JP2020090040A - インジウム調フィルム及びそれを用いた成形体 - Google Patents

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横田 雅之
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雅之 横田
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【課題】インジウムの金属皮膜と同等の外観を有するフィルムを提供する。
【解決手段】(1)、(2)のいずれかを満たし、明度が70以上85以下であるインジウム調フィルム。
(1)ポリエステルフィルムAの少なくとも片面に、黒色系のスモーク調の透光性材料によって形成されたスモーク層を有する積層フィルムであって、前記ポリエステルフィルムAが、結晶性の熱可塑性樹脂aを主成分とする層(以下、a層)とa層とは異なる熱可塑性樹脂bを主成分とする層(以下、b層)を有し、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が55%以上100%以下である積層フィルムを有すること。
(2)結晶性の熱可塑性樹脂aを主成分とする層(以下、a層)とa層とは異なる熱可塑性樹脂bを主成分とする層(以下、b層)を有し、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が45%以上55%以下である、ポリエステルフィルムBを有すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、インジウム調フィルム及びそれを用いた成形体に関する。
近年、金属粒子が互いに独立した海島構造を形成することで金属外観を有しながら電波透過性や絶縁性を両立するインジウムを用いたセンサーや静電容量スイッチのカバーやケースなどが提案されている(特許文献1、2参照)
特開2000−344032号公報 特許第5817195号公報
しかしながら、インジウムはレアメタルであるため、それを用いた製品は高価格であり、かつ供給リスクも抱えるという問題があった。
そこで本発明の課題は上記した従来技術の問題点を解決し、金属を用いずにインジウムと同等の外観を有し、さらに優れた電波透過性や絶縁性を両立するインジウム調フィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、(1)、(2)のいずれかを満たし、明度が70以上85以下であるインジウム調フィルム。
(1)ポリエステルフィルムAの少なくとも片面に、黒色系のスモーク調の透光性材料によって形成されたスモーク層を有する積層フィルムであって、前記ポリエステルフィルムAが、結晶性の熱可塑性樹脂aを主成分とする層(以下、a層)とa層とは異なる熱可塑性樹脂bを主成分とする層(以下、b層)を有し、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が55%以上100%以下である積層フィルムを有すること。
(2)結晶性の熱可塑性樹脂aを主成分とする層(以下、a層)とa層とは異なる熱可塑性樹脂bを主成分とする層(以下、b層)を有し、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が45%以上55%以下である、ポリエステルフィルムBを有すること。
本発明により、金属を用いずにインジウムと同等の外観を有し、さらに優れた電波透過性や絶縁性を両立するインジウム調フィルムを得ることができる。
より具体的には、インジウム調部材として、電波透過性や絶縁性に優れるため、それを用いたインジウム調外観を有するものとして、例えば、センサーや静電容量スイッチのカバーやケースなどに好適に用いることができる。
実施例1〜6、比較例1〜3の設計層厚みを示す図 実施例6のインジウム調フィルムを示す図 実施例6の部分的に印刷層を設けたインジウム調フィルムを示す図 実施例6の部分的に印刷層を設け、賦形したインジウム調フィルムを示す図 実施例6の部分的に印刷層を設け、賦形し、不要部を取り除いたインジウム調フィルムを示す図 実施例6のインジウム調フィルムの成形品を示す図
本発明のインジウム調フィルムの明度は、70以上85以下である必要がある。70未満の場合、明度が低く、インジウム調の外観とならない。明度が85を超える場合、明度が高く、インジウム調の外観とならない。
本発明のインジウム調フィルムにおけるポリエステルフィルムAおよびBは、結晶性の熱可塑性樹脂aを主成分とする層(a層)と、a層とは異なる熱可塑性樹脂bを主成分とする層(b層)を有し、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された積層フィルムである。
本発明におけるポリエステルフィルムAおよびBは、フィルムの強度、耐熱性及び汎用性の観点から、二軸配向ポリエステルフィルムが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムAおよびBは、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された構造である必要がある。より好ましくは、厚み方向に交互に合計400層以上積層された構造であり、さらに好ましくは、800層以上積層された構造である。250層未満の場合、可視光を均一に反射できず、彩度の大きなフィルムとなってしまうことがある。
