JP2018075686A - 試料埋込用金型の樹脂除去装置 - Google Patents

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謙太 木全
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直紀 布施
高橋 信幸
Nobuyuki Takahashi
信幸 高橋
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【課題】観察用試料の製作工程の自動化に使用されるロボットアームを利用して、均一で良好な樹脂除去を行うことができる試料埋込用金型の樹脂除去装置を提供する。【解決手段】樹脂除去装置は、円柱形の金型と、当該金型をその上端面を露出させて保持する金型把持装置と、回転する金属ブラシ61を保持して移動させるロボットアーム4と、金属ブラシ61の上端面に対する押付力を検出する力センサーと、金属ブラシ61を所定の押付力で上端面に当接させて、当該上端面の中心から外周に向かって螺旋状に移動させる制御装置5とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は試料埋込用金型の樹脂除去装置に関するものである。
試料埋込用金型は顕微鏡観察用の試料をアクリルやエポキシ等の樹脂に埋込む際に使用される。図9には試料埋込用金型1の一例を示す。当該金型1は試料埋込機への装着を容易にするように下方へ縮径した円柱テーパ形状としてあり、上端面12は一定量凹陥している。そして、図10に示すように、凹陥した上端面12上に試料Sを載置し、試料埋込機にて試料Sを覆うように金型上端面12と同径の円柱状に樹脂Rを射出して、樹脂R中に試料Sを埋め込む。その後、樹脂R中に埋め込まれた試料Sと金型1は分離され、金型1はその上端面12や当該上端面12に近い周面11に付着した樹脂が除去されて再使用される。再使用に際しての樹脂除去作業は従来人手でヘラ等を使用して行っていた。なお、円柱体の端面研削を行う研削装置が特許文献1に示されている。
特開2016−150402
しかし、人手による付着樹脂の除去はヘラの持ち方や力の入れ方に熟練を要し、除去作業に要する時間が個別にばらつくとともに、非熟練者では往々にして金型に傷が付いて再使用が困難になるという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、観察用試料の製作工程の自動化に使用されるロボットアームを利用して、均一で良好な樹脂除去を行うことができる試料埋込用金型の樹脂除去装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明では、円柱形の金型(1)と、当該金型(1)を少なくとも一方の端面(12)を露出させて保持する保持手段(3)と、回転する研磨用工具(6)を保持して移動させるロボットアーム(4)と、研磨用工具(6)の前記一方の端面(12)に対する押付力を検出する力検出手段(32)と、前記研磨用工具(6)を所定の押付力で前記端面(12)に当接させて当該端面(12)の中心から外周に向かって螺旋状に移動させる制御手段(5)とを備える。
本第1発明によれば、研磨用工具を適切な圧力で金型の端面に当接させ、かつ端面の中心から外周に向かって螺旋状に移動させるから、金型を摩耗させることなく端面全面に付着した樹脂を良好に除去することができる。
本第2発明では、保持された前記金型(1)をその軸回りに回転させる回転駆動手段(31)をさらに備え、前記保持手段(3)はさらに前記金型(1)の周面部分(11)を露出させるものであり、前記制御手段(5)はさらに、前記端面(12)の外周縁から外れた前記研磨用工具(6)を前記周面部分(11)に沿ってその接線方向で往復動させつつ前記回転駆動手段(31)によって金型(1)を回転させるように設定されている。
本第2発明によれば、金型周面に付着した樹脂に対して研磨用工具の先端から効率的に剥離方向への力を加えることができるから、研磨用工具の金型周面への押し当て力を小さくすることが可能であり、金型の摩耗を抑えることができる。
本第3発明では、前記金型(1)はテーパ状の周面部分を有し、前記保持手段(3)は、当接時に前記金型(1)の周面に沿って傾動可能な把持具(35A,35B)を備えている。
本第3発明によれば、金型がテーパ状の周面を有していても、その周面に沿って傾動する把持具によって確実に保持される。
上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を参考的に示すものである。
以上のように、本発明の試料埋込用金型の樹脂除去装置によれば、観察用試料の製作工程の自動化に使用されるロボットアームを利用して、均一で良好な樹脂除去を行うことができる。
本発明の実施形態における、観察用試料の製作工程を示す図である。 金型把持装置の側面図である 把持具の平面図である。 把持具作動時の金型把持装置の側面図である。 研磨工具の斜視図である。 金型上端面の付着樹脂を除去している研磨工具の斜視図である。 金型周面上部の付着樹脂を除去している研磨工具の斜視図である。 金型周面上部の付着樹脂を除去する原理を示す模式図とその部分拡大図である。 金型の一例を示す側面図である。 金型上の試料を樹脂に埋め込んだ状態の側面図である。
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
図1には観察用試料の製作工程を示す。図1において、試料Sは円柱形の試料埋込用金型1の上端面上に載置されて試料埋込機21内へ供給される。試料埋込機21内で公知の構造によって金型1上の試料Sが当該金型1と同径の円柱状樹脂Rで覆われてこれに埋め込まれる。試料埋込機21から取り出された試料(埋込試料)Sと一体となった金型1から、埋込試料Sが分離されて後段の研磨機22に供給され、その底面が研磨されて埋込試料Sの端面樹脂Rから露出させられる。一方、分離された金型1は、付着した樹脂を除去するために以下に説明する保持手段としての金型把持装置3(図2)へ供給される。以上の工程および後述する工程における供給・取出しの搬送作業は制御装置5に接続されたロボットアーム4で行われる。
