JP2018073983A - 色素増感型太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感型太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】高電力が発現できる色素増感型太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】光電極と対極とが電解質層を介して対向配置された色素増感型太陽電池モジュールであって、 (1)透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成された光電極が2個以上配列されており、(2)前記透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、対極と対向する面において、当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、 (3)対極は、透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に、電気化学的触媒層がコーティングされており、 (4)前記対極を構成する透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、前記光電極に対向する面において、電気化学的触媒層と共に当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、 (5)前記光電極と対極とは、電気的に接続されており、 (6)前記光電極及び対極には、外部に電気を取り出すための接続部が設けられている、ことを特徴とする色素増感型太陽電池モジュール。【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電膜を用いた色素増感型太陽電池モジュールに関する。
色素増感型太陽電池は、製造方法が簡便である。色素増感型太陽電池は、安価に製造することができ、高い光電変換効率を得ることができるので、注目されている。色素増感太陽電池に関する種々の開発が実施されている。
色素増感型太陽電池において、従来の光電極は、以下の手法により作製されている。
先ず、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine Tin Oxide)等の透明導電膜を形成させたガラス基板である透明導電性ガラスの表面に、酸化チタン微粒子を含むペースト剤をコーティングする。次いで、得られたコーティング物を400〜500℃の温度で熱処理することにより、多孔質状の酸化チタン層を有する電極を作製する。次いで、ルテニウム系色素、インドリン系色素等の色素増感剤を含む有機溶液中に、得られた電極を浸漬することにより、多孔質状の酸化チタンの表面に色素増感剤が吸着した光電極を作製する。
次に、対極は、スパッタリング等の手法により、透明導電膜を形成させたガラス基板やフィルム上に、電気化学的還元作用を発揮する白金層を形成させることにより作製される。
しかしながら、従来の色素増感型太陽電池では、光電極及び対極を構成する透明導電膜の電気抵抗が比較的に大きかった。そのため、酸化チタンのコーティング面積(透明導電膜の面積)を大きくすると、得られる色素増感型太陽電池の光電変換効率が著しく低下するので、小面積にて色素増感太陽電池を作製する必要がある。
また光電極基板上に小面積の酸化チタンのコーティング層を設けた色素増感太陽電池にてモジュール化を図ると、発電に寄与しない部位が多くなり、モジュールの発電量が減少するという問題点があった。
特許文献1では、個々の色素増感太陽電池は、短冊形にパターニングを行った透明導電膜を形成させたガラス基板を用いる。この技術では、それら隣り合う個々の色素増感太陽電池が接触しないように、ある一定の隙間をおいて形成させる必要がある。この構造のおいては発電に寄与しない隙間の面積が大きくなり、モジュールの電流量が低下し、発電量が低下する。
これらの色素増感太陽電池を直列接続して得られるモジュールの発電量は、モジュールを構成する色素増感型太陽電池の数による。そのモジュールの単位面積あたりの色素増感型太陽電池の数は少なくなるので、モジュールでは、高い電圧値を得ることができない。
これら従来技術においては、改善の余地が有る。
国際公開 第WO97/16838号
光電極、対極に夫々透明導電膜ガラスや透明導電膜フィルムを用いた色素増感太陽電池を作製し、本色素増感太陽電池のモジュール化を図る場合、夫々の色素増感太陽電池を絶縁処理することが必要であった。
またモジュール化を図る際に、モジュールを構成する色素増感太陽電池が大面積になると、光電変換効率が低下し、モジュールにて得られる電力が減少する問題があった。
本発明は、これらの課題を解決するべく、高電力が発現できる色素増感型太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討をした処、特定の構造を備える色素増感型太陽電池が上記目的を達成できることを見出した。
即ち、本発明は、下記の色素増感型太陽電池モジュールである。
項1.
光電極と対極とが電解質層を介して対向配置された色素増感型太陽電池モジュールであって、
(1)透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成された光電極が2個以上配列されており、
(2)前記透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、対極と対向する面において、当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、
(3)対極は、透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に、電気化学的触媒層がコーティングされており、
(4)前記対極を構成する透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、前記光電極に
対向する面において、電気化学的触媒層と共に当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、
(5)前記光電極と対極とは、電気的に接続されており、
(6)前記光電極及び対極には、外部に電気を取り出すための接続部が設けられている、
ことを特徴とする色素増感型太陽電池モジュール。
項2.
前記2個以上で配列された光電極と対極との間で、同じ電解質層が使用されている、
ことを特徴とする前記項1に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項3.