本発明におけるポリエステルフィルムAおよびBは、少なくとも1μm以上20μm以下である厚みの厚膜層が3層以上含まれ、かつ該厚膜層が両側の最表層となることが望ましい。より好ましくは、5μm以上10μm以下である。1μm未満の場合、インサート成型といった射出成型加工においてポリエステルフィルム側から樹脂を射出する際に、樹脂剪断に起因するウォッシュアウトが発生するため積層構造が歪むことで樹脂射出部金属調の光沢が消失、またはリング状の欠陥が生じることがある。また、樹脂の強度が高いa層を厚膜層とすることで射出成型時の樹脂の剪断を軽減することができるため好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムAおよびBは、色付きを抑制する観点から、層対厚み10nm以上220nm未満の層数が、層対厚み220nm以上350nm以下の層数より多いことが好ましい。ここで、本発明で言う「層対厚み」とは、隣接するa層及びb層のそれぞれの層厚みを足した厚みを指す。また、層対厚みは、a層のみについて一方のフィルム表面から数えたm番目のa層と、隣接するb層のみについて同表面から数えたm番目のb層の層厚みを足したものでなければならない。ここで、mは整数を表している。例えば、一方のフィルム表面から反対側の表面にa1層/b1層/a2層/b2層/a3層/b3層・・・の順番で並んでいる場合、a1層とb1層が1番目の層対であり、a2層とb2層が2番目の層対であり、a3層とa3層が3番目の層対となる。層対厚み10nm以上220nm未満の層数が、層対厚み220nm以上350nm以下の層数と同数または少ないと、波長帯域400nm〜1100nmの反射帯域において低波長側ほど反射率が低下するため、赤みを帯びた外観になることがある。これは、低波長側の反射を起こす層対の密度が薄くなるために起こるものである。従って、ポリエステルフィルムAおよびBを構成する層の層対厚み序列としては、単調に等差数列的に層対厚みが増減するのではなく、上記条件を満たしながら等比数列的に層対厚みが増減することが好ましい。より好ましくは、層対厚み120nm以上220nm未満の層数が、層対厚み220nm以上350nm以下の層数に対して1.05倍以上2.5倍以下であることが好ましい。
ポリエステルフィルムAおよびBにおけるa層、b層を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂の中でも、強度、耐熱性、透明性及び汎用性の観点から、ポリエステル樹脂を用いることが必要である。
ポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体等を挙げることができる。中でも屈折率の高いテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良く、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合しても良い。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコール等を挙げることができる。中でも、エチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
前記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリエチレンナフタレート及びその共重合体、ポリブチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリブチレンナフタレート及びその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレート及びその共重合体等を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂から選ばれた好ましい組み合わせは、一方の樹脂と同一の基本骨格を含む樹脂を用いることが好ましい。ここで、本発明で言う「基本骨格」とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことを指し、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、エチレンテレフタレートが基本骨格であり、この場合の他の樹脂としては、例えば、エチレンテレフタレート単位とシクロヘキサン1,4−ジメチレンテレフタレート単位からなる重合体(共重合体)が挙げられる。同一の基本骨格の樹脂を用いると、積層フィルムの製膜において、フローマーク等の積層不良や層間での剥離等の問題が生じ難くなる。
前記熱可塑性樹脂aとしては、結晶性を上げ、耐押し跡性(耐打痕性)、フィルム自体の腰の強さの観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂bは、屈折率の上昇を抑制し、非結晶性の膜とする観点から、非晶性の樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂Bとしては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル酸、シクロヘキサンジカルボン酸を含有、または、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールA成分を含有した上記樹脂Xの共重合体を、上記樹脂Xと混合または単独で用いることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムAおよびBは、積層フィルムのa層の面内平均屈折率と、b層の面内平均屈折率の差が0.040以上0.120以下であることが好ましい。面内平均屈折率の差が0.040未満の場合、金属光沢調の外観とならないことがある。面内平均屈折率の差が0.120を超える場合、透過率が低くなり過ぎて積層フィルムの背面に印刷を行った場合、印刷層が十分に視認できないことがある。
