JP2018070818A - ポリアリレートフィルム、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、膜厚方向の位相差値が小さく、かつタッチパネルの基板として用いた場合に、タッチパネル性能の安定性が優れたポリアリレートフィルムを提供することである。さらに、当該ポリアリレートフィルムを使用した表示装置を提供することである。【解決手段】本発明のポリアリレートフィルムは、膜厚方向の位相差値Rt(nm)が、−60〜60nmの範囲内であるポリアリレートフィルムであって、当該ポリアリレートフィルムが、下記のMIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、ポリアリレートフィルム、及び表示装置に関し、より詳しくは、膜厚方向の位相差値が小さく、かつタッチパネルの基板として用いた場合に、タッチパネル性能の安定性が優れたポリアリレートフィルム等に関する。
画像表示装置は近年、携帯するために装置の小型化、薄型化が進んでいる。装置の小型化、薄型化は、特に、液晶表示装置や、有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」ともいう。)の表示装置で進められている。
さらに、モバイル用途の小型画像表示装置、又は中型画像表示装置では、携帯するために折畳み式の画像表示装置とする要望も増加している。したがって、画像表示装置をフレキシブルディスプレイとすることも求められてきている。
このような薄膜化、フレキシブル化の要望に対して機械的強度が高く、透明性の良い樹脂基材の提案が望まれている。
また、画像表示装置の分野において、指などで触れることにより情報を入力する技術が知られている。中でも特に注目されている技術として、ディスプレイに表示された種々のボタンを指などで触れることにより、通常のボタンを指などで押した場合と同様の情報入力を可能とする表示装置(以下、「タッチパネル」ともいう。)がある。
指などの接触を検出するタッチパネルには、種々のタイプのものが存在するが、スマートフォン等の、多点検出を必要とするデバイスで一般に普及しているものとして、静電容量式のタッチパネルが挙げられる。
さらに近年、スマートフォン以外にも、タブレット型画像表示装置やノートパソコンなどにもタッチパネルが搭載され、携帯情報端末として用途拡大が見込まれている。
タッチパネルの画像表示装置への内蔵や、薄型化の要望に対しても、機械的強度が高く、透明性の良い樹脂基材の提案が望まれている。
上記のように、画像表示装置の薄型化、フレキシブル化や、タッチパネル機能の搭載などの様々な要望に対応するために、機械的強度が高く、透明性の良い樹脂基材の提案が望まれてきている。
これらの要望に対しては、ポリイミドを用いたフィルムが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、ポリイミドは、黄色味を有し、光透過率も十分ではないため、画像表示用の部材としては使用しにくいという問題があった。
一方、ポリアリレートを用いたフィルムも提案されている。ポリアリレートフィルムは、機械的強度や耐熱性が高く透明性も良いという特性を有している。
しかしながら、ポリアリレートフィルムは、膜厚方向の位相差が生じやすいという問題があった。
膜厚方向の位相差値(Rt)が大きいと、偏光板と併用した場合に、下記のような問題
が発生する。
例えば、有機EL表示装置の視認側表面での光反射を防止するために、円偏光板を具備させる場合がある。この場合には、円偏光板による光反射防止機能を劣化させないために、円偏光板以外の部材である透明基板は不要な位相差、特に膜厚方向の位相差値(Rt)をなるべく小さくする必要がある。
すなわち、膜厚方向の位相差が生じると、光反射防止機能が劣化するという問題がある。
膜厚方向の位相差値(Rt)が小さいポリアリレートフィルムとしては、例えばフルオレン骨格構造を有するポリアリレートフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、本発明者が種々検討した結果、膜厚方向の位相差値(Rt)が小さいポリアリレートフィルムをタッチパネルの基板として用いて、長期に使用した場合には、タッチパネル性能が劣化するという問題があることが分かった。
特許第4551503号公報
NHK技研著「R&D/No.145」2014.5 p12−15
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、膜厚方向の位相差値が小さく、かつタッチパネルの基板として用いた場合に、タッチパネル性能の安定性が優れたポリアリレートフィルムを提供することである。さらに、当該ポリアリレートフィルムを使用した表示装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、膜厚方向の位相差値Rt(nm)が、−60〜60nmの範囲内であるポリアリレートフィルムであって、当該ポリアリレートフィルムが、特定の耐折れ性能を有するように調整されていることにより、タッチパネルの基板として用いた場合にタッチパネル性能の安定性が優れたポリアリレートフィルムを提供するができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.下記式(1)で定義されるフィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)が、−60〜60nmの範囲内であるポリアリレートフィルムであって、当該ポリアリレートフィルムが、下記のMIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されていることを特徴とするポリアリレートフィルム。
式(1):Rt=((n+n)/2−n)×d
〔式中、Rtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
は、フィルム平面内の遅相軸方向の屈折率である。
は、フィルム平面内の遅相軸方向に直交する方向の屈折率である。
は、フィルム面に垂直な方向の屈折率である。
dは、フィルムの厚さ(nm)である。〕
MIT耐折試験:フィルムを、1.5cm×10cmの大きさに切り出して試料片とし、当該試料片を、25℃、60%RH下、MIT耐折疲労試験機にセットし、折り曲げ速度175rpm、折り曲げ角度135°、チャック先端半径0.38mm、及び荷重4.9Nの条件で折り曲げたときに割れが発生する折り曲げ回数を測定する。
2.前記ポリアリレートフィルムの膜厚が、5〜30μmの範囲内であることを特徴とする第1項に記載のポリアリレートフィルム。
3.前記ポリアリレートフィルムが、脂肪族系化合物を含有し、当該脂肪族系化合物が、分子量又は重量平均分子量が220〜10000の範囲内であり、沸点が80℃以上であり、かつ、分子内に脂肪族基を有する化合物であることを特徴とする第1項又は第2項に記載のポリアリレートフィルム。
4.前記ポリアリレートフィルムが、分子量又は化学構造が異なる2種類以上の脂肪族系化合物を含有することを特徴とする第3項に記載のポリアリレートフィルム。
5.第1項から第4項までのいずれか一項に記載のポリアリレートフィルムを具備することを特徴とする表示装置。
本発明の上記手段により、膜厚方向の位相差値が小さく、かつタッチパネルの基板として用いた場合に、タッチパネル性能の安定性が優れたポリアリレートフィルムを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
膜厚方法の位相差(Rt)が発生しにくいポリアリレートフィルムでは、タッチパネルの基板として用いた場合に、タッチパネル性能の安定性が劣化する。
膜厚方法の位相差値Rtが発生しにくいポリアリレート、例えばフルオレン骨格構造を有するポリアリレートをタッチパネルの基板として用いた場合には、タッチパネルを繰り返し使用している間に、ポリアリレートフィルム表面に微小なクラックが発生する。
このクラックが、電極層にまで伝搬し、タッチパネルの表面抵抗値が上昇すると推察している。
ポリアリレートフィルムのMIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されている場合には、微小なクラックが発生しにくくタッチパネル性能の安定性が改良されるものと推察している。
本発明のポリアリレートフィルムの製造に好ましく用いられる溶液流延製膜方法の一例を模式的に示した工程図 本発明のポリアリレートフィルムを具備した透明導電フィルムの構成の一例を示す概略断面図 本発明のポリアリレートフィルムを具備したタッチパネル付有機EL表示装置の一例を示す概略断面図
