JP2018074741A - 制御装置、送電装置、無接点電力電送システム及び電子機器 - Google Patents

制御装置、送電装置、無接点電力電送システム及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】無接点電力伝送において1次側機器と複数の2次側機器の間での通信や電力伝送を適正に行うことが可能な制御装置、送電装置、無接点電力電送システム及び電子機器等を提供すること。
【解決手段】制御装置20は、第1の1次コイルL1Aに第1の駆動信号DSAを印加する第1の送電ドライバー18と、第2の1次コイルL1Bに第2の駆動信号DSBを印加する第2の送電ドライバー19と、を制御する。制御装置20は、制御部24を含む。制御部24は、第1の駆動信号DSAの印加により通常送電が行われる期間に、第2の駆動信号DSBの印加により間欠送電が行われる場合に、第1の駆動信号DSAと第2の駆動信号DSBの位相差を所定の位相差に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置、送電装置、無接点電力電送システム及び電子機器等に関する。
近年、電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力伝送を可能にする無接点電力伝送(非接触電力伝送)が脚光を浴びている、この無接点電力伝送の適用例として、家庭用機器や携帯端末や電気自動車などの電子機器の給電が提案されている。
無接点電力伝送の従来技術としては、例えば特許文献1〜3に開示される技術がある。特許文献1は、2つの機器に対して独立して電力伝送できる技術である。この技術では、1次(送電)側に第1、第2のコイルが平面に並べて配置されており、その第1、第2のコイルを駆動する第1、第2の駆動信号の位相が180度に設定され、漏洩磁界が低減されている。特許文献2、3は、1つの機器に対して1次側の複数のコイルにより電力伝送する技術である。この技術では、1次側に複数のコイルが重畳して配置され、そのうち隣接して重畳する第1、第2のコイルを駆動する第1、第2の駆動信号の位相が90度に設定されている。特許文献2では、伝送効率(の最小値)が向上され、特許文献3では、1次側装置の結合面を任意に大きくすることが可能となっている。
特開2016−5393号公報 特開2009−252970号公報 特開2004−229406号公報
無接点電力伝送において1次側(送電装置)に複数のコイルを設け、複数の2次側機器(受電装置)に対して電力伝送を行う場合、1次側と2次側の間での通信や電力伝送が適正に行われなくなる可能性がある。
例えば、1次側の制御ステータスには、2次側機器の着地検出、通常送電、2次側機器の取り去り検出等が想定されるが、これらの制御は複数の2次側機器に対して独立に行われる。この場合、各2次側機器に対する送電において、各コイルを駆動する駆動信号の位相関係がランダムになり、その位相が特定の位相になった場合に、通信或いは電力伝送に不具合が発生する可能性がある。例えば、第1の2次側機器に通常送電を行い、第2の2次側機器に間欠送電(例えば着地検出、取り去り検出等)を行う場合、駆動信号の位相差が90度の場合には通信エラーが発生する可能性があり、駆動信号の位相差が180度の場合には電送効率が低下し、例えば負荷への給電等が適正に行われない可能性がある。
本発明の幾つかの態様によれば、無接点電力伝送において1次側機器と複数の2次側機器の間での通信や電力伝送を適正に行うことが可能な制御装置、送電装置、無接点電力電送システム及び電子機器等を提供できる。
本発明の一態様は、第1の1次コイルに第1の駆動信号を印加する第1の送電ドライバーと、第2の1次コイルに第2の駆動信号を印加する第2の送電ドライバーと、を制御する制御装置であって、制御部を含み、前記制御部は、前記第1の駆動信号の印加により通常送電が行われる期間に、前記第2の駆動信号の印加により間欠送電が行われる場合に、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差を所定の位相差に設定する制御装置に関係する。
本発明の一態様によれば、第1の1次コイルに第1の駆動信号を印加する第1の送電ドライバーにより通常送電が行われる期間に、第2の1次コイルに第2の駆動信号を印加する第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合に、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が所定の位相差に設定される。これにより、1次側機器と複数の2次側機器の間での通信や電力伝送を適正に行うことが可能になる。例えば、特定の位相差(特定の位相差範囲)において通常送電又は通信に影響が出る場合、その位相差(位相差範囲)以外の位相差を所定の位相差に設定することで、適正な通信や電力伝送が可能になる。
また本発明の一態様では、前記所定の位相差は0度であってもよい。
第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われているとする。この場合、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が90度である場合には、第1の1次コイルを介した受電装置との通信に悪影響がある可能性があり、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が180度である場合には、第1の1次コイルを介した受電装置への送電に悪影響がある可能性がある。本発明の一態様によれば、第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合に、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が0度に設定されるので、上記のような悪影響を低減できる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の前記位相差を可変に設定してもよい。
このようにすれば、例えば無接点電力伝送システムの制御ステータスや動作モードに応じて、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差を適切な位相差に可変に設定できる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記位相差が、0度、90度、180度のうちの少なくとも2つのいずれかとなるように、前記位相差を可変に設定してもよい。
このようにすれば、例えば無接点電力伝送システムの制御ステータスや動作モードに応じて、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差を、0度、90度、180度のうち適切な位相差に可変に設定できる。例えば、通信エラーを生じる可能性がある場合には、通信エラーを抑制できる0度又は180度に位相差を設定し、送電に影響を与える可能性がある場合には、送電への影響を抑制できる90度に位相差を設定できる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、前記第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合の前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差と、前記第1の送電ドライバー及び前記第2の送電ドライバーにより通常送電が行われる場合の前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差とを異ならせてもよい。
第1の送電ドライバーと第2の送電ドライバーにより通常送電が行われる場合、間欠送電による通信への干渉が生じる可能性は低い。本発明の一態様によれば、第1の送電ドライバーと第2の送電ドライバーにより通常送電が行われる場合に、通信エラーを低減するか否かに関わらず、送電への影響を低減できる位相差を設定することが可能となる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、前記第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合の前記位相差を、0度に設定し、前記第1の送電ドライバー及び前記第2の送電ドライバーにより通常送電が行われる場合の前記位相差を、90度に設定してもよい。
このようにすれば、第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合に、間欠送電の影響による通信エラーを抑制できる。また、第1の送電ドライバー18と第2の送電ドライバーにより通常送電が行われる場合に、送電間の干渉による整流電圧の変動を抑制できる。
また本発明の一態様では、制御装置は、電源から前記第1の送電ドライバーに流れる電流を検出して、第1の受電装置からの通信データを受信する第1の通信部と、前記電源から前記第2の送電ドライバーに流れる電流を検出して、第2の受電装置からの通信データを受信する第2の通信部と、を含んでもよい。
第2の送電ドライバーが間欠送電を行う場合、その送電の開始タイミングや終了タイミングにおいて電源から送電ドライバーに突入電流が流れる。そのため、電源から送電ドライバーに流れる電流を検出する通信部の受信処理が、突入電流によりエラーを生じる可能性がある。このようなエラーは、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が特定の位相差となった場合に、生じる可能性が高くなる。この点、本発明の一態様によれば、第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合に、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が所定の位相差に設定されることで、上記のようなエラーを生じる可能性を低減できる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第1の駆動信号を、第1の送電周波数から前記第1の送電周波数とは異なる第2の送電周波数に変更して送電装置から第1の受電装置への通信を行った場合に、前記通信の後に前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の前記位相差を前記所定の位相差に再設定してもよい。
