JP2018067641A - 配線基板、半導体装置、およびそれらの製造方法 - Google Patents

配線基板、半導体装置、およびそれらの製造方法 Download PDF

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諒平 ▲葛▼西
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Abstract

【課題】多層化、高密度化、高速化を満足する半導体部品が搭載される配線基板を提供する。
【解決手段】2層以上の絶縁層を有する配線基板10であって、第1面に第1の配線340を備える第1の絶縁層100と、第1面上に配置される第2の絶縁層400と、を備える。第1の絶縁層が第1の配線340と接する第1の領域より、第1の絶縁層が第2の絶縁層と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する。
【選択図】図1

Description

本開示の実施形態は、配線基板、半導体装置、およびそれらの製造方法に関する。
電子機器の小型化、高機能化に伴い、電子機器を構成する半導体部品さらには半導体部品が搭載される配線基板に関しても、多層化、高密度化、高速化の技術開発が進められている。
従来、半導体装置を含めた多層の電子部品の製造において、電気回路を構成する絶縁材の密着力を改善する手段として、液浸による全面一括粗化処理が行われてきた。液浸による粗化処理は酸化剤を用いる方法が一般的であるが、粗化条件の検討および制御が難しく、簡便且つ精密に絶縁材を粗化させる方法が求められている。
特許文献1には、絶縁樹脂粗化面形成方法において、多層プリント配線板の上下の絶縁樹脂層を、微細形状を有する金型を用いて上下から挟み、粗化面を一括形成する方法が開示されている。インプリント技術を応用することによってより簡便に微細な形状を形成することができ、回路パターンによって粗化形状を変化させることで、絶縁樹脂層と金属配線の密着性を向上させる方法が記載されている。
一方で、近年の信号の高速化により、信号を確実に伝搬するための伝送線路損失の低減がより重要になっている。伝送線路損失の一因は、導体抵抗による損失(以下、導体損失という)である。導体損失は、特に高周波信号の伝送において、電流が伝送線路の表面に集中し、電流が流れる有効断面積が小さくなることにより、抵抗が大きくなって信号が減衰(損失が増加)する。このため、伝送配線表面における粗化処理は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす原因ともなりうる。
特開2012−199380号公報
しかしながら、従来の液浸により粗化方法においては、回路パターンによって粗化形状を変化させることは難しい。また、特許文献1においては、伝送線路部に選択的に粗化面を形成する方法が記載されており、伝送線路の導体損失に十分な考慮がなされていない。
本開示の実施形態は、簡便なプロセスで信頼性を向上した配線基板および半導体装置を提供することを目的の一つとする。
本開示の一実施形態によると、2層以上の絶縁層を有する配線基板であって、第1面に第1の配線を備える第1の絶縁層と、第1面上に配置される第2の絶縁層と、を備え、第1の絶縁層が第1の配線と接する第1の領域より、第1の絶縁層が第2の絶縁層と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する配線基板が提供される。
第2の領域の表面粗さは、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の凹凸構造によってもよい。
JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の領域の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISは1.5以上2.5以下であってもよい。
JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.1以下であり、十点平均粗さRzJISは0.1以下であってもよい。
配線基板は、第1の絶縁層を貫通して第1の配線と電気的に接続する第1の層間接続部をさらに備え、第1の領域は、第1の絶縁層が第1の層間接続部と接する第3の領域より小さい表面粗さを有してもよい。
配線基板は、第1の絶縁層の第1面とは反対側の第2面に配置され、第1の層間接続部と電気的に接続する第1の電極をさらに備え、第3の領域は、第1の絶縁層が第1の電極と接する第4の領域より小さい表面粗さを有してもよい。
第1の領域において、底面は側面より小さい表面粗さを有してもよい。
第1の配線は、第1の絶縁層の第1面に配置され、第1の方向に延長する第2の配線と、第1の絶縁層は第1面に配置され、第1の方向と直交する第2の方向に延長する第3の配線と、を含み、第2の配線は第3の配線より総延長が長く、第1の絶縁層が第2の配線と接する第5の領域は、第1の絶縁層が第3の配線と接する第6の領域より小さい表面粗さを有してもよい。
第1の配線は伝送配線であって、配線基板の第1面に配置され、電源またはグランドと電気的に接続する第4の配線を備え、第1の領域は、第1の絶縁層が第4の配線と接する第7の領域より小さい表面粗さを有してもよい。
第2の絶縁層を貫通して第1の配線と電気的に接続する第2の層間接続部、第2の絶縁層の第1の絶縁層とは反対側の第3面に配置され、第2の層間接続部と電気的に接続する第5の配線、および第5の配線と電気的に接続する第2の電極、をさらに備える配線基板と、第3面上に間隙を介して配置され、第2の電極と電気的に接続する第3の電極を有する半導体部品と、第2の絶縁層の第3面と接し、半導体部品を包埋する第1の樹脂層と、を備える半導体装置であってもよい。
間隙に配置される第2の樹脂層をさらに備えてもよい。
第2の絶縁層が第5の配線と接する第8の領域より、第2の絶縁層が第1の樹脂層と接する第9の領域は大きい表面粗さを有し、第8の領域より、第2の絶縁層が第2の樹脂層と接する第10の領域は大きい表面粗さを有してもよい。
JIS B0601−2001に基づいて測定した第8の領域の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.1以下であり、十点平均粗さRzJISは0.1以下であってもよい。
第1の絶縁層、第2の絶縁層、および第1の樹脂層は、同じ材料を含んでもよい。
第1の絶縁層、第2の絶縁層、および第1の樹脂層は、エポキシ樹脂を含んでもよい。
第1の樹脂層は、第1のフィラーを含んでもよい。
第1のフィラーの最大粒径は10μm以上100μm以下であってもよい。
第1の絶縁層、第2の絶縁層、および第2の樹脂層は、同じ材料を含んでもよい。
第1の絶縁層、第2の絶縁層、および第2の樹脂層は、エポキシ樹脂を含んでもよい。
第2の樹脂層は、第2のフィラーを含んでもよい。
第2のフィラーの最大粒径は1μm以上10μm以下であってもよい。
配線基板は、第1の絶縁層を貫通して第1の配線と電気的に接続する第1の層間接続部と、第1の絶縁層の第1面とは反対側の第2面に配置され、第1の層間接続部と電気的に接続する第1の電極と、をさらに備え、第1の電極と電気的に接続する半田ボールをさらに備えてもよい。
本開示の一実施形態によると、第1の絶縁層の第1面に配置され、第1の凹凸構造を有するトレンチと、第1面に配置され、第1の凹凸構造よりも大きい第2の凹凸構造と、トレンチと接続する貫通孔と、を形成し、トレンチに配置する第1の配線と、貫通孔に配置する層間接続部と、を形成し、第1面に、第2の絶縁層を積層する配線基板の製造方法が提供される。
トレンチと、第2の凹凸構造と、貫通孔と、を形成する方法は、インプリント法によって一括形成してもよい。
トレンチと、第2の凹凸構造と、貫通孔とを形成する方法は、第1の絶縁層の残渣を除去することを含んでもよい。
第1の配線と、層間接続部と、を形成する方法は、第1面に、トレンチと第2の凹凸構造と貫通孔とを覆うように第1の導電体を形成し、第1の導電体と接し、トレンチと第2の凹凸構造と貫通孔とを埋めるように第2の導電体を形成し、第2の凹凸構造が露出するように、第1の導電体と第2の導電体とを除去することを含んでもよい。
第1の配線と、層間接続部と、を形成する方法は、第1の導電体をスパッタリング法によって形成し、第2の導電体を電解メッキ法によって形成し、第2の凹凸構造が露出するように、第1の導電体と第2の導電体とは化学機械研磨によって除去してもよい。
第2の凹凸構造は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下となるように形成してもよい。
JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の凹凸構造の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.5以上1.5以下で、十点平均粗さRzJISは1.5以上2.5以下となるように形成してもよい。
JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の凹凸構造の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.1以下で、十点平均粗さRzJISは0.1以下であってもよい。
第1の配線を形成することは、第1の絶縁層の第1面に配置され、第1の方向に延長する第2の配線と、第1の方向と直交する第2の方向に延長する第3の配線と、を形成し、第2の配線の総延長が、第3の配線の総延長より長いとき、第1の絶縁層が第2の配線と接する第5の領域は、第1の絶縁層が第3の配線と接する第6の領域より小さい表面粗さとなるように形成してもよい。
配線基板を準備し、配線基板に、第2の絶縁層を貫通して第1の配線と電気的に接続する第2の層間接続部、第2の絶縁層の第1の絶縁層とは反対側の第3面に配置され、第2の層間接続部と電気的に接続する第5の配線、および第5の配線と電気的に接続する第2の電極、を形成し、第2の電極と電気的に接続する第3の電極を有する半導体部品を、第3面上に間隙を介して配置し、第2の絶縁層の第3面と接し、半導体部品を包埋する第1の樹脂層を形成すること、を含んでもよい。
間隙に配置される第2の樹脂層をさらに形成してもよい。
本開示の実施形態によると、簡便なプロセスで信頼性を向上した配線基板および半導体装置を提供することができる。
本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)拡大図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す断面図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)拡大図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す断面図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)(C)断面図、および(D)(E)拡大図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す断面図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)(C)断面図、および(D)(E)拡大図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す断面図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)(D)拡大図である。 本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す断面図である。 本開示の一実施形態に係る半導体装置の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)拡大図である。 本開示の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。 本開示の参考例に係る配線基板の絶縁層の(A)上面における走査型電子顕微鏡(SEM)写真、(B)上面における凹凸構造を示す等高線グラフ、および(C)断面における凹凸構造を示すグラフである。 本開示の参考例に係る配線基板の絶縁層の(A)上面におけるSEM写真、(B)上面における凹凸構造を示す等高線グラフ、および(C)断面における凹凸構造を示すグラフである。 本開示の参考例に係る配線基板の絶縁層の(A)上面におけるSEM、(B)上面における凹凸構造を示す等高線グラフ、および(C)断面における凹凸構造を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態に係る配線基板、半導体装置、およびそれらの製造方法について説明する。但し、本開示の実施形態に係る配線基板、半導体装置、およびそれらの製造方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明するが、上下方向が逆転してもよい。
<第1実施形態>
図1または図2を用いて、本開示の第1実施形態に係る配線基板10の構成および配線基板10の製造方法について説明する。
[配線基板の構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)拡大図である。図1(B)は図1(A)のA−A’線における断面図であり、図1(C)は図1(B)のB領域における拡大図である。図1(A)および(B)に示すように、配線基板10は、第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。
第1の絶縁層100の導電体は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第1の電極380と、を含む。第1の絶縁層100は、第1面に第1の配線340を備える。第1の配線340は、一端において、第1の絶縁層100を貫通する第1の層間接続部360と電気的に接続する。本実施形態において、第1の配線340は、第1面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第1の配線340は、第1面に1本以上配置されればよい。また、本実施形態において、第1の配線340は第1の絶縁層100の第1面にのみ配置したが、第1の配線340は第1面とは反対側の第2面にも配置されてもよい。第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100の第1面とは反対側の第2面において、第1の電極380と電気的に接続する。
第1の絶縁層100の第1面上には第2の絶縁層400が配置される。第2の絶縁層400の導電体は、第2の配線640と、第2の層間接続部660と、第2の電極680と、を含む。第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100とは反対側の第3面に、第2の配線640を備える。第2の配線640は、第2の絶縁層400を貫通する第2の層間接続部660と電気的に接続する。第2の層間接続部660はさらに、第1の配線340の一端とは反対側の他端と電気的に接続する。本実施形態において、第2の配線640は、第3面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第2の配線640は、第3面に1本以上配置されればよい。第2の配線640は、第2の絶縁層400の第3面において、第2の電極680と電気的に接続する。
図1(A)に示すように、第1の配線340および第2の配線640の平面形状は、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の第1側102から、第1側102とは反対側の第2側104に向かってそれぞれのラインが同じ方向に延びる形状を例示したが、この形状に限定されない。第1の配線340および第2の配線640の平面形状は例えば、それぞれのラインが異なる方向に延びてもよい。また複数の第1の配線340または第2の配線640が配置される場合、一部のラインが交差する又は一部のラインが連結してもよい。また、図1(A)では、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400が方形であるが、この形に限定されない。
図1(C)は、図1(B)のB領域における拡大図である。図1(C)に示すように、第1の絶縁層100は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第2の絶縁層400と接する。
第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域には、第1の凹凸構造140が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の領域は、略平坦であることがより好ましい。
一方で、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域における第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域および第1の絶縁層100が第1の層間接続部360と接する第3の領域より、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域と、第1の絶縁層100が第1の層間接続部360と接する第3の領域とは小さい表面粗さを有する。第1の絶縁層100の第1の領域と第3の領域とが小さい表面粗さを有することで、第1の配線340と第1の層間接続部360とは、第1の絶縁層100と接する領域が小さい表面粗さを有する。導電体表面における粗面は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす原因ともなりうる。このため第1の配線340と第1の層間接続部360の、第1の絶縁層100と接する領域が小さい表面粗さを有することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は第2の凹凸構造160を有する。第1の絶縁層100が第2の領域に第2の凹凸構造160を有することによって、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域にも凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と第2の絶縁層400の凹凸構造とが互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、配線基板10は、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。第1の絶縁層が第1の配線と接する第1の領域および第1の絶縁層が第1の層間接続部と接する第3の領域より、第1の絶縁層が第2の絶縁層と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する。しかしながらこれに限定されず、例えば、配線基板がm層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備えてもよい。この場合、第nの絶縁層が第nの配線と接する領域および第nの絶縁層が第nの層間接続部と接する領域より、第nの絶縁層が第n+1の絶縁層と接する領域は大きい表面粗さを有してもよい。(mは3以上の任意の自然数、nは1以上m−1以下の任意の自然数とする。)
