JP2018064726A - コマ玩具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキ性能を確保しつつ、回転エネルギーの低減を抑えることができる構造を有するコマ玩具を提供すること。【解決手段】 回転中心と一致する軸線を軸中心とする軸部10を備え、軸部10における下端部に、軸線を中心として回転自在に設けられた環状部材52と、この環状部材52の中心に配置され、当該環状部材52よりも下部に突出する球状体51と、を有する軸先部11が配設されている。【選択図】図3

Description

本発明はコマ玩具に関するものである。
従来、コマ玩具における軸部の先端に接触子として球状体を設けたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このように軸部の先端に設けられる接触子が球状体である場合には、軸部の先端とフィールド(遊戯を行う面)との摩擦抵抗を少なくすることができ、コマ玩具をより円滑に回転させることができる。
こうしたコマ玩具では、例えばボールペンのペン先部分のように、球状体におけるもっとも径の大きな部分よりも下側で球状体を抱持する環状部材を設けて、球状体が下側に抜け落ちるのを防止する構造がとられる。
実用新案公開昭55−45385号公報
しかしながら、球状体の周りに環状部材を配置した場合、例えばコマ玩具が斜め方向からフィールドに投げ落とされたり、対戦相手のコマ玩具と接触して跳ね飛ばされることでコマ玩具の軸が傾き、環状部材がフィールドと接触することがある。
環状部材がフィールドと接触すると、軸が傾いたコマ玩具の姿勢を立て直すことができるとともに、コマ玩具にブレーキがかかり、コマ玩具がフィールドから飛び出すのを防止することができる。しかし他方で、環状部材が固定されていると、環状部材とフィールドとの摩擦抵抗が大きいためにコマ玩具の回転エネルギーが失われてしまうという問題がある。
このような問題は、接触子が球状体である場合に限らず、また接触子の先端側の形状に関わらず、接触子の周りに環状部材を有する場合には同様に生じ得る。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、ブレーキ性能を確保しつつ、回転エネルギーの低減を抑えることができる構造を有するコマ玩具を提供することを目的とする。
第1の手段は、
回転中心と一致する軸線を軸中心とする軸部を備え、
前記軸部における下端部に、前記軸線を中心として回転自在に設けられた環状部材と、この環状部材の中心に配置され、当該環状部材よりも下部に突出する接地部材と、を有する軸先部が配設されていることを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段において、前記接地部材は球状体であり、
前記環状部材は、前記球状体の上下方向における中央部よりも下側を抱持することで前記球状体を回転自在に保持するものであることを特徴とする。
第3の手段は、第1の手段において、前記軸部は、
前記軸先部を可動状態で下側から支持するとともに前記軸先部における下端部を露出させる下部ケースと、
前記軸先部における上側に当接する当接部材と、
を備えていることを特徴とする。
第4の手段は、第1から第3のいずれか一の手段において、前記環状部材における下側端部に、突起部が設けられていることを特徴とする。
第5の手段は、第1から第3のいずれか一の手段において、前記環状部材における下側端部に、前記環状部材の周方向に沿ってほぼ均等な間隔をおいて複数の突起部が設けられていることを特徴とする。
第6の手段は、第1から第3のいずれか一の手段において、前記環状部材における下側端部に突起部が設けられ、
前記突起部における接地側はR形状となっていることを特徴とする。
本発明によれば、回転自在に保持された接地部材が接地することで円滑にコマ玩具が回転するとともに、軸部が傾くと環状部材がフィールドと接触してブレーキがかかり、コマ玩具がフィールドから飛び出すのを防ぐことができる。
また、軸部が傾いた際に環状部材が支えとなり、コマ玩具が倒れるのを防いで、その姿勢を立て直すことができる。
また、環状部材自体が回転自在に設けられているため、環状部材がフィールドと接触してもコマ玩具の回転方向の摩擦抵抗は少なく、コマ玩具の回転エネルギーが失われるのを最低限に抑えることができる。
また、接地部材が球状体であり、環状部材は、この球状体の上下方向における中央部よりも下側を抱持することで球状体を回転自在に保持している。
このため、球状体が下側に抜け落ちるのを防止することができるとともに、回転自在の球状体が接地することでフィールドとの摩擦抵抗を最小限に抑えて、コマ玩具がより円滑に長時間回転し続けることができる。
