JP2018078248A - フラックス塗布装置およびフラックス塗布方法 - Google Patents

フラックス塗布装置およびフラックス塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フラックスをワークの一方の面に塗布し、他方の面にはフラックスが回り込んで付着することを防止するフラックス塗布装置およびフラックス塗布方法を提供する。
【解決手段】搬送されるワークの一方の面に対してフラックスを噴霧するフラックス噴霧部と、ワークの搬送方向後方からワークの他方の面方向に気体を吹き出す第1吹き出し部と、ワークの搬送方向前方からワークの他方の面方向に気体を吹き出す第2吹き出し部とを備えるフラックス塗布装置である。
【選択図】図3

Description

この発明は、フラックス塗布装置およびフラックス塗布方法に関する。
電子部品が挿入されたプリント基板(ワークとも称する)をはんだ付けする際、電子部品のリードと、ワークの電極面とのはんだ付け性を向上させるためにフラックスが塗布される。フラックスは、はんだ付けする際のはんだ表面及び電極面の酸化膜を除去し、はんだの表面張力を低下させ、リードと電極面とのはんだ接合をより確実にさせることを目的として塗布される。このフラックスを塗布する目的で、従来より噴霧式のフラックス塗布装置がある。この噴霧式のフラックス塗布装置は、ワークに対してフラックスを均一に薄く塗布することが可能である。
そのような、ワークに対してフラックスを塗布するフラックス塗布装置においては、ワークの電子部品が挿入されている面にフラックスが飛散し付着することを防止する必要がある。
そこで、プリント基板の上面に圧風を吹き付けて、プリント基板に接触せずに上昇する煙霧化フラックスのプリント基板の上面への付着を防止するフラックス塗布方法が提案されている(特許文献1)。
特開平4−9272号公報
フラックスをプリント基板の下から噴霧して塗布する場合、プリント基板の搬送方向前端および後端においてプリント基板の下面に付着しなかったフラックスがプリント基板の上方に舞ってさらに回りこんでプリント基板の上面に付着してしまうという問題がある。このような点において特許文献1に記載の構成では、プリント基板の上面に吹きつける圧風は一方向からのみであるため、プリント基板の前端および後端の両方におけるフラックスの回りこみによる付着を防止する点では不十分であるという問題がある。
したがって、この発明の目的は、フラックスをワークの一方の面に塗布し、他方の面にはフラックスが回り込んで付着することを防止するフラックス塗布装置およびフラックス塗布方法を提供することにある。
この発明は、搬送されるワークの一方の面に対してフラックスを噴霧するフラックス噴霧部と、ワークの搬送方向後方からワークの他方の面方向に気体を吹き出す第1吹き出し部と、ワークの搬送方向前方からワークの他方の面方向に気体を吹き出す第2吹き出し部とを備えるフラックス塗布装置である。
また、この発明は、搬送されるワークの一方の面に対してフラックスを噴霧し、ワークの搬送方向後方からワークの他方の面方向に気体を吹き出し、ワークの搬送方向前方からワークの他方の面方向に気体を吹き出すフラックス塗布方法である。
少なくとも一つの実施形態によれば、フラックスをワークの一方の面に塗布し、他方の面にはフラックスが回り込んで付着することを防止することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。また、以下の説明における例示された効果により本開示の内容が限定して解釈されるものではない。
図1Aおよび図1Bは、従来のフラックス塗布装置の構成を示す側面図であり、図1Cは従来のフラックス塗布装置の構成を示す部分正面図である。 本発明を適用できるフローはんだ付け装置の概略を示す略線図である。 図3Aおよび図3Bは、本発明の第1の実施の形態に係るフラックス塗布装置の構成を示す側面図であり、図3Cは第1の実施の形態に係るフラックス塗布装置の構成を示す部分正面図である。 図4Aはエアノズルの構成を示す断面図であり、図4Bはエアノズルの斜視図である。 図5Aおよび図5Bは、本発明の第2の実施の形態に係るフラックス塗布装置の構成を示す側面図であり、図5Cは第2の実施の形態に係るフラックス塗布装置の構成を示す部分正面図である。 図6Aおよび図6Bは、上部吸気口および吸気量調整部材の構成を示す平面図である。
以下、この発明を実施の形態について説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.従来技術の課題>
<2.この発明を適用できるフローはんだ付け装置>