第1の駆動信号を第2の送電周波数に変更して送電装置から第1の受電装置への通信を行った場合、第2の送電周波数の第1の駆動信号と、第1の送電周波数の第2の駆動信号との間で位相差がずれてしまう。即ち、通信前には所定の位相差に設定されていても、通信を行ったことで所定の位相差からずれてしまう。この点、本発明の一態様によれば、第2の送電周波数の第1の駆動信号による通信の後に、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が所定の位相差に再設定される。これにより、送電装置から受電装置に通信を行った場合でも第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差を所定の位相差に戻し、間欠送電による悪影響を低減できる。
また本発明の一態様では、前記制御部は、前記第1の受電装置に対して、前記第1の送電周波数の前記第1の駆動信号を前記第1の送電ドライバーに送信させた後に、前記第1の受電装置に対して第1のコマンドを発行する場合には、前記第2の送電周波数の前記第1の駆動信号を第1の長さの期間で、前記第1の送電ドライバーに送信させ、前記第1の受電装置に対して、前記第1のコマンドと異なる第2のコマンドを発行する場合には、前記第2の送電周波数の前記第1の駆動信号を、前記第1の長さとは異なる第2の長さの期間で、前記第1の送電ドライバーに送信させてもよい。
このように、本発明の一態様では、第1、第2のコマンドに対応して第1、第2の長さの期間において送電周波数が第2の送電周波数に設定され、それらのコマンドを送信するための通信が行われる。期間の長さが異なると、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差のずれも様々となる。この点、本発明の一態様によれば、その通信の後に、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が所定の位相差に再設定されることで、第1、第2のコマンドに対応して第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差のずれを補正し、所定の位相差に再設定できる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の制御装置を含む送電装置に関係する。
また本発明の他の態様では、送電装置は、前記第1の1次コイルからの電力信号で充電される第1の電子機器を配置するための第1の配置部と、前記第2の1次コイルからの電力信号で充電される第2の電子機器を配置するための第2の配置部と、を含んでもよい。
このように第1、第2の電子機器を配置するための第1、第2の配置部が設けられている場合、第1の配置部に設けられた第1の電子機器と送電装置との間で行われる送電に対して、第2の配置部に設けられる第2の1次コイルが発生する磁場が干渉する可能性がある。このような干渉によって、例えば第1の電子機器の受電装置が受電する電圧が変動する等の影響がある可能性がある。この点、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位相差が所定の位相差に設定されるので、上記のような影響が生じる可能性が低い位相差に設定することが可能となり、上記のような影響を低減できる。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の送電装置と第1の受電装置と第2の受電装置を含む無接点電力伝送システムであって、前記第1の駆動信号の印加により前記第1の受電装置に対して通常送電が行われ、前記第2の駆動信号の印加により前記第2の受電装置に対して間欠送電が行われる場合に、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差を所定の位相差に設定する無接点電力伝送システムに関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の制御装置を含む電子機器に関係する。
本実施形態の制御装置と、その制御装置を含む送電装置の基本的な構成例。 送電装置と、受電装置と、それらを含む無接点電力伝送システムの構成例。 本実施形態の無接点電力伝送システムの一例。 第1、第2の1次コイルを駆動する第1、第2の駆動信号の位相差が0度である場合の信号波形例。 第1、第2の1次コイルを駆動する第1、第2の駆動信号の位相差が90度である場合の信号波形例。 第1、第2の1次コイルを駆動する第1、第2の駆動信号の位相差が180度である場合の信号波形例。 負荷変調による通信手法を説明する図。 通信部の具体的な構成の一例。 電源電圧制御部の詳細な構成例。 本実施形態の無接点電力伝送システムの一例。 本実施形態の送電側、受電側の制御装置及びこれを含む送電装置、受電装置の詳細な構成例。 動作シーケンスの概要を説明する図。 本実施形態の位相差設定手法を適用できるステートの一例。 本実施形態の位相差設定手法を適用できるステートの一例。 本実施形態の無接点電力伝送システムの動作シーケンスの詳細を説明するための信号波形図。 本実施形態の無接点電力伝送システムの動作シーケンスの詳細を説明するための信号波形図。 本実施形態の無接点電力伝送システムの動作シーケンスの詳細を説明するための信号波形図。 受電装置の着地時において発行コマンドを送電装置から受電装置に通知する手法の一例を説明する図。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.基本構成例
図1は、本実施形態の制御装置と、その制御装置を含む送電装置の基本的な構成例である。送電装置10は、制御装置20、送電ドライバー18、19、1次コイルL1A、L1B(送電用コイル)を含み、受電装置へ無接点で電力を送電する装置である。なお、本実施形態の制御装置、送電装置は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。例えば、3以上の1次コイルを含み、3以上の受電装置に対して送電が可能な構成としてもよい。
送電ドライバー18、19(第1、第2の送電ドライバー)は、1次コイルL1A、L1B(第1、第2の1次コイル)に駆動信号DSA、DSB(第1、第2の駆動信号)を印加する。制御装置20は、制御部24を含み、これらの送電ドライバー18、19を制御する装置である。そして、制御部24は、駆動信号DSAの(送電ドライバー18への)印加により通常送電が行われる期間に、駆動信号DSBの(送電ドライバー19への)印加により間欠送電が行われる場合に、駆動信号DSAと駆動信号DSBの位相差を所定の位相差に設定する。
駆動信号DSA、DSBは、例えば制御部24等によって設定される所与の周波数で周期的に変化する信号であり、例えば正弦波或いは矩形波等である。具体的には、電圧振幅が制御された信号である。通常送電(送電)は、受電装置の負荷(又は受電装置そのもの)に対して電力を供給するための送電であり、例えば駆動信号DSAを連続的に(非間欠的に)1次コイルL1Aに供給することで行う送電である。なお、一時的な送電の中断等が含まれてもよい。間欠送電は、駆動信号DSBを間欠的に1次コイルL1Bに供給することで行う送電である。間欠的とは、電力の非供給と供給を交互に繰り返すことであり、例えば所与の電力供給期間を所与の間隔で繰り返すことである。例えば、後述するように、送電装置から受電装置が取り去られたことを検出する取り去り検出や、送電装置に受電装置が着地したことを検出する着地検出の際に、間欠送電が行われる。或いは、省電力状態において間欠送電を行って(電力ビーコンを送信して)もよいし、何らかの信号(電力信号)として間欠送電を行ってもよい。また、通常送電が行われる期間とは、通常送電が継続されている期間(通常送電が開始されてから停止されるまでの期間)である。例えば、図12のA2に示す通信チェック&充電ステートにおいて通常送電が開始されてから、バッテリーの満充電又は受電装置の取り去りが検出されて通常送電が停止されるまでの期間である。
なお、「駆動信号DSAの印加により通常送電が行われる期間に、駆動信号DSBの印加により間欠送電が行われる場合に、駆動信号DSAと駆動信号DSBの位相差を所定の位相差に設定する」とは、少なくともその場合において駆動信号DSA、DSBの位相差が所定の位相差に設定されていることを意味し、必ずしも場合分けすることを意味しない。即ち、駆動信号DSA、DSBの位相差は、場合に寄らずに所定の位相差に設定されていてもよいし、場合に応じて所定の位相差に設定されてもよい。
本実施形態では、2つの受電装置に対して送電が可能な送電装置10において、一方の送電ドライバー19が間欠送電を行っている。この場合、他方の送電ドライバー18が行う通常送電や、1次コイルL1Aを介した受電装置から送電装置への通信に、間欠送電が影響を与える可能性がある。この点、本実施形態によれば、駆動信号DSAと駆動信号DSBの位相差を所定の位相差に設定することで、上記のような間欠送電による影響を低減できる。即ち、ある特定の位相差(特定の位相差範囲)において通常送電又は通信に影響が出る場合、その位相差(位相差範囲)以外の位相差を所定の位相差に設定しておくことで、間欠送電による影響を低減できる。以下、この課題や解決手段について詳細に説明する。
2.送電装置、受電装置、無接点電力伝送システム
図2は、送電装置と、受電装置と、それらを含む無接点電力伝送システムの構成例である。無接点電力伝送システム200は、送電装置10、受電装置40(第1の受電装置)、受電装置41(第2の受電装置)を含む。なお、本実施形態の送電装置、受電装置、無接点電力伝送システムは図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。例えば、以下では送電装置10が2つの受電装置40、41に対して送電可能な場合を例に説明するが、送電装置が3つ以上の受電装置に対して送電可能であってもよい。
送電装置10は、制御装置20(送電側の制御装置)、送電部12(送電回路)、1次コイルL1A、L1Bを含む。送電装置10は、1次コイルL1A、L1B(送電コイル)と2次コイルL2A、L2B(受電コイル)の電磁的結合により受電装置40、41に対して電力を伝送する装置である。
受電装置40は、制御装置50(受電側の制御装置)、2次コイルL2Aを含む。受電装置41は、制御装置51(受電側の制御装置)、2次コイルL2Bを含む。受電装置40、41は、上記の電磁的結合により送電装置10から送電される電力を受電し、その受電した電力を例えばバッテリーや回路へ供給する装置である。