配線基板が3層以上の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える場合、第nの絶縁層は複数含んでもよく、任意の層の組み合わせであってもよい。複数の絶縁層が、絶縁層が配線と接する領域および絶縁層が層間接続部と接する領域より、絶縁層同士が接する領域は大きい表面粗さを有することで、それぞれの密着性をさらに向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態においては、最上層となる第2の絶縁層も、第2の絶縁層が第2の配線と接する領域および第2の絶縁層が第2の層間接続部と接する領域より、第2の絶縁層が最上面に露出する領域は大きい表面粗さを有する。最上層の絶縁層が、絶縁層が配線と接する領域および絶縁層が層間接続部と接する領域より、最上面に露出する領域は大きい表面粗さを有することで、後述する樹脂層の密着性を向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した半導体装置を提供することができる。
図1(C)において、第2の領域の第2の凹凸構造160は、一例として四角錐形が均一に配置されている。しかしながらこれに限定されず、第2の領域の第2の凹凸構造160が、上記条件の範囲内であれば任意の形状でよい。第2の領域の第2の凹凸構造160は、例えば、多角錐形、多角錐台形、多角柱形、円錐形、円錐台形、円柱形、ライン状などであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。また第2の領域の第2の凹凸構造160は上記条件の範囲内であれば、不均一な凹凸構造であってもよい。
第1の配線340および第2の配線640の幅および高さは、用途に応じて適宜選択できる。第1の配線340および第2の配線640の幅および高さは、同一であってもよいし、異なってもよい。第1の配線340および第2の配線640の高さは、第2の凹凸構造160より大きければよい。
第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の材料は、電気絶縁性を有する材料であればよい。第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂材料、シリコーン系樹脂材料、アクリル系樹脂材料、フェノール系樹脂材料、ポリイミド系樹脂材料、ポリスルホン系樹脂材料、ポリエステル系樹脂材料、ポリカーボネイト系樹脂材料等を用いることができる。第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の材料としては、エポキシ系樹脂材料であることが好ましい。なお、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400は、それぞれ単一の層によって構成された例を図示したが、これに限定されず、複数の基材又は層が積層された構造であってもよい。第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の材料は、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の厚さは、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択できる。第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の厚さが薄すぎると、基材のたわみが大きくなるため、製造過程におけるハンドリングが困難になる。一方、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の厚さが厚すぎると、基材の重量が増加し、ハンドリングを行う装置への負担が大きくなる。また、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400の厚さが厚いほど、各層間を電気的に接続する層間接続部を形成するための貫通孔がより深くなる。
図1(B)及び(C)に示すように、第1の配線340、第1の層間接続部360、第2の配線640、および第2の層間接続部660はそれぞれ、第1の導電体200と、第2の導電体220とを有する(以降、第1の導電体200と第2の導電体220とを区別しないときは、導電体あるいは第1の配線340、第1の層間接続部360、第2の配線640、または第2の層間接続部660という)。第1の導電体200は、第1のトレンチ120の内側の表面に配置される。第2の導電体220は、第1のトレンチ120の内側に配置され、第1の導電体200と接している。
第1の導電体200の材料と、第2の導電体220の材料は、導電性を有する材料であればよい。例えば、本実施形態において第1の導電体200はスパッタリング法により形成される銅であり、第2の導電体220は電解メッキ法により形成される銅であるがこれに限定されない。導電体の材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、又はイリジウム等を用いることができる。また第1の導電体200の材料と、第2の導電体220の材料は、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。第1の配線340、第1の層間接続部360、第2の配線640、および第2の層間接続部660の材料は、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。さらに第1の配線340、第1の層間接続部360、第2の配線640、および第2の層間接続部660の材料は、単一の材料であってもよいし、2つ以上の異なる材料の組み合わせであってもよい。
第1の電極380の材料および第2の電極680の材料は、導電性を有する材料であればよい。導電体の材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等を用いることができる。また第1の電極380の材料と、第2の電極680の材料は、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。本実施形態において第1の電極380および第2の電極680は、導電体を積層し、フォトリソグラフィ法により形成されるがこれに限定されない。
[配線基板10の製造方法]
図2を用いて、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法を説明する。図2において、図1に示す要素と同じ要素には同一の符号を付した。
図2(A)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、インプリント法により、第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を形成する工程を示す図である。まず第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を形成する型110を形成する。型110は、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180に対応する突起部を有する。第1のトレンチ120および第1の貫通孔180に対応する型110の突起部の表面は略平坦に形成する。
次に、型110を用いて、第1の絶縁層100の第1面に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を印刻する。図2では示さなかったが、第1の絶縁層100は基板(図示せず)上に塗布して形成してもよい。この場合、第1の絶縁層100の基板とは反対側の面を第1面とする。第1の絶縁層100を軟化させ、その第1面に型110を圧入する。その状態で第1の絶縁層100を硬化させ、型110を第1の絶縁層100から剥離することで、図2(A)に示す断面構造の第1の絶縁層100を得ることができる。第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180には、絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な層間接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180はインプリント法によって一体に形成する。これによって製造工程を簡略化することができる。また、インプリント法は一般的なフォトリソグラフィ法と比べて薬液の使用量が少なく、環境に配慮されている。
第1の絶縁層100に形成される第1のトレンチ120の内側の表面(第1の領域)には、インプリント法によって第1の凹凸構造140が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の領域は、略平坦であることがより好ましい。
一方で、第1の絶縁層100に形成する第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが0.01μm以下である場合、インプリント法において第2の凹凸構造160を形成する型110の形成が困難となる。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが3μm以上の場合、絶縁層の厚みによっては深すぎて、下層まで貫通してしまい不必要な粗さとなってしまう。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の凹凸構造160における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第2の領域における表面粗さは、第1の領域および第3の領域における表面粗さよりも大きく形成する。
第1の配線340が配置される第1のトレンチ120のアスペクト比は、用途に応じて適宜選択できる。ここで、第1のトレンチ120のアスペクト比は、開口部幅に対する深さとして定義される。第1の配線340が配置される第1のトレンチ120のアスペクト比が小さすぎると、配線基板10における第1の配線340の微細パターンを形成することが困難になる。第1の配線340が配置される第1のトレンチ120のアスペクト比が大きすぎると、導電体を第1のトレンチ120に充填することが困難になる。
図2(B)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第1の導電体200を形成する工程を示す図である。図2(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を、第1の導電体200で覆うように成膜する。本実施形態においては、スパッタリング法を用いて銅を成膜した。しかしながらこれに限定されず、第1の導電体200は次の工程における電解メッキ法による金属充填のためのシード層となればよい。またシード層および/またはバリア層であってもよい。第1の導電体200は、図2(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を反映している。別言すると、第1の導電体200は、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180に沿って形成される。すなわち、第1の導電体200は、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造を有する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造は第1の導電体200で少なくとも一部埋まってしまってもよい。
図2(C)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の導電体200上に第2の導電体220を形成する工程を示す図である。図2(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を、第2の導電体220で充填する。本実施形態において、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180は、電解メッキ法を用いて銅で充填する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を金属充填する方法としては、印刷法などを用いることもできる。
図2(D)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上を研磨する工程を示す図である。図2(D)に示すように、第1の絶縁層100上の略全面を研磨する。本実施形態において、第1の絶縁層100の表面は化学機械研磨法(chemical mechanical polishing)を用いて研磨した。第1の絶縁層100上の第1の導電体200及び第2の導電体220を選択的に研磨することで、第1のトレンチ120および第1の貫通孔180内部以外の不要な第1の導電体200及び第2の導電体220を除去することができる。これによって、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160は露出する。第1のトレンチ120内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の配線340として形成される。第1の貫通孔180内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の層間接続部360として形成される。本実施形態において、第1の配線340と第1の層間接続部360は一体に形成したが、これに限定されない。それぞれ別体に形成してもよい。
図2(E)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第2の絶縁層400を積層する工程を示す図である。本実施形態において、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100上に塗布することで形成する。ここで第2の絶縁層400は、図2(A)で形成された第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160が埋まるように形成される。すなわち第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160を反映している。別言すると、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造を有する。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と、第2の絶縁層400の凹凸構造は、互いに噛み合うように接着する。第2の絶縁層400を第1の絶縁層100上に積層することによって、第1の配線340と第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400に埋設される。
図2(F)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、図2(A)〜(D)の工程により、第2の絶縁層400に第2の配線640と第2の層間接続部660を形成する工程を示す図である。第1の絶縁層100と同様に、インプリント法により、第2の絶縁層400に凹凸構造、第2のトレンチ、および第2の貫通孔を形成し、第1の導電体および第2の導電体で充填後、研磨することで、第2の絶縁層400に、凹凸構造、第2の配線640、および第2の層間接続部660を形成する。本実施形態においては、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える配線基板の製造方法を示した。しかしながらこれに限定されず、それぞれの層における任意のパターンを有するトレンチ、貫通孔、および凹凸構造に対応する突起部を有する型を用意することで、2層以上の絶縁層を有する配線基板を適宜形成することができる。
図2(G)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の電極380と第2の電極680とを形成する工程を示す図である。本実施形態において、第2の電極680はフォトリソグラフィを用いて形成する。しかしながらこれに限定されず、例えば、第2の電極680は第2の配線640と第2の層間接続部660と一体に形成されてもよい。本実施形態において、第1の電極380はフォトリソグラフィを用いて形成するがこれに限定されない。図2では示さなかったが、第1の絶縁層100は第1面とは反対側の第2面に基板(図示せず)を有してもよい。この場合、まず基板を剥離する工程を含んでもよい。第1の絶縁層100の第2面において、第1の貫通孔180には絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な電極の接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。なお、第1の電極380は、後述する半導体部品を配置したあとで形成してもよい。
以上のように、本実施形態に係る配線基板10の製造方法によると、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域に第2の凹凸構造160を形成することができる。このような選択的な粗化面形成方法において、第1の絶縁層100に第2の凹凸構造160を形成することで、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100と第2の絶縁層400との凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上し、剥離を防止することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態に係る配線基板10の製造方法によると、第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域は小さい表面粗さに形成することができる。第1の絶縁層100が第1の層間接続部360と接する第3の領域は小さい表面粗さに形成することができる。第1の領域と第3の領域と小さい表面粗さに形成することで、第1の配線340と第1の層間接続部360とは、第1の絶縁層100と接する領域が小さい表面粗さに形成される。導電体表面における粗化処理は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす原因ともなりうる。第1の配線340と第1の層間接続部360との、第1の絶縁層100と接する領域を小さい表面粗さに形成することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る配線基板は、第1の絶縁層が第1の配線と接する第1の領域は、第1の絶縁層が第1の層間接続部と接する第3の領域より小さい表面粗さを有し、第3の領域は第1の絶縁層が第1の電極と接する第4の領域より小さい表面粗さを有し、第4の領域は第1の絶縁層が第2の絶縁層と接する第2の領域より小さい表面粗さを有する。
図3または図4を用いて、本開示の第2実施形態に係る配線基板20の構成および配線基板20の製造方法について説明する。ここで、第1実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
[配線基板の構成]
図3は、本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)拡大図である。図3(B)は図3(A)のA−A’線における断面図であり、図3(C)は図3(B)のB領域における拡大図である。図3(A)および(B)に示すように、配線基板20は、第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。
第1の絶縁層100の導電体は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第1の電極380と、を含む。第1の絶縁層100は、第1面に第1の配線340を備える。第1の配線340は、一端において、第1の絶縁層100を貫通する第1の層間接続部360と電気的に接続する。本実施形態において、第1の配線340は、第1面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第1の配線340は、第1面に1本以上配置されればよい。また、本実施形態において、第1の配線340は第1の絶縁層100の第1面にのみ配置したが、第1の配線340は第1面とは反対側の第2面にも配置されてもよい。第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100の第1面とは反対側の第2面において、第1の電極380と電気的に接続する。