本発明のポリエステルフィルムAは、波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率が55%以上100%以下である必要がある。波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率が65%未満の場合、反射率が低く、黒色系のスモーク調の透光性材料によって形成されたスモーク層を設けた際にインジウム調の外観とならない。波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率を上記の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、a層とb層の層厚みや、a層とb層の面内平均屈折率を制御する方法が挙げられる。この方法を用いることで、金属を用いずに金属光沢調を得ることができるため、金属光沢調、印刷層の視認性及び高い電磁波透過性の両立が可能となる。
本発明のポリエステルフィルムBは、波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率が45%以上55%以下である必要がある。波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率が45%未満の場合、反射率が低く、インジウム調の外観とならない。平均反射率が55%を超える場合、反射率が高く、インジウム調の外観とならない。波長帯域400nm〜700nmにおける平均反射率を上記の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、a層とb層の層厚みや、a層とb層の面内平均屈折率を制御する方法が挙げられる。この方法を用いることで、金属を用いずに金属光沢調を得ることができるため、金属光沢調、印刷層の視認性及び高い電磁波透過性の両立が可能となる。
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムAの少なくとも片側に、黒色系のスモーク調の透光性材料によって形成されたスモーク層を有する。黒色系のスモーク調の透光性材料によって形成されたスモーク層は、ポリエステルフィルムAの視認面に有することが好ましい。
スモーク層の形成方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、透光性を有し黒色系のスモーク調を成すスモーク樹脂シートを接着剤を介して積層させる方法、又は透光性を有し黒色系のスモーク調を成すスモーク印刷塗料を印刷する方法等を用いることができる。
スモーク樹脂シートとしては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などの透光性を有する樹脂に黒色系の染料、無機顔料、有機顔料などの着色剤を添加したものを溶融、固化してシート化したものが挙げられる。スモーク樹脂シートの厚さは、加工性の観点から、50μm以上500μm以下であることが好ましい。
ポリエステルフィルムAと透光性を有し黒色系のスモーク調を成すスモーク樹脂シートとを、接着剤を介して積層させる方法は特に限られるものでは無いが、ドライラミネートにより形成することが好ましい。
本発明に用いられる接着剤は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、成形加工時の耐熱性の観点から二液硬化型ポリウレタン系接着剤が好ましく用いられる。二液硬化型ポリウレタン系の接着剤は、高分子末端に水酸基を有する主剤(ポリオール)と、イソシアネート基を有する硬化剤(ポリイソシアネート)を含み、水酸基とイソシアネート基の反応によりウレタン結合を形成して硬化する。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレン−プロピレン共重合ポリオール、ポリテトラメチレンポリオールなどの単独あるいはそれらの混合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸など)とグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコールなど)とを重縮合させ得られたポリオール、などが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び脂環式系ポリイソシアネートが挙げられる。
また、本発明において用いられる接着剤層には各種の添加剤、例えば粘度調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、耐電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
