JP2018069552A - 成型用フィルム、成型用シート、成型用加飾フィルム及びそれらを用いた成型体 - Google Patents

成型用フィルム、成型用シート、成型用加飾フィルム及びそれらを用いた成型体 Download PDF

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【課題】本発明は、金属調の光沢を有し、かつ印刷層の視認性、成型加工時の成型性、成型体の電磁波透過性に優れる成型用フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリカーボネート樹脂を主成分とする層またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが、結晶性の熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(以下、A層)とA層とは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(以下、B層)を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下であることを特徴とする、成型用フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、成型用フィルム、成型用シート、成型用加飾フィルム及びそれらを用いた成型体に関する。
近年、環境意識の高まりにより、建材、自動車部品、携帯電話、及び電機製品などの分野において、溶剤レス塗装、メッキ代替の加飾方法などの要望が高まっており、フィルムを使用した加飾方法の導入が進んでいる。そして、金属調や高光沢調は高い意匠性を演出することができるためニーズが高い。
金属調を加飾する方法としては、アルミやインジウム、クロム等をフィルム熱可塑性樹脂フィルムに真空蒸着法またはスパッタリング法、イオンブレーティング法などの蒸着法を利用して意匠層を積層する方法(特許文献1)や屈折率が異なる2種以上の材料を光の波長レベルの層厚みで交互に積層させることにより発現する光の干渉現象を利用して、特定の波長の光を選択的に反射する光干渉多層膜を形成する方法(特許文献2)が知られている。
特開2012−201032号公報 特開2012−116045号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、インサート成型や真空圧空成型をはじめとした成型加工時の延伸により蒸着面のワレや隠蔽性の悪化する面や成型体の無線通信対応に向けた電磁波透過性の面で問題があった。また、特許文献2に記載の技術では、成型加工時のフィルムの成型性が不十分である問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を改良し、金属調の光沢を有し、かつ印刷層の視認性、成型加工時の成型性、成型体の電磁波透過性に優れる成型用フィルムを提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成からなる。
(1) ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが、結晶性の熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(以下、A層)とA層とは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(以下、B層)を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下である、成型用フィルム。
(2) ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層を介して、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが、結晶性の熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(以下、A層)とA層とは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(以下、B層)を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下である、成型用フィルム。
(3) 80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が2000MPa以上5000MPa以下であり、120℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が100MPa以上1000MPa以下である、(1)または(2)に記載の成型用フィルム。
(4) 180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力が(F200値)がそれぞれ3MPa以上50MPa以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の成型用フィルム。
(5) 前記熱可塑性樹脂Bが、非晶性の樹脂を含む(1)〜(4)のいずれかに記載の成型用フィルム。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の成型用フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂と2種類以上の架橋剤を含む易接着層を有する、成型用シート。
(7) (1)〜(5)のいずれかに記載の成型用フィルムまたは(6)に記載の成型用シートの少なくとも片面に、印刷層を有する、成型用加飾フィルム。
(8) (7)記載の成型用加飾フィルムを用いた成型体。
本発明により、金属調の光沢を有し、かつ印刷層の視認性、成型加工時の成型性、成型体の電磁波透過性に優れる成型用フィルムを提供することができる。本発明の成型用フィルムは、金属調の光沢を有し、コーティング、ラミネート、印刷等の加工性、成型加工における成型性、及び表面外観に優れ、成型体における電磁波透過性に優れるため、例えば、建材、自動車部品、携帯電話、電機製品、及び遊技機部品などの成型部材の加飾に好適に用いることができる。
本発明の一つの態様は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが、A層とB層を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下である成型用フィルムである。
また、本発明のもう一つの態様は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層を介して、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが、A層とB層を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下である成型用フィルムである。
上記のような態様とすることにより、成型用フィルムは、金属調の光沢を有し、かつ印刷層の視認性、成型加工時の成型性、成型体の電磁波透過性に優れたものとなる。
(ポリエステルフィルム)
本発明の成型用フィルムにおけるポリエステルフィルムは、結晶性の熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と、A層とは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された積層フィルムである。