<3.第1の実施の形態>
[3−1.フラクサの構成]
[3−2.フラクサの動作]
<4.第2の実施の形態>
[4−1.フラクサの構成]
[4−2.フラクサの動作]
<5.変形例>
なお、以下に説明する一実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
<1.従来技術の課題>
図1を参照して従来のフラックス塗布装置(以下、フラクサ1と称する)の課題について説明する。フラクサ1は、ワークWの寸法を検出するワーク検出センサ2、ワークWへフラックスを噴霧するスプレーノズル3、スプレーノズル3を駆動させる駆動機構(図示せず)、ワークWを搬送する搬送コンベア4(図1A、図1Bにおいては省略する)、フラックスを吸引する上部吸気口5および下部吸気口6を備えて構成されている。
図1A、図1Bにおいては、図中矢印Fに示す方向へとワークWは搬送されるものとする。図1A、図1B中の二点鎖線はワークWの搬送面を示し、一点鎖線はスプレーノズル3のフラックス噴霧方向の中心を示す。
フラクサ1は、フラックスを塗布する面がワークWの下面である場合、ワークWの上面にはフラックスが付着しないようにする必要がある。そのためにフラックスはワークWの下方に位置するように設けられたスプレーノズル3からワークWの下面に向けて噴霧される。また、ワークWの上方に上部吸気口5を設け、上部吸気口5でワークWの上方に舞ったフラックスを吸引することによりフラックスがワークWの上面に付着することを防止する。
ワークWを搬送しながらスプレーノズル3でフラックスをワークWの下面に噴霧すると、図1Aに示すようにワークWの前端においてワークWに付着しなかったフラックスがワークWの上方に舞うことになる。
通常、吸気口は端から中心に向かうに従い吸引力が強くなり吸気量が多くなるため、中心部分が最も吸気量が多くなる。よって、図1A中矢印に示すように、フラックスは上部吸気口5によって上方へ吸引されるとともに、その一部は中心部分の強い吸引力によりワークW方向に誘導されてしまう(リターンシャワー)。これにより、ワークWの上面にフラックスが付着してしまうという問題がある。これは図1Bに示すようにワークWの後端においても同様である。
<2.この発明を適用できるフローはんだ付け装置>
図2は、この発明を適用できるフローはんだ付け装置10のシステム全体の構成を示す図である。ワークWは、フラクサ100に搬入される。ワークWは一定の間隔(例えば260mm)を開けて、順々にフラクサ100内に搬送される。図示しない部品挿入工程において、例えばチップ部品等が面実装されている基板上のスルーホールに対して挿入部品のリードが挿入される。この挿入部品が取り付けられた基板がワークWである。但し、ワークWは、プリント配線基板以外に、シリコンウェハー等も含む用語である。フラクサは、例えばワークWの下面にフラックスを塗布するスプレーフラクサである。
フラクサ100に対してプリヒータ101およびはんだ付け装置102がインラインに配列されている。ワークWは搬送コンベア上に載置されて各装置に搬送される。プリヒータ101は、ワークWを予熱するもので、例えば100℃程度まで、ワークWが加熱される。
フローはんだ付け装置10は、例えば噴流させた溶融はんだ上でワークWを通過させてワークWの全面に対しはんだ付けを行うものがある。また、例えばマスクパレットを用いて必要な領域に対して噴流はんだを接触させたり、必要な領域に対する噴流はんだノズルを設けてはんだ付けを行う選択的はんだ付け等が挙げられる。更に、はんだ槽にワークWを浸漬させてはんだ付けを行うディップ方式を使用しても良い。
はんだ付け装置102から搬出されたワークWは次の工程に供される。なお、フローはんだ付け装置10はフラクサ100、プリヒータ101、はんだ付け装置102の他にはんだ付けの不良の検査を行なう外観検査装置103、受け取ったはんだ付けの不良位置情報にしたがってはんだ付け不良を修正する修正装置104などを備えていてもよい。なお、プリヒータ101、はんだ付け装置102、外観検査装置103、修正装置104をそれぞれ分離可能なモジュールの構成としても良い。
<3.第1の実施の形態>
[3−1.フラクサの構成]
次に図3を参照して本実施の形態に係るフラクサ100の構成について説明する。図3A、図3Bはフラクサ100の構成を示す概略側面図である。図3Cはフラクサ100の構成を示す部分正面図である。
