以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態における連携システムの全体概要の一例を示す図である。図1を参照して、連携システム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、スマートフォン200A,200B,200Cと、を含む。ここでは、3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが、それぞれスマートフォン200A,200B,200Cを携帯し、MFP100を同時に操作する場合を例にしている。
なお、ここでは、3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが、MFP100を同時に操作する場合を例に説明するが、ユーザーの数を限定するものではなく、一人以上がMFP100を操作してもよい。
MFP100は、情報処理装置の一例であり、表示部161と、タッチパネル165と、原稿を読み取る原稿読取部130と、データに基づいて用紙等に画像を形成する画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給する給紙部150とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置である。表示部161は、MFP100本体の上面に設けられる。タッチパネル165は、表示部161に上面または下面に重畳して設けられ、表示部161の表示面中で物体が接触した位置を検出する。タッチパネル165は、マルチタッチ対応のタッチパネルである。このため、表示部161の表示面の複数個所で一度に物体が接触する場合、タッチパネル165は、物体が接触した複数の位置を検出可能である。ここでの物体は、ユーザーの指の他、スマートフォン200A,200B,200Cを含む。
なお、タッチパネル165は、1つであってもよいし、複数を組み合わせてもよい。タッチパネル165が、複数のタッチパネルの組み合わせとする場合、例えば、表示部161の表示面を複数の領域に分割し、複数のタッチパネルを複数の領域それぞれに対応付けるようにすればよい。タッチパネル165は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれが、MFP100の周辺に位置する。MFP100は、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが参加する会議に用いることができる。ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれはMFP100の周辺に位置するので、表示部161の表示面の全体を視認可能な状態である。このため、会議のために準備されたデータを、MFP100に予め記憶しておくなどしておけば、そのデータを表示部161に表示させることにより、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCに同じデータを同時に見せることができる。また、MFP100のタッチパネル165は、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCがMFP100を操作するための入力装置として用いられる。例えば、MFP100に文書を編集するアプリケーションプログラムがインストールされている場合には、タッチパネル165をキーボードとして用いて、MFP100に文書を作成させるようにしてもよい。
スマートフォン200A,200B,200Cは、携帯装置の一例であり、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCによりそれぞれ携帯されて使用される。ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCは、スマートフォン200A,200B,200Cを表示部161の表示面上に置いている。このため、スマートフォン200A,200B,200Cは、表示部161の表示面で、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれが位置する方向の辺の近傍に配置されている。この場合、タッチパネル165がスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれを検出するので、MFP100は、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの位置を検出することができる。
MFP100およびスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、近距離無線通信機能を有し、相手の装置が所定の範囲内となる場合に互いに1対1で通信可能である。また、MFP100およびスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、無線LAN機能を有し、ネットワークに接続された無線基地局と通信可能である。無線基地局は、ネットワークの中継装置であり、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cと通信して、MFP100、スマートフォン200A、200B,200Cそれぞれをネットワークに接続する。このため、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、無線基地局と通信することにより、ネットワークを介して互いに通信可能である。ネットワークは、さらに、インターネットに接続されてもよい。この場合、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、インターネットに接続されたコンピューターと通信可能である。ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワークは、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。
本実施の形態における連携システム1において、スマートフォン200A,200B,200Cのいずれかと、MFP100とは連携して連携処理を実行可能である。例えば、スマートフォン200AとMFP100とは、近距離通信機能または無線LAN機能を用いて通信し、互いに連携して連携処理を実行する。連携処理は、一連の複数の処理を定める。連携処理により定められる一連の複数の処理は、MFP100で実行される装置側処理と、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理とを含む。例えば、携帯側処理を、データを選択する処理とし、装置側処理を、画像を形成する処理とする連携処理が、MFP100とスマートフォン200Aとで実行される場合、スマートフォン200Aを操作するユーザーAにより選択されたスマートフォン200Aに記憶されたデータの画像を、MFP100を操作するユーザーAにより設定された画像形成条件に従ってMFP100が用紙に形成する処理である。また、装置側処理を、データを選択する処理とし、携帯側処理を、データを送信する処理とする場合、MFP100とスマートフォン200Aとで実行される連携処理は、MFP100を操作するユーザーAにより選択されたMFP100に記憶されたデータを、スマートフォン200Aを操作するユーザーAにより設定された送信条件に従ってスマートフォン200Aが送信する処理である。送信条件は、例えば、スマートフォン200Aに記憶されたアドレス帳により宛先および送信方法がユーザーにより選択されることにより決定される。
なお、ユーザーが携帯する携帯装置の一例として、スマートフォン200A,200B,200Cを例に説明するが、ユーザーが携帯可能な装置であれば、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。
図2は、第1の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、表示部161と、タッチパネル165と、を含む。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM118が装着される外部記憶装置117と、近距離通信部119と、を含む。CPU111は、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、表示部161およびタッチパネル165と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
通信I/F部112は、MFP100をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、無線基地局およびネットワークを介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
近距離通信部119は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP(Generic Access Profile)等に基づき、スマートフォン200A,200B,200Cと無線により通信する。近距離通信部119は、例えば、スマートフォン200Aとの間の距離が通信可能な距離以下となると、スマートフォン200Aと通信する。近距離通信部119が通信可能な距離は、数mである。また、近距離通信部119は、NFC(Near Field Communication)の近距離無線通信方式で通信するようにしてもよい。この場合において、近距離通信部119が通信可能な距離は、数十cmである。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置117は、CD−ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM118に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの基本的なハードウェア構成および機能は同じなので、ここでは、スマートフォン200Aを例に説明する。
図3は、第1の実施の形態におけるスマートフォンのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、本実施の形態におけるスマートフォン200Aは、スマートフォン200Aの全体を制御するためのCPU201と、カメラ202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、通話部205と接続された無線通信部204と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作を受け付ける操作部207と、無線LANI/F208と、近距離通信部209と、GPS受信部210と、外部記憶装置211と、を含む。
表示部206は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部207は、メインキー207Aと、タッチパネル207Bとを備える。また、ユーザーが、表示部206の表示面を指示する場合、操作部207は、タッチパネル207Bにより検出される表示面の位置をCPU201に出力する。CPU201は、タッチパネル207Bによる検出された位置に基づいて、表示部206に表示されている画面中でユーザーにより指示された位置を検出する。CPU201は、表示部206に表示されている画面と、タッチパネル207Bによる検出された位置とに基づいて、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。例えば、表示部206にテンキーの画像を含む画面を表示する場合には、タッチパネル207Bによる検出された位置に表示されたキーに対応する数字を受け付ける。
カメラ202は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。
無線通信部204は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部204は、スマートフォン200Aを電話通信網に接続し、通話部205を用いた通話を可能とする。無線通信部204は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部205に出力する。また、無線通信部204は、通話部205から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部205は、マイクおよびスピーカーを備え、無線通信部204から入力される音声をスピーカーから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部204に出力する。さらに、無線通信部204は、CPU201により制御され、スマートフォン200Aを電子メールサーバーに接続し、電子メールを送受信する。
無線LANI/F208は、ネットワークに接続された無線局と通信し、スマートフォン200Aをネットワークに接続するためのインターフェースである。スマートフォン200Aに、MFP100のIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、スマートフォン200Aは、MFP100と通信することができ、データの送受信が可能となる。
近距離通信部209は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP等に基づき、他の装置、例えば、MFP100と無線により通信を行う。近距離通信部209は、例えば、MFP100との間の距離が通信可能な距離以下となると、MFP100と通信する。近距離通信部209が通信可能な距離は、数mである。また、近距離通信部209は、NFCの近距離無線通信方式で通信するようにしてもよい。この場合において、近距離通信部209が通信可能な距離は、数十cmである。
GPS受信部210は、GPS(Global Positioning System)衛星から発信される信号を受信し、受信された信号に基づいて現在位置を検出する。現在位置は、例えば緯度および経度である。GPS受信部210は、検出された現在位置をCPU201に出力する。
フラッシュメモリ203は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ203に記録されたプログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行する。
外部記憶装置211は、スマートフォン200Aに着脱自在であり、遠隔操作プログラムを記憶したCD−ROM211Aが装着可能である。CPU201は、外部記憶装置211を介してCD−ROM211Aにアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置211に装着されたCD−ROM211Aに記録された遠隔操作プログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行することが可能である。
なお、CPU201が実行するプログラムとして、フラッシュメモリ203またはCD−ROM210Aに記録されたプログラムについて説明したが、ネットワークに接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、スマートフォン200Aが、ネットワークに接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM211Aに限られず、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリであってもよい。
図4は、第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図4を参照して、MFP100が備えるCPU111は、装置側設定部31と、装置側実行部33と、連携モード切換部35と、継続状態検出部37と、装置検出部41と、経路確立部43と、解除通知部45と、維持部47と、連携処理決定部49と、携帯側設定値取得部51と、変更依頼部53と、を含む。
装置検出部41は、タッチパネル165および近距離通信部119を制御して、表示部161の表示面にスマートフォン200A,200B,200Cのいずれかの装置が置かれる場合に、その装置を検出する。表示部161の表示面にスマートフォン200A,200B,200Cのいずれかの装置、例えば、スマートフォン200Aが置かれる場合、タッチパネル165は、表示部161の表示面中で、スマートフォン200Aが置かれた位置を検出する。スマートフォン200Aが表示部161の表示面と接触する面積は、ユーザーの指の面積より大きいので、ユーザーの指の面積の上限をしきい値として予め定めておき、タッチパネル165が押下を検出する領域の面積がしきい値以上の場合に、スマートフォン200Aが置かれたと判断し、タッチパネル165が押下を検出する領域の面積がしきい値より小さい場合に、指によるユーザーの指示を検出する。
