JP2018065216A - ワーク吸着固定治具 - Google Patents

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裕規 太田
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Abstract

【課題】ワークの固定強度の低下、形状変化や破損、加工形状のずれ等の発生を抑制する。【解決手段】ワーク吸着固定治具は、ベース体と可動体と付勢部材と閉塞体と開閉切替体とを備える。ベース体には、真空吸引装置との接続口に連通する吸引流路を構成する複数の吸引流路用孔が形成されている。可動体は、吸引流路用孔に摺動可能に取り付けられた筒状部分を有し、端部に形成された外部連通孔を介して外部と連通し内部連通孔を介して吸引流路に連通する内部空間を有する。付勢部材は、ワークの非載置時に各可動体が第1の位置に位置するように各可動体を付勢する。閉塞体は、各可動体の内部空間内に収容され、閉塞位置にあるときに内部連通孔を閉塞する。開閉切替体は、可動体が第2の位置にあるときに、閉塞体による内部連通孔の閉塞を阻害して内部連通孔を介した内部空間と吸引流路との連通を確保する。【選択図】図6

Description

本明細書に開示される技術は、ワーク吸着固定治具に関する。
ワーク(例えば、半導体ウェハや各種セラミックス製品等)の搬送や加工等のために、ワークを真空吸着して固定するためのワーク吸着固定治具が知られている。一般に、ワーク吸着固定治具のワーク載置面にはワーク吸着固定治具の内部空間に連通する複数の吸着孔が形成されており、ワーク載置面にワークが載置された状態で真空ポンプ等の真空吸引装置による吸引によって内部空間に負圧が発生すると、吸着孔を介してワークに吸着力が作用し、ワーク載置面にワークが固定される(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−14603号公報
従来のワーク吸着固定治具では、ワークが比較的小さく、ワーク載置面に形成された吸着孔の一部がワークにより覆われない場合には、吸着孔を介したエア漏れによるワーク固定強度の低下を抑制するために、ワークにより覆われない吸着孔をテープまたはボルト等で塞ぐ必要がある。また、ワークにうねりや反りがある場合には、ワークとワーク載置面との間に隙間が存在する箇所が生じ、該箇所に形成された吸着孔を介したエア漏れによってワーク固定強度が低下するおそれがある。また、ワークにうねりや反りがあり、ワークとワーク載置面との間に隙間が存在する箇所が生じた場合に、該箇所に形成された吸着孔を介して作用する吸着力によってワークのうねりや反りが矯正されると、ワークの形状変化や破損が発生したり、あるいは、ワークの加工後に吸着固定を解除することによってワークのうねりや反りが復元し、その結果、加工後のワークの形状が所望の形状からずれた形状となったりするおそれがある。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるワーク吸着固定治具は、第1の方向の一方側の面に載置されたワークを真空吸着して固定するためのワーク吸着固定治具において、真空吸引装置との接続口と、前記第1の方向に延びると共に前記第1の方向の前記一方側に開口し、前記接続口に連通する吸引流路を構成する複数の吸引流路用孔と、が形成されたベース体と、前記複数の吸引流路用孔のそれぞれに対して前記第1の方向に摺動可能に取り付けられた前記第1の方向に延びる筒状部分を有し、前記第1の方向の前記一方側の端部に外部連通孔が形成され、前記外部連通孔を介して外部と連通すると共に内部連通孔を介して前記吸引流路に連通する内部空間が形成された可動体と、各前記可動体について設けられ、前記ワークの非載置時に各前記可動体が、各前記可動体の前記外部連通孔が前記第1の方向に略直交する仮想平面内に含まれるような第1の位置に位置するように、各前記可動体を前記第1の方向の前記一方側に付勢する付勢部材と、各前記可動体の前記内部空間内に収容され、所定の閉塞位置にあるときに前記内部連通孔を閉塞する閉塞体と、各前記吸引流路用孔の内部に配置され、前記可動体が前記第1の位置にあるときには前記内部空間の外に位置し、前記可動体が前記第1の位置より前記第1の方向の他方側である第2の位置にあるときには、前記内部連通孔を通って前記内部空間内に突出した状態となることにより、前記閉塞体による前記内部連通孔の閉塞を阻害して前記内部連通孔を介した前記内部空間と前記吸引流路との連通を確保する開閉切替体と、を備える。本ワーク吸着固定治具によれば、ワークが載置される際に、複数の可動体の内、第1の方向視でワークと重なる可動体が、ワークからの荷重を受けて、付勢部材による付勢力に抗して第2の位置に移動する。これにより、開閉切替体が、内部連通孔を通って内部空間内に突出した状態となり、閉塞体による内部連通孔の閉塞が阻害され、内部連通孔を介した内部空間と吸引流路との間の連通が確保される。この状態において、接続口に接続された真空吸引装置により内部空間が吸引されることにより、内部空間内に負圧が発生し、これにより外部連通孔を介してワークに吸着力が作用し、ワークが可動体に吸着される。このとき、ワークにうねりや反りがあっても、各可動体がワークからの荷重に応じた変位量で変位することにより、各可動体の端部(外部連通孔)により構成される仮想面は、うねりや反りを有するワークの表面形状に沿った形状となり、その結果、ワークと各可動体との間に隙間が発生することが抑制される。従って、本ワーク吸着固定治具によれば、ワークにうねりや反りがある場合であっても、ワークと外部連通孔との間に隙間が生じることを抑制することができ、外部連通孔を介したエア漏れによってワークの固定強度が低下することを抑制することができる。