JP2018071509A - キャニスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着材層の長さLと有効断面直径Dとの比(L/D)を大きく設定してDBL性能を向上させると同時に、通気抵抗により燃料タンク等に過大な負圧が作用しないようにする。【解決手段】キャニスタは、複数の吸着材室が一連の流路を構成するように順次接続されており、それぞれに吸着材が充填されている。ドレンポート側に設けられたドレン側カートリッジ31には、第3吸着材室38とバイパス通路41とが並列に構成され、バイパス通路41に、第1バイパス弁45と第2バイパス弁46を一体化したバルブユニット44が装填されている。パージ時にガス流量が大となると第2バイパス弁46が開き、通気抵抗が抑制される。【選択図】図4

Description

この発明は、自動車の蒸発燃料処理装置に用いられるキャニスタに関し、特に、DBL(Diurnal Breathing Loss)性能の向上を図ったキャニスタに関する。
周知のように、内燃機関を用いた自動車では、燃料タンク内の蒸発燃料が大気に放出されるのを抑制するために、キャニスタを主体とした蒸発燃料処理装置を備えている。
キャニスタは、ケーシング内に活性炭等の吸着材を充填したものであって、給油時や停車中に燃料タンク内から発生する蒸発燃料を吸着材に吸着させる一方、内燃機関稼働時にドレンポートから導入した大気により吸着材から燃料成分を脱離(パージ)させて、内燃機関の吸気系に吸入させる構成となっている。
自動車用内燃機関に関連した排気規制は年々厳しくなる傾向にあり、蒸発燃料処理装置におけるキャニスタにあっては、より高いDBL性能が要求されている。なお、DBL試験は、1昼夜のような長時間の駐車を想定し、その間の外気温の温度変化に伴ってキャニスタから排出される燃料成分の量を測定するものである。
一方、内燃機関が一時的に稼動されるハイブリッド車両などにあっては、キャニスタをパージできる機会ならびにパージに利用できるガス量(ドレンポートからの大気導入量)の双方が少なくなる傾向となり、キャニスタに要求される条件はますます厳しいものとなっている。
DBL試験等においてキャニスタのドレンポートから漏れ出すブタン等の燃料成分を低減するためには、吸着材層の長さLと有効断面直径(等価直径)Dとの比(L/D)を大きく設定することが有効であることが知られている。しかし、この比(L/D)を大きくすると、同時にキャニスタの通気抵抗ないし圧力損失が増加し、燃料タンクへの給油性が悪化する。
特許文献1には、一般的なキャニスタのドレンポートと大気との間にさらに付加的に設けられるトラップキャニスタにおいて、トラップキャニスタの入口側と出口側とを連通させるバイパス通路を設け、このバイパス通路に、給油時に開くダイアフラム弁を設けた構成が開示されている。このものでは、給油時にバイパス通路が連通状態となることで、トラップキャニスタによる圧力損失が低下し、給油性が向上する。
特開2013−217244号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、給油時にチャージポートからドレンポートを通してトラップキャニスタへと流れる方向の圧力損失低減のみが考慮されており、逆方向へ流れる際には、高い圧力損失がそのまま維持される構成となっている。
従って、内燃機関稼働時に吸気系で生じた負圧がキャニスタおよび燃料タンクの双方へ作用したときに、キャニスタ側の通気抵抗が高いことからパージ空気の流量が減少し、結果として、燃料タンクに作用する負圧が過大になる、という問題がある。このような燃料タンクにおける過大な負圧は、燃料タンクの変形やシール性の低下等の要因となる。
この発明は、一連の流路を構成するように順次接続された複数の吸着材室が合成樹脂製ケース内に形成され、各吸着材室に吸着材がそれぞれ配置されるとともに、流路の一方の端部にチャージポートおよびパージポートが設けられ、かつ他方の端部にドレンポートが設けられてなるキャニスタにおいて、
上記ケースに、上記ドレンポートに最も近い吸着材室と並列にバイパス通路が形成されており、
