JP2018078193A - 光検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】縦型のGePDにおいては、貫通転位の発生による暗電流の増加が避けられない問題があった。貫通転位が存在しているGeを用いたGePDは、貫通転位を通る電流分だけ暗電流が増加する。暗電流の大きなGePDでは、対象とする検出光の最小受光感度が低下し、また長期信頼性試験においても性能が悪くなる。【解決手段】PDのGe層の内部側に構成され第1のドーピング材料(p型またはn型)がドープされた第1の領域と、PDのGe層の表面側に構成され第2のドーピング材料(n型またはp型)がドープされた第2の領域とが、PDの基板面に垂直な方向(Z軸)を見て、概ね重複しないように配置される。PDの基板面に垂直な方向を見たときに、第1の領域および第2の領域が、2つの領域全体のマクロ的な位置関係の点で、または、2つの領域のミクロ的な形状自体の点で、概ね重複しないよう配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、光検出器(Photo Detector:PD)に関する。より詳細には、光通信システムや光情報処理システムにおいて用いられる光検出器の構造に関する。
様々な分野において、情報通信の大規模高速化・大容量化が進んでいる。近年、光通信が基幹ネットワークから一般家庭の領域にまで広く普及するのに伴い、光通信装置のさらなる低コスト化が求められている。低コスト化を実現するための手段の1つとして、シリコンウエハのような大口径ウエハ上に、光通信装置を構成する光回路をシリコンフォトニクスのような微小光回路技術を用いて形成する方法が注目されている。この方法により、1つの光検出器を構成する1チップあたりの材料費を劇的に下げ、光通信装置の低コスト化を実現することができる。このような微小光回路技術を用いて、シリコン(Si)基板上に形成する代表的な光検出器として、モノリシック集積が可能なゲルマニウム光検出器(GePD)がある。
図1は、従来技術の導波路結合型の縦型GePDの構造を模式的に示した図である。図1のGePD100は、光回路が作製されるシリコン基板面を見た上面図であって、後述する図2の断面図および斜視図で示す上部クラッド層を省略し、電極の表面の一部のみが描かれている点に留意されたい。図1の2点鎖線で囲って示したGePD100は、シリコンウエハ上に多数アレイ状に作製されるGePDの内の1つのGePD機能部分を概念的に表したものである。従って2点鎖線の区画は、デバイスを切り出したチップ端面を意味するものではない。また、図1の左端からの検出対象の光を導く導波路コア層110−1は、実際のデバイスでは、図1に描かれていないデバイス端面にまでさらに続いている点に留意されたい。また、電極116、118および電極117は、それぞれが接続されるp++Si電極部112、113およびn型Ge領域115と接している部分のみを「矩形」で描いてある。実際のデバイスでは、各電極はデバイス外部とのバイアス電圧等の入出力のために、各矩形電極部分からGePD100の外側に向かって延長され、電極パッドなどに接続される。図1では、左端より入力される検出光が進む方向、すなわち導波路コア層110−1の導波路形成方向をx軸として、直交座標軸を定義している。以後のすべての図面において、PDの基板面を垂直に見た上面図および断面図は、共通の座標軸を使用する。
導波路コア層110−1はテーパコア層110−2に接続され、さらに矩形状のコア層110−3に接続されている。これら3つのコア層110−1〜110−3は、後述のSIO基板のSi層を利用してエッチング等により一体的に形成される。コア層110−3上に、さらに次に説明するPDを構成するための各層・領域が形成される。
図2は、図1に示した従来技術のGePDを電極長手方向に垂直に切った断面図および斜視図を示した図である。図2の(a)は、図1のGePD100をII−II線で切って、YZ面を見た断面図を示す。図2の(a)は、YZ面においてコア層110−3が存在する範囲を切り出して描いた図であって、左右の端部は実際の構造的な端面ではない点に留意されたい。また、図2の(b)は、(a)に示したYZ面の断面を含み、GePD100のコア層110−3が存在する範囲を斜め上方から見た斜視図である。
図1並びに図2の(a)および(b)を参照しながら、従来技術のGePD100の構造をさらに説明する。GePD100は、Si基板、Si酸化膜および表面Si層からなるSOI(Silicon On Insulator)基板にリソグラフィ技術等を用いて形成される。具体的には、図2の(a)に示したGePD100は、Si基板101と、Si基板上のSi酸化膜からなる下部クラッド層102と、テーパコア層110−2から信号光が導かれるコア層110−3とからなるSIO基板上に構成される。矩形状のコア層110−3上には、断面形状が概略台形で光を吸収するGe層114が形成され、コア層110−3およびGe層114の全体を覆うように、上部クラッド層103がさらに形成される。上述のように、図2の(a)は、矩形状のコア層110−3が存在する範囲を示した断面図であるので、Si基板101および下部クラッド層102は、断面両端のさらに外側(Y軸方向)にそれぞれそのまま連続して存在している。一方、コア層110−3および上部クラッド層103については、断面両端の外側は上部クラッド層103で覆われていることになる。したがってPDの機能部分は、全体が上下のクラッド層102、103によって囲まれていることになる。導波路コア層110−1から導かれた検出対象である光は、図1に示したようにSOI基板面上で矩形状に区画されたコア層110−3の内部に閉じ込められる。
