JP2018069846A - 車両後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体の剛性確保に寄与する。【解決手段】車両後部構造10は、車両上部で車両前後方向に延び、レールアウタパネル20とレールインナパネル30により形成されるルーフサイドレール12を備えている。また、車両後部においてルーフサイドレール12の車両幅方向内側に形成され、車両幅方向に延びるアッパバックリインフォースメント40が挿入される開口部15と、アッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に直接結合される結合部(W1〜W5)を備えている。【選択図】図7

Description

本発明は、車両後部構造に関する。
下記特許文献1に記載された車両の車両後部構造では、車室とトランクとの境界部分に車両幅方向に延びるアッパバックフロント骨格部(クロスメンバ)が設けられている。このアッパバックフロント骨格部は、アッパバックパネルとアッパバックリインフォースメントとが結合されることで、車両幅方向に延びる閉断面を形成している。一方、アッパバックフロント骨格部の車両幅方向の端部には、サイメンアウタとルーフサイドインナの2枚のパネルによって、ルーフサイドレールから連続する閉断面空間が設けられている。そして、アッパバックフロント骨格部がフランジを介して閉断面空間を構成するルーフサイドインナに結合されている。すなわち、アッパバックフロント骨格部はルーフサイドレールから連続する閉断面の外部で結合されている。
特開2015−199376号公報
ここで、特許文献1の車両後部構造では、ねじれ変形を受けるルーフサイドレールと、反力部材であるアッパバックフロント骨格部とが、フランジのみで結合されている。そのため、フランジ付近に変形が生じることで、ルーフサイドレールとアッパバックフロント骨格部との間の荷重の伝達が上手くいかずに、ルーフサイドレールのねじれ変形を抑制できない可能性がある。すなわち、車体の剛性を確保するために、改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車体の剛性確保に寄与する車両後部構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両後部構造は、車両上部で車両前後方向に延びるレールアウタパネルと、前記レールアウタパネルの車両幅方向内側に配置され、前記レールアウタパネルとで閉断面のルーフサイドレールを形成するレールインナパネルと、車両後部において前記ルーフサイドレールの車両幅方向内側に形成され、車両幅方向に延びるアッパバックリインフォースメントが挿入される開口部と、前記アッパバックリインフォースメントが前記ルーフサイドレールに直接結合される結合部と、を備えている。
請求項1に記載の発明では、レールアウタパネルとレールインナパネルにより車両前後方向に延びるルーフサイドレールを構成している。このルーフサイドレールの車両幅方向内側には開口部が設けられており、車両幅方向に延びるアッパバックリインフォースメントが挿入される。すなわち、アッパバックリインフォースメントはルーフサイドレールの閉断面の内部に挿入される。そして、アッパバックリインフォースメントがルーフサイドレールに挿入された状態で結合されることにより、ルーフサイドレールの閉断面とアッパバックリインフォースメントにより形成される閉断面同士が接続される。これにより、アッパバックリインフォースメントとルーフサイドレールとの荷重の伝達効率が向上し、車体のねじり剛性を確保することができる。
本発明に係る車両後部構造では、車体の剛性確保に寄与することができる。
本実施形態に係る車両後部構造の部分的な構成を車両上方から見た平面図である。 図1に示される構成を分解した分解斜視図である。 図1のA−A線に沿った切断面を示す断面図である。 図1のB−B線に沿った切断面を示す断面図である。 図4のC−C線に沿った切断面を示す断面図である。 本実施形態に係る車両後部構造であって、アッパバックリインフォースメントとレールインナパネルとの結合部の周辺の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る車両後部構造であって、アッパバックリインフォースメントとレールアウタパネルとの結合部の周辺の構成を示す斜視図である。 比較例に係る車両後部構造の部分的な構成を車両上方から見た平面図である。 比較例に係る車両後部構造であって、アッパバックリインフォースメント及びパッチ周辺の構成を示す斜視図である。 図8のD−D線に沿った切断面を示す断面図である。 図8のE−E線に沿った切断面を示す断面図である。 図11のF−F線に沿った切断面を示す断面図である。
本発明の実施形態に係る車両後部構造10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車両幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。なお、本実施形態に係る車両後部構造10は、基本的に左右対称(車両幅方向中心に対し対称)に構成されているので、図1〜図7では車両幅方向一方側(車両右方側)のみを図示しており、以下の説明においても主に車両幅方向一方側について説明する。