本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルムの強度、耐熱性及び汎用性の観点から、二軸配向ポリエステルフィルムが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された構造である必要がある。より好ましくは、厚み方向に交互に合計400層以上積層された構造であり、さらに好ましくは、800層以上積層された構造である。250層未満の場合、可視光を均一に反射できず、彩度の大きなフィルムとなってしまうことがある。
本発明におけるポリエステルフィルムは、少なくとも1μm以上20μm以下である厚みの厚膜層が3層以上含まれ、かつ該厚膜層が両側の最表層となることが望ましい。より好ましくは、5μm以上10μm以下である。1μm未満の場合、インサート成型といった射出成型加工においてポリエステルフィルム側から樹脂を射出する際に、樹脂剪断に起因するウォッシュアウトが発生するため積層構造が歪むことで樹脂射出部金属調の光沢が消失、またはリング状の欠陥が生じることがある。また、樹脂の強度が高いA層を厚膜層とすることで射出成型時の樹脂の剪断を軽減することができるため好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、色付きを抑制する観点から、層対厚み10nm以上220nm未満の層数が、層対厚み220nm以上350nm以下の層数より多いことが好ましい。ここで、本発明で言う「層対厚み」とは、隣接するA層及びB層のそれぞれの層厚みを足した厚みを指す。また、層対厚みは、A層のみについて一方のフィルム表面から数えたm番目のA層と、隣接するB層のみについて同表面から数えたm番目のB層の層厚みを足したものでなければならない。ここで、mは整数を表している。例えば、一方のフィルム表面から反対側の表面にA1層/B1層/A2層/B2層/A3層/B3層・・・の順番で並んでいる場合、A1層とB1層が1番目の層対であり、A2層とB2層が2番目の層対であり、A3層とB3層が3番目の層対となる。層対厚み10nm以上220nm未満の層数が、層対厚み220nm以上350nm以下の層数と同数または少ないと、波長帯域400nm〜1100nmの反射帯域において低波長側ほど反射率が低下するため、赤みを帯びた外観になることがある。これは、低波長側の反射を起こす層対の密度が薄くなるために起こるものである。従って、ポリエステルフィルムを構成する層の層対厚み序列としては、単調に等差数列的に層対厚みが増減するのではなく、上記条件を満たしながら等比数列的に層対厚みが増減することが好ましい。より好ましくは、層対厚み120nm以上220nm未満の層数が、層対厚み220nm以上350nm以下の層数に対して1.05倍以上2.5倍以下であることが好ましい。
ポリエステルフィルムにおけるA層、B層を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂の中でも、強度、耐熱性、透明性及び汎用性の観点から、ポリエステル樹脂を用いることが必要である。
ポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体等を挙げることができる。中でも屈折率の高いテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良く、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合しても良い。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコール等を挙げることができる。中でも、エチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
前記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリエチレンナフタレート及びその共重合体、ポリブチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリブチレンナフタレート及びその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレート及びその共重合体等を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂から選ばれた好ましい組み合わせは、一方の樹脂と同一の基本骨格を含む樹脂を用いることが好ましい。ここで、本発明で言う「基本骨格」とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことを指し、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、エチレンテレフタレートが基本骨格であり、この場合の他の樹脂としては、例えば、エチレンテレフタレート単位とシクロヘキサン1,4−ジメチレンテレフタレート単位からなる重合体(共重合体)が挙げられる。同一の基本骨格の樹脂を用いると、積層フィルムの製膜において、フローマーク等の積層不良や層間での剥離等の問題が生じ難くなる。
前記熱可塑性樹脂Aとしては、結晶性を上げ、耐押し跡性(耐打痕性)、フィルム自体の腰の強さの観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂Bは、屈折率の上昇を抑制し、非結晶性の膜とする観点から、非晶性の樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂Bとしては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル酸、シクロヘキサンジカルボン酸を含有、または、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールA成分を含有した上記樹脂Xの共重合体を、上記樹脂Xと混合または単独で用いることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、積層フィルムのA層の面内平均屈折率と、B層の面内平均屈折率の差が0.040以上0.120以下であることが好ましい。面内平均屈折率の差が0.040未満の場合、金属光沢調の外観とならないことがある。面内平均屈折率の差が0.120を超える場合、透過率が低くなり過ぎて積層フィルムの背面に印刷を行った場合、印刷層が十分に視認できないことがある。
本発明のポリエステルフィルムは、波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下である必要がある。より好ましくは35%以上70%以下である。波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率が30%未満の場合、反射率が低く、金属光沢調の外観とならない。平均反射率が75%を超える場合、透過率が低くなるため、背面に印刷した印刷層の視認性が低下する。波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率を上記の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、A層とB層の層厚みや、A層とB層の面内平均屈折率を制御する方法が挙げられる。この方法を用いることで、金属を用いずに金属光沢調を得ることができるため、金属光沢調、印刷層の視認性及び高い電磁波透過性の両立が可能となる。
(ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型フィルム)