コア層110−3内の最上部には、p型不純物イオンがドーピングされたp型Si領域111が形成される。さらにp型Si領域111内の上部に、p型不純物が高濃度にドーピングされ電極として作用するp++Si電極部112、113が形成される。Ge層114は、エピタキシャル成長によって積層され、その上部にn型不純物がドーピングされたn型Ge領域115が形成されている。p++Si電極部112、113上には、これらに接するように電極116、118をそれぞれ備える。またn型Ge領域115上にも、接するように電極117を備える。尚、以下に示すすべての断面図では、全体の構成を理解しやすいように、基板面に垂直な方向(Z軸方向)の縮尺を非常に拡大して示されている点に留意されたい。従って、実際のデバイスのZ軸を含む断面の形状はZ軸方向に極端に圧縮したものとなる。
図1および図2に示したGePD100では、導波路コア層110−1へ検出対象である光が入射すると、入射光はテーパ状のコア層110−2の中を広がりながら伝搬する。さらにコア層110−3内に入った光がGe層114において吸収されると、Ge層114内でキャリア(電荷)が発生する。電極117と電極116、118との間には、Ge層114内で発生したキャリアによる光電流が流れるので、その光電流を検出することで光を検出することができる。
特許5370857号公報 明細書
しかしながら、図1および図2で説明した縦型のGePDにおいては、貫通転位の発生による暗電流の増加が避けられない問題があった。縦型のGePDでは、空乏層がGe層114の成長方向119(Z軸方向)に対して垂直にXY面に沿って広がる。Ge層114は不純物がドープされておらず真性半導体となるため、よく知られているように、n型Ge領域115を除いてGe層114の全体が概ね空乏層となる。従って光入力によってGe層114で生成されたキャリアは、Geの成長方向119に沿って流れる。
Ge層114はSiコア層110−3からエピタキシャル成長して形成されている。GeとSiは結晶格子定数が異なるため、Siコア層110−3上に成長したGe層114には、格子欠陥による転位が生まれる。転位とは、結晶格子中にある原子が欠損して生まれる欠陥が、線状または面状に配列した状態のことを言う。転位は、電圧を掛けたり応力を掛けたりすると成長することが知られており、欠陥の配列が伸びたり、ばらばらだった欠陥が一か所に集まって長い転位になり得る。この成長した転位の長さが結晶の厚さに到達し、結晶を貫いた状態のものは、貫通転位と呼ばれる。GePDでも、転位はGeの成長方向119(Z軸方向)に平行に進む。転位が、Ge層114の底面から上面まで繋がる貫通転位となった場合、Geの成長方向(Z軸方向)に電場を掛けた時には、この貫通転位を通り電流が流れる。すなわち図2に示したような縦型のGePDでは、貫通転位を通って流れる電流の方向と、検出対象の光入力によって生成されたキャリアの流れる方向とが一致する。
貫通転位を流れる電流は、GePDに光が入射していない時に流れる暗電流に寄与する。従って、貫通転位が存在しているGe層を用いたGePDは、貫通転位を流れる電流分だけ暗電流が大きくなる。暗電流の大きなGePDでは、対象とする検出光の最小受光感度が低下し、また長期信頼性試験においても性能が悪くなる。このように、縦型のGePDでは貫通転位による暗電流の増加、および、暗電流の増加に起因する性能低下を避けられないという問題を抱えていた。
この問題を解決するための手段の1つとして、Ge層の厚膜化が知られている。Ge層114が成長方向(Z軸方向)に厚くなれば貫通転位の発生確率が減少し、貫通転位の数は減少するため、暗電流を小さく抑えることができる。しかしながらGe層の厚膜化は光入力によって発生したキャリアの走行距離の長距離化を招くため、GePDの高速特性を逆に低下させてしまう問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、Ge層を厚くすることを必要とせずに、Geの貫通転位による暗電流の増加を抑えたGePDの新規な構造を提供することにある。従来技術におけるデバイスの高速特性が低下することなしに、周波数特性に優れ、暗電流が小さい光検出器を提供する。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に形成され、第1のドーピング材料がドーピングされた第1の領域(111)を含むシリコンコア層(110−3)と、前記シリコンコア層に接続され、検出対象光を前記シリコンコア層へ導波するシリコン導波路層(110−1)と、前記シリコンコア層上に形成され、第2のドーピング材料がドーピングされた第2の領域(115)を含むゲルマニウム層(114)と、前記第1の領域に接続された1つ以上の第1の電極、および、前記第2の領域に接続された第2の電極とを備え、前記シリコン基板の基板面に垂直な方向を見たとき、前記第1の領域および前記第2の領域が概ね重複していないことを特徴とする光検出器である。ここで、基板面はXY面に対応し、基板面に垂直な方向はZ軸方向に対応する。
