JP2018065632A - シート給送装置およびプリント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの剛性によらず安定してシートを分離給送することが可能なシート給送装置およびプリント装置を提供する。
【解決手段】給送方向に対して傾斜した面を備え、最上位シート以外のシートの給送を抑制して最上位シートを他のシートから分離するための分離部30を備える。分離部30は、シートの背面を支持しながら案内する傾斜面31aと、ピックアップローラ21の当接位置において撓んだシートが進入する退避面40と、分離片33を備える。分離片33は、傾斜面31aと退避面40の間に配置され、退避面40に進入したシートの背面に当接し抵抗力を付与する形状を有する。
【選択図】図4

Description

本発明はシート給送装置およびこれを搭載するプリント装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリのようなプリント装置では、使用するシートの種類や剛性によらず、積載されたシートの中から1枚だけを分離しこれを処理部へと安定して給送する構成が求められる。
特許文献1には、積載部からピックアップローラによって押し出されたシートが当接する傾斜面に、摩擦力を有する可動傾斜面をシートの幅方向に複数配置する構成が開示されている。この際、可動傾斜面のそれぞれは、バネのような付勢部材によって傾斜面から突出する方向に付勢されている。
特開2011−148622号公報
特許文献1の構成によれば、剛性が低いシートについては、シートの背面が可動傾斜面に接し、両者の間に生じる高い摩擦力によって1枚が分離される。一方、剛性が高いシートについては、シートの先端が可動傾斜面を退行させ、給送シートの背面に必要以上に大きな摩擦力が働かないようになっている。しかしながら、複数の可動傾斜面のそれぞれに対し個別の付勢部材を設けた構成であるため、複数の付勢部材の間にばらつきが存在するとシート給送力にもばらつきが生じて斜行やスキューが起きる可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものである。本発明の目的とするところは、シートの剛性によらず安定してシートを分離給送することが可能なシート給送装置およびプリント装置を提供することである。
そのために本発明は、積載されたシートをピックアップして送り出すための、同軸で回転する2つのローラを含むローラ部と、前記ローラ部により送られる最上位のシートを他のシートから分離するための傾斜面を備えた分離部と、を有し、前記分離部は、シートが送られる方向と交差する所定方向において前記2つのローラに挟まれる位置に対応する位置にて前記傾斜面よりも前記積載されたシートの側に突出して設けられ、シートに接触して搬送抵抗を与える第1分離片と、前記所定方向において、前記第1分離片の両側であって且つ前記2つのローラのそれぞれに対応する位置に設けられ、前記傾斜面よりも前記積載されたシートから離れる側に退避した2つの退避面と、前記所定方向において、前記第1分離片から見て、前記2つの退避面のそれぞれよりも外側に設けられ、シートに接触して搬送抵抗を与える2つの第2分離片と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、積載されたシートの1枚をシート剛性によらず安定して分離給送することができる。
本発明の給送装置として利用可能なプリント装置の内部構成図 プリント装置の制御構成を説明するためのブロック図 プリントコマンドが入力された際の処理を説明するためのフローチャート 第1の実施形態における給送部の斜視図および上面図 給紙状態を説明するための拡大図 メイン分離片とサブ分離片の拡大図 分離部の側断面図 メイン分離片の拡大図 サブ分離片の詳細図 剛性の低いシートの給紙状態を説明するための図 剛性の高いシートの給紙状態を説明するための図 サブ分離片の別形状を示す図 第2の実施形態における給送部の上面図 第2の実施形態における剛性の低いシートの給紙状態を説明するための図 第3の実施形態における給送部の図 第3の実施形態における剛性の低いシートの給紙状態を説明するための図
(第1の実施形態)
図1は、本発明のシート給送装置として利用可能なプリント装置200の内部構成図である。給送部1より供給されたシートPは、プリント部100まで搬送されて所定の画像がプリントされた後、プリント装置外に排出される。