送電装置10の制御装置20は、制御部24、通信部30、33を含む。送電部12は送電ドライバー18、19、電源電圧制御部14、15を含む。受電装置40、41の制御装置50、51は、受電部52、55、通信部46、47を含む。
受電部52は、1次コイルL1A及び2次コイルL2Aを介して送電ドライバー18から送電された電力を受電する。受電部55は、1次コイルL1B及び2次コイルL2Bを介して送電ドライバー19から送電された電力を受電する。即ち、2次コイルL2A、L2Bで受信した信号(起電力による信号)を整流し、整流電圧VCCA、VCCB(受電電圧)を出力する。
受電側の通信部46、47は、負荷変調により受電装置40、41から送電装置10へ通信データを送信する。負荷変調は、受電側の負荷を変動させることにより、1次コイルL1A、L1Bに流れる電流の振幅を変動(変調)する手法である。送電側の通信部30、33は、電源から送電ドライバー18、19に流れる電流を検出して、受電装置40、41からの通信データを受信する。即ち、受電側の負荷変調による電流振幅の変化を検出することで、通信データを受信する。
電源電圧制御部14、15は、駆動信号DSA、DSBの電圧振幅を制御し、それによって1次コイルL1A、L1Bからの送電電力を制御する。具体的には、電源電圧制御部14、15は、電源から供給される電源電圧をレギュレートし、そのレギュレートした電圧を送電ドライバー18、19に供給する。通信部30、33は、電源から電源電圧制御部14、15を介して送電ドライバー18、19に流れる電流を検出することで、受電装置40、41からの通信データを受信する。
図3は、本実施形態の無接点電力伝送システム200の一例である。無接点電力伝送システム200は、充電器500(送電側の電子機器)、電子機器510、512(第1、第2の電子機器。受電側の電子機器)を含む。充電器500は、送電装置10(1次コイルL1A、L1B、制御装置20、送電部12)を含む。電子機器510、512は、受電装置40、41(2次コイルL2A、L2B、制御装置50、51)を含む。
充電器500(送電装置10)には、1次コイルL1Aからの電力信号で充電される電子機器510を配置するための配置部520(第1の配置部)と、1次コイルL1Bからの電力信号で充電される電子機器512を配置するための配置部522と、が設けられている。
具体的には、電子機器510、512を差し込むための2つの凹部(穴、穴部)が、充電器500の筐体に並んで(横並びに)設けられており、その2つの凹部が配置部520、522に相当する。凹部に対して電子機器510、512を差し込む方向を第1の方向D1とする場合、その第1の方向D1に交差する第2の方向D2側の凹部の壁に1次コイルL1A、L1Bが設けられる。電子機器510、512には2次コイルL2A、L2Bが設けられる。1次コイルL1A、L1B、2次コイルL2A、L2Bは、例えば平面コイルであり、電子機器510、512を凹部に差し込んだ場合に、1次コイルL1A、L1Bと2次コイルL2A、L2Bが向かい合うようになっている。即ち、1次コイルL1A、L1B、2次コイルL2A、L2Bの軸が第2の方向D2に平行(略平行)になっている。
なお、図3では第2の方向D2側の凹部の壁に1次コイルL1A、L1Bが設けられる場合を示すが、これに限定されない。即ち、1次コイルL1A(L1B)に結合する2次コイルL2A(L2B)に、理想的には結合すべきでない1次コイルL1B(L1A)が結合する配置であればよい。例えば、1次コイルL1A、L1Bが配置部520、522の凹部の底に設けられ、その軸が第1の方向D1に平行(略平行)となってもよい。
上記のような無接点電力伝送システム200において、不要なコイル間の結合を抑制する観点からは、充電器500の配置部520、522が離れていることが望ましい。しかしながら、充電器500の小型化等の要求から配置部520、522が近くに配置することも多い。例えば、電子機器510、512が補聴器やワイヤレスヘッドホン(ワイヤレスイヤホン)等の小型機器である場合、配置部520、522が非常に近くなることが想定される。このような場合、1次コイルL1Bと2次コイルL2A(或いは1次コイルL1Aと2次コイルL2B)が近くなるので、送電に干渉しやすくなる。
即ち、充電器500が電子機器510に対して通常送電を行っている場合、電子機器510は配置部520に差し込まれた状態となっている。そのため、1次コイルL1Bが発生する磁場が2次コイルL2Aに起電力を生じさせ、電子機器510の受電装置40が受電する電圧に影響を与える可能性がある。そして、充電器500が電子機器512に対して間欠送電を行っている場合、1次コイルL1Bに駆動信号DSBが供給される期間と供給されない期間とで、電子機器510の受電装置40が受電する電圧が変動する可能性があり、受電する電圧が変動した場合には受電装置40或いは電子機器510に影響を与える可能性がある。
また、図2で説明したように、送電装置10は、負荷変調により受電装置40、41から送信される通信データを、電源から送電ドライバー18、19に流れる電流を検出することで受信している。送電ドライバー19が受電装置41に対して間欠送電を行っている場合、送電ドライバー19が間欠的にオンすることになるが、オフからオンに変わる際又はオンからオフに変わる際に、送電ドライバー19に電源から突入電流が流れる。即ち、電源から電源電圧制御部15に流れる電流IinAが急激に変化する。そして、この突入電流(例えば突入電流による電源電圧の変動)が、負荷変調による通信の電流検出に影響を与え、通信エラーを発生させる可能性がある。
具体的には、送電ドライバー18、19(電源電圧制御部14、15)は共通の電源(例えば、図10の電源アダプター502等の電源装置)により動作している。そのため、間欠送電による突入電流(電流IinAの急激な変化)が、共通の電源を介して通信部30に流れる電流ID1に影響を与え、通信部30による通信データの受信にエラーを発生させる可能性がある。例えば、共通の電源としてUSB給電等が想定される。USB給電は最大出力が比較的小さい場合が多く、急激な電流の変動に対して影響を受けやすい(例えば、ID1の電流値が本来流れるべき電流値にならない等)。
図4は、1次コイルL1A、L1Bを駆動する駆動信号DSA、DSBの位相差が0度である場合の信号波形例である。
期間TL2は間欠送電において送電が行われる期間であり、この期間TL2において送電ドライバー19がオンになる(1次コイルL1Bに駆動信号DSBを供給する)。駆動信号DSA、DSBの位相差が0度なので、駆動信号DSA、DSBにより2次コイルL2Aに生じる起電力の位相差も0度となり、強め合う関係となる。そのため、2次コイルL2Aが受信した信号を整流した整流電圧VCCAは、期間TL2以外の期間での電圧よりも期間TL2での電圧の方が高くなる。
電流IDAは、図2に示すように駆動信号DSAにより1次コイルL1Aに流れる電流である。電流IDAの位相は駆動信号DSAの位相に対して90度ずれている(遅れている)。そのため、間欠送電により電源に突入電流が流れるタイミング(期間TL2の開始、終了タイミング)に対して電流IDAの位相はおおよそ90度ずれることになる。この場合、通信における電流検出に与える影響は小さく、通信エラーが生じる可能性は小さい。例えば、図2に示すように、電源から通信部30に流れる電流をID1とした場合、電流IDAの位相が0度の付近で電流ID1が大きくなる。これは、1次コイルL1Aをチャージする際に大きな電流が必要なためである。そのため、突入電流が流れるタイミングと90度ずれたタイミングで電流ID1が流れ、その電流ID1(の平均)を検出する通信部30において通信エラーは生じにくいことになる。
図5は、1次コイルL1A、L1Bを駆動する駆動信号DSA、DSBの位相差が90度である場合の信号波形例である。
駆動信号DSA、DSBの位相差が90度なので、駆動信号DSA、DSBにより2次コイルL2Aに生じる起電力の位相差も90度となる。そのため、2次コイルL2Aが受信した信号を整流する際に、駆動信号DSBにより2次コイルL2Aに生じる起電力の信号が除去される(全波整流によりゼロになる)。整流電圧VCCAは、期間TL2以外の期間での電圧と期間TL2での電圧が同じ(略同一)になる。
1次コイルL1Aに流れる電流IDAの位相は、間欠送電により電源に突入電流が流れるタイミング(期間TL2の開始、終了タイミング)に対しておおよそ0度になる。この場合、通信における電流検出に与える影響が大きくなり、通信エラーが生じる可能性がある。即ち、電源から通信部30に流れる電流ID1が大きくなるタイミング(IDAの位相が0度の付近)と、突入電流が流れるタイミングとが一致(略一致)するため、電流ID1(の平均)を検出する通信部30において通信エラーが生じやすくなる。
図6は、1次コイルL1A、L1Bを駆動する駆動信号DSA、DSBの位相差が180度である場合の信号波形例である。
駆動信号DSA、DSBの位相差が180度なので、駆動信号DSA、DSBにより2次コイルL2Aに生じる起電力の位相差も180度となり、弱め合う関係となる。そのため、2次コイルL2Aが受信した信号を整流した整流電圧VCCAは、期間TL2以外の期間での電圧よりも期間TL2での電圧の方が低くなる。この場合、受電装置40や電子機器510の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、図15のB9に示すように、整流電圧VCCAが所定の電圧より大きい場合にバッテリーへの充電を行う。この場合、間欠送電の影響で整流電圧VCCAが低下すると、整流電圧VCCAが所定の電圧を下回ってバッテリーへの充電が停止してしまう可能性がある。或いは、図16のC4に示すように、通常送電において整流電圧VCCAが所定の電圧(3.1V)より小さくなった場合に受電装置40が取り去さられたと判定される。この場合、間欠送電の影響で整流電圧VCCAが低下すると、整流電圧VCCAが所定の電圧(3.1V)を下回って誤って取り去り検出される可能性がある。そうすると、例えば負荷変調が停止されたり、或いは誤って着地検出に移行したりする可能性がある。
1次コイルL1Aに流れる電流IDAの位相は、間欠送電により電源に突入電流が流れるタイミング(期間TL2の開始、終了タイミング)に対しておおよそ90度になる。この場合、図4と同様に通信部30において通信エラーは生じにくいことになる。