光電極の幅が、0.1mm〜5mmである
ことを特徴とする前記項1又は2に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項4.
前記光電極は、対極と対向配置される側に、ブロック層が設けられ、更に当該ブロック層上に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン層が形成されており、
前記ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成され、必ず該ブロック層の透明導電膜上に酸化アルミニウムの層が形成されている、
ことを特徴とする前記項1〜3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項5.
前記ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成される、
ことを特徴とする前記項4記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項6.
前記酸化チタン層の形状は、長方形である、
ことを特徴とする前記項1〜5のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項7.
前記電気化学的還元触媒層は、白金触媒層である、
ことを特徴とする前記項1〜6のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項8.
前記電解質層を構成する電解液の注入孔が設けられている、
ことを特徴とする前記項1〜7のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項9.
前記光電極側の透明導電性ガラス又は透明導電性フィルムは、反射防止膜加工されている、
ことを特徴とすることを前記項1〜7のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項10.
前記光電極側の透明導電性ガラス又は透明導電性フィルムの光照射面に、更に反射防止フィルムが設けられている、
ことを前記項1〜9のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項11.
前記光電極側に、更に集光装置が配置されている、
ことを特徴とする前記項1〜10のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
項12.
更に冷却装置が配置されている、
ことを特徴とする前記項11に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、高電力を発現することができる。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールの一実施形態(直列接続)を示す概略図(断面図)である。 本発明の色素増感型太陽電池モジュールの一実施形態(並列接続)を示す概略図(断面図)である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、以下の部材で構成される。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、光電極と対極とが電解質層を介して対向配置されており、
(1)透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成された光電極が2個以上配列されており、
(2)前記透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、対極と対向する面において、当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、
(3)対極は、透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に、電気化学的触媒層がコーティングされており、
(4)前記対極を構成する透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、前記光電極に
対向する面において、電気化学的触媒層と共に当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、
(5)前記光電極と対極とは、電気的に接続されており、
(6)前記光電極及び対極には、外部に電気を取り出すための接続部が設けられている、
ことを特徴とする。
(1)光電極
色素増感型太陽電池は、光電極と対極とが電解質層を介して対向配置されており、光電極は、透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成されたものである。
色素増感型太陽電池モジュールには、色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成された光電極が2個以上で配列されている。
光電極基板
透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、対極と対向する面において、電気化学的触媒層と共に当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されているものを用いる。
パターニング処理としては、光電極に対向する部分にテープ(ポリイミドテープ等)を貼り、よくこすり付けてマスキングする。次いで、エッチングするために、非マスキング面の透明導電膜(FTO膜等)及び電気化学的触媒層(白金膜等)上に亜鉛粉末を設置し、塩酸を滴下することで、絶縁処理するパターニング処理が好ましい。