図2に金型把持装置3の側面図を示す。金型把持装置3は回転テーブル31を備えており、回転テーブル31上に力センサー32が設けられている。力センサー32は圧縮型で上方からの押付力を検出するものである。力センサー32上には把持機構33が設けられている。把持機構33はエアシリンダを内設した厚肉平板状の駆動部34と、駆動部34の上面に水平移動可能に設けられた一対の把持具35A,35Bとから構成されており、把持具35A,35Bは図2およびその平面視である図3に示す互いに離間した開放状態から、駆動部34によって後述のように互いに接近する方向へ移動させられるようになっている。
把持具35A,35Bは、回転テーブル31の中心Cに対して対称位置に対称形に配された側面視でL字形の基台351を備え、基台351の立壁の内側面にそれぞれ把持片352を備えている。把持片352は前面(対向面)中央に上下方向へ延びる三角溝353が形成された板状体で、その後面は上下方向の中央がリンクアーム354によって基台351の立壁に連結されるとともに、上下位置はそれぞれバネ部材355,356によって上記立壁に連結されている。
このような構造の金型把持装置3において、開放状態の把持具35A,35Bの間にロボットアーム4によって試料埋込用金型1を位置させる(図2の鎖線)。金型1は円柱状で、試料埋込機21内への設置を容易にするために下方へ漸次小径となったテーパ形状をしている。このような金型1の樹脂が付着している部分は上端面12と当該上端面12に近い周面部11であり、これらの部分に対して後述するような樹脂除去工程を行う。
駆動部34によって把持具35A,35Bを互いに接近方向へ移動させると、図4に示すように、両把持具35A,35Bの把持片352によって金型1は上部11を除いた周面が両側から挟持され把持される。この際、把持片352は金型1周面の傾斜に応じて背後のリンクアーム354が適度に上方へ回動するとともに上下のバネ部材355,356がそれぞれ適度に伸長ないし収縮して、金型1周面の傾斜に沿った角度姿勢となり、金型1周面に密接する。
金型把持装置3に保持された金型1に対してその上端面12(図4)の樹脂を除去する場合には、ロボットアーム4に垂直姿勢で研磨用工具6(図5)を装着してこれを回転させ、研磨用工具6の先端に設けた研磨用ブラシである金属ブラシ61を図6に示すように金型1の上端面12の中心(回転テーブルの中心C)に当接させる。そして、当該中心Cから内外の軌跡の幅が金属ブラシ12の半径よりも小さくなるように下式(1)、(2)で示すようにX座標,Y座標が変化する螺旋形Lを描きつつ(同図)研磨工具6を外周方向へ移動させて上端面12全面の樹脂を除去する。
X=α・θ・sinθ…(1)
Y=α・θ・cosθ…(2)
ここで、αは定数、θは上端面の中心C周りの角度である。
この場合、双腕型のロボットを使用すれば、金型1の移送と研磨工具6の保持を異なるロボットアーム4のそれぞれで行うことができる。なお、金型1の上端面12に対する金属ブラシ61の当接力は力センサー32(図2)で検出され、この検出信号が制御装置5へフィードバックされてロボットアーム4の押付力が最適に維持される。これにより、金型1が摩耗することが避けられる。
金型上端面21の中心から螺旋形Lを描いて上端面21全面の樹脂を除去し上端面21の外周に至った金属ブラシ61が上端面21から外れると力センサー32の検出信号は急減する。この時点で回転テーブル31が作動を開始して把持具35A,35Bに保持された金型1をその中心軸周り、すなわち上端面21の中心周りに回転させる。そして、この時点で図7に示すように、ロボットアーム4は研磨工具6の金属ブラシ61を金型1の周面上部11に沿ってその接線方向で往復動させる。
金属ブラシ61の回転方向を金型1の回転方向と同方向にしておくと、金型1の周面に付着した樹脂R(図8)は金属ブラシ61の先端611から、金型1の周面上部11から剥離する方向の力(図8の矢印x)を受ける。これにより、金属ブラシ61の金型1周面への押し当て力を小さくすることができるから、金型1の摩耗を抑えることができる。なお、図8中の矢印aは金属ブラシ61の移動方向、矢印bは金属ブラシの回転方向、矢印cは金型の回転方向をそれぞれ示す。樹脂Rが除去された金型1は開放された把持具35A,35Bの間からロボットアーム4によって取り出され、所定の場所へ移送される。
なお、上記実施形態において、樹脂除去装置は金型の上端面の付着樹脂のみを研磨するものとしても良い。あるいは、樹脂除去装置は金型の周面の付着樹脂のみを研磨するものとしても良い。
1…金型、11…周面上部(周面部分)、12…上端面、3…金型把持装置(保持手段)、31…回転テーブル(回転駆動手段)、32…力センサー(力検出手段)、35A,35B…把持具、352…把持片、354…リンクアーム、355,356…バネ部材、4…ロボットアーム、5…制御装置(制御手段)、6…研磨用工具。

Claims (3)

  1. 円柱形の金型と、当該金型を少なくとも一方の端面を露出させて保持する保持手段と、回転する研磨用工具を保持して移動させるロボットアームと、研磨用工具の前記一方の端面に対する押付力を検出する力検出手段と、前記研磨用工具を所定の押付力で前記端面に当接させて当該端面の中心から外周に向かって螺旋状に移動させる制御手段とを備える試料埋込用金型の樹脂除去装置。
  2. 保持された前記金型をその軸回りに回転させる回転駆動手段をさらに備え、前記保持手段はさらに前記金型の周面部分を露出させるものであり、前記制御手段はさらに、前記一方の端面の外周縁から外れた前記研磨用工具を前記周面部分に沿ってその接線方向で往復動させつつ前記回転駆動手段によって金型を回転させるように設定されている請求項1に記載の試料埋込用金型の樹脂除去装置。
  3. 前記金型はテーパ状の周面を有し、前記保持手段は、当接時に前記金型の周面に沿って傾動可能な把持具を備えている請求項1又は2に記載の試料埋込用金型の樹脂除去装置。
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