JP2018076457A - 潤滑グリース組成物 - Google Patents

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雅敏 中山
勝川 吉隆
Yoshitaka Katsukawa
吉隆 勝川
光真 嘉村
Mitsumasa Kamura
光真 嘉村
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Abstract

【課題】本発明の課題は、エチレンプロピレンゴム製シール材に悪影響を及ぼすことなく、安定性に優れる潤滑グリース組成物を提供することである
【解決手段】一般式(1)で表されるポリエーテル(A1−1)及び/又は一般式(2)で表されるポリエーテル(A1−2)からなるポリエーテル(A1)を含む潤滑グリース組成物であって、(A1)の40℃における動粘度が100mm/s以上1,000mm/s未満である潤滑グリース組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑グリース組成物に関する。
自動車部品、家電製品、電子情報機器、OA機器などでは、歯車や、各種機械部品の摺動部等に潤滑剤が使用されている。そして、その潤滑剤が外部に漏洩することや、外部から水などの異物が潤滑剤へ混入することを抑制するため、シール材が設けられることがある。
一般的に、シール材としては、耐油性、耐摩耗性、耐熱性、加工性、低価格の理由により、ニトリルゴム(以下、「NBR」と称する)が広く使用されているが、冬季の低温、熱帯気候の熱害によって、シールが劣化するため、長期間の使用においては泥水等を浸入させ、潤滑不良や錆を誘発し、部材寿命を低下させてしまうという問題があった。
この対策としては、NBRよりも、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐水性に優れるエチレンプロピレンゴムを使用することによる軸受寿命の改善が挙げられる。しかし、エチレンプロピレンゴムは、耐油性に劣るため、塗布された潤滑剤により影響を受けやすく、シール材としての性能が満足できないという問題があった。
特許文献1には、基油として40℃における動粘度が10〜80mm/sであるエステル系合成油を少なくとも50質量%含有する基油、及び増ちょう剤として、ウレア化合物を配合した潤滑グリースが開示されている。
しかしながら、水が混入した場合に加水分解しやすいため、潤滑油の使用中の安定性に問題があり、グリースが軟化し漏洩する等の事態が発生して潤滑不良を引き起こす懸念があった。
特開2014−19742号公報
本発明の課題は、エチレンプロピレンゴム製シール材に悪影響を及ぼすことなく、安定性に優れる潤滑グリース組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるポリエーテル(A1−1)及び/又は下記一般式(2)で表されるポリエーテル(A1−2)からなるポリエーテル(A1)を含む潤滑グリース組成物であって(A1)の40℃における動粘度が100mm/s以上1,000mm/s未満である潤滑グリース組成物である。
[−O−(AO)−H] (1)
[Rは多価アルコールから水酸基を除いた残基、(AO)は炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。mは0.3〜40の数である。fは3〜8の整数である。]
[式中、(AO)〜(AO)は、それぞれ炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。p、q、r、s、tはそれぞれ0〜40の数 であり、少なくとも1つは1以上である。また、Y とYはそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキレン基を示す。nは0〜12 の整数 である。nが2〜12の場合、Y のアルキレン基は同じでも2種以上を併用してもよい。nが2〜12の場合、tは同じでも2種以上を併用してもよい。]
本発明の潤滑グリース組成物は以下の効果を奏する。
(1)エチレンプロピレンゴム製シール材を変化(膨潤・収縮・溶解・軟化・可塑化)させない。
(2)加水分解しないので安定である。
本発明の潤滑グリース組成物は、ポリエーテル(A1−1)及び/又はポリエーテル(A1−2)からなるポリエーテル(A)を含む。
本発明におけるポリエーテル(A1−1)は下記一般式(1)で表され、40℃における動粘度が100mm/s以上1,000mm/s未満である。潤滑性の観点から好ましくは110〜800mm/sであり、さらに好ましくは120〜600mm/sである。
[−O−(AO)−H] (1)
式(1)中、Rは多価アルコールから水酸基を除いた残基、(AO)は炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。mは0.3〜40の数である。fは3〜8の整数である。
式(1)中、(AO)は炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基である。アルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基などが挙げられ、これらの2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい
mは0.3〜40の数である。耐シール性の観点から好ましくは0.3〜20の数であり、さらに好ましくは0.3〜15の数である。
fは3〜8の整数である。ハンドリング性の観点から好ましくは3〜6の整数であり、さらに好ましくは3〜4の整数である。
式(1)中の(AO)は下記一般式(3)で表すこともできる。
−(AO)(AO)(AO)− (3)