また、軸先部は、可動状態で下側から支持する下部ケースと軸先部における上側に当接する当接部材との間に挟まれるように配置されている。
このため、別途軸受部材等を設けなくても、軸先部の上下方向への移動が規制されるとともに、軸線周りに回転することは妨げられず、軸先部を構成する球状体や環状部材がフィールドと接触した際に回転エネルギーを失いにくく、より円滑に長時間回転可能なコマ玩具を実現することができる。
また、環状部材における下側端部に、突起部が設けられているため、軸部が傾いた際に、突起部がフィールドと点接触することでブレーキをかけることができる。
これにより、環状部材がフィールドと面で接触する場合と比べて摩擦抵抗が少なく、回転エネルギーの喪失をより少なく抑えることができる。
さらに、突起部がフィールドと点接触することで、回転に変化を生じ、コマ玩具が予期しない方向に弾かれて、予測できないゲーム展開が期待でき、興趣性も向上する。
また、環状部材における下側端部に、環状部材の周方向に沿ってほぼ均等な間隔をおいて複数の突起部が設けられている。
このため、突起部がフィールドと点接触することでブレーキをかけることができるとともに、軸部がどの方向に傾いても安定してコマ玩具の姿勢を立て直すことができる。
また、環状部材における下側端部に設けられた突起部における接地側はR形状となっている。
このため、突起部がフィールドと点接触することでブレーキをかけることができるとともに、角で当接するよりも滑らかにフィールドに当たるため、衝撃を和らげて、回転エネルギーの喪失をより低減させることができる。
(a)は、本発明に係るコマ玩具の一実施形態を示す斜視図であり、(b)は、本実施形態におけるコマ玩具の遊び方を説明した図である。 本実施形態のコマ玩具の分解斜視図である。 (a)は、本実施形態のコマ玩具の軸部の左右方向の断面斜視図であり、(a)は、本実施形態の軸部の前後方向の断面斜視図である。 コマ玩具の軸部の分解斜視図である。 (a)は、コマ玩具の押圧部材の斜視図であり、(b)は、コマ玩具の環状部材の斜視図であり、(c)は、コマ玩具の第1柱状部材の斜視図であり、(d)は、コマ玩具の下部ケースの斜視図である。 (a)は、コマ玩具の軸部本体の斜視図であり、(b)は、(a)に示す軸部本体から第1柱状部材を取り外した状態を示す斜視図である。 (a)は、性能可変リング(フライホイール)の断面斜視図であり、(b)は、胴部の断面斜視図である。 (a)及び(b)は、本実施形態のコマ玩具におけるコマ本体である軸部、胴部及び性能可変リング(フライホイール)の係合状態を示した作動図である。 本実施形態のコマ玩具を回転駆動させるランチャーの一例を示した斜視図である。
以下、図1(a)及び図1(b)から図9を参照しつつ、本発明に係るコマ玩具の一実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
《全体構成》
図1(a)は、本発明に係るコマ玩具の一実施形態の斜視図であり、図1(b)は、コマ玩具の遊び方を説明した図であり、図2は、本実施形態のコマ玩具の分解斜視図である。
なお、本明細書においては、上下、左右及び前後は図2に示した向きをいうものとする。
実施形態のコマ玩具1は、いわゆるコマバトルゲームに使用することが可能なコマ玩具である。
具体的には、このコマ玩具1は、互いの衝突による衝撃力で相手方のコマ玩具1を図1(b)に示すように分解させて勝利とするようなバトルゲームに使用することができる。
このコマ玩具1は、図1(b)及び図2に示すように、下部構造を構成しドライバとなる軸部10と、上部構造を構成するレイヤーとなる性能可変リング30及び胴体40とによって構成されている。
《細部構成》
1.軸部10について
図3(a)は、本実施形態のコマ玩具の軸部を図2における左右方向に切断した場合の断面斜視図であり、図3(b)は、本実施形態のコマ玩具の軸部を図2における前後方向に切断した場合の断面斜視図である。
また、図4は、本実施形態における軸部の分解斜視図である。
図2に示すように、軸部10は、コマ玩具1の回転中心と一致する軸線を軸中心とし、下端部に軸先部11、上下方向中間部に鍔部12、上部に円筒部13を備えている。
本実施形態において、このうち鍔部12と円筒部13とは、図4に示すように、上部ケース14として一体に形成されており、軸部上部を構成している。
図3(a)及び図4に示すように、上部ケース14の円筒部13及び鍔部12には、軸部10の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに突出部141が形成されている。この突出部141の外面は鍔部12の外周面とほぼ面一となっている。
