以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における連携システムの全体概要の一例を示す図である。図1を参照して、連携システム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、スマートフォン200A,200B,200Cと、を含む。ここでは、3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが、それぞれスマートフォン200A,200B,200Cを携帯し、MFP100を同時に操作する場合を例にしている。
なお、ここでは、3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが、MFP100を同時に操作する場合を例に説明するが、ユーザーの数を限定するものではなく、一人以上がMFP100を操作すればよい。
MFP100は、情報処理装置の一例であり、表示部161と、タッチパネル165と、原稿を読み取る原稿読取部130と、データに基づいて用紙等に画像を形成する画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給する給紙部150とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置である。表示部161は、MFP100本体の上面に設けられる。タッチパネル165は、表示部161に上面または下面に重畳して設けられ、表示部161の表示面中で物体が接触した位置を検出する。タッチパネル165は、マルチタッチ対応のタッチパネルである。このため、表示部161の表示面の複数個所で一度に物体が接触する場合、タッチパネル165は、物体が接触した複数の位置を検出可能である。ここでの物体は、ユーザーの指の他、スマートフォン200A,200B,200Cを含む。
なお、タッチパネル165は、1つであってもよいし、複数を組み合わせてもよい。タッチパネル165が、複数のタッチパネルの組み合わせとする場合、例えば、表示部161の表示面を複数の領域に分割し、複数のタッチパネルを複数の領域それぞれに対応付けるようにすればよい。タッチパネル165は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれが、MFP100の周辺に位置する。MFP100は、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが参加する会議に用いることができる。ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれはMFP100の周辺に位置するので、表示部161の表示面の全体を視認可能な状態である。このため、会議のために準備されたデータを、MFP100に予め記憶しておくなどしておけば、そのデータを表示部161に表示させることにより、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCに同じデータを同時に見せることができる。また、MFP100のタッチパネル165は、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCがMFP100を操作するための入力装置として用いられる。例えば、MFP100に文書を編集するアプリケーションプログラムがインストールされている場合には、タッチパネル165をキーボードとして用いて、MFP100に文書を作成させるようにしてもよい。
スマートフォン200A,200B,200Cは、携帯装置の一例であり、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCによりそれぞれ携帯されて使用される。ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCは、スマートフォン200A,200B,200Cを表示部161の表示面上に置いている。このため、スマートフォン200A,200B,200Cは、表示部161の表示面で、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれが位置する方向の辺の近傍に配置されている。この場合、タッチパネル165がスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれを検出するので、MFP100は、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの位置を検出することができる。
MFP100およびスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、近距離無線通信機能を有し、相手の装置が所定の範囲内となる場合に互いに1対1で通信可能である。また、MFP100およびスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、無線LAN機能を有し、ネットワークに接続された無線基地局と通信可能である。無線基地局は、ネットワークの中継装置であり、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cと通信して、MFP100、スマートフォン200A、200B,200Cそれぞれをネットワークに接続する。このため、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、無線基地局と通信することにより、ネットワークを介して互いに通信可能である。ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。ネットワークは、さらに、インターネットに接続されてもよい。この場合、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、インターネットに接続されたコンピューターと通信可能である。またネットワークは、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワークは、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。
本実施の形態における連携システム1において、スマートフォン200A,200B,200Cのいずれかと、MFP100とは連携して連携処理を実行可能である。例えば、スマートフォン200AとMFP100とは、近距離通信機能または無線LAN機能を用いて通信し、互いに連携して連携処理を実行する。連携処理は、一連の複数の処理を定める。連携処理により定められる一連の複数の処理は、MFP100で実行される装置側処理と、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理とを含む。例えば、携帯側処理を、データを選択する処理とし、装置側処理を、画像を形成する処理とする連携処理が、MFP100とスマートフォン200Aとで実行される場合、スマートフォン200Aを操作するユーザーAにより選択されたスマートフォン200Aに記憶されたデータの画像を、MFP100を操作するユーザーAにより設定された画像形成条件に従ってMFP100が用紙に形成する処理である。また、装置側処理を、データを選択する処理とし、携帯側処理を、データを送信する処理とする場合、MFP100とスマートフォン200Aとで実行される連携処理は、MFP100を操作するユーザーAにより選択されたMFP100に記憶されたデータを、スマートフォン200Aを操作するユーザーAにより設定された送信条件に従ってスマートフォン200Aが送信する処理である。送信条件は、例えば、スマートフォン200Aに記憶されたアドレス帳により宛先および送信方法がユーザーにより選択されることにより決定される。
なお、ユーザーが携帯する携帯装置の一例として、スマートフォン200A,200B,200Cを例に説明するが、ユーザーが携帯可能な装置であれば、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。
図2は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、表示部161と、タッチパネル165と、を含む。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM(Compact Disc Read only memory)118が装着される外部記憶装置117と、近距離通信部119と、を含む。CPU111は、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、表示部161およびタッチパネル165と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
通信I/F部112は、MFP100をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、無線基地局およびネットワークを介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
近距離通信部119は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP(Generic Access Profile)等に基づき、スマートフォン200A,200B,200Cと無線により通信する。近距離通信部119は、例えば、スマートフォン200Aとの間の距離が通信可能な距離以下となると、スマートフォン200Aと通信する。近距離通信部119が通信可能な距離は、数mである。また、近距離通信部119は、NFC(Near Field Communication)の近距離無線通信方式で通信するようにしてもよい。この場合において、近距離通信部119が通信可能な距離は、数cmである。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置117は、CD−ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM118に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの基本的なハードウェア構成および機能は同じなので、ここでは、スマートフォン200Aを例に説明する。
図3は、本実施の形態におけるスマートフォンのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、本実施の形態におけるスマートフォン200Aは、スマートフォン200Aの全体を制御するためのCPU201と、カメラ202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、通話部205と接続された無線通信部204と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作を受け付ける操作部207と、無線LANI/F208と、近距離通信部209と、GPS受信部210と、外部記憶装置211と、を含む。
表示部206は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部207は、メインキー207Aと、タッチパネル207Bとを備える。また、ユーザーが、表示部206の表示面を指示する場合、操作部207は、タッチパネル207Bにより検出される表示面の位置をCPU201に出力する。CPU201は、タッチパネル207Bによる検出された位置に基づいて、表示部206に表示されている画面中でユーザーにより指示された位置を検出する。CPU201は、表示部206に表示されている画面と、タッチパネル207Bによる検出された位置とに基づいて、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。例えば、表示部206にテンキーの画像を含む画面を表示する場合には、タッチパネル207Bによる検出された位置に表示されたキーに対応する数字を受け付ける。
カメラ202は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。
無線通信部204は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部204は、スマートフォン200Aを電話通信網に接続し、通話部205を用いた通話を可能とする。無線通信部204は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部205に出力する。また、無線通信部204は、通話部205から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部205は、マイクおよびスピーカーを備え、無線通信部204から入力される音声をスピーカーから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部204に出力する。さらに、無線通信部204は、CPU201により制御され、スマートフォン200Aを電子メールサーバーに接続し、電子メールを送受信する。