また、ワークにうねりや反りがある場合であっても、吸着力によってワークのうねりや反りが矯正されることを抑制することができ、その結果、ワークの形状変化や破損が発生することを抑制することができると共に、ワークの加工後に吸着固定を解除することによってワークのうねりや反りが復元することがなく、その結果、加工後のワークの形状が所望の形状からずれた形状となるという事態の発生を抑制することができる。さらに、本ワーク吸着固定治具では、ワークが載置される際に、複数の可動体の内、第1の方向視でワークと重ならない可動体が、付勢部材による付勢力によって第1の位置に留まり、その結果、閉塞位置にある閉塞体により内部連通孔が閉塞されて内部空間と吸引流路との間の連通が遮断される。そのため、本ワーク吸着固定治具によれば、ワークと重ならない可動体の外部連通孔を手作業で塞ぐことなく、該外部連通孔を介したエア漏れを防止することができ、そのようなエア漏れによるワークの固定強度の低下を抑制することができる。
(2)上記ワーク吸着固定治具において、各前記可動体の前記第1の方向の前記一方側の端部の表面は、略球面である構成としてもよい。本ワーク吸着固定治具によれば、ワークと各可動体との接触状態を点接触に近付けることができる。そのため、本ワーク吸着固定治具によれば、ワークにうねりや反りがある場合であっても、ワークの表面形状に対する各可動体の追従性を向上させることができ、ワークの固定強度が低下することを効果的に抑制することができると共に、ワークの形状変化や破損、加工形状のずれ等の発生を効果的に抑制することができる。
(3)上記ワーク吸着固定治具において、さらに、前記可動体に固定され、前記可動体が前記第1の位置にあるときに前記閉塞体が前記閉塞位置に位置するように前記閉塞体を支持し、弾性変形可能な支持部材を備える構成としてもよい。本ワーク吸着固定治具によれば、ワーク吸着固定治具の姿勢にかかわらず、可動体が第1の位置にあるときに閉塞体を閉塞位置に位置させて内部連通孔を閉塞させることができ、ワーク吸着固定治具の汎用性を向上させることができる。
(4)上記ワーク吸着固定治具において、前記閉塞体と前記開閉切替体とは一体部材である構成としてもよい。本ワーク吸着固定治具によれば、ワーク吸着固定治具の姿勢にかかわらず、可動体が第1の位置にあるときに閉塞体を閉塞位置に位置させて内部連通孔を閉塞させることができ、ワーク吸着固定治具の汎用性を向上させることができると共に、部品点数を低減することができる。
(5)上記ワーク吸着固定治具において、さらに、各前記可動体の前記第1の方向の摺動を許容する摺動許容状態と、各前記可動体に干渉して各前記可動体の前記第1の方向の摺動を阻害する摺動阻害状態と、の間で切り替えられる摺動切替体を備える構成としてもよい。本ワーク吸着固定治具によれば、摺動切替体を摺動阻害状態に切り替えることにより、吸着固定されたワークに対する加工等の際に荷重が作用しても可動体が摺動することを抑制することができ、ワークの固定強度が低下することを効果的に抑制することができると共に、ワークの形状変化や破損、加工形状のずれ等の発生を効果的に抑制することができる。
(6)上記ワーク吸着固定治具において、前記閉塞体は、セラミックス製である構成としてもよい。本ワーク吸着固定治具によれば、閉塞体の耐摩耗性および耐化学薬品性を向上させることができ、ワーク吸着固定治具の耐久性の向上や使用用途の拡大を実現することができる。
(7)上記ワーク吸着固定治具において、前記ベース体は、前記接続口が形成されたベース本体と、前記ベース本体に取り付けられ、前記複数の吸引流路用孔が形成された孔形成体と、を有することを特徴とする構成としてもよい。本ワーク吸着固定治具によれば、ベース本体と複数の孔形成体とが一体部材として構成されている形態と比較して、ワークの載置面等の寸法精度の向上、製造の容易化、維持管理の容易化等を実現することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、ワーク吸着固定治具、ワーク吸着固定装置、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
第1実施形態におけるワーク吸着固定治具10の平面(上面)構成を示す説明図である。 第1実施形態におけるワーク吸着固定治具10の断面構成を示す説明図である。 第1実施形態における吸着ユニット200(初期状態S1)の断面構成を示す説明図である。 第1実施形態における吸着ユニット200(初期状態S1)の断面構成(図3のIV−IVの位置におけるXY断面構成)を示す説明図である。 第1実施形態における吸着ユニット200(初期状態S1)の断面構成(図3のV−Vの位置におけるXY断面構成)を示す説明図である。 載置状態S2におけるワーク吸着固定治具10の断面構成を示す説明図である。 載置状態S2における吸着ユニット200の断面構成を示す説明図である。 載置状態S2における吸着ユニット200の断面構成(図7のVIII−VIIIの位置における断面構成)を示す説明図である。 第2実施形態のワーク吸着固定治具10を構成する吸着ユニット200a(初期状態S1)の断面構成を概略的に示す説明図である。 第2実施形態のワーク吸着固定治具10を構成する吸着ユニット200a(初期状態S1)の断面構成(図9のX−Xの位置におけるXY断面構成)を概略的に示す説明図である。 載置状態S2における吸着ユニット200aの断面構成を示す説明図である。 第3実施形態のワーク吸着固定治具10を構成する吸着ユニット200b(初期状態S1)の断面構成を概略的に示す説明図である。 載置状態S2における吸着ユニット200bの断面構成を示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.ワーク吸着固定治具10の構成:
図1は、第1実施形態におけるワーク吸着固定治具10の平面(上面)構成を示す説明図であり、図2は、第1実施形態におけるワーク吸着固定治具10の断面構成を示す説明図である。図2には、ワーク吸着固定治具10にワークWが載置されていない状態(以下、「初期状態S1」という)における図1のII−IIの位置のワーク吸着固定治具10のXZ断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、ワーク吸着固定治具10は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図3以降についても同様である。
ワーク吸着固定治具10は、ワーク吸着固定治具10の上側に載置されたワークW(例えば、半導体ウェハや各種セラミックス製品等)を真空吸着して固定するための治具である。ワーク吸着固定治具10は、ベース本体100と、複数の吸着ユニット200と、摺動切替体300とを備える。
(ベース本体100の構成)
ベース本体100は、例えばZ軸方向視で略矩形の略平板状の部材であり、例えば金属により形成されている。ベース本体100の下側の面には、真空吸引装置としての真空ポンプ20との接続口110が形成されている。また、ベース本体100の上側の面には、吸着ユニット200を収容するための凹部120が形成されている。ベース本体100の凹部120内には、複数の吸着ユニット200が敷き詰められている。複数の吸着ユニット200は、すべて同一の構成である。本実施形態では、凹部120内に、7行×7列の計49個の吸着ユニット200が配置されている。なお、ベース本体100の凹部120内に配置される吸着ユニット200の個数は任意に変更可能である。
(吸着ユニット200の構成)
図3から図5は、第1実施形態における吸着ユニット200(初期状態S1)の断面構成を示す説明図である。図3には、図2に示されたワーク吸着固定治具10を構成する1つの吸着ユニット200のXZ断面構成が拡大して示されており、図4には、図3のIV−IVの位置における吸着ユニット200のXY断面構成が示されており、図5には、図3のV−Vの位置における吸着ユニット200のXY断面構成が示されている。
吸着ユニット200は、固定体210と、可動体220と、バネ230と、閉塞体240と、ピン250とを備える。
固定体210は、上下方向に延びる略円筒状の筒状部分211と、筒状部分211の中空孔214内に配置された略平板状の平板状部分212とを有し、例えば金属により形成されている。固定体210の筒状部分211の下端部は、ベース本体100に形成された凹部120の底面に、例えば螺合によって取り付けられている(図2参照)。
筒状部分211の中空孔214は、上下方向に延びると共に上方に開口し、Z軸方向視で略円形の孔である。中空孔214における平板状部分212より上側の部分は、吸引流路SPを構成している。吸引流路SPは、平板状部分212に形成された貫通孔213と、ベース本体100に形成された貫通孔130(図2)とを介して、ベース本体100に形成された接続口110に連通している。
なお、複数の固定体210は、特許請求の範囲における孔形成体に相当し、ベース本体100と複数の固定体210とから構成される構造体は、特許請求の範囲におけるベース体に相当する。また、上下方向(Z軸方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当し、筒状部分211に形成された中空孔214は、特許請求の範囲における吸引流路用孔に相当する。
可動体220は、上下方向に延びる略円筒状の筒状部分221と、筒状部分221の上側に配置され、上方向に凸な略円蓋(ドーム)状の蓋状部分222と、筒状部分221と蓋状部分222との間に配置されて両者を接続する接続部分223とを有し、例えば金属により形成されている。可動体220の筒状部分221は、固定体210の筒状部分211の中空孔214内に、上下方向に摺動可能に取り付けられている。
可動体220の蓋状部分222における上側の端部の表面は略球面である。この上側の端部には、吸着孔225が形成されている。図4に示すように、吸着孔225は、Z軸方向視で略円形の孔である。また、蓋状部分222の内部には、内部空間ISが形成されている。内部空間ISは、吸着孔225を介して外部と連通している。吸着孔225は、特許請求の範囲における外部連通孔に相当する。
また、可動体220の接続部分223には、接続部分223を上下方向に貫通する内部連通孔224が形成されている。図5に示すように、内部連通孔224は、Z軸方向視で略円形の孔である。内部連通孔224は、内部空間ISと吸引流路SPとを連通している。
バネ230は、吸引流路SP内に(すなわち、固定体210の平板状部分212の上面と可動体220の接続部分223の下面との間に)収容されており、可動体220を上方に付勢する付勢部材である。バネ230により付勢された可動体220は、ワーク吸着固定治具10にワークWが載置されていない初期状態S1において、図3に示す第1の位置P1に位置する。図2に示すように、初期状態S1において各可動体220が位置する第1の位置P1は、各可動体220の上端部(すなわち、吸着孔225が形成された箇所)が、上下方向に略直交する仮想平面VP内に含まれるような位置である。すなわち、初期状態S1では、各可動体220の上端部(吸着孔225)の上下方向における位置が互いに略同一となり、各可動体220の上端部が仮想的なワーク載置面(上記仮想平面VP)を構成する。