請求項2に記載の発明は、請求項1の光検出器であって、前記第1の領域および前記第2の領域の間を流れる、前記検出対象光に起因したキャリアの走行方向は、前記基板面に垂直な方向に対して傾斜していることを特徴とする。すなわち、縦型GePDの貫通転位の方向(Z軸)方向に対して、キャリアの走行方向が傾斜するように第1の領域および第2の領域が構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の光検出器であって、前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向において、前記シリコン導波路層、前記第1の領域および前記第2の領域の順で配置されていることを特徴とする。この発明は実施例1に対応し、入射方向はX軸方向である。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2の光検出器であって、前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向において、前記シリコン導波路層、前記第2の領域および前記第1の領域の順で配置されていることを特徴とする。この発明は実施例2に対応し、入射方向はX軸方向である。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2の光検出器であって、前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向に垂直な方向において、前記第1の領域および前記第2の領域が重複せずに配置されていることを特徴とする。この発明は実施例4に対応し、入射方向に垂直な方向はY軸方向である。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5いずれかの光検出器であって、前記第1の領域の概形の一部および前記第2の領域の概形の一部は、前記第1の領域および前記第2の領域の概ね中間位置において重複しており、前記第1の領域の概形の前記一部および前記第2の領域の概形の前記一部はそれぞれ櫛形形状をしており、前記基板面に垂直に見たとき、前記第1の領域の前記櫛形形状の各々の歯の部分と前記第2の領域の前記櫛形形状の各々の歯の部分とは重複しておらず、前記第1の領域および前記第2の領域の前記櫛形形状の繰り返しピッチPおよび前記ゲルマニウム層の厚さtは、P≧tの関係にあることを特徴とする。この発明は、実施例5または実施例6に対応する。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5いずれかの光検出器であって、前記第1の領域の前記第1のドーピング材料はp型不純物であって、前記第1の領域はp型シリコン領域であり、前記第2の領域の前記第2のドーピング材料はn型不純物であって、前記第2の領域はn型ゲルマニウム領域であるか、または、前記第1の領域の前記第1のドーピング材料はn型不純物であって、前記第1の領域はn型シリコン領域であり、前記第2の領域の前記第2のドーピング材料はp型不純物であって、前記第2の領域はp型ゲルマニウム領域であるか(実施例3に対応)のいずれか一方であることを特徴とする。
本発明の別の態様は、シリコン基板(101)と、前記シリコン基板上に形成された下部クラッド層(102)と、前記下部クラッド層上に形成され、p型不純物がドーピングされたp型シリコン領域(111)を含むシリコンコア層(110−3)と、前記シリコンコア層に接続されたシリコン導波路層(110−1)と、前記シリコンコア層上に形成され、n型不純物がドーピングされたn型ゲルマニウム領域(115)を含むゲルマニウム層(114)と、前記シリコンコア層および前記ゲルマニウム層上に形成された上部クラッド層(103)と、前記p型シリコン領域(111)に接続された電極(116、118)および前記n型ゲルマニウム領域(115)に接続された電極(117)とを備え、前記シリコン基板の基板面に垂直な方向を見たとき、前記n型ゲルマニウム領域(115)および前記p型シリコン領域(111)は、重複しないことを特徴とする光検出器である。
本発明により、Ge層を厚くすることを必要とせずに、Geの貫通転位による暗電流の増加を抑えたGePDを提供することができる。従来技術のようにデバイスの高速特性が低下させることなしに、周波数特性に優れ、暗電流が小さい光検出器を提供できる。
図1は、従来技術の導波路結合型の縦型GePDの構造を模式的に示した図である。 図2は、図1に示した従来技術のGePDを電極長手方向に垂直に切って見た断面図および斜視図を示した図である。 図3は、本発明の実施例1のPDの構成を示した上面図である。 図4は、図3のIV−IV線を含みコア層の在る範囲のZX面を見た実施例1のPDの断面図である。 図5は、図3のV−V線を含みコア層の在る範囲のYZ面を見た実施例1のPDの断面図である。 図6は、図3のVI−VI線を含みコア層の在る範囲のYZ面を見た実施例1のPDの断面図である。 図7は、本発明の実施例2のPDの構成を示した上面図である。 図8は、本発明の実施例3のPDの構成を示した上面図である。 図9は、本発明の実施例4のPDの構成を示した上面図である。 図10は、図9のX−X線を含みコア層の在る範囲のYZ面を見た実施例4のPDの断面図である。 図11は、本発明の実施例5のPDの構成を示した上面図である。 図12は、本発明の実施例6のPDの構成を示した上面図である。 図13は、図11における櫛形形状の部分を拡大してYZ面を見た断面図である。
