以下、本発明の第1から第5実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、本実施形態にかかるシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、シート製造装置100は、供給部10と、製造部102と、制御部104と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウエブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウエブ形成部70と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、例えば、古紙やパルプシートなどの繊維を含むものである。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20として、本実施形態ではインペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、解繊物を排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。なお、解繊部20から選別部40に解繊物を搬送させるための気流は、解繊部20が発生させる気流を利用してもよいし、ブロアー等の気流発生装置を設け、その気流を利用してもよい。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)(ドラム部)41を用いる。選別部40の篩(ドラム部)41は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40の篩(ドラム部)41は、円筒であり、モーターによって回転駆動される。選別部40の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウエブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウエブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。
吸引部48は、選別部40の開口(網の開口)を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウエブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウエブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
ウエブVは、選別部40および第1ウエブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウエブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
回転体49は、ウエブVが混合部50に搬送される前に、ウエブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bを有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウエブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
回転体49は、第1ウエブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウエブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に(張架ローラー47aの横に)設けられている。回転体49は、突部49bがウエブVと接触可能な位置であって、ウエブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュベルト46が突部49bによって磨耗する(破損する)ことを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。これは、メッシュベルト46が損傷を受けずにウエブVを切断することが可能な距離である。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物(第1ウエブ形成部45により搬送された第1選別物)と、樹脂を含む添加物と、を混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
添加物供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウエブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60としては、回転する円筒の篩(ドラム部61)を用いる。堆積部60の篩(ドラム部61)は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウエブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウエブWを形成する。第2ウエブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、吸引部としてのサクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウエブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、堆積部60および第2ウエブ形成部70(ウエブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウエブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウエブWは、シート形成部80へと搬送される。
なお、図示の例では、ウエブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウエブWに対して水や水蒸気を添加して、ウエブWと水との量比を調節することができる。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウエブWを加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、ウエブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
シート形成部80は、ウエブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウエブWを加熱する加熱部84と、を備えている。加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、ウエブWに対して圧力を加える。ウエブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウエブWの密度が高められる。加熱部84としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備えている。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成する場合に比べて、ウエブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。ここで、カレンダーローラー85(加圧部82)は、加熱ローラー86(加熱部84)によってウエブWに印加される圧力よりも高い圧力をウエブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー85や加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