プリント前のシートPはトレイ状のカセット10内に積載されている。所定方向(X方向)に延在する2つのピックアップローラ21(ピックアップローラ部)はピックアップアーム23に同軸で保持されており、その外周には摩擦係数の高いゴム材から成るピックアップラバー21aが巻きつけられている。左右2つのピックアップローラ21が同時に同軸で矢印の方向に回転すると、最上位に位置するシートPもこれに伴ってY方向に移動し、装置内に供給される。
カセット10より給送されたシートPは、その後給送ローラ3と給送従動ローラ4にニップされ、プリント部100に向けて給送される。プリント部100の直前には、シート検知センサ2が配備されており、シートPの先端を検出し装置内の制御部(MPU)に通知する。シートPは、この検出情報に基づいて搬送ローラ5とピンチローラ6によって更に搬送され、プリントヘッド7がプリント可能な位置に位置決めされる。
位置決めが完了すると、プリントヘッド7を搭載したキャリッジ50が図のX方向に所定の速度で移動し、この移動の最中にプリントヘッド7が画像データに従ってシートPの表面に1行分の画像をプリントする。1行分のプリント動作が完了すると、搬送ローラ5は当該1行分に相当する距離だけシートを−Y方向に搬送する。以上のようなX方向へのプリント走査とY方向への搬送動作とを交互に繰り返すことにより、シートPには段階的に画像が形成されていく。プリントが完了した後の領域のシートPは、排出ローラ9と拍車63によるニップ部によって支持されつつ、装置外に排出される。
なお、プリントヘッド7によってプリントされている最中のシート領域は、その背面がプラテン8によって支持され、プリントヘッド7に対して平滑性が維持されるようになっている。また、プリント領域の直下流の位置には、プリント面の浮きを抑えるための押さえ拍車62が配備されている。
図2は、プリント装置200の制御構成を説明するためのブロック図である。MPU201は、ROM202に記憶されているプログラムに従い、RAM203をワークエリアとして使用しながら、装置全体を制御する。外部に接続されたホストコンピュータ214より、I/F部213を介して画像データが入力されると、MPU201は、ROM202の画像処理部2021を用いて、画像データに所定の画像処理を施し、プリントヘッド7がプリント可能なデータを生成する。その後、各種ドライバ207〜211を介して、装置内の各デバイスを制御する。
例えば、MPU201は、画像処理部2021で生成した画像データに基づいて、ヘッドドライバ207を介してプリントヘッドにプリント動作を実行させる。また、キャリッジモータドライバ208を介してキャリッジモータ204を駆動し、キャリッジ50のX方向への移動を制御する。更に、搬送モータドライバ209を介して搬送モータ205を駆動し、搬送ローラ5や排出ローラ9の回転すなわちシートPの搬送動作を制御する。また、給送モータドライバ210を介して給送モータ206を駆動し、給送ローラ3やピックアップアーム23の動作を制御する。更に、センサドライバ211を介してシート検知センサ2の検出結果を取得し、プリント動作に反映させる。
図3は、プリントコマンドが入力された際にMPU201が実行する処理を説明するためのフローチャートである。本処理が開始されると、MPU201は、まずステップS1において、最上位シートPのY方向への移動を開始する。具体的には、給送モータドライバ210を介して給送モータ206を駆動し、ピックアップラバー21aの表面をカセット10内に積載されている最上位シートPの表面に当接させ、これを回転する。本実施形態においてこの際のピックアップラバー21a表面の回転移動速度は7.6インチ/秒とする。
ステップS2において、MPU201はシートPがシート検知センサ2の位置を通過したか否かを判断する。具体的には、センサドライバ211を介して、シート検知センサの検出値を取得し、シートPの有無に基づいてシートPの通過を判断する。このような判断工程は、シートPが通過したと判断されるまで継続する。
シートPがシート検知センサ2の位置を通過したと判断すると、MPU201はステップS3に進み、シートPの斜行矯正を行う。具体的には、シート検知センサ2から搬送ローラ5までの距離に基づいて、給送ローラ3の回転量を制御し、シートPの先端を搬送ローラ5とピンチローラ6のニップ部に突き当てる。当該ニップ部に突き当てられた後のシートPは、主に搬送ローラ5の回転に伴って搬送制御される。
