JP2018071014A - 海島複合繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不織布を製造する際、容易に密度の向上を図ることができる海島複合繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】2成分以上のポリマーからなり、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下のポリマーと、島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いポリマーからなり、かつ繊維表面の繊維軸方向に凹凸を有する海島複合繊維。
【選択図】なし
【解決手段】2成分以上のポリマーからなり、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下のポリマーと、島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いポリマーからなり、かつ繊維表面の繊維軸方向に凹凸を有する海島複合繊維。
【選択図】なし
Description
本発明は、海島複合繊維に関するものであり、詳しくは、本発明は、不織布を製造する上で好適に用いられる海島複合繊維およびその製造方法に関するものである。
合成繊維は、力学特性や寸法安定性に優れているため、衣料用途のみならず、インテリア、工業資材、産業資材および車両内装用途等に幅広く利用されている。これまで、合成繊維に加工性や機能性を付与するために、繊維の表面に凹凸を付与した合成繊維が提案されてきた。
合成繊維の表面に凹凸を付与する技術としては、複合繊維のうちの1成分を後加工により溶出除去させる方法が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、この提案では、繊維の全長にわたって繊維軸に対し直角方向に凹凸を形成することができる一方で、紡糸口金を製造する際の加工精度に限界があるため、繊維表面に形成される凹凸のピッチを小さくすることに限界があった。
また別に、複合繊維の一部をアルカリ処理により溶出除去させる方法が提案されている(特許文献2参照。)。この提案では、アルカリ処理の厳密なコントロールが必要であり、形成されるその繊維表面の凹凸は、平滑な繊維の表面の一部を溶出させて形成されるため、多数の穴を有するような構造であった。
また別に、収縮率の異なる共重合ポリエステルを用いた芯鞘複合繊維を、弛緩状態で乾熱もしくは湿熱によって熱処理する方法が提案されている(特許文献3参照。)。この提案では、繊維を構成するポリマーの収縮によってのみ凹凸の形成が制御されているため、形成される凹凸のバラツキを抑制することが困難であった。
また、これら従来の繊維は、不織布ではなく主として織編物用途で効果を発揮するためのものであり、不織布の品位や加工性を向上させるものではなかった。
ここでいう不織布の加工性とは、不織布を製造する際に、繊維を交絡処理する工程で繊維の絡合が進行しやすいことを意味する。繊維の絡合を進める方法としては、ニードルによって交絡処理する場合は、多数の切り欠き(バーブ)を有するニードルを使用する方法、水流によって交絡処理する場合は、水流の水圧を高める方法、またその他に、繊維に薬剤を付与して繊維自体を絡合されやすくする、という方法等が挙げられる。
これらの方法のうち、上記の多数のバーブを有するニードルを使用する方法や水圧を高める方法は、繊維に対しより力を加えるため、繊維を切断したり、または屈曲させ、不織布の品位を悪化させるという課題がある。また、上記の繊維に薬剤を付与する方法では、繊維を交絡処理する設備の汚れを増加させ、生産効率を低下させるという課題がある。これらの課題に対して、繊維の表面に凹凸を付与して、繊維自体の絡合効率を向上させることにより解決することが考えられる。
前記の特許文献1で提案の繊維を不織布の加工に用いた場合、繊維表面の凹凸のピッチが大きく、また、繊維軸に対し直角方向に凹凸を有するため、ニードルまたは水流で押下される繊維は周辺の繊維を随伴しにくく、不織布の製造に適さない。また、前記の特許文献2で提案の繊維を不織布の加工に用いた場合は、繊維の表面に穴を有する構造であるため、ニードルまたは水流で押下される繊維は周辺の繊維を随伴しにくく、不織布の製造に適さないという課題がある。さらに、前記の特許文献3で提案の繊維では、繊維軸方向に凹凸を有するが、凹凸のピッチが、ニードルまたは水流で押下される繊維は周辺の繊維を随伴しにくい大きさであるため、不織布の製造に適さない等の課題がある。
そこで本発明の目的は、不織布を製造する際、容易に密度の向上を図ることができる海島複合繊維を提供することにある。
本発明の海島複合繊維は、2成分以上のポリマーからなる海島複合繊維において、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下のポリマーと、島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が前記の海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いポリマーからなり、かつ繊維表面の繊維軸方向に凹凸を有する海島複合繊維である。
本発明の海島複合繊維の好ましい態様によれば、前記の海島複合繊維の繊維軸方向に直角な断面における島成分の数は2島以上2100島以下であり、かつ繊維全体の質量に対して島成分の質量は10質量%以上90質量%以下である。
本発明の海島複合繊維の好ましい態様によれば、前記の海島複合繊維の単繊維繊度は、0.5dtex以上20dtex以下である。
本発明の海島複合繊維の好ましい態様によれば、前記の海島複合繊維表面の凹凸の山と山のピッチは、0.1μm以上10μm以下である。
本発明の海島複合繊維の好ましい態様によれば、前記の海島複合繊維の海成分は共重合成分を含むポリエステルであり、前記の成分のうち共重合成分は25モル%以下である。
本発明の海島複合繊維の好ましい態様によれば、前記の海島複合繊維の島成分のポリマーは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610およびナイロン12からなる群から選ばれたポリアミドである。
