JP2018076423A - 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物、ならびに電子装置及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物、ならびに電子装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ズレ(ポンプアウト現象)が抑制され、放熱性に優れた熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物、熱伝導性シリコーン組成物を用いた高信頼性の電子装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】(A)下記一般式(1)R1aSiO(4-a)/2(1)で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)平均粒径0.1〜150μmの熱伝導性充填剤:300〜4,000質量部、及び(C)10時間半減期温度が60〜130℃である有機過酸化物:0.1〜10質量部を含有し、熱伝導率が1W/mK以上の熱伝導性シリコーン組成物であって、その硬化物の25℃におけるずり弾性率が5,000〜300,000Paであり、熱伝導率が1W/mK以上である熱伝導性シリコーン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、放熱性に優れた熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物、ならびにこれを用いた電子装置及びその製造方法に関するものである。
一般に電気・電子部品は使用中に熱が発生するので、電気部品を適切に動作させるため除熱が必要であり、除熱用の種々の熱伝導性材料が提案されている。この熱伝導性材料は大別して、1)取り扱いが容易なシート状のもの、2)ペースト状のもの、の2種類の形態がある。
シート状のものは、取り扱いが容易であり、且つ安定性に優れるメリットがあるが、接触熱抵抗が性質上大きくなるため、放熱性能はペースト状のものに劣ってしまう。また、シート状を保たせるためにある程度の強度/硬さが必要となり、素子と放熱部材の間に生じる公差を吸収できず、それら応力によって素子を破壊してしまうこともある。
一方、ペースト状のものは、塗布装置等を用いれば、大量生産にも適応できるし、接触熱抵抗が低いことから放熱性能は優れる。但し、スクリーン印刷等で大量生産する場合、そのペーストの粘度は低い方がよいが、その場合、素子の冷熱衝撃等でそのペーストがズレてしまい(ポンプアウト現象)、除熱が十分できないため、結果素子が誤作動を起こしてしまうようなことがあった。また、過去の技術として以下のようなものが提案されているが、いずれも十分な性能が得られなかった。
特許第3948642号公報 特許第3195277号公報 特開2000−169873号公報 特開2006−143978号公報 特開2004−210856号公報 特開2005−162975号公報 特許第5300408号公報 特許第3580366号公報 特許第5047505号公報 特許第5447337号公報
上記技術において十分な性能が得られないことから放熱材料を付加反応で硬化させてポンプアウトを抑えるという技術が提案されたが(特許文献8:特許第3580366号公報、特許文献9:特許第5047505号公報)、車載用エレクトロニックコントロールユニット等に用いられる場合、放熱部材のアルミダイキャスト上には、時には付加反応を阻害する切削油や洗浄剤等の残さの影響で硬化しない事があった。その解決のため放熱材料の硬化触媒として有機過酸化物を使う技術が提案された(特許文献10:特許第5447337号公報)が車載用エレクトロニックコントロールユニット等に用いられる場合には十分な性能が得られなかった。そこで、本発明は上記欠点を克服し、ズレ(ポンプアウト現象)が抑制され、放熱性に優れた熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物、熱伝導性シリコーン組成物を用いた高信頼性の電子装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(A)オルガノポリシロキサン、(B)特定の粒径の熱伝導性充填剤、(C)特定の有機過酸化物を含有する熱伝導性シリコーン組成物とすることにより、その硬化物が25℃におけるずり弾性率を特定の範囲に抑え、これを用いた高信頼性の電子装置が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記を提供する。
[1].(A)下記一般式(1)
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は独立に炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基の群の中から選択される1種又は2種以上の基、aは1.8≦a≦2.2である。)
で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)平均粒径0.1〜150μmの熱伝導性充填剤:300〜4,000質量部、及び
(C)10時間半減期温度が60〜130℃である有機過酸化物:0.1〜10質量部を含有し、熱伝導率が1W/mK以上の熱伝導性シリコーン組成物であって、その硬化物の25℃におけるずり弾性率が5,000〜300,000Paである熱伝導性シリコーン組成物。
[2].(A)成分が、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン又はこれを含むオルガノポリシロキサンである[1]記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[3].(A)成分が、下記一般式(2)