閉塞体240は、球状の部材であり、例えばセラミックスにより形成されている。閉塞体240は、可動体220内の内部空間IS内に収容されている。閉塞体240の径は、可動体220の接続部分223に形成された内部連通孔224の径より大きい。そのため、閉塞体240は、図3に示す位置(以下、「閉塞位置Pc」という)にあるときに、内部連通孔224に嵌合して内部連通孔224を閉塞する。閉塞体240により内部連通孔224が閉塞されると、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断される。なお、内部空間ISを規定する底面226は、内部連通孔224に向かって斜め下向きに傾いているため、初期状態S1においては、閉塞体240は重力によって閉塞位置Pcに導かれる。
ピン250は、略円柱状の部材であり、例えば金属により形成されている。ピン250の径は、可動体220の接続部分223に形成された内部連通孔224の径より小さい。ピン250は、固定体210に形成された中空孔214の内部に配置されている。ピン250の下端部は、固定体210の平板状部分212の上面に固定されている。また、ピン250の上端部は、初期状態S1において、内部空間ISの外に位置しており、閉塞位置Pcに位置する閉塞体240には干渉していない。ピン250は、特許請求の範囲における開閉切替体に相当する。
(摺動切替体300の構成)
摺動切替体300(図2)は、略平板状の部材であり、ベース本体100に対して略水平方向にスライド可能に取り付けられている。摺動切替体300は、スライド移動することにより、複数の可動体220に干渉せずに各可動体220の上下方向の摺動を許容する摺動許容状態と、複数の可動体220に干渉して各可動体220の上下方向の摺動を阻害する摺動阻害状態と、の間で切り替えられる。ワーク吸着固定治具10の初期状態S1では、摺動切替体300は摺動許容状態に切り替えられる。
A−2.ワーク吸着固定治具10の動作:
次に、ワーク吸着固定治具10の動作について説明する。図6は、ワーク吸着固定治具10にワークWが載置された状態(以下、「載置状態S2」という)におけるワーク吸着固定治具10の断面構成(図2と同一の位置における断面構成)を示す説明図である。ワーク吸着固定治具10にワークWが載置される際には、図6に示すように、ワーク吸着固定治具10が備える複数の吸着ユニット200の内の少なくとも一部(以下、「重複吸着ユニット200X」という)については、Z軸方向視で、吸着ユニット200の上端部(すなわち、吸着孔225が形成された可動体220の上端部)の位置がワークWと重なる。一方、ワークWの大きさや形状によっては、ワーク吸着固定治具10が備える複数の吸着ユニット200の内の一部(以下、「非重複吸着ユニット200N」という)について、Z軸方向視で、吸着ユニット200の上端部の位置がワークWと重ならないことがある。
図7および図8は、載置状態S2における吸着ユニット200(重複吸着ユニット200X)の断面構成を示す説明図である。図7には、載置状態S2における重複吸着ユニット200Xの、図3と同一の位置における断面構成が示されており、図8には、載置状態S2における重複吸着ユニット200Xの、図7のVIII−VIIIの位置における断面構成が示されている。
図7に示すように、ワーク吸着固定治具10にワークWが載置されると、重複吸着ユニット200Xを構成する可動体220の上端部がワークWの下面に接触し、可動体220が、ワークWの自重による荷重を受けて、バネ230による付勢力に抗して第1の位置P1より下方の第2の位置P2に移動する。上述したように、初期状態S1では、摺動切替体300が摺動許容状態とされているため、このような可動体220の移動(摺動)が許容される。なお、第2の位置P2は、各重複吸着ユニット200Xについて互いに異なる位置となり得る。また、同一の重複吸着ユニット200Xについても、載置されるワークWの重量に応じて第2の位置P2は異なる位置となり得る。しかし、いずれの場合においても、第2の位置P2は第1の位置P1より下方の位置である。
重複吸着ユニット200Xを構成する可動体220が第2の位置P2に移動すると、図7および図8に示すように、固定体210に固定されたピン250の上端部が、内部連通孔224を通って内部空間IS内に突出した状態となる。この状態では、ピン250の上端部によって閉塞体240が閉塞位置Pcに位置することが阻害されるため、閉塞体240は閉塞位置Pc以外の位置(以下、「非閉塞位置Pn」という)に移動する。すなわち、この状態では、ピン250が、閉塞体240による内部連通孔224の閉塞を阻害し、その結果、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が確保される。
なお、図6に示すように、ワークWにうねりや反りがあっても、各重複吸着ユニット200Xの可動体220がワークWから受ける荷重に応じた変位量で変位(下降)することにより、各重複吸着ユニット200Xの可動体220の上端部により構成される仮想面は、うねりや反りを有するワークWの表面形状に沿った形状となる。そのため、ワークWにうねりや反りがあっても、ワークWと各重複吸着ユニット200Xの可動体220との間に隙間が発生することが抑制される。
また、非重複吸着ユニット200Nについては、ワークWからの荷重が作用しないため、初期状態S1と同様の状態に維持される。すなわち、非重複吸着ユニット200Nについては、可動体220が第1の位置P1に位置し、閉塞体240が閉塞位置Pcに位置することによって内部連通孔224を閉塞し、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断された状態に維持される。