パターニング処理としては、感光性のレジストを基材上に塗布し感光させることで、露光部と未露光部が形成されて、微細なパターンニングを実施できるフォトリゾグラフィー法によるパターニング処理等がある。
色素増感太陽電池の光電極基板は、透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine Tin Oxide)等を透明ガラスや透明なプラスチック材料であるPET(polyethylene terephthalate)やPEN(polyethylene naphthalate)等にコーティングしたものである。
ブロック層
光電極は、ブロック層が設けられ、更に当該ブロック層上に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン層が形成されていることが好ましい。
ブロック層は、光電極及び光電極基板界面で、電解液層への電子の漏出を防いだり、電子と色素増感剤との再結合を防いだりすることができる。
ブロック層により、色素から発生した励起電子は、色素が吸着されている多孔質酸化チタン層を通じて、光電極基板に移動する過程において、酸化状態である色素と再結合したりすることや、電解液に接した光電極基板の表面から電解液側に逆電子移動を起こしたりすることがない。
その結果、ブロック層を有することで、電流値の向上や抵抗値が低下することにて発電量は増加する。
本願電池は、その特定のブロック層が設けると、高い光電変換効率を実現する。
ブロック層としては、n型半導体が好ましい。
ブロック層は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム及び酸化ニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料の層であることが好ましい。これら材料の中から少なくとも一つの材料を選択し、光電極基板上に緻密なコーティングすることで、色素増感太陽電池の逆電子移動を防止し、変換効率の著しい向上を図ることができる。
ブロック層は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ等を、光電極基板である透明導電膜ガラスまたは透明導電膜フィルム上に、コーティングすることで、形成することができる。
特に、ブロック層の透明導電膜上に酸化アルミニウム層を設けた場合、高い変換効率を得ることができる。これは、酸化アルミニウムは、ブロック層の材料の中でもバンドギャップ(コンダクションバンドとバレンスバンドとのギャップ)が大きな物質であり、コンダクションバンドのエネルギー値が高い物質であるからである。色素増感剤の光励起に伴う電子は、コンダクションバンドに移動する。酸化アルミニウムのコンダクションバンドの位置が高いために、この高いコンダクションバンドの壁を越えての電解液側への逆電子移動が難しくなる。
この様な酸化アルミニウムの特性に基づき、ブロック層の透明導電膜上に酸化アルミニウムのブロック層を備えることで、光電変換効率を高めることが可能になる。
コーティング方法として、ブロック層の前駆体であるチタン化合物(四塩化チタン等)、アルミニウム化合物(塩化アルミニウム等)、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、チタン酸ストロンチウム化合物、マグネシウム化合物、ニオブ化合物(塩化ニオブ等)等を含有する液を、光電極基板上に、スピンコート法、ディップ法、スキージ法、スクリーン印刷法、スプレー法等の方法にて塗布する。次いで、熱処理(450℃程度の焼成等)することが好ましい。
ブロック層は、チタン化合物、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、チタン酸ストロンチウム化合物、マグネシウム化合物、ニオブ化合物等の材料を、スパッタリング、イオンプレーティング法、真空蒸着、電子ビーム蒸着法等のPVD処理やCVD処理等により、形成することができる。これにより、容易に緻密なブロック層を光電極基板であるチタン材料上に形成させることができる。
ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成されること(2層構造又は3層構造)が好ましい。
ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成されること(2層構造又は3層構造)がより好ましいが、特に好ましいのは透明導電膜上に酸化アルミニウムの層を形成させたものである。
ブロック層としてn型半導体を使用することが好ましく、効果的なブロック層として機能する。
ブロック層の膜厚は、物質種類やコーティング手法により変化させることができる。ブロック層の膜厚は、0.1nm〜10μm程度が好ましく、1nm〜1μm程度がより好ましい。
2層構造のブロック層は、下層(透明導電膜側)に酸化アルミニウムの層を形成し、上層(電解質層又は多孔質酸化チタン側)に酸化チタンの層を形成することが好ましい。
2層構造のブロック層は、下層(透明導電膜側)に酸化ニオブの層を形成し、上層(電解質層又は多孔質酸化チタン側)に酸化チタンの層を形成することが好ましい。
3層構造のブロック層は、下層(透明導電膜側)に酸化アルミニウムの層を形成し、中間層に酸化ニオブの層を形成し、上層(電解質層又は多孔質酸化チタン側)に酸化チタンの層を形成することが好ましい。
前記ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成され、必ず光電極基板の透明導電膜上に酸化アルミニウムの層を含んでいることが好ましい。
前記ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成されることが好ましい。
酸化チタン層
光電極は、透明導電膜上に、色素増感剤を含有する酸化チタン層(半導体層)を形成されたものである。
