JP2018069586A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
1.支持基材上の少なくとも一方の面に表面層を有する積層体であって、以下の条件を満たすことを特徴とする積層体。
条件2: 式1で表される表面層表面の凝着摩耗パラメータεLが15以下
(式1) εL=EaIT×(πr2/F)
εL:凝着摩耗パラメータ
EaIT[MPa=N/mm2]:表面層表面の押し込み弾性率
F[mN]:破断の臨界荷重
r[mm]:圧子の曲率
条件3: 積層体の総厚みが100μm以上
2.表面層の厚みを100%としたとき前記表面層表面から厚み方向に表面層の厚みの10%の厚み範囲における粒子充填率が0体積%以上20体積%以下、かつ前記表面層の支持基材側表面から厚み方向に表面層の厚みの10%の厚み範囲における粒子充填率が20体積%以上50体積%以下であることを特徴とする1.に記載の積層体。
3.表面層の厚みを100%としたとき前記表面層表面から厚み方向に表面層の厚みの10%の厚み範囲に含まれる粒子(以下粒子Aとする)の、JIS 8827−1(2008)に基づく最大フェレー径の長さ平均粒子径が50nm以上200nm以下であることを特徴とする1.または2.に記載の積層体
4.前記粒子Aがαアルミナ、γアルミナ、擬ベーマイトおよびベーマイトからなる群より選ばれる少なくとも1つの粒子であることを特徴とする3.に記載の積層体。
条件2: 式1で表される表面層表面の凝着摩耗パラメータεLが15以下
(式1) εL=EaIT×(πr2/F)
εL:凝着摩耗パラメータ
EaIT[MPa=N/mm2]:表面層表面の押し込み弾性率
F[mN]:破断の臨界荷重
r[mm]:圧子の曲率。
表面層表面の押し込み弾性率EaITの好ましい範囲は、具体的には4,000MPa以上、8,000MPa以下である。押し込み弾性率EaITが4,000MPa未満の場合には、押し込み、摩耗いずれの場合も歪み量が大きくなり、表面層表面に傷が付きやすくなる場合がある。一方、押し込み弾性率が8,000MPaを超える場合には、表面層が脆くなり、フィルムの打ち抜き加工時に割れが生じたり、支持基材への密着性が低下したりする場合がある。
もう1つの製造方法としては、2種類以上の塗料組成物を支持基材上に「同時に」塗布、乾燥、硬化することにより形成する方法である。塗料組成物の種類の数は2種類以上であれば特に制約はない。ここで「同時に塗布する」とは塗布工程において、支持基材上に2種類以上の液膜を形成後、乾燥、硬化することを意図しており、これを満たせば手法については特に限定されないが、代表的なものとして、2種類以上の塗料組成物を塗布前の状態で液膜を順に積層後塗布する「多層スライドダイコート」(図1)や、基材上に塗布と同時に積層する「多層スロットダイコート」(図2)、支持基材上に1層の液膜を形成後、未乾燥の状態でもう1層を積層させる「ウェット−オンーウェットコート」(図3)等がある。これらの塗布方式および塗料組成物の詳細については後述する。以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明における「表面層」とは、支持基材上に形成された層をいい、前記表面層および支持基材を含む一連の層を全て統合したものを「積層体」と呼ぶ。すなわち、支持基材上に層が1層のみ形成されている場合は、当該1層が「表面層」となる。また、例えば支持基材上に層が2層以上形成されている場合は、支持基材を除いた当該2層以上の層すべてを1つの「表面層」というものとする。
本発明の積層体の製造方法は、少なくとも後述する塗料組成物Aと塗料組成物Bを、逐次または同時に前述の支持基材上に塗布−乾燥−硬化することにより形成する製造方法を用いることが好ましい。塗布方法については前述のとおりで、逐次塗布、同時塗布により適宜、適切な塗布方式を選択できる。
本発明の積層体は、前記表面層を設けるため支持基材を必要とする。支持基材に特に限定はなく、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラスチックレンズ、金属シート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[塗料組成物A、塗料組成物B]