Figure 2018076423
(式中、R2は独立に炭素数1〜6のアルキル基、R3は独立に炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、bは5〜120の整数である。)
で表される片末端加水分解性オルガノポリシロキサンを、(A)成分中に、10〜90質量%含む[1]又は[2]記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[4].(B)成分が、(B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤が10〜40質量%、及び残分が平均粒径100μm未満の熱伝導性充填剤である[1]〜[3]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[5].(B)成分が、
(B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤:(B)成分中10〜40質量%、
(B−II)平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、及び
(B−III)平均粒径5.0μm以上100μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%
を含む[4]記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[6].(B−I)成分が平均粒径100〜150μmのアルミナ粉末である[4]又は[5]記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[7].(B−I)が、平均粒径100〜150μmのアルミナ粉末、
(B−II)が、平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の酸化亜鉛粉末、水酸化アルミニウム粉末及びアルミナ粉末から選ばれる粉末、
(B−III)が、平均粒径5.0μm以上100μm未満の水酸化アルミニウム粉末及び/又はアルミナ粉末
である[5]記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[8].25℃におけるずり弾性率が5,000〜300,000Paであり、熱伝導率が1W/mK以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物。
[9].発熱性電子部品と放熱部材との間に、[8]記載の硬化物が配置された電子装置。
[10].発熱性電子部品と放熱部材との間に、[1]〜[7]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物からなる層を介在させ、このシリコーン層を加熱又は発熱性電子部品から発生する熱により、上記熱伝導性シリコーン組成物を硬化させる工程を含む、発熱性電子部品と放熱部材との間に、上記熱伝導性シリコーン組成物の硬化物が配置された電子装置の製造方法。
[11].下記(A)、(B)及び(C)成分を混合する工程を含む、熱伝導率が1W/mK以上の熱伝導性シリコーン組成物であって、その硬化物の25℃におけるずり弾性率が5,000〜300,000Paである熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
(A)下記一般式(1)
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基の群の中から選択される1種又は2種以上の基、aは1.8≦a≦2.2である。)
で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)平均粒径0.1〜150μmの熱伝導性充填剤:300〜4,000質量部、及び
(C)10時間半減期温度が60〜130℃である有機過酸化物:0.1〜10質量部
[12].さらに、下記(B−I)、(B−II)及び(B−III)成分を混合する工程を含む[11]記載の製造方法。
(B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤:(B)成分中10〜40質量%、
(B−II)平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、及び
(B−III)平均粒径5.0μm以上100μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%
本発明のシリコーン組成物の硬化物は、良好な熱伝導性を有するばかりでなく、適度なずり弾性率を持つためポンプアウトすることがない。また、ずり弾性率は大きすぎないため、発熱性電子部品と放熱部材との間に硬化物が配置された電子装置は、発熱性電子部品の反りに対する追随性が良好なため、放熱性能が維持される。
以下、本発明について詳細に説明する。
[熱伝導性シリコーン組成物シリコーン組成物]
本発明の組成物は、下記(A)〜(C)成分を含有する熱伝導率が1W/mK以上である熱伝導性シリコーン組成物である。
[(A)成分]
(A)下記一般式(1)
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は独立に炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基の群の中から選択される1種又は2種以上の基、aは1.8≦a≦2.2である。)
で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンである。