装置検出部41は、タッチパネル165がスマートフォン200Aの置かれた位置を検出することに応じて、近距離通信部119を制御して、周辺に存在する装置を探索するための探索コマンドを送信させる。スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、探索コマンドを受信する場合、自装置を識別するための装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。装置識別情報は、ネットワークにおいて割り当てられたネットワークアドレスを用いることができる。ネットワークアドレスは、例えば、IPアドレス(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスである。スマートフォン200Aは、表示部161の表示面に置かれる場合、探索コマンドを受信するので、応答コマンドを返信することになる。装置検出部41は、スマートフォン200Aが返信する応答コマンドを受信することにより、先にタッチパネル165により検出された位置に置かれた装置が、スマートフォン200Aであることを検出する。装置検出部41は、スマートフォン200Aを検出する場合、スマートフォン200Aを連携装置として登録する。具体的には、装置検出部41は、スマートフォン200Aの装置識別情報と、そのスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置情報との組からなる連携装置情報を、RAM114に記憶するとともに、連携モード切換部35および経路確立部43に連携指示を出力する。連携指示は、RAM114に記憶された連携装置情報に含まれる装置識別情報を含む。
装置検出部41は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる位置情報で特定される位置が、タッチパネル165により検出されなくなる場合、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れたと判断し、スマートフォン200Aを連携装置から削除する。具体的には、装置検出部41は、RAM114に記憶されたスマートフォン200Aの装置識別情報と位置情報との組を消去するとともに、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む離脱信号を連携モード切換部35に出力する。
ここで、装置検出部41は、タッチパネル165がスマートフォン200Aの置かれた位置を検出することに応じて、近距離通信部119を制御して探索コマンドを送信させる場合、スマートフォン200Aから受信する応答コマンドとは別に、スマートフォン200B,200Cから応答コマンドを受信する場合がある。この場合、装置検出部41は、複数の応答コマンドのうちから、後述する除外装置情報に含まれる装置識別情報を含む応答コマンドを処理対象から除外する。さらに、装置検出部41は、処理対象となる応答コマンドのうち、それに含まれる装置識別情報がRAM114に記憶された連携装置情報のいずれにも含まれない応答コマンドを処理対象に決定する。装置検出部41は、処理対象に決定した応答コマンドが1つの場合、その応答コマンドに含まれる装置識別情報で特定される装置がタッチパネル165により検出される位置に置かれたと判断する。
装置検出部41が処理対象に決定する応答コマンドが複数の場合がある。例えば、別のユーザーBが、スマートフォン200Bを表示部161の表示面に置くことなく、携帯したままMFP100の近くにいる場合である。この場合、装置検出部41は、表示部161を制御して、タッチパネル165により検出された位置の近傍に、複数の応答コマンドにそれぞれ含まれる複数の装置識別情報を選択可能な問合せ画面を表示する。スマートフォン200Aを携帯するユーザーが、問合せ画面に従って、スマートフォン200Aの装置識別情報を選択すれば、装置検出部41は、先にタッチパネル165により検出された位置に置かれた装置が、スマートフォン200Aであると判断し、スマートフォン200Aの装置識別情報と、そのスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置情報との組からなる連携装置情報を、RAM114に記憶するとともに、選択されなかった装置識別情報を、除外装置情報としてRAM114に記憶する。
なお、装置検出部41は、連携装置情報をRAM114に記憶する前に、ユーザーを認証するようにしてもよい。例えば、MFP100を使用することが認められたユーザーのユーザー識別情報と、そのユーザーに割り当てられた装置の装置識別情報とを関連付けた認証情報を予めHDD115に記憶しておき、連携装置情報に含まれる装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されている場合、連携装置情報をRAM114に記憶する。また、装置検出部41は、連携装置情報に含まれる装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されていない場合、連携装置情報をRAM114に記憶することなく、連携装置情報に含まれる装置識別情報を、除外装置情報としてRAM114に記憶する。これにより、MFP100に予め登録されたユーザーのみがMFP100を使用可能にすることができる。
経路確立部43は、近距離通信部119を制御して、連携指示に含まれる装置識別情報で特定される装置とネゴシエーションし、通信経路を確立する。例えば、スマートフォン200Aが表示部161の表示面にユーザーAにより置かれる場合、装置検出部41においてスマートフォン200Aが検出されるので、経路確立部43は、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立する。経路確立部43は、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立すると、スマートフォン200Aの装置識別情報と、通信経路を識別するための経路識別情報との組を連携モード切換部35および解除通知部45に出力する。経路確立部43は、確立した通信経路が切断される場合、切断された経路識別情報を含む切断信号を連携モード切換部35に出力する。通信経路が切断される場合は、例えば、スマートフォン200Aが近距離通信部119の通信可能な範囲の外に出た場合、スマートフォン200Aが通信経路を切断する場合を含む。なお、経路確立部43は、通信I/F部112を制御して、スマートフォン200Aと通信経路を確立するようにしてもよい。
なお、近距離通信部119がNFCの通信方式で通信する場合、ユーザーAがスマートフォン200Aを、近距離通信部119のアンテナに近づけた後に、表示部161の表示面上に置くようにしてもよい。この場合、装置検出部41は、近距離通信部119およびタッチパネル165を制御して、近距離通信部119がスマートフォン200Aを検出し、通信経路を確立した後、所定時間以内にタッチパネル165でスマートフォン200Aが置かれた位置を検出する。
連携モード切換部35は、動作モードを、単独モードと連携モードとのいずれかに切り換える。連携モード切換部35は、動作モードを、スマートフォン200A,200B,200Cごとに切り換える。第1の実施の形態においては、複数のユーザーが同時にMFP100を操作するので、動作モードは、ユーザーごとに切り換えられる。ユーザーによってMFP100の動作モードが異なる場合がある。このため、連携モード切換部35は、装置識別情報に対応する動作モードを決定する。例えば、連携モード切換部35は、スマートフォン200Aに対して、動作モードを、スマートフォン200Aと連携して動作する連携モードと、スマートフォン200Aと連携することなく単独で動作する単独モードとのいずれかに切り換える。連携モード切換部35は、装置識別情報と、単独モードおよび連携モードのいずれかの動作モードとを示す動作モード信号とを、装置側設定部31、装置側実行部33および継続状態検出部37に出力する。
連携モード切換部35は、連携設定部71と、解除部69と、を含む。連携設定部71は、動作モードを単独モードから連携モードに切り換え、解除部69は、動作モードを連携モードから単独モードに切り換える。連携設定部71は、装置検出部41から連携指示が入力され、連携指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報と経路識別情報との組が経路確立部43から入力されることに応じて、装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換える。
解除部69は、離脱信号が入力される場合、後述する継続状態検出部37から継続状態であることを示す継続信号が入力されていなければ動作モードを連携モードから単独モードに切り換える。継続信号は、スマートフォン200A,200B,200Cいずれかの装置識別情報を含む。解除部69は、離脱信号が入力される場合、その離脱信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む継続信号が入力されていない場合、離脱信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換える。解除部69は、装置検出部41から離脱信号が入力される場合、その離脱信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む継続信号が入力される場合、離脱信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えることなく、連携モードを維持する。
解除部69は、装置検出部41から離脱信号が入力される場合に連携モードを維持する場合、近距離通信部119がスマートフォン200Aと通信できなくなると、動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、維持部47および連携設定部71に維持指示を出力する。具体的には、解除部69は、装置検出部41から離脱信号が入力されて連動モードを維持した後に離脱信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む切断信号が経路確立部43から入力される場合、切断信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、維持部47および連携設定部71に維持指示を出力する。維持指示は、切断信号に含まれる装置識別情報を含む。
解除部69は、後述する装置側設定値設定部63から連携終了指示が入力される場合がある。連携終了指示の詳細は後述するが、例えば、ユーザーAが連携処理の終了を指示する場合に装置側設定値設定部63から出力され、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。解除部69は、装置側設定値設定部63から連携終了指示が入力される場合、連携終了指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、解除通知部45に終了通知指示を出力する。終了通知指示は、連携終了指示に含まれる装置識別情報を含む。
解除通知部45は、終了通知指示が入力されることに応じて、経路確立部43から入力される装置識別情報と経路識別情報との組を参照して、終了通知指示に含まれる装置識別情報と組になる経路識別情報を特定し、特定された経路識別情報を介して、連携処理の終了を、スマートフォン200Aに通知する。これにより、ユーザーAはMFP100を操作して、MFP100と、スマートフォン200Aとの連携を終了させることができ、連携が終了したことをスマートフォン200Aで確認することができる。
連携設定部71は、解除部69から維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む連携指示が装置検出部41から入力される場合、再接続と判断する。連携設定部71は、再接続と判断する場合、連携指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報と経路識別情報との組が経路確立部43から入力されることに応じて、装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換えるとともに、復帰指示を連携処理決定部49に出力する。復帰指示は、維持指示に含まれる装置識別情報を含む。
装置側実行部33は、複数種類の処理を実行可能である。装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理は、原稿読取処理、画像形成処理、データ送受信処理、ファクシミリ送受信処理およびデータ管理処理を含む。装置側実行部33が実行可能な処理は、原稿読取処理、画像形成処理、データ送受信処理、ファクシミリ送受信処理およびデータ管理処理の少なくとも2つを組み合わせた処理を含む。なお、装置側実行部33が実行可能な処理は、これらに限定されることなく、より少なくてもよいし、より多くの種類の処理を含んでもよい。
原稿読取処理は、原稿読取部130で原稿を読み取って得られる画像データをRAM114に記憶する処理である。原稿読取処理を実行するために用いられる設定値は、原稿の読み取り面、原稿がカラーまたはモノクロの別、読取解像度、画質、濃度、スタンプまたはページ印字の有無、読み取った画像の周辺を削除する枠消し、先鋭化などの画像処理の有無、RAM114に記憶する画像データのファイル形式および名称、原稿のサイズ、原稿の枚数、原稿の種類を含む。原稿の種類は、サイズの異なる原稿の有無、複数ページが形成されていることを示すブック原稿を含む。
画像形成処理は、データの画像を画像形成部140に給紙部150から供給される用紙に画像形成させる処理である。画像形成処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、カラーおよびモノクロの別、用紙サイズ、用紙の種類、印刷部数、給紙トレイの指定、後処理の有無、画像を形成する面(片面または両面)、原稿の向き等を含む。後処理の有無は、ソート、ステープル、パンチの有無等を含む。
データ送受信処理は、通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピューターからデータを受信する処理、または、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータを通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピューターに送信する処理である。データ送受信処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、データの解像度、カラーおよびモノクロの別、ファイル形式を含む。
ファクシミリ送受信処理は、ファクシミリデータの画像をファクシミリ部116に送信させる処理、または、ファクシミリデータの画像を外部から受信する処理である。ファクシミリ送受信処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、ファクミリ回線の設定、送信する時刻を指定する設定値、パスワード、Fコードを含む。
データ管理処理は、HDD115または外部記憶装置117にデータを記憶する処理、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータを変更または削除する処理、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータのうちから1以上を処理対象に選択する処理である。データを変更する処理は、データを編集する処理、フォーマットを変更する処理を含む。データ管理処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、HDD115にフォルダを作成する際のフォルダ名、フォルダに設定されているパスワード、データを検索するための検索文字列、フォルダのタイプ、文書削除時間等である。
装置側実行部33は、単独モードで処理を実行する装置単独実行部65と、連携モードで処理を実行する装置側連携処理実行部67と、を含む。装置単独実行部65および装置側連携処理実行部67は、装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理を実行可能である。以下、装置単独実行部65が実行する処理を、装置単独処理といい、装置側連携処理実行部67が実行する処理を装置側処理という。
装置側設定部31は、ユーザーがタッチパネル165に入力する操作に基づいて、装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理のうち1以上と、1以上の処理を実行するために用いる設定値と、を設定する。例えば、ユーザーAは、スマートフォン200Aを表示部161の表示面に置いた位置の近くに位置する。このため、装置側設定部31は、タッチパネル165が、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置から所定の範囲内で、ユーザーの操作を検出する場合、検出された操作をユーザーAによる操作に決定する。また、装置側設定部31は、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置から所定の範囲内に、操作画面を表示し、タッチパネル165により検出される操作画面中の位置に基づいて、ユーザーAの操作を決定する。操作画面は、装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理のいずれかを選択するための画面と、選択された処理を実行するために用いられる設定値を設定するための画面と、を含む。ここでは、ユーザーAがタッチパネル165に操作を入力する場合を例に説明する。