フラクサ100は、ワーク検出センサ110、スプレーノズル120、スプレーノズル120を駆動させる駆動機構(図示せず)、ワークWを搬送する搬送コンベア130(図3Aおよび図3Bにおいては省略する)、上部吸気口140、下部吸気口150、第1エアノズル160、第2エアノズル170および制御部(図示せず)を備えて構成されている。スプレーノズル120は特許請求の範囲におけるフラックス噴霧部に相当するものである。第1エアノズル160は特許請求の範囲における第1吹き出し部、第2エアノズル170は第2吹き出し部に相当するものである。
図3A、図3Bにおいては、図中矢印Fに示す方向へとワークWは搬送されるものとする。図3A、図3B中の二点鎖線はワークWの搬送面を示し、一点鎖線はスプレーノズル120のフラックス噴霧方向の中心を示す。図3Aおよび図3Bに示すようにスプレーノズル120は噴霧方向の中心が上部吸気口140の中心に位置するように設けられている。
ワーク検出センサ110は、ワークWの搬送方向の長さなどを検出するセンサである。なお、ワーク検出センサ110はワークWの寸法を検出することができる方法であればどのような方法を採用してもよい。例えば、ワークWをカメラで撮影して得た画像から寸法を検出する手法、光や赤外線の照射により検出する方法、パルスによる検出方法などがある。
スプレーノズル120は、図3Cに示すように、搬送されるワークWに対して図中矢印Lおよび矢印R方向への往復動作を繰り返しながらフラックスを噴霧することによりワークWの一方の面である下面に均一にフラックスを塗布するものである。スプレーノズル120の往復動作時間、往復回数などはワーク検出センサ110により得られたワークWの寸法情報に基づいて制御部により決定される。
上部吸気口140は、スプレーノズル120からワークWに噴霧されたがワークWの下面に付着せずにワークWの上方に舞ったフラックスを吸引するためものである。ワークWの上方に舞ったフラックスを吸引することによりワークWの他方の面である上面にフラックスが付着することを防止することができる。上部吸気口140には排気路(図示せず)が接続されており、排気路の先に設けられたファン(例えばブロアファン)により吸引を行なうものである。
下部吸気口150は、スプレーノズル120からワークWに噴霧されたがワークWの下面に付着しなかったフラックスを吸引するためものである。付着しなかったフラックスを吸引することによりワークWに不必要にフラックスが付着することを防止することができる。下部吸気口150には排気路(図示せず)が接続されており、排気路の先に設けられたファン(例えばブロアファン)により吸引を行なう。
第1エアノズル160は、気体噴射装置(図示せず)などに接続され、ワークWの上方かつワークWの搬送方向においてスプレーノズル120より後方に位置するように設けられている。第1エアノズル160は、搬送されてくるワークWの上面方向に向けて例えば空気、窒素などの気体を吹き出すことによりワークWの搬送方向前方からワークWの上方に巻き上がるフラックスを吹き飛ばし、フラックスがワークWの上面に付着することを防止する。ここで、ワークWの上面方向(他方の面方向)とは、ワークWの上面(他方の面)が存在する方向、または上面に沿う方向を意味するものである。
第2エアノズル170は、気体噴射装置(図示せず)などに接続され、ワークWの上方かつワークWの搬送方向においてスプレーノズル120より前方に位置するように設けられている。第2エアノズル170は、搬送されてくるワークWの上面方向に向けて例えば空気、窒素などの気体を吹き出すことによりワークWの搬送方向後方からワークWの上方に巻き上がるフラックスを吹き飛ばし、フラックスがワークWの上面に付着することを防止する。なお、第1エアノズル160および第2エアノズル170からの気体はある程度高い温度を有する温風として吹き出すとよい。
図4Aおよび図4Bに示すように、第1エアノズル160は一定の間隔を開けて並ぶ複数の下側吹き出し口161と、同じく一定の間隔を開けて並ぶ複数の上側吹き出し口162を備えている。下側吹き出し口161の吹き出し方向を第1の方向とし、上側吹き出し口162の吹き出し方向を第2の方向とし、第1の方向と第2の方向間の角度αは例えば20度である。この構成は第2エアノズル170においても同様である。このように本実施の形態においては、第1エアノズル160および第2エアノズル170は2つの方向に気体を吹き出すように構成されている。
下側吹き出し口161の吹き出し方向である第1の方向は、ワークWに向けた方向であり、上側吹き出し口162の吹き出し方向である第2の方向は、第1の方向よりも上方に向けた方向である。このように2つ方向から幅を持たせて気体を吹き出すことにより広範囲に渡って効率よくフラックスを吹き飛ばすことができる。なお、第1の方向は、ワークWの上面であってスプレーノズル120のフラックスの噴霧方向中心の直上の位置付近に向けた方向であるとよい。