また、図3(b)及び図4に示すように、上部ケース14の円筒部13及び鍔部12には、軸部10の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに孔142が形成されている。孔142は、軸部10の軸線に沿って延在している。
また、軸部10は、ほぼ円筒状に形成された押圧部材15を備えている。本実施形態において押圧部材15は合成樹脂で形成されているが、押圧部材15は金属製等であってもよい。
図5(a)は、押圧部材15を斜め上方向から見た斜視図である。
図3(b)、図4及び図5(a)に示すように、押圧部材15は、円筒部151と、天井部152と、脚部153とを備えている。
円筒部151の外径は、上部ケース14の円筒部13の内径よりも小さくなっており、組み立て状態において、押圧部材15の円筒部151は、上部ケース14の円筒部13内に配置される。
また、円筒部151の内径は、後述する軸部本体50の第1柱状部材53の上端部の外径よりも大きく形成されており、第1柱状部材53の上端部が円筒部151内に嵌め込まれるようになっている。
天井部152は円筒部151の上端に設けられている。この天井部152には、第1柱状部材53の上端部に対応する形状の孔154が形成されている。
また、脚部153は、円筒部151の外周下端部に設けられている。
この脚部153は、円筒部151の外周のうち、軸部10の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに形成されている。この脚部153は、円筒部151から水平に張り出す水平部155、水平部155の先端から垂直下方に延びる鉛直部156とから構成されている。
このように構成された押圧部材15は、組み立て状態において、脚部153が上記上部ケース14の孔142に挿入されるようにして設置される。孔142は上下方向の寸法が脚部153の長さ寸法よりも大きく設定されており、脚部153が孔142内を上下方向に案内されることで、押圧部材15は軸部10の軸線に沿って上下方向に移動可能となっている。
この押圧部材15はスプリング16によって上方に付勢されている。この押圧部材15は、脚部153が孔142の上縁に突き当たることにより上方への移動が規制されており、常態では、押圧部材15の上端は上部ケース14の円筒部13の上端とほぼ同じ高さ位置に配置される。
また、押圧部材15の天井部152の上面には、軸部10の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向に延びる凸条(突起)157が形成されている。
軸部10の下部には、軸部下部を構成し、後述する軸先部11を可動状態で下側から支持するとともに軸先部11における下端部を露出させる下部ケース17が設けられている。
図5(d)は、本実施形態における下部ケース17の斜視図である。
図4及び図5(d)に示すように、軸部下部を構成する下部ケース17は、上下に開口し、鍔部12側から軸先部11側に向けて徐々に径が小さくなる形状で、全体として略半球状又は略逆円錐状に形成されている。
下部ケース17には、図2及び図4に示すように、上部ケース14の突出部141に対応した位置に半径方向外方に張り出す突出部171が形成されている。
軸部上部と軸部下部とは、突出部141,171の箇所で軸部下部を構成する下部ケース17に軸部上部を構成する上部ケース14の鍔部12及び円筒部13をねじ18で固定することにより、一体化される。
また、下部ケース17における下側の開口端には、下部ケース17の内側に向かって張り出す内向きフランジ部172が形成されている。
この内向きフランジ部172の内側の径は、後述する環状部材52の鍔部521の外側の径よりも小さくなっており、環状部材52の鍔部521の下側面が内向きフランジ部172の上側面に当接することで、下部ケース17は、軸先部11を構成する環状部材52を下側から支持して抜け落ちを防止する。また、このように鍔部521の下側面が内向きフランジ部172の上側面に当接した状態において、軸先部11を構成する環状部材52及び接地部材である球状体51の下端部が下部ケース17の下側の開口から露出した状態となる。
上部ケース14と下部ケース17とで形成される空間内には、コマ玩具1の回転中心と一致する軸線を軸中心とする軸部本体50が配置されている。
図6(a)は、軸部本体の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)の軸部本体から第1柱状部材を取り外して内部構成を示した斜視図である。
図4、図6(a)及び図6(b)に示すように、軸部本体50は、軸先部11、第1柱状部材53、第2柱状部材54を備えている。
本実施形態では、接地部材と環状部材52とによって軸先部11が構成されている。