ステップS4において、MPU201はシートの頭出しを行う。具体的には、シート検知センサ2がシートPの先端を検出したタイミングに基づいて、搬送モータ205を駆動し、シートPにおける1行目のプリント位置がプリントヘッド7のプリント可能位置に配置されるように位置合わせする。
ステップS5において、MPU201は1行分のプリント動作を行う。具体的には、キャリッジモータ204を駆動してキャリッジ50をX方向に一定速度で移動させながら、当該移動速度に応じた周波数で、画像データに従ってプリントヘッド7よりシート表面に色材を付与する。続くステップS6では、搬送モータ205を駆動することにより、1行分に対応する距離だけシートPをY方向に搬送する。そして、ステップS7において、1ページ分の画像データのプリントが完了したと判断するまで、MPU201は、ステップS5による1行分のプリント動作とステップS6による搬送動作とを繰り返す。
ステップS7において、1ページ分の画像データのプリントが完了したと判断すると、MPU201はステップS8に進み、シートPを排出する。具体的には、搬送モータ205を駆動して排出ローラ9を回転させ、プリントが完了したシートPを排出ローラ9と拍車63のニップ部を介してY方向に排出する。以上で本処理が完了する。
図4(a)および(b)は、本実施形態で使用する給送部1の斜視図および上面図である。図4(a)に示すように、カセット10において、X方向の両端にはシートPの積載側部を揃えるための±X方向に移動可能なサイドガイド11が、−Y方向端部にはシートPの積載後部を揃えるための±Y方向に移動可能なエンドガイド12が、配備されている。ここで、2つのサイドガイド11は、互いに連動し左右対称に位置決めされるようになっている。このような構成のもと、カセット10に積載され、サイドガイド11およびエンドガイド12によって位置決めされたシートPは、そのサイズによらず、シートPのX方向の中心位置がカセット10の定位置に配置される。
カセット10のZ方向上位に配備されているピックアップローラユニット20は、カセット10のシートPを送出するためのピックアップローラ21、ピックアップローラ21に連結しこれを支持するピックアップアーム23、駆動シャフト22を備えている。ピックアップローラ21はカセット10に対し、X方向のほぼ中心に位置しており、ピックアップローラ21のX方向両端の外周囲には摩擦力の大きいピックアップラバー21aが取り付けられている。
駆動シャフト22はピックアップアーム23の片側端部に連結されており、給送モータ206を駆動源として自転する。この自転に伴ってピックアップアーム23が駆動シャフト22を中心に回転すると、ピックアップアーム23のもう片側に取り付けられているピックアップローラ21もZ方向に移動する。ピックアップアーム23には不図示の付勢部材が設けられており、ピックアップローラ21を−Z方向に付勢している。一方、給送モータ206の駆動力はアイドラギア24を介してピックアップローラ21も回転させる。
以上の構成のもと、ピックアップローラ21に巻きつけられている2つのピックアップラバー21aは、カセット10にセットされているシートのサイズや分量によらず、最上位シートのほぼ中央表面に当接し所定の付勢力を与える。そして、給送モータ206が駆動されるとピックアップラバー21aも回転し、これに当接する最上位シートがY方向に移動する。
図5(a)および(b)は、給紙状態を説明するための拡大図である。図5(a)は、ピックアップローラ21が回転する前の状態、同図(b)はピックアップローラ21が矢印の方向に回転した状態をそれぞれ示している。カセット10内に積層するシート間にも静止摩擦が存在するため、最上位シートがY方向に移動すると、最上位シート以外のシートもこれに追従して図5(b)のようにY方向に移動する場合がある。しかし、分離部30に当接しその斜面を進行する過程において、最上位シートP以外のシートの進行は妨げられ、最上位シートPのみが次の経路へ給送される。