本発明の成型フィルムは、金属調の光沢を有し、かつ成型加工時の成型性に優れる観点から、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有することが必要である。本発明の成型フィルムに用いられるポリカーボネート樹脂としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いて得られる樹脂やビスフェノールAと2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラブロモビスフェノールA)との混合物を用いて得られる難燃性ポリカーボネート系樹脂、ビスフェノールA系ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が挙げられる。なお、上記のポリカーボネート系樹脂は、耐候性を付与する目的で紫外線吸収剤が添加されたものであっても良い。本発明の成型フィルムに用いられるアクリル樹脂としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、メタクリル酸エステルを主体とする重合体やメタクリル酸エステルと他の単量体との共重合体、メタクリル樹脂と一種またはそれ以上の他の樹脂とからなるポリマーアロイが好ましく、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチルヘキシルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート・スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート・ポリフッ化ビニリデンアロイ等がよりに好ましく、透明性、成形性、耐擦傷性の観点から、ポリメチルメタクリルレートを用いることがさらに好ましい。なお、上記のアクリル系樹脂は、柔軟性を付与する目的でゴム粒子が添加されたものであっても良い。
本発明のポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層の厚さは、成型フィルムとしての加工性の観点から、50μm以上500μm以下であることが好ましい。本発明のポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層の厚さが50μm未満であると、成型加工時の成型性が損なわれる場合がある。一方、本発明のポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層の厚さが500μmを超えると成型フィルムとしての加工性や作業性、コストが損なわれる場合がある。本発明のポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層の厚さの好ましい範囲は50μm以上300μm以下であり、より好ましくは75μm以上250μm以下であり、さらに好ましくは100μm以上200μm以下である。
(接着層)
本発明の一つの態様は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層を介して、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムである。ポリエステルフィルムとポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層とを、接着剤を介して積層させる方法は特に限られるものでは無いが、ドライラミネートにより形成することが好ましい。
本発明に用いられる接着剤は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、成型加工時の耐熱性の観点から二液硬化型ポリウレタン系接着剤が好ましく用いられる。二液硬化型ポリウレタン系の接着剤は、高分子末端に水酸基を有する主剤(ポリオール)と、イソシアネート基を有する硬化剤(ポリイソシアネート)を含み、水酸基とイソシアネート基の反応によりウレタン結合を形成して硬化する。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレン−プロピレン共重合ポリオール、ポリテトラメチレンポリオールなどの単独あるいはそれらの混合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸など)とグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコールなど)とを重縮合させ得られたポリオール、などが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び脂環式系ポリイソシアネートが挙げられる。
また、本発明において用いられる接着剤層には各種の添加剤、例えば粘度調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、耐電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
本発明の接着層の厚さは、接着性とフィルム外観を両立させる観点から、0.5μm以上30μm以下であることが好ましい。
本発明の接着層の厚さが0.5μm未満であると、層間の密着性が損なわれる場合がある。一方、本発明の接着層の厚さが30μmを超えると層の厚みムラによりフィルム外観が損なわれる場合がある。本発明の接着層の厚さの好ましい範囲は0.7μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下であり、さらに好ましくは2μm以上5μm以下である。
(成型用フィルムの貯蔵弾性率)
本発明の成型フィルムは、加工性と成型性を両立させる観点から、80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が2000MPa以上5000MPa以下であり、120℃における貯蔵弾性率がフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が100MPa以上1000MPa以下であることが好ましい。貯蔵弾性率とは粘弾性特性を物質の応力とひずみ特性の位相遅れに着目して表現した指標をいう。そして、貯蔵弾性率は公知の動的粘弾性測定装置により測定することが可能であり、詳細な測定条件は後述する。
本発明の成型フィルムが用いられる加工工程としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えばコーティング、ラミネート及び印刷等の加工工程などが挙げることができる。この加工工程の加工温度は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、コーティング材料、接着剤および印刷インキの乾燥の観点から75℃以上100℃以下で加工されることが好ましく、80℃以上90℃以下であることがさらに好ましい。
そのため、80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率を2000MPa以上5000MPa以下とすることにより、コーティング、ラミネート及び印刷等の加工工程における寸法変化を軽減することができる。80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率は2100MPa以上4500MPa以下であることが好ましく、2200MPa以上4000MPa以下であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の成型フィルムが用いられる成型工程としては、上述したコーティング、ラミネート及び印刷等の加工工程の他、例えば真空圧空成型、インサート成型等の加工工程などが挙げることができる。真空圧空成型における成型温度は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、被着体の耐熱性を軽減する観点から90℃以上140℃以下で加工されることが好ましく、100℃以上130℃以下であることがさらに好ましい。そのため、フィルムの120℃における貯蔵弾性率がフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が100MPa以上1000MPa以下であると、優れた成型性を備えるだけでなく、成型温度も150℃以下と比較的低温に設定できる。120℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率は250MPa以上9000MPa以下であることが好ましく、400MPa以上800MPa以下であることがさらに好ましい。