次に、堆積部の詳細な構成について説明する。図2Aは堆積部の構成を示す概略断面図であり、図2Bは堆積部の構成を示す一部斜視図である。また、図3Aは第1ローラーの構成を示す外観図であり、図3Bは第1ローラーの構成を示す一部断面図である。また、図4A及び図4Bは第1シール部と第1ローラーとの接触形態を示す模式図である。なお、図2Aでは、調湿部を省略した構成で示している。
図2Aに示すように、堆積部60は、複数の開口を有するドラム部61(篩)と、ドラム部61を覆う第1ハウジング部600と、開口を通過した繊維を含む材料がウエブWとして堆積し、当該堆積したウエブWを搬送する搬送部700と、搬送部700により搬送されるウエブWに当接する第1ローラー650であって、その外周面に円形状の凹部を有する第1ローラー650とを備えている。さらに、第1ハウジング部600の第1側壁600aに設けられ、第1ローラー650の外周面に接する第1シール部610を備えている。
ドラム部61は、回転可能な円筒部を有し、当該円筒部に少なくとも繊維を含む材料が空気中で通過する複数の開口が形成されている。複数の開口は、それぞれ同じ大きさ(面積)で等間隔に配置されている。開口を通過する際に、絡みあった繊維はほぐされ、開口を通過した材料は均一な厚み、密度でメッシュベルト72上に堆積する。なお、開口の大きさ等は通過させる材料の大きさ、種類等により適宜設定可能である。また、開口はパンチングメタルに限定されず、金網材であってもよい。
第1ハウジング部600は、枠体601を有し、内側に空間部を有している。ドラム部61は、枠体601内に配置されることで第1ハウジング部600に覆われる(囲われる)。また、第1ハウジング部600の下方は、壁面がなく、開放口602が設けられている。
搬送部700は、ドラム部61の開口を通過した繊維を含む材料がウエブWとして堆積し、当該堆積したウエブWを搬送するものである。本実施形態の搬送部700は、第2ウエブ形成部70の一部構成であり、具体的には、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、を含むものである。なお、メッシュベルト72及び張架ローラー74の構成は上記構成と同様なので説明を省略する。
また、第1ハウジング部600に対してウエブWの搬送方向の下流側には、メッシュベルト72により搬送されるウエブWに当接する第1ローラー650が設けられている。また、第1ハウジング部600の第1側壁600aには、第1ローラー650の外周面に接する第1シール部610が設けられている。第1側壁600aは、外側面と内側面と端面(メッシュベルト72に対向する面)とを含む。なお、本実施形態の第1シール部610は、第1側壁600aの外側面に設けられている。そして、第1シール部610と第1ローラー650とが当接している。
第1ローラー650は、図2Bに示すように、ウエブWの搬送方向に交差する方向(ウエブWの幅方向)に沿って回転中心軸を有している。また、第1ローラー650は、第1ハウジング部600の枠体601の幅寸法(ウエブWの幅方向)と同等の長さを有している。
また、第1ローラー650は、第1ローラー650を駆動するモーター等の駆動部(図示せず)に連結されている。そして、駆動部を駆動させることにより第1ローラー650を回転中心軸回りに回転(図2Aにおいて反時計回り方向)させることができる。第1ローラー650の駆動速度(周速度)は、メッシュベルト72によるウエブWの搬送速度(移動速度)よりも速くなるように設定される。すなわち、第1ローラー650は、その周速度が、メッシュベルト72によるウエブWの搬送速度(移動速度)よりも速くなるように設定される。これにより、ウエブWを搬送方向に引き込みやすくなり、第1ハウジング部600内でのウエブWの滞留やウエブWの跳ね上がり等の発生を低減し、ウエブWを安定して搬送することができる。なお、第1ローラー650は、その回転中心軸が、第1ローラー650に対して搬送方向上流側に堆積されるウエブWの頂部高さ(厚さ)よりも高い位置に位置するよう設けられている。第1ローラー650の搬送方向の上流側に堆積されたウエブWの高さよりも第1ローラー650の回転中心軸が低い位置に位置する場合、堆積されたウエブWの上方部分を搬送しにくくなり、第1ハウジング部600内においてウエブWを滞留させやすくしてしまうからである。
また、第1ローラー650は、上下方向(メッシュベルト72の堆積面に交差する方向またはウエブWの厚さ方向)に移動可能であり、付勢部材(図示せず)により下方向(メッシュベルト72側)に付勢されている。
ここで、第1ローラー650の外周面Fには円形状の凹部Cfが設けられている。当該凹部Cfは、第1ローラー650の外周面FのうちウエブWと当接する領域に設けられている。本実施形態では、図3Aに示すように、第1ローラー650の外周面Fの全面に凹部Cfが設けられている。
本実施形態の凹部Cfは、図3Bに示すように、第1ローラー650の外周面Fに形成された複数の小さな窪み(ディンプル、または球状凹部、またはクレーター状凹部)である。凹部Cfの深さH(凹部Cfにおける底部と頂部との寸法)は30μm以上500μm以下である。さらに、凹部Cfの幅D(凹部Cfの隣接する頂部と頂部との寸法、円形状凹部Cfの径)は0.1mm以上2mm以下である。第1ローラー650は、例えばアルミニウム合金等の金属製のローラーであり、その表面に対して球状の研磨剤(例えば、平均粒径1.2mmのガラスビーズ)を吹き付けることにより、第1ローラー650の表面に円形状の凹部Cfを形成することができる。従って、例えば平均粒径0.3mmの多角形アルミナを用いてブラスト処理を行った場合に比べ、ローラー表面に突起部(バリ等のとげ状に先の尖った小さな突起)の発生が少なくなるため材料等の引っ掛かり等を低減することができる。また、凹部Cfの幅Dをより大きく形成することができるため、樹脂等が凹部Cf内部に入り込み(挟まり)、また、入り込んだ樹脂と材料とが結着して固着することを防止できる。
なお、円形状の凹部Cfは、球状の研磨剤によるブラスト処理による形成方法の他、例えば、転造や化学処理等によっても形成可能である。
第1ローラー650の外周面Fの凹部Cfの深さHが30μm以上500μm以下であることにより、第1ローラー650の外周面Fに付着した繊維を含む材料を第1ローラー650の回転方向に搬送した際に第1シール部610に繊維を含む材料を滞留(堆積)させにくくすることができる。さらに、凹部Cfの幅Dが0.1mm以上2mm以下であることより、第1ローラー650の外周面Fにおける材料等の固着を抑制することができる。
なお、凹部Cfの深さHが30μm未満の場合は、材料を第1シール部610に停留(堆積)しにくくさせる効果が低下する。また、凹部Cfの深さHが500μmを超える場合は、凹部Cfと第1シール部610との隙間が大きくなるため、シール性が低下するおそれがある。また、凹部Cfの深さHが大きいことによりウエブWに凹部Cfのパターンが転写され、シートの品質が低下するおそれがある。