このバイパス通路内に、第1の圧力差で開いて上記チャージポート側から上記ドレンポート側へ向かう流れを許容する第1バイパス弁と、逆向きの第2の圧力差で開いて上記ドレンポート側から上記パージポート側へ向かう流れを許容する第2バイパス弁と、が配置されている、ことを特徴としている。
このような構成では、通常は第1バイパス弁および第2バイパス弁が閉じており、ドレンポートから流れ出るガスはドレンポートに最も近い吸着材室をも通過するので、DBL試験等においてドレンポートから漏れ出す燃料成分が少なくなる。
これに対し、例えば給油時にチャージポート側からドレンポート側へガスが流れようとしたときに、吸着材室の圧力損失によってバイパス通路前後の圧力差が第1の圧力差を上回ると、第1バイパス弁が開き、ガスがバイパス通路を流れる。そのため、給油性の悪化が回避される。
また、例えば内燃機関稼働時に吸気系の負圧がパージポートに作用し、ドレンポート側からパージポート側へガスが流れようとしたときに、吸着材室の圧力損失によってバイパス通路前後の圧力差が第2の圧力差を上回ると、第2バイパス弁が開き、ガスがバイパス通路を流れる。そのため、内燃機関とキャニスタとの間のパージ系統に過大な負圧が作用することがない。従って、例えばパージ系統に燃料タンクが常時連通している場合に、燃料タンクの変形等の懸念がない。
そして、この発明では、ケース内に形成される1つのバイパス通路に第1バイパス弁と第2バイパス弁の双方が設けられるので、構成が簡素となる。
具体的な一つの態様では、上記第1バイパス弁および上記第2バイパス弁が、上記バイパス通路に装填された1つのバルブユニットとして構成されており、このバルブユニットは、
底壁に一対の略半円形の開口部が設けられたカップ状のバルブケースと、
上記底壁の一方の面および他方の面にそれぞれ回動可能に支持され、上記第1,第2バイパス弁として上記開口部をそれぞれ開閉する第1,第2フラップ弁と、
上記第1,第2フラップ弁にそれぞれ異なる開弁圧を付与する第1,第2ばね部材と、
から構成されている。
また具体的な他の一つの態様では、上記バイパス通路を横切るように隔壁が設けられており、
上記第1バイパス弁は、上記隔壁の周囲に複数開口形成された連通孔を上記ドレンポート側から覆う傘形断面形状を有する環状の逆止弁からなり、
上記第2バイパス弁は、上記隔壁の中央部に取り付けられたバルブキャップと、このバルブキャップ内に保持されて該バルブキャップの中央の開口部を開閉する弁体と、この弁体を閉方向に付勢するコイルスプリングと、から構成されている。
また、望ましい一つの態様では、上記ケースの上記ドレンポート側の領域に、一対の流路が並列に成形されてなる合成樹脂製のドレン側カートリッジが装填されており、一方の流路が上記ドレンポートに最も近い吸着材室を構成し、他方の流路が上記バイパス通路を構成している。従って、バイパス通路の形成ならびに第1,第2バイパス弁の組付が容易となる。
さらに、望ましい一つの態様では、複数の吸着材室は、各々の等価直径が、上記ドレンポートに近い吸着材室ほど小さくなるように構成されており、等価直径が最も小さな吸着材室と並列に上記バイパス通路が設けられている。これにより、DBL性能の向上と給油時ならびに内燃機関稼働時の圧力損失低減とがより高いレベルで両立する。
この発明によれば、チャージポート側からドレンポート側へ向かう流れおよびドレンポート側からパージポート側へ向かう流れの双方について、第1バイパス弁および第2バイパス弁の作用により過度の圧力損失の発生を回避することができる。従って、吸着材層の長さLと有効断面直径Dとの比(L/D)を大きく設定することが可能であり、DBL性能の向上が図れる。
一実施例のキャニスタの斜視図。 図1のA−A線に沿った断面図。 図2のB−B線に沿った断面図。 ドレン側カートリッジの図3と同様の断面図。 ドレン側カートリッジの斜視図。 バルブユニットの斜視図。 フラップ弁の斜視図。 第2実施例を示すドレン側カートリッジの断面図。 図8の要部の拡大断面図。 第2実施例の逆止弁およびバルブキャップを示す斜視図。 比(L/D)とDBL試験での漏れ量との関係を示した特性図。 比(L/D)を大きく設定した場合の通気抵抗と流量との関係を、比較例と実施例とで対比して示した特性図。 ドレン側カートリッジのバイパス率と漏れ量および通気抵抗との関係を示した特性図。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、キャニスタ1は、合成樹脂製のケース2を有し、このケース2は、一端が開口するボディ3と、このボディ3の開口端に取り付けられるキャップ4と、から構成されている。