[構成]
(概要)
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る車両後部構造10は、主としてレールアウタパネル20、レールインナパネル30、アッパバックリインフォースメント40、及びアッパバックパネル50から構成されている。また、車両後部の構成としては、上記に加えて、トルーフ60、及びサイドアウタパネル70を有している。以下、各部の構成について説明する。
レールアウタパネル20は、後述するレールインナパネル30とともに、ルーフサイドレール12を構成するものである。このレールインナパネル30は、車両上部で車両前後方向に延びる部材であって、板金がプレス成形されることにより板状に形成されている。図3(A)に示されるように、レールアウタパネル20は、車両後方から断面視した場合、ルーフサイドレール12の上面、下面及び車両幅方向外側の壁面を構成する壁部22と、壁部22の下端から下方に延設された下方フランジ部24と、から構成されている。そして、下方フランジ部24は後述する壁部32に対してスポット溶接により結合されている(図3(A)の打点W10参照)。
レールインナパネル30は、レールアウタパネル20とともに、ルーフサイドレール12を構成するものである。このレールインナパネル30は、車両上部でレールアウタパネル20の車両幅方向内側に配置され、レールアウタパネル20に沿って前後方向に延在している。また、レールインナパネル30は、板金がプレス成形されることにより板状に形成されている。図3(A)に示されるように、レールインナパネル30は、車両後方から断面視した場合、ルーフサイドレール12の車両幅方向内側の壁面を構成する壁部32と、壁部32の上端から車両幅方向内側に延設された側方フランジ部34と、から構成されている。そして、側方フランジ部34は後述する開口部15よりも車両前方において、壁部22に対してスポット溶接により結合されている(図4の打点W12参照)。
以上、下方フランジ部24と壁部32とが結合され、壁部22と側方フランジ部34とが結合されることにより、レールアウタパネル20とレールインナパネル30による閉断面14を有するルーフサイドレール12が形成される。
アッパバックリインフォースメント40は、後述するアッパバックパネル50とともに車両幅方向から見た際に閉断面18(図4参照)を有するクロスメンバ16を構成するものである。図1及び図2に示されるように、アッパバックリインフォースメント40は、車両後部のトランク開口部の前方部分において、車両幅方向に延びる部材であって、板金がプレス成形されることにより板状に形成されている。アッパバックリインフォースメント40は、車両幅方向から断面視した際に略アーチ状の断面を有する中央部42と、中央部42の車両前後方向の端部に中央部42に沿って帯状に設けられたフランジ部44A、44Bとから構成されている。図4に示されるように、このフランジ部44A、44Bがアッパバックパネル50に対してスポット溶接により結合されて(打点W13参照)、クロスメンバ16は形成される。なお、本実施形態のアッパバックリインフォースメント40は、ルーフサイドレール12に設けられた開口である開口部15に挿入され、結合されているが詳細は後述する。
アッパバックパネル50は、アッパバックリインフォースメント40とともにクロスメンバ16を構成するものである。図1及び図2に示されるように、アッパバックパネル50は、アッパバックリインフォースメント40に沿って車両幅方向に延びる板状部材である。
図1に示されるように、トルーフ60は、車両後端部のトランク開口部の周りを構成し、トランク開口部の上側コーナー部から車両下方に延在するものである。図1及び図3(A)に示されるように、本実施形態では、サイドアウタパネル70を除くと、トルーフ60が最上部に位置している。そして、トルーフ60は、レールアウタパネル20に対してスポット溶接により結合される(例えば、図4の打点W4、W5、W11、及びW14など)。
図1及び図3(A)に示されるように、サイドアウタパネル70は、レールアウタパネル20及びレールインナパネル30の車両幅方向外側に配設され、車両の外観意匠を構成するものである。車両後部においてサイドアウタパネル70は、車両上方の端部に形成されたフランジ72がトルーフ60又はレールアウタパネル20に対してスポット溶接により結合されている。
(要部)
次に、本実施形態に係る車両後部構造10の要部について説明する。
レールアウタパネル20とレールインナパネル30から構成されるルーフサイドレール12は、図5に示されるように、レールインナパネル30の一部を欠いた部分により開口である開口部15が形成されている。この開口部15には、アッパバックリインフォースメント40が挿入されている。そして、アッパバックリインフォースメント40は、ルーフサイドレール12に対して直接結合されている。