酸化チタン等の微粒子を含むペースト剤を塗布後、酸化性雰囲気下での加熱処理する工程により、酸化チタン層を形成することができる。
酸化チタン微粒子の平均粒径は、0.1nm〜3,000nm程度が好ましく、1nm〜1,000nm程度がより好ましく、10nm〜500nm程度が更に好ましい。また酸化チタン微粒子粉末としては、1種類のものを使用する必要はなく、粒径の小さいものと大きなものを混合することにより、酸化チタン層中にて光が散乱することにて得られた色素増感太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
ペースト剤は、例えば、酸化チタン微粒子を溶剤中に分散させることにより調製できる。溶剤としては、ポリエチレングリコールが好ましい。ペースト剤中における酸化チタン微粒子の含有量は特に限定されず、焼結体が好適に形成されるよう適宜調節すればよい。
ペースト剤を前記チタン材料上に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スクリーンプリント、インクジェット、ロールコート、ドクターブレード、スプレーコート等が挙げられる。
ペースト剤を塗布した後の塗膜の厚みは、特に限定されず、目的とする厚みの酸化チタン焼結体が形成されるよう適宜設定すればよい。
透明導電膜ガラスや透明導電膜フィルム上の透明導電膜上に、色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成された光電極が2個以上で配列されている。
透明導電膜上に大面積な酸化チタン層を形成させた場合、通常、透明導電膜の高いシート抵抗に基づき、光電変換効率は低下する。しかし、本発明では、酸化チタン層の幅を狭くすることで、光電変換効率の低下を招かない。酸化チタン層の幅は、0.1mm〜5mmが好ましく、0.3mm〜2mmがより好ましい。
光電極基板は、透明導電膜ガラスや透明導電膜フィルム上に形成される。酸化チタン層を正方形ではなく長方形にすることにより、色素増感剤の光励起に伴う電子が酸化チタン層にて電子が消失することなく、発電量、特に電流値が向上する。
また酸化チタン層の幅は、狭い程、色素増感剤の光励起に伴う電子が酸化チタン層にて電子が消失することなく、発電量、特に電流値は向上する。
酸化チタン層の幅は、色素増感太陽電池モジュールの有効面積を最大にするためには、
光電極基板、対極をそれぞれ形成する透明導電膜ガラスや透明導電膜フィルム上の透明導電膜をエッチング処理することにより、パターニングされた長方形であることが好ましい。
酸化チタン層の幅を狭くし、色素増感太陽電池モジュールの有効面積を最大にするためには、酸化チタン層の幅は、0.1mm〜5mm程度が好ましく、更に0.3mm〜2mm程度が好ましい。
直列接続を実施した場合、光電極基板の数に比例して、電圧値は増加することになり、発電量は向上する。
また並列接続を実施した場合、光電極基板の数に比例して電流値が増加することにて、発電量は向上する。
熱処理の温度は、100℃〜600℃程度が好ましく、400℃〜500℃程度がより好ましい。特に、400℃〜500℃程度の温度で熱処理することにより、酸化チタン微粒子同士を好適に焼結させることができる。熱処理の時間は、熱処理温度等に応じて適宜設定すればよい。前記熱処理は、酸化性雰囲気中(例えば空気中等の酸素が存在する雰囲気中)で行われる。
色素増感剤
光電極は、エッチング処理することにて1枚の透明導電膜ガラス若しくは透明導電膜フィルム材料に絶縁層を介在して複数の透明導電膜が形成された材料上に色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成されたものである。
本発明の色素増感太陽電池は、光電極上の酸化チタン層に吸着された色素に光照射がなされる。
前記の手法にて酸化チタン層(半導体層)を形成させた光電極を、色素増感剤を含む溶液にて浸漬させることにより色素増感剤を酸化チタン層に吸着させることができる。
色素増感剤としては、近赤外光領域、可視光領域に光吸収を持つ色素であれば特に限定されるものではない。色素増感剤の中でも、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)等のルテニウム金属錯体;銅フタロシアニン等のルテニウム以外の金属錯体;エオシン、ローダンミン、メロシリニン、インドリン等の有機錯体等が好ましい。これらの色素増感剤は、1種単独又は2種以上を込み合わせての使用ができる。色素増感剤の中でも、ルテニウム錯体が好ましく、レッドダイ(N719)と近赤外線領域に光吸収を有するブラックダイ(N749)を混合したものが更に好ましい。
色素増感剤を酸化チタン層に吸着させる手法としては、色素増感剤を含む溶液中に、酸化チタン層等の半導体層を浸漬する方法がある。色素増感剤を、半導体層に、付着(化学吸着、物理吸着又は堆積等)させることができる。
色素増感剤を付着させる量は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、半導体層の面積等に応じて適宜設定すればよい。
反射防止膜加工
色素増感型太陽電池モジュールでは、光電極の透明導電性ガラス又は透明導電性フィルムは、反射防止膜加工されていることが好ましい。光電極側は、透明導電性ガラス又は透明導電性フィルムの光照射面に、更に反射防止フィルムが設けられていることが好ましい。
また色素増感太陽電池への入る光量を高めるために、光照射される面にMgF2やSiO2等を真空蒸着やスパッタリング等のドライ処理やスピンコーティングやディップコーティング等の手法にて反射防止膜を形成させたものを実施したものを使用することや光照射面に反射防止フィルムを貼り合わせることにより、得られた色素増感太陽電池の電流値は向上し、発電量は増加する。
(2)対極