本発明のポリアリレートフィルムは、フィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)が、−60〜60nmの範囲内であり、前記のMIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されていることを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記ポリアリレートフィルムの膜厚が、5〜30μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が、5μm以上であると、タッチパネル性能の安定性が良く、30μm以下であるとより薄型化できるという観点から好ましい。
また、前記ポリアリレートフィルムが、脂肪族系化合物を含有し、当該脂肪族系化合物が、分子量又は重量平均分子量が220〜10000の範囲内であり、沸点が80℃以上であり、かつ、分子内に脂肪族基を有する化合物であることとが、MIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されやすく、タッチパネル性能の安定性が優れるという観点からより好ましい。
前記ポリアリレートフィルムが、分子量又は化学構造が異なる2種類以上の脂肪族系化合物を含有することが、タッチパネル性能の安定性がより良いという観点からより好ましい。
また、本発明のポリアリレートフィルムを具備する表示装置は、光反射防止機能や光漏れ防止などの偏光板機能への影響が少なく、かつタッチパネル性能の安定性が改良された表示装置とすることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
<本発明のポリアリレートフィルムの概要>
本発明のポリアリレートフィルムは、下記式(1)で定義されるフィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)が、−60〜60nmの範囲内であるポリアリレートフィルムであって、当該ポリアリレートフィルムが、前記のMIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されていることを特徴とする。
式(1):Rt=((n+n)/2−n)×d
〔式中、Rtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
は、フィルム平面内の遅相軸方向の屈折率である。
は、フィルム平面内の遅相軸方向に直交する方向の屈折率である。
は、フィルム面に垂直な方向の屈折率である。
dは、フィルムの厚さ(nm)である。〕
<ポリアリレート>
本発明のポリアリレートフィルムの主成分であるポリアリレートは、少なくとも芳香族ジアルコール成分単位と芳香族ジカルボン酸成分単位とを含む。
(芳香族ジアルコール成分単位)
芳香族ジアルコール成分単位を得るための芳香族ジアルコールは、好ましくは下記一般式(1)で表される構造を有するビスフェノール類、より好ましくは下記一般式(1′)で表される構造を有するビスフェノール類である。
Figure 2018070818
一般式(1)及び一般式(1′)のLは、二価の有機基を表す。二価の有機基は、好ましくは単結合、アルキレン基、−S−、−SO−、−SO−、−O−、−CO−又は−CR−(RとRは互いに結合して脂肪族環又は芳香族環を形成する)である。
アルキレン基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、その例には、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基等が含まれる。アルキレン基は、ハロゲン原子やアリール基等の置換基をさらに有してもよい。
一般式(1)及び一般式(1′)のRは、それぞれ独立して置換基を表す。nは、それぞれ独立して0〜4の整数を表し、好ましくは0〜3の整数である。Rは、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。
一般式(1)及び一般式(1′)の−CR−のR及びRは、それぞれ互いに結合して脂肪族環又は芳香族環を形成していることが、高耐熱性、及び低複屈折率性である観点から好ましい。
一般式(1)及び一般式(1′)の−CR−のR及びRが、脂肪族環を形成する場合、脂肪族環は、好ましくは炭素数5〜20の脂肪族炭化水素環であり、好ましくは置換基を有してもよいシクロヘキサン環である。
−CR−のR及びRが脂肪族環を形成する場合、二価フェノール成分として、一般式(2)で表される構造を有する化合物を含有していることが好ましい。
Figure 2018070818
R及びnは、一般式(1)と同義である。Rが炭素数12以下のアルキル基である場合、ポリアリレートフィルムの耐熱性が向上するので好ましい。
また、R及びRは、独立して、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であることを表し、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。R及びRが炭素数4以
下のアルキル基である場合、耐熱性が向上するので好ましい。
Xは炭素原子を表す。mは4〜7の整数を表し、4、又は5の整数であることが好ましく、5の整数であることが更に好ましい。mが4以上の整数である場合、環のひずみが小さくなり、化合物として安定が向上するので好ましい。また、mが7以下の整数である場合、得られるポリアリレートフィルムの耐熱性が向上するので好ましい。
前記一般式(2)で表される構造を有する化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン〔BisTMC〕、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、BisTMCが好ましい。
前記一般式(2)で表される構造を有する化合物の含有量は、二価フェノール成分に対して、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。一般式(2)で示される化合物の含有量が50モル%以上の場合、得られるポリアリレートフィルムのガラス転移温度が高くなり、耐熱性が向上するので好ましい。
前記一般式(1)及び一般式(1′)の−CR−のR及びRが、芳香族環を形成する場合、芳香族環は、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環であることが好ましい。より好ましくは置換基を有してもよいフルオレン環である。
置換基を有してもよいフルオレン環を形成する−CR−の例には、下記一般式(3)で表される構造を有するフルオレンジイル基が含まれる。
Figure 2018070818
さらに、二価のフェノール成分が、(a)成分:下記一般式(4)で表される構造を有する9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン残基
Figure 2018070818
及び(b)成分:一般式(5)で表される構造を有する2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン残基
Figure 2018070818
からなることが高耐熱性、及び低複屈折率性であることの観点から好ましい。
前記(a)成分及び(b)成分のモル分率が、
0.30<〔(a)/{(a)+(b)}〕≦1.00
の範囲内にあり、かつ、ジカルボン酸成分がテレフタル酸残基10〜90モル%及びイソフタル酸残基90〜10モル%から構成されるポリアリレートであることがより好ましい。
(d)及び(f)のモル分率は、
0.50<〔(a)/{(a)+(b)}〕≦1.00
の範囲であることがより好ましい。
前記一般式(5)で表される構造を有する2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン残基を共重合させることにより、ポリアリレートの紫外線照射による黄変現象を抑制することができ、光学特性の観点から好ましい。
また、一般式(4)で表される構造を有する9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン残基のモル分率が0.30以上である場合、ポリアリレートの耐熱性の向上効果及び複屈折の低減効果が大きく、また黄着色の度合いが小さい観点からより好ましい。