ワーク吸着固定治具10にワークWが載置された後、摺動切替体300が摺動阻害状態に切り替えられる。これにより、各吸着ユニット200の可動体220の上下方向の摺動が規制される。また、ベース本体100の接続口110に接続された真空ポンプ20の動作が開始される。これにより、各重複吸着ユニット200Xでは、図7に矢印で示すように、ワークWの表面によって吸着孔225が塞がれた状態で内部空間IS内の空気が吸引されることにより、内部空間IS内に負圧が発生する。その結果、吸着孔225を介してワークWに吸着力が作用し、ワークWが重複吸着ユニット200Xの可動体220に吸着される。ワークWが各重複吸着ユニット200Xの可動体220に吸着されることにより、ワークWがワーク吸着固定治具10に強固に固定される。なお、非重複吸着ユニット200Nでは、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断されているため(図3参照)、真空ポンプ20が動作してもエア漏れが発生することはない。
ワークWがワーク吸着固定治具10に吸着固定された状態で、ワークWの搬送や加工が行われる。なお、ワークWの加工が行われる際には、ワークWに対して加工に伴う力が作用することにより、各可動体220に対して上下方向に摺動させるような力が作用する場合もある。しかし、摺動切替体300が摺動阻害状態に切り替えられているため、このような場合にも可動体220が上下方向に摺動することがない。
ワークWの搬送や加工が完了すると、真空ポンプ20の動作が停止される。これにより、ワーク吸着固定治具10によるワークWの吸着固定が解除される。また、摺動切替体300が、各可動体220の上下方向の摺動を許容する摺動許容状態に切り替えられる。その後、ワーク吸着固定治具10からワークWを取り外すと、各重複吸着ユニット200Xの可動体220は、バネ230による付勢力によって第1の位置P1に移動する。これにより、ワーク吸着固定治具10は初期状態S1に戻る。
A−3.第1実施形態の効果:
以上説明したように、第1実施形態のワーク吸着固定治具10は、ベース本体100と、複数の吸着ユニット200とを備える。各吸着ユニット200は、固定体210と、可動体220と、バネ230と、閉塞体240と、ピン250とを有する。ベース本体100には、真空ポンプ20等の真空吸引装置との接続口110が形成されている。また、各固定体210には、上下方向に延びると共に上側に開口する中空孔214が形成されており、中空孔214は、接続口110に連通する吸引流路SPを構成している。すなわち、ベース本体100と複数の固定体210とから構成される構造体には、接続口110と、複数の中空孔214とが形成されていると言える。また、各可動体220は、対応する固定体210の中空孔214に対して上下方向に摺動可能に取り付けられた上下方向に延びる筒状部分221を有する。また、各可動体220の上側の端部には吸着孔225が形成され、各可動体220の内部には、吸着孔225を介して外部と連通すると共に内部連通孔224を介して吸引流路SPに連通する内部空間ISが形成されている。また、バネ230は、各可動体220について設けられており、ワークWの非載置時である初期状態S1において各可動体220が第1の位置P1に位置するように、各可動体220を上側に付勢する。ここで、第1の位置P1は、各可動体220の上端部(吸着孔225の位置)が、上下方向に略直交する仮想平面VP内に含まれるような位置である。また、閉塞体240は、各可動体220の内部空間IS内に収容されており、所定の閉塞位置Pcにあるときに内部連通孔224を閉塞する。また、ピン250は、各固定体210の中空孔214の内部に配置されており、可動体220が第1の位置P1にあるときには、内部空間ISの外に位置する。また、ピン250は、可動体220が第1の位置P1より下側の第2の位置P2にあるときには、内部連通孔224を通って内部空間IS内に突出した状態となることにより、閉塞体240による内部連通孔224の閉塞を阻害して、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通を確保する。
そのため、第1実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、ワークWが載置される際に、複数の吸着ユニット200の内、Z軸方向視で可動体220の上端部の位置(吸着孔225の位置)がワークWと重なる重複吸着ユニット200Xにおいては、可動体220が、ワークWの自重による荷重を受けて、バネ230による付勢力に抗して第1の位置P1より下方の第2の位置P2に移動する。これにより、ピン250が、内部連通孔224を通って内部空間IS内に突出した状態となり、閉塞体240による内部連通孔224の閉塞が阻害され、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が確保される。この状態において、接続口110に接続された真空ポンプ20により内部空間ISが吸引されることにより、内部空間IS内に負圧が発生し、これにより吸着孔225を介してワークWに吸着力が作用し、ワークWが重複吸着ユニット200Xの可動体220の上端部に吸着される。このとき、ワークWにうねりや反りがあっても、各重複吸着ユニット200Xの可動体220がワークWからの荷重に応じた変位量で変位(下降)することにより、各重複吸着ユニット200Xの可動体220の上端部(吸着孔225)により構成される仮想面は、うねりや反りを有するワークWの表面形状に沿った形状となり、その結果、ワークWと各重複吸着ユニット200Xの可動体220との間に隙間が発生することが抑制される。従って、本実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、ワークWにうねりや反りがある場合であっても、ワークWと吸着孔225との間に隙間が生じることを抑制することができ、吸着孔225を介したエア漏れによってワークWの固定強度が低下することを抑制することができる。また、ワークWにうねりや反りがある場合であっても、吸着力によってワークWのうねりや反りが矯正されることを抑制することができ、その結果、ワークWの形状変化や破損が発生することを抑制することができると共に、ワークWの加工後に吸着固定を解除することによってワークWのうねりや反りが復元することがなく、その結果、加工後のワークWの形状が所望の形状からずれた形状となるという事態の発生を抑制することができる。