本発明の積層体は、支持基材上に後述する積層体の製造方法を用いて、塗料組成物を塗布、乾燥、硬化することで、前述の物性を達成可能な構造を持つ表面層を形成することができる。ここで「塗料組成物」とは、溶媒と溶質からなる液体であり、前述の支持基材上に塗布し、溶媒を乾燥工程で揮発、除去、硬化することにより表面層を形成可能な材料を指す。
塗料組成物A、Bは支持基材上に塗布、乾燥、硬化することにより、弾性率が高く、表面硬度が高い材料を形成可能な液体で、表面層の支持基材側を形成するのに適した樹脂、または樹脂前駆体を含む。
本発明の積層体の表面層は粒子成分を含むことが好ましく、その製造に用いる塗料組成物A、塗料組成物Bは粒子材料を含むことが好ましい。ここで、本発明にて用いられる塗料組成物中に存在する粒子を「粒子材料」、前記塗料組成物を塗工、乾燥、硬化処理もしくは蒸着等の処理により形成された前記表面層に存在する粒子を「粒子成分」という。
前記塗料組成物A、塗料組成物Bは溶媒を含むことが好ましい。溶媒の種類数としては1種類以上20種類以下が好ましく、より好ましくは1種類以上10種類以下、さらに好ましくは1種類以上6種類以下である。ここで「溶媒」とは、塗布後の乾燥工程にて、ほぼ全量を蒸発させ、塗膜から除去することが可能な、常温、常圧で液体である物質を指す。
前記塗料組成物Aおよび前記塗料組成物Bは、重合開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましい。重合開始剤および触媒は、表面層の硬化を促進するために用いられる。重合開始剤としては、塗料組成物に含まれる成分をアニオン、カチオン、ラジカル重合反応等による重合、縮合または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。
本発明の積層体は、優れた表面硬度と耐擦傷性を有するため、面を有する部材、例えばディスプレイの他、電化製品や自動車の内装部材、建築部材等に幅広く用いることができる。
支持基材としてPET樹脂フィルム上に易接着性塗料が塗布されている厚み188μm、100μmおよび50μmの“ルミラー”(登録商標)U40(東レ株式会社製、以下基材フィルムA)を用いた。なお各実施例・比較例に対応する上記積層体の作成方法、使用する塗料組成物、各層の膜厚を表2に記載した。
「逐次塗布」
支持基材上に塗料組成物A、Bをワイヤーバー、アプリケーター等を用い、乾燥後の表面層の厚みが指定の膜厚になるように番手を調整して塗布し、次いで下記の条件で乾燥工程、硬化工程を行った。これらの一連の塗布、乾燥、硬化を順次繰り返すことにより、支持基材の一方の面に、表面層をそれぞれ形成した。
「同時塗布」
前述の逐次塗布と同様に支持基材上に塗料組成物Aを塗布、乾燥、硬化したのち、支持基材の他方の面に、塗料組成物Bを「多層スロットダイコート」(図2)を用い、乾燥後の表面層の厚みが指定の膜厚になるように塗出量を調整して塗布し、次いで下記の条件で乾燥工程、硬化工程を行うことにより、支持基材上の一方の面に表面層をそれぞれ形成した。
「逐次塗布の最下層および支持基材から2層目の乾燥工程」
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側・反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 2分間
「逐次塗布の最下層および支持基材から2層目の硬化工程」
積算光量 : 120mJ/cm2
酸素濃度 : 大気雰囲気。
「逐次塗布の最表面および同時塗布の乾燥工程」
送風温湿度 : 温度:80℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 3分間
「逐次塗布の最表面および同時塗布の硬化工程」
積算光量 : 120mJ/cm2
酸素濃度 : 200ppm以下
以上の方法により実施例1〜13、比較例1〜3の積層体を作成した。各実施例・比較例に対応する上記積層体の作成方法、使用する塗料組成物、各層の膜厚を表2に記載した。
<樹脂、樹脂前駆体>
樹脂、樹脂前駆体としてそれぞれ下記の材料を使用した。樹脂、樹脂前駆体と、その他材料の組み合わせについては表1に記載する。
樹脂、樹脂前駆体1:ウレタンアクリレート(“ニューフロンティアMF−101”第一工業製薬株式会社製)
樹脂、樹脂前駆体2:ウレタンアクリレート(“EBECRYL 8254”ダイセルオルネクス株式会社製)
樹脂、樹脂前駆体3:ポリマー型アクリレート(“ユニディック V−6850”DIC株式会社製)。
添加剤としてそれぞれ下記の材料を使用した。フッ素添加剤と、その他材料の組み合わせについては表1に記載する。