本発明の光検出器(以下PDと略する)は、後述するように、PDのGe層の内部側に構成され第1のドーピング材料(p型またはn型)がドープされた第1の領域と、PDのGe層の表面側に構成され第2のドーピング材料(n型またはp型)がドープされた第2の領域とが、PDの基板面に垂直な方向(Z軸)を見て、概ね重複しないように配置される。すなわち、PDの基板面に垂直な方向を見たときに、第1の領域および第2の領域が、2つの領域全体のマクロ的な位置関係の点で、または、2つの領域のミクロ的な形状自体の点で、概ね重複しないように配置されている。すなわち、2つの領域の基板面(XY面)上への射影が、概ね重複しないように配置されている。この構成によって、2つの領域間に生じる空乏層の電界方向は、Ge層の成長方向(基板面に垂直な方向)と異なるようになる。このため、貫通転位の生じる方向と、光入力によってGe層で発生したキャリアの走行する方向が一致せず、Ge層を厚膜化しなくても貫通転位による暗電流の増加が抑えられる。この点において本発明のPDの構成は、従来技術のGePDにおいてPDの表面側にある第2の領域の射影が、PDの内部側にある第1の領域の射影の内に含まれていたのと対照的である。2つの領域は全く重複していないのが好ましいが、キャリアの走行方向が基板面に垂直な方向(Z軸方向)に対して傾いている限り、一部が重複していても、貫通転位による暗電流の増加を抑えることができる。
本発明のPDでは、キャリアの走行方向が基板面に垂直な方向に対して斜めになることによって走行距離が伸びてしまうが、Ge層を薄くしても貫通転位増加の影響を受けにくい。このため、従来技術のGePDが暗電流増加の対策のためにGe層を厚膜化していたのとは逆に、薄層化することによって上述の走行距離の増加を打ち消すことができる。すなわち従来技術の縦型GePDと比較し、高速特性を損なうことなく、暗電流の低減を達成することができる。また、暗電流を減らすことで検出出力信号のSN比を大きくすることができ、本発明のPDを受信機に使ったときの受信感度が高まることから、送信機の低消費電力化や伝送距離の長延化も可能になる。以下、様々な実施例とともに、本発明のPDの構成および動作並びに様々な変形例を示す。最初に、実施例1の構成を使って、本発明のPDの基本的な構成を説明する。
図3は、本発明の最も基本的な形態である実施例1のPDの構成を示す上面図である。後述する図4〜図6は、いずれも実施例1のPD200を異なる面で切って見た断面図である。図3は、基板面(XY面)を垂直に見た本発明のGePD200の上面図である。本発明のPDでは、基本的に図1〜図2で説明した従来技術のPDに準じたデバイス構成であるので、以下、従来技術との相違点に絞って説明する。図3においては、図1の従来技術のGePDの構成要素と同一または対応するものは、同一の符合を付けてある。従来技術のGePD100との大きな相違点は、PDの内部側のコア層110−3の上に構成されたp型Si領域111(第1の領域)と、PDの表面側のGe層114の上に構成されたn型Ge領域115(第2の領域)の位置関係にある。図3に示したように基板面(XY面)に垂直な方向を見たときに、コア層110−3上に構成されているp型Si領域111の位置が、Ge層114上のn型Ge領域115と重複しない。また、図3のように2つの領域に対応する電極116、118および電極117の長手方向が、直交する2の座標軸の内の1つの軸(x軸)と一致している場合、2つの電極はYX座標軸に対して相互に斜めの位置関係にある。従って、検出対象の入射光によりGe層114で生じるキャリアは、n型Ge領域115とp型Si領域111との間を走行するとき、矢印120で示したようにXY面内を座標軸に斜めに走行する。したがって、貫通転位の方向(Z軸方向)とキャリアの走行する方向が一致せず、Ge層114を厚膜化せずに薄いままとしても暗電流の増加が無い。貫通転位の方向とキャリアの走行する方向が一致しないことは、Z軸を含む断面図からさらに良く理解できるだろう。
図4は、図3のX軸に沿ってIV−IV線を含みコア層が存在する範囲のZX面を見た実施例1のPDの断面図である。図4では、手前に電極として作用するp++シリコン電極部113を点線で示している。コア層110−3の上に構成されたp型Si領域111(第1の領域)と、Ge層114の上に構成されたn型Ge領域115(第2の領域)の位置は、X軸方向について見ても重複せずにずれている。従って、2つの領域間(111、115)にバイアス電圧を掛けると、検出光に起因してGe層114で生じ、2つの領域間を流れるキャリアの走行する方向120は、YZ面内でも座標軸に対して斜めとなっている。このキャリアの走行する方向120は、貫通転位の方向119と異なる方向である。このため、2つの領域間にバイアス電圧を掛けても、貫通転位による暗電流の増加は起こらず、Ge層114を厚膜化せずに薄いままとしても暗電流の増加が無い。
図5は、図3のV−V線を含みコア層110−3が存在する範囲のYZ面を見た実施例1のPDの断面図である。p型Si領域111が存在する近傍の断面には、n型Ge領域115は存在していない。従って、貫通転位の方向(Z軸)に沿ってキャリアは流れ得ない。
図6は、図3のVI−VI線を含みコア層110−3が存在する範囲のYZ面を見た実施例1のPDの断面図である。n型Ge領域115が存在する近傍の断面には、p型Si領域111は存在しておらず、p++Si電極部112、113も存在しない。従って、貫通転位の方向(Z軸)に沿ってキャリアは流れ得ない。
ここでより具体的な構成の一例を示せば、コア層110−3は厚さ0.2μm、20×25μmの矩形状とした。Ge層の厚さは0.5μmとした。またn型Ge領域115は4×6μmの矩形状、p型Si領域111は18×8μmの矩形状とし、2つの領域のX軸方向の間隔は1μmとした。