無線LANI/F208は、ネットワークに接続された無線局と通信し、スマートフォン200Aをネットワークに接続するためのインターフェースである。スマートフォン200Aに、MFP100のIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、スマートフォン200Aは、MFP100と通信することができ、データの送受信が可能となる。
近距離通信部209は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP等に基づき、他の装置、例えば、MFP100と無線により通信を行う。近距離通信部209は、例えば、MFP100との間の距離が通信可能な距離以下となると、MFP100と通信する。近距離通信部209が通信可能な距離は、数mである。また、近距離通信部209は、NFCの近距離無線通信方式で通信するようにしてもよい。この場合において、近距離通信部209が通信可能な距離は、数cmである。
GPS受信部210は、GPS(Global Positioning System)衛星から発信される信号を受信し、受信された信号に基づいて現在位置を検出する。現在位置は、例えば緯度および経度である。GPS受信部210は、検出された現在位置をCPU201に出力する。
フラッシュメモリ203は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ203に記録されたプログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行する。
外部記憶装置211は、スマートフォン200Aに着脱自在であり、遠隔操作プログラムを記憶したCD−ROM211Aが装着可能である。CPU201は、外部記憶装置211を介してCD−ROM211Aにアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置211に装着されたCD−ROM211Aに記録された遠隔操作プログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行することが可能である。
なお、CPU201が実行するプログラムとして、フラッシュメモリ203またはCD−ROM210Aに記録されたプログラムについて説明したが、ネットワークに接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、スマートフォン200Aが、ネットワークに接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM211Aに限られず、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリであってもよい。
図4は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図4を参照して、MFP100が備えるCPU111は、装置側設定部11と、装置側実行部13と、装置検出部15と、経路確立部17と、解除連絡部19と、連携モード切換部21と、装置側受付部23と、関連画像表示部25と、遠隔操作部27と、通知部29と、を含む。
装置検出部15は、タッチパネル165および近距離通信部119を制御して、表示部161の表示面にスマートフォン200A,200B,200Cのいずれかの装置が置かれる場合に、その装置を検出する。表示部161の表示面にスマートフォン200A,200B,200Cのいずれかの装置、例えば、スマートフォン200Aが置かれる場合、タッチパネル165は、表示部161の表示面中で、スマートフォン200Aが置かれた位置を検出する。スマートフォン200Aが表示部161の表示面と接触する面積は、ユーザーの指の面積より大きいので、ユーザーの指の面積の上限をしきい値として予め定めておき、タッチパネル165が物体との接触を検出する領域の面積がしきい値以上の場合に、スマートフォン200Aが置かれたと判断し、タッチパネル165が物体との接触を検出する領域の面積がしきい値より小さい場合に、指によるユーザーの指示を検出する。
装置検出部15は、タッチパネル165がスマートフォン200Aの置かれた位置を検出することに応じて、近距離通信部119を制御して、周辺に存在する装置を探索するための探索コマンドを送信させる。スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、探索コマンドを受信する場合、自装置を識別するための装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。装置識別情報は、ネットワークにおいて割り当てられたネットワークアドレスを用いることができる。ネットワークアドレスは、例えば、IPアドレス(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスである。スマートフォン200Aは、表示部161の表示面に置かれる場合、探索コマンドを受信するので、応答コマンドを返信することになる。装置検出部15は、スマートフォン200Aが返信する応答コマンドを受信することにより、先にタッチパネル165により検出された位置に置かれた装置が、スマートフォン200Aであることを検出する。装置検出部15は、スマートフォン200Aを検出する場合、スマートフォン200Aを連携装置として登録する。具体的には、装置検出部15は、スマートフォン200Aの装置識別情報と、そのスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置情報との組からなる連携装置情報を、RAM114に記憶するとともに、連携モード切換部21および経路確立部17に連携指示を出力する。連携指示は、RAM114に記憶された連携装置情報に含まれる装置識別情報を含む。
装置検出部15は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる位置情報で特定される位置が、タッチパネル165により検出されなくなる場合、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れたと判断し、スマートフォン200Aを連携装置から削除する。具体的には、装置検出部15は、RAM114に記憶されたスマートフォン200Aの装置識別情報と位置情報との組を消去するとともに、スマートフォン200Aの装置識別情報と、スマートフォン200Aが置かれていた表示部161の表示面中の位置を示す位置情報とを含む離脱信号を関連画像表示部25および遠隔操作部27に出力する。
ここで、装置検出部15は、タッチパネル165がスマートフォン200Aの置かれた位置を検出することに応じて、近距離通信部119を制御して探索コマンドを送信させる場合、スマートフォン200Aから受信する応答コマンドとは別に、スマートフォン200B,200Cから応答コマンドを受信する場合がある。この場合、装置検出部15は、複数の応答コマンドのうちから、後述する除外装置情報に含まれる装置識別情報を含む応答コマンドを処理対象から除外する。さらに、装置検出部15は、処理対象となる応答コマンドのうち、それに含まれる装置識別情報がRAM114に記憶された連携装置情報のいずれにも含まれない応答コマンドを処理対象に決定する。装置検出部15は、処理対象に決定した応答コマンドが1つの場合、その応答コマンドに含まれる装置識別情報で特定される装置がタッチパネル165により検出される位置に置かれたと判断する。
装置検出部15が処理対象に決定する応答コマンドが複数の場合がある。例えば、別のユーザーBが、スマートフォン200Bを表示部161の表示面に置くことなく、携帯したままMFP100の近くにいる場合である。この場合、装置検出部15は、表示部161を制御して、タッチパネル165により検出された位置の近傍に、複数の応答コマンドにそれぞれ含まれる複数の装置識別情報を選択可能な問合せ画面を表示する。スマートフォン200Aを携帯するユーザーが、問合せ画面に従って、スマートフォン200Aの装置識別情報を選択すれば、装置検出部15は、先にタッチパネル165により検出された位置に置かれた装置が、スマートフォン200Aであると判断し、スマートフォン200Aの装置識別情報と、そのスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置情報との組からなる連携装置情報を、RAM114に記憶するとともに、選択されなかった装置識別情報を、除外装置情報としてRAM114に記憶する。
なお、装置検出部15は、連携装置情報をRAM114に記憶する前に、ユーザーを認証するようにしてもよい。例えば、MFP100を使用することが認められたユーザーのユーザー識別情報と、そのユーザーに割り当てられた装置の装置識別情報とを関連付けた認証情報を予めHDD115に記憶しておき、連携装置情報に含まれる装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されている場合、連携装置情報をRAM114に記憶する。また、装置検出部15は、連携装置情報に含まれる装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されていない場合、連携装置情報をRAM114に記憶することなく、連携装置情報に含まれる装置識別情報を、除外装置情報としてRAM114に記憶する。これにより、MFP100に予め登録されたユーザーのみがMFP100を使用可能にすることができる。
経路確立部17は、近距離通信部119を制御して、連携指示に含まれる装置識別情報で特定される装置とネゴシエーションし、通信経路を確立する。例えば、スマートフォン200Aが表示部161の表示面にユーザーAにより置かれる場合、装置検出部15においてスマートフォン200Aが検出されるので、経路確立部17は、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立する。経路確立部17は、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立すると、スマートフォン200Aの装置識別情報と、通信経路を識別するための経路識別情報との組を連携モード切換部21および解除連絡部19に出力する。経路確立部17は、確立した通信経路が切断される場合、切断された経路識別情報を含む切断信号を通知部29に出力する。通信経路が切断される場合は、例えば、スマートフォン200Aが近距離通信部119の通信可能な範囲の外に出た場合、スマートフォン200Aが通信経路を切断する場合を含む。なお、経路確立部17は、通信I/F部112を制御して、スマートフォン200Aと通信経路を確立するようにしてもよい。
連携モード切換部21は、動作モードを、単独モードと連携モードとのいずれかに切り換える。連携モード切換部21は、動作モードを、スマートフォン200A,200B,200Cごとに切り換える。本実施の形態においては、複数のユーザーが同時にMFP100を操作するので、動作モードは、ユーザーごとに切り換えられる。ユーザーによってMFP100の動作モードが異なる場合がある。このため、連携モード切換部21は、装置識別情報に対応する動作モードを決定する。例えば、連携モード切換部21は、スマートフォン200Aに対して、動作モードを、スマートフォン200Aと連携して動作する連携モードと、スマートフォン200Aと連携することなく単独で動作する単独モードとのいずれかに切り換える。連携モード切換部21は、装置識別情報と、単独モードおよび連携モードのいずれかの動作モードとを示す動作モード信号とを、装置側設定部11および遠隔操作部27に出力する。
連携モード切換部21は、連携設定部35と、解除部37と、を含む。連携設定部35は、動作モードを単独モードから連携モードに切り換え、解除部37は、動作モードを連携モードから単独モードに切り換える。連携設定部35は、装置検出部15から連携指示が入力され、連携指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報と経路識別情報との組が経路確立部17から入力されることに応じて、装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換える。
解除連絡部19は、通信I/F部112を制御して、経路確立部17によりスマートフォン200Aとの間で確立された通信経路を介して、スマートフォン200Aから連携終了信号を受信することに応じて、解除部37に連携終了指示を出力する。連携終了指示は、連携終了信号を送信してきたスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。
