JP2018076576A - 水電解用触媒電極、水電解装置、水電解用触媒電極の製造方法 - Google Patents

水電解用触媒電極、水電解装置、水電解用触媒電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水を効率よく電気分解できる安価な水電解用触媒電極を提供する。【解決手段】水電解用触媒電極は、板状の金属メッシュと、前記金属メッシュにおける固体電解質膜に接触する接触面のみに形成され、水電解における酸素過電圧を低減する触媒層または酸素過電圧が高くオゾンを効率良く生成する触媒層と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、水電解用触媒電極、水電解装置、水電解用触媒電極の製造方法に関する。
特許文献1には、Pt(プラチナ)などの金属メッシュを電極として用い、金属メッシュ面に沿って水を供給して、金属メッシュ内を通過させて水電解を行う構成が開示されている。
特開2006−175384号公報
ここで、水電解における酸素過電圧を低減する触媒層を固体電解質膜や電極に形成することで、水を電気分解して、効率よく水素及び酸素を生成することが考えられる。同様に、水電解における酸素過電圧を増加する触媒層を固体電解質膜や電極に形成することで、水を電気分解して効率よくオゾンを生成することが考えられる。しかしながら、固体電解質膜や電極の両面を含む全面に触媒層を形成すると、多量の触媒粒子が必要になり、高価となる。
本発明は、上記事実を考慮し、水を電気分解して効率よく水素及び酸素を生成できる、又はオゾンを生成できる、安価な水電解用触媒電極を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、板状の金属メッシュと、前記金属メッシュにおける固体電解質膜に接触する接触面のみに形成され、水電解における酸素過電圧を低減する触媒層と、を備える。
この構成によれば、金属メッシュにおける固体電解質膜に接触する面に、水電解における酸素過電圧を低減する触媒層が形成されている。触媒層が水電解における酸素過電圧を低減することで、水を電気分解して、効率よく水素及び酸素を生成することができる。
また、本構成では、金属メッシュの固体電解質膜に接触する面のみに触媒層が形成されているので、金属メッシュの両面を含む全面に触媒層が形成される場合に比べ、水電解用触媒電極を製造する際の触媒の量を低減できる。このため、水電解用触媒電極を安価に製造することができる。
したがって、請求項1の構成によれば、水を電気分解して効率よく水素及び酸素を生成できる安価な水電解用触媒電極を提供できる。
請求項2の発明は、板状の金属メッシュと、前記金属メッシュにおける固体電解質膜に接触する接触面のみに形成され、水電解における酸素過電圧を増加する触媒層と、を備える。
この構成によれば、金属メッシュにおける固体電解質膜に接触する面に、水電解における酸素過電圧を増加する触媒層が形成されている。触媒層が水電解における酸素過電圧を増加することで、水を電気分解して、効率よくオゾンを生成することができる。
また、本構成では、金属メッシュの固体電解質膜に接触する面のみに触媒層が形成されているので、金属メッシュの両面を含む全面に触媒層が形成される場合に比べ、水電解用触媒電極を製造する際の触媒の量を低減できる。このため、水電解用触媒電極を安価に製造することができる。
したがって、請求項2の構成によれば、水を電気分解して効率よくオゾンを生成できる安価な水電解用触媒電極を提供できる。
酸素及び水素を生成するための水電解用触媒電極に備えられた触媒層は、請求項3に記載されるように、金属メッシュの接触面にIrO粒子を付着させることで形成することができる。
オゾンを生成するための水電解用触媒電極に備えられた触媒層は、請求項4に記載されるように、金属メッシュの接触面にPbO粒子を付着させることで形成することができる。
金属メッシュとしては、請求項5に記載されるように、Tiメッシュを用いることが可能である。
請求項6の発明は、固体電解質膜と、触媒層が形成された面が前記固体電解質膜の一方の面に接触するように配置された請求項1〜5のいずれか1項に記載の水電解用触媒電極を有する陽極部と、を備える。
この構成によれば、触媒層が形成された水電解用触媒電極が陽極部に用いられ、酸素過電圧を低減する触媒層の作用により、水を電気分解して効率よく水素及び酸素を生成することができる。また、酸素過電圧を増加する触媒層の作用により、水を電気分解して効率よくオゾンを生成することができる。
請求項7の発明は、触媒層が形成された面が前記固体電解質膜の他方の面に接触するように配置された請求項1〜5のいずれか1項に記載の水電解用触媒電極を有する陰極部と、を備える。
この構成によれば、触媒層が形成された水電解用触媒電極が、陽極部に加えて、陰極部にも用いられ、陰極部における触媒層の酸素過電圧を低減する作用により、さらに、効率よく水素及び酸素を生成することができる。また、酸素過電圧を増加する触媒層の作用により、さらに、効率よくオゾンを生成することができる。
請求項8の発明は、前記陽極部及び前記陰極部の各々において、前記固体電解質膜の一方の面及び他方の面の各々に沿って水を流通させて水電解を行う。