本発明の好ましい態様によれば、前記の海島複合繊維を少なくとも一部に含む不織布とすることができる。
本発明の海島複合繊維の製造方法は、2成分以上のポリマーからなる海島複合繊維の製造方法において、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下のポリマーと、島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が前記の海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いポリマーからなる海島複合繊維を、前記の海成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)よりも低温で、かつ、前記の島成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)より高温に加熱しながら、延伸する海島複合繊維の製造方法である。
本発明によれば、不織布を製造する際、容易に不織布の密度の向上を図ることができる海島複合繊維が得られる。この海島複合繊維は、表面に形成された凹凸により、交絡処理する際に周辺の繊維をより多く随伴するため、不織布の密度の向上が容易である。さらに、密度の向上が容易であることにより、交絡処理の回数もしくは時間を減少させることができるため、生産効率の向上および省エネルギー化を達成することができる。
本発明の海島複合繊維は、2成分以上のポリマーからなる海島複合繊維において、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下のポリマーと、島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が前記の海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いポリマーからなり、かつ繊維表面の繊維軸方向に凹凸を有する海島複合繊維である。
本発明の海島複合繊維は、2成分以上のポリマーが繊維軸方向に直角な断面を形成するものである。ここで、海島複合繊維は、一方のポリマーからなる島成分が、他方のポリマーからなる海成分の中に点在する断面構造を有しているものである。繊維軸方向に直角な断面に配置した島成分は、1成分で製糸した繊維よりも直径を小さくすることができ、海成分を有機溶剤やアルカリによって溶出させることにより、島成分を極細繊維とすることができる。
本発明の海島複合繊維は、海成分に用いられるポリマーのガラス転移点(Tg w)が90℃以下であることが重要である。ガラス転移点(Tg w)が90℃以下であることにより、後述する繊維表面の凹凸形成段階で、島成分と海成分の界面が剥離せず、海島複合繊維の表面に凹凸が形成される。
海成分に用いられるポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートおよびポリ乳酸などのポリエステル、6−ナイロンや66−ナイロンなどのポリアミド、アクリル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび熱可塑性セルロース等、各種ポリマーを用いることができる。また、環境配慮の観点から、リサイクル原料や植物由来原料から得られるポリマーを用いることもできる。
海成分に用いられるポリマーは、中でも、強度、寸法安定性、耐光性および染色性に優れているという観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレート等からなるポリエステルが特に好ましく用いられる。繊維表面の凹凸をより効果的に形成するために、ポリエステルに共重合成分を加えることは好ましい様態である。共重合成分としては、例えば、イソフタル酸やアジピン酸などのジカルボン酸等が挙げられる。中でも、イソフタル酸誘導体が好ましく用いられ、ポリエステルの全酸成分に対して、イソフタル酸誘導体は25モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜10モル%である。共重合成分が25モル%以下であると、形態安定性を保ちつつ、繊維表面に凹凸の形成に有利である。
また、島成分に用いられるポリマーのガラス転移点(Tg w)は、海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いことが重要である。
海島複合繊維の表面に繊維軸方向に凹凸を形成する段階は、湿熱で加熱された繊維が延伸された直後、引き取られるまでの間に徐冷される段階である。海島複合繊維が延伸される際に、水分子を含んだ島成分はガラス転移点(Tg w)以上であるため、島成分を構成するポリマーの非晶質部分が伸縮性を有するゴム状態であり、延伸されても延伸前の長さに復元する力が働く。このとき、海成分が島成分の復元に追随することにより、海島複合繊維の表面に凹凸が形成される。さらに、冷却されることにより島成分は硬化するため、この凹凸が固定される。
非晶質部分の伸縮性は温度に対して連続的に変化するため、島成分のガラス転移点(Tg w)が海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いことにより、延伸時の加熱温度で海成分と島成分の非晶質部分の伸縮性に十分な差が生まれ、海島複合繊維の表面に凹凸が形成される。島成分のガラス転移点(Tg w)は海成分のガラス転移点(Tg w)に対して、30℃以上低いことが好ましく、より好ましくは40℃以上低いことである。
島成分には、前述したポリマーを用いることができる。中でも、強度と染色性に優れているという観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレート等からなるポリエステルと、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610およびナイロン12等からなるポリアミドが好ましく用いられる。また、島成分は1成分だけでなく、2成分以上を用いることも好ましい態様である。