一般式(1)及び一般式(1′)のLがアルキレン基であるビスフェノール類の例には、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPC)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(TMBPA)等が含まれる。中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPC)、2,2−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(TMBPA)等のイソプロピリデン含有ビスフェノール類が好ましい。
Lが−S−、−SO−又は−SO−であるビスフェノール類の例には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(TMBPS)、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が含まれる。Lが−O−であるビスフェノール類の例には、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルが含まれ;Lが−CO−であるビスフェノール類の例には、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトンが含まれる。
ポリアリレートを構成する芳香族ジアルコール成分は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
これらの中でも、樹脂の溶剤に対する溶解性を高めたり、フィルムの金属との密着性を高めたりする観点では、例えば主鎖中に硫黄原子(−S−、−SO−又は−SO−)を含有するビスフェノール類が好ましい。フィルムの耐熱性を高める観点では、例えば主鎖中に硫黄原子を含有するビスフェノール類や、シクロアルキレン骨格を有するビスフェノール類が好ましい。
フィルムの複屈折を低減したり、耐摩耗性を高めたりする観点では、フルオレン骨格を有するビスフェノール類が好ましい。
シクロヘキサン骨格を有するビスフェノール類やフルオレン骨格を有するビスフェノール類は、イソプロピリデン基を含有するビスフェノール類と併用することが好ましい。その場合、シクロヘキサン骨格を有するビスフェノール類又はフルオレン骨格を有するビスフェノール類と、イソプロピリデン基を含有するビスフェノール類との含有比率は、10/90〜90/10(モル比)、好ましくは20/80〜80/20(モル比)としうる。
ポリアリレートは、本発明の効果を損なわない範囲で、芳香族ジアルコール成分以外の芳香族多価アルコール成分単位をさらに含んでもよい。芳香族多価アルコール成分の例には、特許4551503号の段落0015に記載の化合物が含まれる。具体的には、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4′−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン等が含まれる。これらの芳香族多価アルコール成分単位の含有割合は、求められる特性に応じて適宜設定されうるが、芳香族ジアルコール成分単位及びそれ以外の芳香族多価アルコール成分単位の合計に対して例えば5モル%以下としうる。
(芳香族ジカルボン酸成分単位)
芳香族ジカルボン酸成分単位を構成する芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸又はそれらの混合物でありうる。
フィルムの機械的特性を高める等の観点から、テレフタル酸とイソフタル酸の混合物が好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸の含有比率は、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸=90/10〜10/90(モル比)、より好ましくは70/30〜30/70、さらに好ましくは50/50である。テレフタル酸の含有比率が上記範囲であると、十分な重合度を有するポリアリレートが得られやすく、十分な機械的特性を有するフィルムが得られやすい。
ポリアリレートは、本発明の効果を損なわない範囲で、テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位をさらに含んでもよい。そのような芳香族ジカルボン酸成分の例には、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、4,4′−ジカルボキシフェニルスルホン等が含まれる。テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位の含有割合は、求められる特性に応じて適宜設定されうるが、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分単位及びそれら以外の芳香族ジカルボン酸成分単位の合計に対して例えば5モル%以下としうる。
本発明のポリアリレートフィルムは、ポリアリレートを主成分として含有する。ポリアリレートを主成分として含有するとは、フィルム中のポリアリレートの総量が50質量%以上であることを表す。好ましくは80質量%以上であることである。フィルム中のポリアリレートの総量が50質量%以上であると、折り曲げ耐性などの機械的強度、耐熱性、及び透明性が良い観点から好ましい。
本発明に用いられるポリアリレートの重量平均分子量は、1万〜50万が好ましく、2万〜30万がさらに好ましく、3万〜20万が特に好ましい。前記樹脂の分子量が低すぎる場合、フィルム成形が困難となりやすく、また力学特性が低下してしまう場合がある。また、分子量が高すぎる場合、合成上分子量のコントロールが困難となり、また溶液の粘度が高すぎて取扱いが難しくなる場合がある。
本発明に用いられるポリアリレートの合成方法としては、従来公知の合成方法を採用することができる。具体的には、特開2014−218659号公報、特開2013−173928号公報等に記載の合成方法を採用することができる。
<フィルム膜厚方向の位相差値Rt>
本発明のポリアリレートフィルムは、下記式(1)で表されるフィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)が、−60〜60nmの範囲内であることを特徴とする。
式(1):Rt=((n+n)/2−n)×d
〔式中、Rtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
は、フィルム平面内の遅相軸方向の屈折率である。
は、フィルム平面内の遅相軸方向に直交する方向の屈折率である。
は、フィルム面に垂直な方向の屈折率である。
dは、フィルムの厚さ(nm)である。〕
フィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)を、−60〜60nmの範囲内とする達成手段としては、使用するポリアリレートの種類を変化させることにより調整できる。
膜厚方向の位相差値Rtを−60〜60nmの範囲内とするため、ポリアリレートの二価のフェノール成分が、前記一般式(4)で表される構造を有する9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン残基を有していること、又は二価フェノール
成分として、一般式(2)で表される構造を有する化合物を含有していることが好ましい。
ポリアリレートの二価のフェノール成分が、前記一般式(4)で表される構造を有する9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン残基を有していることが、膜厚方向の位相差値Rt(nm)をより小さくできるという観点からより好ましい。
また、膜厚方向の位相差値Rt(nm)を小さくするためには、下記の脂肪族系化合物の添加量を多くすることや、ポリアリレートフィルムの膜厚を小さくすることによっても調整することができる。
<MIT耐折回数>
本発明のポリアリレートフィルムは、前記のMIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されていることを特徴とする。回数の上限値に特に制限はないが、4000〜10000回の範囲であることが好ましく、4600〜10000回の範囲であることがより好ましい。
このように調整されていることにより、タッチパネルの表面抵抗値の変動を小さくでき、タッチパネル性能の安定性が改良される。
ポリアリレートフィルムのMIT耐折試験による耐折回数は、ポリアリレートフィルムに含有される脂肪族系化合物の種類や添加量により調整することができる。
MIT耐折試験は、下記のようにして測定される。