なお、80℃における貯蔵弾性率、120℃における貯蔵弾性率を上記の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層の厚みを厚くしたり、熱可塑性樹脂Bの非晶性の樹脂の成分比率を上げると貯蔵弾性率は大きくなる傾向があり、それらの条件を制御することで適宜調整できる。
(200%伸長時応力)
本発明の成型フィルムは、インサート成型などの高温成型を行うフィルムに好適に用いることができる。インサート成型における成型温度は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、フィルムの耐熱性と成型性を両立される観点から150℃以上220℃以下で加工されることが好ましく、160℃以上200℃以下であることがさらに好ましい。また、このときインサート成型の成型性は伸長倍率として200%以上が好ましい。そのため、180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力が(F200値)がそれぞれ3MPa以上50MPa以下であることが好ましい。
200%伸長時応力とはフィルムが200%伸長したときのフィルムにかかる荷重をフィルムの断面積で除した指標をいう。そして、伸長時応力は公知の引張試験測定装置により測定することが可能であり、詳細な測定条件は後述する。
180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力が(F200値)がそれぞれ3MPa以上50MPa以下とすることにより、優れた成型性を備えることができる。180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力が(F200値)がそれぞれ5MPa以上45MPa以下であることが好ましく、10MPa以上40MPa以下であることがさらに好ましい。
なお、180℃における200%伸長時応力を上記の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層の厚みを50μm以上300μm以下と制御することで180℃における200%伸長時応力を適宜調整できる。
(成型用シート)
本発明の一つの態様として、前述の成型用フィルムの少なくとも片面に、少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂と架橋剤を含む易接着層を有する成型用シートが挙げられる。
(アクリル・ウレタン共重合樹脂)
本発明の成型用シートに用いられる易接着層を構成するアクリル・ウレタン共重合樹脂としては、アクリル系モノマーは、例えばアルキルアクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー等を用いることができる。また、本発明におけるウレタン成分としては、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物を、乳化重合、懸濁重合等の公知のウレタン樹脂の重合方法によって反応させることで得られる樹脂を用いることができる。ウレタン成分を構成するポリヒドロキシ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリカーボネートジオール、グリセリン等を用いることができる。
本発明における易接着層を構成する架橋剤としては、架橋性官能基を共重合することが好ましく、例えば、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化或いはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤等を用いることができる。また、ハードコート層やシリコーン系接着層との耐湿熱接着性の観点から、2種類以上の架橋剤を用いることが好ましく、具体的には、架橋剤の少なくとも1種類がオキサゾリン系架橋剤またはカルボジイミド系架橋剤を用いることが好ましい。
さらに、前記易接着層の成分だけであると帯電し易いため、その結果、成型用フィルムの加工時に異物を噛み込み、外観欠点を生じることがある。そのため易接着層の成分には、帯電防止の観点から、導電性高分子を含んでいることが好ましい。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン・ビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレン、ポリヘテロサイクル・ビニレンなどが好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が特に好ましい。
(ポリエステルフィルムの製造方法)
本発明のポリエステルフィルムの好ましい製造方法の一例を以下に説明するが、本発明のポリエステルフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、2種類の熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bをペレットの形態で用意する。該ペレットは、必要に応じて熱風中あるいは真空下で乾燥された後、各々2台の押出機にそれぞれ供給される。各押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化してフィルター等を介して異物や変性した樹脂を取り除く。2台の押出機を用いて異なる流路から送り出された樹脂Aと樹脂Bは、それぞれ多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明の構成を効率よく得るためには、多数の微細スリットを有する部材を、少なくとも別個に2個以上含むフィードブロックを用いることが望ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度に積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、任意の層厚み構成を形成することも可能となる。この装置では、各層の厚みをスリット形状(長さ、幅、間隙)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。このため、本発明の特徴である層構成を容易に達成することができる。一方、従来の装置では、300層以上の積層を達成するためには、スクエアーミキサーを併用することが一般的であるが、このような方法では積層流が相似系で変形して積層されるために、任意の層厚みを達成することが困難である。
2段以上の傾斜構造をとる場合、薄い層から厚い層への変化もしくは厚い層から薄い層への層厚みの変化が、非常に急になる。本発明では多数の微細スリットを有する部材を少なくとも別個に2個以上含むフィードブロックを用いる。ただし、この別個のフィードブロックから送り込まれた樹脂が合流する箇所では合流直後に層厚み分布が変化し、幅方向の色調をばらつかせる大きな一因となっていた。さらにはフィードブロックから口金までの経路で配管の壁面の影響により配管付近の樹脂速度が低下するため、配管壁面付近と配管中心部の流速差により更にフィルム幅方向の色調均一性が悪化していた。そのため、フィルム最表層部及び別個のフィードブロックの樹脂合流部の一定の距離を同一のポリマーで置換することで積層比を崩すことなく、幅方向で均一な色調を発現する積層フィルムを得ることができる。このとき、積層フィルムの両側の最表層の厚膜層を熱可塑性樹脂Aとする場合、熱可塑性樹脂Aからなる層が表層厚膜層(両側の最表層)に該当する。表層厚膜層となる樹脂は射出成型時の剪断を緩和するために高結晶性樹脂であることが好ましい。また、中層厚膜層とする樹脂においても、射出成型時の剪断を緩和するために高結晶性樹脂であることが好ましい。厚膜層の厚み調整は該当する層の厚みに相当する各流量をスリットの間隙で調整することが好ましく、この際、各スリット間隙の間隙精度は±10μm以下であることが好ましい。このような特殊なフィードブロックを用いることにより、高精度でかつ2段以上の傾斜構造を形成する積層フィルムを得ることができる。