具体的には、図6に示されるように、レールインナパネル30には、開口部15の前端部分において、板金を車両幅方向内側に折り返したインナーフランジ部36が形成されている。このインナーフランジ部36は、アッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に挿入された場合に、アッパバックリインフォースメント40の中央部42の前面が当接される部分となる。そして、インナーフランジ部36と中央部42の当接部分がスポット溶接により結合されている(打点W1参照)。
また、アッパバックリインフォースメント40には、車両幅方向外側の端部において、板金を車両前方に向けて折り返したアウターフランジ部46が形成されている。このアウターフランジ部46は、レールインナパネル30の壁部32よりも車両幅方向外側に位置している。アッパバックリインフォースメント40は、レールインナパネル30の壁部32、換言すると開口部15よりも車両幅方向外側の部分がルーフサイドレール12に挿入される部分となる。
図7は、図6の構成に加えてレールアウタパネル20及びトルーフ60を図示したものである。アッパバックリインフォースメント40のアウターフランジ部46は、アッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に挿入された場合に、レールアウタパネル20の壁部22の側面に接する部分となる。そして、アウターフランジ部46と中央部42の当接部分がスポット溶接により結合される(打点W2参照)。また、アッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に挿入された場合に、アッパバックリインフォースメント40の中央部42の上面から後面にかけての部分がレールアウタパネル20の壁部22の上面に当接される。さらに、アッパバックリインフォースメント40のレールアウタパネル20への当接領域の一部であって、レールアウタパネル20の壁部22の上面にはトルーフ60が当接されている。そして、アッパバックリインフォースメント40とレールアウタパネル20とが重なる部分がスポット溶接により結合される(打点W3参照)。さらに、図4及び図7に示されるように、アッパバックリインフォースメント40とレールアウタパネル20とトルーフ60とが重なる部分がスポット溶接により結合される(打点W4、W5参照)。
以上、アッパバックリインフォースメント40はルーフサイドレール12に対してスポット溶接による結合部である打点W1(図6参照)及び打点W2〜W5(図7参照)を有している。
[作用効果]
次に、本実施形態の車両後部構造10の作用及び効果について比較例を用いて説明する。
(比較例)
従来技術である比較例の車両後部構造10Aについて、図8〜図12に基づいて説明する。比較例の車両後部構造10Aは、アッパバックリインフォースメント40が中継部材であるパッチ80やトルーフ60を介してルーフサイドレール12に結合されている例である。以下、本実施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態と同じ構成については同一の符号を付すものとする。
本実施形態に係る車両後部構造10Aは、レールアウタパネル20、レールインナパネル30、アッパバックリインフォースメント40、パッチ80、アッパバックパネル50、及びトルーフ60から構成されている。
レールアウタパネル20は、レールインナパネル30とともに、ルーフサイドレール12を構成している。そして、レールアウタパネル20とレールインナパネル30とはスポット溶接により結合されている(図10(A)のW10、図11(A)のW12参照)。下方フランジ部24と壁部32とが結合され、壁部22と側方フランジ部34とが結合されることにより、レールアウタパネル20とレールインナパネル30による閉断面14を有するルーフサイドレール12が形成される。
アッパバックリインフォースメント40は、後述するパッチ80及びアッパバックパネル50とともに車両幅方向から見た際に閉断面18(図11(A)参照)を有するクロスメンバ16を構成するものである。図8に示されるように、アッパバックリインフォースメント40は、車両後部のトランク開口部の前方部分において、車両幅方向に延びる部材であって、板金がプレス成形されることにより板状に形成されている。また、図9に示されるように、アッパバックリインフォースメント40の車両幅方向外側には、中継部材であるパッチ80がスポット溶接により結合されている(図9及び図10(A)の打点W20参照)。このパッチ80は車両幅方向内側が開口するドーム形状の本体部82と、車両前後方向及び車両幅方向外側の端部に設けられたフランジ部84と、を有している。このフランジ部84がアッパバックパネル50に対してスポット溶接により結合されている。
以上、アッパバックリインフォースメント40とパッチ80とが結合され、さらにアッパバックパネル50に対して結合されることで、クロスメンバ16は形成される。