さて、駆動信号DSA、DSBの位相差を何ら制御しない場合には、駆動信号DSA、DSBの位相差はランダム(任意の位相差)になる。即ち、充電器500への電子機器510、512の着地や、充電器500からの電子機器510、512の取り去りはユーザーが任意のタイミングで行うものである。また、バッテリーが満充電となるタイミングも充電開始時の残量や、充電状況等によって異なっている。そのため、着地検出、通常送電、取り去り検出等ステート間の遷移は、電子機器510、512の間で独立なタイミングで生じており、それによって駆動信号DSA、DSBの位相差はランダムになっている。
例えば、駆動信号DSA、DSBの位相差が90度付近になった場合には、図5で説明したように負荷変調による通信に悪影響を与える可能性がある。また、駆動信号DSA、DSBの位相差が180度付近になった場合には、図6で説明したように通常送電による電力伝送に影響を与え、受電装置40や電子機器510の動作に悪影響を与える可能性がある。
この点、本実施形態によれば、送電ドライバー18により通常送電が行われ、送電ドライバー19により間欠送電が行われる場合に、駆動信号DSA、DSBの位相差を所定の位相差に設定することで、上記のような不具合を生じる位相差を避けることが可能となる。即ち、90度付近、180度付近以外の位相差を所定の位相差として設定する。例えば、所定の位相差は、0度〜60度、120度〜150度の範囲内の位相差である。或いは、所定の位相差は0度〜45度の範囲内の位相差であってもよいし、或いは、0度〜30度の範囲内の位相差であってもよい。
また、所定の位相差は0度であってもよい。なお、所定の位相差が0度であるとは、所定の位相差が0度に一致する場合だけでなく、所定の位相差が0度の付近(0度を含むある程度の範囲内)である場合を含む。例えば、所定の位相差が0度〜10度程度であってもよい。
送電ドライバー18により通常送電が行われ、送電ドライバー19により間欠送電が行われる場合に、駆動信号DSA、DSBの位相差を0度に設定することで、図4で説明したように間欠送電が通常送電における通信に与える影響を低減できる。また、通常送電における整流電圧VCCAが、間欠送電において送電される期間TL2において上昇する。図6で説明したように、整流電圧VCCAが低下する場合には受電装置40等に悪影響を及ぼす可能性があるが、整流電圧VCCAが上昇する場合には不具合が生じる可能性は小さくなる(少なくとも図6で説明したような不具合は生じにくい)。
なお、駆動信号DSA、DSBの位相差の制御は、例えば以下のようにして実現できる。即ち、図2に示すように、制御部24は、送電ドライバー18、19にそれぞれ矩形波信号を供給する信号生成部27(ドライバー制御部)を含むことができる。信号生成部27は、発振器等からの駆動クロック信号を分周して、矩形波信号を生成する。そして、その矩形波信号を送電ドライバー18、19がバッファリングすることで駆動信号DSA、DSBを出力する。制御部24は、送電ドライバー18、19の各々に供給する矩形波信号の位相差を制御する位相差制御部28を含むことができる。位相差制御部28は、信号生成部27を制御して矩形波信号の位相差を設定し、駆動信号DSA、DSBの位相差を設定する。例えば位相差制御部28は、信号生成部27の分周の開始タイミング(分周器のリセットタイミング)を制御することで、駆動信号DSA、DSBの位相差を制御する。なお、信号生成部27は制御部24に含まれなくてもよい。例えば、後述する図11では、ドライバー制御回路22が信号生成部27の機能を有してもよい。
また本実施形態では、制御部24は、駆動信号DSAと駆動信号DSBの位相差を可変に設定する。即ち、駆動信号DSA、DSBの位相差を、上述した所定の位相差に固定するのではなく、所定の位相差以外の位相差にも設定可能にする。例えば、送電装置10の外部(例えばCPU等の処理装置)から、位相差の設定情報が送電装置10のレジスターに設定され、その設定情報に応じて駆動信号DSA、DSBの位相差を可変に設定する。或いは、制御装置20のステータス制御等に応じて(例えばステータスを表すフラグ等に応じて)制御装置20が自動的に駆動信号DSA、DSBの位相差を可変に設定してもよい。
このようにすれば、例えば無接点電力伝送システム200の制御ステータスや動作モードに応じて、適切な駆動信号DSA、DSBの位相差を設定できる。例えば、通信エラーを生じる可能性がある場合には、通信エラーを抑制できる位相差を設定し、送電(整流電圧)に影響を与える可能性がある場合には、送電への影響を抑制できる位相差を設定できる。
また本実施形態では、制御部24は、送電ドライバー18及び送電ドライバー19の各送電ドライバーの送電モードに応じて、位相差を可変に設定する。例えば、各送電ドライバーが通常送電モードと間欠送電モードのいずれであるかに応じて位相差を異ならせる。なお、送電ドライバー18、19のモードの組み合わせに応じて所定の位相差に設定する場合に限定されず、例えば、あるモードの組み合わせにおいて位相差を設定しない(ランダムに決定されるに任せる)場合を含む。
このようにすれば、各送電ドライバーの送電モードに応じて、適切な駆動信号DSA、DSBの位相差を設定できる。即ち、送電ドライバー18、19の一方が通常送電モードであり、他方が間欠送電モードである場合だけでなく、種々の送電モードの組み合わせに応じて、適切な駆動信号DSA、DSBの位相差を設定できる。
また本実施形態では、制御部24は、駆動信号DSA、DSBの位相差が、0度、90度、180度のうちの少なくとも2つのいずれかとなるように、駆動信号DSA、DSBの位相差を可変に設定する。即ち、0度、90度、180度のうちの2つ又は3つに可変に設定する。例えば、各送電ドライバーの送電モードに応じて、上記少なくとも2つの位相差のいずれかに設定する。例えば、2つの送電ドライバーが通常送電を行う場合と、2つの送電ドライバーが間欠送電を行う場合と、2つの送電ドライバーの一方が通常送電を行うと共に他方が間欠送電を行う場合とで、それぞれ位相差を設定する。なお、位相差を、0度、90度、180度に設定するとは、位相差が0度、90度、180度に一致する場合だけでなく、位相差を0度、90度、180度の付近(0度、90度、180度を含むある程度の範囲内)に設定する場合を含む。例えば、位相差を0度〜10度程度、80度〜100度程度、170度〜180度程度に設定してもよい。
このようにすれば、例えば無接点電力伝送システム200の制御ステータスや動作モードに応じて、0度、90度、180度のうち適切な駆動信号DSA、DSBの位相差を設定できる。例えば、通信エラーを生じる可能性がある場合には、通信エラーを抑制できる0度又は180度に位相差を設定し、送電(整流電圧)に影響を与える可能性がある場合には、送電への影響を抑制できる90度に位相差を設定できる。
また本実施形態では、制御部24は、送電ドライバー18により通常送電が行われ、送電ドライバー19により間欠送電が行われる場合の駆動信号DSA、DSBの位相差と、送電ドライバー18及び送電ドライバー19により通常送電が行われる場合の駆動信号DSA、DSBの位相差とを異ならせる。
送電ドライバー18、19により通常送電が行われる場合、間欠送電による通信への干渉は生じない。本実施形態によれば、送電ドライバー18、19により通常送電が行われる場合に、通信エラーを低減するか否かに関わらず、送電への影響を低減できる位相差を設定することが可能となる。
また本実施形態では、制御部24は、送電ドライバー18により通常送電が行われ、送電ドライバー19により間欠送電が行われる場合の駆動信号DSA、DSBの位相差を、0度に設定する。一方、送電ドライバー18及び送電ドライバー19により通常送電が行われる場合の駆動信号DSA、DSBの位相差を、90度に設定する。
このようにすれば、送電ドライバー18により通常送電が行われ、送電ドライバー19により間欠送電が行われる場合に、間欠送電の影響による通信エラーを抑制できる。また、送電ドライバー18及び送電ドライバー19により通常送電が行われる場合に、送電間の干渉による整流電圧の変動を抑制でき、受電装置40、41や電子機器510、512への悪影響を抑制できる。
3.通信手法
図7は、負荷変調による通信手法を説明する図である。なお以下では送電装置10と受電装置40の間の通信を例にとって説明するが、送電装置10と受電装置41の間の通信も同様の手法で実現できる。
図7に示すように、送電側では、送電ドライバーDR1、DR2が、電源電圧制御部14から供給された駆動電圧VDRV(電源電圧)に基づいて動作して、1次コイルL1Aを駆動する。
一方、受電側(2次側)では、2次コイルL2Aのコイル端電圧を受電部52の整流回路53が整流し、ノードNVCに整流電圧VCCAが出力される。なお、1次コイルL1AとキャパシターCA1により送電側の共振回路が構成され、2次コイルL2AとキャパシターCA2により受電側の共振回路が構成されている。
受電側では、負荷変調部56のスイッチ素子SWをオン及びオフさせることで、電流源ISの電流ID2をノードNVCからGND側に間欠的に流して、受電側の負荷状態(受電側の電位)を変動させる。
送電側では、負荷変調による受電側の負荷状態の変動により、電源ラインに設けられたセンス抵抗RCSに流れる電流ID1が変動する。例えば送電側の電源(例えば図10の電源アダプター502等の電源装置)と電源電圧制御部14との間に、電源に流れる電流を検出するためのセンス抵抗RCSが設けられている。電源電圧制御部14は、このセンス抵抗RCSを介して電源から電源電圧が供給される。そして負荷変調による受電側の負荷状態の変動により、電源からセンス抵抗RCSに流れる電流ID1が変動し、通信部30が、この電流変動を検出する。そして通信部30は、検出結果に基づいて、負荷変調により送信される通信データの検出処理を行う。
図8は、通信部30の具体的な構成の一例である。通信部30は、電流検出回路39、比較回路34、復調部36を含む。また信号増幅用のアンプAP、フィルター部35を含むことができる。なお、通信部33も同様に構成できる。
電流検出回路39は、電源(電源装置)から電源電圧制御部14を介して送電部12に流れる電流ID1を検出する。この電流ID1は、例えばドライバー制御回路22等に流れる電流を含んでいてもよい。電流検出回路39は、IV変換用アンプIVCにより構成される。IV変換用アンプIVCは、センス抵抗RCSに微少の電流ID1が流れることで生成される微少の電圧VC1−VC2を増幅して、検出電圧VDTとして出力する。アンプAPは、基準電圧VRFを基準として検出電圧VDTを増幅した検出電圧VDTAの信号を、比較回路34に出力する。