但し、ピックアップローラ21によるシートの給送状態はシートの剛性によって様々である。例えば、普通紙のような剛性の低いシートは、ピックアップローラ21の回転に伴って比較的多くのシートが最上位シートに追従し、重送が起こりやすい。このため、分離部30においては、確実な分離を実現するために、比較的大きな傾斜や比較的大きな摩擦力を備えていることが好ましい。一方、写真専用紙のような剛性の高いシートにおいては、分離部30があまり大きな傾斜や摩擦係数を有していると、最上位シート自体が確実に給送されないおそれがある。このような状況を鑑み、本実施形態の分離部30は、給送されるシートに対し、その剛性に応じた適切な搬送抵抗力を付与できるような仕組みを備えている。
図4(b)は、ピックアップローラ21と分離部30の拡大上面図である。分離部30は、平滑面である分離傾斜面31aおよび退避面31b、所定ピッチの突起を有する搬送抵抗部であるメイン分離片32およびサブ分離片33が、給送方向と交差する所定方向(X方向)に沿って配置されている。分離傾斜面31aおよび退避面31bは、どちらもY方向に対し所定の角度を有する平面であるが、分離傾斜面31aの方が退避面31bよりも面に垂直な方向に突出している。言い換えれば、退避面31bは分離傾斜面31aよりも積載されたシートから離れる側に退避して設けられて凹部を形成している。このため、ピックアップローラ21によって給送されるシートPは、先行して分離傾斜面31aに当接して案内支持されつつ、その背面から抗力を受ける。
分離部30において、X方向のほぼ中央の位置にはメイン分離片32(第1分離片)が配備されている。メイン分離片32の両側には、分離傾斜面31a、退避面31b、サブ分離片33(第2分離片)、分離傾斜面31a、退避面31bが、この順で左右対称的に配備されている。つまり、X方向において、2つの退避面は、メイン分離片の両側であって且つ2つのピックアップローラのそれぞれに対応する位置に設けられている。そして、X方向において、メイン分離片から見て2つの第2分離片は、2つの退避面のそれぞれよりも外側に設けられている。言い換えれば、X方向においてメイン分離片を中心にして、2つの分離傾斜面、2つの退避面、2つのサブ分離片の順に対称的に配置されている。
ここで2つのサブ分離片33は、奥まった位置の退避面31bから突出した位置の分離傾斜面31aを繋ぐ箇所において、互いに向き合うような姿勢で配備され、メイン分離片32からの距離はともにX1になっている。つまり、メイン分離片は分離傾斜面と平行な向きで設けられ、2つのサブ分離片はそれぞれメイン分離片の側に傾斜した向きで設けられている。
メイン分離片32とサブ分離片33は、図6に示すように、どちらもその表面に所定ピッチの凹凸が形成されている。メイン分離片32は分離傾斜面31aや退避面31bと同じ方向に突出する凹凸が形成されているのに対し、サブ分離片33はこれよりもX方向に傾斜した方向に突出する凹凸が形成されている。凹凸は、傾斜面に沿ってシートが送られる方向に沿って複数の突起が所定ピッチで並んだ形状を有し、この例では、樹脂モールド成型により形成した凹凸の頭部(凸突起)の列である。別形態として、金属板(別部品)の小領域の並びを折り曲げ加工して小さな金属突起の列を構成して、この金属板を分離部30に取り付けたものであってもよい。
図4(b)に戻る。X方向において、ピックアップローラ21のそれぞれの位置に対応する分離部30の位置には、これらピックアップラバー21aよりも大きな幅を有する退避面31bが配置されている。このため、ピックアップラバー21aに押圧されるシートPの剛性が低い場合、その押圧された部分は退避面31bが形成する凹部40に進入し、サブ分離片33はシートPの背面に当接可能となる。以下、メイン分離片32とサブ分離片33それぞれの構成と役割について詳細に説明する。
図7(a)および(b)は、分離部30をメイン分離片32の位置で切断した側断面図である。メイン分離片32は、ベース35に形成されたガイド部35bに沿って±Y方向に移動可能になっており、通常は、−Y方向に弾性的に付勢する付勢部材35aによって、図7(a)のように分離傾斜面31aよりも−Y方向に僅かに突出している。給紙動作が行われ、シートPの先端がメイン分離片32に突き当たると、メイン分離片32は、付勢部材35aの付勢力に抗してシートの剛性に応じた距離だけY方向に退避するよう移動する。図7(b)は、メイン分離片32が分離傾斜面31aよりも+Y方向に引っ込んだ状態を示している。本実施形態では、普通紙のような剛性の低いシートでは図7(a)の状態となり、写真用紙のような剛性の高いシートでは図7(b)の状態となるように、付勢部材35aの付勢力および分離斜面31aの角度が予め調整されている。