比較例のトルーフ60は、本実施形態と同様の形状を有しているが、アッパバックリインフォースメント40との位置関係が相違している。すなわち、比較例のトルーフ60は、図10(A)に示されるように、車両幅方向の内側端部がアッパバックリインフォースメント40とパッチ80とに挟まれた状態でスポット溶接により結合されている。
以上のように構成された車両後部構造10Aにおいては、ルーフサイドレール12に対してクロスメンバ16を構成するアッパバックリインフォースメント40及びパッチ80は挿入されない。また、アッパバックリインフォースメント40やパッチ80は、ルーフサイドレール12に対して直接結合されていない。つまり比較例では、ルーフサイドレール12の閉断面14とアッパバックリインフォースメント40により形成される閉断面18同士が接続されていない。
なお、比較例では、アッパバックリインフォースメント40とルーフサイドレール12とは直接結合されていないが、以下、両者が近接する部分を「接続部」として説明する。また、本実施形態においては、アッパバックリインフォースメント40の閉断面18とルーフサイドレール12の閉断面14とが接続されている部分を「接続部」とする。
次に、本実施形態の車両後部構造10と比較例の車両後部構造10Aについて、(1)車両幅方向の変形、(2)車両前後方向の変形、(3)部品数について比較する。
(1)車両幅方向の変形
走行中の車両において、リアタイヤ(図示せず)の上下動によりリアサスペンションタワー(図示せず)に上下方向の入力が発生すると、ルーフサイドレール12は上下に変位する。ここで、車両幅方向における接続部の変形は次のとおりとなる。
まず、比較例の車両幅方向の断面について、図10(A)に静止状態を、図10(B)にルーフサイドレール12が上方に変位した際の状態を示す。図10(B)に示されるように、ルーフサイドレール12が上方に変位すると、閉断面14の形状はほとんど変化しないものの、パッチ80周辺において折れが発生する。具体的には、車両後方から断面視した場合、アッパバックリインフォースメント40とパッチ80とが結合する部分(直線X上)においてV字状の折れが発生し、パッチ80とアッパバックパネル50との近接部分(直線Y上)において逆V字状の折れが発生する。比較例では、アッパバックリインフォースメント40とルーフサイドレール12とが直接結合されておらず、接続部において板金の厚さ方向である車両上下方向に折れが生じやすい。
これに対し、本実施形態の車両幅方向の断面について、図3(A)に静止状態を、図3(B)にルーフサイドレール12が上方に変位した際の状態を示す。図3(B)に示されるように、ルーフサイドレール12が上方に変位すると、クロスメンバ16の車両幅方向外側の部分が上方に変位する。ここで、本実施形態はアッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に挿入されている上、両者が結合部(例えば、打点W3、W4など)において結合されている。そして、本実施形態では、ルーフサイドレール12とクロスメンバ16とが一体となって変位することから、比較例において生じる折れ変形は抑制される。すなわち、本実施形態ではリアサスペンションタワー(図示せず)に入力される荷重に対し、ルーフサイドレール12の変位を小さくさせる、換言すると、車体の剛性(ねじり剛性)を確保することができるといえる。
(2)車両前後方向の変形
まず、比較例の車両前後方向の断面について、図11(A)に静止状態を、図11(B)にルーフサイドレール12が上方に変位した際の状態を示す。図11(B)に示される断面においては、パッチ80が車両前方に開口する開断面を有しており、比較例では、ルーフサイドレール12が上方に変位すると、矢印Zに示されるように断面が開く。
これに対し、本実施形態の車両前後方向の断面については、図4に示されるように、ルーフサイドレール12が上方に変位しても、閉断面18の形状は変化しない。これは、本実施形態ではアッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に挿入されており、ルーフサイドレール12内においても閉断面18が形成されているためである。本実施形態では、比較例において開断面とされていた部分を、閉断面化することで、ルーフサイドレール12が上方に変位した場合における図11(B)の矢印Zに示されるような開き変形を抑制することができる。これにより、接続部における応力の集中を軽減させることができ、ボデーの耐久性向上を図ることができる。
(3)部品数
接続部における、部品数を比較すると以下のとおりである。
すなわち、図12に示されるように、比較例の接続部は、レールアウタパネル20、レールインナパネル30、アッパバックリインフォースメント40、パッチ80、及びトルーフ60の5点で構成されている。