添加剤1:防汚性添加剤(MEGAFACE“RS−75” DIC株式会社)。
添加剤2:光ラジカル重合開始剤 (“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社)。
粒子材料としてそれぞれ下記の材料を使用した。粒子材料とその他材料の組み合わせについては表1に記載する。
粒子材料1:アルミナ分散物(“NANOBYK−3602”ビックケミー・ジャパン株式会社製)
粒子材料2:ベーマイト粒子分散物(”BYK−LPX21192“ビックケミー・ジャパン株式会社製)
粒子材料3:シリカ粒子分散物(“MEK−AC−2140Z” 日産化学工業株式会社)。
上記の材料を表1に記載の組み合わせで、下記の比率で混合し、塗料組成物A(A1〜A9)、塗料組成物B(B1〜B5)を得た。
・樹脂、樹脂前駆体1 30.0質量部
・添加剤1 3.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料1 9.1質量部
・メチルエチルケトン 56.7質量部。
・樹脂、樹脂前駆体2 30.0質量部
・添加剤1 3.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料1 9.1質量部
・メチルエチルケトン 56.7質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 38.8質量部
・添加剤1 3.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・メチルエチルケトン 57.0質量部。
・樹脂、樹脂前駆体2 30.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料1 9.1質量部
・メチルエチルケトン 59.7質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 24.0質量部
・添加剤1 3.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料1 15.3質量部
・メチルエチルケトン 56.5質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 20.0質量部
・添加剤1 3.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料1 19.4質量部
・メチルエチルケトン 56.7質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 36.0質量部
・添加剤1 3.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料2 2.9質量部
・メチルエチルケトン 56.9質量部。
・樹脂、樹脂前駆体3 60.0質量部
・添加剤1 3.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料1 9.1質量部
・メチルエチルケトン 26.7質量部。
・樹脂、樹脂前駆体2 30.0質量部
・添加剤2 1.2質量部
・粒子材料3 19.6質量部
・メチルエチルケトン 56.7質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 42.0質量部
・添加剤2 1.8質量部
・粒子材料3 40.0質量部
・メチルエチルケトン 16.2質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 36.0質量部
・添加剤2 1.8質量部
・粒子材料3 53.3質量部
・メチルエチルケトン 8.9質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 48.0質量部
・添加剤2 1.8質量部
・粒子材料3 26.7質量部
・メチルエチルケトン 23.5質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 33.0質量部
・添加剤2 1.8質量部
・粒子材料3 60.0質量部
・メチルエチルケトン 5.2質量部。
・樹脂、樹脂前駆体1 54.0質量部
・添加剤2 1.8質量部
・粒子材料3 13.3質量部
・メチルエチルケトン 30.9質量部。