海成分および島成分に用いられるポリマーには、種々の目的に応じて、酸化チタン粒子等の無機粒子、潤滑剤、顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、導電剤、蓄熱剤および抗菌剤等を添加することもできる。
海島複合繊維における島成分の質量は、繊維全体の質量に対し10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。島成分の質量を10質量%以上とすることにより、海成分との界面が乖離せず、海島複合繊維の島成分の長さ方向に復元力が働くことによって、海島複合繊維の表面に凹凸が形成される。また、島成分の質量を90質量%以下とすることにより、延伸の際に海成分が追従できずに島成分が海島複合繊維表面に露出し、結果的に繊維表面の凹凸が形成されないことを防ぐことができる。島成分の質量は、より好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上70質量%以下である。
海島複合繊維の繊維軸方向に直角な断面における島成分の数は、2島以上2100島以下であることが好ましい。島成分の数を2100島以下とすることにより、海島複合繊維内の島成分同士が合流することを防ぎ、安定した断面を形成することができる。また、島成分を2島以上とすることにより、島成分の質量が少ない場合でも繊維表面に凹凸を形成することができる。島成分の数は、より好ましくは5島以上1000島以下であり、さらに好ましくは10島以上400島以下である。
本発明の海島複合繊維の単繊維繊度は、0.5dtex以上20dtex以下であることが好ましい。単繊維繊度を0.5dtex以上とすることにより、紡糸時に安定した断面の形成が可能である。また、単繊維繊度を20dtex以下とすることにより、安定した繊維径の海島複合繊維を紡糸することが可能となる。単繊維繊度は、より好ましくは1dtex以上10dtex以下であり、さらに好ましくは、1dtex以上、8dtex以下である。
本発明の海島複合繊維は、繊維表面の繊維軸方向に凹凸を有することが重要である。本発明の海島複合繊維の表面に形成される凹凸は、筋状の凸部と溝状の凹部が交互に存在する構造である。このような凹凸を有することにより、この海島複合繊維は繊維表面の凹凸同士が引っかかり、見かけ上の繊維同士の摩擦力が向上する。不織布に用いることにより、繊維同士が引っかかり、交絡処理される際により多くの繊維が絡合するため、容易に不織布の密度の向上を図ることができる。
本発明の海島複合繊維の繊維表面に形成される凹凸は、山と山の平均ピッチが0.1μm以上10μm以下であることが好ましい態様である。山と山の平均ピッチを10μm以下とすることにより繊維同士の絡合性が向上し、本発明の海島複合繊維を含む不織布を製造する際に、繊維ウェブをニードルまたは水流で絡合させる行程を短縮することができる。また、山と山の平均ピッチを0.1μm以上とすることにより、繊維表面が平滑な繊維と比較して、風合いおよび絡合性は同程度である。山と山の平均ピッチは、好ましくは0.5μm以上5μm以下であり、より好ましくは1μm以上3μm以下である。
本発明における海島複合繊維およびその島成分は、繊維軸方向に直角な断面形状が丸型であることに限らず、三角形型、四角形型、六角形型、Y型、星型、扁平型および扁平多葉型等の異形断面形状を取ることができる。
次に、本発明の海島複合繊維を製造する方法について説明する。
本発明の海島複合繊維の製造方法は、2成分以上のポリマーからなる海島複合繊維の製造方法において、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下であり、かつ島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が海成分より20℃以上低い海島複合繊維を、海成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)よりも低温で、かつ、島成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)より高温に加熱しながら、延伸する海島複合繊維の製造方法である。
海島複合繊維には、海島複合用口金を用いて、海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する高分子相互配列体を用いる方式と、海成分と島成分の2成分を混合して紡糸する混合紡糸方式などを用いることができるが、島成分を繊維軸方向に連続して形成でき、そして海島複合繊維の全長にわたって繊維表面に凹凸を形成できるという観点から、高分子配列体を用いる方式による海島複合繊維が好ましく用いられる。
本発明の海島複合繊維の製造方法は、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下であり、かつ島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)がその海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低い海島複合繊維を、海成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)よりも低温かつ、島成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)より高温に加熱しながら、延伸することが重要である。
海成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)よりも低温かつ、島成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)より高温に湿熱で加熱し、延伸することにより、前述の段階を経て海島複合繊維の表面に凹凸が形成される。このとき、湿熱で島成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)より高温に加熱することにより、島成分の非晶質部分に水分子が入り込み、非晶質部分のポリマー分子の流動性が増加し、島成分の伸縮性が向上される。また、海成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)よりも低温であることにより、海成分の非晶質部分の伸縮性が乏しく復元力が働かないため、島成分によって収縮されて海島複合繊維の表面に凹凸が形成される。