ポリアリレートフィルムを、1.5cm×10cmの大きさに切り出して試料片とし、当該試料片を、25℃・60%RH下、MIT耐折疲労試験機(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、折り曲げ速度175rpm、折り曲げ角度135°、チャック先端半径(折り曲げクランプの先端半径)0.38mm、及び荷重4.9Nの条件で折り曲げたときに割れが発生する折り曲げ回数を、ポリアリレートフィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向で測定する。
<脂肪族系化合物>
本発明のポリアリレートフィルムは、脂肪族系化合物を含有することが、タッチパネル性能の安定性を改良する観点から好ましい。
本発明に係る脂肪族系化合物は、分子量又は重量平均分子量が220〜10000の範囲内であり、沸点が80℃以上であり、かつ、分子内に脂肪族基を有する化合物である。
脂肪族系化合物が、単一の構造を有する化合物である場合は、分子量を用い、高分子やオリゴマーのように複数の構造を有する化合物の集合体である場合は重量平均分子量を用いる。分子量又は重量平均分子量が220より小さい、又は沸点が80℃より小さいと、ポリアリレートフィルムの製造時に揮発成分が多くなりすぎて、フィルムの製造自体ができなくなりやすい。また分子量又は重量平均分子量が10000より大きいと、脂肪族系化合物自体の凝集異物が多大に発生してフィルムの製造自体ができなくなりやすい。
したがって、脂肪族系化合物の分子量又は重量平均分子量が220〜10000の範囲内であり、沸点が80℃以上であるとの記載は、実質的にポリアリレートフィルムを製造できる目安を示したものである。
本発明に係る脂肪族系化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下のとおりである。
溶媒:ジクロロメタン
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0mL/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜2800000の範囲内の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
脂肪族系化合物の重量平均分子量は、280〜10000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましい。1000〜5000であることが、さらに好ましい。
本発明に係る脂肪族系化合物の含有量は、ポリアリレートフィルム中に、1〜30質量%の範囲内で含有することが、本発明の効果の観点から好ましい。15〜30質量%の範囲内で含有することが、フィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)が小さい観点からより好ましい。
本発明に係る脂肪族系化合物は、分子内にエーテル結合、エステル結合のうち少なくとも1種以上の結合を有する化合物であることが本発明の効果の観点から好ましい。
脂肪族系化合物は、分子内に芳香族環を有さないことがより好ましい。
好ましい脂肪族系化合物としては、糖エステル、ポリエステル、及び多価アルコールエステルが挙げられる。
本発明に係る脂肪族系化合物の糖エステルとして、好ましい例には、下記一般式(6)で表される構造を有するスクロースエステルが含まれる。
Figure 2018070818
上記一般式(6)のR11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基を表す。R11〜R18は、互いに同じであっても、異なってもよい。
前記一般式(6)のR11〜R18の置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基は、
炭素原子数2以上の置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基であることが好ましい。置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基の例には、メチルカルボニル基(アセチル基)が含まれる。
スクロースエステルのアシル基の平均置換度は、3.0〜7.5の範囲内であることが好ましい。アシル基の平均置換度がこの範囲内であると、フィルム基材であるセルロースエステルとの十分な相溶性が得られやすい。
糖エステルの例には、特開昭62−42996号公報及び特開平10−237084号公報に記載の化合物が含まれる。
本発明に係る脂肪族系化合物のポリエステルとしては、下記一般式(7)で表される構造を有するポリエステルが、本発明の効果の観点からより好ましい。
一般式(7) B−(G−A)−G−B
(式中、Bはヒドロキシ基又はカルボン酸残基、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基を表し、またnは1以上の整数を表す。)
一般式(7)中、Bで示されるヒドロキシ基又はカルボン酸残基と、Gで示されるアルキレングリコール残基又はオキシアルキレングリコール残基、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のエステル系化合物と同様の反応により得られる。
一般式(7)で表される構造を有するポリエステルのカルボン酸成分としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、脂肪族酸等があり、これらはそれぞれ1種又は2種以上の混合物として使用することができる。
一般式(7)で表される構造を有するポリエステルの炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種又は2種以上の混合物として使用される。
特に炭素数2〜12のアルキレングリコールがセルロースエステル樹脂との相溶性に優れているため、特に好ましい。
また、前記一般式(7)で表される構造を有するポリエステルの炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種又は2種以上の混合物として使用できる。
前記一般式(7)で表される構造を有するポリエステルは、重量平均分子量が、好ましくは220〜1500、より好ましくは400〜1000の範囲が好適である。また、そ
の酸価は、0.5mgKOH/g以下、ヒドロキシ基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、ヒドロキシ基価は15mgKOH/g以下のものである。
前記一般式(7)で表される構造を有する化合物の化合物例としては、例えば下記に記載のものが挙げられる。
7−1:前記一般式(7)において、Bで表される構造の一価の基が2−エチルヘキサン酸から誘導され、Gで表される構造の二価の基が1,2−プロパンジオール、Aで表される構造の二価の基がアジピン酸から誘導される重量平均分子量560のポリエステル。
7−2:前記一般式(7)において、Bで表される構造の一価の基が酢酸から誘導され、Gで表される構造の二価の基が1,2−プロパンジオール、Aで表される構造の二価の基がアジピン酸から誘導される重量平均分子量489のポリエステル。
多価アルコールエステルは、多価アルコールと脂肪酸とから誘導されるエステルであり、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。化合物例としては、トリメチロールプロパントリデカノエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステルなどが挙げられる。
<脂肪族系化合物の併用>
本発明のポリアリレートフィルムは、分子量又は化学構造が異なる2種類以上の脂肪族系化合物を含有することが、本発明の効果の観点から好ましい。
分子量が異なる2種類以上の脂肪族系化合物を含有させる場合には、分子量が1.1倍以上異なる2種類の脂肪族系化合物を含有することが本発明の効果の観点から好ましい。分子量が1.5〜2倍の範囲内で異なることがより好ましい。
化学構造が異なる2種類以上の脂肪族系化合物を含有させる場合には、種々のタイプの本発明に係る脂肪族系化合物を2種類以上含有させればよいが、分子内にエステル結合を有する脂肪族系化合物と、分子内にエーテル結合を有する脂肪族系化合物とを含有させることがより好ましい。
<脂肪族系化合物と、他の化合物との併用>
本発明のポリアリレートフィルムは、本発明に係る脂肪族系化合物と、芳香族系化合物とを含有することが、本発明の効果の観点から好ましい。
当該芳香族系化合物は、分子量又は重量平均分子量が220〜10000の範囲内であってかつ分子内に芳香環を有する化合物である。芳香族系化合物は分子内にエステル結合又はエーテル結合を有する芳香族系化合物であることが好ましい。