制御部は、例えばフラクサ100またはフローはんだ付け装置10に接続されたPLC(Programmable Logic Controller)により構成されている。または制御部はフラクサ100またはフローはんだ付け装置10内に設けられたPLC、CPU、メモリなどにより構成されてもよい。制御部はスプレーノズル120からのフラックスの噴霧開始、第1エアノズル160からの気体の吹き出し開始および停止、第2エアノズル170からの気体の吹き出し開始および停止など、フラクサ100の全体および各部の動作の制御を行なうものである。制御部にはフラクサ100のワーク搬入口からスプレーノズル120の位置まで距離などフラクサ100内部の寸法情報、ワークWの搬送速度などが予め入力されているものとする。
第1の実施の形態に係るフラクサ100は以上のようにして構成されている。
[3−2.フラクサの動作]
次にフラクサ100に動作について説明する。まず、フラクサ100によるフラックスの塗布処理を行う前にフローはんだ付け装置10の使用者が予めワークWの幅(ワークWの搬送方向に対して略垂直方向の長さ)をフローはんだ付け装置10に入力しておく。フラクサ100にワークWが搬入されると、ワーク検出センサ110によりワークWの搬送方向の寸法(ワークWの搬送方向に沿った長さ)が検出される。そして、ワークWの搬送方向の寸法および搬送速度等から算出された、搬送コンベア130のどこにワークWが位置しているかを示す位置情報がワーク検出センサ110からスプレーノズル120の動作を制御する制御部に送信される。なお、ワークWの搬送速度は使用者が予めフラクサ100に入力しておいてもよいし、ワーク検出センサ110が検出するようにしてもよい。さらに、ワーク検出センサ110が位置情報を算出して制御部に送信してもよいし、ワーク検出センサ110はワークWの搬送方向の寸法を制御部に送信し、制御部がワークWの位置情報を算出してもよい。
次にワークWがスプレーノズル120上方の所定の位置にまで到達したらワークWに対するスプレーノズル120からのフラックスの噴霧が開始される。ワークWがスプレーノズル120の上方の所定の位置にまで到達したか否かは、ワークWの位置情報、ワークWの寸法情報、予め入力されているフラクサ100内部の寸法情報、ワークWの搬送速度などから判断することができる。スプレーノズル120上方の所定の位置とは、例えば、スプレーノズル120の噴霧方向中央の直上の位置でもよいし、スプレーノズル120のフラックス噴霧範囲の端の直上の位置でもよい。
そしてスプレーノズル120からのフラックスの噴霧開始と同時に第1エアノズル160からの気体の吹き出しが開始される。これにより、図3Aに示すように、ワークWの下面に付着せず搬送方向前方からワークWの上方に舞い上がったフラックスをワークWの搬送方向前方に吹き飛ばすことができる。第1エアノズル160からの気体の吹き出しにより吹き飛ばされたフラックスはワークWとその前に搬送されているワークとの間に落ちることになる。これにより、ワークWの上面にフラックスが付着することを防止できる。なお、フラックスの噴霧開始よりも先に第1エアノズル160からの気体の吹き出しを開始していてもよい。
次にワークWの搬送方向中心がスプレーノズル120の噴霧方向の中心の位置を通過したら、第1エアノズル160からの気体の吹き出しを停止し、第2エアノズル170からの気体の吹き出しを開始する。これにより、図3Bに示すようにワークWの下面に付着せず搬送方向後方からワークWの上方に舞い上がったフラックスをワークWの搬送方向後方でありワークWから離間する方向に吹き飛ばすことができる。第2エアノズル170からの気体の吹き出しにより吹き飛ばされたフラックスは上部吸気口140と下部吸気口150に吸い込まれ、上部吸気口140および下部吸気口150に吸い込まれなかった一部のフラックスがワークWとその次に搬送されるワークとの間に落下することになる。落下したフラックスは使用者や清掃装置などにより適宜除去するとよい。
なお、第1エアノズル160の吹き出しから第2エアノズル170の吹き出しへの切り替えはワークWがスプレーノズル120の噴霧方向の中心位置に到達した際に行なう場合に限られない。例えば、ワークWがスプレーノズル120の噴霧方向の中心以外の所定の位置を通過した際に切り替えるようにしてもよい。また、第1エアノズル160の吹き出し停止と第2エアノズル170からの吹き出し開始を同じタイミングで行わず、第1エアノズル160からの吹き出しを停止し、所定期間経過後に第2エアノズル170からの吹き出しを開始するようにしてもよい。