第1の絶縁層100の第1面上には第2の絶縁層400が配置される。第2の絶縁層400の導電体は、第2の配線640と、第2の層間接続部660と、第2の電極680と、を含む。第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100とは反対側の第3面に、第2の配線640を備える。第2の配線640は、第2の絶縁層400を貫通する第2の層間接続部660と電気的に接続する。第2の層間接続部660はさらに、第1の配線340の一端とは反対側の他端と電気的に接続する。本実施形態において、第2の配線640は、第3面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第2の配線640は、第3面に1本以上配置されればよい。第2の配線640は、第2の絶縁層400の第3面において、第2の電極680と電気的に接続する。
図3(C)は、図3(B)のB領域における拡大図である。図3(C)に示すように、第1の絶縁層100は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第2の絶縁層400と、第1の電極380と接する。
第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域には、第1の凹凸構造140が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の領域は、略平坦であることがより好ましい。さらに第1の領域における表面粗さは、第1の絶縁層100が第1の層間接続部360と接する第3の領域における表面粗さより小さい。第3の領域における表面粗さは、第1の絶縁層100が、第1の電極380と接する第4の領域における表面粗さより小さい。
一方で、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域における第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域、第1の絶縁層100が第1の層間接続部360と接する第3の領域、および第1の絶縁層100が第1の電極380と接する第4の領域より、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する。
本実施形態において、第1の領域は第3の領域より小さい表面粗さを有し、第3の領域は第4の領域より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340は第1の層間接続部360より小さい表面粗さを有し、第1の層間接続部360は第1の電極380より小さい表面粗さを有する。配線表面における粗面は、層間接続部における粗面より総延長が長く、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。層間接続部における粗面は、電極における粗面より総延長が長く、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい導電体ほど小さい表面粗さを有することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第3の領域は第1の領域より大きい表面粗さを有し、第4の領域は第3の領域より大きい表面粗さを有することによって、第1の層間接続部360は第1の配線340より大きい表面粗さが形成され、第1の電極380は第1の層間接続部360より大きい表面粗さが形成される。第1の層間接続部360の凹凸構造は、第3の領域の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の電極380の凹凸構造は、第4の領域の凹凸構造に嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほど大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は第2の凹凸構造160を有する。第1の絶縁層100が第2の領域に第2の凹凸構造160を有することによって、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域にも凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と第2の絶縁層400の凹凸構造とが互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、配線基板20は、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。第1の絶縁層100において第3の領域は第1の領域より大きい表面粗さを有し、第4の領域は第3の領域より大きい表面粗さを有し、第2の領域は第4の領域より大きい表面粗さを有する。しかしながらこれに限定されず、例えば、配線基板がm層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備えてもよい。この場合も、第1の絶縁層100において第3の領域は第1の領域より大きい表面粗さを有し、第4の領域は第3の領域より大きい表面粗さを有し、第2の領域は第4の領域より大きい表面粗さを有する。さらに、第nの絶縁層において、第nの絶縁層が第n+1の絶縁層と接する領域は、第nの絶縁層が第nの層間接続部と接する領域より大きい表面粗さを有し、第nの絶縁層が第nの層間接続部と接する領域は、第nの絶縁層が第nの配線と接する領域より大きい表面粗さを有してもよい。(mは3以上の任意の自然数、nは2以上m−1以下の任意の自然数とする。)
配線基板が3層以上の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える場合、第nの絶縁層は複数含んでもよく、任意の層の組み合わせであってもよい。複数の絶縁層が、絶縁層同士が接する領域は、絶縁層が層間接続部と接する領域より大きい表面粗さを有し、絶縁層が層間接続部と接する領域は、絶縁層が配線と接する領域より大きい表面粗さを有することで、それぞれの密着性をさらに向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態においては、最上層となる第2の絶縁層も、第2の絶縁層が第2の層間接続部と接する領域は、第2の絶縁層が第2の配線と接する領域より大きい表面粗さを有し、第2の絶縁層が最上面に露出する領域は、第2の絶縁層が第2の層間接続部と接する領域より大きい表面粗さを有する。最上層の絶縁層が、絶縁層が配線と接する領域および絶縁層が層間接続部と接する領域より、最上面に露出する領域は大きい表面粗さを有することで、後述する樹脂層の密着性を向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した半導体装置を提供することができる。
[配線基板20の製造方法]
図4を用いて、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法を説明する。図4において、図3に示す要素と同じ要素には同一の符号を付した。
図4(A)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、インプリント法により、第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を形成する工程を示す図である。まず第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を形成する型110を形成する。型110は、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180に対応する突起部を有する。第1のトレンチ120および第1の貫通孔180に対応する型110の突起部の表面は略平坦に形成する。
次に、型110を用いて、第1の絶縁層100の第1面に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を印刻する。図4では示さなかったが、第1の絶縁層100は基板(図示せず)上に塗布して形成してもよい。この場合、第1の絶縁層100の基板とは反対側の面を第1面とする。第1の絶縁層100を軟化させ、その第1面に型110を圧入する。その状態で第1の絶縁層100を硬化させ、型110を第1の絶縁層100から剥離することで、図4(A)に示す断面構造の第1の絶縁層100を得ることができる。第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180には、絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な層間接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180はインプリント法によって一体に形成する。これによって製造工程を簡略化することができる。また、インプリント法は一般的なフォトリソグラフィ法と比べて薬液の使用量が少なく、環境に配慮されている。
第1の絶縁層100に形成される第1のトレンチ120の内側の表面(第1の領域)には、インプリント法によって第1の凹凸構造140が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の領域は、略平坦であることがより好ましい。
本実施形態において、第1の領域における表面粗さは、第3の領域における表面粗さよりも小さく形成される。第1の絶縁層100に形成される第1の貫通孔180の内側の表面(第3の領域)には、インプリント法によって第3の凹凸構造が形成される。第1の貫通孔180は第1のトレンチ120より積層方向(層と垂直方向)に深さが大きい。このため、型110を第1の絶縁層100から剥離するときの摩擦によって、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に凹凸構造が形成される。層方向(層と水平方向、底面)の表面に形成される凹凸構造は、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造よりも小さい。このため層方向に多くの表面を有する第1の領域は、積層方向に多くの表面を有する第3の領域より小さい表面粗さを有する。
一方で、第1の絶縁層100に形成する第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが0.01μm以下である場合、インプリント法において第2の凹凸構造160を形成する型110の形成が困難となる。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが3μm以上の場合、絶縁層の厚みによっては深すぎて、下層まで貫通してしまい不必要な粗さとなってしまう。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の凹凸構造160における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第2の領域における表面粗さは、第1の領域、第3の領域、および後述する第4の領域における表面粗さよりも大きく形成する。
図4(B)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第1の導電体200を形成する工程を示す図である。図4(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、第3の凹凸構造、および第1の貫通孔180を、第1の導電体200で覆うように成膜する。本実施形態においては、スパッタリング法を用いて銅を成膜した。しかしながらこれに限定されず、第1の導電体200は次の工程における電解メッキ法による金属充填のためのシード層となればよい。またシード層および/またはバリア層であってもよい。第1の導電体200は、図4(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、第3の凹凸構造、および第1の貫通孔180を反映している。別言すると、第1の導電体200は、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、第3の凹凸構造、および第1の貫通孔180に沿って形成される。すなわち、第1の導電体200は、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造を有する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造は第1の導電体200で少なくとも一部埋まってしまってもよい。
図4(C)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の導電体200上に第2の導電体220を形成する工程を示す図である。図4(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、第3の凹凸構造、および第1の貫通孔180を、第2の導電体220で充填する。本実施形態において、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、第3の凹凸構造、および第1の貫通孔180は、電解メッキ法を用いて銅で充填する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、第3の凹凸構造、および第1の貫通孔180を金属充填する方法としては、印刷法などを用いることもできる。
図4(D)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上を研磨する工程を示す図である。図4(D)に示すように、第1の絶縁層100上の略全面を研磨する。本実施形態において、第1の絶縁層100の表面は化学機械研磨法(chemical mechanical polishing)を用いて研磨した。第1の絶縁層100上の第1の導電体200及び第2の導電体220を選択的に研磨することで、第1のトレンチ120および第1の貫通孔180内部以外の不要な第1の導電体200及び第2の導電体220を除去することができる。これによって、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160は露出する。第1のトレンチ120内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の配線340として形成される。第1の貫通孔180内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の層間接続部360として形成される。本実施形態において、第1の配線340と第1の層間接続部360は一体に形成したが、これに限定されない。それぞれ別体に形成してもよい。
図4(E)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第2の絶縁層400を積層する工程を示す図である。本実施形態において、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100上に塗布することで形成する。ここで第2の絶縁層400は、図4(A)で形成された第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160が埋まるように形成される。すなわち第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160を反映している。別言すると、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造を有する。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と、第2の絶縁層400の凹凸構造は、互いに噛み合うように接着する。第2の絶縁層400を第1の絶縁層100上に積層することによって、第1の配線340と第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400に埋設される。
図4(F)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、図4(A)〜(D)の工程により、第2の絶縁層400に第2の配線640と第2の層間接続部660を形成する工程を示す図である。第1の絶縁層100と同様に、インプリント法により、第2の絶縁層400に凹凸構造、第2のトレンチ、および第2の貫通孔を形成し、第1の導電体および第2の導電体で充填後、研磨することで、第2の絶縁層400に、凹凸構造、第2の配線640、および第2の層間接続部660を形成する。本実施形態においては、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える配線基板の製造方法を示した。しかしながらこれに限定されず、それぞれの層における任意のパターンを有するトレンチ、貫通孔、および凹凸構造に対応する突起部を有する型を用意することで、2層以上の絶縁層を有する配線基板を適宜形成することができる。
図4(G)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の電極380と第2の電極680とを形成する工程を示す図である。本実施形態において、第2の電極680はフォトリソグラフィを用いて形成する。しかしながらこれに限定されず、例えば、第2の電極680は第2の配線640と第2の層間接続部660と一体に形成されてもよい。本実施形態において、第1の電極380はフォトリソグラフィを用いて形成するがこれに限定されない。図4では示さなかったが、第1の絶縁層100は第1面とは反対側の第2面に基板(図示せず)を有してもよい。この場合、まず基板を剥離する工程を含んでもよい。第1の絶縁層100の第2面において、第1の貫通孔180には絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な電極の接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。なお、第1の電極380は、後述する半導体部品を配置したあとで形成してもよい。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第1の電極380と接する第4の領域における表面粗さは、第3の領域における表面粗さよりも大きく形成される。第1の絶縁層100の第1の電極380と接する表面(第4の領域)には、第4の凹凸構造を形成してもよい。第4の領域が第4の凹凸構造を有することで、第1の電極380の第1の絶縁層100と接する面にも凹凸構造が形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、密着性を向上することができる。第1の電極380は外力にさらされるため、導電体の他の部位に比べ絶縁材との密着力がより強く要求される。第1の絶縁層100と第1の電極380との密着性を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
