JP3083443U - コマ玩具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】同じパーツでありながら組みつけ方を変えるこ
とにより、異なる機能を発揮することができ、手持のパ
ーツを無闇に増やさなくてすむコマ玩具を提供するこ
と。 【解決手段】複数の部材を層状に組みつけて構成される
コマ玩具Ａであって、最上部に配置される上層部材３に
は少なくとも２つの張出し部２８が周方向に等間隔に形
成され、該張出し部２８の一方の面２８ａは周方向に一
端から他端に斜めに膨出し、該上記上層部材３は表裏何
れの状態でも層状に組みつけられるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、コマ玩具、詳しくは複数の部材を層状に組みつけて構成するコマ玩 具において、張出し部を有する部材を裏返しに組み付けることにより、異なる機 能を発揮させることができるコマ玩具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コマ玩具は子供の遊びにおいて非常にポピュラーであり、友達同士でお 互いのコマ玩具をぶつけ合って、相手のコマを倒したり、決められたゲームスペ ース(ゲーム盤)から弾き出したりして勝負を争うコマ遊びがよく行なわれている 。

【０００３】 現在では、このようなコマ遊びにもいろいろな趣向が凝らされたものが多数実 施されており、例えばコマ玩具を分解可能に構成し、パーツを交換して回転特性 を変えて勝負に有利になるようにチューンアップするものが提案されている。特 に、対戦相手のコマをより強力に攻撃したり、相手の攻撃から防御したりする機 能を付加することにより、コマ遊びを有利に展開することがでるようなパーツが 提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、機能を変えるためにはパーツを交換する必要があり、そのため に多くのパーツを取り揃えなければならない問題があった。

【０００５】 本考案は上記問題点を解消し、同じパーツでありながら組みつけ方を変えるこ とにより、異なる機能を発揮することができ、手持のパーツを無闇に増やさなく てすむコマ玩具を提供することをその課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するため、本考案に係るコマ玩具は、以下の要件を備えることを 特徴とする。 （イ）複数の部材を層状に組みつけて構成されていること （ロ）最上部に配置される上層部材には少なくとも2つの張出し部が周方向に等 間隔に形成され、該張出し部の一方の面は周方向に一端から他端に斜めに膨出し ていること （ハ）上記張出し部は表裏何れの状態でも層状に組みつけられること

【０００７】 なお、前記複数の部材のうち少なくとも1つは錘部材であることが望ましい。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図１において符号Ａはコマ玩具を示し、このコマ玩具Ａは、最下層のベース部 材１と、ベース部材１の上部に配置された中層部材２と、中層部材２の上部に配 置された上層部材３とから層状に組み付けられている。

【０００９】 ベース部材１は、図２及び図３に示すように、倒立円錐状に形成され、下端に 心棒４が突出形成されたベース部材本体１ａと、その上面中心に取り付けられた 取付台５とから構成されている。

【００１０】 ベース部材本体１ａの上部両側には、側方に開口する開口部６が形成され、こ の開口部６には、１対の脚片８が形成された止め具７が挿脱自在に取り付けられ ている。なお、符号９は脚片８間をまたぐ突起であり、開口部６を構成する上片 １０には凹溝１１が形成されている。

【００１１】 取付台５は、短円柱状に形成され、両側面には突部１５を備えたもので、突部 １５の下部には上記止め具７が差し込まれる差込溝１６が形成され、差込溝１６ と差込溝１６とは図示しない差込孔で連結されている。そして、突部１５、１５ に直交して切り欠き部１８、１８が形成され、この切り欠き部１８の下部には支 持片１９が形成され、切り欠き部１８の周面には平面から見て反時計方向に、互 いに他の切り欠き部１８の近傍まで続く取付溝２０が形成されている。

【００１２】 取付台５は、ベース部材１の凹溝１１に取付台５の突部１５を係合させるとと もに取付台５の下部の嵌合突部１４をベース部材１の嵌合凹部１２に嵌合させ、 さらに、ベース部材１の開口部６から止め具７を挿入して取付台５の差込溝１６ に差し込み、止め具７の脚部８の先端を差込穴に差し込むことによって取付台５ はベース部材本体１ａ上に固定され、図２に示すようなベース部材１が構成され る。

【００１３】 中層部材２は中央が開口した円板状又は多角形状に形成され、内縁部には内側 に突出する１対の張出し片２１が対向形成され、各張出し片２１の中央には取付 台５の突部１５に係合する係合溝２２が形成されている。なお、中層部材２は他 の部材に比べて重量の大きい錘部材とし、通常は金属で形成するのが好ましい。

【００１４】 上層部材３は上部材３ａと下部材３ｂとで構成され、上部材３ａの両側の内側 には１対の張出し片２３が対向形成され、各張出し片２３の内縁部は円弧状で、 上記ベース部材１の取付台５に嵌り合う大きさに設定されている。上記張出し片 ２３の内縁部の中央には係止片２４が突出形成されている。そして、両側の係止 片２４間の距離は、上記取付台５の切り欠き部１８間の距離に略等しくなるよう に設定されている。なお、上部材３ａの上面には、キャラクターやシンボルなど が描かれた図示しないシールが貼着されるチップ３０の両側部に突出形成された 係止片３０ａを係止する係止部３１が形成されている。

【００１５】 また、図４（ａ）の底面側斜視図に示すように、上部材３ａの下面には円形の 凹部２５が形成されるとともに、この凹部２５に連通して放射状に係合溝部２６ が形成されている。この凹部２５には下部材３ｂを嵌めこむことができるように なっており、係合溝部２６には後述する下部材３ｂの係合板２７が係合し、上部 材３ａと下部材３ｂとを重合したときには上部材３ａに対して下部材３ｂは周方 向にずれないようになっている。