本発明の接着層の厚さは、接着性とフィルム外観を両立させる観点から、0.5μm以上30μm以下であることが好ましい。本発明の接着層の厚さが0.5μm未満であると、層間の密着性が損なわれる場合がある。一方、本発明の接着層の厚さが30μmを超えると層の厚みムラによりフィルム外観が損なわれる場合がある。本発明の接着層の厚さの好ましい範囲は0.7μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下であり、さらに好ましくは2μm以上5μm以下である。
スモーク印刷塗料としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂共重合体などの透光性を有する樹脂に黒色系の染料、無機顔料、有機顔料などの着色剤を添加したものが挙げられる。
印刷層の形成方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、コート、又は印刷等を用いることができ、例えばロールコート法、グラビアコート法、コンマコート法などのコート法の他、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法を用いることができる。
コート、又は印刷により形成される印刷層の厚みは、成型後の色調保持性、意匠性の観点から、1μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上50μm以下であることがより好ましく、5μm以上40μm以上であることがさらに好ましい。
本発明のインジウム調フィルムは、フィルム表面の1m×1mの範囲における彩度が0以上7以下であることが好ましい。より好ましくは0以上5以下であり、さらに好ましくは0以上3以下である。フィルム表面の1m×1mの範囲における彩度が7を超える場合、色付きが大きくなり、インジウム調の外観を得られないことがある。
1m×1mの範囲における彩度を0以上7以下とするためには、ポリエステルフィルムAおよびB製造時の積層状態を均一とすること、及び/または本発明の積層フィルムおよびポリエステルフィルムBに印刷層を設けて彩度を調整することが必要である。ポリエステルフィルムAおよびB製造時の積層状態を均一とするためには、図1に示す層構成において、層構成が減少から増加に変化、及び増加から減少に変化する箇所は積層不良が生じ易く、部分的な彩度の上昇が発生する原因となるため、1μm以上20μm以下である厚みの厚膜層を上記箇所に設けることが好ましい。また、本発明における印刷層としては、バインダー樹脂、顔料または染料等で構成することができる。バインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂、熱可塑性エラストマー系樹脂等が好ましく、特に柔軟な被膜を作成することができる樹脂が好ましい。また、バインダー樹脂中には、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを配合することが好ましい。塗布方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などが好ましく、より好ましくはスクリーン印刷である。特に多色刷りや階調色彩、薄膜印刷を必要とする場合には、オフセット印刷法やグラビア印刷法が好ましい。また、単色の場合は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。また、本発明における印刷層の厚みは、透過率確保のため5μm以下で塗布することが好ましく、印刷層を形成するインキとしては2液硬化型インキであることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムAおよびBは、少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂と2種類以上の架橋剤からなる易接着層が設けられていることが好ましい。ポリエステルフィルムAおよびBに印刷層またはハードコート層を施す際、処理面に易接着層が設けられていない場合、界面における密着性が低下することがある。また、印刷層とハードコート層をポリエステルフィルムAおよびBの両面に施す際は、両面に易接着層が設けられていることが好ましい。
本発明に好ましく用いられる易接着層を構成するアクリル・ウレタン共重合樹脂としては、アクリル系モノマーは、例えばアルキルアクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー等を用いることができる。また、本発明におけるウレタン成分としては、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物を、乳化重合、懸濁重合等の公知のウレタン樹脂の重合方法によって反応させることで得られる樹脂を用いることができる。ウレタン成分を構成するポリヒドロキシ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリカーボネートジオール、グリセリン等を用いることができる。