さらに、第1実施形態のワーク吸着固定治具10では、ワークWが載置される際に、複数の吸着ユニット200の内、Z軸方向視で可動体220の上端部の位置(吸着孔225の位置)がワークWと重ならない非重複吸着ユニット200Nにおいては、可動体220がバネ230による付勢力によって第1の位置P1に留まり、その結果、閉塞位置Pcにある閉塞体240により内部連通孔224が閉塞されて内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断される。そのため、本実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、非重複吸着ユニット200Nの可動体220の吸着孔225を手作業で塞ぐことなく、該吸着孔225を介したエア漏れを防止することができ、そのようなエア漏れによるワークWの固定強度の低下を抑制することができる。
また、第1実施形態のワーク吸着固定治具10では、各可動体220の上側の端部の表面が略球面であるため、ワークWと各可動体220との接触状態を点接触に近付けることができる。そのため、本実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、ワークWにうねりや反りがある場合であっても、ワークWの表面形状に対する各可動体220の追従性を向上させることができ、ワークWの固定強度が低下することを効果的に抑制することができると共に、ワークの形状変化や破損、加工形状のずれ等の発生を効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態のワーク吸着固定治具10は、さらに、各可動体220の上下方向の摺動を許容する摺動許容状態と、各可動体220に干渉して各可動体220の上下方向の摺動を阻害する摺動阻害状態と、の間で切り替えられる摺動切替体300を備える。そのため、本実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、摺動切替体300を摺動阻害状態に切り替えることにより、吸着固定されたワークWに対する加工等の際に荷重が作用しても可動体220が上下方向に摺動することを抑制することができ、ワークWの固定強度が低下することを効果的に抑制することができると共に、ワークWの形状変化や破損、加工形状のずれ等の発生を効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態のワーク吸着固定治具10では、閉塞体240はセラミックス製である。そのため、本実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、閉塞体240の耐摩耗性および耐化学薬品性を向上させることができ、ワーク吸着固定治具10の耐久性の向上や使用用途の拡大を実現することができる。
また、第1実施形態のワーク吸着固定治具10では、ベース本体100と複数の固定体210とが別部材として構成されている。そのため、ベース本体100と複数の固定体210とが一体部材として構成されている形態と比較して、ワークWの載置面等の寸法精度の向上、製造の容易化、維持管理の容易化等を実現することができる。
B.第2実施形態:
図9および図10は、第2実施形態のワーク吸着固定治具10を構成する吸着ユニット200a(初期状態S1)の断面構成を概略的に示す説明図である。図9には、図3と同様の位置における吸着ユニット200aのXZ断面構成が示されており、図10には、図9のX−Xの位置における吸着ユニット200aのXY断面構成が示されている。また、図11は、載置状態S2における吸着ユニット200a(重複吸着ユニット200X)の断面構成(図9と同一の位置における断面構成)を示す説明図である。なお、第2実施形態のワーク吸着固定治具10における吸着ユニット200a以外の構成は、第1実施形態と同一である。以下では、第2実施形態の吸着ユニット200aの構成の内、上述した第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第2実施形態の吸着ユニット200aは、支持部材260を備える点が、上述した第1実施形態の吸着ユニット200と異なっている。図9に示すように、支持部材260は、可動体220に固定されており、可動体220が第1の位置P1にあるときに閉塞体240が閉塞位置Pcに位置するように、閉塞体240を支持する部材である。また、図10に示すように、支持部材260はZ軸方向視で略円環状である。支持部材260には、支持部材260を上下方向に貫通する複数の貫通孔262が形成されている。支持部材260は、例えばゴム等の弾性変形可能な材料により形成されている。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ワークWが載置されていない初期状態S1では、図9に示すように、各可動体220が第1の位置P1に位置することによって閉塞体240が閉塞位置Pcに位置し、閉塞体240により内部連通孔224が閉塞されて、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断される。