上記式(1)において、R1は炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。aは1.8〜2.2であり、1.9〜2.1が好ましい。
また、(A)のオルガノポリシロキサンの分子構造は直鎖状、分岐状又は網状のいずれでもよい。(A)成分のオルガノポリシロキサンの粘度は10〜100,000mm2/sであり、100〜50,000mm2/sが好ましい。25℃における粘度が10mm2/sより小さいと、揮発性が高いため組成が安定しない場合があり、また100,000mm2/sより大きいと組成物の粘度が高くなり、扱いが難しくなる場合がある。なお、この粘度は動粘度であって、オストワルド粘度計による25℃での測定値である(以下、同じ)。
(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン、又はこれを含むオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このケイ素原子に結合するアルケニル基としては、炭素数2〜8のものが好ましく、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。ケイ素原子に結合するアルケニル基は分子中のどの位置に存在してもよいが、少なくとも分子鎖末端に存在することが好ましい。
さらに、(A)成分中に、下記一般式(2)で表される片末端3官能の加水分解性オルガノポリシロキサンを配合してもよい。
Figure 2018076423
(式中、R2は独立に炭素数1〜6のアルキル基、R3は独立に炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、bは5〜120の整数である。)
一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンは、(B)成分の熱伝導性充填剤の表面を処理することができ、さらに粉末の高充填化を補助するばかりでなく、粉末表面を覆うことにより粉末同士の凝集を起こりにくくし、高温下でもその効果は持続するため、本熱伝導性シリコーン組成物の耐熱性を向上させる働きがある。
一般式(2)中、R2は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられるが、特にメチル基、エチル基が好ましい。R3は独立に炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基であり、1種でも2種以上でもよい。このような基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、特にメチル基が好ましい。一般式(2)のbは5〜120の整数であり、好ましくは10〜90の整数である。
一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は、5〜500mm2/sが好ましく、10〜300mm2/sがより好ましい。
一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンを配合する場合の配合量は、(A)成分中に、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
[(B)成分]
(B)成分の熱伝導性充填剤の平均粒径は0.1〜150μmであり、10〜130μmが好ましい。平均粒径が0.1μmより小さいと、得られるシリコーン組成物の粘度が高くなりすぎて扱いにくい物になり、熱伝導率も向上しない。また、150μmより大きいと、得られるシリコーン組成物が不均一になる。なお、平均粒径は、体積基準の累積平均径であって、レーザー回析錯乱法で測定され、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定機マイクロトラックMT3300EX等により測定できる(以下、同じ)。
熱伝導性充填剤としては、熱伝導率の高いものが好ましく、例えば、アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末、水酸化アルミニウム粉末、アルミナ(酸化アルミニウム)粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末の中から選択される1種又は2種以上を使用することができる。これらの無機化合物粉末の表面は、必要に応じてオルガノシラン、オルガノシラザン、オルガノポリシロキサン、有機フッ素化合物等で疎水化処理を施したものを使用してもよい。
さらに、平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤が、(B)成分中10〜40質量%含まれていることが好ましく、残分が平均粒径100μm未満の熱伝導性充填剤であることが好ましい。本発明の熱伝導性シリコーン組成物を、発熱性電子素子と放熱部材の間に配置した場合、100〜150μmの粒子が10質量%以下だと一定の距離が保てなくなるため応力緩和の観点から好ましくなく、場合によっては発熱性素子を破壊するおそれもあり、40質量%より多くても応力緩和の効果は向上しない。この100〜150μmの熱伝導性充填剤は、スペーサー的な役割も果たしている。スペーサー粒子としてガラスビーズ等を入れる例もあるが、ガラスビーズは熱伝導率が低く、不純物を含有しているおそれもあり好ましくない。絶縁性を保つことが出来、かつ熱伝導性も犠牲にしない点から、(B)成分は、(B−I)平均粒径100〜150μmのアルミナ粉末を(B)成分中10〜40質量%、残分が平均粒径100μm未満の熱伝導性充填剤であることが好ましい。アルミナ粉末の形状は、形状は球形状でも非球形状でもよい。残分はアルミナ粉末でも、他の熱伝導性充填剤でもよい。