すなわち、軸先部11は、軸部10における下端部に配設されており、軸線を中心として回転自在に設けられた環状部材52と、この環状部材52の中心に配置され、当該環状部材52よりも下部に、少なくともその先端部分が突出する接地部材と、を有している。
接地部材は、コマ玩具1で遊ぶ際に、フィールド等に直接接触する部分であり、本実施形態では、環状部材52よりも下部に突出する円弧状部511を有している。より具体的には、本実施形態の接地部材は、中央部の径が最も大きく形成された球状体51である。
球状体51は例えば金属製のボールである。なお、球状体51を形成する材料は金属に限定されず、例えば硬質樹脂等で形成されていてもよい。
球状体51の大きさは特に限定されないが、球状体51の径が大きいほどコマ玩具1が倒れそうになったときにも姿勢を安定させやすい。
図5(b)は、環状部材52の斜視図である。
環状部材52は、球状体51の上下方向における中央部よりも下側を抱持することで球状体51を回転自在に保持する環状部材である。
すなわち、本実施形態において、球状体51は中央部の径が最も大きくなっており、環状部材52がこの最大径部分よりも下側で球状体51を抱持することで、球状体51が環状部材52から下方向に抜け落ちないようになっている。
具体的には、図4及び図5(b)に示すように、環状部材52は、上下に開口する円筒状の部材であり、上側の開口端には、外向きに張り出す鍔部521が設けられている。
前述のように、組み付け状態において、鍔部521は、その下側面が下部ケース17の内向きフランジ部172の上側面に当接し、下方向に抜け落ちないように下部ケース17によって下側から支持される。
このように、接地部材である球状体51を抱持する環状部材52を設けることで、軸部10が所定の角度以上傾いた際には環状部材52がフィールド等に接地する。環状部材52におけるフィールド等との接地位置は、軸部10の軸線(回転中心)からある程度離れているため、コマ玩具1について適度にブレーキをかけることができる。
また、環状部材52の下側の開口端には、内向きに張り出す内向きフランジ部522が設けられている。
内向きフランジ部522の内側の径は、球状体51の最大径部分の径よりも小さくなっており、組み付け状態において、球状体51は内向きフランジ部522に当接し、下方向に抜け落ちないように環状部材52によって抱持される。
また、環状部材52における下側端部には、環状部材52の外側に向かって突出する突起部523が設けられている。
突起部523は、軸部10の軸線が鉛直方向からある程度傾いたときにフィールド上等に接触するようになっている。突起部523があることで、軸部10の軸線が傾いた際に突起部523がフィールド上等に点で接触する。このため、環状部材52の下端部が面でフィールド上等に接触する場合よりも接触面積を少なくでき、回転エネルギーの喪失を低く抑えることができる。
本実施形態では、突起部523は、環状部材52における下側端部に、環状部材52の周方向に沿ってほぼ均等な間隔をおいて複数(図4に示すように、本実施形態では4つ)設けられている。
なお、突起部523の数や配置は特に限定されないが、突起部523の数が多い方がフィールド等に対して環状部材52が突起部523によって点で接触しやすくなる。また、できるだけ等間隔に配置した方が重さに偏り等が生じずコマ玩具1が安定するとともに、どのような方向からフィールド等に接触した際にも突起部がフィールド等に接触しやすく好ましい。
また、突起部523の形状や大きさは特に限定されないが、本実施形態では、突起部523における接地側がR形状となっている。このように突起部523の角を丸めることで、突起部523がフィールド上等に接触した際に衝突の衝撃を和らげることができる。
第1柱状部材53及び第2柱状部材54は、軸先部11における上側に当接する当接部材である。
第1柱状部材53は、下端部が開口した筒状部531を有している。
筒状部531の外径は、前述の押圧部材15の円筒部151の内径よりも小さく形成されており、第1柱状部材53の筒状部531の上端部は円筒部151内に嵌め込まれる。
嵌め込み状態における筒状部531の上端の高さ位置は特に限定はされないが、押圧部材15の円筒部151の上端よりも高い位置に設定されている。
この筒状部531の上端部には軸部10の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向外側に張り出す爪(第2の爪)536が形成されている。
筒状部531の上端部の形状は、押圧部材15の天井部152に形成された孔154の形状に対応しており、筒状部531を円筒部151内に嵌め込んだ際、筒状部531の上端部が押圧部材15の孔154と嵌り合うようになっている。