比較回路34は、電流検出回路39による検出電圧VDTAと、判定用電圧VCP=VRF+VOFFとの比較判定を行い、比較判定結果CQを出力する。比較回路34は、コンパレーターCPにより構成できる。この場合に、例えば判定用電圧VCP=VRF+VOFFの電圧VOFFは、コンパレーターCPのオフセット電圧などにより実現できる。
復調部36は、比較回路34の比較判定結果CQ(フィルター処理後の比較判定結果FQ)に基づいて負荷変調パターンの復調処理を行うことで、通信データを検出し、検出データDATとして出力する。比較回路34と復調部36との間にはフィルター部35が設けられており、復調部36は、フィルター部35によるフィルター処理後の比較判定結果FQに基づいて、負荷変調パターンの復調処理を行う。
フィルター部35、復調部36は、例えば駆動クロック信号FCKが(図11のクロック生成回路37から)供給されて動作する。駆動クロック信号FCKは、送電周波数を規定する信号であり、ドライバー制御回路(図11のドライバー制御回路22)は、この駆動クロック信号FCKが供給されて、送電部12の送電ドライバーDR1、DR2を駆動する。
4.電源電圧制御部
図9は、電源電圧制御部14の詳細な構成例である。電源電圧制御部14は、抵抗RCと、インダクターLB(コイル)と、ダイオードDBと、キャパシターCBと、制御回路CV(スイッチング制御回路)と、トランジスターTB(例えばN型MOSトランジスター)と、を含む。抵抗RAと可変抵抗RBは、例えば電源電圧設定部26として制御装置20に内蔵される。なお、電源電圧制御部15も同様に構成できる。
電源電圧設定部26は、抵抗分割回路であり、抵抗RAと可変抵抗RBとを含む。抵抗RAは、送電ドライバー18の駆動電圧VDRV(出力電圧)が出力されるノードAOUTとノードN1との間に設けられる。可変抵抗RBは、ノードN1とグランドGND(広義には、低電位側電源)との間に設けられる。可変抵抗RBの抵抗値は制御部24により設定される。
電源電圧制御部14の抵抗RCは、電源電圧VIN(入力電圧)が供給されるノードTINとノードN2との間に設けられる。インダクターLBは、ノードN2とノードN3との間に設けられている。ダイオードDBは、アノードがノードN3に接続され、カソードがノードN4に接続されている。キャパシターCBは、ノードN4とグランドGNDとの間に設けられている。制御回路CVは、ノードN2に接続される端子VDDと、ノードN1に接続される端子ADJと、ノードAOUTに接続される端子VOと、トランジスターTBのゲートに接続される端子GCと、を有する。トランジスターTBは、ドレインがノードN3に接続され、ソースがグランドGNDに接続される。
図9に示すような回路において、駆動電圧VDRV(電源電圧)は、下式(1)により表すことができる。なお、下式(1)において、VADJは、制御回路CVの端子ADJにおける電圧であり、RRAは抵抗RAの抵抗値であり、RRBは可変抵抗RBの抵抗値である。
VDRV=VADJ×(RRA+RRB)/RRB (1)
具体的には、電源電圧制御部14は、端子ADJにおける電圧VADJを一定に保つ動作をする。即ち、制御回路CVは、端子ADJにおける電圧VADJが基準電圧Vref(一定値)となるように、トランジスターTBのオンオフ信号を変調制御(例えばPWM:Pulse Width Modulation)し、そのオンオフ信号を端子GCからトランジスターTBのゲートに出力する。駆動電圧VDRVを抵抗分割した電圧VADJが一定値に制御されることで、駆動電圧VDRVが一定値に制御される。また、可変抵抗RBの抵抗値を変えることで、抵抗RAと可変抵抗RBによる分割比が変わり、駆動電圧VDRVを可変に制御することが可能となる。
制御回路CVは、一例として、三角波生成回路と、エラー増幅アンプと、PWM信号出力回路とにより実現できる。即ち、三角波生成回路は三角波を生成し、エラー増幅アンプは、電圧VADJと基準電圧Vrefとの誤差を増幅する。PWM信号出力回路は、三角波生成回路により生成された三角波と、エラー増幅アンプの出力とを比較して、PWM信号(オンオフ信号)を出力する。
5.無接点電力伝送システム
以下、本実施形態の制御装置20を無接点電力伝送システム200の送電装置10に適用した場合を例にとり、制御装置20及び制御装置20を含む電子機器の詳細を説明する。
図10は、本実施形態の無接点電力伝送システム200の一例である。充電器500(電子機器の1つ)は送電装置10を有する。電子機器510、512は受電装置40、41を有する。また電子機器510、512は、バッテリー90、92を有する。なお図10ではバッテリー90、92を模式的に示しているが、このバッテリー90、92は実際には電子機器510、512に内蔵されている。図10の送電装置10と受電装置40、41により本実施形態の無接点電力伝送システム200が構成される。
充電器500には、電源アダプター502を介して電力が供給され、この電力が、無接点電力伝送により送電装置10から受電装置40、41に送電される。これにより、電子機器510、512のバッテリー90、92を充電し、電子機器510、512内のデバイスを動作させることができる。
なお充電器500の電源は、USB(USBケーブル)による電源であってもよい。また、本実施形態が適用される電子機器510、512としては種々の機器を想定できる。例えば補聴器、ワイヤレスヘッドホン、腕時計(スマートウォッチを含む)、生体情報の測定装置(脈波等を測定するウェアラブル機器)、携帯情報端末(スマートフォン、携帯電話機等)、コードレス電話器、シェーバー、電動歯ブラシ、リストコンピューター、ハンディターミナル、車載用機器、ハイブリッド車、電気自動車、電動バイク、或いは電動自転車などの種々の電子機器を想定できる。電子機器510、512の組み合わせとしては、同種の電子機器であってもよいし、異種の電子機器であってもよい。例えば、電子機器510、512は、右耳用と左耳用の補聴器である。或いは、電子機器510、512は、右耳用と左耳用のワイヤレスヘッドホンである。或いは、電子機器510、512の一方は腕時計又は生体情報の測定装置であり、他方は携帯情報端末である。例えば本実施形態の制御装置(受電装置等)は、車、飛行機、バイク、自転車、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。移動体は、例えばモーターやエンジン等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器(車載機器)を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。
送電装置10から受電装置40、41への電力伝送は、送電側に設けられた1次コイルL1(L1A、L1Bに相当する)と、受電側に設けられた2次コイルL2(L2A、L2Bに相当する)を電磁的に結合させて電力伝送トランスを形成することなどで実現される。これにより非接触での電力伝送が可能になる。なお無接点電力伝送の方式としては、電磁誘導方式又は磁界共鳴方式等の種々の方式を採用できる。
6.送電装置、受電装置、制御装置の詳細な構成例
図11は、本実施形態の制御装置20、50及びこれを含む送電装置10、受電装置40の詳細な構成例である。なお、以下では受電装置40と、それに関わる送電側の構成を例にとって説明するが、受電装置41と、それに関わる送電側の構成も同様に構成できる。ここで、上記の各装置の構成は図11の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば報知部)を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
図10の充電器500などの送電側の電子機器は送電装置10を含む。また受電側の電子機器510は受電装置40と負荷80を含む。負荷80は、バッテリー90、電力供給対象100を含むことができる。そして図11の構成により、1次コイルL1Aと2次コイルL2Aを電磁的に結合させて送電装置10から受電装置40に対して電力を伝送する無接点電力伝送(非接触電力伝送)システムが実現される。
送電装置10(送電モジュール、1次モジュール)は、1次コイルL1A、送電部12(送電回路)、制御装置20を含む。
1次コイルL1Aは、2次コイルL2Aと電磁結合して電力伝送用トランスを形成する。例えば電力伝送が必要なときには、図10、図11に示すように、充電器500の上に電子機器510を置き、1次コイルL1Aの磁束が2次コイルL2Aを通るような状態にする。一方、電力伝送が不要なときには、充電器500と電子機器510を物理的に離して、1次コイルL1Aの磁束が2次コイルL2Aを通らないような状態にする。
送電部12は、1次コイルL1Aの一端を駆動する送電ドライバーDR1と、1次コイルL1Aの他端を駆動する送電ドライバーDR2と、電源電圧制御部14(電源電圧制御回路)を含む。また送電部12は、1次コイルL1Aと共に共振回路を構成する少なくとも1つのキャパシター(コンデンサー)を含むことができる。送電ドライバーDR1、DR2の各々は、例えばパワーMOSトランジスターにより構成されるインバーター回路(バッファー回路)などにより実現される。これらの送電ドライバーDR1、DR2は、制御装置20のドライバー制御回路22により制御(駆動)される。即ち、制御部24は、ドライバー制御回路22を介して送電部12を制御する。
電源電圧制御部14は、送電ドライバーDR1、DR2の駆動電圧VDRVを制御する。例えば制御部24は、受電側から受信した通信データ(送電電力設定情報)に基づいて、電源電圧制御部14を制御する。これにより、送電ドライバーDR1、DR2に供給される駆動電圧VDRVが制御されて、例えば送電電力の可変制御等が実現される。この電源電圧制御部14は、例えば図9で説明したように、DCDCコンバーターなどにより実現できる。即ち電源電圧制御部14は、電源からの電源電圧の昇圧動作を行って、送電ドライバー用の駆動電圧VDRVを生成して、送電ドライバーDR1、DR2に供給する。
送電側の制御装置20は、送電側の各種制御を行うものであり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。制御装置20は、ドライバー制御回路22、制御部24、電源電圧設定部26(電源電圧制御回路)、通信部30、レジスター部32、クロック生成回路37、発振回路38を含む。なお送電部12を制御装置20に内蔵させるなどの変形実施も可能である。