解除部37は、解除連絡部19から連携終了指示が入力されることに応じて、連携終了指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換える。また、解除部37は、後述する装置側受付部23または装置側実行部13から連携終了指示が入力される場合がある。装置側受付部23が出力する連携終了指示の詳細は後述するが、例えば、ユーザーAが連携処理の終了を指示する操作を入力する場合、装置側受付部23がその操作を受け付けることに応じて装置側受付部23から出力され、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。解除部37は、装置側受付部23から連携終了指示が入力される場合、連携終了指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、解除連絡部19に通知指示を出力する。通知指示は、連携終了指示に含まれる装置識別情報を含む。
解除連絡部19は、通知指示が入力されることに応じて、経路確立部17から入力される装置識別情報と経路識別情報との組を参照して、終了通知指示に含まれる装置識別情報と組になる経路識別情報を特定し、通信I/F部112を制御して、特定された経路識別情報を介して、連携処理の終了を示す連携終了信号を、スマートフォン200Aに送信する。これにより、ユーザーAはMFP100を操作して、MFP100と、スマートフォン200Aとの連携を終了させることができ、連携が終了したことをスマートフォン200Aで確認することができる。
装置側実行部13は、複数種類の処理を実行可能である。装置側実行部13が実行可能な複数種類の処理は、原稿読取処理、画像形成処理、データ送受信処理、ファクシミリ送受信処理およびデータ管理処理を含む。装置側実行部13が実行可能な処理は、原稿読取処理、画像形成処理、データ送受信処理、ファクシミリ送受信処理およびデータ管理処理の少なくとも2つを組み合わせた処理を含む。なお、装置側実行部13が実行可能な処理は、これらに限定されることなく、より少なくてもよいし、より多くの種類の処理を含んでもよい。以下、装置側実行部13が実行する処理を、装置側処理という。
原稿読取処理は、原稿読取部130で原稿を読み取って得られる画像データをRAM114に記憶する処理である。原稿読取処理を実行するために用いられる設定値は、原稿の読み取り面、原稿がカラーまたはモノクロの別、読取解像度、画質、濃度、スタンプまたはページ印字の有無、読み取った画像の周辺を削除する枠消し、先鋭化などの画像処理の有無、RAM114に記憶する画像データのファイル形式および名称、原稿のサイズ、原稿の枚数、原稿の種類を含む。原稿の種類は、サイズの異なる原稿の有無、複数ページが形成されていることを示すブック原稿を含む。
画像形成処理は、データの画像を画像形成部140に給紙部150から供給される用紙に画像形成させる処理である。画像形成処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、カラーおよびモノクロの別、用紙サイズ、用紙の種類、印刷部数、給紙トレイの指定、後処理の有無、画像を形成する面(片面または両面)、原稿の向き等を含む。後処理の有無は、ソート、ステープル、パンチの有無等を含む。
データ送受信処理は、通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピューターからデータを受信する処理、または、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータを通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピューターに送信する処理である。データ送受信処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、データの解像度、カラーおよびモノクロの別、ファイル形式を含む。
ファクシミリ送受信処理は、ファクシミリデータの画像をファクシミリ部116に送信させる処理、または、ファクシミリデータの画像を外部から受信する処理である。ファクシミリ送受信処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、ファクミリ回線の設定、送信する時刻を指定する設定値、パスワード、Fコードを含む。
データ管理処理は、HDD115または外部記憶装置117にデータを記憶する処理、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータを変更または削除する処理、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータのうちから1以上を処理対象に選択する処理である。データを変更する処理は、データを編集する処理、フォーマットを変更する処理を含む。データ管理処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、HDD115にフォルダを作成する際のフォルダ名、フォルダに設定されているパスワード、データを検索するための検索文字列、フォルダのタイプ、文書削除時間等である。
装置側設定部11は、装置操作画面表示部31と、装置側設定値設定部33とを含む。装置操作画面表示部31は、ユーザーA、ユーザーBおよびユーザーCごとに操作画面を表示部161に表示する。操作画面は、装置側実行部13が実行可能な複数種類の処理のいずれかを選択するための処理選択画面と、選択された処理を実行するために用いられる設定値を設定するための設定値選択画面と、を含む。
装置操作画面表示部31は、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置から所定の範囲内に、処理選択画面を表示する。例えば、ユーザーAは、スマートフォン200Aを表示部161の表示面に置いた位置の近くに位置する。装置操作画面表示部31は、処理選択画面と処理選択画面の表示部161の表示面中の位置とを装置側受付部23に出力する。装置側受付部23は、装置操作画面表示部31から処理選択画面が入力された後に、タッチパネル165により検出される位置が処理選択画面中の場合、ユーザーAが処理選択画面に対して入力した操作を受け付ける。具体的には、装置側受付部23は、処理選択画面中でユーザーAにより指示された位置に基づいて、装置側処理を選択する操作を受け付け、装置側処理を識別するための処理識別情報を装置側設定値設定部33に出力する。
装置操作画面表示部31は、装置側処理が選択されることに応じて、その装置側処理を実行するために用いる設定値を設定するための設定値選択画面を表示部161の処理選択画面の近傍に表示する。装置操作画面表示部31は、設定値選択画面と設定値選択画面の表示部161の表示面中の位置とを装置側受付部23に出力する。装置側受付部23は、装置操作画面表示部31から設定値選択画面が入力された後に、タッチパネル165により検出される位置が設定値選択画面中の場合、ユーザーAが設定値選択画面に対して入力した操作を受け付ける。具体的には、装置側受付部23は、設定値選択画面中でユーザーAにより指示された位置に基づいて、設定値を装置設定値として選択する操作を受け付け、装置設定値を装置側設定値設定部33に出力する。
また、装置側受付部23は、連携処理の実行を指示する操作を受け付ける場合、装置側実行部13および遠隔操作部27に実行指示を出力する。例えば、装置側受付部23は、処理選択画面が連携処理の実行を指示するためのボタンを含むようにし、タッチパネル165により検出される位置が連携処理の実行を指示するためのボタン内の場合に、連携処理の実行を指示する操作を受け付ける。
装置側設定値設定部33は、装置側受付部23から処理識別情報が入力されることに応じて、処理識別情報で特定される装置側処理を設定し、装置側受付部23から装置側設定値が入力されることに応じて、装置側設定値を設定する。
装置側実行部13は、装置側受付部23から実行指示が入力されることに応じて、装置側設定値設定部33により設定された装置側処理を、装置側設定値に従って実行する。例えば、装置側実行部13は、連携処理の実行を指示するユーザーAにより入力される操作を検出すると、スマートフォン200Aと連携して、装置側処理を装置側設定値に従って実行する。具体的には、装置側実行部13は、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理の実行状態をスマートフォン200Aから取得し、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理と同期して装置側処理を実行する。装置側実行部13は、装置側処理が、携帯側処理より前に実行される場合には、スマートフォン200Aで携帯側処理を実行可能な状態であることが確認できた後に、装置側処理を実行する。また、装置側実行部13は、装置側処理が携帯側処理より後に実行される場合には、スマートフォン200Aで携帯側処理が終了したことを確認できた後に、装置側処理を実行する。装置側実行部13が装置側処理の実行を終了すると、解除部37に連携終了指示を出力する。連携終了指示は、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。
関連画像表示部25は、装置検出部15から離脱信号が入力されることに応じて、離脱信号に含まれる装置識別情報に関連する関連画像を、表示部161の表示面中で、離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に表示する。これにより、例えば、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れる場合、スマートフォン200Aに関連する関連画像が、スマートフォン200Aが置かれていた位置に表示されるので、ユーザーAがMFP100を操作中であることを通知することができる。また、ユーザーAが、再度、MFP100の近くに戻る場合に、自身の位置を確認することができる。
関連画像表示部25は、識別情報表示部41と、仮想画像表示部43と、携帯画面表示部45と、アプリ表示部47と、の少なくとも1つを含んでもよい。識別情報表示部41は、離脱信号に含まれる装置識別情報の画像を関連画像として、表示部161に表示する。識別情報表示部41は、離脱信号に含まれる装置識別情報の画像を関連画像として、表示部161の表示面中で離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に表示する。仮想画像表示部43は、離脱信号に含まれる装置識別情報で特定される装置、ここではスマートフォン200Aの外観を模した仮想画像を関連画像として、表示部161の表示面中で、離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に表示する。
携帯画面表示部45は、離脱信号に含まれる装置識別情報で特定される装置、ここではスマートフォン200Aから、スマートフォン200Aに表示されている画面の画像を取得し、取得された画面の画像を関連画像として、表示部161の表示面中で、離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に表示する。仮想画像表示部43により仮想画像が表示されている場合には、携帯画面表示部45は、仮想画像でスマートフォン200Aのディスプレイに相当する部分に、スマートフォン200Aから取得された画面の画像を重畳して表示するようにするのが好ましい。
連携装置であるスマートフォン200Aは、MFP100と連携するための連携プログラムとは別のアプリケーションプログラムを実行する場合があり、アプリケーションプログラムを実行する場合には、そのアプリケーションプログラムを識別するためのアプリ識別情報をMFP100に送信する。アプリ表示部47は、通信I/F部112が、離脱信号に含まれる装置識別情報で特定される装置、ここではスマートフォン200Aからアプリ識別情報を受信する場合、受信されたアプリ識別情報のアプリケーションプログラムが予め定められたプログラムか否かを判断する。予め定められたプログラムは、例えば、通話のためのアプリケーションプログラム、電子メールを受信するアプリケーションプログラムである。アプリ表示部47は、スマートフォン200Aから受信されたアプリ識別情報が予め定められたプログラムのいずれかを示す場合、そのアプリ識別情報の画像を関連画像として、表示部161の表示面中で、離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に表示する。