色素増感型太陽電池モジュールでは、光電極と対極とが電解質層を介して対向配置されており、対極は、透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に、電気化学的触媒層がコーティングされており、前記透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、前記絶縁材に対向する面において、電気化学的触媒層と共に当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されている。
色素増感型太陽電池モジュールの対極として、透明導電性ガラス又は透明導電性フィルム上に、電気化学的(還元)触媒層がコーティングされたものが2個以上の光電極がそれぞれパターニング処理された光電極の上部に設置する。
この際に、対極に対向配置された光電極のパターンに準じて、対極の透明導電膜を、エッチング等を実施することにて、絶縁材であるガラス又はプラスチックスフィルム上に、絶縁層をパターニング処理する。
パターニング処理としては、光電極に対向する部分にテープ(ポリイミドテープ等)を貼り、よくこすり付けてマスキングする。次いで、エッチングするために、非マスキング面の透明導電膜(FTO膜等)及び電気化学的触媒層(白金膜等)上に亜鉛粉末を設置し、塩酸を滴下することで、絶縁処理するパターニング処理が好ましい。
パターニング処理としては、感光性のレジストを基材上に塗布し感光させることで、露光部と未露光部が形成されて、微細なパターンニングを実施できるフォトリゾグラフィー法によるパターニング処理等がある。
色素増感太陽電池の対極は、透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine Tin Oxide)等を透明ガラスや透明なプラスチック材料であるPET(polyethylene terephthalate)やPEN(polyethylene naphthalate)等にコーティングしたものである。透明導電性ガラス又は透明導電性フィルムの電解質側の表面上に、電気化学的(還元)触媒層を電子ビーム蒸着やスパッタリング等のPVD処理にてコーティングするものを使用する。
電気化学的(還元)触媒層としては、白金触媒層、炭素層、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)層、金層、銀層、銅層、アルミニウム層、ロジウム層、インジウム層等を用いることができる。電気化学的還元触媒層は、水素過電圧が低いために電解層中の電子を失った電解質に電子注入がされ易い等という理由から、白金触媒層であることが好ましい。
(3)電解質層
色素増感型太陽電池モジュールでは、2個以上で配列された光電極と対極と間で、同じ電解質層が使用されていることが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールの電解液層は、全ての光電変換素子共通とすることで、色素増感型太陽電池毎に区切る必要が無い。その結果、容易な封止処理が可能なり、光電変換素子の連結数に応じた電流値、電圧値を得ることができる。
電解質層は、光励起され、半導体層へ電子注入を果たした色素増感剤に、電子を供給でき、色素増感剤を還元できる層であれば良い。電解質層は、更に、電子を失った電解質に、対極の白金触媒層から電子を供給される層であればよい。
液体状の電解質層としては、酸化還元種を含む非水系電解液等があげられる。酸化還元種としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム等のヨウ化物塩とヨウ素の組み合わせ、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム等の臭化物塩と臭素の組み合わせが好ましい。夫々1種単独又は2種類以上の併用でもよい。またDMPII(1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide)、TBP(tert-ブチルピリジン)等を添加してもよい。
溶媒としては、アセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等があげられる。これらの溶媒は、1種単独又は2種を組み合わせて使用してもよい。
セパレータ(スペーサー)及び封止材
色素増感型太陽電池モジュールでは、光電極と対極との接触を防ぐためにセパレータ(スペーサー)を設置することが好ましい。
光電極と対極間に設置するセパレータ(スペーサー)の厚みは、電解液層の厚みを決定する。セパレータ(スペーサー)が薄すぎると、光電極と対極との接触が起きる。
セパレータとしては、電池分野で通常使われる公知のセパレータを用いることができる。セパレータとして、アイオノマー系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム、アクリル系UV硬化樹脂、ガラス材、シラン変性ポリマー、ポリイミド系テープ等を用いることができる。
セパレータの面積についても、特に限定されず、目的とする太陽電池の規模等に応じて適宜設定すればよい。
光電極を構成する透明導電膜ガラスや透明導電性フィルムと対極を構成する透明導電膜ガラスや透明導電性フィルムとの界面は、電解質層を構成する電解液の成分に耐久性がある材料で封止されていることが好ましい。
封止材として、アクリル系UV硬化樹脂、アイオノマー系樹脂フィルム、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ホットメルト系樹脂、シリコーン系エラストマー、ブチルゴム系エラストマー、ガラス材等を用いることができる。アクリル系UV硬化樹脂としては、スリーボンド製のTB3017B、TB3035Bを用いることができる。光電極及び対極の両極間を封止することができる。