そして、ワークWの後端がスプレーノズル120の噴霧範囲を通過し、ワークWへのフラックスの塗布が終了すると第2エアノズル170からの気体の吹き出しも終了する。
この第1の実施の形態によれば、ワークWの搬送方向後方から気体を吹き出す第1エアノズル160およびワークWの搬送方向前方から気体を吹き出す第2エアノズル170を備えることにより、ワークWの搬送方向前方および搬送方向後方のいずれにおいてもフラックスのワークW上面への付着を防止することができる。
<4.第2の実施の形態>
[4−1.フラクサの構成]
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図5A、図5Bは第2の実施の形態に係るフラクサ200の構成を示す概略側面図である。図5Cはフラクサ200の構成を示す部分正面図である。図6Aは第2の実施の形態に係る上部吸気口140の構成を示す部分平面図である。
第2の実施の形態は上部吸気口140に吸気量調整部材210が設けられている点で第1の実施の形態と異なる。吸気量調整部材210以外は第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態を援用してその説明を省略する。
吸気量調整部材210は平板状の遮蔽板として構成されている。吸気量調整部材210は図6Aに示すように上部吸気口140の平面視における略中心を含みつつ、上部吸気口140の縁部周辺を含まない、上部吸気口140の全面よりも狭い領域に設けられておりる。吸気量調整部材210は、上部吸気口140の中央部分の吸気を遮ることにより、中央部分における吸気量を低減させるためのものである。上述したように吸気口は通常、中央部分が最も吸引力が強く吸気量が多い。そうすると上部吸気口140の中央部分の強い吸引力によって、上方に舞ったフラックスのワークW方向への巻き込みが発生する。そこで、吸気量調整部材210を設けて上部吸気口140の中央部分における吸気量を低減させることにより上方に舞ったフラックスがワークW方向に巻き込まれることを抑制することができる。なお、吸気量調整部材210のサイズは上部吸気口140からの吸引量、上部吸気口140からワークWまでの距離などに基づいて適宜設定するとよい。
[4−2.フラクサの動作]
なお、第2の実施の形態におけるフラクサ200の動作は第1の実施の形態におけるフラクサ100と同様である。第2の実施の形態においては吸気量が多い上部吸気口140の中央部分における吸気が吸気量調整部材210により遮られているため、図5Aに示すようにワークWの上方に舞ったフラックスが上部吸気口140の中心方向(ワークWの上方方向)に誘導されてしまうことがない。これは図5Bに示すようにワークWに後端においても同様である。よって、ワークWの上方に舞ったフラックスがワークWの上面に付着することを抑制することができる。
この第2の実施の形態によれば、上部吸気口140に吸気量調整部材210が設けられているため、上部吸気口140の中心方向(ワークWの上方方向)にフラックスが誘導されることを抑制し、フラックスのワークW上面への付着を防止することができる。第1エアノズル160および第2エアノズル170からの吹き出しと併用することでフラックスのワークW上面への付着防止効果を高めることができる。
<5.変形例>
以上、本開示の実施の形態について具体的に説明したが、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。また、ワークなどの被塗布体に材料を塗布する装置であればどのような装置にも適用できる。
また、上述の実施の形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。また、上述の実施の形態の構成、方法、工程、形状、材料及び数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
スプレーノズル120はワークWの上方に位置するように設けられ、ワークWの上面にフラックスを塗布する構成でもよい。この場合、第1エアノズル160および第2エアノズル170はワークWの下面側に設けられることになる。さらに、この場合、吸気量調整部材210は下部吸気口150に設けられることになる。
ワークWの下面全面にフラックスを塗布するのではなく、ワークWの下面にマスクパレットを設け、マスクパレットが有する穴に対応するワークWの所定の位置にのみフラックスを塗布するようにしてもよい。
搬送コンベア130に代えて搬送ピンでワークWの搬送を行なうようにしてもよい。