装置側設定部31は、装置単独設定値設定部61と、装置側設定値設定部63と、を含む。装置単独設定値設定部61は、装置単独実行部65が実行する装置単独処理と、装置単独処理を装置単独実行部65が実行するための装置単独設定値を単独モードで設定する。装置単独設定値設定部61は、設定された装置単独処理を識別するための処理識別情報と、装置単独設定値と、スマートフォン200Aの装置識別情報と、を装置単独実行部65に出力する。装置単独実行部65は、ユーザーAによる装置単独処理の実行を指示する操作を検出すると、装置単独設定値設定部61により設定された装置単独処理を、装置単独設定値に従って実行する。
装置側設定値設定部63は、装置側連携処理実行部67が実行する装置側処理と、装置側処理を装置側連携処理実行部67が実行するための装置側設定値と、を連携モードで設定する。装置側設定値設定部63は、設定された装置側処理を識別するための処理識別情報と、装置側設定値と、スマートフォン200Aの装置識別情報との組を、装置側連携処理実行部67、維持部47および継続状態検出部37に出力する。装置側連携処理実行部67は、例えば、ユーザーAによる連携処理の実行を指示する操作を検出すると、スマートフォン200Aと連携して、装置側設定値設定部63により設定された装置側処理を、装置側設定値に従って実行する。具体的には、装置側連携処理実行部67は、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理と同期して装置側処理を実行する。例えば、装置側連携処理実行部67は、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理の実行状態をスマートフォン200Aから取得し、装置側処理を実行する。装置側処理が、携帯側処理より前に実行される場合には、スマートフォン200Aで携帯側処理を実行可能な状態であることが確認できた後に、装置側処理を実行する。装置側処理が、携帯側処理より後に実行される場合には、スマートフォン200Aで携帯側処理が終了したことを確認できた後に、装置側処理を実行する。
装置側設定値設定部63は、装置側連携処理実行部67により装置側処理が実行されると、装置側設定値を消去するとともに、解除部69に連携終了指示を出力する。また、装置側設定値設定部63は、例えばユーザーAによる連携処理の設定の終了を指示する操作を検出すると、解除部69に連携終了指示を出力する。連携終了指示は、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。
図5は、操作画面の一例を示す図である。図5を参照して、操作画面300は、表示部161の表示面中で、スマートフォン200Aが置かれた位置を含む一部の領域に表示される。操作画面300は、単独モードで有効な単独領域301と、設定値を設定するための設定画面が表示される設定値領域303と、連携モードで有効な連携領域305と、を含む。なお、図中の点線は、単独領域301、設定値領域303および連携領域305を区別するために付したもので、実際には存在しない。単独領域301、設定値領域303および連携領域305を区別するために、境界線を操作画面300に付すようにしてもよいし、単独領域301、設定値領域303および連携領域305の背景の色を異なるようにしてもよい。
単独領域301は、動作モードが単独モードの場合にユーザーによる操作を受け付け可能となる。単独領域301は、装置単独処理を選択するための複数のボタンを含む。複数のボタンは、ここでは、「コピー」の文字が表された原稿読取処理および画像形成処理を選択するためのボタンと、「スキャン」の文字が表された原稿読取処理を選択するためのボタンと、「印刷」の文字が表されたデータ管理処理および画像形成処理を選択するためのボタンと、「送信」の文字が表されたデータ送受信処理を選択するためのボタンと、「ボックス」の文字が表されたデータ管理処理を選択するためのボタンと、を含む。
連携領域305は、動作モードが連携モードの場合にユーザーによる操作を受け付け可能となる。連携領域305は、スマートフォン200Aが置かれた位置を含み、スマートフォン200Aが置かれた領域の周辺に、携帯側処理を選択するための複数のボタンを含む。ここでは、複数のボタンは、「送信」の文字が表されたデータ送受信処理を選択するためのボタンと、「印刷」の文字が表された画像形成処理を選択するためのボタンと、「ボックス」、「プレビュー」、「OCR」および「編集」の文字がそれぞれ表されたデータ管理処理を選択するための4つのボタンと、を含む。
設定値領域303は、単独モードの場合は、単独領域301において選択された装置単独処理を実行するために用いられる装置単独設定値を設定するための設定画面が表示され、連携モードの場合は、連携領域305において選択された装置側処理を実行するために用いられる装置側設定値を設定するための設定画面が表示される。
単独モードにおいては、ユーザーは、単独領域301および設定値領域303に対して操作を入力することにより、装置単独処理の選択と、装置単独設定値の設定とが可能となる。また、連携モードにおいては、ユーザーは、連携領域305および設定値領域303に対して操作を入力することにより、装置側処理の選択と、装置側設定値の設定とが可能となるともに、スマートフォン200Aを操作して、携帯側処理の選択と、携帯側設定値の設定とが可能となる。
図4に戻って、携帯側設定値取得部51は、近距離通信部119を制御して、経路確立部43によりスマートフォン200Aとの間で確立された通信経路を介して、スマートフォン200Aから携帯側情報を受信する。携帯側情報の詳細は、後述するが、スマートフォン200Aにより設定され、スマートフォン200Aが実行する予定の携帯側処理を識別するための処理識別情報と、携帯側処理を実行するために用いられる携帯側設定値とを含む。携帯側設定値取得部51は、携帯側情報を受信することに応じて、スマートフォン200Aの装置識別情報と携帯側情報とを維持部47および連携処理決定部49に出力する。なお、携帯側設定値取得部51は、装置検出部41によりスマートフォン200Aの表示部161の表示面からの離脱が検出され、解除部69により連携モードが維持された後に、スマートフォン200Aから携帯側処理情報を受信するようにしてもよい。この場合には、スマートフォン200Aとの間の通信量をできるだけ低減することができる。
維持部47は、装置側設定値設定部63から処理識別情報と、装置側設定値と、装置識別情報との組が入力され、携帯側設定値取得部51から装置識別情報と携帯側情報とが入力される。維持部47は、解除部69から維持指示が入力されることに応じて、維持指示に含まれる装置識別情報と組になる処理識別情報および装置側設定値と、その装置識別情報と組になる携帯側情報であって携帯側設定値取得部51から最後に入力された携帯側情報と、を装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶する。
連携処理決定部49は、連携設定部71から復帰指示が入力されることに応じて、復帰指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組と、携帯側情報とをRAM114から読出し、読み出した携帯側情報を、切断前情報に決定する。連携処理決定部49は、連携設定部71から復帰指示が入力された後に、携帯側設定値取得部51から入力される装置識別情報と携帯側情報との組のうち、復帰指示に含まれる装置識別情報と組になる携帯側情報を接続後情報に決定する。
連携処理決定部49は、切断前情報、接続後情報、復帰指示が入力されることに応じてRAM114から読出した処理識別情報および装置側設定値に基づいて、実行対象となる連携処理を決定する。具体的には、切断前情報と接続後情報とが同じ場合、それらにより定まる携帯側処理と、処理識別情報および装置側設定値により定まる装置側処理とを含む連携処理を決定する。連携処理決定部49は、装置側設定値設定部63に、装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組を出力する。
連携処理決定部49は、切断前情報と接続後情報とが異なる場合、切断前情報より定まる第1携帯側処理と処理識別情報および装置側設定値により定まる装置側処理とを含む第1の連携処理と、接続後情報より定まる第2携帯側処理と処理識別情報および装置側設定値により定まる装置側処理とを含む第2の連携処理と、を決定する。連携処理決定部49は、第1の連携処理と第2の連携処理とのいずれかを選択可能な選択画面を、表示部161に表示し、ユーザーAが選択した一方を決定する。連携処理決定部49は、第1の連携処理を決定する場合、装置識別情報と切断前情報とを変更依頼部53に出力するとともに、装置側設定値設定部63に、装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組を出力し、第2の連携処理を決定する場合、装置側設定値設定部63に、装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組を出力する。
装置側設定値設定部63は、連携処理決定部49から装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組が入力される場合、連携処理の設定を継続するために、処理識別情報および装置側設定値を、装置識別情報に対応する装置側処理のために設定する。これにより、ユーザーAは、装置側設定値を、スマートフォン200AがMFP100から離れて通信回線が切断される前に設定した状態から継続して設定することができる。
変更依頼部53は、連携処理決定部49から装置識別情報と切断前情報との組が入力される場合、経路確立部43により確立された通信経路のうち、装置識別情報と組になる経路識別情報で特定される通信経路を介して、スマートフォン200Aに切断前情報を含む設定変更依頼を送信する。これにより、ユーザーAは、スマートフォン200Aを操作して、携帯側設定値を、スマートフォン200AがMFP100から離れて通信回線が切断される前に設定した状態から継続して設定することができる。連携処理決定部49において第2の連携処理が決定される場合は、変更依頼部53は設定変更依頼を送信しないので、ユーザーAは、スマートフォン200Aを操作して、スマートフォン200AがMFP100から離れて通信回線が切断された後に携帯側設定値を設定した状態から継続して設定することができる。
継続状態検出部37は、連携モード切換部35から装置識別情報と動作モード信号とが入力される。動作モード信号は、連動モードと単独モードとのいずれかを示す。継続状態検出部37は、装置状態検出部73と、携帯状態検出部77と、ユーザー設定部75と、を含む。装置状態検出部73は、連携モード切換部35から入力される動作モード信号のうちに連携モードを示す動作モード信号が含まれていれば、MFP100の状態に基づいて継続状態を検出する。装置状態検出部73は、MFP100の状態が継続状態の場合、MFP100の装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。
装置状態検出部73は、装置操作検出部81と、エラー検出部83と、を含む。装置操作検出部81は、装置側設定値設定部63により装置設定値が設定されるごとに、装置側設定値設定部63からスマートフォン200A,200B,200Cいずれかの装置識別情報と、処理識別情報と、装置側設定値との組が入力される。装置操作検出部81は、連携モード切換部35から入力される装置識別情報と動作モード信号との組に基づいて、連携モードを示す動作モード信号と組になる装置識別情報を特定する。装置操作検出部81は、特定した装置識別情報と組になる処理識別情報と装置設定値が最後に入力されてからの経過時間が所定の時間内である間、特定した装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。換言すれば、装置操作検出部81は、例えば、スマートフォン200AとMFP100とを操作するユーザーAが、連携処理の設定をしている間で、MFP100に装置側設定値を設定する操作をしている間、継続信号を出力する。
エラー検出部83は、MFP100が備えるハードウェア資源でエラーが発生している間、連携モード切換部35にMFP100の装置識別情報を含む継続信号を出力する。ハードウェア資源は、画像形成部140、給紙部150を含む。例えば、スマートフォン200AとMFP100とを操作するユーザーAが、連携処理の設定をしている間で、画像形成部140および給紙部150でエラーが発生し、ユーザーAがエラーの回復作業をしている間、エラー検出部83は、連携モード切換部35にスマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を出力する。画像形成部140および給紙部150は、消耗品を有し、消耗品を交換または補充すればエラーから回復する。消耗品は、画像形成部140において、トナー、感光体ドラム、現像ローラー、定着ローラーを含む。給紙部150における消耗品は、用紙を含む。また、用紙の搬送経路で用紙が詰まるエラーが発生する場合、詰まった用紙を取り除くまで、エラー検出部83は、連携モード切換部35にMFP100の装置識別情報を含む継続信号を出力することができる。なお、ユーザーA、ユーザーBおよびユーザーBがMFP100を操作している場合には、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの装置識別情報を含む継続信号を出力する。
ユーザー設定部75は、常に継続状態とすることが設定されている場合には、連携モード切換部35にMFP100の装置識別情報を含む継続信号を出力する。これにより、例えば、スマートフォン200AとMFP100とが連携している間に、スマートフォン200AがMFP100の表示部161の表示面から離れても連携モードを継続することができる。なお、ユーザーA、ユーザーBおよびユーザーBがMFP100を操作している場合には、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの装置識別情報を含む継続信号を出力する。
携帯状態検出部77は、動作モード信号が連携モードを示す装置識別情報を特定する。ここでは、スマートフォン200Aの装置識別情報を特定する場合を例に説明する。携帯状態検出部77は、特定した装置識別情報で特定されるスマートフォン200Aの状態に基づいて継続状態を検出する。携帯状態検出部77は、スマートフォン200Aの状態が継続状態の場合、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。
携帯状態検出部77は、アプリ検出部85と、携帯操作検出部87と、を含む。アプリ検出部85は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる経路識別情報で特定される通信経路を介して、スマートフォン200Aにカレント状態で実行しているアプリケーションプログラムを問い合わせる。カレント状態とは、ユーザーに対するデータの出力が可能な状態またはユーザーによる入力を受け付けることが可能な状態である。例えば、スマートフォン200AとMFP100とを操作するユーザーAが、連携処理の設定をしている間に、スマートフォン200Aが、MFP100と連携するためのアプリケーションプログラムとは別の予め定められたアプリケーションプログラムをカント状態で実行する場合がある。予め定められたアプリケーションプログラムは、限定するものではないが、例えば、通話のためのアプリケーションプログラム、電子メールを受信するアプリケーションプログラムを含む。スマートフォン200Aが、電話を着信する場合にユーザーAが通話を優先する場合があり、また、スマートフォン200Aが電子メールを受信する場合にユーザーAが電子メールの閲覧を優先する場合があるからである。携帯状態検出部77は、スマートフォン200Aが予め定められたアプリケーションプログラムをカレント状態で実行している間、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。これにより、ユーザーAがスマートフォン200Aを手に取って、MFP100の表示部161の表示面から離す場合に、連携モードを継続させることができる。
携帯操作検出部87は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる経路識別情報で特定される通信経路を介して、スマートフォン200Aに操作状態を問い合わせる。スマートフォン200Aにおいて、MFP100と連携するためのアプリケーションプログラムが実行されており、ユーザーAが携帯側設定値を入力してから所定時間が経過するまで、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。例えば、ユーザーAが携帯側設定値を決定するために、データを調べるなどのためにスマートフォン200Aを手に取って、MFP100の表示部161の表示面から離す場合がある。そのような場合でも、連携モードを継続させることができる。
なお、継続条件を、ユーザーが設定するようにしてもよい。継続条件を設定するための継続条件設定画面を、表示部161に表示し、ユーザーが継続条件設定画面に従って入力する操作に従って、継続条件を設定する。継続条件は、装置操作検出部81、エラー検出部83、アプリ検出部85、携帯操作検出部87およびユーザー設定部75の少なくとも1つを有効にする条件である。