通知部29は、経路確立部17から離脱信号が入力されることに応じて、表示部161にメッセージを表示する。例えば、通知部29は、通信経路の確立を要求するメッセージを、表示部161の表示面中で、離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に表示する。
遠隔操作部27は、連携モード切換部21から連携モードを示す動作モード信号が入力されている間に、装置検出部15から離脱信号が入力されることに応じて、離脱信号に含まれる装置識別情報で特定される装置を、遠隔操作する。ここでは、離脱信号がスマートフォン200Aの装置識別情報を含む場合を例に説明する。遠隔操作部27は、携帯候補値取得部51と、携帯候補値表示部53と、設定指示部55と、を含む。携帯候補値取得部51は、通信I/F部112を制御して、スマートフォン200Aから携帯候補値を取得する。携帯候補値は、スマートフォン200Aにおいて、その時点で表示されている設定画面において、携帯側処理として設定可能な処理の1以上の処理識別情報、または、携帯側設定値として設定可能な1以上の設定値である。携帯候補値取得部51は、取得された1以上の携帯候補値を携帯候補値表示部53に出力する。
携帯候補値表示部53は、携帯候補値取得部51により取得された1以上の携帯候補値を、表示部161の表示面中で、離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に選択可能に表示する。この時点で、関連画像表示部25により関連画像が表示部161の表示面中で、離脱信号に含まれる位置情報で特定される位置に表示されているので、関連画像に重畳して表示するようにしてもよいし、関連画像と重ならないように関連画像の周辺に表示するようにしてもよい。携帯候補値を関連画像と重ならないように表示する場合には、関連画像が文字などの場合に、携帯候補値および関連画像の視認性が向上するので、有効である。携帯候補値が複数の場合には、複数の携帯候補値の全てを一度に表示する。なお、複数の携帯候補値の全てを一度に表示するスペースがない場合には、スクロール可能な状態で複数の携帯候補値を表示するようにしてもよい。具体的には、複数の携帯候補値のうちから予め定められた数の携帯候補値を一度に表示し、スクロール操作を受け付けることに応じて、表示されなかった1以上の携帯候補値を時間を異ならせて表示する。
携帯候補値表示部53は、1以上の携帯候補値と1以上の携帯候補値それぞれの表示部161の表示面中の位置を示す位置情報とを装置側受付部23に出力する。装置側受付部23は、携帯候補値表示部53から1以上の携帯候補値と1以上の携帯候補値それぞれの位置情報とが入力された後に、タッチパネル165により検出される位置が1以上の携帯候補値それぞれの位置情報で特定される位置の場合、ユーザーAが1以上の携帯候補値を選択する操作を受け付ける。装置側受付部23は、受け付けられた操作で特定される携帯候補値を、設定指示部55に出力する。設定指示部55は、装置側受付部23から携帯候補値が入力されることに応じて、通信I/F部112を制御して、離脱信号に含まれる装置識別情報で特定される装置、ここではスマートフォン200Aに、携帯候補値を設定することを指示する設定指示を送信する。設定指示は、装置側受付部23から入力される携帯候補値を含む。これにより、設定指示を受信するスマートフォン200Aの詳細は後述するが、設定指示に従って携帯側処理または携帯候補値を設定する。また、設定指示部55は、装置側受付部23から実行指示が入力される場合がある。設定指示部55は、装置側受付部23から実行指示が入力されることに応じて、通信I/F部112を制御して、離脱信号に含まれる装置識別情報で特定されるスマートフォン200Aに、実行指示を送信する。実行指示を受信するスマートフォン200Aの詳細は後述するが、実行指示に従って、MFP100と連携して、それまでに設定されている携帯側処理を携帯候補値に従って実行する。
装置側受付部23は、携帯候補値表示部53により表示された1以上の携帯候補値の1以上を選択した状態で、装置側設定値設定部33により表示される操作画面に対して入力した操作を受け付けることが可能である。また、装置側受付部23は、装置側設定値設定部33により表示される操作画面で装置側処理または装置側設定値を選択した状態で、携帯候補値表示部53により表示された1以上の携帯候補値を選択する操作を受け付けることが可能である。
装置側受付部23は、ドラッグアンドドロップ操作により、2つの異なる位置にそれぞれ対応する操作を受け付ける。装置側受付部23は、時間の経過に伴ってタッチパネル165により検出される表示部161の表示面中の位置に基づいてドラッグアンドドロップ操作を受け付ける。装置側受付部23は、表示部161の表示面で同じ位置を所定時間継続して指示する操作をドラッグ操作として受け付ける。ドラッグ操作では所定時間継続して指示された位置が特定される。装置側受付部23は、ドラッグ操作の後にドラッグ操作の位置とは異なる位置で指示を終了する操作をドロップ操作として受け付ける。ドロップ操作では指示が終了する前に最後に指示された位置が特定される。ドラッグ操作で特定される位置からドロップ操作で特定される位置までユーザーが指を表示部161の表示面を移動させることになる。
具体的には、装置側受付部23は、携帯候補値表示部53により表示された1以上の携帯候補値の1つに対してドラッグ操作が受け付ける場合、ドラッグ操作により特定される位置に表示された携帯候補値を選択した状態とするとともに、設定指示部55に携帯候補値を含む設定指示を出力する。そして、ドロップ操作により、装置操作画面表示部31により表示された操作画面内の位置が特定される場合に、ドロップ操作により特定される位置に表示された処理識別情報または設定値を選択する操作を受け付け、装置側設定値設定部33に装置側処理または設定値を設定させる。この場合、ドラッグ操作で特定される位置からドロップ操作で特定される位置までユーザーが指を表示部161の表示面を移動させる間、ユーザーが指示する位置に、ドラッグ操作で選択された携帯候補値を表示して、携帯候補値がユーザーの指の移動に伴って移動して表示されるようにするのが好ましい。
例えば、ドラッグアンドドロップ操作により、ドラッグ操作で携帯候補値としてスマートフォン200Aに記憶されているデータのデータ識別情報が特定され、ドロップ操作で画像生成処理の処理識別情報が特定される場合、スマートフォン200Aに記憶されているデータをMFP100で画像形成する連携処理が設定される。
また、装置側受付部23は、ドラッグ操作により、装置操作画面表示部31により表示された操作画面内の位置が特定される場合に、ドラッグ操作により特定される位置に表示された処理識別情報または設定値を選択する操作を受け付け、処理識別情報または設定値を選択した状態とするとともに、装置側設定値設定部33に装置側処理または設定値を設定させる。そして、ドロップ操作により、携帯候補値表示部53により表示された1以上の携帯候補値の1つの位置が特定される場合に、ドロップ操作により特定される位置に表示された携帯候補値を選択し、設定指示部55に携帯候補値を含む設定指示を出力する。
例えば、ドラッグアンドドロップ操作により、ドラッグ操作で原稿読取処理の処理識別情報が特定され、ドロップ操作で、携帯候補値として電子メールアドレスが特定される場合、MFP100が原稿を読み取って得られる画像データを含み、特定される電子メールアドレス宛の電子メールを、スマートフォン200Aが送信する連携処理が設定される。
図5は、操作画面の一例を示す図である。図5を参照して、操作画面300は、表示部161の表示面中で、スマートフォン200Aが置かれた位置を含む一部の領域に表示される。操作画面300は、単独モードで有効な単独領域301と、設定値を設定するための設定画面が表示される設定値領域303と、連携モードで有効な連携領域305と、を含む。なお、図中の点線は、単独領域301、設定値領域303および連携領域305を区別するために付したもので、実際には存在しない。単独領域301、設定値領域303および連携領域305を区別するために、境界線を操作画面300に付すようにしてもよいし、単独領域301、設定値領域303および連携領域305の背景の色を異なるようにしてもよい。
単独領域301は、動作モードが単独モードの場合にユーザーによる操作を受け付け可能となる。単独領域301は、装置単独処理を選択するための複数のボタンを含む。複数のボタンは、ここでは、「コピー」の文字が表された原稿読取処理および画像形成処理を選択するためのボタンと、「スキャン」の文字が表された原稿読取処理を選択するためのボタンと、「印刷」の文字が表されたデータ管理処理および画像形成処理を選択するためのボタンと、「送信」の文字が表されたデータ送受信処理を選択するためのボタンと、「ボックス」の文字が表されたデータ管理処理を選択するためのボタンと、を含む。
連携領域305は、動作モードが連携モードの場合にユーザーによる操作を受け付け可能となる。連携領域305は、スマートフォン200Aが置かれた位置を含み、スマートフォン200Aが置かれた領域の周辺に、携帯側処理を選択するための複数のボタンを含む。ここでは、複数のボタンは、「送信」の文字が表されたデータ送受信処理を選択するためのボタンと、「印刷」の文字が表された画像形成処理を選択するためのボタンと、「ボックス」、「プレビュー」、「OCR」および「編集」の文字がそれぞれ表されたデータ管理処理を選択するための4つのボタンと、を含む。
設定値領域303は、単独モードの場合は、単独領域301において選択された装置単独処理を実行するために用いられる装置単独設定値を設定するための設定画面が表示され、連携モードの場合は、連携領域305において選択された装置側処理を実行するために用いられる装置側設定値を設定するための設定画面が表示される。
単独モードにおいては、ユーザーは、単独領域301および設定値領域303に対して操作を入力することにより、装置単独処理の選択と、装置単独設定値の設定とが可能となる。また、連携モードにおいては、ユーザーは、連携領域305および設定値領域303に対して操作を入力することにより、装置側処理の選択と、装置側設定値の設定とが可能となるともに、スマートフォン200Aを操作して、携帯側処理の選択と、携帯側設定値の設定とが可能となる。
図6は、スマートフォンが離脱した状態における操作画面の一例を示す図である。図5と異なる点は、スマートフォン200Aに代えて関連画像311および携帯候補値321を含む点である。関連画像311は、識別情報の画像313と、仮想画像315と、画面の画像317と、を含む。識別情報の画像313は、スマートフォン200Aの識別情報「スマートフォンA」の文字列の画像である。仮想画像315は、スマートフォン200Aの外観を模した画像であり、図中のハッチングを付した部分が相当する。画面の画像317は、スマートフォン200Aに表示されている画面の画像である。ここでは、画面の画像317は、仮想画像315中で、スマートフォン200Aの表示部26の表示面に相当する位置に配置される。画面の画像は、ファイル名を列挙し、ファイルを選択するための設定画面の画像を示している。
携帯候補値321は、スマートフォン200Aに表示されている設定画面で選択可能な設定値である。ここでは、スマートフォン200Aにファイルを選択するための設定画面が表示されている場合を例に示すので、携帯候補値321は、ファイル名「A」〜「L」として示している。
また、ファイル名「A」の携帯候補値321は、ハッチングを付して示しており、ドラッグ操作によりユーザーにより選択された状態を示している。ファイル名「A」の携帯候補値321を、例えば、「印刷」の文字が表された画像形成処理を選択するためのボタンに重なるまで移動させ、ドロップ操作をすれば、ファイル名「A」のデータが携帯設定値として設定され、画像形成処理が装置処理として設定される。この場合、連携処理を、ファイル名「A」のデータを画像形成する処理として実行するようにしてもよい。この場合、装置設定値は、その時点で画像形成処理に対して設定されている設定値とすればよい。
図7は、本実施の形態におけるスマートフォンが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図7に示す機能は、スマートフォン200Aが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、CD−ROM211Aに記憶された携帯側連携プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。携帯側連携プログラムは、連携プログラムの一部である。以下、CPU201が、携帯側連携プログラムを実行するタスクを、連携タスクという。
図7を参照して、CPU201は、携帯側設定部251と、携帯側実行部253と、携帯側受付部255と、遠隔制御部257と、通信制御部259と、連携終了通知部261と、アプリ通知部263と、を含む。