図8は、メイン分離片32の拡大図である。本実施形態のメイン分離片32は、突起部32aと谷部32bが交互に配置されており、Y方向に向かって進行しようとするシートPの先端に突き当たる。そして、進行しようとするシートの背面から進行を妨害する方向への抗力を与える。複数枚のシートPが重送される場合は、最下位にあるシートから順に抗力を付与し、結果としてピックアップラバー21aに接触している最上位シートのみを他のシートから分離して送出する。
図9(a)および(b)は、サブ分離片33の詳細図である。図9(b)に見るように、本実施形態のサブ分離片33は、退避面31bと分離傾斜面31aとを繋ぐ箇所において、突起部33aと谷部33bとが交互に配置することによって形成されている。この際、突起部33aの最も突出した位置は分離斜面31aと同程度の高さになるように調整されている。また、突起部33aの円弧の法線は、分離傾斜面31aの法線と約45度の傾きを有している。本実施形態では、このようなサブ分離片33の2つが、メイン分離片32に対し左右対照に互いに向き合うように配備されている。このため、凹部40に進入したシートPの背面は、これらサブ分離片33によって中央に向かって左右対称に支持され、抗力を受ける。なお、サブ分離片33は、分離傾斜面31aや退避面31bに対してその姿勢が固定されていれば、これらと同じ材質で一体的に形成されていても良いし、別体で構成されていても良い。
図10(a)および(b)は、カセット10に比較的剛性の低いシートPが積載されている場合の、給紙状態を説明する図である。ピックアップラバー21aに接触する最上位シートは、ピックアップローラ21の回転に伴って数枚のシートとともにY方向に移動し、複数の分離傾斜面31aに支持される。剛性の低いシートの場合、既に図7(a)で説明したように、メイン分離片32は分離傾斜面31aよりも−Y方向に突出した状態となっている。よって、分離傾斜面31aに沿って進行しようとするシートの先端は、図10(b)に示すようにメイン分離片32の谷部32に突き当たり、抗力を受ける。
シートの剛性が低い場合、2つのピックアップラバー21aの当接位置に対応する領域は、押圧方向に撓んで凹部40に進入する。結果、シートPの先端はメイン分離片32だけでなく、左右対称に配置された2つのサブ分離片33にも当接し、搬送抗力を受ける。この際、メイン分離片32の抗力は、X方向のほぼ中央に作用するため、シートの進行方向に影響を及ぼすことはない。サブ分離片33については、左右対称に配されているため、それぞれのサブ分離片33の抗力で差が無ければ、シートPの進行方向が傾くことは無い。
ここで例えば、左右対称的に配された2つのサブ分離片33のそれぞれを、特許文献1のような付勢部材を用いて付勢すると、これら付勢部材のばらつきはシートに対する搬送抵抗力のばらつきとなって現れる。結果、シートの進行を妨げようとする抗力が左右非対称となり、シートが斜行するおそれが生じる。これに対し、本実施形態のように、固定されたサブ分離片の形状のみで搬送抵抗力を生成する構成では、2つのサブ分離片33の間で抗力の差は殆ど生じない。結果、シートPの進行を妨げようとする抗力が左右対称に作用し、シートが斜行することが抑制される。また、給送部の構成も特許文献1に比べて簡易且つ安価に実現することができる。
このように、本実施形態の構成によれば、比較的剛性の低いシートPが分離部30に突入した場合、当該シートPに対し、中央のメイン分離片32からの抗力と、サブ分離片33からの略対称的な抗力とを付与することになる。結果、複数枚の重送シートが分離部30に突入した場合であっても、ピックアップラバー21aに接していない下位シートの進行を確実に抑えつつ、ピックアップラバー21aに接している最上位シートPのみを適切な姿勢で装置内部に供給することができる。
図11(a)および(b)は、カセット10に比較的剛性の高いシートPが積載されている場合の、給紙状態を説明するための図である。ピックアップラバー21aに接触する最上位シートは、ピックアップローラ21の回転に伴ってY方向に移動し、複数の分離傾斜面31aによって支持される。