<その他の添加剤>
(紫外線吸収剤)
本発明のポリアリレートフィルムは、紫外線吸収剤を含有することが耐光性を向上する観点から好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐光性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が、0.1〜30%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜20%の範囲、更に好ましくは2〜10%の範囲である。
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤である。
例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン(登録商標)類があり、これらはいずれもBASFジャパン(株)製の市販品であり好ましく使用できる。この中ではハロゲンフリーのものが好ましい。
このほか、1,3,5−トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
本発明のポリアリレートフィルムは、紫外線吸収剤を2種以上含有することが好ましい。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。また、紫外線吸収剤は、ハロゲン基を有していないことが好ましい。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやジクロロメタン、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶剤又はこれらの混合溶剤に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、ポリアリレートフィルムの乾燥膜厚が15〜50μmの場合は、ポリアリレートフィルムに対して0.5〜10質量%の範囲が好ましく、0.6〜4質量%の範囲が更に好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に電子デバイスなどが置かれた場合には、ポリアリレートフィルムの劣化が起こる場合がある。
酸化防止剤は、例えば、ポリアリレートフィルム中の残留溶剤量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりポリアリレートフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、本発明のポリアリレートフィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、特開2010−271619号公報の段落番号0108〜0119に記載の化合物を好ましく用いることができる。
これらの化合物の添加量は、ポリアリレートフィルムに対して質量割合で1ppm〜1.0%の範囲が好ましく、10〜1000ppmの範囲が更に好ましい。
(剥離促進剤)
本発明のポリアリレートフィルムには、フィルム製造時の剥離性を改良するために剥離促進剤を添加しても良い。
ポリアリレートフィルムの剥離抵抗を小さくする添加剤としては界面活性剤に効果の顕著なものが多く、好ましい剥離剤としてはリン酸エステル系の界面活性剤、カルボン酸又はカルボン酸塩系の界面活性剤、スルホン酸又はスルホン酸塩系の界面活性剤、硫酸エス
テル系の界面活性剤が効果的である。また上記界面活性剤の炭化水素鎖に結合している水素原子の一部をフッ素原子に置換したフッ素系界面活性剤も有効である。以下に剥離剤を例示する。
RZ−1 C17O−P(=O)−(OH)
RZ−2 C1225O−P(=O)−(OK)
RZ−3 C1225OCHCHO−P(=O)−(OK)
RZ−4 C1531(OCHCHO−P(=O)−(OK)
RZ−5 {C1225O(CHCHO)−P(=O)−OH
RZ−6 {C1835(OCHCHO}−P(=O)−ONH
RZ−7 (t−C−C−OCHCHO−P(=O)−(OK)RZ−8 (iso−C19−C−O−(CHCHO)−P(=O)−(OK)(OH)
RZ−9 C1225SONa
RZ−10 C1225OSONa
RZ−11 C1733COOH
RZ−12 C1733COOH・N(CHCHOH)
RZ−13 iso−C17−C−O−(CHCHO)−(CHSONa
RZ−14 (iso−C19−C−O−(CHCHO)−(CHSONa
RZ−15 トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
RZ−16 トリ−t−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム
RZ−17 C1733CON(CH)CHCHSONa
RZ−18 C1225−CSO・NH
剥離促進剤の添加量はポリイミドに対して0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましく、0.1〜0.5質量%が最も好ましい。
本発明のポリアリレートフィルムには、必要に応じて無機微粒子や位相差調整剤など、その他の添加剤を使用することができる。
<ポリアリレートフィルムの製造方法>
本発明のポリアリレートフィルムを製造するポリアリレートの製造方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができる。本発明においては、溶液流延法で製造されることが、薄膜化や大量生産適正に優れる観点から好ましい。具体的には、ポリアリレートフィルムの溶液流延法による製造方法としては、1)前述のポリアリレートが沸点70℃以下の溶媒に溶解又は分散した溶液を得る工程(溶液調製工程)と、2)溶液を支持体上に流延した後、乾燥させて膜状物を得る工程(製膜工程)と、3)膜状物を、互いに直交する二方向にそれぞれ延伸する工程(延伸工程)とを含み、必要に応じて4)ベンディング処理工程をさらに含みうる。4)ベンディング処理工程は、延伸工程後に行うことが好ましい。
ポリアリレートフィルムの製造工程は、例えば図1に示される製造装置にて行うことができる。図1は、フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。フィルムの製造装置10は、流延装置20と、延伸装置30と、ベンディング処置装置40とを有しうる。
1)溶液調製工程
ポリアリレートを溶剤に溶解させてポリマー溶液を得る。溶剤は、後述する製膜工程における流延膜の乾燥温度を低くする観点から、沸点が100℃以下の溶媒(好ましくは良溶媒)が主溶媒(溶媒全体の内、含有質量比が50質量%を超える溶媒)であることが好
ましい。
沸点が100℃以下である良溶媒の例には、ジクロロメタン(沸点40.4℃)、クロロホルム(沸点61.2℃)、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、1,3−ジオキソラン(75℃)、メチルエチルケトン(80℃)、アセトン(56℃)、酢酸エチル(77℃)などが含まれる。製膜工程における乾燥温度を低くする観点から、好ましくは沸点60℃以下の良溶媒であり、より好ましくはジクロロメタンである。
ポリマー溶液におけるポリアリレートの濃度は、10質量%以上、好ましくは10〜30質量%程度であることが好ましい。
ポリマー溶液は、濾過により、不溶物や異物等を除去することが好ましい。用いる濾過材は、目詰まりを生じることなく、不溶物等を良好に除去できる程度のものであればよく、絶対濾過精度0.008mm以下、好ましくは0.003〜0.006mmの濾材を用いることが好ましい。
2)製膜工程
得られたポリマー溶液を、流延装置20のダイス21から金属支持体23上に流延した後、流延膜を乾燥させて膜状物を得る(図1参照)。
金属支持体23は、ロール23Aで搬送される無端状のステンレスベルトでありうる。流延膜の乾燥は、延伸開始時の残留溶剤量が後述する範囲となるように行うことが好ましい。
流延膜の乾燥は、種々の方法で行うことができ、例えば金属支持体23の表面温度を調整し、かつ流延膜に風を当てて行うことができる。金属支持体23の表面温度の制御は、例えば金属支持体の裏側に温水を接触させる方法によって行うことができる。
本発明では、ベルト上での流延膜の乾燥温度(金属支持体23の表面温度や風Wの温度)を低くすることが好ましい。ベルト上での流延膜の乾燥温度を低くすることで、引張弾性率が高い膜状物を得ることができる。前述のとおり、乾燥とともに樹脂分子間のスタックが効率的に進み、面配向性が増すためであると推定される。