CPU201は、複数種類のアプリケーションプログラムを実行する。ここでは、スマートフォン200Aに、携帯側連携プログラムと、電話の通話を可能にするアプリケーションプログラムと、電子メールを送受信するアプリケーションプログラムと、インターネットに配置されたWebページを閲覧するためのブラウジングプログラムが少なくともインストールされている場合を例に説明する。なお、スマートフォン200Aにインストールされるアプリケーションプログラムは、これらに限定されるものではない。以下、CPU201が携帯側連携プログラムを実行するタスクを、連携タスクといい、CPU201が携帯側連携プログラム以外のアプリケーションプログラムを実行するタスクを、アプリタスクという。携帯側連携プログラム以外のアプリケーションプログラムは、ここでは、電話の通話を可能にするアプリケーションプログラム、電子メールを送受信するアプリケーションプログラムおよびブラウジングプログラムである。携帯側設定部251と、携帯側実行部253と、携帯側受付部255と、遠隔制御部257と、通信制御部259と、連携終了通知部261と、アプリ通知部263とは、連携タスクである。携帯側設定部251は、アプリタスクとなり得る。
携帯側実行部253は、複数種類の処理を実行可能である。携帯側実行部253が実行可能な複数種類の処理は、スマートフォン200Aにインストールされるアプリケーションプログラムにより決定される。携帯側実行部253は、アプリタスクがカレント状態の場合、そのアプリケーションプログラムを識別するためのアプリ識別情報をアプリ通知部263に出力する。アプリ識別情報は、例えば、アプリケーションプログラムの名称である。カレント状態は、操作部207に入力されるユーザーによる操作を受付可能な状態であり、非カレント状態は、操作部207に入力されるユーザーによる操作を受付不可能な状態である。
携帯側設定部251は、携帯設定画面表示部271と、携帯側設定値設定部273とを含む。携帯設定画面表示部271は、表示部206に設定画面を表示する。携帯側設定部251は、表示部206に表示された設定画面を携帯側受付部255に出力する。設定画面は、携帯側実行部253が実行可能な複数種類の処理のいずれかを選択するための処理選択画面と、選択された処理を実行するために用いられる設定値を設定するための設定値選択画面と、を含む。
携帯側受付部255は、携帯設定画面表示部271から設定画面が入力された後に、タッチパネル207Bにより検出される位置が設定画面中の場合、ユーザーAが設定画面に対して入力した操作を受け付ける。具体的には、携帯側受付部255は、設定値選択画面中でユーザーAにより指示された位置に基づいて、携帯側設定値を選択する操作を受け付け、携帯側設定値を携帯側設定値設定部273に出力する。
携帯側受付部255は、連携処理の終了を指示する操作を受け付ける場合がある。例えば、携帯側受付部255は、処理選択画面が、連携処理の終了を指示するためのボタンを含むようにし、タッチパネル207Bにより検出される位置が連携処理の終了を指示するためのボタン内の場合に、連携処理の終了を指示する操作を受け付ける。携帯側受付部255は、連携処理の終了を指示する操作を受け付ける場合、連携終了通知部261に連携終了指示を出力する。
携帯側設定値設定部273は、携帯側受付部255から処理識別情報が入力されることに応じて、処理識別情報で特定される携帯側処理を設定し、携帯側受付部255から設定値が入力されることに応じて、その設定値を携帯側設定値に設定する。携帯側設定値設定部273は、設定された携帯側処理を識別するための処理識別情報と、携帯側設定値との組を、携帯側実行部253に出力する。
通信制御部259は、近距離通信部209を制御して、MFP100から探索コマンドを受信することに応じて、自装置の装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。さらに通信制御部259は、近距離通信部209を制御して、MFP100から接続要求を受信することに応じて、MFP100とネゴシエーションして、通信経路を確立する。通信制御部259は、MFP100の装置識別情報と、MFP100との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報と、を遠隔制御部257、アプリ通知部263および連携終了通知部261に出力する。本実施の形態においては、ユーザーAがスマートフォン200AをMFP100の表示部161の表示面に置くと、MFP100が通信経路を確立するために接続要求を送信してくるので、通信制御部259は、ユーザーAがスマートフォン200AをMFP100の表示部161の表示面に置くと通信経路を確立することになる。なお、通信制御部259は、無線LANI/F208を制御して、MFP100から接続要求を受信することに応じて、MFP100との間で通信経路を確立するようにしてもよい。
遠隔制御部257は、携帯候補値送信部281と、設定制御部283と、実行指示部285と、を含む。携帯候補値送信部281は、携帯設定画面表示部271から設定画面が入力される。携帯候補値送信部281は、設定画面で定められた1以上の候補値を特定する。候補値は、設定画面で設定することが可能な設定値であり、携帯側処理として設定可能な処理の処理識別情報と、携帯側設定値として設定可能な設定値と、を含む。携帯候補値送信部281は、近距離通信部209を制御して、通信制御部259によりMFP100との間で確立された通信経路を介して、特定された1以上の候補値をMFP100に送信する。
設定制御部283は、近距離通信部209を制御して、通信制御部259によりMFP100との間で確立された通信経路を介して、MFP100から設定指示を受信する。設定指示は、携帯候補値送信部281によりMFP100に送信されて1以上の携帯候補値のいずれかを含み、その携帯候補値を携帯側処理または携帯設定値に設定することの指示を示す。設定制御部283は、設定指示が入力されることに応じて、携帯側設定値設定部273に、設定指示に含まれる携帯候補値の設定を指示する。携帯側設定値設定部273は、設定制御部283により携帯候補値の設定が指示される場合、携帯候補値が処理識別情報の場合には、その処理識別情報で特定される処理を携帯側処理に設定し、携帯候補値が設定値の場合には、その設定値を携帯設定値として設定する。
実行指示部285は、近距離通信部209を制御して、通信制御部259によりMFP100との間で確立された通信経路を介して、MFP100から実行指示を受信する。実行指示は、連携処理を実行することの指示を示す。実行指示部285は、MFP100から実行指示を受信することに応じて、携帯側実行部253に携帯側処理の実行を指示する。
携帯側実行部253は、実行指示部285から携帯側処理の実行が指示されることに応じて、携帯側設定値設定部273により設定された携帯側処理を、携帯側設定値に従って実行する。具体的には、携帯側実行部253は、MFP100と同期して携帯側処理を実行する。例えば、携帯側実行部253は、MFP100で実行される装置側処理の実行状態をMFP100から取得し、携帯側処理を実行する。携帯側処理が、装置側処理より前に実行される場合にはMFP100で装置側処理を実行可能な状態であることが確認できた後に、携帯側処理を実行する。携帯側処理が、装置側処理より後に実行される場合には、MFP100で装置側処理が終了したことを確認できた後に、携帯側処理を実行する。
図8は、本実施の形態における連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。連携処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、装置検出処理を実行し(ステップS01)、処理をステップS04に進める。
図9は、装置検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9を参照して、CPU111は、表示部161の表示面中に物体が接触したか否かを判断する(ステップS21)。具体的には、タッチパネル165を制御して、タッチパネル165が物体が接触した位置を検出すると、表示部161の表示面に物体が接触したと判断する。タッチパネル165が物体が接触した位置を検出したならば処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
次のステップS22においては、表示部161の表示面に物体が接触する領域の面積が、所定のサイズ以上か否かを判断する。所定のサイズは、ユーザーの指の面積の上限とするのが好ましい。人の指による指示と、スマートフォン200Aが載置されることによる指示とを区別するためである。表示部161の表示面に物体が接触した領域の面積が、所定のサイズ以上ならば処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理をステップS35に進める。ステップS35においては、ユーザーの指示を設定し、処理を連携処理に戻す。
ステップS23においては、近距離通信部119を制御して、探索コマンドを送信する。スマートフォン200A,200B,200Cのうち近距離通信部119と通信可能な範囲に存在する1以上それぞれが、探索コマンドを受信することに応じて、自装置の装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。スマートフォン200A,200B,200Cであって、表示部161の表示面に置かれた装置であって連携装置に登録されていない装置の他に、表示部161の表示面に置かれていない装置、表示部161の表示面に置かれているが既に連携装置に登録されている装置が応答コマンドを返信する場合がある。以下、応答コマンドを返信する装置を候補装置という。このため、次のステップS24おいては、候補装置のうちから連携装置と除外装置とを除外する。除外装置は、後述するステップS29において除外装置として登録される装置である。連携装置は、後述するステップS30において連携装置として登録される装置である。次のステップS25においては、候補装置が存在するか否かを判断する。候補装置が存在すれば処理をステップS26に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に進める。ステップS34においては、エラーメッセージを表示部161に表示し、処理を連携処理に戻す。
次のステップS26においては、候補装置が複数存在するか否かを判断する。候補装置が複数ならば処理をステップS27に進めるが、そうでなければ処理をS30に進める。ステップS30においては、処理がステップS26から進む場合に1つの候補装置を連携装置に設定し、処理をステップS31に進める。
処理がステップS27に進む場合は、候補装置が複数の場合である。ステップS27においては、複数の候補装置のうちから1つを選択するための候補選択画面を表示部161に表示し、処理をステップS28に進める。候補選択画面を表示する位置は、図8のステップS01においてタッチパネル165により検出された位置の近傍である。ステップS28においては、複数の候補装置のうち1つが選択されるまで待機状態となり(ステップS28でNO)、1つが選択されたならば(ステップS28でYES)、処理をステップS29に進める。ステップS29においては、複数の候補装置のうち選択されなかった1以上の候補装置のすべてを除外装置に登録し、処理をステップS30に進める。
ステップS30においては、処理がステップS29から進む場合、ステップS28において選択された候補装置を連携装置に設定し、処理をステップS31に進める。ステップS31においては、近距離通信部119を制御して、ステップS30において連携装置に設定された候補装置との間で通信経路を確立し、処理をステップS32に進める。
ステップS32においては、ステップS30において連携装置に設定された装置に、ステップS21においてタッチパネル165により検出された位置を関連付け、処理を連携処理に戻す。具体的には、連携装置の装置識別情報と、タッチパネル165により検出された位置を示す位置情報とを関連付けてRAM114に記憶する。
図8に戻って、ステップS01において装置検出処理を実行した後、ステップS02において、連携装置が設定されたか否かを判断する。装置検出処理によって連携装置が設定されたならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に進める。
ステップS03においては、動作モードを連携モードに切り換え、処理をステップS04に進める。ステップS04においては、処理選択画面を表示部161に表示し、処理をステップS08に進める。処理選択画面は、MFP100が実行可能な複数の処理のうちから装置側処理を選択するための画面である。ステップS01においてタッチパネル165により検出された位置の近傍に処理選択画面を表示する。