この構成によれば、陽極部及び陰極部における金属メッシュ内で気液を接触させることができ、生成される水素水、酸素水又はオゾン水の高濃度化を図ることができる。
請求項9の発明は、金属メッシュの固体電解質膜に接触する接触面のみに固体電解質溶液を塗布する第一塗布工程と、前記固体電解質溶液が乾燥する前に前記接触面のみに触媒粒子を付着させる付着工程と、前記触媒粒子が付着された金属メッシュを乾燥させる第一乾燥工程と、乾燥された前記金属メッシュの前記接触面のみに固体電解質溶液を塗布する第二塗布工程と、前記第二塗布工程にて固体電解質溶液を塗布された金属メッシュを乾燥させる第二乾燥工程と、を有する。
この製造方法によれば、金属メッシュの固体電解質膜に接触する面のみに触媒層を付着させるので、金属メッシュの両面を含む全面に触媒層を付着させる場合に比べ、水電解用触媒電極を製造する際の触媒の量を低減できる。このため、水電解用触媒電極を安価に製造することができる。
本発明は、上記構成としたので、水を電気分解して効率よく水素及び酸素を生成できる、又はオゾンを生成できる、安価な水電解用触媒電極を提供できる。
本実施形態に係る水電解装置の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る水電解セルの内部構成を示す分解斜視図である。 本実施形態に係る水電解装置において酸素水を利用する変形例を示す概略図である。 本実施形態に係る水電解装置においてオゾン水を生成する変形例を示す概略図である。 本実施形態に係る、触媒層が形成されたメッシュ電極を製造する製造方法の工程(手順)を示す概略図である。 実施例1、2及び比較例1の構成において水電解を行った際のI−V特性を示すグラフである。 実施例1、2及び比較例2の構成において水電解を行った際の電流密度と、アノード水中の溶存オゾン濃度と、の関係を示すグラフである。 実施例1の構成において定電流密度で水電解を行った際の印加電圧の経時変化を示すグラフである。 実施例3において水電解を行った際の電流密度と、アノード水中の溶存オゾン濃度との関係を示すグラフである。 実施例3において水電解を行った際の電流密度と、液相オゾン生成の電流効率との関係を示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
〈水電解装置10〉
まず、本実施形態に係る水電解装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る水電解装置10の構成を示す概略図である。
水電解装置10は、純水(水の一例)を水電解して、水素水を生成する装置である。具体的には、水電解装置10は、図1に示されるように、第一供給路20と、第二供給路60と、水電解セル30と、第一排出路70と、第二排出路90と、電源80と、を有している。
[水電解セル30]
水電解セル30は、図2に示されるように、固体電解質膜32と、陽極部40と、陰極部50と、筐体38(図1参照)と、を有している。
固体電解質膜32としては、例えば、ナフィオン膜(ナフィオンは登録商標)などの固体高分子電解質膜が用いられる。なお、固体電解質膜32としては、ナフィオン膜に限られず、種々の固体電解質膜を用いることが可能である。
陽極部40は、板状(扁平状)とされた第一メッシュ電極42、43と、板状とされた第一ターミナルプレート44(端子)と、を有している。第一メッシュ電極42は、一方の面42Aが固体電解質膜32の一方の面32Aに接触するように配置されている。第一メッシュ電極43は、一方の面43Aが第一メッシュ電極42の他方の面42Bに接触するように配置されている。第一ターミナルプレート44は、第一メッシュ電極43の他方の面43Bに接触するように配置されている。
陰極部50は、板状(扁平状)とされた第二メッシュ電極52、53、55と、板状とされた第二ターミナルプレート54(端子)と、を有している。第二メッシュ電極52は、一方の面52Aが固体電解質膜32の他方の面32Bに接触するように配置されている。第二メッシュ電極53は、一方の面53Aが第二メッシュ電極52の他方の面52Bに接触するように配置されている。第二メッシュ電極55は、一方の面55Aが第二メッシュ電極53の他方の面53Bに接触するように配置されている。第二ターミナルプレート54は、第二メッシュ電極55の他方の面55Bに接触するように配置されている。
したがって、第一メッシュ電極42、43と第二メッシュ電極52、53、55とで固体電解質膜32を挟み込み、この挟み込んだものが、第一、第二ターミナルプレート44、54の間に配置されている。すなわち、水電解セル30では、第一ターミナルプレート44、第一メッシュ電極43、第一メッシュ電極42、固体電解質膜32、第二メッシュ電極52、第二メッシュ電極53、第二メッシュ電極55及び第二ターミナルプレート54がこの順で積層されている。そして、この積層体が、筐体38に収容されている。
第一、第二ターミナルプレート44、54としては、例えば、Ti又はステンレスが用いられる。固体電解質膜32に接触する第一、第二メッシュ電極42、52(水電解用触媒電極の一例)としては、例えば、水電解を促進する触媒層42S、52Sが一方の面42A、52Aのみに形成されたメッシュ電極が用いられる。当該触媒層42S、52Sは、具体的には、水電解における酸素過電圧を低減し且つオゾンの生成を抑制する機能を有している。この機能により、触媒層42S、52Sは、水電解を促進する。