以上のように、本実施形態に係る配線基板20の製造方法によると、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域に第2の凹凸構造160を形成することができる。このような選択的な粗化面形成方法において、第1の絶縁層100に第2の凹凸構造160を形成することで、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100と第2の絶縁層400との凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上し、剥離を防止することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態に係る配線基板20の製造方法によると、第1の領域は第3の領域より小さい表面粗さを有し、第3の領域は第4の領域より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340は第1の層間接続部360より小さい表面粗さを有し、第1の層間接続部360は第1の電極380より小さい表面粗さを有するように形成することができる。配線表面における粗面は、層間接続部における粗面より、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。層間接続部における粗面は、電極における粗面より、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい導電体ほど小さい表面粗さを有するように形成することで、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第3の領域は第1の領域より大きい表面粗さを有し、第4の領域は第3の領域より大きい表面粗さを有することによって、第1の層間接続部360は第1の配線340より大きい表面粗さが形成され、第1の電極380は第1の層間接続部360より大きい表面粗さが形成される。第1の層間接続部360の凹凸構造は、第3の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の電極380の凹凸構造は、第4の凹凸構造に嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほど大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る配線基板は、第1の絶縁層が第1の配線と接する第1の領域および第1の絶縁層が第1の層間接続部と接する第3の領域において、底面は側面より小さい表面粗さを有し、第1の領域および第3の領域より第2の領域は大きい表面粗さを有する。
図5または図6を用いて、本開示の第3実施形態に係る配線基板30の構成および配線基板30の製造方法について説明する。ここで、第1実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
[配線基板の構成]
図5は、本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)(C)断面図、および(D)(E)拡大図である。図5(B)は図5(A)のA−A’線における断面図であり、図5(C)は図5(A)のB−B’線における断面図である。図5(D)は図5(B)のC領域における拡大図であり、図5(E)は図5(C)のD領域における拡大図である。図5(A)、(B)、および(C)に示すように、配線基板30は、第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。
第1の絶縁層100の導電体は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第1の電極380と、を含む。第1の絶縁層100は、第1面に第1の配線340を備える。第1の配線340は、一端において、第1の絶縁層100を貫通する第1の層間接続部360と電気的に接続する。本実施形態において、第1の配線340は、第1面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第1の配線340は、第1面に1本以上配置されればよい。また、本実施形態において、第1の配線340は第1の絶縁層100の第1面にのみ配置したが、第1の配線340は第1面とは反対側の第2面にも配置されてもよい。第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100の第1面とは反対側の第2面において、第1の電極380と電気的に接続する。
第1の絶縁層100の第1面上には第2の絶縁層400が配置される。第2の絶縁層400の導電体は、第2の配線640と、第2の層間接続部660と、第2の電極680と、を含む。第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100とは反対側の第3面に、第2の配線640を備える。第2の配線640は、第2の絶縁層400を貫通する第2の層間接続部660と電気的に接続する。第2の層間接続部660はさらに、第1の配線340の一端とは反対側の他端と電気的に接続する。本実施形態において、第2の配線640は、第3面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第2の配線640は、第3面に1本以上配置されればよい。第2の配線640は、第2の絶縁層400の第3面において、第2の電極680と電気的に接続する。
図5(D)は、図5(B)のC領域における拡大図である。図5(E)は、図5(C)のD領域における拡大図である。図5(D)および(E)に示すように、第1の絶縁層100は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第2の絶縁層400と接する。
第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域の層方向(層と水平方向、底面)の表面には、第1の凹凸構造140が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の領域の層方向(層と水平方向、底面)の表面は、略平坦であることがより好ましい。さらに第1の領域の層方向(層と水平方向、底面)の表面における表面粗さは、第1の領域の積層方向(層と垂直方向、側面)の表面における表面粗さより小さい。第1の領域の層方向(層と水平方向、底面)の表面における表面粗さは、第1の絶縁層100が第1の層間接続部360と接する第3の領域の積層方向(層と垂直方向、側面)の表面における表面粗さより小さい。
一方で、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域における第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域および第1の絶縁層100が第1の層間接続部360と接する第3の領域より、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する。
本実施形態において、第1の領域の底面は第1の領域の側面より小さい表面粗さを有し、第1の領域の底面は第3の領域の側面より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340の底面は第1の配線340の側面より小さい表面粗さを有し、第1の配線340の底面は第1の層間接続部360の側面より小さい表面粗さを有する。配線表面における粗面は、層間接続部における粗面より総延長が長く、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい導電体ほど、より小さい表面粗さを有することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第1の領域の側面は第1の領域の底面より大きい表面粗さを有し、第3の領域の側面は第1の領域の底面より大きい表面粗さを有することによって、第1の配線340の側面は第1の配線340の底面より大きい表面粗さが形成され、第1の層間接続部360の側面は第1の配線340の底面より大きい表面粗さが形成される。第1の配線340の凹凸構造は、第1の領域の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の層間接続部360の凹凸構造は、第3の領域の凹凸構造に嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほどより大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は第2の凹凸構造160を有する。第1の絶縁層100が第2の領域に第2の凹凸構造160を有することによって、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域にも凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と第2の絶縁層400の凹凸構造とが互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、配線基板30は、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。第1の絶縁層100において、第1の領域の側面および第3の領域の側面は第1の領域の底面より大きい表面粗さを有し、第2の領域は第1の領域および第3の領域より大きい表面粗さを有する。しかしながらこれに限定されず、例えば、配線基板がm層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備えてもよい。この場合、第nの絶縁層が第nの配線の底面と接する領域より、第nの絶縁層が第nの配線の側面と接する領域および第nの絶縁層が第nの層間接続部の側面と接する領域は大きい表面粗さを有し、第nの絶縁層が第nの配線の側面と接する領域および第nの絶縁層が第nの層間接続部の側面と接する領域より、第nの絶縁層が第n+1の絶縁層と接する領域は大きい表面粗さを有してもよい。(mは3以上の任意の自然数、nは1以上m−1以下の任意の自然数とする。)
配線基板が3層以上の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える場合、第nの絶縁層は複数含んでもよく、任意の層の組み合わせであってもよい。複数の絶縁層が、絶縁層が配線底面と接する領域より、絶縁層が配線側面と接する領域および絶縁層が層間接続部側面と接する領域は大きい表面粗さを有し、絶縁層が配線側面と接する領域および絶縁層が層間接続部側面と接する領域より、絶縁層同士が接する領域は大きい表面粗さを有することで、それぞれの密着性をさらに向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態においては、最上層となる第2の絶縁層も、第2の絶縁層が第2の配線と接する側面の領域および第2の絶縁層が第2の層間接続部と接する側面の領域は、第2の絶縁層が第2の配線と接する底面の領域より大きい表面粗さを有し、第2の絶縁層が最上面に露出する領域は、第2の絶縁層が第2の配線と接する領域および第2の絶縁層が第2の層間接続部と接する領域より大きい表面粗さを有する。最上層の絶縁層が、絶縁層が配線と接する領域および絶縁層が層間接続部と接する領域より、最上面に露出する領域は大きい表面粗さを有することで、後述する樹脂層の密着性を向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した半導体装置を提供することができる。
[配線基板30の製造方法]
図6を用いて、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法を説明する。図6において、図5に示す要素と同じ要素には同一の符号を付した。
図6(A)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、インプリント法により、第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を形成する工程を示す図である。まず第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を形成する型110を形成する。型110は、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180に対応する突起部を有する。第1のトレンチ120および第1の貫通孔180に対応する型110の突起部の表面は略平坦に形成する。
次に、型110を用いて、第1の絶縁層100の第1面に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を印刻する。図6では示さなかったが、第1の絶縁層100は基板(図示せず)上に塗布して形成してもよい。この場合、第1の絶縁層100の基板とは反対側の面を第1面とする。第1の絶縁層100を軟化させ、その第1面に型110を圧入する。その状態で第1の絶縁層100を硬化させ、型110を第1の絶縁層100から剥離することで、図6(A)に示す断面構造の第1の絶縁層100を得ることができる。第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180には、絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な層間接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180はインプリント法によって一体に形成する。これによって製造工程を簡略化することができる。また、インプリント法は一般的なフォトリソグラフィ法と比べて薬液の使用量が少なく、環境に配慮されている。
第1の絶縁層100に形成される第1のトレンチ120の内側層方向(層と水平方向、底面)の表面(第1の領域)には、インプリント法によって第1の凹凸構造140が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の領域の層方向(層と水平方向、底面)の表面は、略平坦であることがより好ましい。
本実施形態において、第1の領域の底面における表面粗さは、第1の領域の側面および第3の領域の側面における表面粗さよりも小さく形成される。第1の絶縁層100に形成される第1の領域の側面および第3の領域の側面には、インプリント法によって積層方向(層と垂直方向、側面)の表面における凹凸構造が形成される。インプリント法における型110を第1の絶縁層100から剥離するときの摩擦によって、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に凹凸構造が形成される。層方向(層と水平方向、底面)の表面に形成される凹凸構造は、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造よりも小さい。このため第1の領域の層方向(層と水平方向、底面)の表面は、第1の領域の積層方向(層と垂直方向、側面)の表面および第3の領域の積層方向(層と垂直方向、側面)の表面より小さい表面粗さを有する。
一方で、第1の絶縁層100に形成する第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが0.01μm以下である場合、インプリント法において第2の凹凸構造160を形成する型110の形成が困難となる。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが3μm以上の場合、絶縁層の厚みによっては深すぎて、下層まで貫通してしまい不必要な粗さとなってしまう。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の凹凸構造160における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第2の領域における表面粗さは、第1の領域および第3の領域における表面粗さよりも大きく形成する。
図6(B)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第1の導電体200を形成する工程を示す図である。図6(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造、および第1の貫通孔180を、第1の導電体200で覆うように成膜する。本実施形態においては、スパッタリング法を用いて銅を成膜した。しかしながらこれに限定されず、第1の導電体200は次の工程における電解メッキ法による金属充填のためのシード層となればよい。またシード層および/またはバリア層であってもよい。第1の導電体200は、図6(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造、および第1の貫通孔180を反映している。別言すると、第1の導電体200は、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造、および第1の貫通孔180に沿って形成される。すなわち、第1の導電体200は、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造を有する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造は第1の導電体200で少なくとも一部埋まってしまってもよい。
図6(C)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の導電体200上に第2の導電体220を形成する工程を示す図である。図6(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造、および第1の貫通孔180を、第2の導電体220で充填する。本実施形態において、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造、および第1の貫通孔180は、電解メッキ法を用いて銅で充填する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140、第2の凹凸構造160、積層方向(層と垂直方向、側面)の表面に形成される凹凸構造、および第1の貫通孔180を金属充填する方法としては、印刷法などを用いることもできる。
図6(D)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上を研磨する工程を示す図である。図6(D)に示すように、第1の絶縁層100上の略全面を研磨する。本実施形態において、第1の絶縁層100の表面は化学機械研磨法(chemical mechanical polishing)を用いて研磨した。第1の絶縁層100上の第1の導電体200及び第2の導電体220を選択的に研磨することで、第1のトレンチ120および第1の貫通孔180内部以外の不要な第1の導電体200及び第2の導電体220を除去することができる。これによって、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160は露出する。第1のトレンチ120内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の配線340として形成される。第1の貫通孔180内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の層間接続部360として形成される。本実施形態において、第1の配線340と第1の層間接続部360は一体に形成したが、これに限定されない。それぞれ別体に形成してもよい。
図6(E)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第2の絶縁層400を積層する工程を示す図である。本実施形態において、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100上に塗布することで形成する。ここで第2の絶縁層400は、図6(A)で形成された第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160が埋まるように形成される。すなわち第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160を反映している。別言すると、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造を有する。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と、第2の絶縁層400の凹凸構造は、互いに噛み合うように接着する。第2の絶縁層400を第1の絶縁層100上に積層することによって、第1の配線340と第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400に埋設される。