以下、ユーザーAがスマートフォン200Aを表示部161の表示面に置く場合に、ステップS01において実行される装置検出処理によって、スマートフォン200Aが連携装置に設定される場合を例に説明する。この場合、スマートフォン200Aの装置識別情報と、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置識別情報とが、RAM114に一時記憶される。
ステップS05においては、ステップS01において実行される装置検出処理によってユーザーの指示が設定されたか否かを判断する。ユーザーの指示が設定されたならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS08に進める。
処理がステップS06に進む場合は、タッチパネル165をユーザーが指で指示する場合である。ステップS06においては、タッチパネル165を指示したユーザーを特定する。ステップS01において、連携装置が設定される場合に、連携装置の装置識別情報と位置情報とがRAM114に記憶されているので、その連携装置の装置識別情報と位置情報とを用いてユーザーを特定する。例えば、スマートフォン200Aが連携装置に登録される場合、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置から所定の範囲内を、スマートフォン200Aを携帯するユーザーAの作業領域に決定する。タッチパネル165において検出された位置が、ユーザーAの作業領域ならば、タッチパネル165を指示したユーザーをユーザーAに特定する。
次のステップS07においては、受付制御処理を実行し、処理をステップS08に進める。受付制御処理の詳細は後述するが、タッチパネル165により検出された位置に基づいて、ユーザーAによる操作を決定し、決定された操作で定まる処理を実行する処理である。
ステップS08においては、動作モードが連携モードか否かを判断する。連携モードならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS09においては、連携装置が表示部161の表示面から離れたか否かを検出する。スマートフォン200Aが連携装置に登録されているので、RAM114にスマートフォン200Aの装置識別情報と位置情報とが記憶されている。タッチパネル165が、スマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置において、物体の接触を検出しなくなる場合、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れたと判断する。連携装置であるスマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れたことが検出される場合、処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS13に進める。
ステップS10においては、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置に関連画像を表示し、処理をステップS11に進める。関連画像は、連携装置であるスマートフォン200Aを識別するための装置識別情報である。また、関連画像は、連携装置であるスマートフォン200Aの外観を模した仮想画像であってもよい。さらに、連携装置であるスマートフォン200Aから、その時点でスマートフォン200Aに表示されている設定画面の画像を取得する場合、取得された設定画面の画像を関連画像としてもよい。
ステップS11においては、携帯候補値を取得し、処理をステップS12に進める。近距離通信部119を制御して、連携装置であるスマートフォン200Aから携帯候補値を取得する。携帯候補値は、スマートフォンが表示している設定画面において選択可能な処理を識別するための処理識別情報、または、設定画面において選択可能な設定値である。
次のステップS12においては、ステップS12において取得された携帯候補値を表示部161に表示し、処理をステップS01に戻す。携帯候補値を、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置を基準に予め定められた位置に表示する。表示部161の表示面中でスマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置には、ステップS10において関連画像が表示されている。携帯候補値を、関連画像に重畳して表示してもよいし、関連画像が英数文字を含む場合には、関連画像と重ならないように、関連画像の周辺に表示するようにしてもよい。携帯候補値が複数の場合には、複数の携帯候補値の全てを一度に表示する。なお、複数の携帯候補値の全てを一度に表示するスペースがない場合には、スクロール可能な状態で複数の携帯候補値を表示するようにしてもよい。
ステップS13においては、近距離通信部119が連携装置であるスマートフォン200Aからアプリ識別情報を受信したか否かを判断する。アプリ識別情報を受信したならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。ステップS14においては、アプリ識別情報の画像を関連画像として、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置を基準に予め定められた位置に表示し、処理をステップS01に戻す。ステップS11においてアプリ識別情報の画像とは別の関連画像が表示されているので、アプリ識別情報の画像を、ステップS10において表示された関連画像と重ならないように、関連画像の周辺に表示する。
ステップS15においては、近距離通信部119が連携装置であるスマートフォン200Aから連携終了指示を受信したか否かを判断する。連携終了指示を受信したならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS18に進める。ステップS16においては、動作モードを単独モードに切り換え、処理をステップS17に進める。ステップS17においては、表示部161に表示されている画面をリセットし、処理をステップS01に戻す。具体的には、ステップS04において表示された処理選択画面、ステップS10で表示された関連画像、ステップS12において表示された携帯候補値、ステップS14において表示されたアプリ識別情報の表示を終了する。
ステップS18においては、連携装置であるスマートフォン200Aとの間で確立された通信経路が切断したか否かを判断する。近距離通信部119がスマートフォン200Aからの応答を受信しなくなる場合に、通信経路が切断したと判断する。通信経路が切断したと判断する場合、処理をステップS19に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS19においては、メッセージを、表示する。例えば、通信経路の確立を要求するメッセージを、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置を基準に予め定められた位置に表示する。具体的には、スマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置の周辺で、既に表示されている画像と重ならない領域にメッセージを表示する。メッセージは、例えば、通信経路の確立をユーザーに要求するメッセージである。
図10は、受付制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。受付制御処理は、図8のステップS07において実行される処理である。受付制御処理が実行される前の段階で、タッチパネル165によってユーザーAにより指示された位置が検出されている。図10を参照して、CPU111は、動作モードによって処理を分岐する(ステップS51)。動作モードが連携モードの場合は処理をステップS52に進め、動作モードが単独モードの場合は、処理をステップS75に進める。ステップS75においては、タッチパネル165によって検出された位置に基づいて、単独モードにおいて定められた操作を特定し、特定された操作に従って処理を実行し、処理を連携処理に戻す。
ステップS52においては、タッチパネル165により検出された位置に基づいて操作を決定する。処理選択画面、設定値選択画面または携帯候補値の画像が表示部161に表示されている状態でタッチパネル165により検出される位置に基づいて、処理選択画面、設定値選択画面または携帯候補値の画像中の位置を特定し、操作を決定する。処理選択画面は、MFP100が実行可能な複数の処理がそれぞれ割り当てられた複数のボタンと、連携処理の実行を指示する操作が割り当てられたボタンと、を含む。タッチパネル165により検出された位置が、処理が割り当てられたボタン中の場合は、そのボタンに割り当てられた処理を選択する操作を決定する。タッチパネル165により検出された位置が、連携処理の実行を指示する操作が割り当てられたボタン中の場合は、連携処理の実行を指示する操作を決定する。
設定値選択画面は、設定値が割り当てられた複数のボタンを含む。タッチパネル165により検出された位置が、設定値が割り当てられたボタン中の場合は、そのボタンに割り当てられた設定値を選択する操作を決定する。なお、設定値選択画面が、複数のキーからなるキーボードを含むようにし、タッチパネル165により検出される位置がキー中の場合、そのキーに割り当てられた英数文字を携帯設定値として選択する操作を決定するようにしてもよい。
また、タッチパネル165により検出される位置が1以上の携帯設定値のいずれかの中の場合、タッチパネル165により検出される位置を含む携帯設定値を指示する操作を決定する。
ステップS53においては、ステップS52において決定された操作が処理を選択する操作か否かを判断する。処理を選択する操作が決定されたならば処理をステップS54に進めるが、そうでなければ処理をステップS56に進める。ステップS54においては、選択された処理を携帯側処理に設定し、処理をステップS55に進める。ステップS55においては、携帯側処理を実行するために用いる設定値を設定するための設定値設定画面を、表示部161に表示し、処理をステップS58に進める。
ステップS56においては、ステップS52において決定された操作が設定値を選択する操作か否かを判断する。設定値を選択する操作が決定されたならば処理をステップS57に進めるが、そうでなければ処理をステップS64に進める。処理がステップS57に進む場合は、タッチパネル165により検出された位置が、ステップS55において表示された設定値選択画面に含まれる設定値が割り当てられたボタン中の場合である。この場合は、そのボタンに割り当てられた設定値を選択する操作が決定される。ステップS57においては、選択された設定値を装置設定値に設定し、処理をステップS58に進める。
ステップS58においては、ドラッグ操作を検出したか否かを判断する。タッチパネル165において継続して所定時間以上同じ位置が検出される場合に、ドラッグ操作を検出する。処理がステップS55から進む場合は、処理選択画面中で装置側処理に割り当てられたボタン内の位置がタッチパネル165において継続して所定時間以上検出される場合に、ドラッグ操作を検出する。処理がステップS57から進む場合は、設定値選択画面中で装置設定値に割り当てられたボタン内の位置がタッチパネル165において継続して所定時間以上検出される場合に、ドラッグ操作を検出する。ドラッグ操作を検出したならば処理をステップS59に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
ステップS59においては、ドロップ操作を検出したか否かを判断する。ドラッグ操作を検出した後に、タッチパネル165によって指で指示される位置が検出されなくなる時点で、最後に検出された位置がドラッグ操作が検出された位置と異なる場合に、ドロップ操作を検出する。ドロップ操作によって、タッチパネル165によって最後に検出された位置が特定され、特定された位置に基づいて操作が決定される。ドロップ操作を検出したならば処理をステップS60に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