この第一、第二メッシュ電極42、52は、図5に示されるように、金属メッシュ100における固体電解質膜32(図2参照)に接触する接触面100Aのみに触媒粒子106を担持させることで製造される。触媒粒子としては、例えば、IrO粒子が用いられる。金属メッシュとしては、例えば、Tiメッシュが用いられる。なお、第一、第二メッシュ電極42、52の具体的な製造方法について後述する。
第一、第二メッシュ電極43、53としては、Tiが用いられる。さらに、第二メッシュ電極55としては、ステンレスが用いられる。また、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55としては、例えば、板状(扁平状)且つメッシュ状(網状)の電極が用いられる。また、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55は、平織りや綾織りなどによって、メッシュ状に形成されている。
また、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55は、一方の面42A、43A、52A、53A、55A及び他方の面42B、43B、52B、53B、55Bにおいて複数の凹凸を有している。これにより、固体電解質膜32及び第一メッシュ電極43に対して接触する部分と隙間を有する部分とが第一メッシュ電極42に形成される。また、第一メッシュ電極42及び第一ターミナルプレート44に対して接触する部分と隙間を有する部分とが第一メッシュ電極43に形成される。
さらに、固体電解質膜32及び第二メッシュ電極53に対して接触する部分と隙間を有する部分とが第二メッシュ電極52に形成される。また、第二メッシュ電極52及び第二メッシュ電極55に対して接触する部分と隙間を有する部分とが第二メッシュ電極53に形成される。また、第二メッシュ電極53及び第二ターミナルプレート54に対して接触する部分と隙間を有する部分とが第二メッシュ電極55に形成される。
陽極部40では、固体電解質膜32、第一メッシュ電極42、43及び第一ターミナルプレート44の各々の間の隙間部分と、第一メッシュ電極42、43の網目部分と、によって水が流通する流路が形成される。そして、陽極部40では、固体電解質膜32と第一ターミナルプレート44との間において、固体電解質膜32の一方の面32A(第一メッシュ電極42、43の面)に沿って純水(アノード水)が当該流路を流通する。
また、陰極部50では、固体電解質膜32、第二メッシュ電極52、53、55及び第二ターミナルプレート54の各々の間の隙間部分と、第二メッシュ電極52、53、55の網目部分と、によって水が流通する流路が形成される。そして、陰極部50では、固体電解質膜32と第二ターミナルプレート54との間において、固体電解質膜32の他方の面32B(第二メッシュ電極52、53、55の面)に沿って純水(カソード水)が当該流路を流通する。なお、図2には、水電解セル30において純水が流通する方向が矢印にて示されている。
第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55の大きさ(面積)は、水電解セル30で流す純水の流量によって規定される。例えば、当該流量が1L/min程度である場合には、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55は、例えば、幅10mm×長さ20mmの大きさとされる。また、例えば、当該流量が4〜6L/min程度である場合には、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55は、例えば、幅30mm×長さ60mmの大きさとされる。また、例えば、当該流量が10L/min程度である場合には、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55は、例えば、幅50mm×長さ100mmの大きさとされる。また、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55の大きさは、固体電解質膜32の大きさよりも小さくされている。
なお、上記のいずれの場合も、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55の縦横比が、1:2とされており、水電解セル30における水の流通方向の長さが、当該流通方向に直交する直交方向の幅より長くされている。また、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55としては、直交方向の幅が、流通方向の長さより広くされる構成であってもよい。
なお、水電解セル30では、固体電解質膜32と第一ターミナルプレート44との間に二枚の第一メッシュ電極42、43が配置され、固体電解質膜32と第二ターミナルプレート54との間に三枚の第二メッシュ電極52、53、55が配置されていたが、これに限られない。すなわち、固体電解質膜32と第一、第二ターミナルプレート44、54の各々との間に配置されるメッシュ電極の枚数は、水電解セル30で流す純水の流量と、水電解セル30内での圧力損失とによって規定される。