ただし、乾燥温度(金属支持体23の表面温度や風Wの温度)が低すぎると、乾燥時間が長くなるだけでなく、低温の風を吹き付けすぎることで、結露によりフィルム表面が粗くなりやすく、透明性が損なわれるおそれがある。乾燥温度を高くしすぎると、溶液中でポリマーの分子がランダムになりやすいため、ポリアリレート分子がスタック(配向)しにくく、得られるフィルムの引張弾性率が高まりにくい。
したがって、流延膜の乾燥温度、具体的には金属支持体23の表面温度及び流延膜に当てる風の温度は、それぞれ80℃未満であることが好ましく、5〜70℃であることが好ましく、10〜60℃であることがより好ましく、15〜40℃であることがさらに好ましい。乾燥は、一度で行ってもよいし、温度を変えて段階的に行ってもよい。
乾燥後に得られる膜状物を、金属支持体23から剥離ロール25等で剥離する。
3)延伸工程
得られた膜状物を延伸することが好ましい。延伸は、樹脂分子の配向の異方性を少なくする観点から、互いに直交する二方向に行うことが好ましい。互いに直交する二方向は、好ましくはMD方向とTD方向でありうる。
互いに直交する二方向への延伸は、同時に行ってもよいし、逐次的に行ってもよい。同時二軸延伸を行ってもよいが、フィルム全面において配向角を均一にすることは非常に難しいことから、逐次二軸延伸を行うことが好ましい。逐次二軸延伸を行う場合、剥離後の膜状物をMD方向に延伸した後、TD方向に延伸することが好ましい。
各方向への延伸倍率は、それぞれ1.05〜2.5倍であることが好ましく、1.2〜2.0倍であることがより好ましい。延伸倍率とは、延伸前のフィルムの(延伸方向)長さに対する延伸後のフィルムの(延伸方向)長さの比(延伸前のフィルムの長さ/延伸前のフィルムの長さ)で表される。各方向の延伸倍率の和(合計)は、2.2〜4.0であることが好ましく、2.2〜3.5であることがより好ましい。延伸倍率の和が2.2以上であると、フィルムの引張弾性率を十分に高めうる。延伸倍率の和が4.0以下であると、ヘイズの過剰な上昇を抑制できる。また、光学的等方性の高いフィルムを得るためには、各方向の延伸倍率の差は少ないことが好ましく、各方向の延伸倍率の差が0.5以下であることが好ましい。
延伸倍率を高くすると、樹脂分子の配向がそろいやすいため、フィルムの引張弾性率を高めやすい一方、ヘイズも上昇しやすい。ヘイズの上昇を抑制しながら引張弾性率を高めるためには、延伸前の膜状物の引張弾性率を高めておくこと、即ち、製膜工程の流延膜の乾燥温度を低くすることが有効である。
延伸温度は、ポリアリレートのガラス転移温度をTgとしたとき、(Tg−130℃)〜(Tg−20℃)であることが好ましく、(Tg−110℃)〜(Tg−30℃)であることがより好ましい。上記温度と倍率で延伸を行うことで、フィルムに十分な延伸応力を付与できるので、得られるフィルムの引張弾性率を効果的に高めうる。
延伸開始時の膜状物の残留溶媒量、好ましくはMD方向への延伸後にTD方向に延伸する際のMD方向の延伸開始時の膜状物の残留溶媒量は、ヘイズの上昇を抑制する観点から、25〜45質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。残留溶媒量が一定以上であると、膜状物が柔軟になるため、比較的高い倍率で延伸しやすい。一方、残留溶媒量が一定以下であると、膜状物の強度が安定するため、均一な延伸が行いやすい。
残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
(式中、Mは、膜状物から採取した試料の質量で、NはMを150℃で1時間の加熱後の質量である)
延伸方法は、特に限定されない。MD方向の延伸は、例えばロール延伸装置31により、複数のロールに周速差を設けることによって行うことができる。TD方向の延伸は、例えばテンター延伸装置33により、膜状物の両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔をTD方向に広げることにより行うことができる(図1参照)。
4)ベンディング処理工程
フィルムの熱収縮率を低減する観点から、延伸後のフィルムを、ベンディング処理することが好ましい。
ベンディング処理は、ベンディングゾーン41の加熱雰囲気下で、フィルムを多数の搬送ロール47Aや47Bで搬送しながら折り曲げることによって行うことができる(図1
参照)。ベンディングは、フィルムの一方の面と他方の面が交互に内側になるように搬送ロール47に巻き掛けて行うことが好ましい。
搬送ロール47Aや47Bの径は、例えば90〜108mmとしうる。フィルム搬送方向に隣り合う搬送ロール同士の中心間距離(例えば図1の搬送ロール47Aと搬送ロール48Bの中心間距離D)は、フィルムの搬送速度にもよるが、例えば200〜1800mm程度としうる。得られるフィルムの熱収縮率を十分に低減するためには、フィルムを曲げたときの半径をammとしたとき、1/aの値が0.013〜0.033mm−1、好ましくは0.013〜0.033mm−1、より好ましくは0.017〜0.025mm−1となるようにロール径を設定しうる。
ベンディングゾーン41には、温度調整された熱風が、吸気口43から導入され、ベンディングゾーン41を流通した後、排気口45から排気される。ベンディングゾーン41内の雰囲気温度の調整は、加熱ロール等で行ってもよいが、簡便であることから、熱風で行うことが好ましい。ベンディングゾーン41内の雰囲気は、空気でもよいが、窒素ガスや炭酸ガス、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であってもよい。
ベンディングゾーン41内の雰囲気温度(ベンディング処理温度)は、ポリアリレートのガラス転移温度をTgとした場合、(Tg−150℃)以上(Tg−30℃)以下であることが好ましく、(Tg−140℃)以上(Tg−50℃)以下であることがより好ましい。
ベンディングの回数は、150回以上1000回未満であることが好ましく、250回以上1000回未満であることがより好ましく、350回以上1000回未満であることがさらに好ましい。ベンディング回数は、ひとつの搬送ロールによる折り曲げ操作を1回としてカウントする。ベンディング回数が多いと、得られるフィルムの熱収縮率をより低減しうる。
ベンディング処理を行うことで、得られるフィルムの引張弾性率を均一化でき、かつ熱収縮率を低減できる。
フィルムの搬送速度は、例えば10〜150m/分程度とし、好ましくは15〜100m/分としうる。
その後、必要に応じてスリッターを設けてフィルムの幅方向両端部を切り落とした後、ナーリング加工を施してもよい。ナーリング加工は、加熱されたエンボスロールを押し当てて行うことができる。その後、フィルムの長手方向(MD方向)と直交する方向(TD方向)を巻取軸としてフィルムを巻き取り、ロール体としうる。
<ポリアリレートフィルムの用途>
本発明のポリアリレートフィルムは、高い透明性と機械的強度、耐熱性とを有し、かつ表面変形故障が低減される。したがって、本発明のポリアリレートフィルムは、それらの特性が要求される幅広い用途;例えば、フレキシブルパネルディスプレイ(有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、電子ペーパー等)や太陽電池等における透明基板又は透明電極基板(ガラス基板に代わる基板);透明性が求められる用途のフレキシブルプリント基板(FPC)の絶縁基材やカバーフィルム;タッチパネル等に用いられる透明導電フィルムの基材等に用いられる。
特に、タッチパネルに用いられる透明導電フィルムの基板として用いることが好ましい。
また、本発明のポリアリレートフィルムは、フィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)が小さいポリアリレートフィルムであるので、他の構成部分の光学特性に悪影響を及ぼしにくい。例えば、有機ELディスプレイの表面の光反射を防止するために円偏光板が併用された際に、円偏光板の光反射防止機能が劣化しにくい。
したがって、本発明のポリアリレートフィルムは、円偏光板を具備した有機ELディスプレイに使用することが有効である。
さらに好ましい形態は、タッチパネルと円偏光板とを具備した有機ELディスプレイのタッチパネルの基板として使用することである。
最も好ましい形態の構成は、視認側から(カバーガラス/円偏光板/タッチパネル/ガスバリアーフィルム/有機EL発光素子)とすることである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
実施例に使用するポリアリレートを、下記のようにして合成した。
<ポリアリレート1の合成>