本発明の海島複合繊維の製造方法によれば、延伸加工直後には繊維の表面に凹凸が形成されているため、延伸加工後に厳密にコントロールされたアルカリ水溶液で処理し、凹部を得る工程や、延伸した繊維を弛緩状態にして加熱する工程など、特別な工程を必要とせず、容易に繊維表面に凹凸を有する海島複合繊維を得ることが可能である。
延伸加工時の海島複合繊維の加熱方法としては、湿熱であれば公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、加熱した紡糸用油剤に浸漬する方法や、スチームを海島複合繊維に噴霧し加熱する方法等が挙げられる。いずれの方法でも、加熱部出口での海島複合繊維の温度が海成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)よりも低温かつ、島成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)より高温とすることにより、本発明の海島複合繊維を得ることができる。中でも、繊維を均一に加熱できる点により、加熱した油剤に浸漬する方法を用いることが好ましい態様である。
本発明の海島複合繊維を用いて不織布を製造する場合、公知の方法を採用することができる。不織布には、長繊維不織布および短繊維不織布があるが、どちらを採用することができる。
また、短繊維不織布を製造する場合は、延伸加工を施した後、海島複合繊維に捲縮を施すことができる。捲縮を施す方法としては、押し込み型捲縮機を用いることが好ましい。その後、紡糸用油剤水溶液をスプレーで付与し、乾燥させることも好ましい態様である。得られた繊維を定長に切断し、オープナーによって開繊し、カードによってウェブ化し、形成されたウェブをクロスラッパーによって積層し、ニードルまたは水流によって繊維を絡合させることにより不織布が得られる。
ニードルによって繊維を絡合させる場合には、バーブ(切り欠き)を1本以上9本以下備えたニードルを用いることが好ましい。バーブを1本以上とすることにより、効率的な繊維の絡合が可能となり、一方で、バーブを9本以下とすることにより、海島複合繊維の損傷を抑えることができる。
また、水流によって繊維を絡合させる場合、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。具体的には、直径0.05〜1.0mmのノズルから、好ましくは圧力2〜60MPaで水を噴出させる。
本発明の海島複合繊維を用いて、上記の方法で得られた不織布は、ニードルもしくは水流によって絡合させる工程で繊維同士が引っかかりやすいことにより、ニードルもしくは水流に押下された繊維が周辺の繊維を随伴しやすいため、密度を向上させることが容易である。
本発明の海島複合繊維は、織編物および不織布等の繊維製品に好適に用いることができ、特に不織布および人工皮革基材の製造に好適に用いることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、各物性の測定と評価に用いる加工は、次の方法による。
<測定方法>
(1)ガラス転移点(Tg w)の測定:
ポリマーをフィルム状(幅5mm、厚さ0.8mm、長さ21mm)にし、ユービーエム社、Rheogel−E40000を用いて、下記の条件で測定した損失弾性率の主分散ピークをガラス転移点(Tg w)とした。
・ジオメトリー:引張
・チャック間距離:8mm
・周波数:10Hz
・温度範囲:室温(20℃)〜98℃
・昇温速度:3℃/分
・測定雰囲気:水中。
(1)ガラス転移点(Tg w)の測定:
ポリマーをフィルム状(幅5mm、厚さ0.8mm、長さ21mm)にし、ユービーエム社、Rheogel−E40000を用いて、下記の条件で測定した損失弾性率の主分散ピークをガラス転移点(Tg w)とした。
・ジオメトリー:引張
・チャック間距離:8mm
・周波数:10Hz
・温度範囲:室温(20℃)〜98℃
・昇温速度:3℃/分
・測定雰囲気:水中。
(2)繊維表面の凹凸の観察:
海島複合繊維の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM、キーエンス社、VE−7800)を用いて1000倍で観察した。単繊維の繊維軸方向に50μmの直線をひき、その直線上に存在する凹凸の山の個数を計数し、下記の式で山と山のピッチを計算した。無作為に抽出した10点について測定した値の平均を、結果とした。
・凹凸の山と山のピッチ=50μm/山の個数(個)。
海島複合繊維の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM、キーエンス社、VE−7800)を用いて1000倍で観察した。単繊維の繊維軸方向に50μmの直線をひき、その直線上に存在する凹凸の山の個数を計数し、下記の式で山と山のピッチを計算した。無作為に抽出した10点について測定した値の平均を、結果とした。
・凹凸の山と山のピッチ=50μm/山の個数(個)。
(3)不織布の密度:
得られた不織布について、20cm×20cmのサンプルの質量を用いて、下記の式によって不織布全体の密度を算出し、10点について測定した値の平均を結果とした。
・不織布全体の密度(g/cm3)=サンプル質量(g)/(20(cm)×20(cm)×厚み(cm))。
得られた不織布について、20cm×20cmのサンプルの質量を用いて、下記の式によって不織布全体の密度を算出し、10点について測定した値の平均を結果とした。
・不織布全体の密度(g/cm3)=サンプル質量(g)/(20(cm)×20(cm)×厚み(cm))。
[実施例1]
(原綿)