第1柱状部材53における筒状部531の下側の外周であって、軸部10の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所には、外側に向かってほぼ水平に張り出す係止腕部532がそれぞれ形成されている。この係止腕部532の基端側には、第1の孔部533が形成されており、自由端側には第2の孔部534が形成されている。
第1の孔部533は、後述の第2柱状部材54の脚部542の突出部544の形状に対応した矩形状となっており、組み立て状態において、第1の孔部533内に突出部544が挿入される。また、第2の孔部534は、円形状となっており、この第2の孔部534には上部ケース14と下部ケース17とを係止するねじ18が挿通される。
なお、本実施形態では、第1の孔部533と第2の孔部534とは一体化して鍵穴状の1つながりの孔部となっている。なお、孔部の形状は図示例に限定されない。
また、第1柱状部材53における筒状部531の下側の外周部であって2つの係止腕部532を挟む位置には、下方向に延在する脚部535がそれぞれ設けられている。
この脚部535は、図6(a)に示すように、その下端部(すなわち脚部535の自由端)が軸先部11の環状部材52の上側端面に当接するか又は環状部材52の上側端面の近傍に配置される。これにより、軸先部11の環状部材52の上方向への浮き上がりが防止される。
なお、脚部535の形状や設けられる位置、範囲等はここに例示したものに限定されない。
第2柱状部材54は、上端部が開口した柱状部541と、柱状部541の下側の外周から外側に向かって張り出す脚部542とを有している。
第1柱状部材53の筒状部531の内径は、第2柱状部材54の柱状部541の外径よりも大きく形成されており、第2柱状部材54の柱状部541は第1柱状部材53の筒状部531内に嵌め込まれるようになっている。
なお、本実施形態では第2柱状部材54の柱状部541が中空の筒状である場合を例示しているが、柱状部541は中空のものに限定されず、中実のものでもよい。
なお、コマ玩具1を軽量化するためには、本実施形態のように柱状部541が中空の筒状であることが好ましい。
本実施形態における柱状部541は、下端部が閉塞しており、接地部材である球状体51に上側から当接する。なお、球状体51に当接する部分の形状は図示例に限定されない。
例えば、柱状部541の下端部は、球状体51に向かって軸中心が張り出す凸状や円弧状となっていてもよいし、これとは逆に、球状体51から離れる方向に軸中心が凹んだ凹状や球状体の表面に沿う円弧状となっていてもよい。
また、柱状部541の下端部は開口していてもよく、この場合開口端が球状体51に当接する。
また、第2柱状部材54における脚部542は、柱状部541からほぼ水平に張り出す水平部543と、この水平部543の先端(自由端)から上方に突出する突出部544とから構成されている。
突出部544は、前述のように、第1の孔部533の形状に対応する矩形状に形成されており、組み立て状態において、突出部544は、第1の孔部533内に挿入される。
2.性能可変リング30について
図7(b)は、本実施形態における性能可変リングの断面斜視図である。
この実施形態では、性能可変リング30としてフライホイールが用いられている。
この性能可変リング30は板状を成している。
この性能可変リング30の底面には軸部10の鍔部12が下方から収容可能な環状段部31が形成されている。
また、この性能可変リング30の上面には軸部10の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに上方に向けて張り出す突出部32が形成されている。各突出部32の下側部分には、軸部10の突出部141を下方から収容可能な凹部33が形成されている。また、性能可変リング30の上面には、各突出部32の直ぐ外側に上方に延びる舌片34が形成されている。舌片34は突出部32よりも上方に突出している。なお、この性能可変リング30としては、フライホイールに代えて或いはフライホイールと一体的で、外周面に突出部があって相手方のコマ玩具1を攻撃し易くしたものや、外周面に凹部があって相手方のコマ玩具1からの攻撃を受け難いものを使用してもよい。
3.胴体40について
図7(a)は、本実施形態における胴部の断面斜視図である。
胴体40は円盤状を成している。この胴体40は、図2に示すように、基体400と、上面視で基体400と略同形で基体400の上に被せられた透明カバー体401とを備えている。
胴体40の外周には凹凸40aが形成されている。また、基体400の中央には円孔41が形成されている。上記透明カバー体401は円孔41を除いた部分に被せられている。さらに、胴体40の下面には、性能可変リング30の突出部32を下方から収容可能な環状凹部42が形成されている。