作成した積層体について、次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表3〜4に示す。特に断らない場合を除き、測定は各実施例・比較例において1つのサンプルについて場所を変えて5回測定を行い、その平均値を用いた。
測定には(株)エリオニクス製のナノインデンター「ENT−2100」を用いた。積層体の測定面とは反対側に、東亞合成株式会社製「“アロンアルファ”(登録商標) プロ用耐衝撃」を1滴塗布し、瞬間接着剤を介して積層体を専用のサンプル固定台に固定して、表面層表面を測定面として測定を行った。測定には稜間角115°の三角錐ダイヤモンド圧子(Berkovich圧子)を用いた。測定データは「ENT−2100」の専用解析ソフト(version 6.18)により処理され、押し込み弾性率EaIT(MPa)を測定した。
最大荷重:100mN
最大荷重に達した時の保持時間:1秒
荷重速度、除荷速度:10mN/sec。
始めに測定原理を簡単に説明する。マイクロスクラッチ試験では、一定の曲率半径を持った圧子をサンプルに接触させる。この圧子がスクラッチ方向に対して垂直かつサンプル面に対して水平に、一定の周波数で励振しながらスクラッチする。このときサンプル面に対して垂直方向に徐々に荷重を印加していくと、圧子とサンプルとの間に生じる摩擦力により、励振に遅れが生じる。この遅れにより、圧子と連動する磁石と、装置内部のコイルとの位置関係に変化が生じ、圧子とサンプルとの間に生じる摩擦力に相当する電気信号をセンサー出力として検出することができる。実際の測定では、横軸の測定距離に対して、以下の3つのグラフが得られる。
G1:測定距離に対して直線的に増加する印加荷重のグラフ
G2:センサー出力のグラフ
G3:ノイズ成分低減のため、センサー出力をフーリエ変換し、周波数成分に分解後、偶数次成分のみ累積して、測定距離に対して出力したグラフ(フーリエ変換解析グラフ)
具体的な操作方法を以下に示す。
|(L1−L2)/L1|≦0.05 ・・・ (式2)
式2を満たす場合には、上述したG3中のピークトップの位置におけるG1の印加荷重を破断の臨界荷重とした。一方、式2を満たさない場合には、測定終了印加荷重を100mNずつ下げ、式2を満たすまで前述の操作を繰り返し、はじめて式2を満たす印加荷重におけるG3中のピークトップの位置におけるG1の印加荷重を破断の臨界荷重とした。以上の手順を5回繰り返し、その平均値を破断の臨界荷重F[mN]として採用した。
測定装置 : 株式会社RHESCA製 Nano−Layer Scratch Tester CSR−2000
スタイラス : 株式会社RHESCA製 交換針(材質:ダイヤモンド、バネ定数:100(g/mm)、スタイラス径:5(μm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
スクラッチ速度 : 10(μm/s)
励振レベル : 100(μm)
励振周波数 : 45(Hz)
測定終了時間 : 60(sec)
測定終了印加荷重: 1,000(mN)。
前述の測定から得られた押し込み弾性率EaIT[MPa=N/mm2]、破断の臨界荷重F[mN]、および圧子の曲率(スタイラス径)5[μm]=0.005[mm]を用いて、前述の(式1)にしたがって凝着摩耗パラメータεLを算出した。
積層体をカッター刃で切り出し、電顕用エポキシ樹脂(日新EM社製Quetol812)で包埋し、60℃のオーブン中で48時間かけて該エポキシ樹脂を硬化させた後、ウルトラミクロトーム(ライカ社製Ultracut S)にて、厚み約100nmの超薄切片を作製した。
本発明における粒子充填率は、以下の方法で決定した。積層体の断面を、上記と同様に透過型電子顕微鏡を用いて観察し、倍率700倍で、表面層全体が写る範囲で撮影した。次いで、表面層の厚みを100%とし、得られた画像の表面層の最表面から表面層の厚みの10%の範囲内および支持基材側表面から表面層の厚みの10%の範囲内を、倍率2万倍でランダムにそれぞれ5視野撮影し、得られた画像を処理ソフトEasyAccess Ver6.7.1.23 にて、画像をグレースケールに変換し、ホワイトバランスを最明部と最暗部が8bitのトーンカーブに収まるように調整、さらに粒子形状が明確に見分けられるようにコントラストを調節した。次いでソフトウェア(画像処理ソフトImageJ/開発元:アメリカ国立衛生研究所(NIH))を用いて、粒子成分の界面を境に2値化を行い、Analize Particles(粒子解析)機能により、表面層の最表面から表面層の厚みの10%もしくは支持基材側表面から表面層の厚みの10%の範囲内での粒子部分の占める面積比を算出した。そして5つの画像から得られた値の平均値を粒子充填率とした。
