JP2018070943A - ビスマス電解液の不純物除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビスマスと銀を含有するケイフッ酸性溶液に、銀より電位的に卑な金属を添加し、還元雰囲気下で混合撹拌する。還元雰囲気が、銀塩化銀電極を参照電極とする値で、好ましくは400mV以上518mV以下の酸化還元電位に制御する。不純物である銀よりも卑な金属を添加すると、添加した金属と電解液中に溶解している銀イオンとの酸化還元を利用したセメンテーション反応により、不純物である銀をメタルに還元析出させて電解液中から除去することができる。このため、純度の高い金属ビスマスを得ることができる。
【選択図】図1
Description
上記の銅電解スライムは、前述するように多種多様な成分が含有されているため、このスライムを精製して目的とする有価物を回収する処理が必要となる。
これらの方法では、銅電解スライムに硫酸と酸素を加えて高温高圧下でテルルの一部と銅を浸出する。次に浸出して得た残渣に塩酸及び過酸化水素あるいは塩素を加えて金、白金族元素、セレン、テルルを浸出する。
2)前記中和澱物にアルカリを添加してアルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣に分離するアルカリ浸出工程
3)前記アルカリ浸出残渣に硫酸を添加して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離する硫酸浸出工程
4)前記硫酸浸出液を冷却し、硫酸ビスマスの結晶を得る冷却工程
5)前記硫酸ビスマスの結晶にアルカリを加え、酸化ビスマスを得るビスマス酸化工程
6)前記酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解し、得た溶解液を電解採取して金属ビスマスを得る電解工程
金属ビスマスを得るための電解液としては、例えばケイフッ酸濃度が300〜350g/L、ビスマス濃度が50〜100g/Lの水溶液が用いられるが、銀はビスマスより貴な金属であることから、微量でも電解液中に存在した場合、銀がビスマスよりも優先的に析出し、高品位な金属ビスマス、例えば4Nグレードの金属ビスマスを得ることができない。電解始液のビスマス濃度が50g/L、電解終液のビスマス濃度が30g/Lになるように電解した場合では銀のみを不純物として考えた場合でも、計算上は2mg/L未満(全量析出するとした場合)にしなければならない。
第2発明のビスマス電解液の不純物除去方法は、第1発明において、前記卑な金属が、ビスマス金属であることを特徴とする。
第3発明のビスマス電解液の不純物除去方法は、第1、または第2発明において、前記還元雰囲気が、銀塩化銀電極を参照電極とする値で、518mV以下の酸化還元電位に制御したものであることを特徴とする。
第4発明のビスマス電解液の不純物除去方法は、第3発明において、前記還元雰囲気が、銀塩化銀電極を参照電極とする値で、400mV以上の酸化還元電位に制御したものであることを特徴とする。
第2発明によれば、酸化還元電位が518mVの上限値以下であると銀を析出をさせ電解液から除去することができる。
第3発明によれば、添加する金属の比表面積を小さくする等の手間とコストをかけずに銀を析出させ電解液から除去することができる。
上記ビスマス精製方法は、銅と貴金属とビスマスと不純物とを含有する鉱物を製錬して得た粗銅を電解精製に付して銅を回収し、次に電解精製を行うことで生成した電解スライムから湿式法により貴金属を回収する工程であって、貴金属の回収後に生成した酸性溶液を以下の工程に付すことを特徴とする。
1)中和処理工程
貴金属の回収後に生成した前記酸性溶液にアルカリを添加してpHを2.0以上3.0以下の範囲に調整し、次いで固液分離して中和濾液と中和澱物を得る。
2)アルカリ浸出工程
前記中和処理工程で得た中和澱物にアルカリを添加してアルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣に分離する。
3)硫酸浸出工程
前記アルカリ浸出工程で得たアルカリ浸出残渣に硫酸を添加して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離する。
4)冷却工程
前記硫酸浸出工程で得た硫酸浸出液を冷却し、硫酸ビスマスの結晶を得る。
5)ビスマス酸化工程
前記冷却工程で得た硫酸ビスマスの結晶にアルカリを加え、酸化ビスマスを得る。
6)電解工程
前記ビスマス酸化工程で得た酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解し、得た溶解液を電解採取して金属ビスマスを得る。
上記電解工程6)では、前記ビスマス酸化工程5)で得た酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解する。このように酸溶液を加えると、ビスマスがイオンとして溶解する。そして、得た溶解液を電解採取すると、つまり溶解液に電極を入れて通電するとビスマスイオンが電子を受けてカソード上に単体の金属ビスマスとして電析する。
この工程における電解に用いる酸溶液は、ビスマスと共に銀などの不純物を含んでいる。これが、本発明の処理対象液である。
電解液に添加する金属は不純物として回収したい銀よりも卑な金属である。銀よりも卑な金属としては、ビスマスよりも電気化学的に卑な金属かビスマスそのものを用いることができる。銀よりも卑であっても、ビスマスより貴な金属はビスマスよりも優先的に析出して品位を低下するため、用いることはできない。ビスマス金属をセメンテーション反応に用いた場合は、電析させるビスマス金属の品位に影響を及ぼさないため、ビスマス金属を添加するのが好ましい。