式(3)中、(AO)はプロピレンオキシ基、(AO)はエチレンオキシ基、(AO)ブチレンオキシ基である。iは0〜151の数、j及びkはそれぞれ0〜100の数であって、i/(i+j+k)は特に限定されないが、好ましくは0.6〜1.0である。i、j、kが2以上の場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよいが、好ましくはブロック付加である。なお、i+j+k=mである。
(A1−1)の数平均分子量は100〜2,000が好ましく、より好ましくは100〜1,000である。
(A1−1)の水酸基1つあたりの数平均分子量(数平均分子量/f)は1,000以下であり、潤滑性の観点から好ましくは500以下、更に好ましくは300以下である。
(A1−1)としては、3〜8価の水酸基を有する化合物(例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及び、ショ糖等)の炭素数が2〜4のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)付加物(例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、1,2−ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記する))等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらのうち好ましいものはグリセリンのPO付加物、トリメチロールプロパンのPO付加物、ペンタエリスリトールのPO付加物、ソルビトールのPO付加物、ショ糖のPO付加物、グリセリンのEO/PO付加物、トリメチロールプロパンのEO/PO付加物、ペンタエリスリトールのEO/PO付加物、ソルビトールのEO/PO付加物である。
本発明におけるポリエーテル(A1−2)は下記一般式(2)で表され、40℃における動粘度が100mm/s以上1,000mm/s未満である。潤滑性の観点から好ましくは110〜800mm/sであり、さらに好ましくは120〜600mm/sである。
[式中、(AO)〜(AO)は、それぞれ炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。p、q、r、s、tはそれぞれ0〜40の数 であり、少なくとも1つは1以上である。また、Y とYはそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキレン基を示す。nは0〜12 の整数 である。nが2〜12の場合、Y のアルキレン基は同じでも2種以上を併用してもよい。nが2〜12の場合、tは同じでも2種以上を併用してもよい。]
式(2)中のYとYで示される炭素数1〜12のアルキレン基としては、炭素数1〜12の直鎖状及び分岐状のアルキレン基等が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−メチルプロピレン基、ペンチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルへキシレン基、ノニレン基及びデシレン基などが挙げられる。
式(2)中の(AO)〜(AO)は、それぞれ炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基である。具体的には、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基及びイソブチレンオキシ基等が挙げられ、これらの2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。
p、q、r、s、tはそれぞれ0〜40の数であり、少なくとも1つは1以上である。耐シール性の観点から好ましくは0〜20の数であり、さらに好ましくは0〜15の数である。
nは0〜12の数である。耐シール性の観点から好ましくは0〜8の数であり、さらに好ましくは0〜6の数である。
nが2〜12の場合、Y のアルキレン基は同じでも2種以上を併用してもよい。
nが2〜12の場合、tは同じでも2種以上を併用してもよい。
(A1−2)の数平均分子量は61〜2,000が好ましく、より好ましくは149〜1,000である。
(A1−2)の水酸基1つあたりの数平均分子量(数平均分子量/f)は1,000以下であり、潤滑性の観点から好ましくは500以下、更に好ましくは300以下である。
(A1−2)としては、3〜8価の活性水素を有する化合物(例えばアルキレンジアミン及びポリアルキレンポリアミン、ジエチレントリアミン等)の炭素数が2〜4のAO(例えば、EO、PO、BO、THF等)付加物が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記アルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ブチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
上記ポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミンが挙げられる。
好ましいものはエチレンジアミンのPO付加物、ジエチレントリアミンのPO付加物、トリエチレンテトラミンのPO付加物、テトラエチレンペンタミンのPO付加物、ペンタエチレンヘキサミンのPO付加物、エチレンジアミンのEO/PO付加物、ペンタエチレンヘキサミンのEO/PO付加物である。
本発明の(A1)は、綿キャンバス法試験における沈降開始時間が60秒以下である

綿キャンバス法は、15mm×15mmの大きさの未精錬綿布を、40℃に温調した該(A1)の上に浮かべ、綿布を浮かべた時から沈降し始める迄の時間(沈降開始時間)を5回測定し、上下両端の値の2点をカットし中間3点の平均値を測定値とする。