本発明における易接着層を構成する架橋剤としては、架橋性官能基を共重合することが好ましく、例えば、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化或いはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤等を用いることができる。また、ハードコート層やシリコーン系接着層との耐湿熱接着性の観点から、2種類以上の架橋剤を用いることが好ましく、具体的には、架橋剤の少なくとも1種類がオキサゾリン系架橋剤またはカルボジイミド系架橋剤を用いることが好ましい。
さらに、前記易接着層の成分だけであると帯電し易いため、その結果、静電気によりポリエステルフィルムAおよびBとスモーク層、印刷層またはハードコート層との間に異物が混入し、外観欠点となる問題を引き起こすことがある。そのため易接着層の成分には、帯電防止の観点から、導電性高分子を含んでいることが好ましい。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン・ビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレン、ポリヘテロサイクル・ビニレン、特に好ましくは、(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。
本発明の積層フィルムおよびポリエステルフィルムBは、印刷層が設けられていることが好ましい。
具体的には本発明の積層フィルムおよびポリエステルフィルムBに印刷層を設け、外観調整などに用いることができる。ただし、デザイン性やコスト面、透過性から印刷層を必要としない用途に対しては、必ずしも印刷層を設けなくてもよい。
本発明における印刷層としては、バインダー樹脂、顔料または染料等で構成することができる。バインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂、熱可塑性エラストマー系樹脂等が好ましく、特に柔軟な被膜を作成することができる樹脂が好ましい。また、バインダー樹脂中には、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを配合することが好ましい。塗布方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などが好ましく、より好ましくはスクリーン印刷である。特に多色刷りや階調色彩、薄膜印刷を必要とする場合には、オフセット印刷法やグラビア印刷法が好ましい。また、単色の場合は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。また、本発明における印刷層の厚みは、透過率確保のため5μm以下で塗布することが好ましく、印刷層を形成するインキとしては2液硬化型インキであることが好ましい。
本発明のインジウム調フィルムは、成形体として用いることができる。
本発明のインジウム調フィルムを用いた成形体としては、本発明のインジウム調フィルムに印刷を設けたり立体形状を賦形したりするなどして意匠を付与したもの、または本発明のインジウム調フィルムに印刷を設けたり立体形状を賦形したりするなどして意匠を付与したものを樹脂と一体化したものが挙げられる。
本発明における印刷層としては、バインダー樹脂、顔料または染料等で構成することができる。バインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂、熱可塑性エラストマー系樹脂等が好ましく、特に柔軟な被膜を作成することができる樹脂が好ましい。また、バインダー樹脂中には、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを配合することが好ましい。塗布方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などが好ましく、より好ましくはスクリーン印刷である。特に多色刷りや階調色彩、薄膜印刷を必要とする場合には、オフセット印刷法やグラビア印刷法が好ましい。また、単色の場合は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。また、本発明における印刷層の厚みは、透過率確保のため5μm以下で塗布することが好ましく、印刷層を形成するインキとしては2液硬化型インキであることが好ましい。
本発明における賦形方法としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、高圧成形、プレス成形などが好ましい。
本発明における樹脂と一体化させる方法としては、インサート成形、接着、粘着などが好ましい。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)フィルムの層構成及び層厚み
ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製、H−7100FA型)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40,000倍に拡大して観察し、断面部分を撮影して層構成及び層厚みを測定した。また、各層の合計厚みをポリエステルフィルムAまたはBの全体厚みとした。なお、コントラストを高く得るために、RuOを使用してサンプルを染色した。