図6(F)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、図6(A)〜(D)の工程により、第2の絶縁層400に第2の配線640と第2の層間接続部660を形成する工程を示す図である。第1の絶縁層100と同様に、インプリント法により、第2の絶縁層400に凹凸構造、第2のトレンチ、および第2の貫通孔を形成し、第1の導電体および第2の導電体で充填後、研磨することで、第2の絶縁層400に、凹凸構造、第2の配線640、および第2の層間接続部660を形成する。本実施形態においては、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える配線基板の製造方法を示した。しかしながらこれに限定されず、それぞれの層における任意のパターンを有するトレンチ、貫通孔、および凹凸構造に対応する突起部を有する型を用意することで、2層以上の絶縁層を有する配線基板を適宜形成することができる。
図6(G)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の電極380と第2の電極680とを形成する工程を示す図である。本実施形態において、第2の電極680はフォトリソグラフィを用いて形成する。しかしながらこれに限定されず、例えば、第2の電極680は第2の配線640と第2の層間接続部660と一体に形成されてもよい。本実施形態において、第1の電極380はフォトリソグラフィを用いて形成するがこれに限定されない。図6では示さなかったが、第1の絶縁層100は第1面とは反対側の第2面に基板(図示せず)を有してもよい。この場合、まず基板を剥離する工程を含んでもよい。第1の絶縁層100の第2面において、第1の貫通孔180には絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な電極の接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。なお、第1の電極380は、後述する半導体部品を配置したあとで形成してもよい。
以上のように、本実施形態に係る配線基板30の製造方法によると、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域に第2の凹凸構造160を形成することができる。このような選択的な粗化面形成方法において、第1の絶縁層100に第2の凹凸構造160を形成することで、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100と第2の絶縁層400との凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上し、剥離を防止することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態に係る配線基板30の製造方法によると、第1の領域の底面は第1の領域の側面より小さい表面粗さを有し、第1の領域の底面は第3の領域の側面より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340の底面は第1の配線340の側面より小さい表面粗さを有し、第1の配線340の底面は第1の層間接続部360の側面より小さい表面粗さを有するように形成することができる。配線表面における粗面は、層間接続部における粗面より、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい導電体ほど小さい表面粗さを有するように形成することで、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第1の領域の側面は第1の領域の底面より大きい表面粗さを有し、第3の領域の側面は第1の領域の底面より大きい表面粗さを有することによって、第1の配線340の側面は第1の配線340の底面より大きい表面粗さが形成され、第1の層間接続部360の側面は第1の配線340の底面より大きい表面粗さが形成される。第1の配線340の側面の凹凸構造は、第1の領域の側面の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の層間接続部360の側面の凹凸構造は、第3の領域の側面の凹凸構造に嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほど大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る配線基板は、ロール方式のインプリント法において、第1の絶縁層が型の進行方向に延長する配線と接する領域は、第1の絶縁層が型の進行方向と直交する方向に延長する配線が接する領域より小さい表面粗さを有する。
図7または図8を用いて、本開示の第4実施形態に係る配線基板40の構成および配線基板40の製造方法について説明する。ここで、第1実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
[配線基板の構成]
図7は、本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)(C)断面図、および(D)(E)拡大図である。図7(B)は図7(A)のA−A’線における断面図であり、図7(C)は図7(A)のB−B’線における断面図である。図7(D)は図7(C)のC領域における拡大図であり、図7(E)は図7(C)のD領域における拡大図である。図7(A)、(B)、および(C)に示すように、配線基板40は、第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。
第1の絶縁層100の導電体は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第1の電極380と、を2つずつ含む。第1の絶縁層100は、第1面に第1の配線340aと第1の配線340bとを備える。第1の絶縁層100の第1側102から第2側104(第1の方向)に向かって延長する第1の配線340aは、第1の方向と直交する第1側102から第3側106(第2の方向)に向かって延長する第1の配線340bより長い。第1の配線340aは、一端において、第1の絶縁層100を貫通する第1の層間接続部360aと電気的に接続する。第1の層間接続部360aは、第1の絶縁層100の第1面とは反対側の第2面において、第1の電極380aと電気的に接続する。第1の配線340bは、一端において、第1の絶縁層100を貫通する第1の層間接続部360bと電気的に接続する。第1の層間接続部360bは、第1の絶縁層100の第2面において、第1の電極380bと電気的に接続する。(以降、第1の配線340aと第1の配線340bとを区別しないときには第1の配線340という。第1の層間接続部360aと第1の層間接続部360bとを区別しないときには第1の層間接続部360という。第1の電極380aと第1の電極380bとを区別しないときには第1の電極380という。)本実施形態において、第1の配線340は、第1面に2本配置した例を示したがこれに限定されない。第1の配線340は、第1面に2本以上配置されればよい。第1の方向に向かって延長する第1の配線340aの総延長は、第1の方向と直交する第2の方向に向かって延長する第1の配線340bの総延長より長ければよい。また、本実施形態において、第1の配線340は第1の絶縁層100の第1面にのみ配置したが、第1の配線340は第1面とは反対側の第2面にも配置されてもよい。
第1の絶縁層100の第1面上には第2の絶縁層400が配置される。第2の絶縁層400の導電体は、第2の配線640と、第2の層間接続部660と、第2の電極680と、を2つずつ含む。第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100とは反対側の第3面に、第2の配線640aと第2の配線640bとを備える。第2の絶縁層400の第1側102から第2側104(第1の方向)に向かって延長する第2の配線640aは、第1の方向と直交する第1側102から第3側106(第2の方向)に向かって延長する第2の配線640bより長い。第2の配線640aは、第2の絶縁層400を貫通する第2の層間接続部660aと電気的に接続する。第2の層間接続部660aはさらに、第1の配線340aの一端とは反対側の他端と電気的に接続する。第2の配線640aは、第2の絶縁層400の第3面において、第2の電極680aと電気的に接続する。第2の配線640bは、第2の絶縁層400を貫通する第2の層間接続部660bと電気的に接続する。第2の層間接続部660bはさらに、第1の配線340bの一端とは反対側の他端と電気的に接続する。第2の配線640bは、第2の絶縁層400の第3面において、第2の電極680bと電気的に接続する。(以降、第2の配線640aと第2の配線640bとを区別しないときには第2の配線640という。第2の層間接続部660aと第2の層間接続部660bとを区別しないときには第2の層間接続部660という。第2の電極680aと第2の電極680bとを区別しないときには第2の電極680という。)本実施形態において、第2の配線640は、第3面に2本配置した例を示したがこれに限定されない。第2の配線640は、第3面に2本以上配置されればよい。第1の方向に向かって延長する第2の配線640aの総延長は、第1の方向と直交する第2の方向に向かって延長する第2の配線640bの総延長より長ければよい。
図7(D)は、図7(C)のC領域における拡大図である。図7(E)は、図7(C)のD領域における拡大図である。図7(D)および(E)に示すように、第1の絶縁層100は、第1の配線340と、第1の層間接続部360と、第2の絶縁層400と接する。
第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域には、第1の凹凸構造140aが形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の配線340aと接する領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域は、略平坦であることがより好ましい。さらに第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域における表面粗さは、第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域における表面粗さより小さい。
一方で、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域における第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域および第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域より、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域は第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340aは第1の配線340bより小さい表面粗さを有する。配線表面における粗面は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい総延長の長い導電体ほど小さい表面粗さを有することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域は第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域より大きい表面粗さを有することによって、第1の配線340bは第1の配線340aより大きい表面粗さが形成される。第1の配線340bの凹凸構造は、第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域における第1の凹凸構造140bに嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほど大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は第2の凹凸構造160を有する。第1の絶縁層100が第2の領域に第2の凹凸構造160を有することによって、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域にも凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と第2の絶縁層400の凹凸構造とが互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、配線基板40は、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。第1の絶縁層100において、第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域は、第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域より大きい表面粗さを有し、第2の領域は第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域より大きい表面粗さを有する。しかしながらこれに限定されず、例えば、配線基板がm層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備えてもよい。この場合、第nの絶縁層が第naの配線と接する領域より、第nの絶縁層が第nbの配線と接する領域は大きい表面粗さを有し、第nの絶縁層が第nbの配線と接する領域より、第nの絶縁層が第n+1の絶縁層と接する領域は大きい表面粗さを有してもよい。(mは3以上の任意の自然数、nは1以上m−1以下の任意の自然数とする。)
配線基板が3層以上の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える場合、第nの絶縁層は複数含んでもよく、任意の層の組み合わせであってもよい。複数の絶縁層が、絶縁層が総延長の長い配線と接する領域より、絶縁層が総延長の短い配線と接する領域は大きい表面粗さを有し、絶縁層が総延長の短い配線と接する領域より、絶縁層同士が接する領域は大きい表面粗さを有することで、それぞれの密着性をさらに向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態においては、最上層となる第2の絶縁層も、第2の絶縁層が総延長の短い第2の配線と接する領域は、第2の絶縁層が総延長の長い第2の配線と接する領域より大きい表面粗さを有し、第2の絶縁層が最上面に露出する領域は、第2の絶縁層が第2の配線と接する領域より大きい表面粗さを有する。最上層の絶縁層が、絶縁層が配線と接する領域より、最上面に露出する領域は大きい表面粗さを有することで、後述する樹脂層の密着性を向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した半導体装置を提供することができる。
[配線基板40の製造方法]
図8を用いて、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法を説明する。図8において、図7に示す要素と同じ要素には同一の符号を付した。
図8(A)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、インプリント法により、第1の絶縁層100に第1のトレンチ120a、第1のトレンチ120b、第2の凹凸構造160、第1の貫通孔180a(図示せず)、および第1の貫通孔180bを形成する工程を示す図である(以降、第1のトレンチ120aおよび第1のトレンチ120bを区別しないときには第1のトレンチ120という。第1の貫通孔180aおよび第1の貫通孔180bを区別しないときには第1の貫通孔180という。)。まず第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を形成する型110を形成する。型110は、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180に対応する突起部を有する。第1のトレンチ120および第1の貫通孔180に対応する型110の突起部の表面は略平坦に形成する。
次に、型110を用いて、第1の絶縁層100の第1面に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を印刻する。図8では示さなかったが、第1の絶縁層100は基板(図示せず)上に塗布して形成してもよい。この場合、第1の絶縁層100の基板とは反対側の面を第1面とする。第1の絶縁層100を軟化させ、その第1面に型110を圧入する。その状態で第1の絶縁層100を硬化させ、型110を第1の絶縁層100から剥離することで、図8(A)に示す断面構造の第1の絶縁層100を得ることができる。第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180には、絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な層間接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180はインプリント法によって一体に形成する。これによって製造工程を簡略化することができる。また、インプリント法は一般的なフォトリソグラフィ法と比べて薬液の使用量が少なく、環境に配慮されている。
第1の絶縁層100に形成される第1のトレンチ120aの内側の表面には、インプリント法によって第1の凹凸構造140aが形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1のトレンチ120aの内側の表面は、略平坦であることがより好ましい。
本実施形態において、第1のトレンチ120aの内側の表面における表面粗さは、第1のトレンチ120bの内側の表面における表面粗さよりも小さく形成される。第1の絶縁層100に形成される第1のトレンチ120bの内側の表面には、インプリント法によって第1の凹凸構造140bが形成される。例えば、ロール方式のインプリント法において型110を第1の絶縁層100から剥離するときの摩擦によって、ロールの型110の進行方向と直交する第2の方向(図8A方向、図7(a)の第1側102から第3側106の方向)に延長する第1のトレンチ120bの内側の表面に第1の凹凸構造140bが形成される。ロールの型110の進行方向に延長する第1のトレンチ120aの内側の表面に形成される第1の凹凸構造140aは、第1のトレンチ120bの内側の表面に形成される第1の凹凸構造140bよりも小さい。このため第1のトレンチ120aの内側の領域は、第1のトレンチ120bの内側の領域より小さい表面粗さを有する。
一方で、第1の絶縁層100に形成する第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが0.01μm以下である場合、インプリント法において第2の凹凸構造160を形成する型110の形成が困難となる。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが3μm以上の場合、絶縁層の厚みによっては深すぎて、下層まで貫通してしまい不必要な粗さとなってしまう。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の凹凸構造160における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第2の領域における表面粗さは、第1の配線340と接する領域における表面粗さよりも大きく形成する。