本発明における潤滑グリース組成物は、下記一般式(3)で表されるポリエーテル(A2)を含有してもよい。
(RCOO)[−O−(AO)−H]4−h (3)
式(3)中、Rは炭素数1〜24の炭化水素基であって、1つ以上の二重結合を有していてもよく、2種以上を併用してもよい。Rはソルビタンから水酸基を除いた残基である(AO)は炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。、hは1〜3の整数、yは0.3〜の20の数であり、(AO)部分の付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。
は、炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基等が挙げられる。
(A2)としては、ソルビタンモノ又はジ脂肪酸エステル(ソルビタンと飽和脂肪酸(例えば、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸)及び/又は不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸)とのエステル)、及び、そのアルキレンオキサイド(例えばEO、PO、BO、THF)付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ソルビタンモノエステルのPO付加物及びソルビタンモノエステルのEO/PO付加物である。(A2)の数平均分子量は、100〜2,000が好ましく、より好ましくは100〜1,000である。
上記(A2)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明が使用される潤滑グリースにおいて前記(A1−1)及び(A1−2)以外のポリエーテル(A1−3)を含有してもよい。
(A1−3)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタノールのEO/PO付加物、(A1−1)を除くグリセリンのEO/PO付加物等が挙げられる。
本発明が使用される潤滑グリースには、更に、その用途に応じて増ちょう剤、増粘剤、防錆剤、防食剤、酸化防止剤、極圧剤、耐摩耗剤、摩擦低減剤、固体潤滑剤、分散剤、界面活性剤、付着性向上剤、油性剤、その他の添加剤を適宜に併用することができる。
上記増ちょう剤、増粘剤としては潤滑剤組成物に一般的に使用されるものが挙げられる。増ちょう剤としては、例えば、ウレア化合物からなるもの、すなわちウレア系増ちょう剤が好ましい。ウレア系増ちょう剤としては、例えば、ジウレア系、トリウレア系またはテトラウレア系等の種々のウレア系増ちょう剤が使用できる。
増ちょう剤としては、ウレア系増ちょう剤以外にも、例えば、石けん系増ちょう剤、有機系増ちょう剤および無機系増ちょう剤等の、公知の種々の増ちょう剤が挙げられる。このうち、石けん系増ちょう剤としては、例えば、アルミニウム石けん、カルシウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん等の金属石けん型増ちょう剤、リチウム−カルシウム石けん、ナトリウム−カルシウム石けん等の混合石けん型増ちょう剤、アルミニウムコンプレックス、カルシウムコンプレックスおよびリチウムコンプレックスナトリウムコンプレックス等のコンプレックス型増ちょう剤等が挙げられる。
また、有機系増ちょう剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびナトリウムテレフタラート等が挙げられる。また、無機系増ちょう剤としては、例えば、有機ベントナイト、グラファイトおよびシリカゲル等が挙げられる。
増粘剤としては、エチレンオリゴマーが好ましい。エチレンオリゴマー以外の増粘剤としては、例えば、シス−1,4−ポリイソプレン等のポリイソプレンおよびポリエステルポリオールのうちの少なくとも1種が挙げられる。
上記防錆剤、防食剤としては潤滑剤組成物に一般的に使用されるものが挙げられる。例えば、有機酸化合物を用いることができ、中でも特に、コハク酸エステル化合物、アスパラギン酸化合物、ザルコシン酸化合物、フェノキシ酢酸化合物(4−ノニルフェノキシ酢酸等)が好ましいものとして挙げられる。
また、有機アミン化合物や有機アミド化合物があり、中でも、ジエタノールアミン、モノアルキル一級アミン、ジアミン・ジ脂肪酸塩、ジアミン、イソステアリン酸のアミド、オレイン酸のアミド等が好ましいものとして挙げられる。
さらに、スルフォン酸塩(Caスルフォネート、Naスルフォネート、Baスルフォネート等)、硫化脂肪酸(硫化オレイン酸等)、界面活性剤(ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ステアリン酸・オレイン酸のモノ・ジグリセライド等)なども好ましいものとして挙げられる。
他にも、ナフテン酸塩(ナフテン酸カリウム等)、二塩基酸のアルカリ金属塩(セバシン酸ナトリウム等)、二塩基酸のアルカリ土類金属塩若しくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、チオカーバメートから選ばれるものも良く、好ましいものとして、セバシン酸ナトリウム及びベンゾトリアゾール、或いはそれらを併用したものも挙げられる。