ボディ3は、一端部にパージポート5とチャージポート6とが隣接して設けられた細長い角筒状の第1筒状部7と、一端部にドレンポート8が設けられた細長い角筒状の第2筒状部9と、を有し、これら2つの筒状部7,9が僅かな間隙を介して互いに隣接して配置されているとともに、互いに一体に連結されている。第1筒状部7および第2筒状部9の他方の端部はそれぞれ開口しており、上述のキャップ4がこれらの開口を覆うことで、ケース2内部に接続路18(図2参照)が構成されている。
第1筒状部7の内部は、燃料成分の吸着・脱離が可能な粒状の吸着材11(例えば活性炭)が充填された第1吸着材室12となっている。詳しくは、第1筒状部7の一端部に、パージポート5との間を仕切る通気性を有する第1スクリーン部材14ならびにチャージポート6との間を仕切る通気性を有する第2スクリーン部材15が設けられているとともに、他端部に、接続路18との間を仕切る通気性を有する第3スクリーン部材17が設けられており、これらの第1,第2スクリーン部材14,15と第3スクリーン部材17との間の容積が第1吸着材室12となる。第3スクリーン部材17は通気性を有する多孔板20によって支持されており、この多孔板20とキャップ4底面との間に、スプリング19が圧縮状態で配設されている。このスプリング19の付勢力でもって第1吸着材室12内の吸着材11が所定の充填状態に保持されている。
なお、第1吸着材室12の端部における第1スクリーン部材14側の領域(つまりパージポート5に対応する領域)と第2スクリーン部材15側の領域(つまりチャージポート6に対応する領域)とは、第1筒状部7の端部から第1吸着材室12内へと僅かに突出した仕切壁16によって仕切られている。
第2筒状部9の内部は、キャップ4側(接続路18側)に位置する第1領域9Aとドレンポート8側に位置する第2領域9Bとを有し、第1領域9Aは、第1吸着材室12と同様に粒状の吸着材11が充填された第2吸着材室13となっている。詳しくは、第2筒状部9の中間部に、第2領域9Bとの間を仕切る通気性を有する第4スクリーン部材21が設けられているとともに、他端部に、接続路18との間を仕切る通気性を有する第5スクリーン部材22が設けられており、これらの第4スクリーン部材21と第5スクリーン部材22との間の容積が第2吸着材室13となる。第5スクリーン部材22は通気性を有する多孔板24によって支持されており、この多孔板24とキャップ4底面との間にスプリング23が圧縮状態で配設されている。このスプリング23の付勢力でもって第2吸着材室13内の吸着材11が所定の充填状態に保持されている。
なお、スクリーン部材14,15,17,21,22は、例えば、不織布やウレタンフォーム等から構成されている。
上記第3スクリーン部材17とキャップ4底面との間の空間および上記第5スクリーン部材22とキャップ4底面との間の空間は、実質的に一つの空間をなすように互いに連通しており、これによって、第1吸着材室12と第2吸着材室13とを流路として直列に接続する接続路18が構成されている。換言すれば、第3スクリーン部材17ならびに第5スクリーン部材22とキャップ4との間の空間が接続路18となっている。
第2筒状部9の第2領域9Bつまり第4スクリーン部材21とドレンポート8との間の空間には、図4および図5にも示すように、ボディ3とは別に成形された合成樹脂製のドレン側カートリッジ31が装填されている。ドレン側カートリッジ31は、図5に示すように、並列に配置された一対の円筒部32,33と、これら2つの円筒部32,33を互いに連結するように円筒部32,33の各端部に設けられたフランジ部34,35と、が一体に成形されたものであって、一方のフランジ部34には、ボディ3内周面との間をシールする環状のシール部材42が付加されており、他方のフランジ部35には、第2のフランジ部材43が重ねられている。