フィルムの層構成及び層厚みの具体的な求め方を説明する。約40,000倍のTEM写真を、CanonScanD123U(キャノン(株)製)を用いて画像サイズ729dpiで取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで、画像処理ソフト(販売元プラネトロン(株)、Imagc−Pro Plus ver.4)を用いて、該JPEGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域における平均の明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採取後、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア アプリケーションズ)プログラムにより、微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。得られた層厚みのうち、薄膜層は1μm未満の厚みの層とした。薄膜層については、隣り合うA層およびB層の層厚みの和の平均値を全ての組について順次求めた。隣り合うA層とB層からなる組の平均層厚みと隣り合う組の平均層厚みとの差が50nm以下の範囲で連続的に単調増加もしくは単調減少配列している群を傾斜構造と定義した。傾斜構造は組番号と平均層厚みの関係を最小二乗近似した際、そのRの二乗が0.5以上となる正もしくは負の傾きを持つものとし、図1の構成を4段の傾斜構造と呼ぶこととした。
(2)平均反射率
1m×1mのサイズのポリエステルフィルムAまたはBの中央部から5cm四方のサンプルを切り出した。次いで、分光光度計((株)日立製作所製、U−4100 Spectrophotometer)を用いて、入射角度Φ=10度における相対反射率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、酸化アルミニウムである。測定波長は、250nm〜1200nm、スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲイン2と設定し、走査速度600nm/分で測定した。サンプルの裏面を油性インキで黒塗りした。次いで、波長帯域400〜700nmにおける平均反射率を算出した。平均反射率の算出方法は、波長1nm毎の絶対反射率のデータを用いてシンプソン法公式に基づき、反射曲線と波長帯域で囲まれた面積を計算し、波長帯域の幅である300nmで除することにより、平均反射率を求めた。なお、シンプソン法についての詳細な説明は、山内二郎他著書の「電子計算機のための数値計算法I」(培風館)(昭和40年)に記載されている。
(3)平均透過率
1m×1mのポリエステルフィルムAまたはBの中央部から5cm四方のサンプルを切り出した。次いで、分光光度計((株)日立製作所製、U−4100 Spectrophotometer)を用いて、入射角度Φ=10度における透過率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムである。測定波長は、250nm〜1200nm、スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲイン2と設定し、走査速度600nm/分で測定した。次いで、波長帯域400〜700nmにおける平均透過率を算出した。平均透過率の算出方法は、波長1nm毎の絶対反射率のデータを用いてシンプソン法公式に基づき、透過曲線と波長帯域で囲まれた面積を計算し、波長帯域の幅である300nmで除することにより、平均透過率を求めた。
(4)明度およびフィルム表面の1m×1mの範囲における彩度
1m×1mのサイズのポリエステルフィルムAまたはB、およびインジウム調フィルムの縦横共に10cm間隔で計121箇所から5cm四方のサンプルを切り出した。分光測色計(コニカミノルタセンシング(株)製、CM−3600d)を用いて、各サンプルにおけるL、a、bを測定し、n数5の平均値を算出した。
なお、測定の手段としては、分光測色計付属のゼロ構成ボックスで反射率のゼロ構成を行い、次いで、付属の白色校正板を用いて100%校正を行った後、以下の条件でフィルムのL、aを測定した。
モード:反射、SCI/SCE同時校正
測定径:8mm
サンプル:非測定面側に黒インキを塗布
光源:D65
次に、a、bより彩度Cを求めた。彩度Cの定義は以下の通りである。1m×1mの範囲における最大彩度Cは1m×1mの範囲から縦横共に10cm間隔で計121箇所から採取した各サンプルにおいて彩度Cが最大となる値とした。
・彩度C=((a+(b1/2
彩度Cの計算に用いたa、bはSCIの値とした。
(5)面内平均屈折率
ポリエステルフィルムAまたはBのA層、B層のそれぞれについて、厚さ0.5mmのフィルムに切り取り、幅5mm、長さ20mmの大きさの試験片を切り出し、アッベ屈折率計(アタゴ製、DR−M2)によって、23℃、589nm波長における屈折率を測定し、n数5の平均値を算出した。
(6)インジウム調外観
PETフィルム(“ルミラー”U48、厚さ50μm)の背面に蒸着によって金属粒子が互いに独立した海島構造を形成した厚さ40nmのインジウムを設けたものとインジウム調フィルムの非視認面に黒インキを塗布したものまたはその成形品とを平坦な台上に隣り合って並べ、50cm離れた距離で目視観察し、以下の基準で評価した。
○:インジウムと同等。
△:インジウムとやや異なる。
×:インジウムと大きく異なる。
(原料)