上記酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系、ホスファイト系、硫黄系、ジアルキルジチオリン酸塩等の酸化防止剤を使用することができる。特に、高温で酸化安定性に優れるフェノール系、アミン系が好ましいことが多い。これらの酸化防止剤は、単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。具体的には下記が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えばモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジペンチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、α−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン;ブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系を挙げることができ、モノアルキルジフェニルアミン系、ジアルキルジフェニルアミン系、ナフチルアミン系が好適である。
フェノール酸化防止剤としては、例えば4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)等のビスフェノール系、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール等のアルキルフェノー系、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフイド;n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,2’−チオ〔ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などを挙げることができる。ビスフェノール及びアルキルフェノール系が好適である。
上記極圧剤、耐摩耗剤および摩擦低減剤としては、硫黄化合物、リン化合物、硫黄リン化合物、モリブデン化合物が挙げられる。具体的には、硫黄化合物としては、硫化油脂、硫化オレフィン、ジチオカルバミン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデンが挙げられる。リン化合物としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステルのアミン塩、酸性リン酸エステルのアミン塩、酸性亜リン酸エステルのアミン塩が挙げられる。硫黄リン化合物としては、チオリン酸エステル、ジチオリン酸亜鉛、ジチオリン酸モリブデンが挙げられる。モリブデン化合物としては、モリブデンアミン化合物が挙げられる。
固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、グラファイト、メラミンシアヌレート、窒化ホウ素、雲母、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などがあげられる。
上記した各種の添加剤は、市販の液状潤滑油または半固体状潤滑剤中に予め添加されている状態のものを使用することもできる。
本発明が使用される潤滑グリースは、エチレンプロピレンゴム製シール材を使用したユニットで使用されるものである。本明細書において用語「エチレンプロピレンゴム」は、エチレンとプロピレンとの共重合体であるエチレン−プロピレンゴムに、少量の第三成分、例えばエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンを導入し、主鎖中に二重結合をもたせたものを指す。使用されるユニットとしては、例えば自動車の車両用軸受があげられる。
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、部は重量部を表す。
表1に本発明の潤滑グリース組成物(S1)〜(S7)及び比較の潤滑油(H1)〜(H7)の実施例を掲げて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<動粘度の測定方法>
JIS−K2283に準じて測定した。
装置:自動粘度測定装置(VMC−252型);株式会社離合社製
粘度計:ウベローデ粘度計(粘度計番号2番)
測定温度:40℃
<数平均分子量の測定方法>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって、ポリエチレンオキサイドを基準物質として、40℃で測定した。
装置本体:HLC−8120(東ソー株式会社製)
カラム:東ソー株式会社製TSKgel α6000、G3000 PWXL
検出器:装置本体内蔵の示差屈折計検出器
溶離液:0.5%酢酸ソーダ・水/メタノール(体積比70/30)
溶離液流量:1.0ml/分
カラム温度:40℃
試料:0.25%の溶離液溶液
注入量:200μl
標準物質:東ソー株式会社製TSK TANDARD POLYETHYLENE OXIDE
データ処理ソフト:GPC−8020modelII(東ソー株式会社製)]
<実施例1〜11、比較例1〜7>
表1のとおり潤滑グリース組成物(S1)〜(S11)と(H1)〜(H7)を作成した。
表1に記載の実施例(S1)〜(S11)と、比較例(H1)〜(H7)の組成は、以下に記載した通りである。
(S1)グリセリンのPO付加物(数平均分子量=250)
(S2)グリセリンのPO付加物(数平均分子量=400)
(S3)グリセリンのPO付加物(数平均分子量=600)
(S4)トリメチロールプロパンのPO付加物(数平均分子量=280)
(S5)トリメチロールプロパンのPO付加物(数平均分子量=400)
(S6)トリメチロールプロパンのPO付加物(数平均分子量=700)
(S7)ペンタエリスリトールのPO付加物(数平均分子量=560)
(S8)エチレンジアミンのEO/PO付加物(数平均分子量=5,000、モル比EO/PO=84/16)
(S9)ジエチレントリアミンのEO/PO付加物(数平均分子量=5,000、モル比EO/PO=84/16)
(S10)グリセリンのPO/BOランダム付加物(数平均分子量=1,500、モル比PO/BO=13/87)
(S11)グリセリンのPO/THFランダム付加物(数平均分子量=2,500、モル比PO/BO=13/87)