この環状凹部42を区画形成する内周璧43aの内周面下端には、軸部10の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向内側に向けて張り出す爪(第1の爪)44が突設されている。
また、内周壁43aの下端面には、軸部10の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに、凹凸が連続して形成され上記凸条21に噛み合う起伏部45が形成されている。
また、胴体40の環状凹部42を区画形成する天井壁43bには、性能可変リング30の舌片34を下方から挿入可能な弧状スリット46が形成されている。この弧状スリット46の長さは舌片34が十分に移動し得る長さとなっている。
《組立方法》
次に、コマ玩具1の組立方法の一例を説明する。なお、ここでは、軸部10の組立は既に終了しているものとする。
まず、軸部10の突出部141を下方から性能可変リング30の凹部33に合致させるようにして、軸部10と性能可変リング30を嵌合状態に組み付ける。
次に、この組付け体を胴体40に下方から近付ける。この際、上記組付け体の性能可変リング30の舌片34を胴体40の弧状スリット46の所定の端に合致させる(図8(a))。この状態において、軸部10の爪536と胴体40の爪44とは上下方向で重なっていない。この状態が結合解除状態である。
その後、上記組付け体の軸部10を胴体40側に押圧する。これにより、まず、性能可変リング30が胴体40の下面に押し当てられる。さらに、軸部10内のスプリング16が縮み、軸部10の爪536が胴体40の爪44よりも上方に相対的に押し上げられる。そして、軸部10を性能可変リング30と一体的に胴体40に対して舌片34が上記所定の端とは反対側の端まで移動するまで回転させる(図8(b))。この場合の回転は、胴体40と性能可変リング30及び軸部10との相対的な回転であって、図8(b)では、軸部10及び性能可変リング30に対して胴体40側を図8(a)に示す状態から回転させた状態が示されている。すると、図8(b)に示すように、軸部10の爪536と胴体40の爪44とが上下で重なった状態となる。そして、軸部10から手を離すと、スプリング16の付勢力によって、軸部10の爪536の下面と胴体40の爪44の上面とが当接される。
このように軸部10の爪536の下面と胴体40の爪44の上面とが当接された状態が結合状態である。これにより、軸部10と、性能可変リング30及び胴体40が結合され、コマ玩具1が組み立てられる。
《遊び方及び作用》
続いて、このコマ玩具1を使用しての遊び方の一例及びコマ玩具1の作用を説明する。
この遊び方の一例では、コマ玩具1を回転させて、相手方のコマ玩具1と戦いを行う。
この場合、コマ玩具1の回転力のチャージは、図9に示すようなランチャー60によって行われる。このランチャー60は、内部に図示しない円板を備え、その円板を図示しないゼンマイばねで一の回転方向に付勢するとともに、円板の周囲に卷回させた図示しない紐をハンドル61で引くと、円板が回転され、コマホルダー63が回転されるように構成されている。
このコマホルダー63にコマ玩具1を装着してコマホルダー63を回転させると、その回転は、下方に突設されたフォーク64によってコマ玩具1に伝達され、コマ玩具1を回転させる。この場合、フォーク64は胴体40の弧状スリット46に差し込まれる。そして、ランチャー60のハンドル61を引き切ると、円板ひいてはコマホルダー63の回転が停止する一方で、コマ玩具1は慣性力によって尚も回転するので、フォーク64の傾斜面64aを倣ってコマ玩具1がコマホルダー63から外れる。なお、図9において符号62はコマホルダー63に対して出没可能なロッドである。このロッド62はコマホルダー63にコマ玩具1を装着した際にコマ玩具1の上面に押されてコマホルダー63に没する。このロッド62は例えばコマ玩具1の着脱の検出に使用される。
このようにして発射されたコマ玩具1は所定のフィールドで回転させられ、相手方のコマ玩具1に衝突すると、衝突による衝撃力や擦れ等によって、胴体40には、軸部10及び性能可変リング30の回転方向とは反対の方向の力が作用する。これによって、胴体40が軸部10及び性能可変リング30の回転方向に対して反対の方向に相対的に回転する。
すると、胴体40の起伏部45に凸条21が噛合する。この場合、凸条21にはスプリング16の付勢力が作用するため、衝突による衝撃力が作用する毎に、胴体40に対して軸部10が相対回転して噛み合い位置が徐々に変更される。そして、結合解除位置に達すると、胴体40の爪44が軸部10の爪536から外れるため、スプリング16の付勢力によって胴体40が軸部10から離反する。そして、図1(b)に示すように、コマ玩具1は軸部10と性能可変リング30及び胴体40とに分解される。
