させ、浮沈体6の浮沈用タンク7に空気を供給し、浮沈体6に浮力を生成させて湖底Bから浮上させ、錨の機能を停止させる。浮沈体6の錨の機能が停止すると、水質改良装置1は、風力発電装置14の風車に受ける風の力により、風向きAの方向に移動する。
水質改良装置1が風の力によって移動し、制御装置19が、位置検出装置16の情報に基づいて、地図情報27で示される改良領域内であって改良実行情報が関連付けられていないブロック28に到達したことを検出すると、三方弁21の流入側を気泡混合水生成装置3に切り替えると共に気泡混合水生成装置3と酸素発生器5を作動させる。これにより、浮沈体6の浮沈用タンク7に気泡混合水を供給し、浮沈体6を湖底Bに沈下させて浮沈体6を錨として機能させ、水質改良装置1の移動を停止させる。続いて、制御装置19は気泡混合水生成装置3と酸素発生器5の動作を継続し、浮沈体6の浮沈用タンク7に気泡混合水を更に供給し、吐出ノズル8から気泡混合水を吐出させ、このブロック28に対応する位置の湖底Bに、気泡混合水を供給する。
このようにして、水質改良装置1は、風の力を利用して、地図情報27で示される改良領域内を、改良実行情報が関連付けられたブロック28から改良実行情報が関連付けられていないブロック28に移動し、気泡混合水を吐出して水質の改良を行う。このような移動と気泡混合水の吐出を、地図情報27で示される改良領域内で繰り返し、改良領域内の全てのブロック28に改良実行情報が関連付けられると、この湖の水質の改良作業が完了する。以上のように、本実施形態の水質改良装置1によれば、地図情報27を用いて、位置検出装置16からの情報と、風向検出装置15からの情報に基づいて、気泡混合水生成装置3と酸素発生器5とコンプレッサ4と三方弁21を制御することにより、湖の改良領域内で自律的に改良運転を行うことができる。
本実施形態の水質改良装置1は、制御装置19に通信装置を接続し、遠隔地から運転状況の監視や地図情報の入出力が可能であるのが好ましい。通信装置は、LTE等のモバイルデータ通信網に接続して、遠隔地のサーバー等と情報の送受信を行うものを採用できる。これにより、遠隔地から、水質改良装置1の動作を監視することができる。また、水質改良装置1が設置された湖の改良領域を、遠隔地から変更することができる。また、本実施形態の水質改良装置1は、通信装置を通して、遠隔地から気泡混合水生成装置3とコンプレッサ4と三方弁21の動作を制御可能に構成してもよい。これにより、遠隔地の操作者が、浮沈体6の浮上と沈下を制御して、水質改良装置1の位置を調整することができる。また、遠隔地の操作者が、浮沈体6の吐出ノズル8からの気泡混合水の吐出を制御して、水質の改良を実行することができる。また、本実施形態の水質改良装置1は、無線通信により撮影画像を送信する無線カメラを備え、水質改良装置1やその周辺を撮影して、遠隔地の監視者や操作者に送信するように構成してもよい。
上記実施形態において、風力発電装置14の風車の回転数に基づいて風速を検出したが、風向検出装置15を、風向と風速を検出する風向風速検出装置に換えて、この風向風速検出装置で風向と共に風速を検出してもよい。また、浮沈体6の錨の機能を停止する場合、風速を考慮しなくてもよい。
また、上記実施形態において、気泡混合水生成装置3は、気泡を含んだ水を吐出するポンプ31と、このポンプ31に接続された気泡微細化装置32とを有したが、ポンプ31と気泡微細化装置32は直接接続していなくてもよく、ポンプ31を浮体2に配置する一方、気泡微細化装置32を浮沈体6に配置してもよい。すなわち、直径の比較的大きな気泡を含む水を、浮体2上のポンプ31から接続管9を介して浮沈体6に供給し、浮沈体6に配置した気泡微細化装置32で気泡を微細化して、ナノバブルを生成してもよい。
また、上記実施形態において、気泡混合水生成装置3は、直径が10nm以上500nm以下の高濃度酸素のナノバブルを含む気泡混合水を生成したが、気泡混合水に含まれる気泡はナノバブルに限られず、直径が10μm〜50μm程度のマイクロバブルや、直径が500nm〜10μm程度のマイクロナノバブルでもよい。また、10μm以上の気泡でもよい。
また、上記実施形態において、ダム湖の湖底Bのヘドロの除去を目的としたが、湖底Bのヘドロに限らず、種々の深さの水質を改良するために、水質改良装置1を使用してもよい。すなわち、あらゆる深さの水に、浮沈体6の吐出ノズル8から気泡混合水を供給し、水中の酸素濃度を増大させることにより、水質の改良を行うことができる。浮沈体6が気泡混合水を供給する深さは、浮沈体6の浮沈用タンク7に供給する空気の量により調節することができる。また、濁度が高い水の浮遊物を、気泡混合水に含まれる微細な気泡で凝集して水面Wに浮上させることにより、水の透明度を向上することができる。
また、浮体2と浮沈体6の間を、単一の接続管9で接続したが、浮体2と浮沈体6の間は、浮沈用タンク7に空気又は水を供給するタンク供給管と、吐出ノズル8に気泡混合水を供給するノズル供給管とで接続してもよい。上記タンク供給管で、浮沈用タンク7に空気又は水を供給することにより、浮沈体6の水中の位置を調整する一方、上記ノズル供給管で、吐出ノズル8に気泡混合水を供給することにより、浮沈体6の配置位置で気泡混合水を吐出して周辺の水の改良を行うことができる。