また、凹部Cfの幅Dが0.1mm未満の場合は、外周面Fに突起部が形成され、当該突起部に材料(繊維や樹脂等)が引っ掛かり付着してしまう。また、凹部Cfの幅Dが2.0mmを超える場合は、シール性やウエブWに対する加圧性が低下してしまう。
なお、凹部Cfの深さHや幅Dの寸法は、表面粗さ計やレーザー顕微鏡等の各種計測器により計測することができる。
また、第1ローラー650の外周面Fには、耐摩耗性を向上させる表面処理が施されている。例えば、アルマイト処理や各種メッキ処理が施される。このような表面処理は、数μm程度の薄膜処理である。これにより、凹部Cfの形状を保持するとともに、耐摩耗性を向上させることができる。
また、第1ローラー650の外周面Fには、表面自由エネルギーを低下させる表面処理を施してもよい。例えば、フッ素系処理(フッ素共析メッキ等)を施す。このような表面処理は、数μm程度の薄膜処理である。これにより、凹部Cfの形状を保持するとともに、材料(繊維や樹脂等)の付着を低減させることができる。
第1シール部610は、例えば、パイルシールであり、ベース部FLと、ベース部FLの一方面側に密に植えつけられた複数の繊維Hとで構成されたものである(図4A参照)。そして、第1シール部610のベース部FLの他方面が第1ハウジング部600の第1側壁600aの外側面に接合され、第1シール部610の繊維Hの先端部が第1ローラー650の外周面Fに接するように構成されている。具体的には、例えば、図4Aに示すように、第1シール部610を、第1ローラー650の外周面Fに接する仮想鉛直面SPに対して、第1シール部610の配置角度θ1が90度となるように配置する。すなわち、仮想鉛直面SPに対して、第1シール部610の繊維Hの先端部がほぼ垂直に接するように、第1シール部610と第1ローラー650とを配置する。なお、第1シール部610の繊維Hの先端部を第1ローラー650の外周面Fに押し当てるように配置する。これにより、第1ハウジング部600の第1側壁600aの外側面と第1ローラー650との隙間が第1シール部610によってほぼ塞がれる。また、第1ローラー650が回転し、第1ローラー650と第1シール部610とが摺動しても、第1シール部610として発砲スポンジ等を用いる場合に比べて摩耗の発生および摩擦力が抑制され、第1ローラー650の駆動負荷を低減することができる。第1シール部610の繊維Hの長さは、第1シール部610が確実に第1ローラー650に接するよう設定されている。例えば、第1ハウジング部600の第1側壁600aと第1ローラー650の表面との間隔よりも長くなるように設定する。
なお、図4Aでは、第1シール部610の配置角度θ1が90度の例を示したが、この構成に限定されない。第1シール部610は、第1ローラー650の外周面Fに接する仮想鉛直面SPに対して、45度以上90度以下となるように、第1ローラー650の外周面Fに接するように配置すればよい。例えば、図4Bに示すように、第1シール部610を、第1ローラー650の外周面Fに接する仮想鉛直面SPに対して、配置角度θ1が45度となるように、第1ローラー650の外周面Fに接するように配置してもよい。配置角度θ1が上記範囲内にあれば、第1シール部610と第1ローラー650とのシール性を確保することができる。
次に、第1ローラー周辺の動作について説明する。図5Aは第1ローラー周辺の動作を示す模式図である。シート製造装置100を駆動させると、ドラム部61の開口から繊維を含む材料がメッシュベルト72上に堆積する。堆積した材料(ウエブW)は、メッシュベルト72の移動により搬送される。このとき、第1ローラー650もウエブWに接しながら回転(図2A及び図5Aにおいて反時計回り)する。この際、第1ローラー650の外周面Fに、ウエブWを構成する材料が付着する場合がある。
なお、本実施形態では、第1ローラー650の表面には円形状の凹部Cfが形成されており、バリ等の尖った部分が無いので、第1ローラー650の表面に引っ掛かって付着する材料はほとんど無いと考えられる。
そして、付着した材料は第1ローラー650の外周面Fに形成された凹部Cfに保持されて、第1ローラー650の回転に伴って回転移動する。また、第1シール部610と第1ローラー650とが接触する領域において、第1シール部610の繊維Hの先端部は第1ローラー650の凹部Cfとの摩擦等により第1ローラー650の回転方向に倣って曲がる(図5Aにおける下方側に繊維Hの先端部が曲がる)。これにより、第1ローラー650に付着した材料は、第1シール部610の繊維Hの先端部の曲がる方向に搬送され易くなる。また、第1ローラー650に付着した材料は、凹部Cfに保持されたまま、第1シール部610によって掻き取られることなく、第1シール部610と第1ローラー650との接触領域を通過する。これにより、第1シール部610と第1ローラー650との接触領域近傍に材料が塊(ダマ)となって留まることを防ぐことができる。そして、第1ローラー650に付着した材料は、第1シール部610を通過した後、ウエブWに接触して付着し、ウエブWの搬送方向下流側に搬送される。
また、第1ローラー650の凹部Cfには、材料が入り込みにくく(挟まれにくく)、第1ローラー650はその表面に材料(繊維や樹脂等)が固着すること無く回転駆動される。
なお、第1シール部610を、配置角度θ1が45度となるように、第1ローラー650の外周面Fに接するように配置した場合(図4B参照)には、第1シール部610は、第1ローラー650に対して斜め方向から接するため、より材料を第1シール部610と第1ローラー650との接触領域に堆積させにくくすることができる。
また、第1ローラー650よりもウエブWの搬送方向上流側には第2ローラー651が配置されている。そして、第1ハウジング部600の第1側壁600aに対向する第2側壁600bには、第2ローラー651に接する第2シール部620が設けられている。本実施形態の第2シール部620は、第2側壁600bにおける外側面に設けられている。そして、第2シール部620と第2ローラー651とが当接している。
第2ローラー651は、図2Bに示すように、ウエブWの搬送方向に交差する方向(ウエブWの幅方向)に沿って回転中心軸を有している。また、第2ローラー651は、第1ハウジング部600の枠体601の幅寸法(ウエブWの幅方向)と同等の長さを有している。
また、第2ローラー651は、第2ローラー651を駆動するモーター等の駆動部(図示せず)に連結されている。そして、駆動部を駆動させることにより第2ローラー651を回転中心軸回りに回転(図2Aにおいて反時計回り方向)させることができる。なお、第2ローラー651の駆動速度(周速度)は、メッシュベルト72によるウエブWの搬送速度(移動速度)と同等の速さに設定されている。そして、第2ローラー651は、メッシュベルト72の外側面(堆積面)72aと接するように配置されている。
ここで、第2ローラー651の外周面Fには円形状の凹部Cfが設けられている。当該凹部Cfは、第2ローラー651の外周面Fのうち、メッシュベルト72上においてウエブWが形成された領域と当接する領域に設けられている。本実施形態では、図3Aに示すように、第2ローラー651の外周面Fの全面に凹部Cfが設けられている。なお、第2ローラー651の外周面Fに設けられた凹部Cfは、第1ローラー650の円形状の凹部Cfと同様なので説明を省略する(図3A及び図3B参照)。また、第2シール部620の構成も第1シール部610の構成と同様なので説明を省略する。また、第2シール部620と第2ローラー651とが接触する接触形態も上記同様なので説明を省略する(図4A及び図4B参照)。