本発明における最大フェレー径の長さ平均粒子径は、以下の方法で決定した。積層体の断面を、上記と同様に透過型電子顕微鏡を用いて観察し、倍率700倍で、表面層全体が写る範囲で撮影した。次いで、表面層の厚みを100%とし、得られた画像の表面層の最表面から表面層の厚みの10%の範囲内を、倍率2万倍でランダムに5視野撮影し、得られた画像をJIS 8827−1(2008)に記載の静的画像解析法に従い、画像中のすべての粒子それぞれについて最大フェレー径を算出した。得られた個々の粒子における最大フェレー径より、1画像における「長さ平均粒子径」を算出した。そして5つの画像から得られた値の平均値を最大フェレー径の「長さ平均粒子径」とした。
実施例1〜13、比較例1〜3で作製した積層体を温度20℃で12時間放置した後、同環境にてJIS K 5600−5−4(1999)に記載の引っかき硬度(鉛筆法)に従い、表面層の表面硬度を測定した。
4点: 表面硬度4H
3点: 表面硬度3H
2点: 表面硬度2H
1点: 表面硬度H以下。
作成した積層体を常態下(23℃湿度50%)で12時間放置した後、10cm×10cmの試験片を切り出し、表面層を有する面に対して、以下の条件でJIS K 7204(1999)に準拠した磨耗試験を実施した。
装置:東洋精機製作所製 ロータリーアブレージョンテスター
荷重:1,000g重
磨耗回転数:60rpm 10回
磨耗輪:CS−10
5点:0本
4点:1本以上 5本未満
3点:5本以上 10本未満
2点:10本以上 20本未満
1点:20本以上。
作成した積層体を常態下(24℃、相対湿度65%)で12時間放置した後、表面層を有する面に対して1mm2のクロスカットを100個入れ、ニチバン株式会社製“セロテープ”(登録商標)をその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し、表面層の残存した個数により5段階評価(5:96個〜100個、4:81個〜95個、3:71個〜80個、2:61個〜70個、1:0個〜60個)した。
2、9 :最も上流側のスロット
3、 :上流側から2番目のスロット
4 :上流側から3番目のスロット
5、10 :最も下流側のスロット
6、11、15:支持基材の搬送方向の上流側
7、12、16:支持基材の搬送方向の下流側
8 :多層スロットダイ
13、14 :単層スロットダイ
17 :粒子A
18 :粒子の連鎖構造
19 :負荷工程
20 :除荷工程
Claims (4)
- 支持基材上の少なくとも一方の面に表面層を有する積層体であって、以下の条件を満たすことを特徴とする積層体。
条件1: 表面層表面の押し込み弾性率EaITが、4,000MPa以上、8,000MPa以下
条件2: 式1で表される表面層表面の凝着摩耗パラメータεLが15以下
(式1) εL=EaIT×(πr2/F)
εL:凝着摩耗パラメータ
EaIT[MPa=N/mm2]:表面層表面の押し込み弾性率
F[mN]:破断の臨界荷重
r[mm]:圧子の曲率
条件3: 積層体の総厚みが100μm以上 - 表面層の厚みを100%としたとき前記表面層表面から厚み方向に表面層の厚みの10%の厚み範囲における粒子充填率が0体積%以上20体積%以下、かつ前記表面層の支持基材側表面から厚み方向に表面層の厚みの10%の厚み範囲における粒子充填率が20体積%以上50体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 表面層の厚みを100%としたとき前記表面層表面から厚み方向に表面層の厚みの10%の厚み範囲に含まれる粒子(以下粒子Aとする)の、JIS 8827−1(2008)に基づく最大フェレー径の長さ平均粒子径が50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 前記粒子Aがαアルミナ、γアルミナ、擬ベーマイトおよびベーマイトからなる群より選ばれる少なくとも1つの粒子であることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
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