島成分にナイロン6を用い、海成分にポリエチレンテレフタレートの酸成分のうち5モル%がスルホイソフタル酸ナトリウムで共重合された共重合PET1を用いた。海成分の共重合PET1のガラス転移点(Tg w)は60℃であり、ナイロン6のガラス転移点(Tg w)は室温(20℃)では損失弾性率の主分散ピークを持たずゴム状態であったため、ナイロン6のガラス転移点(Tg w)は20℃未満としたこれらのポリマーを、島数が16島/ホールの海島複合用口金を用いて、紡糸温度を285℃、島質量比を70質量%、吐出量を2.0g/分・ホール、そして紡糸速度を1200m/分として溶融紡糸した。次いで、紡糸用の油剤によって繊維を55℃の温度に加熱し、引き取り速度100m/分で3.0倍に延伸した。この海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.2μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。次いで、押し込み型捲縮機を用いて捲縮加工処理した後に、51mmの長さにカットし単繊維繊度が5.9dtexの海島複合繊維の原綿を得た。
(原綿)
島成分にナイロン6を用い、海成分にポリエチレンテレフタレートの酸成分のうち5モル%がスルホイソフタル酸ナトリウムで共重合された共重合PET1を用いた。海成分の共重合PET1のガラス転移点(Tg w)は60℃であり、ナイロン6のガラス転移点(Tg w)は室温(20℃)では損失弾性率の主分散ピークを持たずゴム状態であったため、ナイロン6のガラス転移点(Tg w)は20℃未満としたこれらのポリマーを、島数が16島/ホールの海島複合用口金を用いて、紡糸温度を285℃、島質量比を70質量%、吐出量を2.0g/分・ホール、そして紡糸速度を1200m/分として溶融紡糸した。次いで、紡糸用の油剤によって繊維を55℃の温度に加熱し、引き取り速度100m/分で3.0倍に延伸した。この海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.2μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。次いで、押し込み型捲縮機を用いて捲縮加工処理した後に、51mmの長さにカットし単繊維繊度が5.9dtexの海島複合繊維の原綿を得た。
(不織布)
上記のようにして得られた原綿を用いて、カードとクロスラッパー工程を経て、600g/m2の積層繊維ウェブを形成した。この積層繊維ウェブに、バーブを1本備えるニードルを用いて1000本/cm2のパンチ本数でニードルパンチを施して、密度が0.130g/cm3の不織布を得た。
上記のようにして得られた原綿を用いて、カードとクロスラッパー工程を経て、600g/m2の積層繊維ウェブを形成した。この積層繊維ウェブに、バーブを1本備えるニードルを用いて1000本/cm2のパンチ本数でニードルパンチを施して、密度が0.130g/cm3の不織布を得た。
得られた不織布は、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同じポリマーを用い、繊維軸方向に直角な断面における島成分の個数を5個にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.4μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.131g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、繊維軸方向に直角な断面における島成分の個数を5個にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.4μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.131g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同じポリマーを用い、繊維軸方向に直角な断面における島成分の個数を2048個にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.0μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.130g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、繊維軸方向に直角な断面における島成分の個数を2048個にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.0μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.130g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同じポリマーを用い、島質量比を40質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.5μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.128g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、島質量比を40質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.5μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.128g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1と同じポリマーを用い、島質量比を10質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.8μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.132g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、島質量比を10質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.8μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.132g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1と同じポリマーを用い、島質量比を90質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが0.9μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.130g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、島質量比を90質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが0.9μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得た不織布の密度は0.130g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例7]