次に、第2ローラー周辺の動作について説明する。シート製造装置100を駆動させると、ドラム部61の開口から繊維を含む材料がメッシュベルト72上に堆積する。堆積した材料(ウエブW)は、メッシュベルト72の移動により搬送される。このとき、第2ローラー651はメッシュベルト72の移動に伴ってメッシュベルト72に接しながら回転(図2Aにおいて反時計回り)する。この際、メッシュベルト72からのウエブWの剥離残りの材料、すなわちメッシュベルト72の表面に付着していた材料が第2ローラー651の外周面Fに付着する場合がある。
なお、本実施形態では、第2ローラー651の表面には円形状の凹部Cfが形成されており、バリ等の尖った部分が無いので、第2ローラー651の表面に引っ掛かって付着する材料はほとんど無いと考えられる。
そして、付着した材料は第2ローラー651の外周面Fに形成された凹部Cfに保持されて、第2ローラー651の回転に伴って回転移動する。また、第2シール部620と第2ローラー651とが接触する領域において、第2シール部620の繊維Hの先端部は第2ローラー651の凹部Cfとの摩擦等により第2ローラー651の回転方向に倣って曲がる(図2Aにおける上方側に繊維Hの先端部が曲がる)。これにより、第2ローラー651に付着した材料は、第2シール部620の繊維Hの先端部の曲がる方向に搬送され易くなる。また、第2ローラー651に付着した材料は、凹部Cfに保持され、第2シール部620によって掻き取られることなく、第2シール部620と第2ローラー651との接触領域を通過する。これにより、第2シール部620と第2ローラー651との接触領域近傍に材料が塊(ダマ)となって留まることを防ぐことができる。そして、第2ローラー651に付着した材料は、第2シール部620を通過した後、メッシュベルト72に接触して付着し(または引っ掛かり)、ウエブWの搬送方向下流側に搬送される。搬送方向下流側に搬送された材料は、例えば、サクション機構(第2気流発生部)76によって吸引される。
また、第2ローラー651では、凹部Cfに樹脂が入り込みにくく付着することが無いため、第2ローラー651の表面に材料が固着すること無く回転駆動される。
なお、第1ハウジング部600の第1側壁600a及び第2側壁600b以外の側面600cにはメッシュベルト72と接する側部シール部690を有している。側部シール部690は、パイルシールであり、構成は上記構成と同様なので説明を省略する(図2B参照)。
次に、サクション機構(第2気流発生部)にかかるシール構造について説明する。図2Aに示すように、シート製造装置100の搬送部700はウエブWを搬送するメッシュ体(メッシュベルト72)を含み、繊維を含む材料をメッシュベルト72上に吸引する吸引部(サクション機構(第2気流発生部)76)を備えている。当該サクション機構(第2気流発生部)76は吸引領域を画定するため第2ハウジング部760を有している。そして、メッシュベルト72を挟んで第1ローラー650と対向する位置に、メッシュベルト72に当接する第3ローラー652が設けられている。さらに、第2ハウジング部760に設けられ第3ローラー652の外周面に接する第3シール部630を備えている。
第3シール部630は、第2ハウジング部760の一方側(ウエブWの搬送方向下流側)の側壁760aに設けられ、第3ローラー652の外周面に接している。側壁760aは、第2ハウジング部760の外側面と内側面と端面(メッシュベルト72に対向する面)とを含む。なお、本実施形態の第3シール部630は、側壁760aの外側面に設けられている。
第3ローラー652は、ウエブWの搬送方向に交差する方向(ウエブWの幅方向)に沿って回転中心軸を有している。また、第3ローラー652は、第1ローラー650の幅寸法と同等の長さを有している。第3ローラー652は、メッシュベルト72の移動に伴って回転中心軸回りに回転(図2Aにおいて時計回り方向)する従動ローラーである。
また、第3ローラー652は、メッシュベルト72の内側面72bに接するように、回転中心軸の位置が固定されて配置されている。これにより、第1ローラー650は重力方向に荷重がかかっても、ウエブW及びメッシュベルト72を介して第3ローラー652に支持される。また、メッシュベルト72の位置は第3ローラー652によって規制される。従って、メッシュベルト72は、第1ローラー650による押し圧や重力によって下方向に落ち込むことなく、メッシュベルト72の堆積面はほぼ水平方向に姿勢が保持される。
また、第3ローラー652の外周面Fには円形状の凹部Cfが設けられている。なお、第3ローラー652の外周面Fに設けられた凹部Cfは、第1ローラー650の円形状の凹部Cfと同様なので説明を省略する(図3A及び図3B参照)。また、第3シール部630の構成も第1シール部610の構成と同様なので説明を省略する。また、第3シール部630と第3ローラー652とが接触する接触形態も上記同様なので説明を省略する(図4A及び図4B参照)。このような構成により、第2ハウジング部760がほぼ密閉され、サクション機構76の吸引機能を向上させることができる。
次に、第3ローラー周辺の動作について説明する。図5Bは第3ローラー周辺の動作を示す模式図である。シート製造装置100を駆動させると、ドラム部61の開口から繊維を含む材料がメッシュベルト72上に堆積する。堆積した材料(ウエブW)は、メッシュベルト72の移動により搬送される。このとき、第3ローラー652もメッシュベルト72に接しながら回転(図2A及び図5Bにおいて時計回り)する。この際、第3ローラー652の外周面Fに、ウエブWを構成する材料が付着する場合がある。
なお、本実施形態では、第3ローラー652の表面には円形状の凹部Cfが形成されており、バリ等の尖った部分が無いので、第3ローラー652の表面に引っ掛かって付着する材料はほとんど無いと考えられる。
そして、付着した材料は第3ローラー652の外周面Fに形成された凹部Cfに保持されて、第3ローラー652の回転に伴って回転移動する。また、第3シール部630と第3ローラー652とが接触する領域において、第3シール部630の繊維Hの先端部は第3ローラー652の凹部Cfとの摩擦等により第3ローラー652の回転方向に倣って曲がる(図5Bにおける上方側に繊維Hの先端部が曲がる)。これにより、第3ローラー652に付着した材料は、第3シール部630の繊維Hの先端部の曲がる方向に搬送され易くなる。また、第3ローラー652に付着した材料は、凹部Cfに保持され、第3シール部630によって掻き取られることなく、第3シール部630と第3ローラー652との接触領域を通過する。これにより、第3シール部630と第3ローラー652との接触領域近傍に材料が塊(ダマ)となって留まることを防ぐことができる。そして、第3ローラー652に付着した材料は、第3シール部630を通過した後、メッシュベルト72に付着し(または引っ掛かり)、メッシュベルト72の回転移動方向に搬送される。そして、メッシュベルト72に付着した材料は、サクション機構76によって吸引される。
また、第3ローラー652では、凹部Cfに樹脂が入り込みにくく付着することが無いため、第3ローラー652の表面に材料が固着すること無く回転する。
さらに、本実施形態では、メッシュベルト72を挟んで第2ローラー651と対向する位置に、メッシュベルト72に当接する第4ローラー653が設けられている。そして、第2ハウジング部760に設けられ第4ローラー653の外周面に接する第4シール部640を備えている。