剛性の高いシートの場合、付勢部材35aによる−Y方向への付勢力よりもシートPが+Y方向へ押圧する力のほうが大きい。よって、シートPが進行する際、メイン分離片32は、図7(b)に示すように、分離傾斜面31aよりも+Y方向に退避した位置にある。このため、分離傾斜面31aに沿って進行しようとするシートPの先端は、図11(b)に示すようにメイン分離片32の谷部32に突き当たることはなく、メイン分離片32の突起部32aまたは分離斜面31aに当接しながら進行する。すなわち、剛性が高いシートの場合、剛性が低いシートよりもメイン分離片32から受ける抗力は小さくなる。
また、剛性が高いシートは変形し難いため、2つのピックアップラバー21aから圧力を受けても、低剛性のシートほどには接触領域が凹部40に深く進入することはない。そのため、シートPの先端はサブ分離片33には当接しない。なおここで言う「当接しない」とは、まったく接触しないもしくは搬送抵抗を受けない程度の軽い接触を意味する。すなわち、比較的剛性の高いシートPが分離部30に突入した場合、当該シートPは、中央のメイン分離片32より小さな抗力を受けるのみである。
剛性の高いシートの場合、シートの先端にはカールや裁断時のバリが発生していることがある一方、下位シートの重送率はさほど高くない。そのため、シートの先端がメイン分離片32の谷部32に突き当たるなどして、分離部30から大きな搬送抵抗力を受けると、ピックアップローラ21に接触している最上位シートでさえも、給送出来ないおそれが生じる。本実施形態のように、中央のメイン分離片32から小さな抗力を受ける程度であれば、シートPの先端にカールやバリが生じていても、ピックアップラバー21aの回転によって、シートPを確実に給送することができ、その進行方向が傾くことも無い。
以上説明したように、本実施形態によれば、剛性が低いシートに対しては、メイン分離片からの比較的大きな抗力とサブ分離片からの抗力を、左右対称に作用させることができる。その一方、剛性が高いシートに対しては、メイン分離片のみから比較的小さな抗力を作用させることができる。言い換えれば、使用するシートのうち、最も剛性の高いシートであってもノンフィード現象が起こらず、最も剛性の低いシートであっても確実に分離できるように、分離傾斜面31aの材質や角度およびメイン分離片32に対する付勢力を予め調整しておけば良い。このようにすれば、剛性の高いシートのノンフィード現象も剛性の低いシートの重送も、どちらも適切に抑制しつつ、最上位シートのみを傾きの無い状態で給送することができる。
なお、本実施形態において、サブ分離片の形状は様々に変更することができる。図12(a)および(b)は、本実施形態で採用可能なサブ分離片33の別形状を示す図である。例えば、サブ分離片33の向き(突起部の円弧の法線方向)は、図12(a)のように、分離傾斜面31aの法線と平行であっても良い。また、サブ分離片33は、図12(b)のように、その全体が分離斜面31aよりも+Y方向に奥まった位置に形成されていても構わない。いずれにしても、2つのサブ分離片は剛性の低いシートの背面に対し左右対称の搬送抵抗力を付与することができ、最上位シートのみを傾きの無い状態で送り出すことが可能となる。
また、中央に位置するメイン分離片32は、必ずしも付勢部材35aによって付勢されていなくてもよい。更に、サブ分離片33と分離傾斜面31aで十分な搬送抵抗力が得られる場合には、メイン分離片32を用意しなくても構わない。いずれにしても、固定形状のサブ分離片33が、シートPに対し左右対称に配備されていれば、搬送されるシートの背面に対し左右対称に抗力を付与することができ、最上位シートを傾き無く給送することができる。
(第2の実施形態)
図13は、本実施形態で使用する給送部1を図4(b)と同様に示す図である。本実施形態のプリント装置は第1の実施形態よりも大きなサイズのシートを取り扱うものとする。このため、本実施形態の分離部30のX方向の幅は第1の実施形態よりも大きく、第1の実施形態よりも多数の分離傾斜面31a、退避面31b、サブ分離片33がレイアウトされている。また、ピックアップローラ21もX方向に更に長く、より多数のピックアップラバー21aがレイアウトされている。
本実施形態の分離部30においても、X方向のほぼ中央にはメイン分離片32が配されているが、その両側には2つずつの分離傾斜面31aと退避面31bが配置されている。より中央に近い位置の退避面31bから分離傾斜面31aを繋ぐ箇所には、第1の実施形態と同様のサブ分離片33が中央に向くように配備されている。中央から離れた位置の退避面31bにおいては、その両側の分離傾斜面31aと接続する箇所に、互いに向き合うサブ分離片33が配備されている。これら片側3つのサブ分離片33は、中央よりX1、X2、X3の間隔で、左右対称に配置されている。