実施例1のPDによれば、キャリアの走行方向が従来技術のように基板面に垂直な方向(Z軸)ではなく、基板面(XY面)および電極の長手方向(X軸方向)などから決定される直交座標軸に対して斜めになることによって、キャリアの走行距離が伸びる。しかしながら、本発明のPDの構造ではGe層を薄くしても貫通転位の影響を受け難いため、Ge層114を薄くすることによって、走行方向の傾斜によるキャリア走行距離の増加を打ち消すことが可能となる。すなわち従来技術の縦型GePDと比較し、高速特性を損なうことなく、暗電流を減らすことができる。暗電流を減らすことで検出出力信号のSN比を大きできるため、本発明のPDを受信機に使ったときの受信感度を高めることができ、送信機の低消費電力化や伝送距離の長延化も可能になる。
したがって本発明は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に形成され、第1のドーピング材料がドーピングされた第1の領域(111)を含むシリコンコア層(110−3)と、前記シリコンコア層に接続され、検出対象光を前記シリコンコア層へ導波するシリコン導波路層(110−1)と、前記シリコンコア層上に形成され、第2のドーピング材料がドーピングされた第2の領域(115)を含むゲルマニウム層(114)と、前記第1の領域に接続された1つ以上の第1の電極、および、前記第2の領域に接続された第2の電極とを備え、前記シリコン基板の基板面に垂直な方向を見たとき、前記第1の領域および前記第2の領域が概ね重複していないことを特徴とする光検出器として実施できる。
さらに、前記第1の領域および前記第2の領域の間を流れる、前記検出対象光に起因したキャリアの走行方向は、前記基板面に垂直な方向に対して傾斜している。
図3から明らかなように本実施例のPDでは、検出対象の光が入射する導波路コア部110−1から見て、p型Si領域111を手前(前方)に、n型Ge領域115を奥(後方)に配置して、2つの領域(111、115)が重複しない構成とした。p型Si領域111のXY面上の大きさは、コア層110−3に対して、どのような面積比であっても良い。また、n型Ge領域115のXY面上の大きさも、Ge層114のトップ面に対して、どのような面積比であっても良い。貫通転位の影響を最小化するために、基板面を垂直に見たときに2つの領域(111、115)が全く重複しない構成とするのが好ましい。2つの領域(111、115)のXY面への射影に一部重複が有っても良いが、できる限り重複しないようにした方が貫通転位の影響をより効果的に回避できる。
2つの領域(111、115)が重複しない配置は、本実施例の構成だけに限られない。次に、X軸方向において2つの領域の位置を入れ替えた実施例を示す。
図7は、本発明の実施例2のPDの構成を示す上面図である。本実施例のPD300は、p型Si領域111およびn型Ge領域115の位置関係が、X軸方向について実施例1の構成とは逆になっている点でのみ、実施例1と相違する。すなわち、検出対象の光が入射する導波路コア部110−1から見て、Ge層114の表面側に構成されたn型Ge領域115を手前(前方)に、Ge層114の内部側に構成されたp型Si領域111を奥(後方)に配置して、2つの領域(111、115)が重複しない構成とした例である。本実施例でも、2つの領域(111、115)にバイアス電圧を掛けると、検出光に起因してGe層114で生じ、2つの領域間を流れるキャリアの走行する方向130は、基板面(XY面)および電極の長手方向(X軸方向)などから決定される直交座標軸に対して、XY面内でも、YZ面内でも斜めとなっている。このキャリアの走行する方向130は、貫通転位の方向(Z軸方向)とは異なる。このため、2つの領域間にバイアス電圧を掛けても、貫通転位による暗電流の増加は生じず、Ge層114を厚膜化せずに薄いままとしても暗電流の増加が無い。本実施例のPDでも、実施例1の場合と全く同様の本発明に特有の効果が得られる。
したがって本発明は、前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向(X軸方向)おいて、前記シリコン導波路層110−1、前記第1の領域111および前記第2の領域115の順で配置されていることもできる(実施例1)。また、前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向(X軸方向)おいて、前記シリコン導波路層110−1、前記第2の領域115および前記第1の領域111の順で配置されていることもできる(実施例2)。
以下全ての実施例は、導波路コア部110−1から見て、Ge層114の内部側に構成されたp型Si領域111を手前(前方)に、Ge層114の表面側に構成されたn型Ge領域115を奥(後方)に置いた実施例1の構成をベースに示すが、特に断りが無い限り、本実施例のように2つの領域(111、115)のX軸に関する相対位置を反転させても良い。本実施例の構成では、導波路コア110−1から導入された光が、最初に不純物ドープされたp型Si領域111を通過しないため、実施例1と比べて光の導波損失を減らす効果がある。
図8は、本発明の実施例3のPDの構成を示す上面図である。本実施例のPDは、実施例1の構成と外形は同一であるが、2つの領域のドーピング材料のタイプ(n型、p型)逆になっている点で、実施例1と相違している。すなわち本実施例のPD400では、コア層110−3上にはn型Siスラブ121が構成され、n型Siスラブ121上にさらにn++Si電極部122、123が構成される。コア層110−3上には、断面が概略台形のGe層114が構成され、Ge層114の最上部にはp型Ge領域125が構成される。YZ面の断面構成は、ドーピング材料のタイプが反転している点を除いて、図5および図6と全く同じである。