メッシュ電極の枚数を増やすことで、固体電解質膜32と第一、第二ターミナルプレート44、54の各々との間の隙間が大きくなり、流路断面積が大きくなるため、圧力損失を抑制できる。したがって、水電解セル30で流す純水の流量を多くしつつ、圧力損失を抑制したい場合には、固体電解質膜32と第一、第二ターミナルプレート44、54の各々との間に配置されるメッシュ電極の枚数が増加される。
例えば、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55を幅30mm×長さ60mmの大きさとし、水電解セル30で流す純水の流量を4L/minとする場合には、固体電解質膜32と第一、第二ターミナルプレート44、54の各々との間に、6枚ずつ(合計12枚)のメッシュ電極を配置する。なお、このときの筐体38の大きさは、例えば、幅56mm×長さ95mm×高さ31mmとされる。
[第一供給路20]
第一供給路20は、水電解セル30の陽極部40へアノード水(純水)を供給するための流路である。この第一供給路20は、下流端部が水電解セル30の陽極部40に接続され、上流端部が例えば、アノード水を貯留する貯留部に接続されている。
第一供給路20には、送水部としてのポンプ22が配置されている。このポンプ22によって、純水が水電解セル30の陽極部40へ圧送される。また、第一供給路20におけるポンプ22の下流側には、アノード水の流量を調整するための流量調整弁24が配置されている。
[第二供給路60]
第二供給路60は、水電解セル30の陰極部50へカソード水(純水)を供給するための流路である。この第二供給路60は、下流端部が水電解セル30の陰極部50に接続され、上流端部が例えば、カソード水を貯留する貯留部(図示省略)に接続されている。
第二供給路60には、送水部としてのポンプ62が配置されている。このポンプ62によって、純水が水電解セル30の陰極部50へ圧送される。また、第二供給路60におけるポンプ62の下流側には、カソード水の流量を調整するための流量調整弁64が配置されている。また、第二供給路60における流量調整弁64の下流側には、第二供給路60内のカソード水の圧力を計測する圧力計66が配置されている。
[第一排出路70]
第一排出路70は、水電解セル30の陽極部40を流通したアノード水(酸素水)が排出される流路である。この第一排出路70の上流端部は、水電解セル30の陽極部40に接続されている。第一排出路70の下流端部は、例えば、第一供給路20が接続された貯留部(図示省略)に接続されている。第一排出路70を流通したアノード水は、貯留部(図示省略)に貯留され、当該貯留部にて酸素が除去されて、当該貯留部から第一供給路20を通じて、再び水電解セル30の陽極部40に供給される。このように、アノード水が循環される(リサイクルされる)。
[第二排出路90]
第二排出路90は、水電解セル30の陰極部50を流通したカソード水(水素水)が排出される流路である。この第二排出路90の上流端部は、水電解セル30の陰極部50に接続されている。第二排出路90を流通した水素水は、例えば、そのまま、洗浄水として用いてもよいし、タンクなど貯留部に貯留してから用いてもよい。なお、第二排出路90には、水素水の流量を調整するための流量調整弁92が配置されている。第二排出路90における流量調整弁92の下流側には、水素水に溶存する水素濃度を測定する溶存水素濃度計94が配置されている。
[電源80]
電源80は、陽極部40の第一ターミナルプレート44と陰極部50の第二ターミナルプレート54とに接続されている。この電源80には、直流電源が用いられている。そして、電源80は、例えば、パソコン82(PC)の操作により、定電流モードにて運転している。
水電解セル30に流す電流の電流密度は、0.1A/cm以上3.5A/cm以下が好ましい。電流密度が0.1A/cm未満であると、水の電解反応が促進されず、水素水の濃度が上がらないためである。電流密度が3.5A/cmを超えると、陽極部40及び陰極部50の各電極が劣化・消耗し、水電解装置10の寿命が短くなる。
そして、水電解セル30に直流電流を流すことで、水電解セル30を流通する純水が電気分解される。純水が電気分解されると、陰極部50に水素が生成され、陽極部40に酸素が生成される。
〈水電解装置10において酸素水を使用する変形例〉
生成された酸素水を使用する場合には、図3に示されるように、例えば、酸素水の流量を調整するための流量調整弁72を第一排出路70に配置する。さらに、第一排出路70における流量調整弁72の下流側に、酸素水に溶存する酸素濃度を測定する溶存酸素濃度計74を配置する。第一排出路70を流通した酸素水は、例えば、飲料用などに用いられる。
また、第二排出路90には、流量調整弁92及び溶存水素濃度計94を配置せず、第二排出路90を流通したカソード水(水素水)を、第二供給路60を戻すことで、カソード水を循環させる(リサイクル使用する)。
〈水電解装置10においてオゾン水を生成する変形例〉