図8(B)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第1の導電体200を形成する工程を示す図である。図8(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第1の凹凸構造140b、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を、第1の導電体200で覆うように成膜する。本実施形態においては、スパッタリング法を用いて銅を成膜した。しかしながらこれに限定されず、第1の導電体200は次の工程における電解メッキ法による金属充填のためのシード層となればよい。またシード層および/またはバリア層であってもよい。第1の導電体200は、図8(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第1の凹凸構造140b、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を反映している。別言すると、第1の導電体200は、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第1の凹凸構造140b、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180に沿って形成される。すなわち、第1の導電体200は、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造を有する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造は第1の導電体200で少なくとも一部埋まってしまってもよい。
図8(C)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の導電体200上に第2の導電体220を形成する工程を示す図である。図8(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第1の凹凸構造140b、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を、第2の導電体220で充填する。本実施形態において、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第1の凹凸構造140b、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180は、電解メッキ法を用いて銅で充填する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第1の凹凸構造140b、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を金属充填する方法としては、印刷法などを用いることもできる。
図8(D)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上を研磨する工程を示す図である。図8(D)に示すように、第1の絶縁層100上の略全面を研磨する。本実施形態において、第1の絶縁層100の表面は化学機械研磨法(chemical mechanical polishing)を用いて研磨した。第1の絶縁層100上の第1の導電体200及び第2の導電体220を選択的に研磨することで、第1のトレンチ120および第1の貫通孔180内部以外の不要な第1の導電体200及び第2の導電体220を除去することができる。これによって、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160は露出する。第1のトレンチ120aおよび第1のトレンチ120b内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の配線340aおよび第1の配線340bとして形成される。第1の貫通孔180a(図示せず)および第1の貫通孔180b内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の層間接続部360a(図示せず)および第1の層間接続部360bとして形成される。本実施形態において、第1の配線340と第1の層間接続部360は一体に形成したが、これに限定されない。それぞれ別体に形成してもよい。
図8(E)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第2の絶縁層400を積層する工程を示す図である。本実施形態において、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100上に塗布することで形成する。ここで第2の絶縁層400は、図8(A)で形成された第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160が埋まるように形成される。すなわち第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160を反映している。別言すると、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造を有する。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と、第2の絶縁層400の凹凸構造は、互いに噛み合うように接着する。第2の絶縁層400を第1の絶縁層100上に積層することによって、第1の配線340と第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400に埋設される。
図8(F)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、図8(A)〜(D)の工程により、第2の絶縁層400に第2の配線640と第2の層間接続部660を形成する工程を示す図である。第1の絶縁層100と同様に、インプリント法により、第2の絶縁層400に凹凸構造、第2のトレンチ、および第2の貫通孔を形成し、第1の導電体および第2の導電体で充填後、研磨することで、第2の絶縁層400に、凹凸構造、第2の配線640、および第2の層間接続部660を形成する。本実施形態においては、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える配線基板の製造方法を示した。しかしながらこれに限定されず、それぞれの層における任意のパターンを有するトレンチ、貫通孔、および凹凸構造に対応する突起部を有する型を用意することで、2層以上の絶縁層を有する配線基板を適宜形成することができる。
図8(G)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の電極380と第2の電極680とを形成する工程を示す図である。本実施形態において、第2の電極680はフォトリソグラフィを用いて形成する。しかしながらこれに限定されず、例えば、第2の電極680は第2の配線640と第2の層間接続部660と一体に形成されてもよい。本実施形態において、第1の電極380はフォトリソグラフィを用いて形成するがこれに限定されない。図8では示さなかったが、第1の絶縁層100は第1面とは反対側の第2面に基板(図示せず)を有してもよい。この場合、まず基板を剥離する工程を含んでもよい。第1の絶縁層100の第2面において、第1の貫通孔180には絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な電極の接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。なお、第1の電極380は、後述する半導体部品を配置したあとで形成してもよい。
以上のように、本実施形態に係る配線基板40の製造方法によると、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域に第2の凹凸構造160を形成することができる。このような選択的な粗化面形成方法において、第1の絶縁層100に第2の凹凸構造160を形成することで、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100と第2の絶縁層400との凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上し、剥離を防止することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態に係る配線基板40の製造方法によると、第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域は第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340aは第1の配線340bより小さい表面粗さを有するように形成することができる。配線表面における粗面は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい総延長の長い導電体ほど小さい表面粗さを有するように形成することで、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域は第1の絶縁層100が第1の配線340aと接する領域より大きい表面粗さを有することによって、第1の配線340bは第1の配線340aより大きい表面粗さが形成される。第1の配線340bの凹凸構造は、第1の絶縁層100が第1の配線340bと接する領域の第1の凹凸構造140bに嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほど大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態に係る配線基板は、伝送配線である第1の配線と、電源またはグランドと電気的に接続する第3の配線とを含み、第1の絶縁層が第1の配線と接する第1の領域は、第1の絶縁層が第3の配線と接する第5の領域より小さい表面粗さを有する。
図9または図10を用いて、本開示の第5実施形態に係る配線基板50の構成および配線基板50の製造方法について説明する。ここで、第1実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
[配線基板の構成]
図9は、本開示の一実施形態に係る配線基板の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)(D)拡大図である。図9(B)は図9(A)のA−A’線における断面図である。図9(C)は図9(B)のB領域における拡大図であり、図9(D)は図9(B)のC領域における拡大図である。図9(A)および(B)に示すように、配線基板50は、第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。
第1の絶縁層100の導電体は、第1の配線340と、第1の層間接続部360(図示せず)と、第1の電極380(図示せず)と、第3の配線540と、第3の層間接続部(図示せず)と、第3の電極(図示せず)と、を含む。第1の絶縁層100は、第1面に第1の配線340と第3の配線540とを備える。第1の配線340は、一端において、第1の絶縁層100を貫通する第1の層間接続部360(図示せず)と電気的に接続する。第1の層間接続部360(図示せず)は、第1の絶縁層100の第1面とは反対側の第2面において、第1の電極380(図示せず)と電気的に接続する。第3の配線540は、第1の絶縁層100を貫通する第3の層間接続部(図示せず)と電気的に接続する。第3の層間接続部(図示せず)は、第1の絶縁層100の第2面において、第3の電極(図示せず)と電気的に接続する。本実施形態において、第1の配線340は伝送配線であり、第3の配線540は電源またはグランドと電気的に接続する。また第1の配線340は、第1面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第1の配線340は、第1面に1本以上配置されればよい。また、本実施形態において、第1の配線340および第3の配線540は第1の絶縁層100の第1面にのみ配置したが、第1の配線340は第1面とは反対側の第2面にも配置されてもよい。
第1の絶縁層100の第1面上には第2の絶縁層400が配置される。第2の絶縁層400の導電体は、第2の配線640と、第2の層間接続部660(図示せず)と、第2の電極680(図示せず)と、第4の配線740と、第4の層間接続部(図示せず)と、第4の電極(図示せず)と、を含む。第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100とは反対側の第3面に、第2の配線640と第4の配線740とを備える。第2の配線640は、第2の絶縁層400を貫通する第2の層間接続部660(図示せず)と電気的に接続する。第2の層間接続部660(図示せず)はさらに、第1の配線340の一端とは反対側の他端と電気的に接続する。第2の配線640は、第2の絶縁層400の第3面において、第2の電極680(図示せず)と電気的に接続する。第4の配線740は、第1の絶縁層100を貫通する第4の層間接続部(図示せず)と電気的に接続する。第4の層間接続部(図示せず)は、第1の絶縁層100の第2面において、第4の電極(図示せず)と電気的に接続する。本実施形態において、第2の配線640は伝送配線であり、第4の配線740は電源またはグランドと電気的に接続する。また第2の配線640は、第3面に1本配置した例を示したがこれに限定されない。第2の配線640は、第3面に1本以上配置されればよい。
図9(C)は、図9(B)のB領域における拡大図である。図9(D)は、図9(B)のC領域における拡大図である。図9(C)および(D)に示すように、第1の絶縁層100は、第1の配線340と、第3の配線540と、第2の絶縁層400と接する。
第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域には、第1の凹凸構造140が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1の領域は、略平坦であることがより好ましい。さらに第1の領域における表面粗さは、第1の絶縁層100が第3の配線540と接する第5の領域における表面粗さより小さい。
一方で、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域における第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第1の絶縁層100が第1の配線340と接する第1の領域および第1の絶縁層100が第3の配線540と接する第5の領域より、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する。
本実施形態において、第1の領域は第5の領域より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340は第3の配線540より小さい表面粗さを有する。伝送配線表面における粗面は、電源またはグランドと電気的に接続する配線表面における粗面より、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい導電体ほど小さい表面粗さを有することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第5の領域は第1の領域より大きい表面粗さを有することによって、第3の配線540は第1の配線340より大きい表面粗さが形成される。第3の配線540の凹凸構造は、第5の領域における第5の凹凸構造140cに嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。伝送配線表面における粗面は、電源またはグランドと電気的に接続する配線表面における粗面より、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほど大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域は第2の凹凸構造160を有する。第1の絶縁層100が第2の領域に第2の凹凸構造160を有することによって、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域にも凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と第2の絶縁層400の凹凸構造とが互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、配線基板50は、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える。第1の絶縁層100において第5の領域は第1の領域より大きい表面粗さを有し、第2の領域は第5の領域より大きい表面粗さを有する。しかしながらこれに限定されず、例えば、配線基板がm層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備えてもよい。この場合、第nの絶縁層が伝送配線と接する領域より、第nの絶縁層が電源またはグランドと電気的に接続する配線と接する領域は大きい表面粗さを有し、第nの絶縁層が電源またはグランドと電気的に接続する配線と接する領域より、第nの絶縁層が第n+1の絶縁層と接する領域は大きい表面粗さを有してもよい。(mは3以上の任意の自然数、nは1以上m−1以下の任意の自然数とする。)
配線基板が3層以上の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える場合、第nの絶縁層は複数含んでもよく、任意の層の組み合わせであってもよい。複数の絶縁層が、絶縁層が伝送配線と接する領域より、絶縁層が電源またはグランドと電気的に接続する配線と接する領域は大きい表面粗さを有し、絶縁層が電源またはグランドと電気的に接続する配線と接する領域より、絶縁層同士が接する領域は大きい表面粗さを有することで、それぞれの密着性をさらに向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態においては、最上層となる第2の絶縁層も、第2の絶縁層が第4の配線と接する領域は、第2の絶縁層が第2の配線と接する領域より大きい表面粗さを有し、第2の絶縁層が最上面に露出する領域は、第2の絶縁層が第2の配線と接する領域および第2の絶縁層が第4の配線と接する領域より大きい表面粗さを有する。最上層の絶縁層が、絶縁層が配線と接する領域より、最上面に露出する領域は大きい表面粗さを有することで、後述する樹脂層の密着性を向上することができる。これによって信頼性をさらに向上した半導体装置を提供することができる。
[配線基板50の製造方法]
図10を用いて、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法を説明する。図10において、図9に示す要素と同じ要素には同一の符号を付した。
図10(A)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、インプリント法により、第1の絶縁層100に第1のトレンチ120a、第1のトレンチ120c、第2の凹凸構造160、第5の凹凸構造140c、第1の貫通孔180a(図示せず)および第1の貫通孔180c(図示せず)を形成する工程を示す図である(以降、第1のトレンチ120aおよび第1のトレンチ120cを区別しないときには第1のトレンチ120という。第1の貫通孔180aおよび第1の貫通孔180cを区別しないときには第1の貫通孔180という。)。まず第1の絶縁層100に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、第5の凹凸構造140c、および第1の貫通孔180を形成する型110を形成する。型110は、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、第5の凹凸構造140c、および第1の貫通孔180に対応する突起部を有する。第1のトレンチ120aおよび第1の貫通孔180に対応する型110の突起部の表面は略平坦に形成する。