ステップS60においては、ドロップ操作によって携帯候補値を選択する操作が決定されたか否かを判断する。ドロップ操作によって特定される位置が1以上の携帯候補値の画像のいずれかの中ならばその装置候補値を選択する操作を特定する。ドロップ操作によって携帯候補値を選択する操作が決定されたならば処理をステップS61に進めるが、そうでなければ処理をステップS63に進める。ステップS61においては、連携処理を特定できるか否かを判断する。ステップS54において設定された装置側処理、および、ステップS57において設定された装置設定値と、ステップS60において選択された携帯候補値によって連携処理を実行可能か否かを判断する。装置側処理と、装置設定値と、携帯候補値との組み合わせが予め禁止されていない場合に、連携処理を特定できると判断する。連携処理を特定可能ならば処理をステップS62に進めるが、そうでなければ処理をステップS63に進める。ステップS62においては、近距離通信部119を制御して、設定指示を、連携装置であるスマートフォン200Aに送信し、処理を連携処理に戻す。設定指示は、ステップS60において設定された携帯候補値の設定を指示するコマンドであり、ステップS60において設定された携帯候補値を含む。ステップS63においては、エラーメッセージを表示部161に表示し、処理を連携処理に戻す。エラーメッセージは、ドラッグ操作およびドロップ操作が不適切であることを通知するメッセージである。
ステップS64においては、ステップS52において決定された操作が携帯候補値を指示する操作か否かを判断する。携帯候補値を指示する操作が決定されたならば処理をステップS65に進めるが、そうでなければ処理をステップS72に進める。ステップS65においては、近距離通信部119を制御して、設定指示を、連携装置であるスマートフォン200Aに送信し、処理をステップS66に進める。設定指示は、ステップS52において決定された操作により特定される携帯候補値を含む。
ステップS66においては、ドラッグ操作を検出したか否かを判断する。ここでは、携帯候補値の画像内の位置がタッチパネル165において継続して所定時間以上検出される場合に、ドラッグ操作を検出する。ドラッグ操作を検出したならば処理をステップS67に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
ステップS67においては、ドロップ操作を検出したか否かを判断する。ドロップ操作を検出したならば処理をステップS68に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。ステップS68においては、ドロップ操作によって処理を選択する操作または設定値を選択する操作が決定されたか否かを判断する。ドロップ操作によって処理を選択する操作または設定値を選択する操作が決定されたならば処理をステップS69に進めるが、そうでなければ処理をステップS71に進める。ステップS68においては、連携処理を特定できるか否かを判断する。ステップS66において送信された設定指示に含まれる携帯候補値と、ドロップ操作によって選択される処理または設定値によって連携処理を実行可能か否かを判断する。携帯候補値と、ドロップ操作によって選択される処理または設定値との組み合わせが予め禁止されていない場合に、連携処理を特定できると判断する。連携処理を特定可能ならば処理をステップS70に進めるが、そうでなければ処理をステップS71に進める。ステップS68においては、ドロップ操作によって選択される処理または設定値を設定し、処理を連携処理に戻す。具体的には、ドロップ操作によって処理が選択される場合には、選択された処理を装置側処理に設定し、ドロップ操作によって設定値が選択される場合には、選択された設定値を装置設定値に設定する。ステップS71においては、エラーメッセージを表示部161に表示し、処理を連携処理に戻す。エラーメッセージは、ドラッグ操作およびドロップ操作が不適切であることを通知するメッセージである。
ステップS72においては、ステップS52において決定された操作が連携処理の実行を指示する実行指示操作か否かを判断する。実行指示操作ならば処理をステップS73に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。ステップS73においては、近距離通信部119を制御して、連携装置であるスマートフォン200Aに実行指示を送信し、処理をステップS74に進める。ステップS74においては、装置側設定値に従って装置側処理を、連携装置であるスマートフォン200Aと連携して実行し、処理を連携処理に戻す。
なお、ステップS61において特定された連携処理、またはステップS69において特定される連携処理が実行可能な場合には、処理をステップS73に進め、ドロップ操作の後、連携処理を直ちに実行するようにしてもよい。
図11は、本実施の形態における携帯側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。携帯側連携処理は、スマートフォン200Aが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、CD−ROM211Aに記憶された携帯側連携プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。図11を参照して、近距離通信部209が探索コマンドを受信したか否かを判断する。探索コマンドを受信したならば処理をステップS202に進めるが、そうでなければ処理をステップS205に進める。ここでは、MFP100が送信する探索コマンドを受信する場合を例に説明する。
ステップS202においては、近距離通信部209を制御して、応答コマンドを返信する。そして、近距離通信部119が、ステップS201において受信された探索コマンドを送信してきたMFP100から接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS203)。接続要求を受信したならば処理をステップS204に進めるが、そうでなければ処理をステップS205に進める。ステップS204においては、接続要求を送信してきたMFP100との間で通信経路を確立し、処理をステップS205に進める。
ステップS205においては、表示部206に設定画面を表示し、処理をステップS206に進める。ステップS206においては、操作を受け付けたか否かを判断する。タッチパネル207Bにより検出される位置に基づいて、設定画面中の位置を特定し、操作を決定する。操作を決定する場合に操作を受け付けたと判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS207に進めるが、そうでなければ処理をステップS217に進める。設定画面に操作が割り当てられたボタンを含み、そのボタン中の位置が特定される場合は、ボタンに割り当てられた操作を決定する。例えば、設定画面が、複数の処理がそれぞれ割り当てられた複数の処理選択ボタンを含み、複数の処理選択ボタンのいずれかの中の位置が特定される場合は、その処理選択ボタンに割り当てられた処理を選択する処理選択操作を決定する。設定画面が、複数の設定値がそれぞれ割り当てられた複数の設定値選択ボタンを含み、複数の設定値選択ボタンのいずれかの中の位置が特定される場合は、その設定値選択ボタンに割り当てられた設定値を選択する設定値選択操作を決定する。また、設定画面が複数のキーからなるキーボードを含む場合、複数のキーのいずれかのキー中の位置が特定される場合は、そのキーに割り当てられた英数文字を設定値として入力する操作を決定する。また、操作画面が、連携処理の終了を指示する連携終了操作が割り当てられた連携終了キーを含み、連携終了キー中の位置が特定される場合は、連携終了操作を決定する。操作画面が、別の操作画面に切り換える画面切換キーを含み、画面切換キー中の位置が特定される場合は、画面切換操作を決定する。
また、連携プログラムとは別のアプリケーションプログラムを実行するアプリタスクが起動する場合に、そのアプリタスクに切り換える操作が割り当てられたタスク切換キーが操作画面に表示される場合がある。例えば、通話の着信に応じて、通話のためのアプリケーションプログラムを実行するアプリタスクが起動する場合、電子メールの受信に応じて、電子メールを送受信通話のためのアプリケーションプログラムを実行するアプリタスクが起動する場合である。タスク切換キー中の位置が特定される場合は、タスク切換操作を決定する。
ステップS207においては、ステップS206において受け付けられた操作がタスク切換操作か否かを判断する。タスク切換操作を受け付けたならば処理をステップS208に進めるが、そうでなければ処理をステップS210に進める。ステップS208においては、タスク切換キーで特定されるタスクをカレント状態に切り換え、処理をステップS209に進める。
ステップS209においては、近距離通信部119を制御して、カレント状態のタスクに対応するアプリケーションプログラムのアプリ識別情報をMFP100に送信し、処理をステップS210に進める。
ステップS210においては、連携タスクがカレント状態か否かを判断する。連携タスクがカレント状態ならば処理をステップS211に進めるが、そうでなければ処理をステップS216に進める。ステップS216においては、カレント状態のアプリタスクで定められた処理を実行を実行し、処理をステップS206に戻す。
ステップS211においては、ステップS206において受け付けられた操作によって処理を分岐する。画面切換操作を受け付けたならば処理をステップS212に進め、処理選択操作を受け付けたならば処理をステップS213に進め、設定値選択操作を受け付けたならば処理をステップS214に進め、連携終了操作を受け付けたならば処理をステップS215に進める。
ステップS212においては、表示部206に表示する画面を、画面切換操作により特定される設定画面に切り換え、処理をステップS206に戻す。ステップS213においては、処理選択操作により選択された処理を携帯側処理に設定し、処理をステップS206に戻す。ステップS214においては、設定値選択操作により選択された設定値を携帯設定値に設定し、処理をステップS206に戻す。ステップS215においては、近距離通信部119を制御して、連携終了指示をMFP100に送信し、処理をステップS206に戻す。
ステップS217においては、MFP100から携帯候補値が要求されたか否かを判断する。具体的には、近距離通信部119がMFP100から携帯候補値の送信を要求する信号を受信すると、携帯候補値が要求されたと判断する。携帯候補値が要求されたならば処理をステップS218に進めるが、そうでなければ処理をステップS219に進める。ステップS218においては、携帯候補値を送信し、処理をステップS206に戻す。携帯候補値は、携帯候補値が要求された時点で表示部206に表示されている設定画面において選択可能な1以上の処理それぞれの処理識別情報、およびその設定画面において選択可能な1以上の設定値を含む。
ステップS219においては、MFP100から設定指示を受信したか否かを判断する。設定指示を受信したならば処理をステップS220に進めるが、そうでなければ処理をステップS221に進める。ステップS220においては、設定指示に含まれる携帯候補値を設定し、処理をステップS206に戻す。携帯候補値が、処理識別情報の場合には、処理識別情報で識別される処理を携帯側処理に設定し、携帯候補値が設定値の場合には、設定値を携帯設定値に設定する。
ステップS221においては、近距離通信部119がMFP100から実行指示を受信したか否かを判断する。実行指示を受信したならば処理をステップS222に進めるが、そうでなければ処理をステップS206に戻す。ステップS222においては、携帯側処理を、携帯設定値に従って、MFP100と連携して実行し、処理をステップS206に戻す。
<第1の変形例>
近距離通信部119がNFCの通信方式で通信する場合、ユーザーAがスマートフォン200Aを、近距離通信部119のアンテナに近づけた後に、表示部161の表示面上に置くようにしてもよい。この場合、装置検出部15は、近距離通信部119およびタッチパネル165を制御して、近距離通信部119がスマートフォン200Aを検出し、通信経路を確立した後、所定時間以内にタッチパネル165でスマートフォン200Aが置かれた位置を検出する。
図12は、第1の変形例における装置検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の変形例における装置検出処理は、図8に示した連携処理のステップS01において実行される。図12を参照して、CPU111は、NFC規格で通信する近距離通信部119が装置を検出したか否かを判断する(ステップS81)。装置を検出したならば、処理をステップS82に進めるが、そうでなければ処理をステップS84に進める。
ステップS82においては、近距離通信部119が検出した装置を特定し、処理をステップS83に進める。装置から装置識別情報を受信することにより特定する。ここでは、スマートフォン200Aを検出する場合を例に説明する。
ステップS83においては、通信I/F部112を制御して、ステップS82において特定された装置、ここではスマートフォン200Aとの間で通信経路を確立し、処理をステップS84に進める。
ステップS84においては、表示部161の表示面中に物体が接触したたか否かを判断する。具体的には、タッチパネル165を制御して、タッチパネル165が物体が接触した位置を検出すると、表示部161の表示面に物体が接触したと判断する。タッチパネル165が物体が接触した位置を検出したならば処理をステップS85に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