ドライバー制御回路22(プリドライバー)は、送電ドライバーDR1、DR2を制御する。例えばドライバー制御回路22は、送電ドライバーDR1、DR2を構成するトランジスターのゲートに対して制御信号(駆動制御信号)を出力する。送電ドライバーDR1、DR2は、その制御信号に基づいて1次コイルL1Aに駆動信号を印加(供給)し、1次コイルL1Aを駆動する。発振回路38は、例えば水晶発振回路などにより構成され、1次側のクロック信号を生成する。クロック生成回路37は、送電周波数(駆動周波数)を規定する駆動クロック信号等を生成する。そしてドライバー制御回路22は、この駆動クロック信号や制御部24からの制御信号などに基づいて、所与の周波数(送電周波数)の制御信号を生成し、送電部12の送電ドライバーDR1、DR2に出力して、制御する。
受電装置40(受電モジュール、2次モジュール)は、2次コイルL2A、制御装置50を含む。
受電側の制御装置50は、受電側の各種制御を行うものであり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。制御装置50は、受電部52、制御部54(制御回路)、負荷変調部56(負荷変調回路)、電力供給部57、検出部64(検出回路)を含む。なお、受電部52を制御装置50の外部に設けるなどの変形実施も可能である。
受電部52は、送電装置10からの電力を受電する。具体的には受電部52は、複数のトランジスターやダイオードなどにより構成される整流回路53を含む。整流回路53は、2次コイルL2Aの交流の誘起電圧を直流の整流電圧VCCAに変換して、出力する。
負荷変調部56(広義には通信部)は負荷変調を行う。例えば負荷変調部56は電流源ISを有し、この電流源ISを用いて負荷変調を行う。具体的には、負荷変調部56は電流源IS(定電流源)とスイッチ素子SWを有する。電流源ISとスイッチ素子SWは、例えば整流電圧VCCAのノードNVCとグランドGND(広義には低電位側電源)のノードとの間に直列に設けられる。そして、例えば制御部54からの制御信号に基づいてスイッチ素子SWがオン又はオフにされ、ノードNVCからグランドGNDに流れる電流源ISの電流(定電流)をオン又はオフにすることで、負荷変調が実現される。スイッチ素子SWはMOSのトランジスターなどにより実現できる。なお、負荷変調部56は図11の構成に限定されず、例えば電流源ISの代わりとして抵抗を用いるなどの種々の変形実施が可能である。
なお、受電装置40の通信方式は負荷変調に限定されない。例えば受電装置40は、1次コイルL1A、2次コイルL2Aを用いて負荷変調以外の方式で通信を行ってもよい。或いは、1次コイルL1A、2次コイルL2Aとは別のコイルを設け、この別のコイルを用いて負荷変調やそれ以外の通信方式で通信を行ってもよい。或いはRFなどの近接無線通信で通信を行ってもよい。
電力供給部57は、受電部52が受電した電力に基づいて、負荷80に対して電力を供給する。例えば受電部52が受電した電力を供給して、バッテリー90を充電する。或いはバッテリー90からの電力や、受電部52が受電した電力を、電力供給対象100に供給する。具体的には、電力供給部57は充電部58と放電部60を含む。充電部58はバッテリー90の充電(充電制御)を行う。例えば充電部58は、受電部52からの整流電圧VCCA(広義には直流電圧)に基づく電圧が供給されて、バッテリー90を充電する。放電部60はバッテリー90の放電動作を行う。
検出部64は各種の検出処理を行う。例えば検出部64が行う検出処理としては、過放電、過電圧、過電流、或いは温度異常(高温、低温)の検出処理を想定できる。
制御部54は、受電側の制御装置50の各部に対して各種の制御処理を実行する。制御部54は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線手法で生成されたロジック回路や、或いはマイクロコンピューターなどの各種のプロセッサーにより実現できる。
負荷80は、バッテリー90、電力供給対象100を含む。電力供給対象100は、受電装置40を内蔵する電子機器510(図10)に設けられ、例えばバッテリー90の電力供給対象となるデバイスである。なお、受電部52が受電した電力を直接に電力供給対象100に供給してもよい。
7.無接点電力伝送システムの動作シーケンス
次に本実施形態の無接点電力伝送システム200の動作シーケンスの一例について説明する。図12は動作シーケンスの概要を説明する図である。なお、以下では送電装置10と受電装置40の動作シーケンスを例に説明するが、送電装置10と受電装置41の動作シーケンスも同様である。送電装置10と受電装置40、41との間の動作シーケンスは、それぞれ独立に制御されている。但し、駆動信号DSA、DSBの位相差は上述の手法で制御されている。
図12のA1では、受電装置40を有する電子機器510が、送電装置10を有する充電器500に上に置かれておらず、取り去り状態になっている。この場合にはスタンバイステートとなる。このスタンバイステートでは、送電装置10の送電部12は、着地検出のための間欠送電を行って、電子機器510の着地を検出する状態になる。またスタンバイステートでは、受電装置40では、電力供給対象100への放電動作がオンになっており、電力供給対象100への電力供給がイネーブルになっている。これにより、処理部等の電力供給対象100は、バッテリー90からの電力が供給されて動作可能になる。
図12のA2に示すように、電子機器510が充電器500に上に置かれ、着地が検出されると、通信チェック&充電ステートになる。この通信チェック&充電ステートでは、送電装置10の送電部12は、連続送電である通常送電を行う。この際に、電力伝送の状態などに応じて電力が可変に変化する電力制御を行いながら、通常送電を行う。またバッテリー90の充電状態に基づく制御も行われる。電力伝送の状態は、例えば1次コイルL1A、2次コイルL2Aの位置関係(コイル間距離等)などにより決まる状態であり、例えば受電部52の整流電圧VCCAなどの情報に基づいて判断できる。バッテリー90の充電状態は、例えばバッテリー電圧VBATなどの情報に基づいて判断できる。
また通信チェック&充電ステートでは、受電装置40の充電部58の充電動作がオンになり、受電部52が受電した電力に基づいてバッテリー90の充電が行われる。また放電部60の放電動作がオフになり、バッテリー90からの電力が、電力供給対象100に供給されなくなる。また通信チェック&充電ステートでは、負荷変調部56の負荷変調により、通信データが送電側に送信される。例えば電力伝送状態情報(VCCA等)や、充電状態情報(VBATや各種のステータスフラグ等)や、温度などの情報を含む通信データが、通常送電期間中の常時の負荷変調により、受電側から送電側に送信される。
図12のA3に示すように、バッテリー90の満充電が検出されると、満充電スタンバイステートになる。この満充電スタンバイステートでは、送電部12は、例えば取り去り検出のための間欠送電を行って、電子機器510の取り去りを検出する状態になる。また放電部60の放電動作はオフのままとなり、電力供給対象100への電力供給もディスエーブルのままとなる。
図12のA4に示すように電子機器510の取り去りが検出されると、A5に示すように電子機器510が使用状態になり、受電側の放電動作がオンになる。具体的には、放電部60の放電動作がオフからオンに切り替わり、バッテリー90からの電力が放電部60を介して電力供給対象100に供給される。これにより、バッテリー90からの電力が供給されて、処理部等の電力供給対象100が動作し、ユーザーが電子機器510を通常に使用できる状態となる。
図13、図14は、図1等で説明した本実施形態の位相差設定手法を適用できるステートの一例である。図13では、電子機器510が充電器500に上に置かれ、通信チェック&充電ステートになっている。一方、電子機器512ではバッテリー90の満充電が検出され、満充電スタンバイステートになっている。図14では、電子機器510が充電器500に上に置かれ、通信チェック&充電ステートになっている。一方、電子機器512が充電器500に上に置かれておらず、取り去り状態になっており、スタンバイステートになっている。
これらのステートでは、電子機器510の受電装置40に対して送電装置10が通常送電を行っており、電子機器512の受電装置41に対して送電装置10が間欠送電を行っている。本実施形態では、このようなステートにおいて、1次コイルL1A、L1Bを駆動する駆動信号DSA、DSBの位相差が所定の位相差(例えば0度)に設定されている。
図15、図16、図17は本実施形態の無接点電力伝送システム200の動作シーケンスの詳細を説明するための信号波形図である。なお、以下では送電装置10と受電装置40の動作シーケンスを例に説明するが、送電装置10と受電装置41の動作シーケンスも同様である。
図15のB1は、図12のA1のスタンバイステートであり、着地検出用の間欠送電が行われている。即ち、期間TL1の間隔毎に期間TL2の間隔の送電が行われる。TL1の間隔は例えば3秒であり、TL2の間隔は例えば50ミリ秒である。そして図15のB2、B3では、整流電圧VCCAは電圧VST以下(第1の電圧以下)であるため、負荷変調による通信は行われない。
一方、B4では整流電圧VCCAが電圧VST(例えば4.5V)を超えたため、B5に示すように負荷変調部56が負荷変調を開始する。即ち、B2、B3ではL1A、L2Aのコイルが十分には電磁的結合状態になっていないが、B4ではL1A、L2Aのコイルが図11に示すように適正な電磁的結合状態になっている。このため、整流電圧VCCAが上昇して、電圧VSTを超え、B5に示すように負荷変調が開始する。そして、この負荷変調により、B6に示すような通信データが送電側に送信される。このB5の負荷変調は、B7に示す着地検出用の間欠送電により整流電圧VCCAが上昇したことにより開始している。
具体的には、受電側は、着地検出用のダミーデータ(例えば64ビットの「0」)を送信する。送電側は、このダミーデータを検出(例えば8ビットの「0」の検出)することで、受電側の着地を検出して、B10に示すように通常送電(連続送電)を開始する。
次に受電側は、ID情報や整流電圧VCCAの情報を送信する。前述したように、ID情報の送信に対して送電側が応答を行うことで、簡易的な認証処理が実現される。