光電極と対極を封止する手法としては、前記封止材を、対極と対向する光電極に塗布又は設置し、対極材を設置させた後、封止材を硬化させることによりメインシールする。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールの電解液層は、全ての光電変換素子共通とすることで、色素増感型太陽電池毎に区切る必要が無い。その結果、容易な封止処理が可能なり、光電変換素子の連結数に応じた電流値、電圧値を得ることができる。
ついで電解液注入孔から電解液を注入し、封止材にて電解液注入孔を塞ぎ、硬化させることにてエンドシールを行う。
電解液の注入は毛細管現象を利用した手法にて行うことが好ましい。具体的には、電解液は満たされた容器内にモジュールを浸漬させ、引圧して大気圧に戻すことにより注入する。また、電解液を、ディスペンサを用いて、直接注入してもよい。
(4)集光装置
本色素増感型太陽電池では、集光装置が光電極側に配置されているものである。
光照射手段は、集光装置を介して光電極側から配置されてすることにより、無駄に使用されている光を集光し、高い光電変換効率に相当する高電力が達成される。
集光装置としては、特に限定されるものではないが、ガラス、PMMA(Polymethyl methacrylate)、PET(Polyethylene terephthalate)、PEN(Polyethylene naphthalate)等の透明プラスチックス製のリニアフレネルレンズ等の集光レンズを用いることが好ましい。
色素増感太陽電池に使用されている色素増感剤等の有機物成分は、太陽光に含まれる波長の短い紫外線にて劣化する恐れがある。そのためガラスやPMMA、PET、PEN等の透明プラスチックスのリニアフレネルレンズ等の集光装置を用いることにより、太陽光に含まれる波長の短い紫外線が色素増感太陽電池に入ることを防ぐことが可能である。
色素増感太陽電池に使用されている色素等の有機物成分の劣化が防ぐことができ、色素増感太陽電池の耐久性を向上することができる。
冷却装置
集光装置にて光が収束することにて発生する色素増感太陽電池自身が熱を持つために、色素増感太陽電池の耐久性が損なわれる恐れがあるために、冷却装置を設けることが好ましい。
冷却装置としては、特に制限されるものではないが、太陽光の熱エネルギーを遮断するために、近赤外線遮断フィルターを設けたものや、銅板等の熱伝導率が高い材料等が好ましい。これらの冷却装置を付設することにより、集光装置により収束した光による発熱を防ぐことが可能である。冷却効率を更に高めるには、本発明の色素増感太陽電池の光電極面に2種類以上の熱伝導性の良い材料(アルミニウム、銅板等)を積層させもよい。
(5)色素増感型太陽電池モジュールの製造方法
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、光電極と対極との間にスペーサーを介して、対向配置させて、光電極及び対極間に電解質層を封入する。
光電極と対極を封止する手法としては、前記封止材を、対極と対向する光電極に塗布又は設置し、対極材を設置させた後、封止材を硬化させることによりメインシールする。
電解質層の封入方法は限定的ではない。例えば、対極に注入孔を設け、この注入孔から電解質層を構成する材料を注入する方法が挙げられる。この注入孔は、前記材料の注入を完了した後に、所定の部材や樹脂により塞げばよい(エンドシール)。
また、前記材料の注入の際、前記電解質層がゲル状(ゼリー状、半固体状)の場合には加熱により液化すればよい。
また、前記電解質層が固体状の場合には、例えば、固体電解質を溶解可能な溶媒を用いて固体電解質を溶解した液を調製し注入孔に注入した後、溶媒を除去すればよい。
また夫々の光電極とその対向配置する対極を交互に電気接続することにて、本発明の色素増感太陽電池モジュールを作製することができる。
電気的な接続は、図-1に示す直列接続、又は図-2に示す並列接続、又はその両方が可能である。
前記光電極と対極との電気的な接続は、前記対極と配線されていることが好ましい。
電気接続に用いる材料は、チタン、銅、銀、アルミニウム、白金、タングステン等の線又は箔の群から少なくとも1種類選択された材料を用いるのが好ましい。
直列接続する場合は、光電極と隣接する対極とを電気接続させる。
並列接続する場合は、隣接する光電極同士を接続、また対極同士を接続させる。
光電極と対極との接続線の接着は、導電性を有するものが好ましい。具体的には、ハンダや金属ペーストによる接着が好ましい。また前記接着後、アクリル系UV硬化樹脂等にて強固に固定することが更に好ましい。
色素増感型太陽電池モジュールには、光電極と対極とが電解質層を介して対向配置されており、前記光電極及び対極には、直列接続の図-1並列接続の図-2に示す通り、外部に電気を取り出すための接続部が設けられている。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)光電極の作製
9mm×50 mm、11mm×50 mm、13mm×50 mm、15mm×50mm、20mm×50 mmのFTO(Fluorine Tin Oxide)蒸着ガラス板(旭硝子製)を光電極として用いて、色素増感型太陽電池を作製した。
先ず、上記FTOガラス板を溶剤であるエタノールにて洗浄、乾燥させた。次に、UVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン(株)製)内にて酸素フロー(0.05 MPa,5分間)実施し、次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2 MPa,7.5 min)実施した。
本処理をしたFTOガラス材に、酸化チタン材料(PST-18NR、日揮触媒化成製)を、次の夫々の塗布面積になるようにスキージ法にて塗布した。これを450℃で15分間焼成し、これを膜厚15μmとなるよう、5回コーティングした(半導体層)。その後、450℃で1時間焼成した。