次に、本発明のポリエステルフィルムの特徴である波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率を30%以上75%以下とするためには、各層の層厚みを、下記、式1に基づいて設計する必要がある。本発明における積層フィルムは、光を反射/透過することを可能とするが、その反射率については樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層の屈折率差と層数によって制御することができる。
2×(na・da+nb・db)=λ 式1
na:樹脂Aからなる層の面内平均屈折率
nb:樹脂Bからなる層の面内平均屈折率
da:樹脂Aからなる層の層厚み(nm)
db:樹脂Bからなる層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
このようにして所望の層構成に形成した溶融積層体は、次にダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の回転冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルム(無延伸フィルム)が得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針金状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の回転冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の回転冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて回転冷却体に密着させて急冷固化させる方法も好ましい。
このようにして得られたキャスティングフィルム(無延伸フィルム)は、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、長手方向及び幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二軸方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向及び/または幅方向に再延伸しても良い。特に本発明においては面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、同時二軸延伸を用いることが好ましい。
まず、逐次二軸延伸の場合について説明する。ここで長手方向の延伸とは、フィルムに長手方向に分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行っても良く、また、複数本のロール対を用いて多段階で行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、成型用積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
本発明の成型用フィルムに易接着層を設ける場合には、塗剤をコーティングして積層する方法が好ましい。塗剤をコーティングする方法としては、本発明における積層フィルムの製造工程とは別工程でコーティングを行う方法、いわゆるオフラインコーティング方法と、本発明における積層フィルムの製造工程中にコーティングを行うことで易接着層を一度に積層させる、いわゆるインラインコーティング方法がある。コストの面や塗布厚みの均一化の面からインラインコーティング方法を採用することが好ましく、その場合に用いられる塗液の溶媒は、環境汚染や防爆性の観点から水系であることが好ましく、水を用いることが最も好ましい態様である。
インラインコーティングで易接着層を積層する場合には、一軸延伸された積層フィルムに連続的に易接着層を構成する塗剤を塗布する。溶媒として水を用いた塗剤(水系塗剤)の塗布方法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法及びダイコート法などを用いることができる。
(ポリカーボネート樹脂を主成分とする層を有する成型フィルムの製造方法)
本発明のポリカーボネート樹脂を主成分とする層を有する成型フィルムの好ましい製造方法の一例を以下に説明するが、本発明のポリカーボネート樹脂を主成分とする層を有する成型フィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
本発明のポリカーボネート樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムを得るために用いる組成物、つまり、ポリカーボネート系樹脂を含有する組成物を得るにあたっては、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を用いることが好ましい。溶融混練方法については特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸又は二軸押出機などの公知の混合機を用いることができる。中でも生産性の観点から、単軸押出機の使用が好ましい。
次に、上記した方法により得られた樹脂組成物を、Tダイよりシート状に吐出させ、温度制御したキャストロール上で冷却固化させることにより、本発明の成型用フィルムを得ることができる。なお、キャストロールの温度は10℃以上60℃以下に制御することが好ましい。また、シート状物キャストロール上で冷却固化させる段階において、20℃以上40℃以下に温度制御したゴム製賦形ロールにてニップをすることも好ましく行うことができる。
本発明においては、ポリカーボネート系樹脂フィルムとして、前記の無延伸フィルムを用いてもよいし、延伸可能なポリカーボネート系樹脂の場合は、従来公知の方法で一軸又は二軸延伸処理して得られた延伸フィルムを用いてもよい。
(アクリル樹脂を主成分とする層を有する成型フィルムの製造方法)
本発明のアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型フィルムの好ましい製造方法の一例を以下に説明するが、本発明のアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型フィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
本発明のアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムを得るために用いる組成物、つまり、アクリル系樹脂を含有する組成物を得るにあたっては、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を用いることが好ましい。溶融混練方法については特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸又は二軸押出機などの公知の混合機を用いることができる。中でも生産性の観点から、単軸押出機の使用が好ましい。