第4シール部640は、第2ハウジング部760の側壁760aに対向する(ウエブWの搬送方向上流側の)側壁760bに設けられ、第4ローラー653の外周面に接している。側壁760bは、第2ハウジング部760の外側面と内側面と端面(メッシュベルト72に対向する面)とを含む。なお、本実施形態の第4シール部640は、側壁760bの外側面に設けられている。
第4ローラー653は、ウエブWの搬送方向に交差する方向(ウエブWの幅方向)に沿って回転中心軸を有している。また、第4ローラー653は、第2ローラー651の幅寸法と同等の長さを有している。第4ローラー653は、メッシュベルト72の移動に伴って回転中心軸回りに回転(図2Aにおいて時計回り方向)する従動ローラーである。
また、第4ローラー653は、メッシュベルト72の内側面72bに接するように、回転中心軸の位置が固定されて配置されている。これにより、第2ローラー651は重力方向に荷重がかかっても、ウエブW及びメッシュベルト72を介して第4ローラー653に支持される。また、メッシュベルト72の位置は第4ローラー653によって規制される。従って、メッシュベルト72は、第2ローラー651による押し圧や重力によって下方向に落ち込むことなく、メッシュベルト72の堆積面はほぼ水平方向に姿勢が保持される。
また、第4ローラー653の外周面Fには円形状の凹部Cfが設けられている。なお、第4ローラー653の外周面Fに設けられた凹部Cfは、第1ローラー650の凹部Cfと同様なので説明を省略する(図3A及び図3B参照)。また、第4シール部640の構成も第1シール部610の構成と同様なので説明を省略する。また、第4シール部640と第4ローラー653とが接触する接触形態も上記同様なので説明を省略する(図4A及び図4B参照)。このような構成により、第2ハウジング部760がほぼ密閉され、サクション機構76の吸引機能を向上させることができる。
次に、第4ローラー周辺の動作について説明する。シート製造装置100を駆動させると、ドラム部61の開口から繊維を含む材料がメッシュベルト72上に堆積する。堆積した材料(ウエブW)は、メッシュベルト72の移動により搬送される。このとき、第4ローラー653もメッシュベルト72に接しながら回転(図2Aにおいて時計回り)する。この際、第4ローラー653の外周面Fに、ウエブWを構成する材料が付着する場合がある。
なお、本実施形態では、第4ローラー653の表面には円形状の凹部Cfが形成されており、バリ等の尖った部分が無いので、第4ローラー653の表面に引っ掛かって付着する材料はほとんど無いと考えられる。
そして、付着した材料は第4ローラー653の外周面Fに形成された円形状の凹部Cfに保持されて、第4ローラー653の回転に伴って回転移動する。また、第4シール部640と第4ローラー653とが接触する領域において、第4シール部640の繊維Hの先端部は第4ローラー653の円形状の凹部Cfの摩擦等により第4ローラー653の回転方向に倣って曲がる(図2Aにおける下方側に繊維Hの先端部が曲がる)。これにより、第4ローラー653に付着した材料は第4シール部640の繊維Hの先端部の曲がる方向に搬送され易くなる。また、第4ローラー653に付着した材料は、円形状の凹部Cfに保持され、第4シール部640によって掻き取られることなく、第4シール部640と第4ローラー653との接触領域を通過する。これにより、第4シール部640と第4ローラー653との接触領域近傍に材料が塊(ダマ)となって留まることを防ぐことができる。そして、第4ローラー653に付着した材料は、第4シール部640を通過した後、メッシュベルト72に付着し(または引っ掛かり)、メッシュベルト72の回転移動方向に搬送される。そして、メッシュベルト72に付着した材料は、サクション機構76によって吸引される。
また、第4ローラー653では、凹部Cfに樹脂が入り込みにくく付着することが無いため、第4ローラー653の表面に材料が固着すること無く回転する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第1ローラー650の外周面Fには、円形状の凹部Cfが設けられている。これにより、第1ローラー650の外周面Fに材料(繊維や樹脂等)が引っ掛かって付着及び固着することを低減することができる。
また、第1シール部610が外周面Fに接して配置されている。これにより、第1ローラー650の外周面Fに付着した材料は、第1シール部610に掻き取れられることなく、第1シール部610を通過して先方に搬送される。従って、第1シール部610と第1ローラー650とが接する領域およびその接触領域の境界部分近傍において材料の塊の発生が抑えられ、均一品質のシートを製造することができる。
なお、第2、第3、第4ローラー651,652,653及び第2、第3、第4シール部620,630,640においても、第1ローラー650及び第1シール部610と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。図6Aは本実施形態にかかるにかかる堆積部の構成を示す概略断面図である。また、図6Bは本実施形態にかかる第1ローラー周辺の動作を示す模式図であり、図6Cは本実施形態にかかる第3ローラー周辺の動作を示す模式図である。なお、図6Aでは、調湿部を省略した構成で示している。
図6Aに示すように、本実施形態のシート製造装置100Aでは、第1ローラー650の外周面Fに当接し、第1ローラー650の外周面Fに付着した材料を除去する除去部800を備えている。なお、第1ローラー650の構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
除去部800は、例えばクリーニングブラシであり、第1ローラー650の外周面Fの円形状の凹部Cf内に付着した(或いは溜まった)材料等を掻き出して、第1ローラー650の外周面Fから材料等を除去する機能を有する。
除去部800は、ベース部801と、ベース部801の一方面側に植えつけられた複数の繊維802とで構成されている。繊維802は、例えば6ナイロンや導電性ナイロン等の材料で形成され、第1シール部610の繊維Hよりも硬く、太い繊維である。また、繊維802の径は、凹部Cfの幅Dよりも小さく、例えば0.1mm〜0.5mm程度である。また、第1シール部610の繊維Hに比べて、除去部800の繊維802の密度(繊維間隔)は粗く構成されている。
除去部800は、第1ローラー650の軸方向における幅寸法と同等の長さを有している。これにより、第1ローラー650の外周面F全体に対して容易に接触可能となる。
除去部800は、図6Bに示すように、第1ローラー650の回転方向において第1シール部610よりも上流側に配置される。また、除去部800は、第1ローラー650の回転方向下流側に繊維802の先端部が向くように、第1ローラー650の上方から繊維802を傾けた姿勢で、外周面F(凹部Cf)に当接するよう配置される。なお、第1ローラー650の頂部から繊維802の先端までの長さLが、第1ローラー650の径の1/6から1/5程度になるよう配置する。また、図6Bに示すように、除去部800は、第1ローラー650に対して水平方向(図6Bの矢印方向)に約1Nの負荷 を付与するように配置する。
次に、第1ローラー650の周辺の動作について説明する。図6Bに示すように、シート製造装置100Aを駆動させると、ドラム部61の開口から繊維を含む材料がメッシュベルト72上に堆積する。堆積した材料(ウエブW)は、メッシュベルト72の移動により搬送される。このとき、第1ローラー650もウエブWに接しながら回転(図6A及び図6Bにおいて反時計回り)する。この際、第1ローラー650の外周面Fに、ウエブWを構成する材料が付着する場合がある。