水を電気分解してオゾン水を製造する場合には、水電解装置10は、例えば、以下のように構成される。
すなわち、本変形例では、第一メッシュ電極42として、水電解における酸素過電圧を増加し且つ酸素の生成を抑制する機能を有する触媒層が一方の面42Aのみに形成されたメッシュ電極が用いられる。
この第一メッシュ電極42は、図5に示されるように、金属メッシュ100における固体電解質膜32(図2参照)に接触する接触面100Aのみに触媒粒子106を担持させることで製造される。触媒粒子としては、例えば、PbO、TaOx、NbOxなどの粒子が用いられる。金属メッシュとしては、例えば、Tiメッシュなどが用いられる。第二メッシュ電極52としては、例えば、Ptなどの水素過電圧が低いメッシュが用いられる。
また、図4に示されるように、例えば、オゾン水の流量を調整するための流量調整弁72を第一排出路70に配置する。さらに、第一排出路70における流量調整弁72の下流側に、オゾン水に溶存するオゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度計74を配置する。第一排出路70を流通したオゾン水は、例えば、殺菌、消毒、洗浄などに用いられる。
さらに、第二排出路90には、流量調整弁92及び溶存水素濃度計94を配置せず、第二排出路90を流通したカソード水(水素水)を、第二供給路60を戻すことで、カソード水を循環させる(リサイクル使用する)。
[第一、第二メッシュ電極42、52の製造方法]
次に、第一、第二メッシュ電極42、52の製造方法について説明する。図5は、第一、第二メッシュ電極42、52を製造する製造方法の工程(手順)を示す概略図である。
本製造方法は、第一塗布工程と、付着工程と、第一乾燥工程と、第二塗布工程と、第二乾燥工程と、を有している。第一塗布工程、付着工程、第一乾燥工程、第二塗布工程及び第二乾燥工程は、この順で実行される。
第一塗布工程では、図5(A)(B)に示されるように、金属メッシュ100における固体電解質膜32(図2参照)に接触する接触面100Aのみに固体電解質溶液102を塗布する。
金属メッシュ100としては、例えば、板状(扁平状)且つメッシュ状(網状)とされた金属メッシュが用いられる。具体的には、金属メッシュ100は、例えば、平織りや、複数本のワイヤを束ねて綾織りすることでメッシュ状に形成されている。さらに具体的には、金属メッシュ100としては、例えば、#30〜#100程度の目の細かいTiメッシュが用いられる。金属メッシュ100は、表面に付着した油分等をアルコールやアセトンなどの溶剤で予め除去しておく前処理を行うことが好ましい。なお、当該前処理は行わなくてもよい。また、金属メッシュ100としては、エキスパンドメタルを用いてもよいが、その場合は、できるだけ細かいメッシュを用いるのが好ましい。また、金属メッシュ100の金属材料としては、Tiに限られず、例えば、ステンレスやカーボンなどであってもよい。なお、酸化反応が生じる陽極部40側では、材料として、耐腐食性が高いTiが好ましい。
固体電解質溶液102としては、シグマアルドリッチ社製の5%ナフィオン分散液などの固体高分子電解質溶液が用いられる。当該分散液は、ナフィオンが溶媒中に直径10nm前後の比較的大きなコロイド状に凝集しているものと考えており、その分子量が10,000〜1,000,000と推定されているものである。金属メッシュ100に塗布された分散液が乾燥した後は、ナフィオン膜である固体電解質膜32と同様なプロトン導電性を示す。
固体電解質溶液102の塗布には、例えば、スプレーが用いられる。用いられるスプレーは、化粧品などの溶液噴霧に使用する安価なものでもよい。
付着工程では、固体電解質溶液102が乾燥する前に、図5(C)に示されるように、金属メッシュ100の接触面100Aのみに触媒粒子106を付着させる。
水素及び酸素を効率良く生成するための触媒粒子106としては、例えば、(株)高純度化学研究所製のIrO粒子などの触媒粒子が用いられる。触媒粒子106が凝集体となっている場合には、乳鉢などを用いて予め粉砕しておく。なお、触媒粒子106としては、例えば、IrOとSiOとの混合粒子を用いてもよい。
触媒粒子106の接触面100Aへの付着は、例えば、篩などを用いて接触面100Aに触媒粒子106を振りかけることで行われる。接触面100Aへ付着させる触媒粒子106の量は、例えば、1cmあたり0.5〜50mgとされる。
第一乾燥工程では、触媒粒子106が付着された金属メッシュ100を乾燥させる。具体的には、ホットプレートなどを用いて、金属メッシュ100全体を60〜70℃で2〜3分程度で乾燥させる。
第二塗布工程では、図5(D)に示されるように、乾燥された金属メッシュ100の接触面100Aのみに固体電解質溶液102を塗布する。固体電解質溶液102は、第一塗布工程における固体電解質溶液102と同様のものが用いられる。また、固体電解質溶液102の塗布方法も、第一塗布工程と同様の塗布方法が用いられる。
第二乾燥工程では、第二塗布工程にて固体電解質溶液102を塗布された金属メッシュ100を乾燥させる。具体的には、第一乾燥工程と同様に、ホットプレートなどを用いて、金属メッシュ100全体を60〜70℃で2〜3分程度で乾燥させる。これにより、金属メッシュ100の接触面100Aに触媒粒子106が固定化され、触媒層が形成される。