したがって本発明は、前記第1の領域の前記第1のドーピング材料はp型不純物であって、前記第1の領域111はp型シリコン領域であり、前記第2の領域の前記第2のドーピング材料はn型不純物であって、前記第2の領域115はn型ゲルマニウム領域であるか(実施例1、実施例2)、または、前記第1の領域の前記第1のドーピング材料はn型不純物であって、前記第1の領域はn型シリコン領域121であり、前記第2の領域の前記第2のドーピング材料はp型不純物であって、前記第2の領域125はp型ゲルマニウム領域であるか(実施例3)のいずれか一方である光検出器として実施できる。
本実施例ではドーピング材料の種類が反転しているので、コア層110−3へ入射した検出対象の光によりGe層114において生じたキャリアの走行方向も、実施例1とは逆になる。しかし、2つの領域(121、125)間を流れるキャリアの走行する方向および貫通転位の方向(Z軸方向)の関係は、実施例1〜2と全く同様である。以下全ての実施例では、Ge層の内部側にp型Si領域111を、Ge層の表面側にn型Ge領域115を用いた実施例1のドーピング材料のタイプ組み合わせの構成をベースに示すが、特に断りが無い限り、本実施例のようにドーピング材料の種類(インプラ種)を反転させても良い。
図9は、本発明の実施例4のPDの構成を示す上面図である。これまでの実施例では、PDのGe層よりも内部側に構成され第2のドーピング材料(p型またはn型)がドープされた第1の領域とmPDのGe層の表面側に構成され第1のドーピング材料(n型またはp型)がドープされた第2の領域とが、各電極の長手方向(X軸方向)について、重複しないように配置されていた。すなわちPDの基板面(XY面)への2つの領域の射影を見たときに、導波路コア層110−1から見て、前後の方向(X軸方向)に2つの領域(111、115)を重複させずにずらして配置した構成であった。しかし、2つの領域の配置は様々に変更が可能であって、入射光によってGe層で生じるキャリアの走行方向が、貫通転位の方向(Z軸方向)と一致しないようにできる限り、基板面内(XY面内)で任意の位置に2つの領域(111、115)を配置することができる。本実施例では、各電極の長手方向またはシリコン導波路層110−1からシリコンコア層110−3への検出対象光の入射方向(X軸)に垂直な方向(Y軸方向)にずらして2つの領域を配置した場合の構成例を示す。
図9の上面図に示したように、本実施例のPD500では、実施例1の構成と比較して、p型Si領域を2つのp型Si領域111−1、111−2に分割し、n型Ge領域115の射影面でp型Si領域を除去した構成となっている。各電極116〜118の長手方向(X軸方向)については、矩形状のコア層110−3の全体に電極を形成することができるため、実施例1と比べて空乏層の面積を大きくすることができる。従来技術のPDと同様の空乏層面積を維持したままで、本願発明の効果を得ることができる。
したがって本発明は、前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向(X軸方向)に垂直な方向(Y軸方向)において、前記第1の領域および前記第2の領域が重複せずに配置されているものとしても実施できる。そして、前記第1の領域は、前記検出対象光の入射方向に垂直な方向において、前記第2の領域を間に置いて2つの領域111−1、111−2に分離することができる。
図10は、図9のX−X線を含みコア層110−3の存在する範囲のYZ面を見た実施例4のPDの断面図である。YZ面を見たとき、キャリアの走行する方向131は座標軸に対して斜めとなっており、貫通転位の方向(Z軸方向)と異なっている。このため、2つの領域(111−1、11−2と115)間にバイアス電圧を掛けても、貫通転位による暗電流増加は生じず、Ge層114を厚膜化せずに薄いままとしても暗電流の増加が無い。実施例1〜3と同様に、高速特性を損なうことなく、暗電流を減らすことができる。また、送信機の低消費電力化や伝送距離の長延化が可能になる効果も得られる。
p型Si領域111−1、111−2のXY面上の大きさは、コア層110−3に対して、どのような面積比であっても良い。また、n型Ge領域115のXY面上の大きさも、Ge層114のトップ面に対して、どのような面積比であっても良い。貫通転位の影響を最小化するために、基板面に垂直に見たときに2つの領域(111−111−2と115)が全く重複しない構成とするのが好ましい。2つの領域(111−111−2と115)のXY面への射影に一部重複が有っても良いが、できる限り重複しないようにした方が貫通転位の影響をより効果的に回避できる。
本実施例のPDの構成は、空乏層がXY面に沿って、すなわち光の伝播方向(X軸方向)に対して平行に作られるため、実施例1のPDと比べて、Ge層114で発生したキャリアをより効率良く吸収することが可能となる。
実施例1〜4の各実施例からわかるように、本発明のPDでは、PDのGe層の内部側に構成され第1のドーピング材料(p型またはn型)がドープされた第1の領域と、PDのGe層の表面側に構成され第2のドーピング材料(n型またはp型)がドープされた第2の領域とが、PDの基板面に垂直な方向(Z軸)を見て、概ね重複しないように配置される。2つの領域をどのように重複しないように配置するかは、上述の実施例だけに限られない。すなわち、図3〜図10で説明のために定義したXYZ座標軸において、2つの領域の相対位置を電極の長手方向(X軸方向)または長手方向に垂直な方向(Y軸方向)に沿ってずらして配置するだけに限られず、PDとして効率的に光を検出することができる限り、XY軸に対して斜めの方向にずらして配置しても良いのは言うまでもない。2つの領域(111、115)間のキャリアの走行方向を傾斜させ、縦型GePDにおける貫通転位の生じる方向、すなわち基板面に垂直な方向(Z軸方向)とは異なる方向にすることができれば、PDの高速特性を損なうことなく暗電流を減らすことができる本発明の効果が得られる点に留意されたい。