なお、本実施形態では、第1ローラー650の表面には円形状の凹部Cfが形成されており、バリ等の尖った部分が無いので、第1ローラー650の表面に引っ掛かって付着する材料はほとんど無いと考えられる。
そして、付着した材料は第1ローラー650の外周面Fに形成された凹部Cfに保持されて、第1ローラー650の回転に伴って回転移動する。
そして、除去部800と第1ローラー650とが接触する領域において、除去部800の繊維802の先端部が凹部Cfへ入り込み、凹部Cfに付着した材料が掻き出される。掻き出された材料は下方に落下し、ウエブWに付着する。なお、除去部800は、凹部Cf内に付着した材料だけではなく、凹部Cf内以外に付着した材料も除去することができる。
次いで、第1シール部610と第1ローラー650とが接触する領域において、第1シール部610の繊維Hの先端部は第1ローラー650の凹部Cfとの摩擦等により第1ローラー650の回転方向に倣って曲がる(図6Bにおける下方側に繊維Hの先端部が曲がる)。これにより、第1ローラー650に付着した材料は、第1シール部610の繊維Hの先端部の曲がる方向に搬送され易くなる。
なお、除去部800によって除去しきれず、第1ローラー650に付着した材料は、凹部Cfに保持され、第1シール部610によって掻き取られることなく、第1シール部610と第1ローラー650との接触領域を通過する。これにより、第1シール部610と第1ローラー650との接触領域近傍に材料が塊(ダマ)となって留まることを防ぐことができる。そして、第1ローラー650に付着した材料は、第1シール部610を通過した後、ウエブWに接触して付着し、ウエブWの搬送方向下流側に搬送される。
また、第1ローラー650では、凹部Cfに樹脂が入り込んで付着することが無いため、第1ローラー650の表面に材料が固着すること無く回転駆動する。
なお、除去部800は、図6Aに示すように、第1ローラー650の他、第2、第3、第4ローラー651,652,653にも適用することができる。図6Cは、第3ローラー652に除去部800を適用した場合を示している。
この場合、除去部800は、図6Cに示すように、第3ローラー652の回転方向において第3シール部630よりも上流側に配置される。また、除去部800は、第3ローラー652の回転方向下流側に繊維802の先端部が向くように、第3ローラー652の下方から繊維802を傾けた姿勢で、外周面F(凹部Cf)に当接するよう配置される。なお、第3ローラー652の底部から繊維802の先端までの長さLが、第3ローラー652の径の1/6から1/5程度になるよう配置する。また、除去部800は、第3ローラー652に対して水平方向に約1Nの負荷を付与するように配置する。
なお、除去部800の下方に、除去部800によって除去された材料を捕獲する受け部を備えてもよい。これにより、材料の飛散を防止することができる。
次に、第3ローラー652周辺の動作について説明する。図6Cに示すように、シート製造装置100Aを駆動させると、ドラム部61の開口から繊維を含む材料がメッシュベルト72上に堆積する。堆積した材料(ウエブW)は、メッシュベルト72の移動により搬送される。このとき、第3ローラー652もメッシュベルト72に接しながら回転(図6A及び図6Cにおいて時計回り)する。この際、第3ローラー652の外周面Fに、ウエブWを構成する材料が付着する場合がある。
なお、本実施形態では、第3ローラー652の表面には円形状の凹部Cfが形成されており、バリ等の尖った部分が無いので、第3ローラー652の表面に引っ掛かって付着する材料はほとんど無いと考えられる。
そして、付着した材料は第3ローラー652の外周面Fに形成された凹部Cfに保持されて、第3ローラー652の回転に伴って回転移動する。
そして、除去部800と第3ローラー652とが接触する領域において、除去部800の繊維802が凹部Cfへ入り込み、凹部Cfに付着した材料が掻き出される。掻き出された材料は下方に落下し、例えば受け部によって捕獲される。なお、除去部800は、凹部Cf内に付着した材料だけではなく、凹部Cf内以外に付着した材料も除去することができる。
次いで、第3シール部630と第3ローラー652とが接触する領域において、第3シール部630の繊維Hの先端部は第3ローラー652の凹部Cfとの摩擦等により第3ローラー652の回転方向に倣って曲がる(図6Cにおける上方側に繊維Hの先端部が曲がる)。これにより、第3ローラー652に付着した材料は、第3シール部630の繊維Hの先端部の曲がる方向に搬送され易くなる。
なお、除去部800によって除去しきれず、第3ローラー652に付着した材料は、凹部Cfに保持され、第3シール部630によって掻き取られることなく、第3シール部630と第3ローラー652との接触領域を通過する。これにより、第3シール部630と第3ローラー652との接触領域近傍に材料が塊(ダマ)となって留まることを防ぐことができる。そして、第3ローラー652に付着した材料は、第3シール部630を通過した後、メッシュベルト72に付着し(または引っ掛かり)、メッシュベルト72の回転移動方向に搬送される。そして、メッシュベルト72に付着した材料は、サクション機構76によって吸引される。
また、第3ローラー652では、凹部Cfに樹脂が入り込んで付着することが無いため、第3ローラー652の表面に材料が固着すること無く回転駆動する。
なお、第2ローラー651及び第4ローラー653のそれぞれに対応する除去部800も上記同様に構成される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第1ローラー650の凹部Cfに付着した材料は除去部800によって掻き出される。これにより、第1ローラー650への材料の付着が低減し、第1ローラー650における材料の固着の発生を抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、異なる構成、すなわち、第2実施形態における除去部の構成とは異なる他の除去部の構成について説明する。図7は本実施形態にかかる第1ローラー周辺の構成を示す外観図である。
図7に示すように、本実施形態にかかる除去部810は、ブラシローラーであり、軸部811と、軸部811の外周面に植えつけられた複数の繊維812とで構成されている。軸部811は駆動モーター(図示せず)に接続され、軸中心に回転可能である。本実施形態では、第1ローラー650と同じ回転方向に回転駆動させる(図7において反時計回り)。繊維812は、例えば6ナイロンや導電性ナイロン等が適用され、第1シール部610における繊維Hよりも硬く、また、繊維812の径(0.1mm〜0.5mm程度)は繊維Hの径よりも大きい(太い)。また、第1シール部610に比べて、除去部810の繊維812の密度は粗く構成されている。
除去部810は、第1ローラー650の軸方向における幅寸法と同等の長さを有している。これにより、第1ローラー650の外周面F全体に対して容易に接触可能となる。
除去部810は、第1ローラー650の回転方向において第1シール部610よりも上流側に配置される。また、除去部810の繊維812の先端部が第1ローラー650の外周面Fに当接して配置される。