図6は、継続条件設定画面の一例を示す図である。図6を参照して、継続条件設定画面310は、継続条件を設定するか否かを設定する領域311と、継続条件を設定する領域312〜315と、を含む。領域311に左側に、「連携モードの自動継続」の文字を含む項目が配置されており、領域311に「継続する」または「継続しない」のいずれかが設定される。領域311に「継続する」が設定される場合、継続条件を設定することが設定され、領域312〜315の設定が可能となる。
領域312は、継続条件として、連携装置、ここではスマートフォン200Aで予め定められたアプリケーションプログラムが実行中であることを設定するための領域である。領域312がユーザーにより指示されて印が付される場合、領域312Aにおいてアプリケーションプログラムの指定が可能となる。領域312Aにおいては、1以上のアプリケーションプログラムの指定が可能である。スマートフォン200Aにおいて、領域312Aで指定されたアプリケーションプログラムがカレント状態で実行されている間、継続条件が成立する。
領域313は、継続条件として、装置側設定値または携帯側設定値を設定中であることを設定するための領域である。領域313がユーザーにより指示されて印が付される場合、MFP100において装置側設定値を設定してから所定の時間内で継続条件が成立し、また、スマートフォン200Aにおいて携帯側設定値を設定してから所定の時間内で継続条件が成立する。
領域314は、継続条件として、連携装置のバッテリー残量がしきい値T以下であることを設定するための領域である。領域314がユーザーにより指示されて印が付される場合、スマートフォン200Aのバッテリー残量がしきい値T以下で、継続条件が成立する。
領域314は、継続条件として、ユーザーによる指示に従うことが設定される。領域314がユーザーにより指示されて印が付される場合、MFP100は、継続するか否かを問合せる問合せ画面を表示部161に表示し、ユーザーが継続することを指示する場合に、継続条件が成立する。
ユーザーは、領域312〜314の1つ以上を指示して印を付すことが可能である。換言すれば、1以上の継続条件が設定される場合、1以上の継続条件の少なくとも1つが成立すれば、継続条件が成立する。
図7は、第1の実施の形態におけるスマートフォンが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図7に示す機能は、スマートフォン200Aが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、CD−ROM211Aに記憶された携帯側連携プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。携帯側連携プログラムは、連携プログラムの一部である。以下、CPU201が、携帯側連携プログラムを実行するタスクを、連携タスクという。
図7を参照して、CPU201は、通信制御部250と、携帯側設定部251と、携帯側実行部253と、継続判断部255と、設定値送信部257と、変更受付部259と、を含む。
CPU201は、複数種類のアプリケーションプログラムを実行する。ここでは、スマートフォン200Aに、携帯側連携プログラムと、電話の通話を可能にするアプリケーションプログラムと、電子メールを送受信するアプリケーションプログラムと、インターネットに配置されたWebページを閲覧するためのブラウジングプログラムが少なくともインストールされている場合を例に説明する。なお、スマートフォン200Aにインストールされるアプリケーションプログラムは、これらに限定されるものではない。以下、CPU201が携帯側連携プログラムを実行するタスクを、連携タスクといい、CPU201が携帯側連携プログラム以外のアプリケーションプログラムを実行するタスクを、アプリタスクという。携帯側連携プログラム以外のアプリケーションプログラムは、ここでは、電話の通話を可能にするアプリケーションプログラム、電子メールを送受信するアプリケーションプログラムおよびブラウジングプログラムである。
携帯側実行部253は、複数種類の処理を実行可能である。携帯側実行部253が実行可能な複数種類の処理は、スマートフォン200Aにインストールされるアプリケーションプログラムにより決定される。携帯側実行部253は、携帯単独実行部265と、携帯側連携処理実行部267と、を含む。
携帯側設定部251は、ユーザーが操作部207に入力する操作に基づいて、携帯側実行部253が実行可能な複数種類の処理のうち1以上と、1以上の処理を実行するために用いる設定値と、を設定する。携帯側設定部251は、携帯単独設定値設定部261と、携帯側設定値設定部263と、を含む。携帯単独設定値設定部261および携帯単独実行部265は、アプリタスクである。携帯側設定値設定部263、携帯側連携処理実行部267、継続判断部255、設定値送信部257、変更受付部259および通信制御部250は、連携タスクである。
通信制御部250は、近距離通信部209を制御して、MFP100から探索コマンドを受信することに応じて、自装置の装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。さらに通信制御部250は、近距離通信部209を制御して、MFP100から接続要求を受信することに応じて、MFP100とネゴシエーションして、通信経路を確立する。通信制御部250は、MFP100の装置識別情報と、MFP100との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報と、を設定値送信部257および変更受付部259に出力する。本実施の形態においては、ユーザーAがスマートフォン200AをMFP100の表示部161の表示面に置くと、MFP100が通信経路を確立するために接続要求を送信してくるので、通信制御部250は、ユーザーAがスマートフォン200AをMFP100の表示部161の表示面に置くと通信経路を確立することになる。なお、通信制御部250は、近距離通信部209が、MFP100との間で確立された通信経路で通信不可能になると、通信経路を切断し、通信経路が切断されたことを設定値送信部257および変更受付部259に通知する。なお、通信制御部250は、無線LANI/F208を制御して、MFP100から接続要求を受信することに応じて、MFP100との間で通信経路を確立するようにしてもよい。
携帯単独設定値設定部261は、アプリタスクがカレント状態で、携帯単独実行部265が実行する携帯単独処理と、携帯単独処理を携帯単独実行部265が実行するための携帯単独設定値を設定する。カレント状態は、操作部207に入力されるユーザーによる操作を受付可能な状態であり、非カレント状態は、操作部207に入力されるユーザーによる操作を受付不可能な状態である。携帯単独設定値設定部261は、設定された携帯単独処理を識別するための処理識別情報と、携帯単独設定値と、を携帯単独実行部265に出力する。携帯単独実行部265は、アプリタスクがカレント状態で、操作部207が携帯単独処理の実行を指示する操作を検出すると、携帯単独設定値設定部261により設定された携帯単独処理を、携帯単独設定値に従って実行する。
携帯側設定値設定部263は、連携タスクがカレント状態で、携帯側連携処理実行部267が実行する携帯側処理と、携帯側処理を携帯側連携処理実行部267が実行するための携帯側設定値と、を設定する。携帯側設定値設定部263は、設定された携帯側処理を識別するための処理識別情報と、携帯側設定値との組を、携帯側連携処理実行部267、設定値送信部257に出力する。携帯側連携処理実行部267は、MFP100から連携処理の実行が指示されると、MFP100と連携して、携帯側設定値設定部263により設定された携帯側処理を、携帯側設定値に従って実行する。具体的には、携帯側連携処理実行部267は、MFP100と同期して携帯側処理を実行する。例えば、携帯側連携処理実行部267は、MFP100で実行される装置側処理の実行状態をMFP100から取得し、携帯側処理を実行する。携帯側処理が、装置側処理より前に実行される場合にはMFP100で装置側処理を実行可能な状態であることが確認できた後に、携帯側処理を実行する。携帯側処理が、装置側処理より後に実行される場合には、MFP100で装置側処理が終了したことを確認できた後に、携帯側処理を実行する。
携帯側設定値設定部263は、携帯側連携処理実行部267により携帯側処理が実行される場合、または、ユーザーAによる連携処理の設定の終了を指示する操作を検出する場合、携帯側設定値を消去する。
設定値送信部257は、携帯側設定値設定部263から処理識別情報と携帯側設定値との組が入力されることに応じて、それらをMFP100に送信する。具体的には、通信制御部250から入力される経路識別情報で特定される通信経路を特定し、近距離通信部209を制御して、MFP100に処理識別情報と携帯側設定値との組を送信する。なお、設定値送信部257は、通信制御部250から通信経路が切断されたことが通知される場合には、携帯側設定値設定部263から処理識別情報と携帯側設定値との組が入力されてもそれらを送信しない。
変更受付部259は、通信制御部250から経路識別情報が入力された後、近距離通信部209がMFP100から設定変更依頼を受信する場合、その設定変更依頼を受け付ける。設定変更依頼は、切断前情報を含む。変更受付部259は、設定変更依頼を継続判断部255に出力する。
継続判断部255は、変更受付部259から設定変更依頼が入力されることに応じて、設定変更指示を携帯側設定値設定部263に出力する。設定変更指示は、設定変更依頼に含まれる切断前情報を含む。切断前情報は、近距離通信部119により通信経路が切断される前に、装置側設定値設定部63により設定された処理識別情報と携帯側設定値とを含む。
携帯側設定値設定部263は、継続判断部255から設定変更指示が入力される場合、それまでに設定されている処理識別情報と携帯側設定値とを、設定変更指示に含まれる処理識別情報と携帯側設定値とで更新する。これにより、近距離通信部119により通信経路が切断される前に設定されていた処理識別情報と携帯側設定値とが設定された状態から、携帯側設定値の設定を継続することができる。
<第1の変形例>
携帯側設定値設定部263は、通信制御部250がMFP100との間で確立した通信経路が切断された段階で、携帯側設定値をリセットするようにしてもよい。携帯側設定値のリセットは、携帯側設定値の消去または、デフォルト値での更新を含む。
この場合、MFP100においては、連携処理決定部49は、連携設定部71から復帰指示が入力されることに応じて、復帰指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組と、携帯側情報とをRAM114から読出し、読みだされた携帯側情報を切断前情報に設定する。連携処理決定部49は、連携設定部71から復帰指示が入力された後に、携帯側設定値取得部51から入力される装置識別情報と携帯側情報との組のうち、復帰指示に含まれる装置識別情報と組になる携帯側情報を接続後情報に決定する。そして、連携処理決定部49は、第1の連携処理を決定する場合、装置識別情報と切断前情報とを変更依頼部53に出力し、第2の連携処理を決定する場合、装置識別情報と接続後情報とを変更依頼部53に出力する。
変更依頼部53は、連携処理決定部49から装置識別情報と切断前情報との組と、装置識別情報と接続後情報との組と、のいずれかが入力される。変更依頼部53は、連携処理決定部49から装置識別情報と切断前情報との組が入力される場合、スマートフォン200Aに切断前情報を含む設定変更依頼を送信し、装置識別情報と接続後情報との組が入力される場合、スマートフォン200Aに接続後情報を含む設定変更依頼を送信する。これにより、ユーザーAは、スマートフォン200Aを操作して、携帯側設定値を、スマートフォン200AがMFP100から離れて通信回線が切断される前に設定した状態から継続して設定することができる。
図8は、第1の実施の形態における連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。連携処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、表示部161の表示面中が指示されたか否かを判断する(ステップS01)。具体的には、タッチパネル165を制御して、タッチパネル165が物体が接触した位置を検出すると、表示部161の表示面が指示されたことを検出する。表示部161の表示面が指示されたならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。
次のステップS02においては、表示部161の表示面が指示された領域の面積が、所定のサイズ以上か否かを判断する。所定のサイズは、ユーザーの指の面積の上限とするのが好ましい。人の指による指示と、スマートフォン200Aが載置されることによる指示とを区別するためである。表示部161の表示面が指示された領域の面積が、所定のサイズ以上ならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS07に進める。
ステップS03においては、装置検出処理を実行し、処理をステップS04に進める。装置検出処理の詳細は後述するが、表示部161の表示面に置かれた装置を検出する処理であり、装置を検出する場合に、検出された装置を連携装置として、タッチパネル165により検出された位置と関連付けて登録し、装置を検出しない場合は、エラーと判断する処理である。また、装置検出処理は、検出された装置との間で通信経路を確立する処理でもある。連携装置の装置識別情報とタッチパネル165により検出された位置を示す位置識別情報とを、RAM114に一時記憶する。
ここでは、ユーザーAがスマートフォン200Aを表示部161の表示面に置く場合を例に説明する。この場合、スマートフォン200Aが連携装置に登録され、スマートフォン200Aの装置識別情報と、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置識別情報とが、RAM114に一時記憶される。
ステップS04においては、装置検出処理を実行した結果、エラーと判断されたか否かを判断する。エラーと判断されなかった場合に処理をステップS05に進めるが、エラーと判断された場合は処理をステップS09に進める。ステップS05においては、動作モードを連携モードに切り換え、処理をステップS06に進める。
ステップS06においては、再接続判断処理を実行し、処理をステップS09に進める。再接続判断処理の詳細は後述するが、ステップS03において連携装置に登録された装置、ここでは、スマートフォン200Aが再接続と判断する場合に、通信経路が切断される前の状態に、連携処理の設定を回復する処理である。
処理がステップS07に進む場合は、タッチパネル165をユーザーが指で指示する場合である。ステップS07においては、タッチパネル165を指示したユーザーを特定する。ステップS03において、連携装置が検出される場合に、その連携装置の装置識別情報と位置情報とを用いて、ユーザーを特定する。例えば、スマートフォン200Aが連携装置に登録される場合、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置から所定の範囲内を、スマートフォン200Aを携帯するユーザーAの作業領域に決定する。タッチパネル165において検出された位置が、ユーザーAの作業領域ならば、タッチパネル165を指示したユーザーをユーザーAに特定する。
次のステップS08においては、受付制御処理を実行し、処理をステップS09に進める。受付制御処理の詳細は後述するが、ステップS01において検出された位置に基づいて、ユーザーAによる操作を決定し、決定された操作で定まる処理を実行する処理である。
ステップS09においては、携帯側情報を受信したか否かを判断する。ステップS03における装置検出処理が実行されて検出された連携装置から携帯側情報を受信したか否かを判断する。携帯側情報は、連携装置において設定された携帯側処理の処理識別情報と携帯側処理を実行するための携帯側設定値とを含む。携帯側情報を受信したならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。ステップS11においては、携帯側情報を連携装置、ここではスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けてRAM114に一時記憶し、処理をステップS11に進める。
ステップS11においては、連携装置が表示部161の表示面から離れたか否かを検出する。ステップS03において、スマートフォン200Aが連携装置に登録される場合、スマートフォン200Aの装置識別情報が、表示部161の表示面中の位置を示す位置情報と関連付けられている。タッチパネル165が、スマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置において、指示を検出しなくなる場合、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れたと判断する。連携装置であるスマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れたことが検出される場合、処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。