4つのピックアップラバー21aは、4つの退避面31bのそれぞれに対向する位置に配され、外側のピックアップラバー21aのX方向における中心線は、これに対向する退避面31bの両側に配された2つのサブ分離片33の中間に位置している。以上の構成のもと、シートPの剛性が低い場合、ピックアップラバー21aに押圧された部分は退避面31bが形成する4つの凹部40に進入し、6つのサブ分離片33がシートPの背面に当接可能となる。
図14は、比較的剛性の低いシートPの給紙状態を説明するための図である。第1の実施形態と同様、シートPは複数の分離傾斜面31aによって支持され、その先端はメイン分離片32の谷部32に突き当たり、抗力を受ける。4つのピックアップラバー21aに接触する領域は、対向する退避面31bが形成する凹部40に進入し、左右対称に配置された6つのサブ分離片33に当接し、抗力を受ける。この際、メイン分離片32の抗力は、X方向のほぼ中央に作用するため、シートの進行方向に影響を及ぼすことはない。サブ分離片33についても、付勢部材を配すことなく、等しい形状で左右対称に配されているので、シートPの進行方向に影響を及ぼすことは無い。なお、剛性の高いシートの場合については、第1の実施形態と等しい動きとなるため説明を省略する。
以上説明した本実施形態においても、剛性の高いシートのノンフィード現象も剛性の低いシートの重送も、どちらも適切に抑制しつつ、積載された最上位シートを、その剛性によらず安定して給送することができる。
(第3の実施形態)
図15(a)および(b)は、本実施形態で使用する給送部1を示す図である。本実施形態のカセット10においては、シートPを基準サイドガイド110に寄せて搭載し、その幅に応じて可動サイドガイド111をX方向に移動するものとする。すなわち、本実施形態において、シートPの中央位置はその幅に応じてカセット内で変動する。
本実施形態の分離部30には、メイン分離片32は配備されていない。また、ピックアップローラ21には、2つのピックアップラバー21aが巻き付けられているが、それぞれが対向する分離部30の位置は、切り欠け部31cとなっており、上記実施形態のような退避面31bは配備されていない。切り欠け部31cのX方向両側には、図15(b)に示すような、互いに向かい合うサブ分離片33の対が配備されている。向かい合う2つのサブ分離片33の中間位置は、これに対向するピックアップラバー21aのX方向における中心位置と一致している。
図16は、剛性の低いシートPの給紙状態を説明するための図である。第1の実施形態と同様、シートPは複数の分離傾斜面31aによって支持され、抗力を受ける。2つのピックアップラバー21aに接触する領域は、対向する切り欠け部31cに進入し、両側のサブ分離片33に当接し、抗力を受ける。本実施形態のサブ分離片33についても、個別の付勢部材を用意することなく、その形状によって抗力を付与している。また、向かい合う2つのサブ分離片33は、ピックアップラバー21aの中心線に対して左右対称に配されている。このため、シートPの進行方向が傾くことは無い。
剛性が高いシートについては変形し難いため、2つのピックアップラバー21aから圧力を受けても、接触領域が切り欠け部31cに押し込まれることはなく、ほぼ平滑な面を維持する。よって、シートPの背面はサブ分離片33に当接することは無く、分離傾斜面31aのみから抗力を受ける。
以上説明した本実施形態によれば、2つのピックアップラバー21aは常にシートの中央に当接するわけではなく、各部材も上記実施形態のようにシート中央に対し左右対称にレイアウトされるものではない。しかし、メイン分離片32が取り除かれた本実施形態では、1つの付勢部材も分離経路に作用することがない。よって、付勢部材の抗力が左右非対称に作用することも無く、ピックアップラバー21aに接している最上位シートPを、適切な姿勢で装置内部に供給することができる。