次に、第1ローラー650周辺の動作について説明する。図7に示すように、シート製造装置100Aを駆動させると、ドラム部61の開口から繊維を含む材料がメッシュベルト72上に堆積する。堆積した材料(ウエブW)は、メッシュベルト72の移動により搬送される。このとき、第1ローラー650もウエブWに接しながら回転(図2A及び図7において反時計回り)する。この際、第1ローラー650の外周面Fに、ウエブWを構成する材料が付着する場合がある。
なお、本実施形態では、第1ローラー650の表面には円形状の凹部Cfが形成されており、バリ等の尖った部分が無いので、第1ローラー650の表面に引っ掛かって付着する材料はほとんど無いと考えられる。
そして、付着した材料は第1ローラー650の外周面Fに形成された凹部Cfに保持されて、第1ローラー650の回転に伴って回転移動する。
そして、除去部810と第1ローラー650とが接触する領域において、除去部810の繊維812が凹部Cfへ入り込み、凹部Cfに付着した材料が掻き出される。掻き出された材料は下方に落下し、ウエブWに付着する。なお、除去部810は、凹部Cf内に付着した材料だけではなく、凹部Cf内以外に付着した材料も除去することができる。
次いで、第1シール部610と第1ローラー650とが接触する領域において、第1シール部610の繊維Hの先端部は第1ローラー650の凹部Cfとの摩擦等により第1ローラー650の回転方向に倣って曲がる(図7における下方側に繊維Hの先端部が曲がる)。これにより、第1ローラー650に付着した材料は、第1シール部610の繊維Hの先端部の曲がる方向に搬送され易くなる。
なお、除去部810によって除去しきれず、第1ローラー650に付着した材料は、凹部Cfに保持され、第1シール部610によって掻き取られることなく、第1シール部610と第1ローラー650との接触領域を通過する。これにより、第1シール部610と第1ローラー650との接触領域近傍に材料が塊(ダマ)となって留まることを防ぐことができる。そして、第1ローラー650に付着した材料は、第1シール部610を通過した後、ウエブWに接触して付着し、ウエブWの搬送方向下流側に搬送される。
また、第1ローラー650の円形状凹部Cfには材料が入り込みにくいため、第1ローラー650の表面に材料が固着すること無く回転駆動する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第1ローラー650の凹部Cfに付着した材料は除去部810によって掻き出される。また、除去部810は、ブラシローラーであるため、軸部811の回転速度の制御により、第1ローラー650の外周面Fに接触する繊維812の当接力または当接位置の調整が容易となる。これにより、適切に第1ローラー650への材料の付着を低減させることができる。
なお、上記除去部810は、第1ローラー650の他、第2、第3、第4ローラー651,652,653にも適用することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第1から第3実施形態では第1ローラー等を堆積部に適用した構成について説明したが、本実施形態では、第1ローラー等を調湿部に適用した構成について説明する。図8は調湿部の構成を示す概略図である。なお、図8では堆積部を省略した構成で示している。
調湿部78は、堆積部60により堆積されたウエブWを加湿する。調湿部78は、生成器170と、第3ハウジング部172と、第1気流発生部176等を備えている。
生成器170は、メッシュベルト72の外側面72a側に設けられている。図8では、生成器170は、メッシュベルト72に囲まれている領域の外側に設けられている。生成器170は、液滴または高湿度の気体を生成する。生成器170は、超音波によって液滴を発生させてもよい。生成器170は、例えば、周波数20kHz〜数MHzの超音波を溶液(水)に与えて、数nm〜数μmの微小な液滴を生成してもよい。生成器170は、水蒸気を発生させて高湿度の気体を生成してもよい。ここで、「高湿度の気体」とは、相対湿度70%以上100%以下の気体のことをいう。
第3ハウジング部172は、管171を介して生成器170に接続されている。第3ハウジング部172は、外側面72a側に設けられている。第3ハウジング部172は、例えば、箱状の形状を有し、メッシュベルト72の外側面72aに対向する開口を有している。第3ハウジング部172は、ウエブWを加湿するための加湿領域を画定する。調湿部78は、外側面72aに堆積されたウエブWを加湿領域内で加湿することができる。
そして、第3ハウジング部172のウエブWの搬送方向の下流側において、メッシュベルト72により搬送されるウエブWに当接する第1ローラー650が設けられている。また、第3ハウジング部172の第1側壁172aに設けられ、第1ローラー650の外周面に接する第1シール部610を備えている。そして、第1シール部610と第1ローラー650とが当接している。そして、第1ローラー650の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第1シール部610及び第1ローラー650の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
また、第1ローラー650よりもウエブWの搬送方向上流側には第2ローラー651が配置されている。そして、第3ハウジング部172の第1側壁172aに対向する第2側壁172bには、第2ローラー651に接する第2シール部620が設けられている。そして、第2シール部620と第2ローラー651とが当接している。そして、第2ローラー651の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第2シール部620及び第2ローラー651の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
第1気流発生部176は、メッシュベルト72の内側面72b側に設けられている。図8では、第1気流発生部176は、メッシュベルト72に囲まれている領域の内側に設けられている。第1気流発生部176は、メッシュベルト72を挟んで第3ハウジング部172と対向して配置されている。第1気流発生部176は、ウエブWを厚み方向に通過する気流を発生させる。気流は、外側面72aと交差する方向の気流であり、例えば、外側面72aと直交する方向の気流である。調湿部78は、第1気流発生部176が発生させる気流により、液滴または高湿度の気体をウエブWに供給することができる。気流によって、例えば、液滴または高湿度の気体は、ウエブWを厚さ方向に通過する。調湿部78によってウエブWに供給させる液滴の質量は、例えば、ウエブWの単位体積当たりにおいて、ウエブWの質量の0.1%以上3%以下である。図示の例では、第1気流発生部176は、内側面72b側から、生成器170により生成された液滴または高湿度の気体を吸引する吸引装置(第1吸引装置)である。第1気流発生部176は、メッシュベルト72の下方に配置され内側面72bに対向する開口を有する第4ハウジング部177を備えている。そして、第4ハウジング部177の内部の空気を吸引する吸引ブロアーが接続されている。
そして、メッシュベルト72を挟んで第1ローラー650と対向する位置に、メッシュベルト72に当接する第3ローラー652が設けられている。さらに、第4ハウジング部177に設けられ第3ローラー652の外周面に接する第3シール部630を備えている。