ステップS12においては、継続状態検出処理を実行し、処理をステップS13に進める。継続状態検出処理の詳細は後述するが、連携モードを継続するべき継続状態を検出する処理である。ステップS13においては、継続状態が検出されたか否かを判断する。継続状態が検出されたならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。ステップS14においては、連携モードを維持し、処理をステップS17に進める。
ステップS15においては、動作モードを単独モードに切り換え、処理をステップS16に進める。ステップS16においては、ステップS11において表示部161の表示面から離れたことが検出されたスマートフォン200Aを、連携装置から削除し、処理をステップS17に進める。表示部161の表示面から離れたことが検出されたスマートフォン200Aの装置識別情報を、RAM114から消去することにより、連携装置から削除する。
ステップS17においては、連携装置であるスマートフォン200Aとの間で確立されている通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS18においては、動作モードが連携モードか否かを判断する。動作モードが連携モードならば処理をステップS19に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に進める。ステップS19においては、連携モードが、ステップS11において離脱が検出された後に維持されているか否かを判断する。例えば、スマートフォン200Aとの間で継続状態が検出された状態で、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れた後に、通信不可能になる場合に、スマートフォン200Aに対する離脱が検出された後に連携モードが維持されていると判断する。連携モードが、離脱が検出されてから維持されているならば処理をステップS20に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に進める。
ステップS20においては、連携装置の装置識別情報と関連付けて、連携装置の装置側情報および携帯側情報とをRAM114に記憶し、処理をステップS21に進める。ステップS21においては、ステップS17において通信経路が切断されたと判断されたスマートフォン200Aを、連携装置から削除し、処理をステップS22に進める。そして、動作モードを単独モードに切り換え(ステップS22)、処理をステップS01に戻す。
図9は、装置検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。装置検出処理は、図8のステップS03において実行される処理である。図9を参照して、CPU111は、近距離通信部119を制御して、探索コマンドを送信する(ステップS31)。スマートフォン200A,200B,200Cのうち近距離通信部119と通信可能な範囲に存在する1以上それぞれが、探索コマンドを受信することに応じて、自装置の装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。スマートフォン200A,200B,200Cであって、表示部161の表示面に置かれた装置であって連携装置登録されていない装置の他に、表示部161の表示面に置かれていない装置、表示部161の表示面に置かれているが既に連携装置に登録されている装置が応答コマンドを返信する場合がある。以下、応答コマンドを返信する装置を候補装置という。このため、次のステップS32おいては、候補装置のうちから連携装置と除外装置とを除外する。除外装置は、後述するステップS38において除外装置として登録される装置である。連携装置は、後述するステップS41において連携装置として登録される装置である。次のステップS33においては、候補装置が存在するか否かを判断する。候補装置が存在すれば処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS42に進める。ステップS42においては、エラーを設定し、処理を連携処理に戻す。
次のステップS34においては、候補装置が複数存在するか否かを判断する。候補装置が複数ならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をS38に進める。ステップS38においては、処理がステップS34から進む場合に1つの候補装置を特定し、処理をステップS39に進める。
処理がステップS35に進む場合は、候補装置が複数の場合である。ステップS35においては、複数の候補装置のうちから1つを選択するための候補選択画面を表示部161に表示し、処理をステップS36に進める。候補選択画面を表示する位置は、図8のステップS01においてタッチパネル165により検出された位置の近傍である。ステップS36においては、複数の候補装置のうち1つが選択されるまで待機状態となり(ステップS36でNO)、1つが選択されたならば(ステップS36でYES)、処理をステップS37に進める。ステップS37においては、複数の候補装置のうち選択されなかった1以上の候補装置のすべてを除外装置に登録し、処理をステップS38に進める。
ステップS38においては、処理がステップS37から進む場合、ステップS36において選択された候補装置を特定し、処理をステップS39に進める。ステップS38においては、近距離通信部119を制御して、ステップS38において特定された候補装置との間で通信経路を確立し、処理をステップS40に進める。
ステップS40においては、ステップS38において特定された候補装置に、図8のステップS01においてタッチパネル165により検出された位置を関連付け、処理をステップS41に進める。ステップS41においては、候補装置を連携装置として登録し、処理を連携処理に戻す。具体的には、候補装置の装置識別情報と、ステップS40においてその候補装置に関連付けられた位置を示す位置情報とをRAM114に記憶する。
図10は、再接続判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。再接続判断処理は、図8のステップS06において実行される処理である。再接続判断処理が実行される前のステップS03において、表示部161の表示面におかれた装置としてスマートフォン200Aが検出され、そのスマートフォン200Aとの間で通信経路が確立されている。図10を参照して、CPU111は、RAM114に、表示部161の表示面におかれたスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けられた装置側情報と携帯側情報とが記憶されているか否かを、判断する(ステップS51)。図8のステップS20が実行される場合に、通信経路が切断された連携装置の装置識別情報と関連付けて装置側情報と携帯側情報とがRAM114に記憶されている。表示部161の表示面におかれた装置の装置識別情報と関連付けられた装置側情報と携帯側情報とがRAM114に記憶されているならば処理をステップS52に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
ステップS52においては、表示部161の表示面に置かれた装置の装置識別情報と関連付けられた携帯側情報を、切断前情報に設定し、処理をステップS53に進める。ステップS53においては、表示部161の表示面に置かれたスマートフォン200Aから携帯側情報を取得する。そして、ステップS53において取得された携帯側情報を接続後情報に設定し(ステップS54)、処理をステップS55に進める。
ステップS55においては、切断前情報と接続後情報とが同じか否かを判断する。切断前情報と接続後情報とが同じならば処理をステップS56に進めるが、そうでなければ処理をステップS57に進める。ステップS56においては、表示部161の表示面に置かれたスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けられた装置側情報を設定し、処理を連携処理に戻す。
ステップS57においては、切断前情報と切断後情報とのいずれか一方を選択するための処理選択画面を表示部161に表示し、処理をステップS58に進める。処理選択画面を表示する位置は、図8のステップS01においてタッチパネル165により検出された位置の近傍である。ステップS58においては、切断前情報と切断後情報のいずれかが選択されるまで待機状態となり、切断前情報が選択されると(ステップS58でYES)、処理をステップS59に進めるが、切断後情報が選択されると(ステップS58でNO)、処理をステップS56に進める。ステップS59においては、切断前情報を設定するコマンドを含む設定依頼を、表示部161の表示面におかれたスマートフォン200Aに送信し、処理をステップS56に進める。ステップS56においては、表示部161の表示面に置かれたスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けられた装置側情報を設定し、処理を連携処理に戻す。
図11は、受付制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。受付制御処理は、図8のステップS08において実行される処理である。受付制御処理が実行される前の段階で、タッチパネル165によってユーザーAにより指示された位置が検出されている。図11を参照して、CPU111は、タッチパネル165により検出された位置に基づいて操作を決定する(ステップS61)。操作画面が表示部161に表示されている状態でタッチパネル165により検出される位置に基づいて、操作画面中の位置を特定し、操作を決定する。操作画面に操作が割り当てられたボタンを含み、そのボタン中の位置が特定される場合は、ボタンに割り当てられた操作を決定する。例えば、操作画面が、キーボードの場合、キー中の位置が特定される場合は、そのキーに割り当てられた英数文字を入力する操作を決定する。また、操作画面が、処理の実行を指示する実行指示操作が割り当てられた実行キーを含み、実行キー中の位置が特定される場合は、実行指示操作を決定する。
次のステップS62においては、動作モードによって処理を分岐する。動作モードが連携モードの場合は処理をステップS63に進め、動作モードが単独モードの場合は、処理をステップS68に進める。
ステップS63においては、ステップS61において決定された操作が実行指示操作か否かを判断する。実行指示操作ならば処理をステップS64に進めるが、そうでなければ処理をステップS67に進める。ステップS67においては、決定された操作に従って装置側設定値を設定し、処理を連携処理に戻す。ステップS64においては、装置側設定値に従って装置側処理を、連携装置であるスマートフォン200Aと連携して実行し、処理をステップS65に進める。ステップS65においては、装置側設定値を消去し、処理をステップS66に進める。ステップS66においては、携帯側設定値を消去し、処理を連携処理に戻す。
ステップS68においては、ステップS61において決定された操作が実行指示操作か否かを判断する。実行指示操作ならば処理をステップS69に進めるが、そうでなければ処理をステップS70に進める。ステップS70においては、決定された操作に従って装置単独設定値を設定し、処理を連携処理に戻す。ステップS69においては、装置単独設定値に従って装置単独処理を実行し、処理を連携処理に戻す。
図12は、継続状態検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。継続状態検出処理は、図8のステップS12において実行される処理である。図12を参照して、CPU111は、ユーザーにより継続状態に設定されているか否かを判断する(ステップS81)。ユーザーにより継続状態に設定されているならば処理をステップS84に進めるが、そうでなければ処理をステップS82に進める。ステップS82においては、装置側設定値が設定されてから所定時間以内か否かを判断する。装置側設定値が設定されてから所定時間以内ならば処理をステップS84に進めるが、そうでなければ処理をステップS83に進める。なお、連携プログラムを実行するタスクに対する操作が入力されてから所定時間以内か否かを判断するようにしてもよい。連携プログラムを実行するタスクに対する操作は、装置側設定値を設定する操作とは別に、例えば、画面をスクロールする操作、画面を遷移させる操作を含む。
ステップS83においては、ハードウェア資源においてエラーが発生しているか否かを判断する。ハードウェア資源にエラーが発生しているならば処理をステップS84に進めるが、そうでなければ処理をステップS85に進める。ステップS84においては、MFP100側における継続状態を検出し、処理をステップS85に進める。
ステップS85においては、連携装置であるスマートフォン200Aからスマートフォン200Aの状態を示す携帯状態を取得する。そして、携帯状態に基づいて、連携装置であるスマートフォン200Aが所定のアプリケーションプログラムを実行中か否かを判断する(ステップS86)。所定のアプリケーションプログラムを実行中ならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理をステップS87に進める。所定のアプリケーションプログラムは、スマートフォン200Aが、MFP100と連携するための携帯側連携プログラムとは別の予め定められたアプリケーションプログラムであり、例えば、通話のためのアプリケーションプログラム、電子メールを受信するアプリケーションプログラムを含む。MFP100Aと連携処理の設定をしている最中に、スマートフォン200Aが、電話を着信する場合にユーザーAが通話を優先する場合があり、また、スマートフォン200Aが電子メールを受信する場合にユーザーAが電子メールの閲覧を優先する場合があるからである。
ステップS87においては、携帯側設定値が設定されてから所定時間以内か否かを判断する。携帯側設定値が設定されてから所定時間以内ならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。なお、携帯側連携プログラムを実行するタスクに対する操作が入力されてから所定時間以内か否かを判断するようにしてもよい。携帯側連携プログラムを実行するタスクに対する操作は、携帯側設定値を設定する操作とは別に、例えば、画面をスクロールする操作、画面を遷移させる操作を含む。ステップS88においては、連携装置側における継続状態を検出し、処理を連携処理に戻す。
図13は、第1の実施の形態における携帯側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。携帯側連携処理は、スマートフォン200Aが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、CD−ROM211Aに記憶された携帯側連携プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。図13を参照して、近距離通信部209が探索コマンドを受信したか否かを判断する。探索コマンドを受信したならば処理をステップS202に進めるが、そうでなければ処理をステップS207に進める。ここでは、MFP100が送信する探索コマンドを受信する場合を例に説明する。
ステップS202においては、近距離通信部209を制御して、応答コマンドを返信する。そして、近距離通信部119が、ステップS201において受信された探索コマンドを送信してきたMFP100から接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS203)。接続要求を受信したならば処理をステップS204に進めるが、そうでなければ処理をステップS207に進める。ステップS204においては、接続要求を送信してきたMFP100との間で通信経路を確立し、処理をステップS205に進める。
ステップS205においては、MFP100から設定依頼を受信したか否かを判断する。設定依頼を受信したならば処理をステップS206に進めるが、そうでなければステップS206をスキップして処理をステップS207に進める。ステップS206においては、設定依頼に含まれる携帯側設定値を設定し、処理をステップS207に進める。
ステップS207においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作画面が表示部206に表示されている状態でタッチパネル207Bにより検出される位置に基づいて、操作画面中の位置を特定し、操作を決定する。操作を決定する場合に操作を受け付けたと判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS208に進めるが、そうでなければ処理をステップS216に進める。操作画面に操作が割り当てられたボタンを含み、そのボタン中の位置が特定される場合は、ボタンに割り当てられた操作を決定する。例えば、操作画面が、キーボードの場合、キー中の位置が特定される場合は、そのキーに割り当てられた英数文字を入力する操作を決定する。また、操作画面が、処理の実行を指示する実行指示操作が割り当てられた実行キーを含み、実行キー中の位置が特定される場合は、実行指示操作を決定する。また、操作画面が、タスクを切り換える切換キーを含み、切換キー中の位置が特定される場合は、タスク切換操作を決定する。