また、載置状態S2において、各重複吸着ユニット200Xでは、図11に示すように、可動体220がワークWの自重による荷重を受けて第2の位置P2に移動し、ピン250の上端部が内部連通孔224を通って内部空間IS内に突出した状態となる。この状態では、ピン250の上端部によって閉塞体240が閉塞位置Pcに位置することが阻害されるため、閉塞体240は非閉塞位置Pnに移動する。これにより、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が確保される。なお、支持部材260は弾性変形可能であるため、閉塞体240の非閉塞位置Pnへの移動は許容される。
この状態で、ベース本体100の接続口110に接続された真空ポンプ20の動作が開始されると、各重複吸着ユニット200Xでは、図11に矢印で示すように、ワークWの表面によって吸着孔225が塞がれた状態で内部空間IS内の空気が吸引されることにより、内部空間IS内に負圧が発生し、これにより吸着孔225を介してワークWに吸着力が作用し、ワークWが重複吸着ユニット200Xの可動体220に吸着される。ワークWが各重複吸着ユニット200Xの可動体220に吸着されることにより、ワークWがワーク吸着固定治具10に強固に固定される。なお、非重複吸着ユニット200Nでは、第1実施形態と同様に、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断されているため(図9参照)、真空ポンプ20が動作してもエア漏れが発生することはない。
第2実施形態のワーク吸着固定治具10では、上述した第1実施形態のワーク吸着固定治具10の奏する効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、第2実施形態のワーク吸着固定治具10は、弾性変形可能な支持部材260を備える。支持部材260は、可動体220に固定され、可動体220が第1の位置P1にあるときに閉塞体240が閉塞位置Pcに位置するように、閉塞体240を支持する。そのため、第2実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、ワーク吸着固定治具10の姿勢にかかわらず、可動体220が第1の位置P1にあるときに閉塞体240を閉塞位置Pcに位置させて内部連通孔224を閉塞させることができ、ワーク吸着固定治具10の汎用性を向上させることができる。
C.第3実施形態:
図12は、第3実施形態のワーク吸着固定治具10を構成する吸着ユニット200b(初期状態S1)の断面構成を概略的に示す説明図である。図12には、図3と同様の位置における吸着ユニット200bのXZ断面構成が示されている。また、図13は、載置状態S2における吸着ユニット200b(重複吸着ユニット200X)の断面構成(図12と同一の位置における断面構成)を示す説明図である。なお、第3実施形態のワーク吸着固定治具10における吸着ユニット200b以外の構成は、第1実施形態と同一である。以下では、第3実施形態の吸着ユニット200bの構成の内、上述した第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第3実施形態の吸着ユニット200bは、閉塞体240bが下側に凸な略円錐形状であり、閉塞体240bとピン250とが一体部材である点が、上述した第1実施形態の吸着ユニット200と異なっている。すなわち、第3実施形態では、ピン250の上端部と閉塞体240bの下端部とが接続されて、両者が一体化されている。第3実施形態では、閉塞体240bとピン250との一体部材は、例えばセラミックスにより形成されている。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、ワークWが載置されていない初期状態S1では、図12に示すように、各可動体220が第1の位置P1に位置することによって閉塞体240bが閉塞位置Pcに位置し、閉塞体240bにより内部連通孔224が閉塞されて、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断される。
また、載置状態S2において、各重複吸着ユニット200Xでは、図13に示すように、可動体220がワークWの自重による荷重を受けて第2の位置P2に移動し、ピン250の上端部が内部連通孔224を通って内部空間IS内に突出した状態となる。この状態では、ピン250の上端部に一体化された閉塞体240bが、非閉塞位置Pnに位置することとなる。これにより、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が確保される。
この状態で、ベース本体100の接続口110に接続された真空ポンプ20の動作が開始されると、各重複吸着ユニット200Xでは、図13に矢印で示すように、ワークWの表面によって吸着孔225が塞がれた状態で内部空間IS内の空気が吸引されることにより、内部空間IS内に負圧が発生し、これにより吸着孔225を介してワークWに吸着力が作用し、ワークWが重複吸着ユニット200Xの可動体220に吸着される。ワークWが各重複吸着ユニット200Xの可動体220に吸着されることにより、ワークWがワーク吸着固定治具10に強固に固定される。なお、非重複吸着ユニット200Nでは、第1実施形態と同様に、内部連通孔224を介した内部空間ISと吸引流路SPとの間の連通が遮断されているため(図12参照)、真空ポンプ20が動作してもエア漏れが発生することはない。
第3実施形態のワーク吸着固定治具10では、上述した第1実施形態のワーク吸着固定治具10の奏する効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、第3実施形態のワーク吸着固定治具10は、閉塞体240bとピン250とが一体部材である。そのため、第3実施形態のワーク吸着固定治具10によれば、ワーク吸着固定治具10の姿勢にかかわらず、可動体220が第1の位置P1にあるときに閉塞体240bを閉塞位置Pcに位置させて内部連通孔224を閉塞させることができ、ワーク吸着固定治具10の汎用性を向上させることができると共に、部品点数を低減することができる。