島成分にポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、海成分にポリエチレンテレフタレートの酸成分のうち30モル%がスルホイソフタル酸ナトリウムで共重合された共重合PET2を用いた。島成分のガラス転移点(Tg w)は70℃であり、海成分のガラス転移点(Tg w)50℃であった。これ以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。この海島複合繊維の表面には平均ピッチが4.8μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.105g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
島成分にポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、海成分にポリエチレンテレフタレートの酸成分のうち30モル%がスルホイソフタル酸ナトリウムで共重合された共重合PET2を用いた。島成分のガラス転移点(Tg w)は70℃であり、海成分のガラス転移点(Tg w)50℃であった。これ以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。この海島複合繊維の表面には平均ピッチが4.8μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.105g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1と同じポリマーを用い、吐出量を4.5g/分・ホールとし、紡糸速度を800m/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが4.5μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.112g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、吐出量を4.5g/分・ホールとし、紡糸速度を800m/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが4.5μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.112g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例1と同じポリマーを用い、吐出量を1.0g/分・ホールとし、紡糸速度を2000m/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが0.5μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.115g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、吐出量を1.0g/分・ホールとし、紡糸速度を2000m/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが0.5μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.115g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例1と同じポリマーを用い、延伸加工時に、繊維にスチームを噴霧することで加熱したこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.4μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.129g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
実施例1と同じポリマーを用い、延伸加工時に、繊維にスチームを噴霧することで加熱したこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、平均ピッチが1.4μmであり、繊維軸方向に凹凸が形成されていた。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は0.129g/cm3であり、繊維表面に凹凸を持たない繊維を用いた場合(比較例1)より高い密度であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
島成分にポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、海成分にポリポリスチレンを用いた。島成分のガラス転移点(Tg w)は70℃であり、海成分のガラス転移点(Tg w)93℃であった。また、延伸加工時に、紡糸用の油剤によって繊維を90℃の温度に加熱したこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、凹凸は形成されていなかった。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は、0.084g/cm3であった。結果を表1に示す。