セメンテーション反応を用いて不純物である銀を除去するには、還元雰囲気にすることが必要である。この目的のためにも添加する金属の形状は比表面積の大きい粒状や粉末状のものが好ましい。還元剤を別途添加する方法も考えられるが、工程が複雑になり、コストの増加を招く恐れがあることから、本発明ではセメンテーション反応において添加する金属によって還元雰囲気にしている。
金属ビスマスを得るには電解を行う。その電解条件としては、以下を例示できる。すなわち、ケイフッ酸濃度が300〜350g/lの溶液を用いて酸化ビスマスを溶解し、ビスマス濃度が80〜100g/lの電解始液を得、この電解始液をカソードにハステロイ、アノードにカーボンを用いた電解槽に供給し、液温を40〜50℃、好ましくは50℃以下、に維持しつつ、80〜120A/m2のカソード電流密度で通電することで、カソード上に金属ビスマスを電析させることができる。
電流密度が200A/m2を超えると電着表面の状態が荒れて粒上析出物が生じやすく電解液が巻き込まれるなど好ましくない。
また、電解終了後はカソードを引き上げて電着したビスマスを剥ぎ取り、水で洗浄し、ついで炉の中に入れて不活性雰囲気下でビスマスの融点(271℃)を若干上回る300℃くらいの温度で熔解することで、不純物や酸化物を取り除き、インゴット等の形状の金属ビスマスを得ることができる。
<実施例1>
ケイフッ酸濃度が336g/L、ビスマス濃度が50g/L、銀濃度が0.09g/L、ORPが611mVのビスマス電解液に粉末状の銀より電位的に卑な金属である金属ビスマスを1.0g添加し、1時間程度混合撹拌した。混合撹拌後の電解液のORPは74mV、電解液中の銀濃度は0.1mg/L未満だった。つまり、99.9%以上の銀を析出させて除去することができた。
ケイフッ酸濃度が336g/L、ビスマス濃度が50g/L、銀濃度が0.09g/L、ORPが611mVのビスマス電解液に、粉末状の金属ビスマスを0.75g添加し、1時間程度混合撹拌した。混合撹拌後の電解液のORPは271mV、電解液中の銀濃度は0.1mg/L未満であった。つまり、99.9%以上の銀を析出させて除去することができた。
ケイフッ酸濃度が336g/L、ビスマス濃度が50g/L、銀濃度が0.09g/L、ORPが611mVのビスマス電解液に粉末状の金属ビスマスを0.25g添加し、1時間程度混合撹拌した。混合撹拌後の電解液のORPは420mV、電解液中の銀濃度は0.1mg/L未満であった。つまり、99.9%以上の銀を析出させて除去することができた。
ケイフッ酸濃度が336g/L、ビスマス濃度が50g/L、銀濃度が0.09g/L、ORPが611mVのビスマス電解液に粉末状の金属ビスマスを0.1g添加し、1時間程度混合撹拌した。混合撹拌後の電解液のORPは453mV、電解液中の銀濃度は0.1mg/L未満であった。つまり、99.9%以上の銀を析出させて除去することができた。
ケイフッ酸濃度が336g/L、ビスマス濃度が50g/L、銀濃度が0.09g/L、ORPが611mVのビスマス電解液に粒状のビスマスショットを10g添加し、1時間程度混合撹拌した。混合撹拌後の電解液のORPは518mV、電解液中の銀濃度は1.2mg/Lだった。つまり、98.7%以上の銀を析出させて除去することができた。
ケイフッ酸濃度が336g/L、ビスマス濃度が50g/L、銀濃度が0.09g/L、ORPが611mVのビスマス電解液に粒状のビスマスショットを5g添加し、1時間程度混合撹拌した。混合撹拌後の電解液のORPは530mVまでしか低下せず、電解液中の銀濃度は2.8mg/Lと残留した。酸化雰囲気のため銀が十分に析出できなくなったことを意味する。
ケイフッ酸濃度が336g/L、ビスマス濃度が50g/L、銀濃度が0.09g/L、ORPが611mVのビスマス電解液に粒状のビスマスショットを2.5g添加し、1時間程度混合撹拌した。混合撹拌後の電解液のORPは540mVまでしか低減せず、電解液中の銀濃度は13mg/Lも残留した。酸化雰囲気のため銀が十分に析出できなくなったことを意味する。
D2 好適な酸化還元電位
Claims (4)
- ビスマスと銀を含有するケイフッ酸性溶液に、銀より電位的に卑な金属を添加し、
還元雰囲気下で混合撹拌する
ことを特徴とするビスマス電解液の不純物除去方法。 - 前記卑な金属が、ビスマス金属である
ことを特徴とする請求項1記載のビスマス電解液の不純物除去方法。 - 前記還元雰囲気が、銀塩化銀電極を参照電極とする値で、518mV以下の酸化還元電位に制御したものである
ことを特徴とする請求項1または2記載のビスマス電解液の不純物除去方法。 - 前記還元雰囲気が、銀塩化銀電極を参照電極とする値で、10mV以上の酸化還元電位に制御したものである
ことを特徴とする請求項3記載のビスマス電解液の不純物除去方法。
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JP2016211497A JP6750454B2 (ja) | 2016-10-28 | 2016-10-28 | ビスマス電解液の不純物除去方法 |
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WO2019193772A1 (ja) | 2018-04-02 | 2019-10-10 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受の軌道輪中間部材、軌道輪、転がり軸受及びそれらの製造方法 |
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