塗布面積:
0.12cm2(0.3 mm×40 mm)
0.2cm2(0.5 mm×40 mm)
0.4cm2(1 mm×40 mm)
0.8cm2(2 mm×40 mm)
1.2cm2(3 mm×40 mm)
2.0cm2(5 mm×40 mm)
4.0cm2(10 mm×40 mm)
これら塗布面積はセルサイズである。
更に、UVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン(株)製)内にて酸素フロー(0.05 MPa,5分間)実施し、次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2 MPa,7.5 min)実施した。
次いで、ルテニウム系色素のN719を0.45 mM(Solaronix製、色素増感剤)とルテニウム系色素のN749を0.15 mM(Solaronix製、色素増感剤)を、tert-ブタノール(t-BuOH)(和光純薬製工業(株)製)及びアセトニトリル(CH3CN)(和光純薬工業(株)製)を含む混合溶液に希釈し、色素溶液を調製した。混合液は、t-BuOH:CH3CN=1:1の混合割合である。
焼成後の金属チタン板を、本色素溶液に40℃にて14時間浸漬し、光電極材料を得た。
ターミナル部位としては、特殊ハンダ セラソルザ#186(黒田テクノ製)にてコーティングした。
(2)対極板の作製
対極としては、FTOガラス板(旭硝子製)を溶剤にてアセトン、エタノールにて洗浄、乾燥させた後、白金を電子ビーム蒸着にて1nm蒸着した。
ターミナル部位としては、特殊ハンダ セラソルザ#186(黒田テクノ製)にてコーティングした。
(3)色素増感型太陽電池の作製
0.01 M I2(ヨウ素)、0.02 M LiI(ヨウ化リチウム)、0.24 M DMPII(1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide)、1.0M TBP(tert-ブチルピリジン)をアセトニトリル中(和光純薬製工業(株)製)に溶解させて、電解液を調製した。調製した電解液を、光電極と対極との隙間に入れた(電解質層)。
次いで、アクリル系UV硬化樹脂TB3035B(スリーボンド製、封止材)を用いて、両極間を封止し、コンベア型UV照射装置(ウシオ電機製、VB-15201BY-A)を用いてUV積算強度40kJ/m2で封止剤を硬化させ、色素増感型太陽電池を作製した。
(4)評価結果
セルサイズ(塗布面積)を変化させた色素増感太陽電池について、光電変換効率の評価を行った結果を表-1に示した。
実施例2
(1)光電極の作製
20mm×50 mmのFTO(Fluorine Tin Oxide)蒸着ガラス板(旭硝子製)を光電極として用いて、色素増感型太陽電池を作製した。
先ず、上記FTOガラス板の中央1mm×50mmを除いたすべての部分にポリイミドテープを貼り、よくこすり付けてマスキングした。次いで、非マスキング面のFTO膜を亜鉛粉末(和光純薬工業製)及び塩酸(和光純薬工業製)にて剥離し、FTO膜を2分割した。
次いで、絶縁処理したFTOガラスを溶剤であるエタノールにて洗浄、乾燥させた。次いで、UVオゾンクリーナー UV253S(フィルジェン(株)製)内にて酸素フロー(0.05 MPa,5分間)実施し、次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2 MPa,7.5 min)実施した。
本処理をしたFTOガラス材に、酸化チタン材料(PST-18NR、日揮触媒化成製)を、2つに分割したFTO膜の夫々に対し、塗布面積(セルサイズ)が0.4cm2(1mm×40 mm)になるようにスキージ法にて塗布した。これを450℃で15分間焼成し、これを膜厚15μmとなるよう5回コーティングした(半導体層)。その後、450℃で1時間焼成した。
更にUVオゾンクリーナー UV253S(フィルジェン(株)製)内にて酸素フロー(0.05 MPa,5分間)実施し、次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2 MPa,7.5 min)実施した。
次いで、ルテニウム系色素のN719を0.45 mM(Solaronix製、色素増感剤)とルテニウム系色素のN749を0.15 mM(Solaronix製、色素増感剤)を、tert-ブタノール(t-BuOH)(和光純薬製工業(株)製)及びアセトニトリル(CH3CN)(和光純薬工業(株)製)を含む混合溶液に希釈し、色素溶液を調製した。混合液は、t-BuOH:CH3CN=1:1の混合割合である。
焼成後の金属チタン板を、本色素溶液に40℃にて14時間浸漬し、光電極材料を得た。
ターミナル部位としては、特殊ハンダ セラソルザ#186(黒田テクノ製)にてコーティングした。
(2)対極板の作製
対極としては、FTO(Fluorine Tin Oxide)蒸着ガラス板(旭硝子製)を溶剤にてアセトン、エタノールにて洗浄、乾燥させた後、白金を電子ビーム蒸着にて1nm蒸着した。
上記対極板を20mmx50mmに切断し、テープでマスキングした後、FTO膜及び白金を亜鉛粉末(和光純薬工業(株製)及び塩酸(和光純薬工業(株製)にて剥離し、絶縁処理した。
ターミナル部位としては、特殊ハンダ セラソルザ#186(黒田テクノ製)にてコーティングした。
(3)色素増感型太陽電池の作製
0.01 M I2(ヨウ素)、0.02 M LiI(ヨウ化リチウム)、0.24 M DMPII(1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide)、1.0M TBP(tert-ブチルピリジン)をアセトニトリル中(和光純薬製工業(株)製)に溶解させて、電解液を調製した。調製した電解液を、光電極と対極との隙間に入れた(電解質層)。