次に、型110を用いて、第1の絶縁層100の第1面に第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、第5の凹凸構造140c、および第1の貫通孔180を印刻する。図10では示さなかったが、第1の絶縁層100は基板(図示せず)上に塗布して形成してもよい。この場合、第1の絶縁層100の基板とは反対側の面を第1面とする。第1の絶縁層100を軟化させ、その第1面に型110を圧入する。その状態で第1の絶縁層100を硬化させ、型110を第1の絶縁層100から剥離することで、図10(A)に示す断面構造の第1の絶縁層100を得ることができる。第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180には、絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な層間接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態において、第1のトレンチ120、第2の凹凸構造160、第5の凹凸構造140c、および第1の貫通孔180はインプリント法によって一体に形成する。これによって製造工程を簡略化することができる。また、インプリント法は一般的なフォトリソグラフィ法と比べて薬液の使用量が少なく、環境に配慮されている。
第1の絶縁層100に形成される第1のトレンチ120aの内側の表面には、インプリント法によって第1の凹凸構造140aが形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第1のトレンチ120aの内側の表面は、略平坦であることがより好ましい。
本実施形態において、第1のトレンチ120aの内側の表面(第1の領域)における表面粗さは、第1のトレンチ120cの内側の表面(第5の領域)における表面粗さよりも小さく形成される。第1の絶縁層100に形成される第5の領域には、インプリント法によって第5の凹凸構造140cが形成される。このため第1のトレンチ120aの内側の領域は、第5の領域より小さい表面粗さを有する。
一方で、第1の絶縁層100に形成する第2の凹凸構造160は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが0.01μm以下である場合、インプリント法において第2の凹凸構造160を形成する型110の形成が困難となる。第2の凹凸構造160の積層方向における高さが3μm以上の場合、絶縁層の厚みによっては深すぎて、下層まで貫通してしまい不必要な粗さとなってしまう。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の凹凸構造160における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第2の領域における表面粗さは、第1のトレンチ120aの内側の領域および第5の領域における表面粗さよりも大きく形成する。
図10(B)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第1の導電体200を形成する工程を示す図である。図10(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第5の凹凸構造140c、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を、第1の導電体200で覆うように成膜する。本実施形態においては、スパッタリング法を用いて銅を成膜した。しかしながらこれに限定されず、第1の導電体200は次の工程における電解メッキ法による金属充填のためのシード層となればよい。またシード層および/またはバリア層であってもよい。第1の導電体200は、図10(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第5の凹凸構造140c、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を反映している。別言すると、第1の導電体200は、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第5の凹凸構造140c、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180に沿って形成される。すなわち、第1の導電体200は、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造を有する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100に形成した凹凸構造は第1の導電体200で少なくとも一部埋まってしまってもよい。
図10(C)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の導電体200上に第2の導電体220を形成する工程を示す図である。図10(A)で形成された第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第5の凹凸構造140c、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を、第2の導電体220で充填する。本実施形態において、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第5の凹凸構造140c、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180は、電解メッキ法を用いて銅で充填する。しかしながらこれに限定されず、第1の絶縁層100の第1のトレンチ120、第1の凹凸構造140a、第5の凹凸構造140c、第2の凹凸構造160、および第1の貫通孔180を金属充填する方法としては、印刷法などを用いることもできる。
図10(D)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上を研磨する工程を示す図である。図10(D)に示すように、第1の絶縁層100上の略全面を研磨する。本実施形態において、第1の絶縁層100の表面は化学機械研磨法(chemical mechanical polishing)を用いて研磨した。第1の絶縁層100上の第1の導電体200及び第2の導電体220を選択的に研磨することで、第1のトレンチ120および第1の貫通孔180内部以外の不要な第1の導電体200及び第2の導電体220を除去することができる。これによって、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160は露出する。第1のトレンチ120aおよび第1のトレンチ120c内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の配線340および第3の配線540として形成される。第1の貫通孔180a(図示せず)および第1の貫通孔180c(図示せず)内の第1の導電体200及び第2の導電体220は、第1の層間接続部360a(図示せず)および第3の層間接続部560(図示せず)として形成される。本実施形態において、第1の配線340と第1の層間接続部360は一体に形成したが、これに限定されない。それぞれ別体に形成してもよい。
図10(E)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の絶縁層100上に第2の絶縁層400を積層する工程を示す図である。本実施形態において、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100上に塗布することで形成する。ここで第2の絶縁層400は、図10(A)で形成された第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160が埋まるように形成される。すなわち第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160を反映している。別言すると、第2の絶縁層400は、第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造を有する。第1の絶縁層100の第2の凹凸構造160と、第2の絶縁層400の凹凸構造は、互いに噛み合うように接着する。第2の絶縁層400を第1の絶縁層100上に積層することによって、第1の配線340と第1の層間接続部360は、第1の絶縁層100および第2の絶縁層400に埋設される。
図10(F)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、図10(A)〜(D)の工程により、第2の絶縁層400に第2の配線640と、第2の層間接続部660と、第4の配線740と、第4の層間接続部760と、を形成する工程を示す図である。第1の絶縁層100と同様に、インプリント法により、第2の絶縁層400に凹凸構造、第2のトレンチ、および第2の貫通孔を形成し、第1の導電体および第2の導電体で充填後、研磨することで、第2の絶縁層400に、凹凸構造、第2の配線640、第2の層間接続部660、第4の配線740、および第4の層間接続部760、を形成する。本実施形態においては、2層の絶縁層と、それぞれの絶縁層に形成される導電体とを備える配線基板の製造方法を示した。しかしながらこれに限定されず、それぞれの層における任意のパターンを有するトレンチ、貫通孔、および凹凸構造に対応する突起部を有する型を用意することで、2層以上の絶縁層を有する配線基板を適宜形成することができる。
図10(G)は、本開示の一実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1の電極380(図示せず)と第2の電極680(図示せず)とを形成する工程を示す図である。本実施形態において、第2の電極680はフォトリソグラフィを用いて形成する。しかしながらこれに限定されず、例えば、第2の電極680は第2の配線640と第2の層間接続部660と一体に形成されてもよい。本実施形態において、第1の電極380はフォトリソグラフィを用いて形成するがこれに限定されない。図10では示さなかったが、第1の絶縁層100は第1面とは反対側の第2面に基板(図示せず)を有してもよい。この場合、まず基板を剥離する工程を含んでもよい。第1の絶縁層100の第2面において、第1の貫通孔180には絶縁材料の残渣が残ることがある。このため過マンガン酸塩溶液を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、絶縁材料の残渣を除去する。絶縁材料の残渣を除去することによって、良好な電極の接続を得ることができ、信頼性を向上した配線基板を提供することができる。なお、第1の電極380は、後述する半導体部品を配置したあとで形成してもよい。
以上のように、本実施形態に係る配線基板50の製造方法によると、第1の絶縁層100が第2の絶縁層400と接する第2の領域に第2の凹凸構造160を形成することができる。第1の絶縁層100が第3の配線540と接する第5の領域に第5の凹凸構造140cを形成することができる。このような選択的な粗化面形成方法において、第1の絶縁層100に第2の凹凸構造160を形成することで、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造が形成される。第2の絶縁層400の凹凸構造は、第1の絶縁層100の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100と第2の絶縁層400との凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上し、剥離を防止することができる。第1の絶縁層100に第5の領域に第5の凹凸構造140cを形成することで、第3の配線540の第1の絶縁層100と接する領域に凹凸構造が形成される。第3の配線540の凹凸構造は、第1の絶縁層100の凹凸構造に嵌まるように形成される。第1の絶縁層100と第3の配線540との凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上し、剥離を防止することができる。これによって信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
本実施形態に係る配線基板50の製造方法によると、第1の領域は第5の領域より小さい表面粗さを有することで、第1の配線340は第3の配線540より小さい表面粗さを有するように形成することができる。伝送配線表面における粗面は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい。このため、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が大きい導電体ほど小さい表面粗さを有するように形成することで、高周波帯域における伝送特性を向上した配線基板を提供することができる。
第5の領域は第1の領域より大きい表面粗さを有することによって、第3の配線540は第1の配線340より大きい表面粗さが形成される。第3の配線540の凹凸構造は、第5の領域の第5の凹凸構造140cに嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす影響が小さい導電体ほど大きい表面粗さを有することによって、表皮効果による導体損失を抑制しつつ、第1の絶縁層100と導電体との密着を向上し、より信頼性を向上した配線基板を提供することができる。
<第6実施形態>
本実施形態においては、第1実施形態から第5実施形態に係る配線基板に半導体部品を実装した半導体装置の一例について説明する。ここで、第1実施形態から第5実施形態に係る配線基板と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
図11または図12を用いて、本開示の第6実施形態に係る半導体装置1の構成および半導体装置1の製造方法について説明する。ここで、第1実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
[半導体装置の構成]
図11は、本開示の一実施形態に係る導体装置の一例を示す(A)上面図、(B)断面図、および(C)拡大図である。図11(B)は図11(A)のA−A’線における断面図である。図11(C)は図11(B)のB領域における拡大図である。図11(A)および(B)に示すように、半導体装置1は、第2の電極680を有する配線基板60と、第2の電極680と電気的に接続する第5の電極820を有する半導体部品800と、半導体部品800を包埋する第1の樹脂層840と、半導体部品800と配線基板60との間隙に配置された第2の樹脂層860と、を備える。さらに配線基板60の第1の電極380には、半田ボール900を備える。
第1実施形態から第5実施形態で示すように、配線基板60は、第2の絶縁層400の第1の絶縁層100とは反対側の第3面に、第2の電極680を有する。第2の絶縁層400の第3面上には、半導体部品800が間隙を介して配置される。半導体部品800は、外部からの電源や信号の入出力用の第5の電極820を備える。配線基板60の第2の電極680と、半導体部品800の第5の電極820とは、対向し、導電部材880を介して電気的に接続する。第5の電極820は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等により構成されるが、これらに限定されるものではない。
半導体部品800は、第1の樹脂層840で包埋される。第1の樹脂層840は、半導体部品800の非回路面を覆うように配置され、配線基板60の第2の絶縁層400の第3面と接する。配線基板60の第2の絶縁層400の第3面と、半導体部品800との間隙には、第2の樹脂層860が配置される。すなわち、第2の樹脂層860は、第2の絶縁層400の第3面と、半導体部品800の回路面と接し、配線基板60の第2の電極680と、半導体部品800の第5の電極820とを包埋する。
本実施形態において、配線基板60の第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、第1の樹脂層840と、第2の樹脂層860とは、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の液状のエポキシ樹脂を用いることができる。また、フェノールノボラック型、ナフタレン型等の半固形状のエポキシ樹脂を併用してもよい。しかしながらこれに限定されず、配線基板60の第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、第1の樹脂層840と、第2の樹脂層860とは、同じ熱膨張率を有する材料であればよい。配線基板60の第1の絶縁層100と、第2の絶縁層400と、第1の樹脂層840とが、同じ熱膨張率を有する材料であることで、特に積層方向における線膨張率の不一致による反りや熱応力を抑制し、半導体部品800の信頼性を向上することができる。
本実施形態において、第1の樹脂層840と第2の樹脂層860とは、さらに、フィラーを含んでもよい。フィラーは、例えば、シリカ系無機フィラーであってもよい。第1の樹脂層840と第2の樹脂層860とがフィラーを含むことで、低い熱膨張率で構成することができ、熱ひずみを抑制した信頼性を向上した半導体装置を提供することができる。第1の樹脂層840に含まれる第1のフィラーの最大粒径は、10μm以上100μm以下であることが好ましい。最大粒径が10μm以下の場合、フィラーのカットに要するコストが上昇するため好ましくない。最大粒径が100μm以上の場合、第1の樹脂層840のモールド工程で流動性が損なわれ、未充填が発生し、生産性を損なうことがある。第2の樹脂層860に含まれる第2のフィラーの最大粒径は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。最大粒径が1μm以下の場合、フィラーのカットに要するコストが上昇するため好ましくない。最大粒径が10μm以上の場合、第2の樹脂層860の充填工程で流動性が損なわれ、未充填が発生し、生産性を損なうことがある。
配線基板60の第1の電極380には、半導体装置1を外部基板に接続するための半田ボール900が配置される。半田ボール900で半導体装置1を外部基板に接続することで、安価に実施できる効果がある。
図11(C)は、図11(B)のB領域における拡大図である。図11(C)に示すように、第2の絶縁層400は、第2の配線640と、第1の樹脂層840と、第2の樹脂層860と接する。
第2の絶縁層400が第2の配線640と接する第6の領域には、第6の凹凸構造440が形成される。JIS B0601−2001に基づいて測定した第6の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下である。第6の領域は、略平坦であることがより好ましい。
一方で、第2の絶縁層400が第1の樹脂層840および第2の樹脂層860と接する第7の領域における第7の凹凸構造460は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の範囲である。JIS B0601−2001に基づいて測定した第2の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下である。第2の絶縁層400が第2の配線640と接する第6の領域より、第2の絶縁層400が第1の樹脂層840および第2の樹脂層860と接する第7の領域は大きい表面粗さを有する。