さらに、(B)成分が、
(B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤:(B)成分中10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%、
(B−II)平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、好ましくは25〜50質量%、及び
(B−III)平均粒径5.0μm以上100μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、好ましくは30〜60質量%、
を含むことが好ましい。
特に、(B−I)が、平均粒径100〜150μmのアルミナ粉末、
(B−II)が、平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の酸化亜鉛粉末、水酸化アルミニウム粉末及びアルミナ粉末から選ばれる粉末、
(B−III)が、平均粒径5.0μm以上100μm未満の水酸化アルミニウム粉末及び/又はアルミナ粉末であることが好ましい。
(B−II)
これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。微粉末が20質量%未満でも60質量%を超えても、得られる組成物の粘度が高くなり扱い難くなるおそれがある。
(B−III)
これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。平均粒径5.0μm以上100μm未満の粉末が、20質量%未満でも60質量%超えても得られる組成物の粘度が高くなり扱い難くなるおそれがある。
(B)成分の配合量は、成分(A)100質量部に対して300〜4,000質量部であり、500〜3,000質量部がより好ましい。さらに好ましくは、1,000〜3,000である。300質量部より少ないと、得られる組成物の熱伝導率が悪くなり、4,000質量部より多いと流動性が悪くなり取り扱い性が悪くなる。
[(C)成分]
(C)成分の有機過酸化物は、本発明の熱伝導性シリコーン組成物の耐ズレ性能に大きく寄与する。一般的にペースト状の放熱材料は、発熱部位と放熱部材の間に配置されるが、発熱部位が動作するときは熱により放熱材料は膨張し、動作が止まると冷却するので収縮する。この発熱、冷却の繰り返しによる材料の膨張、収縮がズレの原因になる。有機過酸化物を含有すると発熱部位の発熱温度により、有機過酸化物が分解し、フリーラジカル反応を起こすことで緩やかに硬化し、耐ズレ性が飛躍的に向上する。
(C)成分は10時間半減期温度が60〜130℃、好適には70〜120℃の有機過酸化物である。10時間半減期温度が60℃未満のものだと、本発明の熱伝導性シリコーン組成物の常温保存安定性が悪くなり、130℃を超えるものだと、分解温度が高すぎてフリーラジカル反応がなかなか始まらず、結果耐ズレ性が悪くなる。このような有機過酸化物としては、例えば、ジラウロイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(C)成分の配合量は、成分(A)100質量部に対して0.1〜10質量部であり、0.3〜7質量部が好ましい。0.1質量部より少ないと耐ズレ性の効果が得られず、10質量部より多いと熱伝導性シリコーン組成物が加熱により硬くなりすぎ、シリコーン組成物にひび割れが入った入り、基材との剥離が起きることがある
本発明の熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率は、1W/mK以上であり、1.5W/mK以上が好ましく、2.0〜7.0W/mKがより好ましい。熱伝導率が小さすぎると所望する放熱特性が得られない。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ブタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、イソパラフィン等の溶剤を、ディスペンス性向上の点から配合してもよい。その配合量は、成分(A)100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、5〜60質量部がより好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物の絶対粘度は、25℃で300〜1,500Pa・sが好ましく、500〜1,300Pa・sがより好ましい。上記粘度を300Pa・s以上とすることで、耐ズレ性がより向上し、1,500Pa・s以下とすることで、ディスペンス性がより向上する。上記で得られた熱伝導性シリコーン組成物は低温〜室温で長期にわたり保存できる。絶対粘度の測定方法は、B型粘度計で測定した25℃の値である。
[熱伝導性シリコーン組成物の製造方法]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物を製造するには、上記各成分をトリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(いずれも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機にて30分〜4時間混合する。必要ならば50〜150℃に加熱してもよい。但し、加熱する場合は成分(C)を除いて加熱混合し、冷却後成分(C)を添加、再度撹拌すればよい。
下記(A)〜(C)成分を混合する工程を含む製造方法が好ましい。
(A)下記一般式(1)
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基の群の中から選択される1種又は2種以上の基、aは1.8≦a≦2.2である。)