パドル型二枚羽の撹拌装置を備えた2Lの反応容器中に、二価フェノール成分としてBisTMC69.8質量部、末端封止剤としてPTBP0.7質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)32.7質量部、重合触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド〔TBBAC〕の50質量%水溶液を1.0質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム0.3質量部を仕込み、水1040質量部に溶解した(水相)。また、これとは別に、ジクロロメタン910質量部に、テレフタル酸クロライド(TPC)23.0質量部と、イソフタル酸クロライド(IPC)23.0質量部を溶解した(有機相)(BisTMC:TPC:IPC:PTBP:TBBAC:NaOH=99.0:50.0:50.0:2.0:0.68:360(モル比))。水相と有機相の合計量は、1Lであった。水相をあらかじめ400rpmで撹拌しておき、撹拌数を維持しながら有機相を水相中に添加し、15℃で2時間、界面重合法で重合をおこなった。この後、撹拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、ジクロロメタン500質量部、純水2000質量部と酢酸2質量部を添加して反応を停止し、15℃で30分間撹拌した。その後、有機相を純水で10回洗浄し、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーを濾過し、乾燥し、ポリアリレート1を得た。
<ポリアリレート2の合成>
撹拌装置を備えた反応容器中に水2514質量部を添加した後、水酸化ナトリウム22.7質量部、二価フェノールである9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン51.3質量部、分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.162質量部を溶解させ、0.34質量部の重合触媒(トリブチルベンジルアンモニウムクロライド)を添加し、激しく撹拌した。別に、テレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等質量混合物(以下、MPCともいう。)25.8質量部を秤り取り、945質量部のジクロロメタンに溶解させた。このジクロロメタン溶液を先に調製したアルカリ水溶液に撹拌下に添加し、重合を開始させた。重合反応温度は15℃以上20℃以下になるように調整した。重合は2時間行い、その後、系内に酢酸を添加
して重合反応を停止させ、有機相と水相を分離した。この有機相に対し1回の洗浄に2倍容のイオン交換水で洗浄と分離を繰り返した。洗浄水の電気伝導度が50μS/cmよりも低くなったところで洗浄を終了とした。50℃でホモミキサーを装着した温水槽中に洗浄後の有機相を投入してジクロロメタンを蒸発させ粉末状のポリマーを得た。さらに脱水・乾燥を行い、ポリアリレート2を得た。
〔実施例1〕
以下の実施例に用いた脂肪族系化合物、及び芳香族系化合物の構造を、種類記号とともに以下に列挙する。
A:ステアリン酸(分子量284)
B:ベヘン酸(分子量341)
C:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(分子量224)
D:前記一般式(6)で表される構造を有する化合物
ただし、R11〜R18は、水素原子又はメチル基であり、8個の基のうちメチル基による平均置換度は5.5である。(重量平均分子量419)
E:前記一般式(7)において、Bで表される構造の一価の基が2−エチルヘキサン酸から誘導され、Gで表される構造の二価の基が1,2−プロパンジオール、Aで表される構造の二価の基がアジピン酸から誘導される重量平均分子量560のポリエステル。
F:前記一般式(7)において、Bで表される構造の一価の基が酢酸から誘導され、Gで表される構造の二価の基が1,2−プロパンジオール、Aで表される構造の二価の基がアジピン酸から誘導される重量平均分子量489のポリエステル。
G:前記一般式(7)において、Bで表される構造の一価の基が水素原子であり、Gで表される構造の二価の基がエチレングリコールから誘導され、Aで表される構造の二価の基がコハク酸から誘導される重量平均分子量510のポリエステル。
H:前記一般式(6)で表される構造を有する化合物
ただし、R11〜R18は、水素原子又はベンジル基であり、8個の基のうちベンジル基による平均置換度は5.5である。(重量平均分子量837)
なお、上記の各脂肪族系化合物、及び芳香族系化合物の市販品の入手先は以下のとおりである。また、化合物E、F、Gについては、定法により合成した。
A:日油株式会社
B:東京化成工業株式会社
C:東京化成工業株式会社
D:第一工業株式会社
H:第一工業株式会社
<ポリアリレートフィルム1の作製>
ポリアリレート1を14質量部と、ジクロロメタンを100質量部とを密閉容器に入れ、撹拌しながら徐々に45℃まで昇温し、完全に溶解させた。得られた溶液を、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過して、ポリマー溶液(以下、ドープともいう。)を得た。
(製膜)
得られたドープを、ベルト流延装置のステンレスベルト上に均一に流延した。ステンレスベルトの長さは20mのものを用いた。ステンレスベルトの表面温度は35℃とし、かつ流延膜に35℃の風を当てて、残留溶媒量が38%となるまで溶剤を蒸発させた後、ステンレスベルトから剥離して膜状物を得た。
(延伸)
得られた膜状物を、ロール間の周速差を利用してMD方向に170℃で1.2倍に延伸した後、テンターでTD方向に230℃で1.2倍に延伸した。
(ベンディング)
延伸後に得られたフィルムを、図1に示されるベンディング装置内でロール搬送しながら140℃でベンディング処理を200回行った。ロールの直径は108mmとし、フィルム搬送方向に隣り合う二つのロールの中心間距離(例えば図1のロール47Aとロール47Bの中心間距離D)は324mmとし、フィルムの搬送速度は5m/分とした。
得られたフィルムを、125℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら30分間乾燥させた後、フィルムの幅方向両端部に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施して、膜厚20μmのポリアリレートフィルム1を得た。
<ポリアリレートフィルム2〜16の作製>
ポリアリレートフィルム1の作製において、使用するポリアリレートの種類、ドープに添加する脂肪族系化合物の種類と添加量、膜厚を表1に示すように変化した以外は、ポリアリレートフィルム1と同様にポリアリレートフィルム2〜16を作製した。なお、表1において、脂肪族系化合物の添加量は、ポリアリレートフィルムの全体の質量の対する脂肪族系化合物の質量%を表す。また、脂肪族芳香族系化合物を複数添加する場合には、脂肪族系化合物1、及び脂肪族系化合物2と表記した。脂肪族系化合物1以外に、芳香族系化合物を添加する場合には、芳香族系化合物1と表記した。
<ポリアリレートフィルムの評価>
ポリアリレートフィルム1〜16について、下記の評価を行った。
(MIT耐折試験)
各ポリアリレートフィルムを、1.5cm×10cmの大きさに切り出して試料片とし、当該試料片を、25℃・60%RH下、MIT耐折疲労試験機(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、折り曲げ速度175rpm、折り曲げ角度135°、チャック先端半径(折り曲げクランプの先端半径)0.38mm、及び荷重4.9Nの条件で折り曲げたときに割れが発生する折り曲げ回数を、ポリアリレートフィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向で測定した。
(フィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm))
各ポリアリレートフィルムの膜厚方向の位相差値Rtは自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃、55%RHの環境下、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率n、n、nから下記式を用いて算出した。
式(1)Rt={(n+n)/2−n}×d
〔式中、Rtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
は、フィルム平面内の遅相軸方向の屈折率である
は、フィルム平面内の遅相軸方向に直交する方向の屈折率である