円筒部32,33は、それぞれ図3に示すように内部の流路36,37を構成している。これら一対の流路36,37は、フランジ部34とフランジ部35との間で並列に延びている。また端部のフランジ部34およびフランジ部35の内側において、2つの流路36,37は互いに一体に合流している。換言すれば、一対の流路36,37は、いずれも一端部において第2吸着材室13の端部に連通しており、他端部においてドレンポート8に連通している。なお、2つの円筒部32,33の内径(つまり2つの流路36,37の等価直径)は互いに等しい。
ここで、円筒部32が構成する一方の流路36は、第1吸着材室12や第2吸着材室13と同様に粒状の吸着材11が充填された第3吸着材室38となっている。詳しくは、円筒部32の両端部にそれぞれウレタンフォーム等からなる通気性を有する第6スクリーン部材39および第7スクリーン部材40が設けられており、これらの第6スクリーン部材39と第7スクリーン部材40との間の容積が第3吸着材室38となる。
従って、キャニスタ1全体としては、流路一端のパージポート5ならびチャージポート6から流路他端のドレンポート8へと続くUターン形状の一連の流路を構成するように、第1吸着材室12と第2吸着材室13と第3吸着材室38とが順次接続されている。また、各吸着材室12,13,38の等価直径(有効断面直径D)としては、パージポート5ならびにチャージポート6に近い第1吸着材室12の等価直径が最も大きく、ドレンポート8に近い第3吸着材室38の等価直径が最も小さく、両者間の第2吸着材室13の等価直径は両者の中間となっている。換言すれば、チャージポート6からドレンポート8へ向かうガスの流れを基準としたときに、下流側の吸着材室ほど等価直径が小さくなっている。特に、最下流となる第3吸着材室38の等価直径は比較的に小さく、従って、キャニスタ1全体として、吸着材層の長さLと有効断面直径Dとの比(L/D)が大きなものとなっている。
なお、上記チャージポート6は、図示せぬ車両の燃料タンクの上部空間にチャージ通路を介して接続され、上記パージポート5は、図示せぬ内燃機関の吸気通路(詳しくはスロットル弁下流側)にパージ通路を介して接続されるものである。上記パージ通路には、パージ制御弁が介装され、運転条件に応じてその開度が制御される。また、ドレンポート8は、大気に開放されるものであるが、必要に応じて、ドレンポート8に接続される大気通路に図示せぬ電磁弁が付加される場合もある。
一方、ドレン側カートリッジ31の他方の円筒部33が構成する流路37は、第3吸着材室38と並列にガスが通流し得るバイパス通路41となっている。このバイパス通路41には、チャージポート6からドレンポート8へ向かう方向のガスの流れを制御する第1バイパス弁45と、ドレンポート8からパージポート5へ向かう逆方向のガスの流れを制御する第2バイパス弁46と、を一体に備えたバルブユニット44が装填されている。
図6は、バルブユニット44を示している。このバルブユニット44は、バイパス通路41(流路37)を横切る底壁48aおよび円筒壁48bが一体となったカップ状に合成樹脂にて成形されたバルブケース48を有している。ドレン側カートリッジ31の円筒部33の内周面に嵌合する円筒壁48bの外周面には、円筒部33との間をシールするシールリング47が装着されている。上記底壁48aには、一対の略半円形の開口部49,50(図4参照)が開口形成されており、各々の開口部49,50をそれぞれ開閉する略半円形の第1,第2フラップ弁51,52を備えている。
第1フラップ弁51は、第1バイパス弁45を構成するものであり、底壁48aの直径線に沿って設けられた回転軸53を中心として回動するようにバルブケース48に支持されている。特に、この第1フラップ弁51は、底壁48aの外側面つまりドレンポート8側の面の上に軸受部55を介して回動可能に支持されている。そして、回転軸53に装着された第1トーションスプリング57(第1ばね部材)によって、第1フラップ弁51は、常に閉方向に付勢されている。第1フラップ弁51は、例えば合成樹脂にて成形されており、周縁部に、開口部49の周囲に接するシール部材59を備えている。