(樹脂A−1)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行う。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量部を添加した後、重縮合反応槽に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を除々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、固有粘度(IV)0.63のポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある)を得た。
(樹脂B−1)
固有粘度(IV)0.55のスピログリコール(SPG)21mol%、及びシクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)24mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−2)
固有粘度(IV)0.72のシクロヘキサンジメタノール(CHDM)30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−3)
樹脂A−1と樹脂B−2を65:35で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(易接着層の組成物−I)
・アクリル・ウレタン共重合樹脂(a)の水分散体:山南合成化学(株)製、サンナロンWG658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製、エラストロンE−37(固形分濃度28重量%)
・エポキシ化合物(c)の水分散体:DIC(株)製、CR−5L(固形分濃度100重量%)
・ポリチオフェン構造を有する化合物および陰イオン構造を有する化合物からなる組成物(d)の水分散体(固形分濃度1.3重量%)
・オキサゾリン化合物(e)の水分散体:日本触媒(株)製、エポクロスWS−500(固形分濃度40重量%)
・カルボジイミド化合物(f)の水分散体:日清紡(株)製、カルボジライトV−04(固形分濃度40%)
・シリカ粒子(g):日揮触媒化成(株)製、スフェリカスラリー140(固形分濃度40%)
・アセチレンジオール系界面活性剤(h):日信化学(株)製、オルフィンEXP4051(固形分濃度50%)
・水系溶媒(i):純水
上記した(a)〜(h)を固形分重量比で、(a)/(b)/(c)/(d)/(e)/(f)/(g)/(h)=100/100/75/25/60/60/10/15となるように混合し、かつ前記水系塗剤の固形分濃度が3重量%となるように(i)を混合し、濃度調整した。
(実施例1)
樹脂A−1および樹脂B−1を、各々別のベント付き二軸押出機で280℃の溶融状態とした後、ギヤポンプおよびフィルターを介して、301個のスリットを有する部材を別個に3個有する901層のフィードブロックにて合流させた。なお、厚膜層となる両側の最表層は樹脂A−1となり、樹脂A−1と樹脂B−1が交互に積層され、かつ隣接する樹脂A−1からなる層と樹脂B−1からなる層の層厚みは、ほぼ同じになるようにした。次いで、T−ダイに導いてシート状に成形した後、静電印加で表面温度25℃に保たれたキャスティングドラムに密着させて急冷固化し、キャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムを75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却して一軸延伸フィルムを得た。次いで、該一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの塗れ張力を55mN/mとし、#4のメタバーで易接着層の組成物−Iをフィルムの両面に塗布した。
得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風予熱後、110℃の温度で横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのままテンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、次いで、同温度にて幅方向に7%の弛緩処理を施し、その後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取り、ポリエステルフィルムAを得た。得られた二軸延伸されたフィルムのフィルム全体厚みは、122μmであり、平均反射率は69.1%、1m×1mの範囲における彩度は2.0であった。このポリエステルフィルムAの層設計は図1の通りであり、スリット間隙を調整することにより、各層の層厚みを制御した。該二軸延伸フィルムの厚み方向の断面をTEM観察し、画像処理により層厚み分布を求めた。最表層となる層番号1及び層番号901の層厚みは何れも10μmであり、樹脂A−1で構成される層番号226、層番号451、及び層番号676の層厚みは4μmであった。
得られたポリエステルフィルムAに、株式会社ミノグループ製溶剤性インキ「UPX」の黒(480)と無色(930)を0.8:100で混合し後、株式会社ミノグループ製希釈溶剤である「UPX標準希釈溶剤」と混合インキとを100:20で混合して希釈したインキを調整し、視認面にスクリーン印刷機により、250メッシュのスクリーン版を用いてスモーク層を設け、インジウム調フィルムを得た。明度は82.1であり、1m×1mの範囲における彩度は1.9であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