本実施形態では、回転自在に保持された接地部材である球状体51の円弧状部511がフィールドに接地するため、接地部材が棒状や針状である場合と比較して接地した際の抵抗が少なく、滑らかにコマ玩具1が回転する。また、コマ玩具1をフィールド内に投げ入れた際や、対戦相手のコマ玩具と衝突して弾かれた際等に、軸部10が所定の角度以上傾くと環状部材52がフィールドと接触してブレーキがかかる。このため、コマ玩具1がフィールドから飛び出すのを防ぐことができるとともに、環状部材52を支えとして倒れかけたコマ玩具1の姿勢を立て直すことができる。
特に、ゲームに使用されるフィールドが斜面で囲まれたすり鉢状の形状である場合、コマ玩具1をフィールド内に投げ入れた際や、対戦相手のコマ玩具と衝突して弾かれた際等に、コマ玩具1が斜面を登っていく。このとき環状部材52が設けられていないと、コマ玩具1が斜面を登り切ってフィールドの外に飛び出してしまう可能性がある。この点、環状部材52が接地することでブレーキとなり、コマ玩具1がフィールドから飛び出すのを防ぐことができる。
また、球状体51及び環状部材52は、下部ケース17と当接部材との間に挟まれるように配置されることで、上下方向への移動は規制されているが、固定されてはいない。このため、軸線周りに回転することは妨げられず、球状体51や環状部材52がフィールドと接触した際に回転方向の摩擦抵抗を小さく抑えることができる。
また、環状部材52における下側端部に、突起部523が設けられているため、軸部10が傾いた際に、突起部523がフィールドと点接触することでブレーキをかけることができる。このため、環状部材52がフィールドと面で接触する場合と比べて摩擦抵抗が小さく抑えられる。
《本実施形態の効果》
以上のように、本実施形態によれば、接地部材として接地部分が円弧状部511である球状体51を適用している。このため、接地部材が棒状や針状である場合と比較してフィールド等に接地した際の抵抗が少なく、滑らかに長時間コマ玩具1を回転させることができる。
また、この接地部材としての球状体51は、環状部材52によって抱持されている。このため、軸部10が所定の角度以上傾くと環状部材52がフィールドと接触してブレーキがかかり、コマ玩具1がフィールドから飛び出すのを防ぐことができる。また、環状部材52がフィールドと接することで、環状部材52を支えとして倒れかけたコマ玩具1の姿勢を立て直すことができる。これにより、長時間安定して回転するコマ玩具を実現することができる。
また、本実施形態では、環状部材52自体も球状体51とは独立して回転自在に設けられている。このため、環状部材52がフィールドと接触しても環状部材52が軸線周りに回転することで、コマ玩具1の回転方向の摩擦抵抗を少なく抑えることができ、コマ玩具1の回転エネルギーが失われるのを最低限に抑えることができる。
また、本実施形態では、接地部材が球状体51であり、環状部材52は、この球状体51の上下方向における中央部よりも下側を抱持することで球状体を回転自在に保持している。このため、球状体51が下側に抜け落ちるのを防止することができるとともに、球状体51の回転動作を阻害せず、回転自在の球状体51が接地することでフィールドとの摩擦抵抗を最小限に抑えて、より円滑に長時間回転し続けるコマ玩具1を実現することができる。
また、本実施形態では、環状部材52における下側端部に、突起部523が設けられているため、軸部10が傾いた際に、突起部523がフィールドと点接触することでブレーキをかけることができる。これにより、環状部材52本体がフィールドと面で接触する場合と比べて摩擦抵抗が少なく、回転エネルギーの喪失をより少なく抑えることができる。
さらに、突起部523がフィールドと点接触することで、回転に変化を生じ、コマ玩具1が予期しない方向に弾かれて、予測できないゲーム展開が期待でき、興趣性を向上させることができる。
また、本実施形態では、突起部523が環状部材52の周方向に沿ってほぼ均等な間隔をおいて複数設けられている。このため、軸部10がどの方向に傾いても安定してコマ玩具1の姿勢を立て直すことができる。
また、突起部523を複数設けることで、フィールドに突起部523が接触した際、コマ玩具1が複数回複雑に弾かれることが想定され、一層予測できないゲーム展開を期待することができ、飽きずに楽しむことができる。
また、本実施形態の突起部523における接地側はR形状となっている。このため、突起部523が角で当接するよりも滑らかにフィールドに当たるため、衝突の衝撃を和らげて、回転エネルギーの喪失をより低減させることができる。
《本発明の変形例》