第2フラップ弁52は、第2バイパス弁46を構成するものであり、基本的な構成は第1フラップ弁51と同様である。すなわち、図7に示すように、底壁48aの直径線に沿って設けられた回転軸54を中心として回動するようにバルブケース48に支持されている。特に、この第2フラップ弁52は、底壁48aの内側面つまり第2吸着材室13側の面の上に軸受部(図示せず)を介して回動可能に支持されている。そして、回転軸54に装着された第2トーションスプリング58(第2ばね部材)によって、第2フラップ弁52は、常に閉方向に付勢されている。第1フラップ弁51と同様に、第2フラップ弁52の周縁部にはシール部材60が取り付けられている。
ここで、第1トーションスプリング57のばね力と第2トーションスプリング58のばね力とは、互いに異なるものとなっている。具体的には、第1フラップ弁51の開弁圧に比較して第2フラップ弁52の開弁圧が高くなるように、各々のばね力が設定されている。
例えば、キャニスタ1全体のガスの流量として、チャージポート6からドレンポート8へ向けて0.1L/min以下の流量でガスが流れるときには、第1フラップ弁51(第1バイパス弁45)は閉状態を維持する。従って、自動車の停車中などに燃料タンクからキャニスタ1へ流れ込んだ燃料成分を含むガスは、第1吸着材室12および第2吸着材室13を経て最終的に第3吸着材室38を通過し、ドレンポート8から流れ出る。DBL試験においても、ドレンポート8から出るガスは、全て第3吸着材室38を通過する。従って、実質的に上述した比(L/D)が大きなキャニスタ1が構成されることとなり、例えばDBL試験において検出される漏れ量(Bleed EM)が少なくなる。
図11は、比(L/D)とDBL試験における漏れ量(Bleed EM)との相関を示した特性図であり、パージ時のパージ空気量を、200L、300L、400Lとしたときの特性をそれぞれ示している。これらの特性に示すように、比(L/D)を大きくすることで漏れ量は少なくなり、特にパージ空気量が200Lのように少ない場合に、比(L/D)を大きくすることが有効である。
一方、チャージポート6からドレンポート8へ向かうガス流量が0.1L/minを越えると、第3吸着材室38の通気抵抗により生じる前後の圧力差によって、第1トーションスプリング57のばね力に抗して第1フラップ弁51(第1バイパス弁45)が開弁する。これにより、チャージポート6からドレンポート8へ向かうガスの一部あるいは大部分がバイパス通路41を通ることとなり、ドレン側カートリッジ31全体ひいてはキャニスタ1全体での通気抵抗が抑制される。従って、例えば、給油時に燃料タンクから押し出されてくるガスの流れに対し過大な通気抵抗を与えることがなく、給油性の悪化が回避される。
第2フラップ弁52(第2バイパス弁46)は、逆にドレンポート8からパージポート5へと向かうガスの流れによって押し開かれるが、ガス流量が例えば20L/min以下では、第2フラップ弁52(第2バイパス弁46)は閉状態を維持する。従って、例えば内燃機関の稼働中にドレンポート8から取り込まれた外気は、全量が第3吸着材室38を通過し、第3吸着材室38の吸着材11から燃料成分が確実にパージされる。
ドレンポート8からパージポート5へと向かうガス流量が20L/minを越えると、第3吸着材室38の通気抵抗により生じる前後の圧力差によって、第2トーションスプリング58のばね力に抗して第2フラップ弁52(第2バイパス弁46)が開弁する。これにより、ドレンポート8からパージポート5へと向かうガスの一部がバイパス通路41を通ることとなり、ドレン側カートリッジ31全体ひいてはキャニスタ1全体での通気抵抗が抑制される。従って、例えば、燃料タンクに過大な負圧が作用することが防止され、燃料タンクの変形やシール性の低下が回避される。ドレン側カートリッジ31全体の通気抵抗としては、ガス流量が60L/minであるときに0.5kPa程度であることが望ましい。
なお、上述した第1バイパス弁45および第2バイパス弁46の開弁特性の設定は、あくまでも一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