上述の実施例においてキャリアの走行方向を傾斜させることは、Ge層の表面側および内部側に形成された異なるドーピング材料がドープされた2つの領域(111、115)が重複しないように、2つの領域全体の相対位置をマクロ的にずらすことで実現していた。しかしながら、2つの領域(111、115)を重複しないよう配置する方法として、2つの領域の形状自体を、よりミクロ的に修正することでも実現できる。以下の実施例では、2つの領域の一部を櫛形形状にした構成例を示す。
図11は、本発明の実施例5のPDの構成を示した上面図である。Ge層の表面側および内部側にそれぞれ形成された異なるドーピング材料がドープされた2つの領域の相対位置に関しては、本実施例の構成は実施例2と同様である。本実施例のPDは、実施例2の構成に加えて、Ge層114の表面側に構成されたn型Ge領域115、および、Ge層114の内部側に構成されたp型Si領域111を、概ね中間位置で一部重複させて、重複部分132を櫛形形状に構成している。図11では、櫛形構造部分132が見えやすいようGe層114の最も外側を点線で表しているが、基本構成は実施例2と同じである。
本実施例では、n型Ge領域115およびp型Si領域111をそれぞれ中央付近に向かって延長し、2つの領域の概ね中間位置において、2つの領域の各々の概形の一部の領域132が重複している。この重複部分132は、基板面(XY面)を見れば各々の領域を見れば、も櫛形形状となっている。基板面を見れば、2つの領域(111、115)の櫛の歯の部分はY方向に交互に並んでおり、各領域の形状をミクロ的に見れば2つの領域は依然として重複していない点に留意されたい。
図13は、図11における櫛形形状の部分を拡大してYZ面を見た断面図である。図13から明らかなように、Y軸方向に沿って2つの領域が交互に並んでいるため、空乏層も櫛形形状の各領域間で生じる。キャリアの走行方向132は座標軸(Y−Z軸)に対して斜めとなり、貫通転位の方向(Z軸)と異なる。尚、本実施例のような櫛形の構造部分を利用する場合、櫛の繰り返しピッチPとGe層114の厚さtが概ねP≧tの関係にある必要がある。櫛の繰り返しピッチPがGe層114の厚さtに比べて著しく小さければ(P<t)、実質的にキャリアの走行方向が基板面に垂直な方向(Z軸方向)に一致して、暗電流が増加してしまうからである。
既に述べたように、本明細書における全ての図面は、Z軸方向を拡大して示されている。また、図11の櫛形形状部分の繰り返しピッチも説明の便宜上拡大して描いてあることに留意されたい。櫛形形状部分の歯の数について一例を挙げれば、例えばn型Ge領域115のサイズが4μm(Y軸方向)×6μm(X軸方向)の場合、櫛の幅が1μm、Ge層114の厚さが0.5μmとすると、P≧tを満たす櫛の繰り返しピッチPは0.5〜2μmとすることができる。このとき、櫛の歯の数は、概ね2〜8個となる。したがって、櫛の繰り返しピッチPとGe層114の厚さtが、概ねP≧tの関係を満たすことに何ら問題はない。
したがって本発明は、前記第1の領域111の概形の一部および前記第2の領域115の概形の一部は、前記第1の領域および前記第2の領域の概ね中間位置において重複しており、前記第1の領域の概形の前記一部および前記第2の領域の概形の前記一部はそれぞれ櫛形形状をしており、前記基板面に垂直(Z軸方向)に見たとき、前記第1の領域の前記櫛形形状の各々の歯の部分と前記第2の領域の前記櫛形形状の各々の歯の部分とは重複しておらず、前記第1の領域および前記第2の領域の前記櫛形形状の繰り返しピッチPおよび前記ゲルマニウム層の厚さtは、P≧tの関係にあるものとしても実施できる。
櫛形上の部分を作るメリットは、空乏層面積を増加させることにある。本発明のPDでは、図3(実施例1)、図7(実施例2)、図9(実施例4)のいずれの構成でも、従来技術の設計に対して空乏層の面積が小さくなる点で、光検出器としての効率低下の懸念がある。空乏層面積の減少は、一般にPDの光/電気変換効率(感度)の減少を招くからである。そこで、2つの領域(111、115)を、重複せずに配置するだけ(実施例1)でなく、本実施例のように2つの領域の一部の形状をそれぞれ櫛形形状にして接近させ、櫛形分の各々の櫛の部分間で空乏層の面積を拡大することで、光検出器の感度低下を補償できる。櫛形形状にすることによって空乏層の面積が実施例1の構成に比べて大きくなり、光入力によって発生したキャリアの収集効率を高くすることができる。櫛形形状の構成は、実施例1以外の他の実施例にも適用できる。
図12は、本発明の実施例6のPDの構成を示した上面図である。本実施例のPD700は、実施例4のY軸方向に2つの領域(n型Ge領域115およびp型Si領域111−1、111−2)を配置した構成に加え、実施例5と同様に櫛形形状部分を備えている。すなわち、Ge層114の表面側に構成されたn型Ge領域115と、Ge層114の内部側に構成されたp型Si領域111−1、111−2とを、一部重複させて、重複部分を櫛側形状に構成している。図12でも、櫛形形状の部分の櫛の歯の繰り返しピッチは、拡大して描いてあり、櫛の歯の数を減らし簡略化して描いてある点に留意されたい。また図12では、櫛形形状部分が見えやすいよう、断面が概ね台形の錐体であるGe層114の最大範囲(底面)のみを点線で表しているが、その構成は他の実施例と同じである。
