JP2018072770A - アクティブ消音装置および消音システム - Google Patents
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[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態のアクティブ消音装置の構成を表わす図である。
誤差マイク4は、チューニングステージとコントロールステージに騒音制御箇所以外の場所、たとえば騒音制御箇所CSの近傍に設置されて、制御対象音と制御音とが合成された合成音を集音して、第2誤差信号を出力する。時刻nにおける第2誤差信号をep(n)とする。参照信号x(n)に、伝達関数P(z)で表される伝達特性を作用させた信号をdp(n)とする。制御信号y(n)に、伝達関数S(z)で表される伝達特性を作用させた信号をyp(n)とする。以下の式が成り立つ。
伝達特性模擬フィルタ8は、適応フィルタ6の出力から誤差マイク3の入力までの伝達特性を模擬し、チューニングステージにおいて、参照マイク2から参照信号を受けて第1のフィルタード参照信号を出力する。時刻nにおける第1のフィルタード参照信号をr1(n)とし、模擬した伝達特性ベクトルをSv′とし、時刻nにおける第1のフィルタード参照信号ベクトルをR1(n)としたときに、R1(n)は、X(n)とSv′とによって、以下の式で表される。
切替器12は、チューニングステージにおいて、減算器5から出力される差分信号を第2更新部14へ出力する。切替器12は、コントロールステージにおいて、減算器5から出力される差分信号を切替器11へ出力する。
Dp(z)=P(z)X(z)…(A19)
Y(z)=W(z)X(z)…(A20)
Yh(z)=H(z)X(z)…(A21)
Yv(z)=Sv(z)Y(z)…(A22)
Yp(z)=S(z)Y(z)…(A23)
チューニングステージにおける適応フィルタ6の収束値について説明する。
Ev(z)の2乗をW(z)で偏微分すると、以下の式が成り立つ。
チューニングステージにおける補助フィルタ7の収束値について説明する。
適応フィルタ6のフィルタ係数の更新が収束してW(z)=Wo(z)のときには、Eh(z)は、以下の式で表される。
Eh(z)の2乗をH(z)で偏微分すると、以下の式が成り立つ。
式(A30)に示すように、補助フィルタ7のフィルタ係数には、W(z)の最適値(V(z)/Sv(z))と、参照マイク2の出力から誤差マイク4の入力までの経路における音の伝達特性(P(z))と、適応フィルタ6の出力から誤差マイク4までの経路における音の伝達特性(S(z))との関係を表わす値が設定されるということができる。
Eh(z)の2乗をW(z)で偏微分すると、以下の式が成り立つ。
式(A26)および(A33)からコントロールステージにおけるW(z)の収束値Wc(z)は、チューニングステージにおけるW(z)の収束値Wo(z)と同じ式で与えられる。したがって、コントロールステージにおいても、チューニングステージと同様に、W(z)は、第1誤差信号ev(n)が最小となるような値に収束する。つまり、コントロールステージにおいて、チューニングステージにおいて補助フィルタ7に設定されたフィルタ係数を用いることによって、誤差マイク3を設置しなくても、第1誤差信号ev(n)が最小となるように、適応フィルタ6のフィルタ係数が設定される。
図4は、第2の実施の形態の消音システムの構成を表わす図である。
誤差マイク4aは、制御対象音と、スピーカ21aからの制御音と、スピーカ21bからの制御音とが合成された合成音を集音して、第2誤差信号を出力する。時刻nにおける第2誤差信号をep1(n)とする。参照信号x(n)に、伝達関数P1(z)で表される伝達特性を作用させた信号をdp1(n)とする。適応フィルタ6aから出力される制御信号y1(n)に、伝達関数S11(z)で表される伝達特性を作用させた信号をyp11(n)とする。適応フィルタ6bから出力される制御信号y2(n)に、伝達関数S12(z)で表される伝達特性を作用させた信号をyp12(n)とする。以下の式が成り立つ。
減算器5aは、誤差マイク4aが出力する第2誤差信号から補助フィルタ7aが出力する補助信号を減算して、差分信号を出力する。時刻nにおける補助信号をyh1(n)、差分信号をeh1(n)とすると、以下の関係式が成り立つ。
誤差マイク3bは、制御対象音と、スピーカ21aからの制御音と、スピーカ21bからの制御音とが合成された合成音を集音して、第1誤差信号を出力する。時刻nにおける第1誤差信号をev2(n)とする。参照信号x(n)に、伝達関数V2(z)で表される伝達特性を作用させた信号をdv2(n)とする。適応フィルタ6bから出力される制御信号y2(n)に、伝達関数Sv22(z)で表される伝達特性を作用させた信号をyv22(n)とする。適応フィルタ6aから出力される制御信号y1(n)に、伝達関数Sv21(z)で表される伝達特性を作用させた信号をyv21(n)とする。以下の式が成り立つ。
誤差マイク4bは、制御対象音と、スピーカ21aからの制御音と、スピーカ21bからの制御音とが合成された合成音を集音して、第2誤差信号を出力する。時刻nにおける第2誤差信号をep2(n)とする。参照信号x(n)に、伝達関数P2(z)で表される伝達特性を作用させた信号をdp2(n)とする。適応フィルタ6bから出力される制御信号y2(n)に、伝達関数S22(z)で表される伝達特性を作用させた信号をyp22(n)とする。適応フィルタ6aから出力される制御信号y1(n)に、伝達関数S21(z)で表される伝達特性を作用させた信号をyp21(n)とする。以下の式が成り立つ。