次のステップS85においては、表示部161の表示面に物体が接触する領域の面積が、所定のサイズ以上か否かを判断する。所定のサイズは、ユーザーの指の面積の上限とするのが好ましい。人の指による指示と、スマートフォン200Aが載置されることによる指示とを区別するためである。表示部161の表示面に物体が接触した領域の面積が、所定のサイズ以上ならば処理をステップS86に進めるが、そうでなければ処理をステップS89に進める。ステップS89においては、ユーザーの指示を設定し、処理を連携処理に戻す。
ステップS86においては、ステップS81においてスマートフォン200Aが検出されてから所定時間内か否かを判断する。スマートフォン200Aが検出されてから所定時間内ならば処理をステップS87に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。ステップS87におのいては、ステップS82において特定された装置であるスマートフォン200Aを連携装置に設定し、処理をステップS88に進める。ステップS88においては、連携装置に、ステップS84においてタッチパネル165により検出された位置を関連付け、処理を連携処理に戻す。
<第2の変形例>
第1の変形例においては、装置検出部15が、NFC規格に基づく通信方式で通信可能な近距離通信部119がスマートフォン200Aを検出するようにした。第2の変形例においては、スマートフォン200AがGPS衛星からの電波を受信することにより、スマートフォン200Aの現在位置を測定する。第2の変形例における装置検出部15は、スマートフォン200Aから現在位置を取得し、取得されたスマートフォン200Aの現在位置と、MFP100が配置される位置とからスマートフォン200AとMFP100との相対的な位置を決定する。この場合、図12に示したステップS81において、スマートフォン200AがMFP100から所定の範囲内に存在する場合に、スマートフォン200Aを検出する。
<第3の変形例>
装置検出部15は、人体を媒体として通信する人体通信を用いて、スマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。具体的には、第3の変形例における装置検出部15は、ユーザーAが所有する人体通信可能なICタグ(集積回路)と通信可能になると、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。この場合、図12に示したステップS81において、ユーザーAが所有する人体通信可能なICタグ(集積回路)と通信可能になると、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。
<第4の変形例>
ユーザーの入退室を管理する入退室管理システムにおいて管理されるユーザーAの位置を用いてスマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。この場合、MFP100は、入退室管理システムにより管理される作業室に設置され、複数のユーザーそれぞれは、固有のICタグを携帯している。
入退室管理システムは、ICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報が記憶されたメモリと、ICタグを読み取るためのタグ読取部とを有する。ユーザーは、作業室への入室時に、入退室管理システムのタグ読取部に自己のICタグを近接または接触させる。タグ読取部は、近接または接触されたICタグを読み取ることにより、ユーザーの入室を検出するとともに、ICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報を特定する。また、ユーザーは、作業室からの退室時に、入退室管理システムのタグ読取部に自己のICタグを近接または接触させる。タグ読取部は、近接または接触されたICタグを読み取ることにより、ユーザーの退室を検出する。
第4の変形例における装置検出部15は、入退室管理システムから作業室の位置と、その作業室に入室したユーザーのユーザー識別情報とを取得する。第4の変形例における装置検出部15は、入退室管理システムから作業室の位置と、その作業室から退出したユーザーのユーザー識別情報とを取得する。第4の変形例における装置検出部15は、入退室管理システムから取得されるユーザーの位置とユーザー識別情報との組に基づいて、MFP100が配置される作業室に入室したユーザーを特定する場合に、特定されたユーザーが携帯するスマートフォンを検出する。例えば、MFP100が作業室Aに配置されている場合、入退室管理システムから作業室Aの位置と、ユーザーAのユーザー識別情報とが取得されることに応じて、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。入退室管理システムで用いられるICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報を用いるので、ユーザーを識別することができる。この場合、図12に示したステップS81において、入退室管理システムから作業室Aの位置と、ユーザーAのユーザー識別情報とが取得されることに応じて、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。
<第5の変形例>
MFP100が、MFP100の周囲に存在するユーザーAを画像認証する機能を設けるようにして、認証結果を用いてスマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。MFP100がMFP100の周辺を画角に含むカメラを備え、ユーザーAがカメラの画角に進入した時点で、カメラがユーザーAを被写体として撮像して出力する画像に基づいて、ユーザーAを認証する。第5の変形例における装置検出部15は、ユーザーAの認証に成功する場合、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。この場合、図12に示したステップS81において、カメラで撮像した画像に基づいて、ユーザーAの認証に成功する場合、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aを検出する。
<第6の変形例>
MFP100が、MFP100の周囲に存在するユーザーの位置を検出し、近距離通信部119が通信可能となった装置を検出するようにしてもよい。MFP100は、人感センサーを備え、MFP100が周囲に存在するユーザーの位置を検出する。人感センサーは、例えば、赤外線センサー、焦電センサーである。また、人感センサーは、カメラで撮像した画像から人物の画像を抽出することにより人を検出するものであってもよい。
装置検出部15は、人感センサーにより人が検出された後に、近距離通信部119が通信可能となった装置を検出する。例えば、ユーザーAがMFP100に接近すると、人感センサーにより検出される。装置検出部15は、人感センサーにより人が検出された後に、近距離通信部119が通信可能になるスマートフォン200Aを検出する。この場合、図12に示したステップS81において、人感センサーにより人が検出された後に、近距離通信部119が通信可能になるスマートフォン200Aを検出する。
<第7の変形例>
上述した実施の形態においては、MFP100は、スマートフォン200Aから取得した携帯候補値を表示し、ユーザーにより選択された携帯候補値をスマートフォン200Aに設定させるようにした。第7の変形例においては、MFP100が備える遠隔操作部27と、スマートフォン200Aが備える遠隔制御部257を変更したものである。
第7の変形例における遠隔操作部27は、スマートフォン200Aから携帯側設定画面を取得し、携帯側設定画面を表示部161に表示する。そして、ユーザーAが携帯側設定画面中の位置を指示することに応じて、携帯側設定画面中で指示された位置を示す位置情報をスマートフォン200Aに送信する。一方、第7の変形例における遠隔制御部257は、表示部206に表示されている携帯側設定画面をMFP100に送信し、MFP100から位置情報が受信されることに応じて、携帯側設定画面中で、位置情報で特定される位置から操作を特定する。これにより、MFP100からスマートフォン200Aを遠隔操作することができるので、表示部161の表示面でMFP100とスマートフォン200Aとの2つの装置の設定をすることができる。
以上説明したように、情報処理装置として機能するMFP100は、携帯装置として機能するスマートフォン200Aと連携して連携処理を実行する。MFP100は、タッチパネル165により物体が接触した位置が検出されることに応じて、スマートフォン200Aを検出し、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立する。そして、スマートフォン200Aとの間で通信経路が確立されており、かつ、タッチパネル165によりスマートフォン200Aの接触が検出されている場合、連携モードに切り換え、連携モードにおいて、タッチパネル165によりスマートフォン200Aの接触が検出されなくなることに応じて、スマートフォン200Aに関連する関連画像を表示する。このため、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れる場合に連携モードであることをユーザーに通知することができる。
また、スマートフォン200Aの外観を模した仮想画像を関連画像として表示するので、連携している装置がスマートフォン200Aであることをイメージで通知することができる。
また、スマートフォン200Aを識別するための装置識別情報を関連画像として表示するので、スマートフォン200Aを特定して、スマートフォン200Aと連携していることを通知することができる。
さらに、スマートフォン200Aに表示されている携帯側設定画面の画像を関連画像として表示するので、スマートフォン200Aの状態を通知することができる。
さらに、スマートフォン200Aが携帯側設定画面を表示している状態で決定可能な携帯側設定値の候補となる1以上の携帯側候補値を表示部161に表示するので、スマートフォン200AとMFP100とで設定可能な値を1つの画面に表示することができる。
さらに、MFP100は、表示された1以上の携帯側候補値のうちから1以上が選択されることに応じて、選択された1以上の携帯側候補値を設定する指令をスマートフォン200Aに送信するので、スマートフォン200Aに1以上の携帯側候補値を携帯設定値として設定させることができる。
また、MFP100は、ドラッグアンドドロップ操作で、スマートフォン200Aの設定と、MFP100の設定とを可能とするので、表示部161の表示面に指を触れて指を離すまでの1回の操作で2つの設定値を設定することができ、操作が容易となる。
また、スマートフォン200Aで所定のアプリケーションプログラムが実行される場合、そのアプリ識別情報を表示部161に表示するので、スマートフォン200Aで実行されるアプリケーションプログラムを通知することができる。
さらに、スマートフォン200Aとの間で確立された通信経路が切断される場合、通信経路を復活させるメッセージを表示するので、通信経路が切断されたことを、ユーザーに通知することができる。
また、ユーザーがスマートフォン200Aに連携終了指示を入力すれば、スマート-フォン200AからMFP100に連携終了指示が送信されるので、スマートフォン200Aを操作して、MFP100の動作モードを単独モードに切り換えることができる。このため、ユーザーAがMFP100から離れた位置から、MFP100の動作モードを切り換えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記情報処理装置は、さらに、前記携帯装置が前記携帯側設定画面が表示されている状態で決定可能な携帯側設定値の候補となる1以上の携帯側候補値を取得する携帯側候補値取得手段と、
前記取得された1以上の携帯側候補値を前記表示手段に表示する携帯側候補値表示手段と、
前記装置側受付手段により受け付けられた操作によって、前記表示手段に表示された1以上の携帯側候補値のうちから1以上が選択されることに応じて、前記選択された1以上の携帯側候補値を設定する指令を前記携帯装置に送信する設定指示手段を、備え、
前記携帯装置は、さらに、前記情報処理装置から前記選択された1以上の携帯候補値を設定する指令を受信することに応じて、前記携帯側設定手段に前記選択された1以上の携帯側候補値を前記携帯側設定値として設定させる設定制御手段を、備えた請求項2に記載の連携システム。この局面に従えば、情報処理装置を操作して携帯装置に携帯設定値を設定することができる。