以上の製造方法により、触媒層42S、52Sが一方の面42A、52Aのみに形成された第一、第二メッシュ電極42、52(酸素及び水素を生成するための水電解用触媒電極の一例)が製造される。
なお、固体電解質溶液102に予め触媒粒子106を分散した溶液を調整しておき、その溶液を直接、金属メッシュ100にスプレー等により塗布し、その塗布膜を乾燥させて触媒層を形成することで、第一、第二メッシュ電極42、52を製造してもよい。
また、オゾンを生成するためのメッシュ電極を製造する場合には、触媒粒子106として、PbO粒子、TaOx粒子、NbOx粒子などが用いて、前述と同様の手順にて製造される。
[水電解装置10を用いた水素水の製造方法]
本製造方法は、準備工程と、水電解工程と、を有している。準備工程では、前述した水電解装置10を準備する。
水電解工程では、水電解装置10の水電解セル30に純水を流通させつつ、電源80によって水電解セル30に電流を流して水電解セル30で水電解する。これにより、水素水を製造する。
製造された水素水は、例えば、部品の洗浄に用いられる。具体的には、例えば、超音波の照射を併用しながら、半導体基板に付着したシリカやアルミナの微粒子の除去に水素水を用いる洗浄方法が考えられる。特に、この洗浄方法では、溶存水素濃度が0.9mg/L以上の水素水に1mg/Lのアンモニアを添加したものと、超音波の照射を併用して洗浄を行うと、半導体基板に付着したアルミナ微粒子を100%近く除去できることが知られている。また、製造された水素水は、飲料用や農業用として利用することも可能である。
〈本実施形態に係る作用効果〉
次に、本実施形態に係る作用効果を説明する。
第一、第二メッシュ電極42、52では、水電解における酸素過電圧を低減し且つオゾンの生成を抑制する機能を有する触媒層42S、52Sが、固体電解質膜32に接触する一方の面42A、52Aに形成されている。この触媒層42S、52Sの作用により、オゾンの生成を抑制しつつ、水を効率よく電気分解することができる。本実施形態では、陽極部40だけでなく、陰極部50側の第二メッシュ電極52に触媒層52Sが形成されているので、陽極部40の第一メッシュ電極42のみに触媒層42Sが形成される場合に比べ、水電解が促進され、水をさらに効率よく電気分解することができる。
また、第一、第二メッシュ電極42、52では、固体電解質膜32に接触する一方の面42A、52Aのみに触媒層42S、52Sが形成されているので、一方の面42A、52A及び他方の面42B、52Bを含む全面に触媒層42S、52Sが形成される場合に比べ、第一、第二メッシュ電極42、52を製造する際の触媒粒子106及び固体電解質溶液102の量を低減できる。
また、第一、第二メッシュ電極42、52の面積は、固体電解質膜32の面積よりも小さくされているので、固体電解質膜32の一方の面32A及び他方の面32Bに触媒層が形成される場合に比べ、第一、第二メッシュ電極42、52を製造する際の触媒粒子106及び固体電解質溶液102の量を低減できる。
したがって、本実施形態の構成によれば、水を効率よく電気分解できる安価な水電解用触媒電極を提供できる。
また、本実施形態の製造方法では、金属メッシュ100の接触面100Aに固体電解質溶液102を塗布してから、その接触面100Aに、触媒粒子106を振りかけるなどして付着させる。このため、金属メッシュ100の網目部分などからこぼれ落ちた触媒粒子106を回収して再利用できる。この点からも、安価に、第一、第二メッシュ電極42、52を製造できる。
また、固体電解質膜32に触媒層を形成する場合では、固体電解質溶液102を固体電解質膜32に塗布すると、固体電解質溶液102中のアルコール分により固体電解質膜32が膨潤して凸凹に変形する。この固体電解質膜32に触媒粒子が付着すると、固体電解質膜32の凹部に触媒粒子が偏析してしまい、均一な触媒層を形成することが困難である。この点からも、第一、第二メッシュ電極42、52に触媒層42S、52Sを形成することが好ましい。
また、触媒層42S、52Sが形成された第一、第二メッシュ電極42、52(触媒電極)では、金属メッシュ100の金属材料として、TiやステンレスなどのPtに比べて安価な材料を選択することができ、材料選択の自由度が増す。
また、本実施形態では、陽極部40及び陰極部50の各々において、固体電解質膜32の一方の面32A及び他方の面32B(第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55の面)に沿って純水が流通する。このため、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55の面に対して直交する方向に純水が流通する場合に比べ、第一、第二メッシュ電極42、43、52、53、55で気液を接触させることができ、生成される水素水や酸素水の高濃度化を図ることができる。
〈変形例〉
本実施形態では、水素を水に混合する気液混合器を第二排出路90に設けてもよい。気液混合器により、水電解セル30では溶解しきれなかった水素を水に溶解することができ、水素水の高濃度を図ることができる。