次に、上記した方法により得られた樹脂組成物を、Tダイよりシート状に吐出させ、温度制御したキャストロール上で冷却固化させることにより、本発明の成型用フィルムを得ることができる。なお、キャストロールの温度は10℃以上60℃以下に制御することが好ましい。また、シート状物キャストロール上で冷却固化させる段階において、20℃以上40℃以下に温度制御したゴム製賦形ロールにてニップをすることも好ましく行うことができる。
本発明においては、アクリル系樹脂フィルムとして、前記の無延伸フィルムを用いてもよいし、延伸可能なアクリル系樹脂の場合は、従来公知の方法で一軸又は二軸延伸処理して得られた延伸フィルムを用いてもよい。
(成型用加飾フィルム)
本発明の成型用フィルムまたは成形用シートは、金属調の光沢を有し、かつ成型加工時の成型性に優れているため、成型用加飾フィルムとして好適に用いることができる。本発明の一つの態様として、前述の成型用フィルムまたは成型用シートの少なくとも片面に印刷層を有する成型用加飾フィルムが挙げられる。
ここで、印刷層とは、着色、柄模様、木目調、金属調、及びパール調などの装飾を成型体に付加させるための層をいう。
印刷層の形成方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、コート、又は印刷等を用いることができ、例えばロールコート法、グラビアコート法、コンマコート法などのコート法の他、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法を用いることができる。
印刷層に使用される樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂共重合体などが挙げられる。また、印刷層に使用される着色剤は特に制限はなく、樹脂に対する分散性などを考慮して、染料、無機顔料、有機顔料などから適宜選択することができる。
コート、又は印刷により形成される印刷層の厚みは、成型後の色調保持性、意匠性の観点から、1μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上50μm以下であることがより好ましく、5μm以上40μm以上であることがさらに好ましい。
(成型体)
本発明の成型用加飾フィルムは、金属調の光沢を有し、かつ成型加工時の成型性や成型体の電磁波透過性に優れているため、成型体として好適に用いることができる。
成型体の形成方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、インサート成型や真空圧空成型などの成型加工方法を用いることができる。
インサート成型で用いられる樹脂としては本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、ポリブタジエン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル・スチレン系共重合樹脂、ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルニトリル・エチレンプロポレン・スチレン系共重合樹脂などの樹脂が用いられる。
また、真空圧空成型で用いられる成型基材としては本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、ポリブタジエン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル・スチレン系共重合樹脂、ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルニトリル・エチレンプロポレン・スチレン系共重合樹脂などの樹脂やアルミニウム、マグネシウムなどの金属、ガラス、炭素繊維成型物などが用いられる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
[測定および評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)層構成及び層厚み
ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製、H−7100FA型)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40,000倍に拡大して観察し、断面部分を撮影して層構成及び層厚みを測定した。また、各層の合計厚みを積層フィルム全体厚みとした。なお、コントラストを高く得るために、RuOを使用してサンプルを染色した。
フィルムの層構成及び層厚みの具体的な求め方を説明する。約40,000倍のTEM写真を、CanonScanD123U(キャノン(株)製)を用いて画像サイズ729dpiで取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで、画像処理ソフト(販売元プラネトロン(株)、Imagc−Pro Plus ver.4)を用いて、該JPEGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域における平均の明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採取後、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア アプリケーションズ)プログラムにより、微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。得られた層厚みのうち、薄膜層は1μm未満の厚みの層とした。薄膜層については、隣り合うA層及びB層の層厚みの和の平均値を全ての組について順次求めた。
(2)ポリエステルフィルムの層厚み150nm以上のB層の1〜0.4nの範囲における比率
(1)の層構成及び層厚みより算出されたB層の層厚みを層番号1〜N(Nは積層数)の順にプロットし、B層の層厚み150nm以上の層数を抽出した。0.4Nの小数点以下を切り下げた層番号を0.4nとした場合、下記式により層番号1〜0.4nの範囲における層厚み150nm以上のB層の比率を求めた。
層厚み150nm以上のB層の1〜0.4nの範囲における比率(%)=
(層番号1〜0.4nの範囲における層厚み150nm以上のB層の層数)/(150nm以上のB層のフィルムXにおける層数)×100
(3)波長帯域400〜700nmにおける平均反射率
ポリエステルフィルムの中央部から5cm四方のサンプルを切り出した。次いで、分光光度計((株)日立製作所製、U−4100 Spectrophotometer)を用いて、入射角度Φ=10度における相対反射率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、酸化アルミニウムである。測定波長は、250nm〜1200nm、スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲイン2と設定し、走査速度600nm/分で測定した。サンプルの裏面を油性インキで黒塗りした。次いで、波長帯域400〜700nmにおける平均反射率を算出した。平均反射率の算出方法は、波長1nm毎の絶対反射率のデータを用いてシンプソン法公式に基づき、反射曲線と波長帯域で囲まれた面積を計算し、波長帯域の幅である300nmで除することにより、平均反射率を求めた。なお、シンプソン法についての詳細な説明は、山内二郎他著書の「電子計算機のための数値計算法I」(培風館)(昭和40年)に記載されている。
(4)貯蔵弾性率
フィルムを60mm(長手方向)×5mm(幅方向)の矩形に切り出しサンプルとした。動的粘弾性測定装置(レオロジ製、DVE−V4 FTレオスペクトラ)により下記の測定条件で測定を行い、80℃及び120℃における長手方向の貯蔵弾性率(MPa)を求めた。幅方向の貯蔵弾性率(MPa)についても、サンプルを60mm(幅方向)×5mm(長手方向)の矩形とした以外は機械方向と同様にして求めた。