島成分にポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、海成分にポリポリスチレンを用いた。島成分のガラス転移点(Tg w)は70℃であり、海成分のガラス転移点(Tg w)93℃であった。また、延伸加工時に、紡糸用の油剤によって繊維を90℃の温度に加熱したこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、凹凸は形成されていなかった。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は、0.084g/cm3であった。結果を表1に示す。
[比較例2]
島成分に共重合PET2を用い海成分にPETを用いて、延伸加工時、紡糸用の油剤によって繊維を40℃の温度に加熱したこと以外は、実施例1と同様に実施した。この条件では、延伸加工時に糸切れやローラーへの巻き付きが多発し、加工することができなかった。
島成分に共重合PET2を用い海成分にPETを用いて、延伸加工時、紡糸用の油剤によって繊維を40℃の温度に加熱したこと以外は、実施例1と同様に実施した。この条件では、延伸加工時に糸切れやローラーへの巻き付きが多発し、加工することができなかった。
[比較例3]
島成分に共重合PET1を用い海成分にPETを用いて、延伸加工時、紡糸用の油剤によって繊維を65℃の温度に加熱したこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、凹凸は形成されていなかった。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は、0.081g/cm3であった。結果を表1に示す。
島成分に共重合PET1を用い海成分にPETを用いて、延伸加工時、紡糸用の油剤によって繊維を65℃の温度に加熱したこと以外は、実施例1と同様にして海島複合繊維を得た。このようにして得られた海島複合繊維の表面には、凹凸は形成されていなかった。さらに、実施例1と同様にして得られた不織布の密度は、0.081g/cm3であった。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 2成分以上のポリマーからなる海島複合繊維において、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下のポリマーと、島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が前記海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いポリマーからなり、かつ繊維表面の繊維軸方向に凹凸を有することを特徴とする海島複合繊維。
- 海島複合繊維の繊維軸方向に直角な断面における島成分の数が2島以上2100島以下であり、かつ繊維全体の質量に対して前記島成分の質量が10質量%以上90質量%以下である請求項1記載の海島複合繊維。
- 海島複合繊維の単繊維繊度が、0.5dtex以上20dtex以下である請求項1または2記載の海島複合繊維。
- 海島複合繊維表面の凹凸の山と山のピッチが、0.1μm以上10μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の海島複合繊維。
- 海島複合繊維の海成分が共重合成分を含むポリエステルであり、酸成分のうち共重合成分が25モル%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の海島複合繊維。
- 海島複合繊維の島成分のポリマーが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610およびナイロン12からなる群から選ばれた少なくとも1種のポリアミドである請求項1〜5のいずれかに記載の海島複合繊維。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の海島複合繊維を少なくとも一部に含む不織布。
- 2成分以上のポリマーからなる海島複合繊維の製造方法において、海成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が90℃以下のポリマーと、島成分のポリマーの水中で測定したガラス転移点(Tg w)が前記海成分のガラス転移点(Tg w)より20℃以上低いポリマーからなる海島複合繊維を、前記海成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)よりも低温で、かつ、前記島成分のポリマーのガラス転移点(Tg w)より高温に加熱しながら、延伸することを特徴とする海島複合繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016210698A JP2018071014A (ja) | 2016-10-27 | 2016-10-27 | 海島複合繊維およびその製造方法 |
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Publications (1)
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JP2018071014A true JP2018071014A (ja) | 2018-05-10 |
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JP2016210698A Pending JP2018071014A (ja) | 2016-10-27 | 2016-10-27 | 海島複合繊維およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2018071014A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115961379A (zh) * | 2022-12-08 | 2023-04-14 | 杭州汇维仕永盛染整有限公司 | 一种海岛纤维面料及其制备方法 |
-
2016
- 2016-10-27 JP JP2016210698A patent/JP2018071014A/ja active Pending
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