で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)平均粒径0.1〜150μmの熱伝導性充填剤:300〜4,000質量部、及び
(C)10時間半減期温度が60〜130℃である有機過酸化物:0.1〜10質量部。
さらに、下記(B−I)、(B−II)及び(B−III)成分を混合する工程を含むことが好ましい。
(B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤:(B)成分中10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%、
(B−II)平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、好ましくは25〜50質量%、及び
(B−III)平均粒径5.0μm以上100μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、好ましくは30〜60質量%、
特に、(B−I)が、平均粒径100〜150μmのアルミナ粉末、
(B−II)が、平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の酸化亜鉛粉末、水酸化アルミニウム粉末及びアルミナ粉末から選ばれる粉末、
(B−III)が、平均粒径5.0μm以上100μm未満の水酸化アルミニウム粉末及び/又はアルミナ粉末であることが好ましい。
[熱伝導性シリコーン組成物の硬化物]
熱伝導性シリコーン組成物の硬化物(以下、硬化物と訳す場合がある)の25℃におけるずり弾性率は、5,000〜300,000Paであり、10,000〜200,000Paが好ましく、15,000〜100,000Paがより好ましい。このずり弾性率が5,000Paより小さいと、熱伝導性シリコーン硬化物が熱衝撃等によりずれてしまい(ポンプアウト現象)、300,000Paより大きいと、発熱性電子素子の動作時に発生する反りに追随できず所望の放熱特性及び信頼性が得られなくなる。なお、ずり弾性率の測定方法は、ISO6721−10の規定に準拠した測定方法である。(B)成分の量、特定の(C)成分の選択、(C)成分の量を調整することにより、本発明の硬化物が上記ずり弾性率を有することができる。
本発明の硬化物の熱抵抗値は50mm2・K/W以下が好ましく、40mm2・K/W以下がより好ましい。測定方法は下記実施例に記載された通りである。なお、熱抵抗は低いほどよいが、5mm2・K/W以上としてもよい。
本発明の硬化物の熱伝導率は、1W/mK以上が好ましく、1.5W/mK以上がより好ましく、2.0〜7.0W/mKがさらに好ましい。熱伝導率が小さすぎると所望する放熱特性が得られない。
硬化条件は特に限定されず、100〜150℃、30〜720分間で適宜選択することができる。なお、電子装置に用いる場合は下記の硬化方法が可能である。
[電子装置]
電子装置は、発熱性電子部品とアルミダイキャスト等の放熱部材からなる筐体が好ましく、発熱性電子部品と放熱部材との間に、上記硬化物が配置されたものである。硬化物の厚みは100μm〜2.0mmが好ましく、放熱性の観点から、100μm〜1.0mmが好ましい。
硬化により生成する硬化物はずり弾性率が低いので、電子部品の反りが起ってもそれに追随できるため電子部品からの剥離等は起こらず、経時的にも安定して優れた放熱特性を持続する。また、車載用の放熱部材等に切削油や洗浄剤等の残さがあっても、加熱あるいは発熱性電子素子による発熱によって硬化させることができる。さらには、この熱伝導性シリコーン組成物には100μmを超えるアルミナ粉末が入っていることにより、発熱性電子素子と放熱部材の距離を一定以上に保つことができるため、応力緩和の観点から有利である。この硬化物の柔軟性、追随性は経時的にも安定で失われることがないので硬化シリコーン層は電子部品から剥がれたりせず、放熱効果の耐久性も高い。
[電子装置の製造方法]
発熱性電子部品と放熱部材との間に、上記熱伝導性シリコーン組成物の硬化物が配置された電子装置は、発熱性電子部品と放熱部材との間に、上記熱伝導性シリコーン組成物からなる層を介在させ、このシリコーン層を加熱又は発熱性電子部品から発生する熱により、上記熱伝導性シリコーン組成物を硬化させる工程を含む製造方法で製造することができる。具体的には、上記熱伝導性シリコーン組成物を、例えば市販されているシリンジやカートリッジに詰めて、基板上の発熱性電子部品上に塗布し、エレクトロニックコントロールユニットの筐体の一部であるアルミダイキャストを被せ固定すればよい。この時の熱伝導性シリコーン組成物層の厚みは100μm〜2.0mmが好ましく、放熱性の観点から、100μm〜1.0mmが好ましい。熱伝導性シリコーン組成物を電子部品上に塗布した後、積極的に加熱して硬化させてもよいし、電子部品の稼動の際の発熱により硬化させてもよい
また、本発明の上記電子装置の製造方法によれば、放熱体との間に介在させる熱伝導性シリコーン組成物がペースト状で伸展性があるため、その上から放熱体を圧接固定すると、電子部品及び放熱体の表面に凹凸が存在する場合でもその隙間を押圧により熱伝導性シリコーン組成物で隙間なく埋めることができる。さらに、アッセンブリー時の加熱工程又は発熱性電子素子等の電子部品による発熱等により硬化該組成物を硬化させると、上述の優れた放熱特性の電子装置が得られる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
本発明に関する試験は、次のように行った。
〔熱伝導率〕
熱伝導率は、京都電子工業株式会社製のTPS−2500Sにより、いずれも25℃において測定した。
〔平均粒径測定〕