上部吸気口140にはフラックスが上部吸気口140から排気路内部に侵入することを防ぐフィルタを設けてもよい。下部吸気口150についても同様である。
吸気量調整部材210は上部吸気口140の中央部分の吸気の流れを遮断する板状の遮蔽板以外にも、網状部材、格子状部材など遮断せずに吸気量を低減させるものであってもよい。
上部吸気口140および吸気量調整部材210は平面視四角状に限られず、図6Bに示すように円形状であってもよいし、四角形以外の多角形状であってもよい。下部吸気口150も同様である。
第1エアノズル160および第2エアノズル170による気体の吹き出しは一定の方向に向けて行ってもよいし、搬送されるワークWの位置に追従するように自動制御により吹き出し方向が変化するようにしてもよい。
第1エアノズル160および第2エアノズル170は回動可能、気体の吹き出し角度を可変に構成してもよい。
第1エアノズル160の吹き出し方向を可変とし、ワークWの上面に向けた吹き出し終了後に吹き出し方向を略鉛直方向にしてもよい。そして、第2エアノズル170による吹き出しが開始されるのと同時に第1エアノズル160による略鉛直方向への吹き出しも開始し、第2エアノズル170で吹き飛ばしたフラックスを第1エアノズル160から吹き出す気体で下方向に吹き飛ばして落下させる。これにより、第1エアノズル160で吹き飛ばしたフラックスがフラクサ内を舞って次に搬送されてくるワークWに付着したり、フラクサ内部に残留してしまうことを防止することができる。これは、第2エアノズル170についても同様である。
また、上述したワークWの搬送方向に対して略垂直下方に気体を吹き出すエアノズルは、第1エアノズル160、第2エアノズル170の吹き出し方向を可変とすることにより実現してもよいし、専用のエアノズルを別途設けることで実現してもよい。
さらに、第1エアノズル160、第2エアノズル170の気体の吹き出し方向は2つに限定されるものではない。2つ以上、例えば3つの方向に気体を吹き出してもよい。
下側吹き出し口161を構成する複数の孔の配置は、等間隔に限られず千鳥格子状などであってもよい。これは上側吹き出し口162ついても同様である。
第2の実施の形態において、吸気量調整部材210のみでワークWの上面へのフラックスの付着を防止することができる場合には第1エアノズル160および第2エアノズル170を設けなくてもよい。
100、200・・フラクサ(フラックス塗布装置)
120・・・・・・スプレーノズル(フラックス噴霧部)
140・・・・・・上部吸気口(吸気口)
160・・・・・・第1エアノズル(第1吹き出し部)
170・・・・・・第2エアノズル(第2吹き出し部)
210・・・・・・吸気量調整部材
W・・・・・・・・ワーク

Claims (8)

  1. 搬送されるワークの一方の面に対してフラックスを噴霧するフラックス噴霧部と、
    前記ワークの搬送方向後方から前記ワークの他方の面方向に気体を吹き出す第1吹き出し部と、
    前記ワークの搬送方向前方から前記ワークの他方の面方向に気体を吹き出す第2吹き出し部と
    を備えるフラックス塗布装置。
  2. 前記第1吹き出し部からの気体の吹き出しを先に行い、前記第1吹き出し部による気体の吹き出し停止後に前記第2吹き出し部による気体の吹き出しを行なう
    請求項1に記載のフラックス塗布装置。
  3. 搬送方向の前記ワークにおける中心が前記フラックス噴霧部を通過した後に前記第2吹き出し部からの気体の吹き出しを行なう
    請求項1に記載のフラックス塗布装置。
  4. 前記第1吹き出し部および/または前記第2吹き出し部は、2つ以上の方向に気体を吹き出す
    請求項1に記載のフラックス塗布装置。
  5. 前記ワークの他方の面側から前記フラックスを吸引する吸気口と、
    前記吸気口の所定の領域における吸気量を該所定の領域以外の領域における吸気量よりも低減させる吸気量調整部材と
    を備える請求項1に記載のフラックス塗布装置。
  6. 前記所定の領域は前記吸気口の平面視における中心を含み、前記吸気口全面よりも小さい領域である
    請求項5に記載のフラックス塗布装置。
  7. 前記吸気量調整部材は前記吸気口の前記所定の領域における吸気を遮蔽する板状部材である
    請求項5に記載のフラックス塗布装置。
  8. 搬送されるワークの一方の面に対してフラックスを噴霧し、
    前記ワークの搬送方向後方から前記ワークの他方の面方向に気体を吹き出し、
    前記ワークの搬送方向前方から前記ワークの他方の面方向に気体を吹き出す
    フラックス塗布方法。
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