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、接地部材として、球状体51を設ける例を示したが、接地部材は、少なくともその一部が環状部材52よりも下部に突出していればよく、球状体に限定されない。
また、接地部材は、環状部材52よりも下部に突出する部分が円弧状部511となっていればよく、球状でなくてもよい。例えば、棒状部材の先端部にRを設けて円弧状部としたものを接地部材として適用してもよい。
このように接地部材が環状部材52よりも下部に突出する円弧状部を有する場合には、接地部材が球状体511である場合と同様に、接地部材が滑らかにフィールドに接触するため、倒れにくく安定して回転するコマ玩具とすることができる。
なお、軸先部11は、軸部10の軸線を中心として回転自在に設けられた環状部材と、この環状部材の中心に配置され、当該環状部材よりも下部に突出する接地部材とを有していればよく、接地部材の形状は特に限定されない、例えば、先端部が錐状等になっているものでもよい。
上記何れの場合でも、接地部材を囲むように環状部材52を配置することで、軸部10が所定の角度以上傾いた場合には、環状部材52がフィールドと接触してブレーキがかかり、コマ玩具1がフィールドから飛び出すのを防ぐことができる。また、環状部材52がフィールドと接することで、環状部材52を支えとして倒れかけたコマ玩具1の姿勢を立て直すことができる。
また、環状部材52における下側端部に突起部523を設けることは必須ではなく、これを設けない構成としてもよい。
1 コマ玩具
10 軸部
11 軸先部
12 鍔部
13 円筒部
14 上部ケース
15 押圧部材
17 下部ケース
30 性能可変リング
40 胴体
50 軸部本体
51 球状体
52 環状部材
53 第1柱状部材
54 第2柱状部材
60 ランチャー
第1の手段は、
回転中心と一致する軸線を軸中心とする軸部を備え、
前記軸部における下端部に、前記軸線を中心として回転自在に設けられた環状部材と、この環状部材の中心に配置され、当該環状部材よりも下部に突出する接地部材と、を有する軸先部が配設されており、
前記軸部は、
前記軸先部を可動状態で下側から支持するとともに前記軸先部における下端部を露出させる下部ケースと、
前記軸先部における上側に当接する当接部材と、
を備えていることを特徴とする。
第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記環状部材における下側端部に、突起部が設けられていることを特徴とする。
第4の手段は、第1又は第2の手段において、前記環状部材における下側端部に、前記環状部材の周方向に沿ってほぼ均等な間隔をおいて複数の突起部が設けられていることを特徴とする。
第5の手段は、第1又は第2の手段において、前記環状部材における下側端部に突起部が設けられ、
前記突起部における接地側はR形状となっていることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 回転中心と一致する軸線を軸中心とする軸部を備え、
    前記軸部における下端部に、前記軸線を中心として回転自在に設けられた環状部材と、この環状部材の中心に配置され、当該環状部材よりも下部に突出する接地部材と、を有する軸先部が配設されていることを特徴とするコマ玩具。
  2. 前記接地部材は球状体であり、
    前記環状部材は、前記球状体の上下方向における中央部よりも下側を抱持することで前記球状体を回転自在に保持するものであることを特徴とする請求項1に記載のコマ玩具。
  3. 前記軸部は、
    前記軸先部を可動状態で下側から支持するとともに前記軸先部における下端部を露出させる下部ケースと、
    前記軸先部における上側に当接する当接部材と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコマ玩具。
  4. 前記環状部材における下側端部に、突起部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコマ玩具。
  5. 前記環状部材における下側端部に、前記環状部材の周方向に沿ってほぼ均等な間隔をおいて複数の突起部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコマ玩具。
  6. 前記環状部材における下側端部に突起部が設けられ、
    前記突起部における接地側はR形状となっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコマ玩具。
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