本実施形態において、第2の絶縁層400が第2の配線640と接する第6の領域は小さい表面粗さを有する。第1の絶縁層100の第6の領域が小さい表面粗さを有することで、第2の配線640は、第2の絶縁層400と接する領域が小さい表面粗さを有する。導電体表面における粗面は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす原因ともなりうる。このため第2の配線640の、第2の絶縁層400と接する領域が小さい表面粗さを有することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した半導体装置を提供することができる。
本実施形態において、第2の絶縁層400が第1の樹脂層840および第2の樹脂層860と接する第7の領域は第7の凹凸構造460を有する。第2の絶縁層400が第7の領域に第7の凹凸構造460を有することによって、第1の樹脂層840および第2の樹脂層860の第2の絶縁層400と接する領域にも凹凸構造が形成される。第1の樹脂層840および第2の樹脂層860の凹凸構造は、第2の絶縁層400の第7の凹凸構造460に嵌まるように形成される。それぞれの凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上することができる。これによって信頼性を向上した半導体装置を提供することができる。本実施形態においては、第2の絶縁層400が第1の樹脂層840と接する領域および第2の絶縁層400が第2の樹脂層860と接する領域を第7の領域として区別しなかった。しかしながらこれに限定されず、それぞれの樹脂層の材料などに応じて、第1の樹脂層840と接する領域の凹凸構造460aおよび第2の樹脂層860と接する領域の凹凸構造460bの大きさは適宜選択することができる(以降、凹凸構造460aと凹凸構造460bとを区別しないときは、第7の凹凸構造460という)。
[半導体装置1の製造方法]
図12を用いて、本開示の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。図12において、図11に示す要素と同じ要素には同一の符号を付した。
図12(A)は、本開示の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、配線基板60の第2の絶縁層400の第3面上に、半導体部品800を実装する工程を示す図である。半導体部品800を配線基板60に配置する前に、あらかじめ第2の樹脂層860を充填する。配線基板60の第2の絶縁層400の第3面と、半導体部品800とは、間隙を介して配置する。配線基板60の第2の絶縁層400の第3面と半導体部品800との間隙を、第2の樹脂層860で充填する。第2の樹脂層860をあらかじめ充填することで、間隙が気泡入ることなく、良好に充填することができ、信頼性を向上した半導体装置を提供することができる。配線基板60の第2の電極680と、半導体部品800の第5の電極820とは、導電部材880を介して電気的に接続する。
第1実施形態から第5実施形態にて示すように、第2の樹脂層860が第2の絶縁層400と接する第7の領域は第7の凹凸構造460を有する。第2の絶縁層400の第3面と半導体部品800との間隙に位置する凹凸構造460bは、第2の樹脂層860で充填する。すなわち第2の樹脂層860は、第2の絶縁層400の凹凸構造460bを反映している。別言すると、第2の樹脂層860は、第2の絶縁層400と接する領域に凹凸構造を有する。第2の絶縁層400の凹凸構造460bと、第2の樹脂層860の凹凸構造は、互いに噛み合うように接着する。第2の樹脂層860を第2の絶縁層400と半導体部品800との間隙に充填することによって、配線基板60の第2の電極680と、半導体部品800の第5の電極820とは、第2の樹脂層860に埋設される。
図12(B)は、本開示の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体部品800を、第1の樹脂層840で包埋する工程を示す図である。半導体部品800は、第1の樹脂層840で包埋する。第1の樹脂層840は、半導体部品800の非回路面を覆うように形成する。第1の樹脂層840は配線基板60の第2の絶縁層400の第3面とも接する。第1の樹脂層840が第2の絶縁層400と接する第7の領域は凹凸構造460aを有する。第2の絶縁層400の第3面に位置する凹凸構造460aは、第1の樹脂層840で埋める。すなわち第1の樹脂層840は、第2の絶縁層400の凹凸構造460aを反映している。別言すると、第1の樹脂層840は、第2の絶縁層400と接する領域に凹凸構造を有する。第2の絶縁層400の凹凸構造460aと、第1の樹脂層840の凹凸構造は、互いに噛み合うように接着する。
図12(C)は、本開示の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体装置に半田ボールを配置する工程である。配線基板60の第1の電極380に、半導体装置1を外部基板に接続するための半田ボール900を配置する。半田ボールで半導体装置1を外部基板に接続することで、安価に実施できる効果がある。
以上のように、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法によると、第2の絶縁層400が第1の樹脂層840および第2の樹脂層860と接する第7の領域における第7の凹凸構造460を形成することができる。このような選択的な粗化面形成方法において、第2の絶縁層400に第7の凹凸構造460を形成することで、第1の樹脂層840および第2の樹脂層860の第2の絶縁層400と接する領域に凹凸構造が形成される。第1の樹脂層840および第2の樹脂層860の凹凸構造は、第2の絶縁層400の凹凸構造に嵌まるように形成される。第2の絶縁層400と、第1の樹脂層840および第2の樹脂層860との凹凸構造が互いに噛み合うように接着することによって、それぞれの密着性を向上し、剥離を防止することができる。これによって信頼性を向上した半導体装置を提供することができる。
本実施形態に係る半導体装置1の製造方法によると、第6の領域は第7の領域より小さい表面粗さを有することで、第2の配線640は小さい表面粗さを有するように形成することができる。導電体表面における粗面は、高周波帯域で駆動した際の表皮効果による導体抵抗の増加、すなわち導体損失の増加を引き起こす原因ともなりうる。第2の配線640と、第2の絶縁層400と接する領域を小さい表面粗さに形成することによって、高周波帯域における伝送特性を向上した半導体装置を提供することができる。
上述した、本開示の一実施形態に係る配線基板が備える第1の絶縁層における第1の凹凸構造および第2の凹凸構造をより詳細に説明する。
[参考例1]
本開示の参考例1に係る凹凸構造は、一実施形態に係る第2の凹凸構造であることから、その詳しい説明は省略する。
参考例1に係る第2の凹凸構造の各パラメータは以下の通りである。
凹部の形状:四角柱
凹部の高さ:2μm
凹部の幅:5μm
凹部の奥行:5μm
凹部のピッチ:15μm
[参考例2]
本開示の参考例2に係る凹凸構造は、一実施形態に係る第2の凹凸構造であることから、その詳しい説明は省略する。
参考例2に係る第2の凹凸構造の各パラメータは以下の通りである。
凹部の形状:四角柱
凹部の高さ:2μm
凹部の幅:5μm
凹部の奥行:5μm
凹部のピッチ:10μm
[参考例3]
本開示の参考例3に係る凹凸構造は、一実施形態に係る第1の凹凸構造であることから、その詳しい説明は省略する。
参考例3に係る第1の凹凸構造の各パラメータは以下の通りである。
凹部の形状:なし
凹部の高さ:0μm
凹部の幅:0μm
凹部の奥行:0μm
凹部のピッチ:0μm
本開示の一実施形態に係る配線基板が備える第1の領域における第1の凹凸構造および第2の領域における第2の凹凸構造の表面粗さを測定した。参考例1〜3の絶縁層の(A)上面における電子顕微鏡(SEM)写真、(B)上面における凹凸構造を示す等高線グラフ、および(C)断面における凹凸構造を示すグラフを図13〜15に示す。JIS B0601−2001に基づいて測定した参考例1〜3の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRzJISを表1に示す。
表1に示すように、第2の領域である参考例1および参考例2は、JIS B0601−2001に基づいて測定した表面粗さが、算術平均粗さRaが0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISが1.5以上2.5以下であった。一方で、第1の領域における表面粗さは、算術平均粗さRaが0.1以下であり、十点平均粗さRzJISが0.1以下であった。
1:半導体装置、10,20,30,40,50,60:配線基板、100:第1の絶縁層、110:型、120,120a,120b,120c:第1のトレンチ、140,140a,140b:第1の凹凸構造、160:第2の凹凸構造、180,180a,180b,180c:第1の貫通孔、200:第1の導電体、220:第2の導電体、340,340a,340b:第1の配線、360,360a,360b:第1の層間接続部、380,380a,380b:第1の電極、400:第2の絶縁層、460:第7の凹凸構造、540:第3の配線、640,640a,640b:第2の配線、660,660a,660b:第2の層間接続部、680,680a,680b:第2の電極、740:第4の配線、800:半導体部品、820:第5の電極、840:第1の樹脂層、860:第2の樹脂層、880:導電部材、900:半田ボール、

Claims (33)

  1. 2層以上の絶縁層を有する配線基板であって、
    第1面に第1の配線を備える第1の絶縁層と、
    前記第1面上に配置される第2の絶縁層と、を備え、
    前記第1の絶縁層が前記第1の配線と接する第1の領域より、前記第1の絶縁層が前記第2の絶縁層と接する第2の領域は大きい表面粗さを有する配線基板。
  2. 前記第2の領域の表面粗さは、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下の凹凸構造による請求項1に記載の配線基板。
  3. JIS B0601−2001に基づいて測定した前記第2の領域の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.5以上1.5以下であり、十点平均粗さRzJISは1.5以上2.5以下である請求項1または2に記載の配線基板。
  4. JIS B0601−2001に基づいて測定した前記第1の領域の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.1以下であり、十点平均粗さRzJISは0.1以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の配線基板。
  5. 前記配線基板は、前記第1の絶縁層を貫通して前記第1の配線と電気的に接続する第1の層間接続部をさらに備え、
    前記第1の領域は、前記第1の絶縁層が前記第1の層間接続部と接する第3の領域より小さい表面粗さを有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の配線基板。
  6. 前記配線基板は、前記第1の絶縁層の前記第1面とは反対側の第2面に配置され、前記第1の層間接続部と電気的に接続する第1の電極をさらに備え、
    前記第3の領域は、前記第1の絶縁層が前記第1の電極と接する第4の領域より小さい表面粗さを有する請求項5に記載の配線基板。
  7. 前記第1の領域において、底面は側面より小さい表面粗さを有する請求項1乃至6の何れか1項に記載の配線基板。
  8. 前記第1の配線は、
    前記第1の絶縁層の前記第1面に配置され、第1の方向に延長する第2の配線と、
    前記第1の絶縁層は前記第1面に配置され、前記第1の方向と直交する第2の方向に延長する第3の配線と、を含み、
    前記第2の配線は前記第3の配線より総延長が長く、
    前記第1の絶縁層が前記第2の配線と接する第5の領域は、前記第1の絶縁層が前記第3の配線と接する第6の領域より小さい表面粗さを有する請求項1乃至7の何れか1項に記載の配線基板。
  9. 前記第1の配線は伝送配線であって、
    前記配線基板の前記第1面に配置され、電源またはグランドと電気的に接続する第4の配線を備え、
    前記第1の領域は、前記第1の絶縁層が前記第4の配線と接する第7の領域より小さい表面粗さを有する請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の配線基板。
  10. 前記第2の絶縁層を貫通して前記第1の配線と電気的に接続する第2の層間接続部、前記第2の絶縁層の前記第1の絶縁層とは反対側の第3面に配置され、前記第2の層間接続部と電気的に接続する第5の配線、および前記第5の配線と電気的に接続する第2の電極、をさらに備える請求項1乃至9の何れか1項に記載された配線基板と、
    前記第3面上に間隙を介して配置され、前記第2の電極と電気的に接続する第3の電極を有する半導体部品と、
    前記第2の絶縁層の前記第3面と接し、前記半導体部品を包埋する第1の樹脂層と、
    を備える半導体装置。
  11. 前記間隙に配置される第2の樹脂層をさらに備える請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記第2の絶縁層が前記第5の配線と接する第8の領域より、前記第2の絶縁層が前記第1の樹脂層と接する第9の領域は大きい表面粗さを有し、
    前記第8の領域より、前記第2の絶縁層が前記第2の樹脂層と接する第10の領域は大きい表面粗さを有する請求項11に記載の半導体装置。
  13. JIS B0601−2001に基づいて測定した第8の領域の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.1以下であり、十点平均粗さRzJISは0.1以下である請求項12に記載の半導体装置。
  14. 前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、および前記第1の樹脂層は、同じ材料を含む請求項10乃至13の何れか1項に記載の半導体装置。
  15. 前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、および前記第1の樹脂層は、エポキシ樹脂を含む請求項14に記載の半導体装置。
  16. 前記第1の樹脂層は、第1のフィラーを含む請求項15に記載の半導体装置。
  17. 前記第1のフィラーの最大粒径は10μm以上100μm以下である請求項16に記載の半導体装置。
  18. 前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、および前記第2の樹脂層は、同じ材料を含む請求項11乃至13の何れか1項に記載の半導体装置。
  19. 前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、および前記第2の樹脂層は、エポキシ樹脂を含む請求項18に記載の半導体装置。
  20. 前記第2の樹脂層は、第2のフィラーを含む請求項19に記載の半導体装置。
  21. 前記第2のフィラーの最大粒径は1μm以上10μm以下である請求項20に記載の半導体装置。
  22. 前記配線基板は、
    前記第1の絶縁層を貫通して前記第1の配線と電気的に接続する第1の層間接続部と、
    前記第1の絶縁層の前記第1面とは反対側の第2面に配置され、前記第1の層間接続部と電気的に接続する第1の電極と、をさらに備え、
    前記第1の電極と電気的に接続する半田ボールをさらに備える請求項10乃至21の何れか1項に記載の半導体装置。
  23. 第1の絶縁層の第1面に配置され、第1の凹凸構造を有するトレンチと、前記第1面に配置され、前記第1の凹凸構造よりも大きい第2の凹凸構造と、前記トレンチと接続する貫通孔と、を形成し、
    前記トレンチに配置する第1の配線と、前記貫通孔に配置する層間接続部と、を形成し、
    前記第1面に、第2の絶縁層を積層する配線基板の製造方法。
  24. 前記トレンチと、前記第2の凹凸構造と、前記貫通孔と、を形成する方法は、インプリント法によって一括形成する請求項23に記載の配線基板の製造方法。
  25. 前記トレンチと、前記第2の凹凸構造と、前記貫通孔とを形成する方法は、前記第1の絶縁層の残渣を除去することを含む請求項24に記載の配線基板の製造方法。
  26. 前記第1の配線と、前記層間接続部と、を形成する方法は、
    前記第1面に、前記トレンチと前記第2の凹凸構造と前記貫通孔とを覆うように第1の導電体を形成し、
    前記第1の導電体と接し、前記トレンチと前記第2の凹凸構造と前記貫通孔とを埋めるように第2の導電体を形成し、
    前記第2の凹凸構造が露出するように、前記第1の導電体と前記第2の導電体とを除去することを含む請求項23乃至25の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
  27. 前記第1の配線と、前記層間接続部と、を形成する方法は、
    前記第1の導電体をスパッタリング法によって形成し、
    前記第2の導電体を電解メッキ法によって形成し、
    前記第2の凹凸構造が露出するように、前記第1の導電体と前記第2の導電体とは化学機械研磨によって除去する請求項26に記載の配線基板の製造方法。
  28. 前記第2の凹凸構造は、積層方向における高さが0.01μm以上3μm以下となるように形成する請求項23乃至27の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
  29. JIS B0601−2001に基づいて測定した前記第2の凹凸構造の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.5以上1.5以下で、十点平均粗さRzJISは1.5以上2.5以下となるように形成する請求項23乃至28の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
  30. 前記第1の凹凸構造は、
    JIS B0601−2001に基づいて測定した前記第1の凹凸構造の表面粗さが、算術平均粗さRaは0.1以下で、十点平均粗さRzJISは0.1以下である請求項23乃至29の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
  31. 前記第1の配線を形成することは、
    前記第1の絶縁層の前記第1面に配置され、第1の方向に延長する第2の配線と、
    前記第1の方向と直交する第2の方向に延長する第3の配線と、
    を形成し、
    前記第2の配線の総延長が、前記第3の配線の総延長より長いとき、前記第1の絶縁層が前記第2の配線と接する第5の領域は、前記第1の絶縁層が前記第3の配線と接する第6の領域より小さい表面粗さとなるように形成する請求項23乃至30の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
  32. 請求項1乃至9の何れか1項に記載された配線基板を準備し、
    前記配線基板に、前記第2の絶縁層を貫通して前記第1の配線と電気的に接続する第2の層間接続部、前記第2の絶縁層の前記第1の絶縁層とは反対側の第3面に配置され、前記第2の層間接続部と電気的に接続する第5の配線、および前記第5の配線と電気的に接続する第2の電極、を形成し、
    前記第2の電極と電気的に接続する第3の電極を有する半導体部品を、前記第3面上に間隙を介して配置し、
    前記第2の絶縁層の前記第3面と接し、前記半導体部品を包埋する第1の樹脂層を形成すること、
    を含む半導体装置の製造方法。
  33. 前記間隙に配置される第2の樹脂層をさらに形成する請求項32に記載の半導体装置の製造方法。
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