<測定条件>
周波数:10Hz
試長:20mm
変位振幅:10μm
測定温度範囲:25℃〜160℃
昇温速度:5℃/分。
(5)200%伸長時応力(F100値)
サンプルの、任意の一方向および、その方向に直交する方向に長さ100mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離20mmとし、引張速度を200mm/分として任意の一方向とそれに直交する方向にそれぞれ引張試験を行った。測定は180℃に設定した恒温層中にサンプルをセットし、60秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが200%伸長したとき(チャック間距離が40mmとなったとき)のシートにかかる荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(シート厚み×10mm)で除した値を200%伸長時応力(F200値)とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
(6)成型加工時の成型性
フィルムロールサンプルの表面に、アプリケーターを用いて、アクリル/ウレタン系のブラックインキを塗工し、80℃で10分間乾燥を行い、塗膜厚み20μmの印刷層を形成した。さらに上記のフィルムロールサンプルを任意の位置で200mm(機械方向)×300mm(幅方向)の大きさに切り出してサンプルとした。さらにサンプルの印刷層の表面に、アプリケーターを用いて、フィルムインサート成型用バインダー十条ケミカル製“JELCON”B−2を塗工し、80℃で10分間乾燥を行い、塗膜厚み20μmのバインダー層を形成した。接着層が形成されたサンプルを日本製鋼所製の射出成型機を用いて、60℃の金型にサンプルをセットし、230℃に加熱したポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合(以下、ABS)樹脂型(底面直径150mm)に沿って射出成型を行い、フィルム/印刷層/バインダー層/ABS製樹脂型の成型体を得た。得られた成型体について、型に沿って成型できた状態(絞り比:成型高さ/底面直径)より、成型用加飾フィルムの成型性を以下の基準で評価した。なお、成型用加飾フィルムの成型性はB以上を合格とした。
A:絞り比0.3以上で成型できた。
B:絞り比0.3以上0.1未満で成型できたが、絞り比0.3以上では成型できなかった。
C:絞り比0.1以上で成型できなかった。
(7)印刷層の視認性
サンプルの表面に、アプリケーターを用いて、分光測色計(コニカミノルタ製CM−2600d)にてa*値(C光源、SCE方式)が35となるアクリル/ウレタン系の赤色インキを塗工し、80℃で10分間乾燥を行い、塗膜厚み20μmの印刷層を形成し、成型加飾用フィルムを得た。得られた成型加飾用フィルムの印刷層の逆面より、(コニカミノルタ製CM−2600d)にてa*値(C光源、SCE方式)を算出し、下記の基準で評価した。なお、印刷層の視認性はB以上を合格とした。
A:3.0以上
B:1.5以上3.0未満
C:1.5未満
(8)成型体の電磁波透過性
東京都立産業技術センターのAgilent4396Bを用いてKEC法(社団法人関西電子工業振興センター法)により0.1〜1000MHzの範囲において測定した。具体的には、電波用・磁波それぞれ専用の治具の間に、何もはさまない場合の電磁波強度に対する測定サンプルをはさんだ場合の電磁波強度の減衰量をdBで測定し、1dBを基準として以下の評価(「A」または「B」)を実施した。なお、成型体の電磁波透過性はAを合格とした。
A:1dB未満
B:1dB以上
(熱可塑性樹脂A−1)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行う。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量部を添加した後、重縮合反応槽に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を除々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、固有粘度(IV)0.63のポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある)を得た。
(熱可塑性樹脂A−2)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物を用いた以外は、熱可塑性樹脂A−1と同様に重合を行い、固有粘度(IV)0.67のポリエチレンナフタレート(以下、PENということがある)樹脂
(熱可塑性樹脂A−3)
熱可塑性樹脂A−1と熱可塑性樹脂A−2を1:1で混合したポリエステル樹脂。
(熱可塑性樹脂B−1)
固有粘度(IV)0.55のスピログリコール(SPG)21mol%、及びシクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)24mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(熱可塑性樹脂B−2)
固有粘度(IV)0.72のシクロヘキサンジメタノール(CHDM)30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(熱可塑性樹脂B−3)
熱可塑性樹脂A−1と熱可塑性樹脂B−2を1:3で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(熱可塑性樹脂B−4)
熱可塑性樹脂A−1と熱可塑性樹脂B−2を65:35で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(ポリカーボネート樹脂を主成分とする層)
住友化学(株)製アクリル系樹脂フィルム“テクノロイ”(登録商標)S001
(アクリル樹脂を主成分とする層)
帝人化成(株)製ポリカーボネート系樹脂フィルム“パンライト”(登録商標)PC−8517
(易接着層の組成物)
・アクリル・ウレタン共重合樹脂(a)の水分散体:山南合成化学(株)製、サンナロンWG658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製、エラストロンE−37(固形分濃度28重量%)
・エポキシ化合物(c)の水分散体:DIC(株)製、CR−5L(固形分濃度100重量%)
・ポリチオフェン構造を有する化合物及び陰イオン構造を有する化合物からなる組成物(d)の水分散体(固形分濃度1.3重量%)
・オキサゾリン化合物(e)の水分散体:日本触媒(株)製、エポクロスWS−500(固形分濃度40重量%)
・カルボジイミド化合物(f)の水分散体:日清紡(株)製、カルボジライトV−04(固形分濃度40%)
・シリカ粒子(g):日揮触媒化成(株)製、スフェリカスラリー140(固形分濃度40%)
・アセチレンジオール系界面活性剤(h):日信化学(株)製、オルフィンEXP4051(固形分濃度50%)
・水系溶媒(i):純水
上記した(a)〜(h)を固形分重量比で、(a)/(b)/(c)/(d)/(e)/(f)/(g)/(h)=100/100/75/25/60/60/10/15となるように混合し、かつ前記水系塗剤の固形分濃度が3重量%となるように(i)を混合し、濃度調整した。
(実施例1)
(ポリエステルフィルムの製造)