株式会社ミノグループ製溶剤性インキ「UPX」の黒(480)と無色(930)との混合比を1:100から1.2:100に変更した以外は実施例1と同様にして、インジウム調フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
株式会社ミノグループ製溶剤性インキ「UPX」の黒(480)と無色(930)との混合比を1:100から1.6:100に変更した以外は実施例1と同様にして、インジウム調フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
株式会社ミノグループ製溶剤性インキ「UPX」の黒(480)と無色(930)との混合比を1:100から2.4:100に変更した以外は実施例1と同様にして、インジウム調フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
樹脂B−1を樹脂B−2に変更した以外は実施例1と同様にして得られたポリエステルフィルムBをインジウム調フィルムとした。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1のインジウム調フィルム(図2)のスモーク層の上に図の柄を描くように部分的に株式会社ミノグループ製溶剤性インキ「UPX」の黒(480)と株式会社ミノグループ製希釈溶剤である「UPX標準希釈溶剤」とを100:20で混合して希釈したインキを調整し、スクリーン印刷機により250メッシュのスクリーン版を用いて印刷層を設け(図3)、更にインジウム調フィルムのスモーク層とは反対面の全面にも株式会社ミノグループ製溶剤性インキ「UPX」の黒(480)と株式会社ミノグループ製希釈溶剤である「UPX標準希釈溶剤」とを100:20で混合して希釈したインキを調整し、スクリーン印刷機により250メッシュのスクリーン版を用いて印刷層を設けた。次いで、高圧成形機を用いて両面に印刷層を設けたインジウム調フィルムを180℃に加熱して100barの圧力で、スモーク層面の印刷層がない部分が立体的に凸形状を形成するように賦形し(図4)、その後不要な部分を取り除いた(図5)。次に、一部を賦形して不要な部分を取り除いたインジウム調フィルムを射出成形機の金型に配置し、スモーク層面にポリカーボネート樹脂を流し込んで溶着して一体化させた。更にポリカーボネートと一体化したものを異なる射出成形機の金型に配置し、ABS樹脂を流し込んで溶着して一体化し、インジウム調フィルムの成形品(図6)を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1のポリエステルフィルムAにスモーク層を設けずインジウム調フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
株式会社ミノグループ製溶剤性インキ「UPX」の黒(480)と無色(930)との混合比を1:100から3.2:100に変更した以外は実施例1と同様にして、インジウム調フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例3)
樹脂B−1を樹脂B−3に変更した以外は実施例1と同様にして得られたポリエステルフィルムAに印刷を施さずインジウム調フィルムを得た。結果を表1に示す。
本発明のインジウム調フィルムは、インジウムの金属皮膜と同等の外観を有し、さらに電磁波透過性や絶縁に優れるため、それを用いた成形体として、例えば、自動車部品、建材、携帯型電子機器、電気製品等に好適に用いることができる。
1:層番号
2:層厚み
3:厚膜層
4:A層の層厚み分布
5:B層の層厚み分布

Claims (3)

  1. (1)、(2)のいずれかを満たし、明度が70以上85以下であるインジウム調フィルム。
    (1)ポリエステルフィルムAの少なくとも片面に、黒色系のスモーク調の透光性材料によって形成されたスモーク層を有する積層フィルムであって、前記ポリエステルフィルムAが、結晶性の熱可塑性樹脂aを主成分とする層(以下、a層)とa層とは異なる熱可塑性樹脂bを主成分とする層(以下、b層)を有し、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が55%以上100%以下である積層フィルムを有すること。
    (2)結晶性の熱可塑性樹脂aを主成分とする層(以下、a層)とa層とは異なる熱可塑性樹脂bを主成分とする層(以下、b層)を有し、前記a層とb層が厚み方向に交互に合計250層以上積層された波長帯域400〜700nmにおける平均反射率が45%以上55%以下である、ポリエステルフィルムBを有すること。
  2. 前記スモーク層が透光性を有し黒色系のスモーク調を成すスモーク印刷塗料が印刷された印刷層である、請求項1に記載のインジウム調フィルム。
  3. 請求項1または2に記載のインジウム調フィルムを用いた成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116394625A (zh) * 2023-04-20 2023-07-07 湖北富思特材料科技集团有限公司 一种bopp涂布温控变色烟膜及其制备方法与应用

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