D.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態におけるワーク吸着固定治具10の構成は、あくまで例示であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、固定体210が筒状部分211を有するとしているが、固定体210は、上下方向に延びると共に上方に開口している孔が形成されていれば、必ずしも筒状部分211を有する必要はない。また、上記実施形態では、可動体220の上側の端部の表面(蓋状部分222の上側の端部の表面)は略球面であるとしているが、該表面は他の形状(例えば角錐や円錐の周面形状等)であるとしてもよい。ベース本体100や吸着ユニット200を構成する他の部材の形状についても、種々変形可能である。
また、上記実施形態では、ベース本体100と複数の固定体210とが別体であるとしているが、ベース本体100と複数の固定体210とが一体部材であるとしてもよい。また、上記実施形態では、ワーク吸着固定治具10が摺動切替体300を備えるとしているが、必ずしもワーク吸着固定治具10が摺動切替体300を備える必要はない。また、上記実施形態におけるバネ230に代えて、可動体220を付勢可能な他の種類の付勢部材(例えばゴム等)を用いることも可能である。
また、上記実施形態におけるワーク吸着固定治具10を構成する各部材の形成材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。例えば、上記実施形態では、閉塞体240がセラミックスにより形成されているとしているが、閉塞体240が他の材料(例えば金属等)により形成されているとしてもよい。
10:ワーク吸着固定治具 20:真空ポンプ 100:ベース本体 110:接続口 120:凹部 130:貫通孔 200:吸着ユニット 210:固定体 211:筒状部分 212:平板状部分 213:貫通孔 214:中空孔 220:可動体 221:筒状部分 222:蓋状部分 223:接続部分 224:内部連通孔 225:吸着孔 226:底面 230:バネ 240:閉塞体 250:ピン 260:支持部材 262:貫通孔 300:摺動切替体

Claims (7)

  1. 第1の方向の一方側の面に載置されたワークを真空吸着して固定するためのワーク吸着固定治具において、
    真空吸引装置との接続口と、前記第1の方向に延びると共に前記第1の方向の前記一方側に開口し、前記接続口に連通する吸引流路を構成する複数の吸引流路用孔と、が形成されたベース体と、
    前記複数の吸引流路用孔のそれぞれに対して前記第1の方向に摺動可能に取り付けられた前記第1の方向に延びる筒状部分を有し、前記第1の方向の前記一方側の端部に外部連通孔が形成され、前記外部連通孔を介して外部と連通すると共に内部連通孔を介して前記吸引流路に連通する内部空間が形成された可動体と、
    各前記可動体について設けられ、前記ワークの非載置時に各前記可動体が、各前記可動体の前記外部連通孔が前記第1の方向に略直交する仮想平面内に含まれるような第1の位置に位置するように、各前記可動体を前記第1の方向の前記一方側に付勢する付勢部材と、
    各前記可動体の前記内部空間内に収容され、所定の閉塞位置にあるときに前記内部連通孔を閉塞する閉塞体と、
    各前記吸引流路用孔の内部に配置され、前記可動体が前記第1の位置にあるときには前記内部空間の外に位置し、前記可動体が前記第1の位置より前記第1の方向の他方側である第2の位置にあるときには、前記内部連通孔を通って前記内部空間内に突出した状態となることにより、前記閉塞体による前記内部連通孔の閉塞を阻害して前記内部連通孔を介した前記内部空間と前記吸引流路との連通を確保する開閉切替体と、
    を備えることを特徴とする、ワーク吸着固定治具。
  2. 請求項1に記載のワーク吸着固定治具において、
    各前記可動体の前記第1の方向の前記一方側の端部の表面は、略球面であることを特徴とする、ワーク吸着固定治具。
  3. 請求項1または請求項2に記載のワーク吸着固定治具において、さらに、
    前記可動体に固定され、前記可動体が前記第1の位置にあるときに前記閉塞体が前記閉塞位置に位置するように前記閉塞体を支持し、弾性変形可能な支持部材を備えることを特徴とする、ワーク吸着固定治具。
  4. 請求項1または請求項2に記載のワーク吸着固定治具において、
    前記閉塞体と前記開閉切替体とは一体部材であることを特徴とする、ワーク吸着固定治具。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のワーク吸着固定治具において、さらに、
    各前記可動体の前記第1の方向の摺動を許容する摺動許容状態と、各前記可動体に干渉して各前記可動体の前記第1の方向の摺動を阻害する摺動阻害状態と、の間で切り替えられる摺動切替体を備えることを特徴とする、ワーク吸着固定治具。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のワーク吸着固定治具において、
    前記閉塞体は、セラミックス製であることを特徴とする、ワーク吸着固定治具。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のワーク吸着固定治具において、
    前記ベース体は、
    前記接続口が形成されたベース本体と、
    前記ベース本体に取り付けられ、前記複数の吸引流路用孔が形成された孔形成体と、
    を有することを特徴とする、ワーク吸着固定治具。
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