また送電側は、整流電圧VCCAの情報である送電電力設定情報を受信して、送電電力の制御を行う。この送電側の送電電力の制御により、B8に示すように整流電圧VCCAが上昇する。そしてB9に示すように、VCCAが電圧VCCL(第2の電圧)を超えると、バッテリー90への充電が開始する。
図16のC1では、バッテリー90の充電が行われる通常送電期間において、電子機器510が取り去られている。このC1の取り去りは、C2、C3に示すように、バッテリー90の満充電前(満充電フラグ=Lレベル)の取り去りである。
このように電子機器510の取り去りが行われると、送電側の電力が受電側に伝達されなくなり、整流電圧VCCAが低下する。そしてC4に示すように例えばVCCA<3.1Vになると、C5に示すように負荷変調部56による負荷変調が停止する。負荷変調が停止すると、C6に示すように送電部12による通常送電が停止する。
また送電部12は、通常送電を停止した後、C9に示すように、着地検出用の間欠送電を行うようになる。
図17のD1では、満充電フラグがアクティブレベルであるHレベルになっており、バッテリー90の満充電が検出されている。このように満充電が検出されると、D2に示すように満充電後の取り去り検出用の間欠送電が行われる。即ち、期間TR1の間隔毎に期間TR2の間隔の送電が行われる。TR1の間隔は例えば1.5秒であり、TR2の間隔は例えば50ミリ秒である。取り去り検出用の間欠送電の期間TR1の間隔は、着地検出用の間欠送電の期間TL1の間隔に比べて、短くなっている。
この取り去り検出用の間欠送電により、図17のD3、D4に示すように整流電圧がVCCA>VSTとなり、D5、D6に示すように負荷変調が行われる。送電側は、この負荷変調(空の通信データ等)を検出することで、電子機器510が未だ取り去られていないことを検出できる。
一方、D9では、電子機器510が取り去られている。そして、D4に示す取り去り検出用の間欠送電の期間TR2の終了後に、放電部60の放電動作がオフからオンに切り替わり、バッテリー90からの電力が電力供給対象100に供給されるようになる。またD12に示すように、電子機器510の着地検出用の間欠送電が行われるようになる。
以上のように本実施形態では、図15のB5に示すように受電装置40が負荷変調を開始したことを条件に、B10に示すように送電部12による通常送電が開始する。そしてB5の負荷変調が継続されている間は、B10に示す通常送電は継続する。具体的には図16のC5に示すように負荷変調が非検出となった場合に、C6に示すように送電部12による通常送電が停止する。そしてC9に示すように送電部12による着地検出用の間欠送電が行われるようになる。
このように本実施形態では、負荷変調の開始を条件に通常送電を開始し、負荷変調が継続されている間は通常送電を継続し、負荷変調が非検出になると通常送電を停止するという動作シーケンスを採用している。このようにすれば、シンプルで簡素な動作シーケンスで、無接点電力伝送と、負荷変調による通信を実現できるようになる。また、通常送電期間中において、常時の負荷変調による通信を行うことで、電力伝送の状態等に応じた効率的な無接点電力伝送も実現できるようになる。
8.f2通信における動作シーケンス
次に、送電装置10から受電装置40、41への通信であるf2通信について説明する。図18は、受電装置の着地時において発行コマンドを送電装置から受電装置に通知する手法の一例を説明する図である。なお、以下では送電装置10と受電装置40の動作シーケンスを例に説明するが、送電装置10と受電装置41の動作シーケンスも同様である。f2通信における駆動信号DSA、DSBの位相差の制御については、後述する。
送電装置10の制御部24は、ドライバー制御回路22に制御信号を出力する。そして、ドライバー制御回路22は、第1の送電周波数f1の制御信号を生成し、送電部12の送電ドライバーDR1、DR2に出力する。これにより、送電装置10の1次コイルL1Aには、図18のX1に示すような駆動信号(図18では駆動信号の振幅(駆動電圧)を示す)が供給される。すると、送電装置10から受電装置40へ、第1の送電周波数f1で送電が行われ、受電部52の整流回路53から出力される整流電圧(VCCA)が上昇する。なお、図18では、1次コイルL1Aに供給される駆動信号の送電周波数が、第1の送電周波数である期間をTf1で示し、第2の送電周波数である期間をTf2で示している。
X2に示すように、整流電圧が第1の電圧(VST)を越えると、X3に示すように、受電装置40の負荷変調部56が負荷変調を行って、送電装置10に対して通信データを送信する。この際には、負荷変調部56は、着地検出用のダミーデータ(Dummy)を送信した後に、送電装置10を認証するためのID認証情報(ID情報、IDコード)を送電側に送信する。図18の例では受電装置40はID認証情報を2回送信する。
X4に示すように、受電装置40の制御部54は、1回目のID通信期間内の所与の期間Trefにおいて、リファレンス送電周波数の測定を行う。このリファレンス送電周波数は、第2の送電周波数f2を測定するために基準として用いられる送電周波数である。例えば、リファレンス送電周波数は第1の送電周波数f1である。
送電装置10の通信部30は、受電装置40から送信された1回目のID認証情報を受信する。次に、送電装置10の制御部24は、受電装置40が負荷変調を開始した後の(送電装置10が1回目のID認証情報を受信した後の)所与のタイミングにおいて、送電周波数又はデューティーを変化させる。例えば、送電装置10の制御部24は、受電装置40が負荷変調を開始した後の所与のタイミングX5において、送電周波数を第1の送電周波数f1から第2の送電周波数f2に変化させる。図18の例において、所与のタイミングX5は、送電装置10が1回目のID認証情報を受信した後のタイミングである。この際に、制御部24は、ドライバー制御回路22に、第2の送電周波数f2の第2の制御信号を生成させ、送電部12の送電ドライバーDR1、DR2に出力させる。そして、制御部24は、第2の送電周波数f2の信号を送信する期間の長さを調整することで、受電装置40に対して任意の発行コマンドを通知する。
また、この際に、送電装置10の制御部24は、2回目のID通信期間における応答期間TRSにおいて、送電周波数を第1の送電周波数f1から第2の送電周波数f2に変化させることで、ID認証情報による認証に対する応答を行う。
これにより、例えば送電装置10が発行コマンドを通知すると共に、ID認証情報による認証に対する応答を行うこと等が可能になる。
これに対し、受電装置40の制御部54は、負荷変調部56が負荷変調を開始してから所与のタイミング(X5)で、送電装置10が第2の送電周波数f2の信号又は第2のデューティーの信号による応答を行った場合に、X6に示すように、受信期間TMSの長さを測定し、測定した長さに基づいて発行コマンドを特定する。
言い換えれば、制御部54は、負荷変調により送信されたID認証情報に対して、送電装置10が第2の送電周波数f2の信号又は第2のデューティーの信号による応答を行った場合に(X5)、受信期間TMSの長さに基づいて発行コマンドを特定する。例えば送電装置10がX5に示すような応答を行った場合には、受電装置40の制御部54は、受電装置40が適正な送電装置10(充電器)に着地したと判断して、発行コマンドを特定する。一方、送電装置10が応答期間TRS中も第1の送電周波数f1による送電だけを行っている場合には、制御部54は適正な応答が得られなかったと判定して、発行コマンドの特定を行わない。
これにより、予め決められた所定のタイミングに、送電装置10が適切な応答をしてきたか否かを、受電装置40が判定することができ、送電装置10の簡易的な認証処理を行うこと等が可能になる。さらに、送電装置10が正常に応答してきた場合には、送電装置10から送信された発行コマンドを特定すること等が可能になる。
その後に、制御部54は、受電装置40が発行コマンドを受信したことを示す確認情報CIを、負荷変調により負荷変調部56に送信させる。
さらに送電装置10は、送電周波数を第2の送電周波数f2に変更して発行コマンドを通知した後は(X7)、再度、送電周波数を第1の送電周波数f1に変更して、送電を行う。
そして、受電装置40の制御部54は、特定した発行コマンドが通常充電コマンドであると判定した場合には、充電部58に電力供給スイッチ42をオンにするように指示し、バッテリー90への通常充電を行わせる。同様にして、受電装置40の制御部54は、特定した発行コマンドが急速充電コマンドであると判定した場合には、充電部58に電力供給スイッチ42をオンにするように指示し、バッテリー90への急速充電を行わせる。
また、X5のタイミングにおいて、送電装置10から受電装置40に対して、第2の送電周波数f2の信号により適切な応答がなされなかった場合には、受電装置40の制御部54は、この送電装置10を不正な送電装置であると判定する。そして、制御部54は、充電部58に電力供給スイッチ42をオフにするように指示し、バッテリー90に充電がされないように制御する。
次に、f2通信を行う場合での、1次コイルL1A、L1Bを駆動する駆動信号DSA、DSBの位相差の制御について説明する。なお、デューティーの変化により通信を行う場合には位相差が変化しないので、以下のような位相差制御を行わなくてもよい。
図18のX5に示すように、送電装置10の制御部24は、駆動信号DSAを、第1の送電周波数f1から第2の送電周波数f2に変更して、送電装置10から受電装置40への通信を行う。そして、その通信の後に、X8に示すように駆動信号DSAと駆動信号DSBの位相差を所定の位相差(例えば0度)に再設定する。
具体的には、駆動信号DSA、DSBが第1の送電周波数f1である場合に位相差が所定の位相差となるように設定されている。そうすると、駆動信号DSAが応答期間TRSにおいて第2の送電周波数f2となった場合に、応答期間TRSが終了した時点では駆動信号DSA、DSBの位相差がずれていることになる。例えば、第1、第2の送電周波数f1、f2が、1次側のクロック信号の周波数を1/121、1/120した周波数であったとする。この場合、第1、第2の送電周波数f1、f2の信号は、1周期あたり((121−120)/121)×360度=(1/121)×360度だけ位相がずれる。例えば応答期間TRSが駆動信号DSAの64周期であるとすると、駆動信号DSA、DSBの位相差は(64/121)×360度だけずれることになる。