減算器5bは、誤差マイク4bが出力する第2誤差信号から補助フィルタ7bが出力する補助信号を減算して、差分信号を出力する。時刻nにおける補助信号をyh2(n)、差分信号をeh2(n)とすると、以下の関係式が成り立つ。
切替器10aは、チューニングステージにおいて、伝達特性模擬フィルタ8aから出力される第1フィルタード参照信号rv11(n)を第1更新部13aへ送る。切替器10aは、コントロールステージにおいて、伝達特性模擬フィルタ9aから出力される第2フィルタード参照信号r11(n)を第1更新部13aへ送る。切替器110aは、チューニングステージにおいて、伝達特性模擬フィルタ108aから出力される第3フィルタード参照信号rv21(n)を第1更新部13aへ送る。切替器110aは、コントロールステージにおいて、伝達特性模擬フィルタ109aから出力される第4フィルタード参照信号r21(n)を第1更新部13aへ送る。
誤差マイク3a,3bから出力される第1誤差信号ev1(n),ev2(n)のz変換をEv1(z),Ev2(z)、誤差マイク4a,4bから出力される第2誤差信号ep1(n),ep2(n)のz変換をEp1(z),Ep2(z)とする。減算器5a,5bから出力される差分信号eh1(n),eh2(n)のz変換をEh1(z),Eh2(z)とする。
以下の関係式が成り立つ。
Ev2(z)={V2(z)-Sv22(z)W2(z)-Sv21(z)W1(z)}X(z)…(B26)
さらに、以下の式が成り立つ。
Eh2(z)=Ep2(z)-H2(z)X(z)={P2(z)-S22(z)W2 o (z)-S21(z)W1 o(z)-H2(z)}X(z)…(B34)
さらに、以下の式が成り立つ。
Claims (4)
- チューニングステージと、コントロールステージとで動作するアクティブ消音装置であって、
1次音源から発せられた制御対象音を集音し参照信号を出力する第1マイクと、
前記参照信号に基づいて、前記制御対象音を制御する制御信号を出力する第1フィルタと、
前記制御信号に基づいて、前記制御対象音を打ち消す制御音を発音する2次音源と、
前記チューニングステージに騒音制御箇所に設置され、前記制御対象音と前記制御音とが合成された合成音を集音して、第1誤差信号を出力する第2マイクと、
前記チューニングステージと前記コントロールステージに前記騒音制御箇所以外の箇所に設置されて、前記制御対象音と前記制御音とが合成された合成音を集音して、第2誤差信号を出力する第3マイクと、
前記チューニングステージにおいて、前記第1フィルタが最適値に収束した後の前記第2誤差信号を用いて、前記第1フィルタの最適値と、前記第1マイクの出力から前記第3マイクの入力までの伝達特性と、前記第1フィルタの出力から前記第3マイクの入力までの伝達特性との関係を表わす値が設定されるフィルタ係数を有する第2フィルタと、
前記チューニングステージにおいて、前記第1誤差信号を用いて前記第1フィルタのフィルタ係数を更新し、前記コントロールステージにおいて、前記第2誤差信号と前記第2フィルタの出力信号とを用いて、前記第1フィルタのフィルタ係数を更新する更新部とを備えた、アクティブ消音装置。 - チューニングステージと、コントロールステージとで動作するアクティブ消音装置であって、
1次音源から発せられた制御対象音を集音し参照信号を出力する第1マイクと、
前記参照信号に基づいて、前記制御対象音を制御する制御信号を出力する第1フィルタと、
前記参照信号を受けて、補助信号を出力する第2フィルタと、
前記制御信号に基づいて、前記制御対象音を打ち消す制御音を発音する2次音源と、
前記チューニングステージに騒音制御箇所に設置され、前記制御対象音と前記制御音とが合成された合成音を集音して、第1誤差信号を出力する第2マイクと、
前記チューニングステージと前記コントロールステージに前記騒音制御箇所以外の箇所に設置されて、前記制御対象音と前記制御音とが合成された合成音を集音して、第2誤差信号を出力する第3マイクと、
前記第1フィルタの出力から前記第2マイクまでの伝達特性を模擬し、前記チューニングステージにおいて、前記参照信号を受けて第1のフィルタード参照信号を出力する第3フィルタと、
前記第1フィルタの出力から前記第3マイクまでの伝達特性を模擬し、前記コントロールステージにおいて、前記参照信号を受けて第2のフィルタード参照信号を出力する第4フィルタと、
前記チューニングステージにおいて、前記第1のフィルタード参照信号と前記第1誤差信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第1フィルタのフィルタ係数を更新し、前記コントロールステージにおいて、前記第2のフィルタード参照信号と、前記第2誤差信号と前記補助信号との差分を表わす差分信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第1フィルタのフィルタ係数を更新する第1更新部と、
前記チューニングステージにおいて、前記参照信号と、前記差分信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第2フィルタのフィルタ係数を更新する第2更新部とを備えた、アクティブ消音装置。 - チューニングステージと、コントロールステージとで動作する消音システムであって、