気液混合器としては、例えば、幅40mm×長さ100mmの#100のTiメッシュを13枚重ねてテフロン製(テフロンは登録商標)の缶体の内部に配置したものが用いられる。この気液混合器では、メッシュ面に沿って、水と水素が流れて、気液の接触面積の増大により混合が促進される。なお、気液混合器としては、例えば、スタティックミキサー(例えば、ノリタケ社製CSM−12−5)などを用いてもよい。
本実施形態では、電気分解される水として、純水を用いたが、これに限られない。電気分解される水としては、イオン交換水であってもよい。
本実施形態では、水電解装置10を水素水を製造するために用いたが、これに限られず、酸素水を製造するために用いてもよい。この場合では、図3に示す構成において、例えば、生成された酸素水を抜き出して利用し、カソード水が循環される。
本実施形態では、触媒層が形成されたメッシュ電極が、陽極部40及び陰極部50の両極部に配置されていたが、陽極部40のみに配置する構成であってもよい。陽極部40のみに配置する構成であっても、オゾンの生成を抑制しつつ(後述の[評価2]、図7参照)、水を効率よく電気分解することが可能である(後述の[評価1]、図6参照)。
[水電解装置10を用いたオゾン水の製造方法]
本製造方法は、準備工程と、水電解工程と、を有している。準備工程では、第一メッシュ電極42として、水電解における酸素過電圧を増加し且つ酸素の生成を抑制する機能を有する触媒層が一方の面42Aのみに形成されたメッシュ電極を用いた図4に示す水電解装置10を準備する。
水電解工程では、水電解装置10の水電解セル30に純水を流通させつつ、電源80によって水電解セル30に電流を流して水電解セル30で水電解する。これにより、オゾン水又はオゾンを製造する。
また、オゾン水は、第一排出路70により水電解セル30から排出されるので、気液混合器を使用する場合には第一排出路70に設置する。
〈実施例〉
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、前述の方法にて([第一、第二メッシュ電極42、52の製造方法]参照)、幅10mm×長さ20mmの#100のTiメッシュにIrO粒子を15mg/cm担持させた第一、第二メッシュ電極42、52を製造した。そして、この第一、第二メッシュ電極42、52を前述の水電解装置10(図1参照)に用いた。
[実施例2]
実施例2では、実施例1の構成において、第二メッシュ電極52に替えて、触媒粒子を担持していない#80のPtメッシュを電極として用いた。すなわち、実施例2では、陽極部40にのみ、触媒粒子を担持したメッシュ電極を用いた。
[比較例1]
比較例1では、実施例1の構成において、第一、第二メッシュ電極42、52の各々に替えて、触媒粒子を担持していない#80のPtメッシュを電極として用いた。
[比較例2]
比較例2では、比較例1の構成において、固体電解質膜32における陽極部40側の一方の面32Aに、5%ナフィオン分散液にIrO粒子を分散させた溶液を塗布して乾燥させ、IrO粒子を担持させた。
[評価1]
評価1では、実施例1、2及び比較例1の構成において、陽極部40及び陰極部50に純水を300mL/minで供給して、水電解を行った。そして、評価1では、実施例1、2及び比較例1の構成において、3〜5Vの範囲で電圧を印加した際の電流値を測定して、I−V特性(電圧と電流との関係)を比較し、酸素過電圧、すなわち、水の電解のしやすさを評価した。この結果が図6に示されている。
図6のグラフに示されるように、実施例2の構成では、どの電圧領域においても、比較例1よりも大きな電流が流れることが分かる。また、実施例1の構成では、どの電圧領域においても、実施例2及び比較例1よりも大きな電流が流れることが分かる。
そして、例えば、0.1Aの電流値となる電圧を比較すると、実施例1の構成では、実施例2の構成よりも0.4V低く、比較例1よりも0.9V低い。したがって、所定量の水素又は酸素を生成する場合において、実施例1、2及び比較例1のうち、実施例1が最も低電力で運転できることが明らかとなった。
[評価2]
評価2では、実施例1、2及び比較例2の構成において、陽極部40及び陰極部50に純水を300mL/minで供給して、電流密度を変えて水電解を行い、アノード水中に含まれる溶存オゾン濃度を測定した。この結果が、図7に示されている。
図7のグラフに示されるように、実施例2及び比較例2では、アノード水中に溶存オゾンの存在が確認された。しかしながら、実施例1では、2A/cmという高電流密度で水を電解してもオゾンが生成されなかった。なお、比較例1では、2A/cm時に2.7mg/Lという高濃度になった。
以上のように、評価1との結果を合わせて考えると、実施例1の構成が、電流効率及びオゾン生成の抑制という両面から最適であることが分かった。なお、実施例2の構成も、比較例1、2に比べて、電流効率及びオゾン生成の抑制において優れている。
[評価3]
評価3では、実施例1の構成において、陽極部40及び陰極部50に純水を300mL/minで供給して、水電解を行った際の溶存水素濃度を測定した。その結果、2.5A/cm時に1.22mg/Lという高濃度の水素水を生成することができた。このとき、アノード水中の溶存オゾン濃度は、0.016mg/L(16ppb)という非常に低い値であった。