本実施例でも基板面を見れば、2つの領域(111−1および111−2、115)の櫛の歯の部分はX方向に交互に並んでおり、各領域の形状をミクロ的に見れば2つの領域は重複していない。また実施例5では、櫛形形状部分は検出対象光の入射方向に垂直なY軸方向に配列されていたのに対し、本実施例では櫛形形状部分は検出対象光の入射方向に沿ったX軸方向沿って配列されている。実施例5と比べて、本実施例では櫛形形状部分を構成する配列をより長くし、櫛の歯の数を増やすことができる。空乏層の面積の拡大効果が大きく、対象検出光によって発生したキャリアの収集効率をさらに高くすることができる。
上述の各実施例において、コア層110−3は矩形のものとして示したが、コア層は検出対象の光を効率よく閉じ込めることができれば、その形状は矩形だけに限られない。また、p型Si領域111およびn型Ge領域115のXY面内の相対位置も、X軸またはY軸上に沿って配置されている必要性はなく、検出対象光によって生成されるキャリアの走行方向を、基板面に垂直な方向(Z軸方向)に対して傾斜するようにできる限り、XY座標軸に対して斜めの関係に配置しても良い。
以上詳細に説明したように、本発明のPDによって、Ge層を厚くすることを必要とせずに、Geの貫通転位による暗電流の増加を抑えたGePDを提供することができる。従来技術のようにデバイスの高速特性が低下させることなしに、周波数特性に優れ、暗電流が小さい光検出器を提供できる。
本発明は、一般的に光通信システムや光情報処理システムに利用できる。特に、光通信システムの光検出器に利用できる。
100、200、300、400、500、600、700 光検出器(PD)
100−1 導波路コア層
100−2 テーパコア層
100−3 コア層
101 シリコン基板
102 下部クラッド層
103 上部クラッド層
111、111−1、111−2 p型Si領域
112、113 p++Si電極部
114 Ge層
115 n型Ge領域
116〜118 電極
119 成長方向
120、130、131、132 キャリア走行方向
133 重複領域

Claims (7)

  1. シリコン基板(101)と、
    前記シリコン基板上に形成された下部クラッド層(102)と、
    前記下部クラッド層上に形成され、第1のドーピング材料がドーピングされた第1の領域(111)を含むシリコンコア層(110−3)と、
    前記シリコンコア層に接続され、検出対象光を前記シリコンコア層へ導波するシリコン導波路層(110−1)と、
    前記シリコンコア層上に形成され、第2のドーピング材料がドーピングされた第2の領域(115)を含むゲルマニウム層(114)と、
    前記第1の領域に接続された1つ以上の第1の電極、および、前記第2の領域に接続された第2の電極と
    を備え、
    前記シリコン基板の基板面に垂直な方向を見たとき、前記第1の領域および前記第2の領域が概ね重複していないことを特徴とする光検出器。
  2. 前記第1の領域および前記第2の領域の間を流れる、前記検出対象光に起因したキャリアの走行方向は、前記基板面に垂直な方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の光検出器。
  3. 前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向において、前記シリコン導波路層、前記第1の領域および前記第2の領域の順で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光検出器。
  4. 前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向において、前記シリコン導波路層、前記第2の領域および前記第1の領域の順で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光検出器。
  5. 前記シリコン導波路層から前記シリコンコア層への前記検出対象光の入射方向に垂直な方向において、前記第1の領域および前記第2の領域が重複せずに配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光検出器。
  6. 前記第1の領域の概形の一部および前記第2の領域の概形の一部は、前記第1の領域および前記第2の領域の概ね中間位置において重複しており、
    前記第1の領域の概形の前記一部および前記第2の領域の概形の前記一部はそれぞれ櫛形形状をしており、
    前記基板面に垂直に見たとき、前記第1の領域の前記櫛形形状の各々の歯の部分と前記第2の領域の前記櫛形形状の各々の歯の部分とは重複しておらず、
    前記第1の領域および前記第2の領域の前記櫛形形状の繰り返しピッチPおよび前記ゲルマニウム層の厚さtは、P≧tの関係にあること
    を特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の光検出器。
  7. 前記第1の領域の前記第1のドーピング材料はp型不純物であって、前記第1の領域はp型シリコン領域であり、前記第2の領域の前記第2のドーピング材料はn型不純物であって、前記第2の領域はn型ゲルマニウム領域であるか、または、
    前記第1の領域の前記第1のドーピング材料はn型不純物であって、前記第1の領域はn型シリコン領域であり、前記第2の領域の前記第2のドーピング材料はp型不純物であって、前記第2の領域はp型ゲルマニウム領域であるか
    のいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の光検出器。
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