これに対し、本実施形態の接続部は、図5に示されるように、レールアウタパネル20、レールインナパネル30、アッパバックリインフォースメント40、及びトルーフ60の4点で構成されている。このように、比較例においてクロスメンバ16を構成しているアッパバックリインフォースメント40とパッチ80を、本実施形態では、アッパバックリインフォースメント40のみとすることにより部品数を削減することができる。つまり、本実施形態では、ルーフサイドレール12とアッパバックリインフォースメント40とを直接結合することで、質量が同等のまま部品数を削減することができる。
[総括]
本実施形態は、アッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に挿入されている上、両者が結合部であるスポット溶接の打点(W1〜W5)において結合されていることを特徴としている。
具体的に、本実施形態では、アッパバックリインフォースメント40とアッパバックパネル50とが閉断面18を構成している。したがって、アッパバックリインフォースメント40がルーフサイドレール12に挿入されることにより、ルーフサイドレール12の閉断面14の内部にアッパバックリインフォースメント40により形成される閉断面18が接続されている。
そして、図7に示されるように、アッパバックリインフォースメント40の上面とレールアウタパネル20の上面とが結合部である打点W3、W4、及びW5において結合されている。
また、図7に示されるように、アッパバックリインフォースメント40の車両幅方向の端部はアウターフランジ部46を介して、レールアウタパネル20に結合されている(打点W2参照)。
また、図6に示されるように、アッパバックリインフォースメント40の前面とレールインナパネル30(インナーフランジ部36)とが結合部である打点W1において結合されている。
以上、本実施形態では、閉断面18を構成するアッパバックリインフォースメント40とルーフサイドレール12とが直接結合されることにより、アッパバックリインフォースメント40とルーフサイドレール12の荷重の伝達効率が向上し、車体のねじり剛性を確保することができる。また、上述のとおり、本実施形態によれば、接続部における応力の集中を軽減することにより、ボデーの耐久性向上を図ることができる。
以上の作用効果については比較例のみならず、先行技術としての特許文献1の車両後部構造との比較においても同様である。すなわち、特許文献1の車両後部構造では、クロスメンバ16に相当する閉断面部がフランジを介して、ルーフサイドレールに結合されている。したがって、本実施形態に比べて、特許文献1の車両後部構造では、フランジ付近に変形が生じるため剛性を上げられず、また、フランジ部分に応力が集中するため耐久性向上は困難である。
なお、アッパバックリインフォースメント40とルーフサイドレール12との結合方法は上記の場合に限らない。例えば、閉断面を構成するアッパバックパネル50とレールアウタパネル20の下面とを直接結合してもよい。
また、本実施形態のクロスメンバ16は、断面アーチ状のアッパバックリインフォースメント40と板状のアッパバックパネル50により閉断面18を構成しているが、これに限らない。例えば、断面L字形状のパネルを相互に組み合わせて枠状の閉断面からなるクロスメンバ16を構成してもよい。
また、本実施形態では、アッパバックリインフォースメント40とルーフサイドレール12とがフランジ(インナーフランジ部36、アウターフランジ部46)を介して結合されていたが、この限りではない。例えば、ルーフサイドレール12の内面にアッパバックリインフォースメント40の端部を当接させ、当該当接部分をレーザー溶接により結合させることができる。アッパバックリインフォースメント40の側面部分についても開口部15への当接部分をレーザー溶接により結合させることができる。この場合、レーザー溶接による溶接部が本発明の結合部に相当する。
本実施形態における各部材間の結合方法はスポット溶接によるものとして説明したが、これに限らず、溶接ナットやLSW(laser screw welding)のように、部材の片側から結合を行える方法を採用してもよい。
以上、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両後部構造
12 ルーフサイドレール
14 閉断面
15 開口部
20 レールアウタパネル
30 レールインナパネル
40 アッパバックリインフォースメント
W1 打点(結合部)
W2 打点(結合部)
W3 打点(結合部)
W4 打点(結合部)
W5 打点(結合部)

Claims (1)

  1. 車両上部で車両前後方向に延びるレールアウタパネルと、
    前記レールアウタパネルの車両幅方向内側に配置され、前記レールアウタパネルとで閉断面のルーフサイドレールを形成するレールインナパネルと、
    車両後部において前記ルーフサイドレールの車両幅方向内側に形成され、車両幅方向に延びるアッパバックリインフォースメントが挿入される開口部と、
    前記アッパバックリインフォースメントが前記ルーフサイドレールに直接結合される結合部と、
    を備える車両後部構造。
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