熱可塑性樹脂A−1及び熱可塑性樹脂B−1を、各々別のベント付き二軸押出機で280℃の溶融状態とした後、ギヤポンプ及びフィルターを介して、225個のスリットを有する部材を別個に4個有する901層のフィードブロックにて合流させた。なお、厚膜層となる両側の最表層は熱可塑性樹脂Aとなり、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bが交互に積層され、かつ隣接する熱可塑性樹脂Aからなる層と熱可塑性樹脂Bからなる層の層厚みは、ほぼ同じになるようにした。次いで、T−ダイに導いてシート状に成形した後、静電印加で表面温度25℃に保たれたキャスティングドラムに密着させて急冷固化し、キャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムを75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風予熱後、110℃の温度で横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのままテンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、次いで、同温度にて幅方向に7%の弛緩処理を施し、その後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取り、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの全体厚みは、117μmであった。
(成型用フィルムの製造)
得られたポリエステルフィルムの一方の面にグラビア塗布装置を用いて、2液系ポリウレタン系熱硬化型接着剤(東洋インキ(株)製ドライラミネート接着剤BLS−PC21)をリバース、ウェット厚みで5g/m塗布し、乾燥温度70℃から90℃で速度20m/minで乾燥後、フィルム厚みが125μmのポリカーボネート系樹脂フィルムを用いて、ニップ圧力0.4MPa温度40℃でニップロールを使用して貼り合わせを行い、目的とする成型用フィルムを得た。得られた成型用フィルム及び成型用加飾フィルムそれらを用いた成型体の評価結果を表1に示した。
(実施例2)
成型用フィルムについて接着層を介さない以外は、実施例1と同様にして成型用フィルムを得た。得られた成型用フィルムおよび成形用加飾フィルムそれを用いた成型転写箔、成型部材の評価結果を表1に示した。
(実施例3)
ポリエステルフィルムの製造時に該一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの塗れ張力を55mN/mとし、#4のメタバーで易接着層の組成物をフィルムの両面に塗布した以外は、実施例1と同様にして成型用シートを得た。得られた成型用シートおよび成形用加飾フィルムそれを用いた成型転写箔、成型部材の評価結果を表1に示した。
(実施例4、5)
成型用フィルムのポリカーボネート系樹脂フィルムをアクリル系樹脂フィルムした以外は、実施例1と同様にして成型用フィルムを得た。得られた成型用フィルムおよび成形用加飾フィルムそれを用いた成型体の評価結果を表1に示した。
(実施例6〜9、比較例1、2)
ポリエステルフィルム及びポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、接着層の組成を表1に記載の通りとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られた成型用フィルムおよび成形用加飾フィルムそれを用いた成型体の評価結果を表1および表2に示した。
(比較例3)
成型用フィルムをポリエステルフィルムとした以外は、実施例1と同様にして成型用フィルムを得た。得られた成型用フィルムおよび成型用加飾フィルムそれを用いた成型体の評価結果を表2に示した。
(比較例4)
ポリエステルフィルムを透明ポリエステルフィルム(東レ製“ルミラー”登録商標U48、フィルム厚み125μm)にスズを蒸着したフィルムとした以外は、実施例1と同様にして成型用フィルムを得た。得られた成型用フィルムおよび成型用加飾フィルムそれを用いた成型体の評価結果を表2に示した。
(比較例5)
二軸配向ポリエステルフィルムを透明ポリエステルフィルム(東レ製“ルミラー”登録商標U48、フィルム厚み125μm)とし、ポリカーボネート系樹脂フィルムにスズを蒸着とした以外は、実施例1と同様にして成型用フィルムを得た。得られた成型用フィルムおよび成型用加飾フィルムそれを用いた成型体の評価結果を表2に示した。
Figure 2018069552
Figure 2018069552
本発明により、金属調の光沢を有し、かつ印刷層の視認性、成型加工時の成型性、成型体の電磁波透過性に優れる成型用フィルムを提供することができる。本発明の成型用フィルムは、金属調の光沢を有し、コーティング、ラミネート、印刷等の加工性、成型加工における成型性、及び表面外観に優れ、成型体における電磁波透過性に優れるため、例えば、建材、自動車部品、携帯電話、電機製品、及び遊技機部品などの成型部材の加飾に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムであって、
    前記ポリエステルフィルムが、結晶性の熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(以下、A層)とA層とは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(以下、B層)を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下である、成型用フィルム。
  2. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層を介して、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする層を有する成型用フィルムであって、
    前記ポリエステルフィルムが、結晶性の熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(以下、A層)とA層とは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(以下、B層)を有し、前記A層とB層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が30%以上75%以下である、成型用フィルム。
  3. 80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が2000MPa以上5000MPa以下であり、120℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が100MPa以上1000MPa以下である、請求項1または2に記載の成型用フィルム。
  4. 180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力が(F200値)がそれぞれ3MPa以上50MPa以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の成型用フィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂Bが、非晶性の樹脂を含む請求項1〜4のいずれかに記載の成型用フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の成型用フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂と2種類以上の架橋剤を含む易接着層を有する、成型用シート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の成型用フィルムまたは請求項6に記載の成型用シートの少なくとも片面に、印刷層を有する、成型用加飾フィルム。
  8. 請求項7記載の成型用加飾フィルムを用いた成型体。
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