ステップS208においては、ステップS207において受け付けられた操作がタスク切換操作ならば処理をステップS209に進めるが、そうでなければ処理をステップS210に進める。ステップS209においては、タスクを切り換え、処理をステップS201に戻す。
ステップS210においては、連携タスクがカレント状態か否かを判断する。連携タスクがカレント状態ならば処理をステップS211に進めるが、そうでなければ処理をステップS212に進める。ステップS211においては、ステップS207において受け付けられた操作に従って携帯側設定値を設定し、処理をステップS212に進める。ステップS212においては、携帯側処理の処理識別情報と携帯側設定値とを、ステップS204において確立された通信経路を介して、MFP100に送信し、処理をステップS201に戻す。
ステップS213においては、ステップS207において受け付けられた操作が実行指示操作か否かを判断する。実行指示操作ならば処理をステップS214に進めるが、そうでなければ処理をステップS215に進める。ステップS214においては、実行指示操作により特定される装置単独処理を、装置単独設定値に従って実行し、処理をステップS201に戻す。ステップS215においては、ステップS207において受け付けられた操作に従って、装置単独設定値を設定し、処理をステップS201に戻す。
以上説明したように第1の実施の形態における連携システム1においては、MFP100は、連携装置であるスマートフォン200Aの状態またはMFP100の状態に基づいて、継続状態を検出し、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に接触しなくなる場合に、継続状態が検出されている場合に連携モードを継続し、継続状態が検出されていない場合に単独モードに切り換えるので、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に接触しなくなる場合に、継続状態の検出の有無によって動作モードを異ならせることができる。また、継続状態を、携帯装置の状態または情報処理装置の状態に基づいて検出するので、連携モードを継続するか否かを容易に決定することができる。また、MFP100は、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に接触しなくなる場合に、継続状態が検出されている場合に連携モードを継続するので、ユーザーAは、スマートフォン200Aを表示部161の表示面から離す前に設定された装置側設定値を継続して設定することができる。また、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に接触しなくなる場合に、継続状態が検出されていない場合に単独モードに切り換えるので、ユーザーAは、スマートフォン200Aを表示部161の表示面から離す簡単な操作で、MFP100の動作モードを切り換えることができる。したがって、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に接触しなくなる場合に、MFP100とスマートフォン200Aとを連携させるか否かを適切に切り換えることが可能となる。
また、MFP100は、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に接触しなくなった後の連携モードで、スマートフォン200Aとの間で確立された通信経路が切断される場合、装置側設定値をスマートフォン200Aと関連付けて記憶し、その後、単独モードから連携モードに切り換えられる場合、スマートフォン200Aに関連付けられた装置側設定値が記憶されていれば、装置側設定値の設定を再開する。これにより、ユーザーAは、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に接触しなくなった後の連携モードで通信経路が切断される前に設定された装置側設定値を継続して設定することができる。
また、MFP100は、スマートフォン200Aが予め定められたアプリケーションプログラムを実行中の場合に、継続状態を検出するので、連携モードで、スマートフォン200Aで予め定められたアプリケーションプログラムを実行することができる。特に、予め定められたアプリケーションプログラムは、MFP100と連携するための携帯側連携プログラムとは別のアプリケーションプログラムである。
また、MFP100は、スマートフォン200Aにおいて、携帯側処理の実行に用いる携帯側設定値が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に継続状態を検出する。このため、ユーザーAは、スマートフォン200Aを表示部161の表示面から離して、携帯側設定値の設定を継続することができる。
また、MFP100は、装置側設定値が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に継続状態を検出するので、ユーザーAは、スマートフォン200Aを表示部161の表示面から離して、装置側設定値の設定を継続することができる。
また、MFP100は、ハードウェア資源に不具合が発生する場合に、継続状態を検出するので、不具合が解消された後に、ユーザーAは、スマートフォン200Aにおける携帯側設定値の設定およびMFP100における装置側設定値の設定を継続することができる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態における連携システム1について、第1の実施の形態における連携システム1と異なる点を主に説明する。
図14は、第2の実施の形態における連携システムの全体概要の一例を示す図である。図1を参照して、第2の実施の形態における連携システム1Aは、MFP100Aと、スマートフォン200Aを含む。第1の実施の形態におけるMFP100は、複数人がMFP100を同時に使用可能であったが、第2の実施の形態におけるMFP100Aは、複数人が同時に使用することができず、一人がMFP100を使用可能としている。ここでは、スマートフォン200Aを携帯するユーザーAがMFP100Aを操作する場合を例に説明する。第2の実施の形態における連携システム1Aにおいて、スマートフォン200Aと、MFP100Aとは連携して連携処理を実行可能である。スマートフォン200AとMFP100Aとは、近距離通信機能または無線LAN機能を用いて通信し、互いに連携して連携処理を実行する。第2の実施の形態におけるMFP100Aは、予め定められた連携開始条件が成立ことをトリガーとして、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aとの間で連携して動作する連携モードに、動作モードを切り換える。
図15は、第2の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図14および図15を参照して、第2の実施の形態におけるMFP100Aが、第1の実施の形態におけるMFP100と異なる点は、自動原稿搬送装置120が追加された点、操作パネル160が追加された点である。MFP100Aのその他の構成は、第1の実施の形態におけるMFP100と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイにユーザーにより載置された1以上の原稿をさばいて、1枚ずつ原稿読取部130に搬送する。また、原稿の両面に画像が形成されている場合、原稿の表裏を反転させる機能を有し、原稿の表面を原稿読取部130が読取可能な方向で原稿を搬送し、その後、原稿を反転させて原稿の裏面を原稿読取部130が読取可能な方向で原稿を搬送する。
操作パネル160は、表示部161Aおよび操作部163を含む。表示部161Aは、LCD、有機ELD等の表示装置であり、第1の実施の形態における表示部161よりもサイズが小さい。操作部163は、複数のキーからなるハードキー部167を備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。タッチパネル165は、表示部161Aに上面または下面に重畳して設けられ、表示部161Aの表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
図16は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図16に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図16を参照して、図4に示した機能と異なる点は、連携モード切換部35、装置検出部41、経路確立部43、維持部47、継続状態検出部37が、連携モード切換部35A、装置検出部41A、経路確立部43A、維持部47A、継続状態検出部37Aにそれぞれ変更された点である。継続状態検出部37Aは、図4に示した継続状態検出部37と異なる点は、携帯状態検出部77がバッテリー残量検出部89を含む点である。その他の機能は、図4に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
装置検出部41Aは、近距離通信部119を制御して、スマートフォン200Aを検出する。装置検出部41Aは、近距離通信部119がNFCの通信方式で通信する場合、ユーザーAがスマートフォン200Aを、近距離通信部119のアンテナに近づける場合、スマートフォン200Aを検出する。装置検出部41Aは、経路確立部43Aに確立指示を出力する。確立指示は、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む。
経路確立部43Aは、装置検出部41Aから確立指示が入力されることに応じて、確立指示に含まれる装置識別情報に基づいて、接続対象の装置を特定し、通信I/F部112を制御して、特定された装置との間で通信経路を確立し、連携モード切換部35に連携指示を出力する。ここでは、確立指示にスマートフォン200Aの装置識別情報を含むので、経路確立部43Aは、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立し、連携モード切換部35に連携指示を出力する。連携指示は、通信経路を確立した装置、ここでは、スマートフォン200Aの装置識別情報と、通信経路を識別するための経路識別情報を含む。
経路確立部43Aは、確立した通信経路が切断される場合、切断された通信経路の経路識別情報を含む切断信号を連携モード切換部35に出力する。通信経路が切断される場合は、例えば、スマートフォン200Aが通信I/F部112の通信可能な範囲の外に出た場合、スマートフォン200Aが通信経路を切断する場合を含む。
なお、近距離通信部119が、NFCの通信方式で定められる通信可能な距離よりも長い距離で通信可能な場合、装置検出部41Aは、近距離通信部119が探索コマンドを所定時間間隔で送信するようにして、近距離通信部119が通信可能となった装置を検出する。経路確立部43Aは、近距離通信部119または通信I/F部112を制御して、装置検出部41Aによって検出された装置との間で通信経路を確立するようにしてもよい。
なお、装置検出部41Aは、経路確立部43Aに確立指示を出力する前に、ユーザー認証するようにしてもよい。例えば、MFP100を使用することが認められたユーザーのユーザー識別情報と、そのユーザーに割り当てられた装置の装置識別情報とを関連付けた認証情報を予めHDD115に記憶しておき、検出された装置の装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されている場合に、経路確立部43Aに確立指示を出力するが、そのような認証情報がHDD115に記憶されていなければ、経路確立部43Aに確立指示を出力しない。MFP100に予め登録されたユーザーのみがMFP100を使用可能にすることができる。
連携モード切換部35Aは、動作モードを、単独モードと連携モードとのいずれかに切り換える。連携モード切換部35Aは、単独モードおよび連携モードのいずれかの動作モードを示す動作モード信号を、装置側設定部31、装置側実行部33および継続状態検出部37Aに出力する。
連携モード切換部35Aは、連携設定部71Aと、解除部69Aと、を含む。連携設定部71Aは、連携開始条件が成立することに応じて動作モードを単独モードから連携モードに切り換える。ここでは、連携開始条件を、近距離通信部119がスマートフォン200Aと通信可能になった後に、通信I/F部112が通信経路を確立することとしている。連携設定部71Aは、経路確立部43Aから連携指示が入力されることに応じて、連携指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換える。
解除部69Aは、連携終了条件が成立する場合、動作モードを連携モードから単独モードに切り換える。連携終了条件は、ユーザーにより連携を終了させる操作が入力されること、または通信経路が切断されることとしている。また、解除部69Aは、動作モードを連携モードから単独モードに切り換える場合に、継続状態検出部37Aから継続状態であることを示す継続信号が入力されていれば、維持信号を維持部47Aに出力する。継続信号は、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む。解除部69Aは、切断信号が入力される場合、その切断信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む継続信号が入力されている場合、切断信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、維持部47Aおよび連携設定部71Aに維持指示を出力する。維持指示は、切断信号に含まれる装置識別情報を含む。
解除部69Aは、後述する装置側設定値設定部63から連携終了指示が入力される場合がある。連携終了指示の詳細は後述するが、ユーザーAが連携処理の終了を指示する場合に装置側設定値設定部63から出力され、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。解除部69Aは、装置側設定値設定部63から連携終了指示が入力される場合、連携終了条件が成立したと判断し、連携終了指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、解除通知部45に終了通知指示を出力する。終了通知指示は、連携終了指示に含まれる装置識別情報を含む。
連携設定部71Aは、解除部69Aから維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む連携指示が経路確立部43Aから入力される場合、再接続と判断する。連携設定部71Aは、再接続と判断する場合、連携指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換えるとともに、復帰指示を連携処理決定部49に出力する。復帰指示は、維持指示に含まれる装置識別情報を含む。
維持部47Aは、装置側設定値設定部63から処理識別情報と、装置側設定値と、装置識別情報との組が入力され、携帯側設定値取得部51から装置識別情報と携帯側情報とが入力される。維持部47Aは、解除部69Aから維持指示が入力されることに応じて、維持指示に含まれる装置識別情報と組になる処理識別情報および装置側設定値と、その装置識別情報と組になる携帯側情報であって携帯側設定値取得部51から最後に入力された携帯側情報と、を装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶する。
バッテリー残量検出部89は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる経路識別情報で特定される通信経路を介して、スマートフォン200Aにバッテリー残量を問い合わせる。バッテリー残量検出部89は、スマートフォン200Aのバッテリー残量が予め定められたしきい値T以下の場合、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。スマートフォン200Aのバッテリー残量がしきい値T以下の場合、その後に、スマートフォン200Aが駆動可能な時間が制限される。このため、スマートフォン200Aのバッテリー残量が低下してスマートフォン200AがMFP100Aと通信不可能になる場合、通信経路が切断されるが、MFP100Aにおいては、スマートフォン200Aのバッテリー残量がしきい値T以下の場合に継続状態を検出するので、装置側設定値設定部63により設定された装置側設定値および、スマートフォン200Aにおいて設定された携帯側設定値を記憶する。その後、スマートフォン200Aのバッテリーを充電して、再度、スマートフォン200AとMFP100Aとを連携させる場合に、先に設定した装置側設定値および携帯側設定値を再現して、連携処理を実行させるための設定を継続することができる。
図17は、第2の実施の形態におけるスマートフォンが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図17を参照して、図7に示した機能と異なる点は、通信制御部250が通信制御部250Aに変更された点である。その他の機能は、図7に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