また、浮沈体6は、浮沈用タンク7に気泡混合水を供給して吐出ノズル8から空気を排出して沈下力を生成したが、浮沈用タンク7の上部に外部との連通をオンオフする開閉弁を設け、この開閉弁を開いて浮沈用タンク7内の水を排出すると共に湖の水を導いて、沈下力を生成してもよい。
また、気泡混合水生成装置3は、酸素発生器5から供給された高濃度酸素の気泡を含む気泡混合水を生成したが、気泡混合水の気泡は必ずしも高濃度酸素でなくてもよい。浮沈体6に供給されて吐出ノズル8から吐出される気泡混合水は、酸素を含むのであれば、気泡の成分は特に限定されない。例えば、気泡混合水生成装置3は、吸入した湖の水に、空気の微細気泡を混合してなる気泡混合水を生成してもよい。この場合、水質改良装置1は酸素発生器5が不要であり、制御装置19は、錨の機能の制御と水質の改良の制御において、酸素発生器5の制御は不要である。
また、上記実施形態において、水質改良装置1をダム湖に用いたが、他の湖、池沼、海及び河川に用いてもよい。
1 水質改良装置
2 浮体
3 気泡混合水生成装置
4 コンプレッサ
5 酸素発生器
6 浮沈体
7 浮沈用タンク
8 吐出ノズル
9 接続管
11 フロート
12 架台
14 風力発電装置
15 風向検出装置
16 位置検出装置
17 太陽光発電装置
19 制御装置
21 三方弁
22 ヘドロ
24 電源装置
25 記憶装置
27 地図情報

Claims (12)

  1. 水面に浮かぶ浮体と、
    上記浮体が浮かぶ水を吸引し、吸引した水に酸素を含む気泡を添加してなる気泡混合水を生成する気泡混合水生成装置と、
    圧縮空気を生成するコンプレッサと、
    上記浮体に接続され、上記コンプレッサから供給された空気が内部に導かれて浮力が生じる一方、内部に貯留した空気が排出されて沈下力が生じる浮沈用タンクと、上記気泡混合水生成装置から供給された気泡混合水を吐出する吐出ノズルとを有し、水底に達したときに錨として機能する浮沈体と
    を備えることを特徴とする水質改良装置。
  2. 請求項1に記載の水質改良装置において、
    上記浮沈体の浮沈用タンクは、空気及び気泡混合水が選択的に供給される単一の供給管に連なっており、
    上記浮沈体の吐出ノズルは、上記浮沈用タンクを介して気泡混合水が供給されることを特徴とする水質改良装置。
  3. 請求項2に記載の水質改良装置において、
    上記浮沈体の浮沈用タンクは、上記供給管を通して上記コンプレッサから供給された空気により浮力が生じる一方、上記供給管を通して上記気泡混合水生成装置から供給された水又は気泡混合水により沈下力が生じることを特徴とする水質改良装置。
  4. 請求項1に記載の水質改良装置において、
    上記気泡混合水生成装置及びコンプレッサに電力を供給するための風力発電装置を備えることを特徴とする水質改良装置。
  5. 請求項1に記載の水質改良装置において、
    上記気泡混合水生成装置及びコンプレッサに電力を供給するための太陽光発電装置を備えることを特徴とする水質改良装置。
  6. 請求項1に記載の水質改良装置において、
    位置を検出する位置検出装置を備えることを特徴とする水質改良装置。
  7. 請求項6に記載の水質改良装置において、
    上記位置検出装置は、衛星から受信した信号に基づいて位置を検出することを特徴とする水質改良装置。
  8. 請求項6に記載の水質改良装置において、
    風向きを検出する風向検出装置と、
    上記位置検出装置で検出された位置と、上記風向検出装置で検出された風向きとに基づいて、上記浮沈用タンクの空気の供給と排出を制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする水質改良装置。
  9. 請求項8に記載の水質改良装置において、
    上記制御装置は、
    上記風向検出装置が検出した風向きが、移動の目的地が存在する方向と一致するときに、上記浮沈用タンクにコンプレッサから空気を供給させる一方、
    上記位置検出装置が検出した位置が、移動の目的地と一致するときに、上記浮沈用タンクの空気を排出させることを特徴とする水質改良装置。
  10. 請求項9に記載の水質改良装置において、
    上記制御装置は、
    水質の改良を行う領域が含まれる地図情報を格納する情報格納部を有し、
    上記情報格納部に格納された地図情報のうち、上記吐出ノズルから気泡混合水を所定時間以上吐出した位置を示す情報に、水質の改良を実行した旨の改良実行情報を関連付ける一方、
    上記地図情報のうち、改良実行情報が関連付けられていない情報が示す位置を、上記移動すべき位置に設定し、上記浮沈用タンクへの空気の供給と排出を制御することを特徴とする水質改良装置。
  11. 請求項1に記載の水質改良装置において、
    上記気泡混合水生成装置は、大気から酸素を抽出する酸素発生器に接続され、この酸素発生器から供給された酸素の気泡を水に添加することを特徴とする水質改良装置。
  12. 請求項1に記載の水質改良装置において、
    上記気泡混合水生成装置が生成する気泡混合水は、直径が10nm以上500nm以下の気泡を含むことを特徴とする水質改良装置。
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