平均粒径測定は、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した体積基準の累積平均径である。
〔ズレ性〕
1mmのスペーサーを設け、2枚のスライドガラス板の間に、直径1.5cmの円状になるように熱伝導性シリコーン組成物を挟みこみ、この試験片を地面に対し90度傾くように、−40℃と125℃(各30分)を交互に繰り返すようにセットされたエスペック株式会社製の熱衝撃試験機(型番:TSE−11−A)の中に配置し、500サイクル試験を行った。500サイクル後、熱伝導性シリコーン組成物が元の場所からどのくらいズレたかを測定した。
<基準>
1mm以下であれば耐ズレ性は優れているといえる。
〔ズレ試験後外観〕
上記500サイクル後の熱伝導性シリコーン組成物の状態を観察した。
熱伝導性シリコーン組成物中、ボイド、ひび割れが無い状態を○、ボイドやひび割れがあった状態を×と評価した。
〔初期粘度〕
粘度は、25℃にてマルコム社のマルコム粘度計(タイプPC−10AA)にて測定を行った。
〔経時後粘度〕
100mLのプラスチック密閉容器に空気が入らないように熱伝導性シリコーン組成物を入れて栓をし、40℃で1ヶ月放置した。その後25℃に冷却し、再度マルコム粘度計(タイプPC−10AA)にて粘度を測定した。
〔粘度保存安定性〕
初期粘度に比べ経時後粘度が2倍以内なら○とし、2倍を超えた場合×とした。
〔ずり弾性率〕
ISO6721−10の規定に準拠して、粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティフィック社製、タイプRDAIII使用)を使用し、直径2.5cmの2枚のパラレルプレートを用いた(熱伝導性シリコーン組成物の厚みは2mmに設定)。測定は、まず室温から5℃/分で125℃まで昇温し、125℃になってから2時間その温度を保持し熱伝導性シリコーン組成物を完全に硬化させた。その後、25℃まで冷却し、硬化後の熱伝導性シリコーン組成物のずり弾性率を測定した(周波数:1.0Rad/sec、ストレイン(変位):10%に設定)。
〔熱抵抗測定〕
<試験片の作製>
10mm角のシリコンプレート及びニッケルプレートに熱伝導性シリコーン組成物を挟み込み、140kPaの圧力を掛けながら125℃のオーブンにて90分間加熱硬化させた。
<熱抵抗測定方法>
上記のように作製した試験片の熱抵抗値をレーザーフラッシュ法にて測定し、その測定値を初期値とした。その後、その試験片を−40℃で30分間と+125℃で30分間の温度サイクルを繰り返す熱衝撃試験機内に入れ、500サイクル後、及び1,000サイクル後の試験片の熱抵抗を初期値と同様にして測定した。
[実施例1〜5、比較例1〜6]
表1,2に示すように各成分をプラネタリミキサーに仕込み(表中の数字はgを示す)、熱伝導性シリコーン組成物を製造した。即ち、成分(A)及び成分(B)をプラネタリーミキサーに仕込み、150℃にて2時間撹拌混合を行った。その後40℃以下に冷却し、成分(C)を添加し、さらに30分間混合して、熱伝導性シリコーン組成物を得た。得られた組成物を用いて上述した各種試験を行った。結果を表1,2に併記する。なお、使用した成分(A)〜(C)は、下記に示す通りである。
[(A)成分]
(A−1)
両末端にビニル基を有する、直鎖状の25℃における粘度が600mm2/sのジメチルポリシロキサン。
(A−2)
両末端にビニル基を有する、直鎖状の25℃における粘度が30,000mm2/sのジメチルポリシロキサン。
(A−3)
片末端加水分解性オルガノポリシロキサン
Figure 2018076423
[成分(B)]
(B−1)アルミナ粉末(平均粒径:110μm):(B−I)
(B−2)アルミナ粉末(平均粒径:140μm):(B−I)
(B−3)酸化亜鉛粉末(平均粒径:1.0μm):(B−II)
(B−4)水酸化アルミニム粉末(平均粒径:2.5μm):(B−II)
(B−5)アルミナ粉末(平均粒径:1.5μm):(B−II)
(B−6)アルミナ粉末(平均粒径:10um):(B−III)
(B−7)アルミナ粉末(平均粒径:45μm):(B−III)
(B−8)アルミナ粉末(平均粒径:70μm):(B−III)
(B−9)水酸化アルミニウム(平均粒径9μm):(B−III)
[(C)成分]
(C−1)1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;10時間半減期温度90.7℃
(C−2)2,5−ジメチル−2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;10時間半減期温度117.9℃
(C−3)t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート;10時間半減期温度50.6℃(比較品)
(C−4)1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド;10時間半減期温度152.9℃(比較品)
Figure 2018076423
Figure 2018076423
発熱性電子部品とアルミダイキャストからなる放熱部材との間に、実施例1の熱伝導性シリコーン組成物を挿入し、125℃・30分の条件で硬化させ、電子装置を得た。なお、硬化物の厚みは100μm〜1.0mmの範囲から適宜選択した。

Claims (12)

  1. (A)下記一般式(1)
    1 aSiO(4-a)/2 (1)
    (式中、R1は独立に炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基の群の中から選択される1種又は2種以上の基、aは1.8≦a≦2.2である。)