なお、以上の実施形態において、サブ分離片33の形状は固定としたが、サブ分離片33の個々の突起部33aについては、シートの当接に伴って移動する形態であってもよい。また、突起部33a自体が弾性部材で形成されておりシートの当接に伴って多少変形する形態であっても良い。いずれにしても、複数のサブ分離片33に対し、ばね部材のような個別の付勢部材を用意しなければ、X方向に配置するサブ分離片33において、付勢部材間のばらつきに伴う抗力差は発生せず、シートPを斜行することなく給送することができる。
また、以上では、プリント装置を例に本発明のシート給送装置を説明したが、無論本発明はこのような形態に限定されるものではない。複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置のように、シートに対する処理が画像の読取処理であってもよいし、検査処理などであっても良い。いずれにしても、積載保持されたシートを1枚ずつ給送する構成を備え、様々な剛性のシートに対応可能な装置であれば、本発明を有効に機能させることができる。
10 トレイ
21 ピックアップローラ
21a ピックアップラバー
30 分離部
200 シート給送装置(プリント装置)
31a 分離傾斜面
33 サブ分離片
40 凹部
P シート

Claims (9)

  1. 積載されたシートをピックアップして送り出すための、同軸で回転する2つのローラを含むローラ部と、
    前記ローラ部により送られる最上位のシートを他のシートから分離するための傾斜面を備えた分離部と、
    を有し、前記分離部は、
    シートが送られる方向と交差する所定方向において前記2つのローラに挟まれる位置に対応する位置にて前記傾斜面よりも前記積載されたシートの側に突出して設けられ、シートに接触して搬送抵抗を与える第1分離片と、
    前記所定方向において、前記第1分離片の両側であって且つ前記2つのローラのそれぞれに対応する位置に設けられ、前記傾斜面よりも前記積載されたシートから離れる側に退避した2つの退避面と、
    前記所定方向において、前記第1分離片から見て、前記2つの退避面のそれぞれよりも外側に設けられ、シートに接触して搬送抵抗を与える2つの第2分離片と、
    を備えることを特徴とするシート給送装置。
  2. 2つの前記退避面それぞれは、前記所定方向において、2つの前記ローラのそれぞれの幅よりも広い幅にて、前記傾斜面と平行で且つ前記傾斜面よりも凹んだ面が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記第1分離片および前記第2分離片は、前記傾斜面に沿ってシートが送られる方向に沿って複数の突起が並んだ形状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のシート給送装置。
  4. 前記第1分離片は前記傾斜面と平行な向きで設けられ、2つの前記第2分離片はそれぞれ前記第1分離片の側に傾斜した向きで設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  5. 前記第1分離片は、ピックアップされたシートに押されて、前記積載されたシートから離される方向に移動可能に弾性的に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  6. 前記所定方向において前記第1分離片を中心にして、2つの前記傾斜面、2つの前記退避面、2つの前記第2分離片の順に対称的に配置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  7. 前記所定方向において前記第1分離片を中心にして、2つの第2分離片のさらに外側に、2つの前記傾斜面、2つの前記退避面、2つの前記第2分離片の順に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のシート給送装置。
  8. 第1のシートがピックアップされた場合は、前記第1のシートは前記第1分離片および前記第2分離片に当接し、
    前記第1のシートよりも剛性が高い第2のシートがピックアップされた場合は、前記第2のシートは前記第1分離片には当接し且つ前記第2分離片には当接しないことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のシート給送装置を備え、1枚ずつ給送されるシートにプリントを行うことを特徴とするプリント装置。
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