通信制御部250Aは、近距離通信部209を制御して、MFP100を検出する。ユーザーAがスマートフォン200Aを、MFP100Aが備える近距離通信部119のアンテナに近づける場合、近距離通信部209がMFP100を検出する。通信制御部250Aは、近距離通信部209がMFP100を検出した後に、無線LANI/F208を制御して、MFP100Aから接続要求を受信することに応じて、MFP100Aとの間で通信経路を確立し、MFP100Aの装置識別情報と、通信経路の経路識別情報とを、設定値送信部257および変更受付部259に出力する。
図18は、第2の実施の形態における連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における連携処理は、MFP100Aが備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された第2の実施の形態における連携プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図18を参照して、CPU111は、NFC規格で通信する近距離通信部119が装置を検出したか否かを判断する(ステップS101)。装置を検出したならば、処理をステップS102に進めるが、そうでなければ処理をステップS115に進める。次のステップS116においては、図11に示した受付制御処理を実行し、処理をステップS101に戻す。
ステップS115においては、操作を受け付けたか否かを判断する。タッチパネル165がユーザーにより指示された位置を検出する場合、操作を検出する。操作を検出したならば処理をステップS116に進めるが、そうでなければ処理をステップS101に戻す。
ステップS102においては、近距離通信部119が検出した装置を特定し、処理をステップS103に進める。装置から装置識別情報を受信することにより特定する。ここでは、スマートフォン200Aを検出する場合を例に説明する。なお、ステップS102において、装置が特定され、その装置を携帯するユーザーが予め登録されている場合に、操作を受け付けるようにしてもよい。この場合には、ステップS102が実行された後に、ステップS102またはステップS115が実行される。
ステップS103においては、通信I/F部112を制御して、ステップS102において特定された装置、ここではスマートフォン200Aとの間で通信経路を確立し、処理をステップS104に進める。ステップS104においては、動作モードを連携モードに切り換え、処理をステップS105に進める。ステップS105においては、図10に示した再接続判断処理を実行し、処理をステップS106に進める。
ステップS106においては、携帯側情報を受信したか否かを判断する。ステップS102において検出された装置、ここではスマートフォン200Aから携帯側情報を受信したか否かを判断する。携帯側情報は、連携装置であるスマートフォン200Aにおいて設定された携帯側処理の処理識別情報と携帯側処理を実行するための携帯側設定値とを含む。携帯側情報を受信したならば処理をステップS107に進めるが、そうでなければ処理をステップS108に進める。ステップS107においては、携帯側情報を連携装置であるスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けてRAM114に一時記憶し、処理をステップS108に進める。
ステップS108においては、継続状態検出処理を実行し、処理をステップS109に進める。継続状態検出処理の詳細は後述するが、連携モードを継続するべき継続状態を検出する処理である。ステップS109においては、連携装置であるスマートフォン200Aとの間で確立されている通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理をステップS110に進めるが、そうでなければ処理をステップS113に進める。
ステップS110においては、ステップS108で実行される継続状態検出処理において継続状態が検出されたか否かを判断する。継続状態が検出されたならば処理をステップS111に進めるが、そうでなければ処理をステップS113に進める。
ステップS111においては、連携装置であるスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けて、連携装置の装置側情報および携帯側情報とをRAM114に記憶し、処理をステップS112に進める。ステップS112においては、動作モードを単独モードに切り換え、処理をステップS113に進める。
ステップS113においては、ステップS115と同様に、操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS114に進めるが、そうでなければ処理をステップS109に戻す。ステップS114においては、図11に示した受付制御処理を実行し、処理をステップS109に戻す。
図19は、第2の実施の形態における継続状態検出処理の流れの一例を示す図である。図19を参照して、図12に示した第1の実施の形態における継続状態検出処理と異なる点は、ステップS87Aが追加された点である。その他の処理は、図12に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
ステップS87において、携帯側設定値が設定されてから所定時間以内でないと判断される場合、処理をステップS87Aに進める。ステップS87Aにおいては、連携装置であるスマートフォン200Aに内蔵されたバッテリーの残量がしきい値T以下か否かを判断する。連携装置であるスマートフォン200Aに内蔵されたバッテリーの残量がしきい値T以下ならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
図20は、第2の実施の形態における携帯側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13に示した第1の実施の形態における携帯側連携処理と異なる点は、ステップS201〜ステップS204が、ステップS201A〜ステップS204Aに変更された点である。その他の処理は、図13に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
図20を参照して、CPU201は、ステップS201Aにおいて、NFC規格で通信する近距離通信部209が装置を検出したか否かを判断する。装置を検出したならば、処理をステップS202Aに進めるが、そうでなければ処理をステップS207に進める。ここでは、MFP100Aを検出する場合を例に説明する。
ステップS202Aにおいては、近距離通信部209を制御して、MFP100Aに応答コマンドを送信する。そして、次のステップS203Bにおいては、無線LANI/F208を制御して、MFP100Aから接続要求を受信したか否かを判断する。接続要求を受信したならば処理をステップS204Aに進めるが、そうでなければ処理をステップS207に進める。ステップS204Aにおいては、無線LANI/F208を制御して、MFP100Aとの間で通信経路を確立し、処理をステップS205に進める。
<第2の変形例>
装置検出部41Aが、NFC規格に基づく通信方式で通信可能な近距離通信部119がスマートフォン200Aを検出するようにした。第2の変形例においては、スマートフォン200AがGPS衛星からの電波を受信することにより、スマートフォン200Aの現在位置を測定する。第2の変形例における装置検出部41Aは、スマートフォン200Aから現在位置を取得し、取得されたスマートフォン200Aの現在位置と、MFP100Aが配置される位置とからスマートフォン200AとMFP100Aとの相対的な位置を決定する。そして、装置検出部41Aは、スマートフォン200AがMFP100Aから所定の範囲内に存在する場合に、スマートフォン200Aを検出する。
<第3の変形例>
装置検出部41Aは、人体を媒体として通信する人体通信を用いて、スマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。具体的には、第3の変形例における装置検出部41Aは、ユーザーAが所有する人体通信可能なICタグ(集積回路)と通信可能になると、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。
<第4の変形例>
ユーザーの入退室を管理する入退室管理システムにおいて管理されるユーザーAの位置を用いてスマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。この場合、MFP100Aは、入退室管理システムにより管理される作業室に設置され、複数のユーザーそれぞれは、固有のICタグを携帯している。
入退室管理システムは、ICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報が記憶されたメモリと、ICタグを読み取るためのタグ読取部とを有する。ユーザーは、作業室への入室時に、入退室管理システムのタグ読取部に自己のICタグを近接または接触させる。タグ読取部は、近接または接触されたICタグを読み取ることにより、ユーザーの入室を検出するとともに、ICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報を特定する。また、ユーザーは、作業室からの退室時に、入退室管理システムのタグ読取部に自己のICタグを近接または接触させる。タグ読取部は、近接または接触されたICタグを読み取ることにより、ユーザーの退室を検出する。
第4の変形例における装置検出部41Aは、入退室管理システムから作業室の位置と、その作業室に入室したユーザーのユーザー識別情報とを取得する。第4の変形例における装置検出部41Aは、入退室管理システムから作業室の位置と、その作業室から退出したユーザーのユーザー識別情報とを取得する。第4の変形例における装置検出部41Aは、入退室管理システムから取得されるユーザーの位置とユーザー識別情報との組に基づいて、MFP100Aが配置される作業室に入室したユーザーを特定する場合に、特定されたユーザーが携帯するスマートフォンを検出する。例えば、MFP100Aが作業室Aに配置されている場合、入退室管理システムから作業室Aの位置と、ユーザーAのユーザー識別情報とが取得されることに応じて、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。入退室管理システムで用いられるICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報を用いるので、ユーザーを識別することができる。
<第5の変形例>
MFP100Aが、MFP100Aの周囲に存在するユーザーAを画像認証する機能を設けるようにして、認証結果を用いてスマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。MFP100AがMFP100Aの周辺を画角に含むカメラを備え、ユーザーAがカメラの画角に進入した時点で、カメラがユーザーAを被写体として撮像して出力する画像に基づいて、ユーザーAを認証する。第5の変形例における装置検出部41Aは、ユーザーAの認証に成功する場合、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。
<第6の変形例>
MFP100Aが、MFP100Aの周囲に存在するユーザーの位置を検出し、近距離通信部119が通信可能となった装置を検出するようにしてもよい。MFP100Aは、人感センサーを備え、MFP100Aが周囲に存在するユーザーの位置を検出する。人感センサーは、例えば、赤外線センサー、焦電センサーである。また、人感センサーは、カメラで撮像した画像から人物の画像を抽出することにより人を検出するものであってもよい。
装置検出部41Aは、人感センサーにより人が検出された後に、近距離通信部119が通信可能となった装置を検出する。例えば、ユーザーAがMFP100Aに接近すると、人感センサーにより検出される。装置検出部41Aは、人感センサーにより人が検出された後に、近距離通信部119が通信可能になるスマートフォン200Aを検出する。
以上説明したように第2の実施の形態における連携システム1Aにおいて、MFP100Aは、連携装置であるスマートフォン200Aの状態またはMFP100の状態に基づいて、継続状態を検出し、スマートフォン200Aとの間で確立された通信経路が切断されることに応じて連携モードから単独モードに切り換える段階で、継続状態が検出されている場合、装置側設定値をスマートフォン200Aと関連付けて記憶する。そして、連携モードに切り換えられる場合、スマートフォン200Aに関連付けられた装置側設定値が記憶されていれば、装置側設定値の設定を再開するので、ユーザーAは、通信経路が切断される前に設定していた装置側設定値を継続して設定することができる。また、連携モードに切り換えられる場合、スマートフォン200Aに関連付けられた装置側設定値が記憶されていなければ、装置側設定値を最初から設定するので、ユーザーAは、通信経路が切断される前に設定していた装置側設定値をリセットすることができる。したがって、MFP100Aにおいてスマートフォン200Aと連携した装置側処理のための装置側設定値を適切な値に設定することができる。
また、MFP100Aは、スマートフォン200Aが予め定められたアプリケーションプログラムを実行中の場合に、継続状態を検出するので、ユーザーAは、スマートフォン200Aで予め定められたアプリケーションプログラムを実行されて通信経路が切断された後に連携モードとなる場合に、通信経路が切断される前の装置側設定値から継続して設定することができる。特に、予め定められたアプリケーションプログラムは、MFP100Aと連携するための携帯側連携プログラムとは別のアプリケーションプログラムである。
また、MFP100Aは、スマートフォン200Aにおいて、携帯側処理の実行に用いる携帯側設定値が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に継続状態を検出する。このため、ユーザーAは、スマートフォン200Aに携帯側設定値を設定している間に通信経路が切断されて、その後に連携モードとなる場合に、通信経路が切断される前の装置側設定値から継続して設定することができる。
また、MFP100Aは、装置側処理の実行に用いる装置側設定値が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に継続状態を検出する。このため、ユーザーAは、装置側設定値をしている間に通信経路が切断されて、その後に連携モードとなる場合に、通信経路が切断される前の装置側設定値から継続して設定することができる。
また、MFP100Aは、ハードウェア資源に不具合が発生する場合に、継続状態を検出するので、ユーザーAは、ハードウェア資源に不具合が発生している間に通信経路が切断されて、その後に連携モードとなる場合に、通信経路が切断される前の装置側設定値から継続して設定することができる。
また、MFP100Aは、スマートフォン200Aを駆動するための電力を蓄積するバッテリーの残量が所定値以下の場合に継続状態を検出するので、スマートフォン200Aが駆動しなくなって通信経路が切断される場合に、バッテリーが蓄電された後に連携モードとなる場合に、ユーザーAは、通信経路が切断される前の装置側設定値から継続して設定することができる。
<第3の実施の形態>
第2の実施の形態においては、MFP100Aにおいて、スマートフォン200Aから携帯側情報を取得するようにし、維持部47Aにおいて、装置側設定値設定部63において設定された処理識別情報および装置側設定値と、携帯側設定値取得部51においてスマートフォン200Aから最後に入力された携帯側情報と、をスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶する。第3の実施の形態における連携システム1Aにおいては、MFP100Aがスマートフォン200Aから携帯側情報を取得しないようにしたものである。以下、第3の実施の形態における連携システム1Aについて、第2の実施の形態における連携システムと異なる点を主に説明する。
第3の実施の形態における連携システム1Aの全体構成は、図14に示した第2の実施の形態における連携システムの全体概要と同じである。第3の実施の形態におけるMFP100Aのハードウェア構成は、図15に示した第2の実施の形態におけるMFP100Aのハードウェア構成と同じである。第3の実施の形態におけるスマートフォン200Aのハードウェア構成は、図3に示した第1の実施の形態におけるスマートフォン200Aのハードウェア構成と同じである。従って、ここでは説明を繰り返さない。
図21は、第3の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図21を参照して、図16に示した機能と異なる点は、連携処理決定部49、携帯側設定値取得部51および変更依頼部53が削除された点、維持部47Aが維持部47Bに変更された点である。その他の機能は、図16に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
維持部47Bは、装置側設定値設定部63から処理識別情報と、装置側設定値と、装置識別情報との組が入力される。維持部47Bは、解除部69Aから維持指示が入力されることに応じて、維持指示に含まれる装置識別情報と組になる処理識別情報および装置側設定値と、を装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶する。