[評価4]
評価4では、IrO粒子を担持させたメッシュ電極の寿命を評価するために、実施例1の構成において、陽極部40及び陰極部50に純水を300mL/minで供給して、0.5A/cmの定電流密度で水電解を行い、印加電圧の経時変化を調べた。この結果が、図8に示されている。図8のグラフに示されるように、時間の経過と共に、印加電圧が低下した。したがって、メッシュ電極の劣化が起こらないだけでなく、時間の経過と共に電力消費(電流と電圧の積)が減少することが明らかになった。おそらく、IrO粒子を担持するために用いたナフィオン溶液のナフィオン成分が、時間の経過と共に、ナフィオン膜である固体電解質膜32に密着して、電極と固体電解質膜32との接触抵抗が減少したものと推定される。
[比較試験]
陽極部40の第一メッシュ電極42に替えて、市販のPtO・HO(二酸化プラチナ・一水和物)の粉末を担持したTiメッシュを用いて、電源80により電圧を印加した。しかしながら、電圧を上げても電流が流れず、水電解ができなかった。触媒粒子としては、IrO粒子がよいことがわかった。
[実施例3]
実施例3では、前述の方法にて、幅20mm×長さ40mmの#100Tiメッシュの片面にPbO粒子を50mg/cm担持させた第一メッシュ電極42を製造した。この第一メッシュ電極42と、第一メッシュ電極43としての#100のTiメッシュと、を水電解装置10の陽極部40に用いた。
また、第二メッシュ電極52として#80のPtメッシュを用い、第二メッシュ電極53、55として、#100のTiメッシュを水電解装置10の陰極部50に用いた。そして、陽極部40及び陰極部50に純水を流して電気分解を行った。アノード水およびカソード水の流量は、それぞれ、1.0L/min、0.3L/minとした。この装置に0.25〜2A/cmの電流を流すことにより、オゾン水を生成した。
その結果、図9のグラフに示すとおり、電流密度にほぼ比例して液相のオゾン濃度が増加し、2A/cmの電流密度において8.44mg/Lのオゾン水を得ることができた。オゾン生成電流効率も図10のグラフに示すとおり、電流密度の増加に伴って上昇し、2A/cmの電流密度においては3%であった。
したがって、このPbO粒子などで触媒層を形成したメッシュ電極を用いて、オゾン水とオゾンガスの製造が可能であることが明らかとなった。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
10 水電解装置
32 固体電解質膜
40 陽極部
42 第一メッシュ電極(水電解用触媒電極の一例)
42S、52S触媒層
50 陰極部
52 第二メッシュ電極(水電解用触媒電極の一例)
100 金属メッシュ
100A 接触面
106 触媒粒子

Claims (9)

  1. 板状の金属メッシュと、
    前記金属メッシュにおける固体電解質膜に接触する接触面のみに形成され、水電解における酸素過電圧を低減する触媒層と、
    を備える、
    酸素及び水素を生成するための水電解用触媒電極。
  2. 板状の金属メッシュと、
    前記金属メッシュにおける固体電解質膜に接触する接触面のみに形成され、水電解における酸素過電圧を増加する触媒層と、
    を備える、
    オゾンを生成するための水電解用触媒電極。
  3. 前記触媒層は、前記接触面にIrO粒子を付着させることで形成されている
    請求項1に記載の水電解用触媒電極。
  4. 前記触媒層は、前記接触面にPbO粒子を付着させることで形成されている
    請求項2項に記載の水電解用触媒電極。
  5. 前記金属メッシュは、Tiメッシュである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の水電解用触媒電極。
  6. 固体電解質膜と、
    触媒層が形成された面が前記固体電解質膜の一方の面に接触するように配置された請求項1〜5のいずれか1項に記載の水電解用触媒電極を有する陽極部と、
    を備える水電解装置。
  7. 触媒層が形成された面が前記固体電解質膜の他方の面に接触するように配置された請求項1〜5のいずれか1項に記載の水電解用触媒電極を有する陰極部と、
    を備える請求項6に記載の水電解装置。
  8. 前記陽極部及び前記陰極部の各々において、前記固体電解質膜の一方の面及び他方の面の各々に沿って水を流通させて水電解を行う
    請求項7に記載の水電解装置。
  9. 金属メッシュの固体電解質膜に接触する接触面のみに固体電解質溶液を塗布する第一塗布工程と、
    前記固体電解質溶液が乾燥する前に前記接触面のみに触媒粒子を付着させる付着工程と、
    前記触媒粒子が付着された金属メッシュを乾燥させる第一乾燥工程と、
    乾燥された前記金属メッシュの前記接触面のみに固体電解質溶液を塗布する第二塗布工程と、
    前記第二塗布工程にて固体電解質溶液を塗布された金属メッシュを乾燥させる第二乾燥工程と、
    を有する水電解用触媒電極の製造方法。
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