    で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)平均粒径0.1〜150μmの熱伝導性充填剤:300〜4,000質量部、及び
    (C)10時間半減期温度が60〜130℃である有機過酸化物:0.1〜10質量部を含有し、熱伝導率が1W/mK以上の熱伝導性シリコーン組成物であって、その硬化物の25℃におけるずり弾性率が5,000〜300,000Paである熱伝導性シリコーン組成物。
  2. (A)成分が、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン又はこれを含むオルガノポリシロキサンである請求項1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  3. (A)成分が、下記一般式(2)
    Figure 2018076423
    (式中、R2は独立に炭素数1〜6のアルキル基、R3は独立に炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、bは5〜120の整数である。)
    で表される片末端加水分解性オルガノポリシロキサンを、(A)成分中に、10〜90質量%含む請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  4. (B)成分が、(B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤が10〜40質量%、及び残分が平均粒径100μm未満の熱伝導性充填剤である請求項1〜3のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  5. (B)成分が、
    (B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤:(B)成分中10〜40質量%、
    (B−II)平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、及び
    (B−III)平均粒径5.0μm以上100μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%
    を含む請求項4記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  6. (B−I)成分が平均粒径100〜150μmのアルミナ粉末である請求項4又は5記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  7. (B−I)が、平均粒径100〜150μmのアルミナ粉末、
    (B−II)が、平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の酸化亜鉛粉末、水酸化アルミニウム粉末及びアルミナ粉末から選ばれる粉末、
    (B−III)が、平均粒径5.0μm以上100μm未満の水酸化アルミニウム粉末及び/又はアルミナ粉末
    である請求項5記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  8. 25℃におけるずり弾性率が5,000〜300,000Paであり、熱伝導率が1W/mK以上である、請求項1〜7のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物。
  9. 発熱性電子部品と放熱部材との間に、請求項8記載の硬化物が配置された電子装置。
  10. 発熱性電子部品と放熱部材との間に、請求項1〜7のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物からなる層を介在させ、このシリコーン層を加熱又は発熱性電子部品から発生する熱により、上記熱伝導性シリコーン組成物を硬化させる工程を含む、発熱性電子部品と放熱部材との間に、上記熱伝導性シリコーン組成物の硬化物が配置された電子装置の製造方法。
  11. 下記(A)、(B)及び(C)成分を混合する工程を含む、熱伝導率が1W/mK以上の熱伝導性シリコーン組成物であって、その硬化物の25℃におけるずり弾性率が5,000〜300,000Paである熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
    (A)下記一般式(1)
    1 aSiO(4-a)/2 (1)
    (式中、R1は炭素数1〜18の飽和又は不飽和の1価炭化水素基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基の群の中から選択される1種又は2種以上の基、aは1.8≦a≦2.2である。)
    で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)平均粒径0.1〜150μmの熱伝導性充填剤:300〜4,000質量部、及び
    (C)10時間半減期温度が60〜130℃である有機過酸化物:0.1〜10質量部
  12. さらに、下記(B−I)、(B−II)及び(B−III)成分を混合する工程を含む
    請求項11記載の製造方法。
    (B−I)平均粒径100〜150μmの熱伝導性充填剤:(B)成分中10〜40質量%、
    (B−II)平均粒径0.1μm以上5.0μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%、及び
    (B−III)平均粒径5.0μm以上100μm未満の熱伝導性充填剤:(B)成分中20〜60質量%
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