(H1)ブタノールのPO付加物(数平均分子量=1,200)
(H2)ブタノールのPO付加物(数平均分子量=2,000)
(H3)グリセリンのPO付加物(数平均分子量=8,000)
(H4)プロピレングリコールのEO/PO付加物(数平均分子量=2,000、モル比EO/PO=10/90)
(H5)プロピレングリコールのEO/PO付加物(数平均分子量=2,400、モル比EO/PO=40/60)
(H6)プロピレングリコールのEO/PO付加物(数平均分子量=2,300、モル比EO/PO=10/90)
(H7)ソルビトールのPO付加物(数平均分子量=690)
<評価例>
得られた潤滑グリース組成物の耐シール性、浸透性、液安定性及び潤滑性を試験した。
試験方法は、以下のとおりである。結果を表1に示す。
(1)耐シール性
潤滑グリース組成物(S1)〜(S11)及び比較の潤滑油(H1)〜(H7)それぞれを耐圧容器に入れ、シール材であるEPDMを全没させ、120℃中に3日間静置した後の体積収縮率にて耐シール性を評価した。
◎:体積収縮率5%未満、○:体積収縮率5%以上10%未満、×:体積収縮率10%以上
(2)浸透性
15mm×15mmの大きさの未精錬綿布を、40℃に温調した潤滑グリース組成物(S1)〜(S11)及び比較の潤滑油(H1)〜(H7)それぞれの上に浮かべ、綿布を浮かべた時から綿布が全て染み、沈降し始める迄の時間(沈降開始時間)を5回測定し、上下両端の値の2点をカットし中間3点の平均値を測定値として、浸透性を評価した。
○:沈降開始時間60秒未満、×:沈降開始時間60秒以上
(3)液安定性
潤滑グリース組成物(S1)〜(S11)及び比較の潤滑油(H1)〜(H7)それぞれを耐圧容器に入れ、水を潤滑グリース組成物又は潤滑油の重量に基づいて0.5重量%添加し、120℃中に7日間静置した後の概観にて液安定性を評価した。
○:均一液状、×:白濁又は分離
(4)潤滑性
振動摩擦摩耗試験機(オプチモール社製 SRV試験機)を用い、鋼球と平面の鋼ディスクとの点接触(荷重100N)における潤滑グリース組成物(S1)〜(S11)及び比較の潤滑油(H1)〜(H7)それぞれの摩擦係数を評価した。試験条件を下記に示す。
振幅:2mm、 振動数:50Hz、 温度:60℃
時間:10分間
摩擦係数:時間10分間の平均
○:摩擦係数<0.05、×:摩擦係数≧0.05
表1から分かるように、実施例の潤滑グリース組成物は、耐シール性、浸透性、液安定性及び潤滑性のいずれにも優れている。一方、比較例の潤滑グリース組成物は、耐シール性が実施例の基油と比べて劣っている。
本発明の潤滑剤グリース組成物は、耐シール性、浸透性、液安定性及び潤滑性に優れており、鉄鋼、自動車、一般機械、精密機器等さまざまな産業分野での潤滑グリースとして好適に用いることができる。さらには液安定性に優れるため、高温多湿環境への対応、道路が舗装されていない地域での塩泥水への対応が求められているロシアやブラジル、東南アジア等の新興市場での使用にも好適である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリエーテル(A1−1)及び/又は下記一般式(2)で表されるポリエーテル(A1−2)からなるポリエーテル(A1)を含む潤滑グリース組成物であって、(A1)の40℃における動粘度が100mm/s以上1,000mm/s未満である潤滑グリース組成物。
    [−O−(AO)−H] (1)
    [Rは多価アルコールから水酸基を除いた残基、(A O)は炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。mは0.3 〜40の数である。fは3〜8の整数である。]
    [式中、(AO)〜(AO)は、それぞれ炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。p、q、r、s、tはそれぞれ0〜40の数 であり、少なくとも1つは1以上である。また、Y とYはそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキレン基を示す。nは0〜12 の整数 である。nが2〜12の場合、Y のアルキレン基は同じでも2種以上を併用してもよい。nが2〜12の場合、tは同じでも2種以上を併用してもよい。]
  2. 前記(A1)の綿キャンバス法試験における沈降開始時間が60秒以下である請求項1記載の潤滑グリース組成物。
    綿キャンバス法:15mm×15mmの大きさの未精錬綿布を、40℃に温調した該(A1)の上に浮かべ、綿布を浮かべた時から沈降し始める迄の時間(沈降開始時間)を5回測定し、上下両端の値の2点をカットし中間3点の平均値を測定値とする。
  3. 下記一般式(3)で表されるポリエーテル(A2)をさらに含む請求項1又は2記載の潤滑グリース組成物。
    (RCOO)[−O−(AO)−H]4−h (3)
    [Rは炭素数1〜24の炭化水素基であって、1つ以上の二重結合を有していてもよく、2種以上を併用してもよい。Rはソルビタンから水酸基を除いた残基である。(AO)は炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基であり、2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。hは1〜3の整数、yは0.3〜の20の数 である。]
  4. さらに、増ちょう剤、増粘剤、防錆剤、防食剤、酸化防止剤、極圧剤、耐摩耗剤、摩擦低減剤及び固体潤滑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれか記載の潤滑グリース組成物。
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