は、フィルム面に垂直な方向の屈折率である
dは、フィルムの厚さ(nm)である。〕
<透明導電フィルム101の作製>
次いで、図2に示す構成の透明導電フィルムを作製した。前記ポリアリレートフィルム1の片面にマイクログラビアを用いてアクリル酸エステル及びアモルファスシリカを主成
分とした紫外線硬化型樹脂(JSR社製オプスターZ7527)及び界面活性剤(AGCセイミケミカル社製サーフロンS−651)を含有した表面保護層形成用塗布液を、乾燥後膜厚0.7μmになるように塗布し、乾燥した。
次いで、高圧水銀ランプを使用して、大気下で前記塗膜に光量270mJ/cmで紫外線照射して硬化し、表面保護層(103)を片面に形成した。次いで、前記表面保護層とは逆の面に、同様に表面保護層(103)を形成した。
次に、透明導電層を形成した。
銀ナノワイヤーは、Y.Sun、B.Gates、B.Mayers、& Y.Xia,“Crystalline silver nanowires by soft solution processing”、Nano letters、(2002)、2(2) 165〜168に記載されるポリオールを用いた方法の後、ポリビニルピロリドン(PVP)の存在下で、エチレングリコールに硫酸銀を溶解し、これを還元することによって合成されたナノワイヤーである。すなわち本発明においてはCambrios Technologies Corporation 米国仮出願第60/815,627号に記載される修正されたポリオール方法によって、合成されたナノワイヤーを用いた。
透明導電層を形成する金属ナノワイヤーとして、上記方法で合成された短軸径約70〜80nm、アスペクト比100以上の銀ナノワイヤーを水性媒体中に0.5%w/v含有する銀ナノワイヤー水分散体組成物(Cambrios Technologies Corporation社製 ClearOhm, Ink−A AQ)を、スロットダイ塗工機を使用し、ポリアリレートフィルム1上に乾燥後膜厚が1.5μmになるように塗布、乾燥した後に、圧力2000kN/mで加圧処理を行い、透明導電層を形成し、透明導電フィルム1を得た。
<透明導電フィルム102〜116の作製>
透明導電フィルム101で作製した透明導電層を、ポリアリレートフィルム102〜116に対してそれぞれ形成した以外は、透明導電フィルム101と同様にして、透明導電フィルム102〜116を作製した。
<タッチパネル表示装置の作製>
特表2010−541109号公報に記載のようにして、パターン化された前記の透明導電フィルム101〜116を用いて、タッチパネル部材101〜116を作製した。
<タッチパネル付有機EL表示装置の作製>
3mm厚の127cm用無アルカリガラスを用いて、特開2010−20925号公報の実施例に記載されている方法に準じて、特開2010−20925号公報の図8に記載された構成からなる有機ELセルを作製した。
上記の有機ELセルにガスバリアーフィルムを設置した後、前記のタッチパネル部材101〜116を設置した。さらに円偏光板の表面に接着剤を塗工したフィルムを貼合した。最表面にカバーガラスを設置して、図3に示す構成の、タッチパネル付有機EL表示装置1〜16を作製した。
上記のようにして作製した表示装置1〜16について、下記の評価を行った。
(抵抗値変化率評価)
タッチパネル試験機001型−29−2(株式会社タッチパネル研究所製)を用いて
、打鍵試験前後のタッチパネル表示装置の端子間抵抗値を測定し、抵抗値変化率を下記評価基準に基づいて評価した。
◎:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が0.1%未満の値を示す
○:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が0.1%以上0.5%未満の値を示す
△:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が0.5%以上1.5%未満の値を示す
×:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が1.5%以上の値を示す
(タッチパネル応答性評価)
打鍵試験後のタッチパネル表示装置を表示にした状態において、評価者がタッチパネル画面の左端から右端へ指でなぞり、ポインターが下記評価基準に基づいて動作したか評価した。
○:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行ったとき、ポインターが100回中100回応答した
△:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行ったとき、ポインターが100回中99回応答した
×:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行ったとき、ポインターが100回中98回以下応答した
各ポリアリレートフィルムの組成と、各ポリアリレートフィルムの評価結果、及び各表示装置の評価結果とを合わせて表1に示した。
Figure 2018070818
表1から明らかなように、本発明のポリアリレートフィルムでは、膜厚方向の位相差値
(Rt)が小さかった。
また、本発明の表示装置は、抵抗値変化率が小さく、タッチパネルの応答性評価も良好であった。
なお、膜厚方向の位相差値(Rt)が60nmより大きい比較例では、表示装置を太陽光照射下で観察したときに、太陽光の光反射の影響が大きくなり、表示装置の視認性が劣化した。
また、脂肪族系化合物を複数添加した試料は、本発明の効果がより良好であった。また、脂肪族系化合物と芳香族系化合物とを添加した試料では、本発明の効果がより良好であった。
10 フィルムの製造装置
20 流延装置
21 ダイス
23 金属支持体
25 剥離ロール
30 延伸装置
31 ロール延伸装置
33 テンター延伸装置
40 ベンディング装置
41 ベンディングゾーン
43 吸気口
45 排気口
47A、47B 搬送ロール
101 透明導電フィルム
102 ポリアリレートフィルム(基材)
103 表面保護層
104 透明導電層
105 粘着フィルム
106 カバーガラス
107 タッチパネル部材
108 有機EL表示装置
109 ガスバリアーフィルム
110 円偏光板

Claims (5)

  1. 下記式(1)で定義されるフィルム膜厚方向の位相差値Rt(nm)が、−60〜60nmの範囲内であるポリアリレートフィルムであって、
    当該ポリアリレートフィルムが、下記のMIT耐折試験による耐折回数が、フィルムの長手方向、及び長手方向に直交する方向のいずれの方向においても4000回以上であるように調整されていることを特徴とするポリアリレートフィルム。
    式(1):Rt=((n+n)/2−n)×d
    〔式中、Rtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
    は、フィルム平面内の遅相軸方向の屈折率である。
    は、フィルム平面内の遅相軸方向に直交する方向の屈折率である。
    は、フィルム面に垂直な方向の屈折率である。
    dは、フィルムの厚さ(nm)である。〕
    MIT耐折試験:フィルムを、1.5cm×10cmの大きさに切り出して試料片とし、当該試料片を、25℃・60%RH下、MIT耐折疲労試験機にセットし、折り曲げ速度175rpm、折り曲げ角度135°、チャック先端半径0.38mm、及び荷重4.9Nの条件で折り曲げたときに割れが発生する折り曲げ回数を測定する。
  2. 前記ポリアリレートフィルムの膜厚が、5〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリレートフィルム。
  3. 前記ポリアリレートフィルムが、脂肪族系化合物を含有し、
    当該脂肪族系化合物が、分子量又は重量平均分子量が220〜10000の範囲内であり、沸点が80℃以上であり、かつ、分子内に脂肪族基を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリアリレートフィルム。
  4. 前記ポリアリレートフィルムが、分子量又は化学構造が異なる2種類以上の脂肪族系化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載のポリアリレートフィルム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のポリアリレートフィルムを具備することを特徴とする表示装置。
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