1次音源から発せられた制御対象音を集音し参照信号を出力する第1マイクと、
第1の消音装置と第2の消音装置とを備え、
前記第1の消音装置と前記第2の消音装置の各々は、
前記参照信号に基づいて、前記制御対象音を制御する制御信号を出力する第1フィルタと、
前記参照信号を受けて、補助信号を出力する第2フィルタと、
前記制御信号に基づいて、前記制御対象音を打ち消す制御音を発音する2次音源と、
前記チューニングステージに騒音制御箇所に設置され、前記制御対象音と前記制御音とが合成された合成音を集音して、第1誤差信号を出力する第2マイクと、
前記チューニングステージと前記コントロールステージに前記騒音制御箇所以外の箇所に設置されて、前記制御対象音と前記制御音とが合成された合成音を集音して、第2誤差信号を出力する第3マイクと、
前記第1フィルタの出力から前記第2マイクまでの伝達特性を模擬し、前記チューニングステージにおいて、前記参照信号を受けて第1のフィルタード参照信号を出力する第3フィルタと、
前記第1フィルタの出力から前記第3マイクまでの伝達特性を模擬し、前記コントロールステージにおいて、前記参照信号を受けて第2のフィルタード参照信号を出力する第4フィルタと、
前記チューニングステージにおいて、前記第1のフィルタード参照信号と前記第1誤差信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第1フィルタのフィルタ係数を更新し、前記コントロールステージにおいて、前記第2のフィルタード参照信号と、前記第2誤差信号と前記補助信号との差分を表わす差分信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第1フィルタのフィルタ係数を更新する第1更新部と、
前記チューニングステージにおいて、前記参照信号と、前記差分信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第2フィルタのフィルタ係数を更新する第2更新部とを備え、
前記第1の消音装置の前記第2マイクは、前記チューニングステージに第1の騒音制御箇所に設置され、前記第2の消音装置の前記第2マイクは、前記チューニングステージに第2の騒音制御箇所に設置され、
前記第1の消音装置は、さらに、
前記第1の消音装置の前記第1フィルタの出力から前記第2の消音装置の前記第2マイクまでの伝達特性を模擬し、前記チューニングステージにおいて、前記参照信号を受けて第3のフィルタード参照信号を出力する第5フィルタと、
前記第1の消音装置の前記第1フィルタの出力から前記第2の消音装置の前記第3マイクまでの伝達特性を模擬し、前記コントロールステージにおいて、前記参照信号を受けて第4のフィルタード参照信号を出力する第6フィルタとを備え、
前記第1の消音装置の前記第1更新部は、前記チューニングステージにおいて、前記第1の消音装置の前記第3フィルタから出力される前記第1のフィルタード参照信号と、前記第1の消音装置の前記第5フィルタから出力される前記第3のフィルタード参照信号と、前記第1の消音装置の前記第1誤差信号と、前記第2の消音装置の前記第1誤差信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第1の消音装置の前記第1フィルタのフィルタ係数を更新し、
前記コントロールステージにおいて、前記第1の消音装置の前記第4フィルタから出力される前記第2のフィルタード参照信号と、前記第1の消音装置の前記第6フィルタから出力される前記第4のフィルタード参照信号と、前記第1の消音装置の前記差分信号と、前記第2の消音装置の前記差分信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第1の消音装置の前記第1フィルタのフィルタ係数を更新する、消音システム。 - 前記第2の消音装置は、さらに、
前記第2の消音装置の前記第1フィルタの出力から前記第1の消音装置の前記第2マイクまでの伝達特性を模擬し、前記チューニングステージにおいて、前記参照信号を受けて第3のフィルタード参照信号を出力する第5フィルタと、
前記第2の消音装置の前記第1フィルタの出力から前記第1の消音装置の前記第3マイクまでの伝達特性を模擬し、前記コントロールステージにおいて、前記参照信号を受けて第4のフィルタード参照信号を出力する第6フィルタとを備え、
前記第2の消音装置の前記第1更新部は、前記チューニングステージにおいて、前記第2の消音装置の前記第3フィルタから出力される前記第1のフィルタード参照信号と、前記第2の消音装置の前記第5フィルタから出力される前記第3のフィルタード参照信号と、前記第2の消音装置の前記第1誤差信号と、前記第1の消音装置の前記第1誤差信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第2の消音装置の前記第1フィルタのフィルタ係数を更新し、
前記コントロールステージにおいて、前記第2の消音装置の前記第4フィルタから出力される前記第2のフィルタード参照信号と、前記第2の消音装置の前記第6フィルタから出力される前記第4のフィルタード参照信号と、前記第2の消音装置の前記差分信号と、前記第1の消音装置の前記差分信号とに基づいて、LMSアルゴリズムに従って、前記第2の消音装置の前記第1フィルタのフィルタ係数を更新する、請求項3記載の消音システム。
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