【００１６】 下部材３ｂは、図４（ｂ）に示すように、リング状の板部材で係合板２７が外 方に向かって放射状に突出形成され、この係合板２７の先端には略三日月状の張 出し部２８が形成されている。この張出し部２８は一方の面２８ａには周方向に 一端から他端に斜めに膨出し、側面視が略クサビ状になるように膨出部２９が形 成されている。なお、張出し部２８の他方の面２８ｂは、図５（ｂ）に示すよう に、平坦に形成されている。

【００１７】 次に、上記構成の部材を組み付けるときには、まず、ベース部材１上に中層部 材２を重ね、取付台５の突部１５と中層部材２の張出し片２１の係合溝２２とを 係合させる。そして、中層部材２上に上層部材３を重ね、上層部材３の係止片２ ４とベース部材１の取付台５の切り欠き部１８とを合致するように位置決めして 、上層部材３を下方に押し込む。これにより、上層部材３の張出し片２３は取付 台５の支持片１９上に支持され、係止片２４は取付溝２０に臨む。そこで、上層 部材３を反時計方向に回転させて上記係止片２４をベース部材１の取付溝２０に 沿ってその端部まで摺動させて上層部材３をベース部材１に組み付ける。以上の 手順により、ベース部材１の上に中層部材２と上層部材３とが層状に配置された コマ玩具が完成する。

【００１８】 上記コマ玩具を分解するときには、上層部材３を時計方向に回転して上層部材 ３の係止片とベース部材１の取付台５の切り欠き部１８と合致させた後、上層部 材３を上方に抜き出すことにより、中層部材２も上方に外すことが可能になり、 コマ玩具を分解することができる。

【００１９】 なお、上層部材３を組み付けるときに、下部材３ｂに形成された張出し部２８ の一方の面２８ａが上側になるようにした場合は、図４（ｃ）に示すように、張 出し部２８の先端が上部材３ａの上面より低くなり、後端の膨出部２９が上部材 ３ａの上面より突出する状態になるので、図６（ａ）に示すように、コマ玩具Ａ を時計方向に回転させた場合は、張出し部２８が相手のコマ玩具Ｂの攻撃を外側 と上側とへ弾いて相手の攻撃を防御する防御モードとなり、コマ玩具Ａを反時計 方向に回転させた場合は、張出し部２８が高位置から相手のコマ玩具Ｂを下方に 突き下げるように攻撃する攻撃モードを実現することができる。

【００２０】 一方、下部材３ｂの張出し部２８の他方の面２８ｂが上面になるようにした場 合は、図５（ｃ）に示すように、膨出部２９が上部材３ａの下面より下方に突出 し、張出し部２８の先端が上部材３ａの下面とほぼ面一状態になるので、図６（ ｂ）に示すように、コマ玩具Ａを時計方向に回転させた場合は、低位置より相手 のコマ玩具Ｂを上方に突き上げる攻撃モードとなり、コマ玩具Ａを反時計方向に 回転させた場合は、張出し部２８が相手のコマ玩具Ｂの攻撃を外側と下側とへ弾 いて、相手の攻撃を防御する防御モードを実現することができる。

【００２１】 上述したように、上層部材を組み付ける際、下部材を上向きにして上部材に合 体させるか、下部材を下向きにして上部材に合体させるかによって同一回転方向 であっても攻撃モードに設定したり、防御モードに設定したりすることができる 。しかも、コマ玩具の回転方向によっては、攻撃の仕方と防御の仕方とが異なる ので、部材の組みつけの仕方と、コマ玩具自体の回転する方向とで異なる防御及 び攻撃ができ、同一の部品を使用していながら多様なコマ遊びを実現することが できる。

【００２２】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、1つの部材の組み付け時において、裏表を選択する ことにより、コマ玩具の特性である攻撃性か防御性かを自由に設定することがで き、同じパーツでありながら組みつけ方を変えることにより、異なる機能を発揮 することができるので、手持のパーツを無闇に増やさなくてすみ、パーツ購入に かかるコストの低減と、パーツの管理に有効なコマ玩具を実現することができる 。

【００２３】 請求項２の考案によれば、錘部材によりコマ玩具に安定した回転と、回転の寿 命の長さを与えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るコマ玩具の一例を示す斜視図

【図２】上記コマ玩具の分解斜視図

【図３】ベース部材の構成を説明する分解斜視図

【図４】（ａ）（ｂ）（ｃ）は上部材の底面側斜視図、
下部材の平面側斜視図及び上層部材の側面図

【図５】（ａ）（ｂ）（ｃ）は上部材の底面側斜視図、
下部材の底面側斜視図及び上層部材の側面図

【図６】（ａ）（ｂ）はコマ玩具の作動状態を説明する
側面図

【符号の説明】

１ ベース部材 ２ 中層部材 ３ 上層部材 ２８ 張出し部 ２９ 膨出部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 以下の要件を備えることを特徴とするコ
   マ玩具。 （イ）複数の部材を層状に組みつけて構成されているこ
   と （ロ）最上部に配置される上層部材には少なくとも2つ
   の張出し部が周方向に等間隔に形成され、該張出し部の
   一方の面は周方向に一端から他端に斜めに膨出している
   こと （ハ）上記張出し部は表裏何れの状態でも層状に組みつ
   けられること
2. 【請求項２】 前記複数の部材のうち少なくとも1つは
   錘部材である、請求項1記載のコマ玩具。