維持部47Bは、連携設定部71Aから復帰指示が入力されることに応じて、復帰指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組とを装置側設定値設定部63に出力する。
装置側設定値設定部63は、維持部47Bから装置識別情報、処理識別情報および装置側設定値の組が入力される場合、連携処理の設定を継続するために、処理識別情報および装置側設定値を、装置識別情報に対応する装置側処理のために設定する。これにより、ユーザーAは、装置側設定値を、スマートフォン200AがMFP100から離れて通信回線が切断される前に設定した状態から継続して設定することができる。
図22は、第3の実施の形態におけるスマートフォンが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図22に示す機能が図7に示した機能と異なる点は、設定値送信部257および変更受付部259が削除あれた点、継続判断部255が継続判断部255Bに変更された点である。その他の機能は、図7に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
継続判断部255Bは、通信制御部250AがMFP100Aと通信経路を確立すると、通信制御部250Aから装置識別情報と経路識別情報とが入力され、通信経路が切断されると経路識別情報を含む切断信号が入力される。継続判断部255Bは、切断信号が入力された時点で、切断信号に含まれる経路識別情報に対応する装置識別情報を特定する。ここでは、MFP100Aの装置識別情報を特定する場合を例に説明する。継続判断部255Bは、切断信号が入力された後に、特定されたMFP100Aの装置識別情報と経路識別情報とが通信制御部250Aから入力される場合、再接続と判断する。継続判断部255Bは、MFP100Aと通信し、MFP100Aの装置側設定値がデフォルトか否かを判断する。MFP100Aの装置側設定値がデフォルトでない場合に、携帯側設定値設定部263に携帯側設定値の設定を継続させ、MFP100Aの装置側設定値がデフォルトの場合に、携帯側設定値設定部263に携帯側設定値をリセットさせる。これにより、スマートフォン200AとMFP100Aとを同期させることができる。
図23は、第3の実施の形態における連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図23を参照して、図18に示した第2の実施の形態における連携処理と異なる点は、ステップS105〜ステップS107に代えて、ステップS131およびステップS132が実行される点、ステップS107が削除された点、ステップS111がステップS111Aに変更された点である。その他の処理は、図18に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
ステップS104において動作モードが連携モードに切り換えられた後、ステップS131において、ステップS102において特定された装置の装置識別情報と関連付けられた装置側情報がRAM114に記憶されているか否かを判断する。装置側情報は、後述するステップS111Aにおいて、RAM114に記憶される。装置側情報は、装置側処理を識別するための処理識別情報と、装置側処理を実行するために用いられる装置側設定値とを含む。装置側情報が記憶されていれば処理をステップS132に進めるが、そうでなければ処理をステップS108に進める。ステップS132においては、RAM114に記憶されている装置側情報を設定し、処理をステップS108に進める。ステップS111Aにおいては、その時点で設定されている装置側情報を、ステップS102において特定された連携装置の装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶し、処理をステップS112に進める。
これにより、連携装置であるスマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される場合、継続状態が検出されていれば、その時点で設定されている装置側情報がスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶され(ステップS111A)、その後、スマートフォン200Aとの間の通信経路が確立されて連携開始条件が成立すると、連携モードに設定される場合に再接続と判断されて、RAM114に記憶されていた装置側情報が設定される。このため、ユーザーは、スマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される前の状態から操作を継続することができる。換言すれば、スマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される前までにした操作を繰り返し入力する必要がない。
図24は、第3の実施の形態における携帯側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図24を参照して、図20に示した第2の実施の形態における携帯側連携処理と異なる点は、ステップS205、ステップS206が、ステップS205BおよびステップS206Bに変更された点、ステップS212が削除された点である。その他の処理は、図20に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
ステップS204Bにおいて、MFP100Aとの間で通信経路が確立されると、次のステップS205Bにおいて、MFP100Aで設定されている装置側設定値がデフォルトか否かを判断する。MFP100Aに装置側設定値がデフォルトか否かを問合せることにより、デフォルトか否かを判断する。MFP100Aで設定されている装置側設定値がデフォルトならば処理をステップS206Bに進めるが、そうでなければ処理をステップS207に進める。ステップS206Bにおいては、携帯側設定値をリセットし、処理をステップS207に進める。具体的には、携帯側設定値をデフォルトの値に設定する。
MFP100Aにおいては、連携装置であるスマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される場合、継続状態が検出されていれば、その後、スマートフォン200Aとの間の通信経路が確立されて連携開始条件が成立すると、通信経路が切断される前の装置側設定値を設定する。MFP100Aにおいては、連携装置であるスマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される場合、継続状態が検出されていなければ、その後、スマートフォン200Aとの間の通信経路が確立されて連携開始条件が成立すると、デフォルトの装置側情報を設定する。これに対して、スマートフォン200Aは、MFP100Aとの間で通信経路が切断された後に、携帯側設定値の設定を継続することができるが、MFP100Aとの間の通信経路が切断され、再度接続された時点で、MFP100Aにデフォルトの装置側設定値が設定されていれば、携帯側設定値をリセットし、MFP100Aにデフォルトでない装置側設定値が設定されていれば、携帯側設定値をリセットしない。これにより、MFP100Aに設定されている装置側設定値と、スマートフォン200Aに設定されている携帯側設定値とを同期させることができる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態における連携システム1Aにおいて、第3の実施の形態におけるMFP100Aと同様に、MFP100Aがスマートフォン200Aから携帯側情報を取得しないようにし、MFP100Aとスマートフォン200Aとで継続状態を共有するようにしたものである。以下、第4の実施の形態における連携システム1Aについて、第3の実施の形態における連携システムと異なる点を主に説明する。
第4の実施の形態における連携システム1Aの全体構成は、図14に示した第2の実施の形態における連携システムの全体概要と同じである。第4の実施の形態におけるMFP100Aのハードウェア構成は、図15に示した第2の実施の形態におけるMFP100Aのハードウェア構成と同じである。第4の実施の形態におけるスマートフォン200Aのハードウェア構成は、図3に示した第1の実施の形態におけるスマートフォン200Aのハードウェア構成と同じである。従って、ここでは説明を繰り返さない。
図25は、第4の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図25を参照して、図21に示した機能と異なる点は、継続状態通知部93が追加された点である。その他の機能は、図21に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
継続状態通知部93は、継続状態検出部37Aから出力される継続信号を、経路確立部43Aにおいて確立された通信経路を介してスマートフォン200Aに送信する。
図26は、第4の実施の形態におけるスマートフォンが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図26に示す機能が図22に示した機能と異なる点は、継続状態取得部259Cが追加された点、継続判断部255Bが継続判断部255Cに変更された点である。その他の機能は、図22に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
継続状態取得部259Cは、通信制御部250AがMFP100Aと通信経路を確立すると、通信制御部250AからMFP100Aの装置識別情報と経路識別情報とが入力され、通信経路が切断されると経路識別情報を含む切断信号が入力される。継続状態取得部259Cは、MFP100の装置識別情報が入力されてから、それと組になる経路識別情報を含む切断信号が入力されるまで、経路識別情報で特定される通信経路を介して、MFP100から継続信号を受信する。継続状態取得部259Cは、継続信号を継続判断部255Cに出力する。
継続判断部255Cは、通信制御部250がMFP100Aと通信経路を確立すると、通信制御部250からMFP100Aの装置識別情報と経路識別情報とが入力され、通信経路が切断されると経路識別情報を含む切断信号が入力される。継続判断部255Cは、MFP100の装置識別情報が入力されてから切断信号が入力される直前に、継続状態取得部259Cから入力される継続信号が継続状態であることを示す場合、携帯側設定値設定部263に携帯側設定値の設定を継続させる。また、継続判断部255Cは、MFP100の装置識別情報が入力されてから切断信号が入力される直前に、継続状態取得部259Cから継続状態であることを示す継続信号が入力されていない場合、携帯側設定値設定部263に携帯側設定値をリセットさせる。これにより、スマートフォン200AとMFP100Aとを同期させることができる。
なお、継続状態取得部259Cに代えて、MFP100Aの機能である継続状態検出部37Aと同様の機能を、スマートフォン200Aが有するようにしてもよい。
図27は、第4の実施の形態における連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図27を参照して、図23に示した第3の実施の形態における連携処理と異なる点は、ステップS108とステップS109との間にステップS133が追加された点である。その他の処理は、図23に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
ステップS133においては、ステップS108において実行される継続状態検出処理により検出された継続状態を、ステップS103において確立された通信経路を介して、スマートフォン200Aに送信する。
図28は、第4の実施の形態における携帯側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図28を参照して、図20に示した第2の実施の形態における携帯側連携処理と異なる点は、ステップS205およびステップS206に代えて、ステップS251〜ステップS255が実行される点、ステップS212が削除された点である。その他の処理は、図20に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
CPU201は、ステップS201Aおいて、近距離通信部119が装置を検出しない場合、処理をステップS251に進める。ステップS204Aにおいて、MFP100Aとの間で通信経路が確立されると、次のステップS251において、MFP100Aから継続状態を受信したか否かを判断する。継続状態を受信したならば処理をステップS252に進めるが、そうでなければ処理をステップS253に進める。ステップS252においては、受信された継続状態を一時記憶し、処理をステップS253に進める。
ステップS253においては、ステップS204Aにおいて確立された通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理をステップS254に進めるが、そうでなければ処理をステップS207に進める。ステップS254においては、ステップS252において継続状態が記憶されているか否かを判断する。継続状態が記憶されているならば処理をステップS207に進めるが、そうでなければ処理をステップS255に進める。ステップS255においては、携帯側設定値をリセットし、処理をステップS207に進める。
MFP100Aにおいては、連携装置であるスマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される場合、継続状態が検出されていれば、その時点で設定されている装置側情報がRAM114に記憶され(図27のステップS111A)、その後、スマートフォン200Aとの間の通信経路が確立されて連携開始条件が成立すると、連携モードに切り換えられ、RAM114に記憶されていた装置側情報が設定される(図27のステップS132)。このため、ユーザーは、スマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される前の状態から操作を継続することができる。換言すれば、スマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される前までにした操作を繰り返し入力する必要がない。
一方、MFP100Aにおいては、連携装置であるスマートフォン200Aとの間の通信経路が切断される場合、継続状態が検出されていなければ、その後、スマートフォン200Aとの間の通信経路が確立されて連携開始条件が成立すると、連携モードに設定されるが、デフォルトの装置側情報が設定される。
これに対して、スマートフォン200Aは、MFP100Aから継続状態を受信しておき、MFP100Aとの間の通信経路が切断される場合、継続状態が受信されていれば(図28のステップS254でYES)、携帯側設定値を継続し、継続状態が受信されていなければ(図28のステップS254でNO)、携帯側設定値をリセットする。これにより、MFP100Aに設定されている装置側設定値と、スマートフォン200Aに設定されている携帯側設定値とを同期させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記継続状態検出手段は、前記携帯装置が予め定められたアプリケーションプログラムを実行中の場合に、前記継続状態を検出する、請求項15〜17のいずれかに記載の情報処理装置。
(2) 前記予め定められたアプリケーションプログラムは、前記情報処理装置と連携して処理を実行するためのアプリケーションプログラムとは別のアプリケーションプログラムである、(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記継続状態検出手段は、前記携帯装置において、前記連携処理のうち前記携帯装置が実行する処理として定められた携帯側処理の実行に用いる携帯側設定値が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に前記継続状態を検出する、請求項15〜17および(1)のいずれかに記載の連携システム。
(4) 前記継続状態検出手段は、前記携帯装置を駆動するための電力を蓄積するバッテリーの残量が所定値以下の場合に前記継続状態を検出する、請求項15〜17、(1)〜(3)のいずれかに記載の連携システム。
(5) 前記継続状態検出手段は、前記装置側受付手段により前記装置側設定値が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に前記継続状態を検出する、請求項15〜17、(1)〜(4)のいずれかに記載の連携システム。
(6) 前記継続状態検出手段は、ハードウェア資源の不具合が発生する場合に、前記継続状態を検出する、請求項15〜17、(1)〜(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記継続状態検出手段は、ユーザーにより定められた条件に従って前記継続状態を検出する、請求項15〜17、(1)〜(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8) 前記継続状態検出手段は、ユーザーにより常に継続状態とすることが設定されている場合に前記継続状態を検出する、請求項15〜17、(1)〜(7)のいずれかに記載の情報処理装置。