次いで、アクリル系UV硬化樹脂TB3035B(スリーボンド製、封止材)を用いて、両極間を封止し、コンベア型UV照射装置(ウシオ電機製、VB-15201BY-A)を用いてUV積算強度40kJ/m2で封止剤を硬化させた。
最後に、隣り合ったセル同士を直列に接続し、色素増感型太陽電池を作製した。
(4)評価結果
2直列色素増感太陽電池モジュールについて、光電変換効率の評価を行った結果を表-2に示した。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、更にブロック層を有することで、電流値の向上や抵抗値が低下することにて発電量は増加することが期待できる。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールがブロック層を有することで、光電極及び光電極基板界面で、電解液層への電子の漏出を防いだり、電子と色素増感剤との再結合を防いだりすることができるからである。また、ブロック層により、色素から発生した励起電子は、色素が吸着されている多孔質酸化チタン層を通じて、光電極基板に移動する過程において、酸化状態である色素と再結合せず、電解液に接した光電極基板の表面から電解液側に逆電子移動を起こさないからである。
1. 多孔質酸化チタン/色素増感剤
2. ガラス基板
3. 透明導電膜
4. 電気化学的還元触媒層
5. 電解質
6. 電解質注入孔
7. 封止剤
8. スペーサー
9. 接続配線
10. 外部接続配線

Claims (12)

  1. 光電極と対極とが電解質層を介して対向配置された色素増感型太陽電池モジュールであって、
    (1)透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に色素増感剤を含有する酸化チタン層が形成された光電極が2個以上配列されており、
    (2)前記透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、対極と対向する面において、当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、
    (3)対極は、透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルム上に、電気化学的触媒層がコーティングされており、
    (4)前記対極を構成する透明導電膜ガラス又は透明導電膜フィルムは、前記光電極に
    対向する面において、電気化学的触媒層と共に当該透明導電膜がエッチングにより除去されて、絶縁されており、
    (5)前記光電極と対極とは、電気的に接続されており、
    (6)前記光電極及び対極には、外部に電気を取り出すための接続部が設けられている、
    ことを特徴とする色素増感型太陽電池モジュール。
  2. 前記2個以上で配列された光電極と対極との間で、同じ電解質層が使用されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  3. 光電極の幅が、0.1mm〜5mmである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  4. 前記光電極は、対極と対向配置される側に、ブロック層が設けられ、更に当該ブロック層上に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン層が形成されており、
    前記ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成され、必ず該ブロック層の透明導電膜上に酸化アルミニウムの層が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  5. 前記ブロック層は、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層及び酸化ニオブの層からなる群から選ばれる少なくともの2つの層で構成される、
    ことを特徴とする請求項4記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  6. 前記酸化チタン層の形状は、長方形である、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  7. 前記電気化学的還元触媒層は、白金触媒層である、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  8. 前記電解質層を構成する電解液の注入孔が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  9. 前記光電極側の透明導電性ガラス又は透明導電性フィルムは、反射防止膜加工されている、
    ことを特徴とすることを請求項1〜7のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  10. 前記光電極側の透明導電性ガラス又は透明導電性フィルムの光照射面に、更に反射防止フィルムが設けられている、
    ことを請求項1〜9のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  11. 前記光電極側に、更に集光装置が配置されている、
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  12. 更に冷却装置が配置されている、
    ことを特徴とする請求項11に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
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