第3シール部630は、第4ハウジング部177のウエブWの搬送方向下流側の側壁177aに設けられ、第3ローラー652の外周面Fに接している。そして、第3ローラー652の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第3シール部630及び第3ローラー652の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
さらに、本実施形態では、メッシュベルト72を挟んで第2ローラー651と対向する位置に、メッシュベルト72に当接する第4ローラー653が設けられている。そして、第4ハウジング部177の側壁177aに対向する(ウエブWの搬送方向上流側の)側壁177bに設けられ第4ローラー653の外周面に接する第4シール部640を備えている。そして、第4ローラー653の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第4シール部640及び第4ローラー653の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
以上、本実施形態によれば、堆積部60のみでなく、調湿部78においても第1、第2ローラー650,651及び第1、第2シール部610,620を適用することにより、材料の塊の発生が抑えられ、第1、第2ローラー650,651における材料の固着を防止することができる。延いては、均一品質のシートを製造することができる。また、第3、第4ローラー652,653及び第3、第4シール部630,640においては、上記同様に材料の塊の発生を抑えることができ、第3、第4ローラー652,653における材料の固着を防止することができる。これにより、メッシュベルト72の損傷や駆動負荷の増大を抑制することができる。さらにシート製造装置100(例えば、調湿部78やメッシュベルト72)のメンテナンスの頻度を低減することができる。
なお、調湿部78において、第2及び第3実施形態にかかる除去部800,810を適用してもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第1から第4実施形態では、第1ローラー等を堆積部や調湿部に適用した構成について説明したが、本実施形態では、第1ローラー等を選別部に適用した構成について説明する。図9は選別部の構成を示す概略図である。
図9に示すように、選別部40は、複数の開口を有するドラム部41と、ドラム部41を覆う第5ハウジング部400と、開口を通過した繊維を含む材料がウエブVとして堆積し、当該堆積したウエブVを搬送する搬送部460と、搬送部460により搬送されるウエブVに当接する第1ローラー650であって、その外周面に円形状の凹部を有する第1ローラー650と、第5ハウジング部400の第1側壁400aに設けられ、第1ローラー650の外周面に接する第1シール部610と、を備えている。
ドラム部41は、回転可能な円筒部を有し、当該円筒部に少なくとも繊維を含む材料が空気中で通過する複数の開口が形成されている。第5ハウジング部400は、枠体401を有し、内側に空間部を有している。ドラム部41は、枠体401内に配置されることで第5ハウジング部400に覆われる(囲われる)。また、第5ハウジング部400の下方は、壁面がなく、開放口が設けられている。
搬送部460は、ドラム部41の開口を通過した繊維を含む材料がウエブVとして堆積し、当該堆積したウエブVを搬送するものである。本実施形態の搬送部460は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、を含むものである。
また、第5ハウジング部400に対してウエブVの搬送方向の下流側には、メッシュベルト46により搬送されるウエブVに当接する第1ローラー650が設けられている。また、第5ハウジング部400の第1側壁400aには、第1ローラー650の外周面に接する第1シール部610が設けられている。そして、第1シール部610と第1ローラー650とが当接している。そして、第1ローラー650の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第1シール部610及び第1ローラー650の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
また、第1ローラー650よりもウエブVの搬送方向上流側には第2ローラー651が配置されている。そして、第5ハウジング部400の第1側壁400aに対向する第2側壁400bには、第2ローラー651に接する第2シール部620が設けられている。そして、第2シール部620と第2ローラー651とが当接している。第2ローラー651の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第2シール部620及び第2ローラー651の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
また、図9に示すように、メッシュベルト46の内側面46b側には吸引部(サクション機構)48が設けられている。吸引部48は、メッシュベルト46を挟んで第5ハウジング部400と対向して配置されている。吸引部48は、メッシュベルト46の下方に配置され内側面46bに対向する開口を有する第6ハウジング部480を備えている。そして、メッシュベルト46を挟んで第1ローラー650と対向する位置に、メッシュベルト46に当接する第3ローラー652が設けられている。さらに、第6ハウジング部480に設けられ第3ローラー652の外周面に接する第3シール部630を備えている。
第3シール部630は、第6ハウジング部480のウエブVの搬送方向下流側の側壁480aに設けられ、第3ローラー652の外周面Fに接している。そして、第3ローラー652の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第3シール部630及び第3ローラー652の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
さらに、本実施形態では、メッシュベルト46を挟んで第2ローラー651と対向する位置に、メッシュベルト46に当接する第4ローラー653が設けられている。そして、第6ハウジング部480の側壁480aに対向する(ウエブVの搬送方向上流側の)側壁480bに設けられ第4ローラー653の外周面に接する第4シール部640を備えている。そして、第4ローラー653の外周面Fには、円形状の凹部Cfが形成されている。なお、第4シール部640及び第4ローラー653の詳細な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
以上、本実施形態によれば、堆積部60や調湿部78のみでなく、選別部40においても第1、第2ローラー650,651及び第1、第2シール部610,620を適用することにより、材料の塊の発生が抑えられ、第1、第2ローラー650,651における材料の固着を防止することができる。延いては、均一品質のシートを製造することができる。また、第3、第4ローラー652,653及び第3、第4シール部630,640においては、上記同様に材料の塊の発生を抑えることができ、第3、第4ローラー652,653における材料の固着を防止することができる。これにより、メッシュベルト46の損傷や駆動負荷の増大を抑制することができる。さらにシート製造装置100(例えば、選別部40、第1ウエブ形成部45、搬送部460)のメンテナンスの頻度を低減することができる。
なお、選別部40において、第2及び第3実施形態にかかる除去部800,810を適用してもよい。