図12の特性図は、第3吸着材室38の比(L/D)を「3」と大きく設定した場合の通気抵抗と流量(ドレンポート8からパージポート5へと向かうガス流量)との関係を示しており、バイパス通路を具備しない比較例の特性と、バイパス通路41を有する上記の実施例の特性と、を対比して示している。比(L/D)が「3」程度に大きいと、破線の比較例に示すように、流量の増加に伴って通気抵抗(圧力損失)が急激に増加する。従って、一般には、比(L/D)を「1〜1.5」程度にせざるを得ない。これに対し、上記実施例では、一部のガスが第2バイパス弁46を介してバイパス通路41を通流することにより、通気抵抗(圧力損失)の増加が抑制される。従って、比(L/D)を「3」程度にまで設定することが可能である。
なお、ドレンポート8からパージポート5へと向かうガスの流れに対する第2バイパス弁46の開弁特性は、キャニスタ1全体としてのDBL試験における漏れ量(Bleed EM)が逆に悪化しないように設定する必要がある。図13は、パージ時のガスの流れの中でバイパス通路41を流れる流量の割合を「バイパス率」として、DBL試験における漏れ量とドレン側カートリッジ31全体の通気抵抗(圧力損失)との相関を示した特性図である。この図に示すように、バイパス率が高いほど通気抵抗が低下するが、その反面、パージ空気の一部がバイパスすることからDBL試験における漏れ量は増加傾向となる。但し、DBL試験における漏れ量は、前述したように比(L/D)を大きく設定することで減少傾向となる。従って、比(L/D)ならびに第2バイパス弁46の開弁特性を適切に設定することで、過大な通気抵抗を回避しつつ漏れ量を低減することが可能である。
上記実施例では、第1バイパス弁45と第2バイパス弁46とをバルブユニット44として一体化し、このバルブユニット44をバイパス通路41に装填する構成であるので、組立が容易となる。またバイパス通路41と第3吸着材室38とが、ドレン側カートリッジ31として、ボディ3とは別部品に構成されているので、例えばドレン側カートリッジ31の変更のみで、バイパス通路41を具備する形式のキャニスタ1とバイパス通路41を具備しない形式(例えば一対の円筒部32,33の双方を吸着材室とした形式)のキャニスタ1を提供することが可能となる。
次に、図8〜図10に基づいて、バイパス通路41における第1バイパス弁45および第2バイパス弁46の構成を変更した第2実施例を説明する。
この第2実施例においては、バイパス通路41の中間部において該バイパス通路41を横切る隔壁71が円筒部33と一体に成形されている。隔壁71は、中心部に、ドレンポート8側へ向かって円筒状に立ち上がったバルブ支持部72を有し、このバルブ支持部72よりも外周側となる周囲の複数箇所に、円弧形に細長く延びた連通孔73が開口形成されている。
第1バイパス弁45は、上記連通孔73をドレンポート8側から覆う傘形断面形状を有する環状の逆止弁74から構成されている。この逆止弁74は、適宜な硬度を有するゴムから一体に成形されたものであって、円環の内周側に設けられた保持リップ75が上記バルブ支持部72の外周面に密に嵌合することによって、バルブ支持部72に取り付けられている。そして、外周側へ傘状に延びたメインシールリップ76が隔壁71のドレンポート8側の面に接している。
従って、前後の圧力差が小さい状態では、メインシールリップ76が連通孔73を閉塞している。そして、チャージポート6からドレンポート8へ向かうガスの流れによって所定の圧力差が生じると、メインシールリップ76が隔壁71から離れ、バイパス通路41を通る流れが許容される。
第2バイパス弁46は、上記バルブ支持部72の先端部に取り付けられた有底円筒状のバルブキャップ81と、このバルブキャップ81の内部つまり該バルブキャップ81の頂部壁82とバルブ支持部72との間に保持された円盤状の弁体83と、この弁体83を閉方向に付勢するコイルスプリング84と、から構成されている。上記バルブキャップ81の頂部壁82の中央には円形の開口部85が開口形成されており、弁体83の頂面がこの開口部85を開閉する。コイルスプリング84は、バルブ支持部72の中に十字形に形成されたスプリング支持梁86と弁体83との間に圧縮状態で配設されている。弁体83の外周面とバルブキャップ81内周面との間には、通路となる間隙87が設けられており、また、十字形をなすスプリング支持梁86の間には通路となる開口部88がそれぞれ開口している。