本実施形態では、位相差の再設定を行うことで、上記のずれを補正して駆動信号DSA、DSBの位相差を所定の位相差に戻すことが可能である。即ち、図18のX8に示すように、送電装置10の制御部24は、応答期間TRSよりも後の期間TRS’において駆動信号DSAの周波数を第2の送電周波数f2に設定する。期間TRS’は、応答期間TRSによりずれた位相差を補正できる期間である。具体的には、TRS、TRS’が駆動信号DSAのN、M周期であり、第1、第2の送電周波数f1、f2の信号が1周期あたり(1/K)×360度だけ位相がずれる場合、N+MがKの倍数となるように、期間TRS’の長さを設定する。例えば、上述の例では、64+57=121なので、期間TRS’を駆動信号DSAの57周期に設定する。このようにすれば、駆動信号DSA、DSBの位相差がTRS、TRS’で合わせて360度の倍数だけずれ、元の所定の位相差に戻すことができる。
また、送電装置10の制御部24は、受電装置40に対して、第1の送電周波数f1の駆動信号DSAを送電ドライバー18に送信させる。そして、その後に、受電装置40に対して第1のコマンドを発行する場合には、第1の送電周波数f1とは異なる第2の送電周波数f2の駆動信号DSAを第1の長さの期間で、送電ドライバー18に送信させる。一方、制御部24は、受電装置40に対して、第1のコマンドと異なる第2のコマンドを発行する場合には、第2の送電周波数f2の駆動信号DSAを、第1の長さとは異なる第2の長さの期間で、送電ドライバー18に送信させる。
第2の送電周波数f2は、例えば第1の送電周波数f1よりも高い周波数である。第2の送電周波数f2の駆動信号DSAを送信する期間(応答期間TRS)の第1、第2の長さは、例えば駆動信号DSAの64周期、128周期である。なお、第1、第2の長さはこれに限定されない。第1のコマンドは、例えば通常充電コマンドであり、第2のコマンドは、例えば急速充電コマンドである。通常充電コマンドとは、通常の充電を行うように受電装置40に指示するコマンドである。また、急速充電コマンドとは、通常の充電よりも充電速度が速い急速充電を行うように、受電装置40に指示するコマンドである。例えば、同一のバッテリー残量の場合に、急速充電は通常充電よりも、満充電になるまでの時間が短い充電手法である。例えばCC充電では、通常充電コマンドは、第1の充電電流でバッテリーを充電させるコマンドであり、急速充電コマンドは、第1の充電電流よりも大きい第2の充電電流でバッテリーを充電させるコマンドである。なお、送電装置10が受電装置40に対して発行するコマンドは、これに限定されない。例えば、オフスタートコマンドであってもよい。オフスタートコマンドとは、放電部60から電力供給対象100への電力供給動作を強制的にオフにするコマンドである。例えば、商品の出荷時などには、オフスタートコマンドを発行し、出荷前の充電後に受電装置40の電力供給動作をオフにしておく。
このように、本実施形態では種々のコマンドに対応して種々の長さの期間において送電周波数が第2の送電周波数f2に設定され、そのコマンドを送信するための通信が行われる。期間の長さが異なると、駆動信号DSA、DSBの位相差のずれも様々となる。この点、本実施形態によれば、その通信の後に、駆動信号DSA、DSBの位相差が所定の位相差に再設定することで、種々のコマンドに対応して駆動信号DSA、DSBの位相差を所定の位相差に再設定できる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また制御装置、送電部、送電装置、受電装置、無接点電力伝送システム、電子機器等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10…送電装置、12…送電部、14,15…電源電圧制御部、16…報知部、
18,19…送電ドライバー(第1、第2の送電ドライバー)、20…制御装置、
22…ドライバー制御回路、24…制御部、26…電源電圧設定部、
27…信号生成部、28…位相差制御部、30…通信部、32…レジスター部、
33…通信部、34…比較回路、35…フィルター部、36…復調部、
37…クロック生成回路、38…発振回路、39…電流検出回路、
40,41…受電装置(第1、第2の受電装置)、42…電力供給スイッチ、
45…発振回路、46,47…通信部、50,51…制御装置、52…受電部、
53…整流回路、54…制御部、55…受電部、56…負荷変調部、
57…電力供給部、58…充電部、59…CC充電回路、60…放電部、
61…チャージポンプ回路、64…検出部、65…A/D変換回路、80…負荷、
90…バッテリー、92…バッテリー、100…電力供給対象、
200…無接点電力伝送システム、500…充電器(電子機器)、
502…電源アダプター、510,512…電子機器(第1、第2の電子機器)、
520,522…配置部(第1、第2の配置部)、
DSA,DSB…駆動信号(第1、第2の駆動信号)、
L1A,L1B…1次コイル(第1、第2の1次コイル)、
L2A,L2B…2次コイル(第1、第2の2次コイル)、
f1…第1の送電周波数、f2…第2の送電周波数

Claims (13)

  1. 第1の1次コイルに第1の駆動信号を印加する第1の送電ドライバーと、第2の1次コイルに第2の駆動信号を印加する第2の送電ドライバーと、を制御する制御装置であって、
    制御部を含み、
    前記制御部は、
    前記第1の駆動信号の印加により通常送電が行われる期間に、前記第2の駆動信号の印加により間欠送電が行われる場合に、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差を所定の位相差に設定することを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記所定の位相差は0度であることを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1において、
    前記制御部は、
    前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の前記位相差を可変に設定することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項3において、
    前記制御部は、
    前記位相差が、0度、90度、180度のうちの少なくとも2つのいずれかとなるように、前記位相差を可変に設定することを特徴とする制御装置。
  5. 請求項3又は4において、
    前記制御部は、
    前記第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、前記第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合の前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差と、前記第1の送電ドライバー及び前記第2の送電ドライバーにより通常送電が行われる場合の前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差とを異ならせることを特徴とする制御装置。
  6. 請求項5において、
    前記制御部は、
    前記第1の送電ドライバーにより通常送電が行われ、前記第2の送電ドライバーにより間欠送電が行われる場合の前記位相差を、0度に設定し、
    前記第1の送電ドライバー及び前記第2の送電ドライバーにより通常送電が行われる場合の前記位相差を、90度に設定することを特徴とする制御装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    電源から前記第1の送電ドライバーに流れる電流を検出して、第1の受電装置からの通信データを受信する第1の通信部と、
    前記電源から前記第2の送電ドライバーに流れる電流を検出して、第2の受電装置からの通信データを受信する第2の通信部と、
    を含むことを特徴とする制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記制御部は、
    前記第1の駆動信号を、第1の送電周波数から前記第1の送電周波数とは異なる第2の送電周波数に変更して送電装置から第1の受電装置への通信を行った場合に、前記通信の後に前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の前記位相差を前記所定の位相差に再設定することを特徴とする制御装置。
  9. 請求項8において、
    前記制御部は、
    前記第1の受電装置に対して、前記第1の送電周波数の前記第1の駆動信号を前記第1の送電ドライバーに送信させた後に、
    前記第1の受電装置に対して第1のコマンドを発行する場合には、前記第2の送電周波数の前記第1の駆動信号を第1の長さの期間で、前記第1の送電ドライバーに送信させ、
    前記第1の受電装置に対して、前記第1のコマンドと異なる第2のコマンドを発行する場合には、前記第2の送電周波数の前記第1の駆動信号を、前記第1の長さとは異なる第2の長さの期間で、前記第1の送電ドライバーに送信させることを特徴とする制御装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の制御装置を含むことを特徴とする送電装置。
  11. 請求項10において、
    前記第1の1次コイルからの電力信号で充電される第1の電子機器を配置するための第1の配置部と、
    前記第2の1次コイルからの電力信号で充電される第2の電子機器を配置するための第2の配置部と、を含むことを特徴とする送電装置。
  12. 請求項10又は11に記載の送電装置と第1の受電装置と第2の受電装置を含む無接点電力伝送システムであって、
    前記第1の駆動信号の印加により前記第1の受電装置に対して通常送電が行われる期間に、前記第2の駆動信号の印加により前記第2の受電装置に対して間欠送電が行われる場合に、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号の位相差を所定の位相差に設定することを特徴とする無接点電力伝送システム。
  13. 請求項1乃至9のいずれかに記載の制御装置を含むことを特徴とする電子機器。
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