従って、前後の圧力差がコイルスプリング84により設定される開弁圧以下の状態では、弁体83が開口部85を閉塞している。そして、ドレンポート8からパージポート5へと向かうガスの流れによって所定の圧力差が生じると、弁体83が開口部85を開放し、バイパス通路41を通る流れが許容される。開口部85から流入したガスは、弁体83とバルブキャップ81内周面との間の間隙87を通り、さらに、スプリング支持梁86の間の開口部85を通って、第2吸着材室13側へと流れる。
1…キャニスタ
2…ケース
3…ボディ
4…キャップ
5…パージポート
6…チャージポート
8…ドレンポート
12…第1吸着材室
13…第2吸着材室
31…ドレン側カートリッジ
32,33…円筒部
38…第3吸着材室
41…バイパス通路
44…バルブユニット
45…第1バイパス弁
46…第2バイパス弁

Claims (5)

  1. 一連の流路を構成するように順次接続された複数の吸着材室が合成樹脂製ケース内に形成され、各吸着材室に吸着材がそれぞれ配置されるとともに、流路の一方の端部にチャージポートおよびパージポートが設けられ、かつ他方の端部にドレンポートが設けられてなるキャニスタにおいて、
    上記ケースに、上記ドレンポートに最も近い吸着材室と並列にバイパス通路が形成されており、
    このバイパス通路内に、第1の圧力差で開いて上記チャージポート側から上記ドレンポート側へ向かう流れを許容する第1バイパス弁と、逆向きの第2の圧力差で開いて上記ドレンポート側から上記パージポート側へ向かう流れを許容する第2バイパス弁と、が配置されている、
    ことを特徴とするキャニスタ。
  2. 上記第1バイパス弁および上記第2バイパス弁が、上記バイパス通路に装填された1つのバルブユニットとして構成されており、このバルブユニットは、
    底壁に一対の略半円形の開口部が設けられたカップ状のバルブケースと、
    上記底壁の一方の面および他方の面にそれぞれ回動可能に支持され、上記第1,第2バイパス弁として上記開口部をそれぞれ開閉する第1,第2フラップ弁と、
    上記第1,第2フラップ弁にそれぞれ異なる開弁圧を付与する第1,第2ばね部材と、
    から構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のキャニスタ。
  3. 上記バイパス通路を横切るように隔壁が設けられており、
    上記第1バイパス弁は、上記隔壁の周囲に複数開口形成された連通孔を上記ドレンポート側から覆う傘形断面形状を有する環状の逆止弁からなり、
    上記第2バイパス弁は、上記隔壁の中央部に取り付けられたバルブキャップと、このバルブキャップ内に保持されて該バルブキャップの中央の開口部を開閉する弁体と、この弁体を閉方向に付勢するコイルスプリングと、から構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のキャニスタ。
  4. 上記ケースの上記ドレンポート側の領域に、一対の流路が並列に成形されてなる合成樹脂製のドレン側カートリッジが装填されており、一方の流路が上記ドレンポートに最も近い吸着材室を構成し、他方の流路が上記バイパス通路を構成している、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャニスタ。
  5. 複数の吸着材室は、各々の等価直径が、上記ドレンポートに近い吸着材室ほど小さくなるように構成されており、等価直径が最も小さな吸着材室と並列に上記バイパス通路が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のキャニスタ。
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