JP2018062962A - 摩擦プーリ - Google Patents

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得徳 柳
Tokunori Yanagi
得徳 柳
正芸 内山
Masaki Uchiyama
正芸 内山
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Abstract

【課題】成形不良の発生を抑制しつつ高いトルクを伝達可能にすることができる摩擦プーリを提供する。
【解決手段】摩擦プーリ1は、回転する回転部材Rに外周において圧接されて動力を伝達するプーリであって、外周に内周側に凹む環状の溝である外周溝20を有する軸線x周りに円盤状の部材である回転輪10と、回転輪10の外周溝20の少なくとも一部を覆う部材である被覆部30とを備えている。外周溝20は、軸線x方向において互いに対向する一対の軸線x周りに環状の面である溝側面21,22を有しており、溝側面21,22は各々、外周側方向に面する面であり、被覆部30は、一対の溝側面21,22の各々の少なくとも一部において形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、摩擦プーリに関し、特に、車両や産業機械において動力の伝達のために用いられる摩擦プーリに関する。
従来、例えば車両の内燃機関において、クランクシャフトの動力をウォータポンプ等の補機に伝達するための動力伝達機構としては、プーリやベルトが用いられている。従来の動力伝達機構は、クランクシャフトと全ての補機がベルト及びプーリによって連結されており、クランクシャフトから全ての補機に動力が伝達される構成を有している。
このため、このような動力伝達機構を備えた内燃機関においては、クランクシャフトと全ての補機がベルト及びプーリによって連結されているため、内燃機関により発生したエネルギーの損失が大きくなっていた。これに対して、近年、クランクシャフトと補機との間の連結及び切断を選択可能にする構成を有する動力伝達機構が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1においては、クランクシャフトに取り付けられたベルトが巻き掛けられたプーリと、ウォータポンプに取り付けられた支持ディスクとこの支持ディスクの外周に設置されたエラストマー材料からなる摩擦輪とを有する摩擦プーリと、これらプーリ及び摩擦プーリ間を連結及び分離可能にするアイドルプーリとを有する動力伝達機構が開示されている。
この従来の動力伝達機構においては、アイドルプーリが、クランシャフト及びウォータポンプの各プーリに接触して、クランクシャフトとウォータポンプとが連結され、また、各プーリから離間して、クランクシャフトとウォータポンプとの間の連結が切断され、動力伝達路の選択が可能となっている。
次に、摩擦プーリの具体的構成について説明する。図7は、従来の摩擦プーリ90の概略構成を示す軸線xに沿う断面図である。摩擦プーリ90は、板状部材からなる基体91と、当該基体91の外周側(矢印a方向)の端部に取り付けられたゴム環95とを備えている。基体91は、例えば金属から形成されている。ゴム環95は、ゴム材料から形成されている。
基体91は、軸線xに沿う断面の形状が略L字状であり、軸線xを中心とする円盤状の円盤部92と、当該円盤部92の外周側(矢印a方向)の端部から下方(矢印d方向)に向かって延び、軸線xを中心とする円筒状の円筒部93とを備えている。円筒部93の外周側(矢印a方向)の面(以下、これを「外周面」ともいう。)93aには、ゴム環95が一体に取り付けられている。
ゴム環95は、外周面93aから軸線xとは垂直な方向における外周側(矢印a方向)へ向かって所定の厚さを有するリング状部材であり、円筒部93の外周面93aを覆うように基体91と一体に固定されている。このゴム環95は、動力伝達機構のアイドルプーリ等と当接(圧接)または離間される部分となる。
このような構成の従来の摩擦プーリ90は、ウォータポンプ等の低負荷装置の駆動用に用いられており、3Nm程度のトルクを伝達することを前提に設計されている。したがって、80〜100Nmの高いトルクの伝達が必要なスタータモータ等に摩擦プーリ90を用いるには、更に高強度のゴム材料からなるゴム環95が要求される。
国際公開第2006/051094号 国際公開第2014/038554号
しかしながら、上述した構成の摩擦プーリ90のゴム環95として、更に高強度のゴム材料を用いる場合、ゴム材料の粘度が上がるので、加硫成形時のゴム流動性が悪化してしまう。
このため、図8に示すように、図中矢印で示す複数の注入口ijから図示しない金型のキャビティにゴム環95のゴム材料を注入する注入成形の場合、注入口ijと注入口ijとのほぼ中間位置にゴム材料の合流部分となるウェルド(融合不良)96が成形不良として発生してしまう。ゴム環95にウェルド96の成形不良が発生した場合、摩擦プーリ90の使用時、このウェルド96を起点として亀裂が発生し、その後に更に亀裂が進展し、早期にゴム破損を生じる場合がある。
また、注入成形の場合、ゴム流動性の悪いゴム材料をキャビティに流し込んでいるため、非常に大きな成形圧力が必要となる。したがって、大きな成形圧力により基体91が変形した場合、機能的に重要なゴム環95の外周面95aの外径に振れ等が生じて寸法精度にばらつきが生じる場合がある。
このように、従来の摩擦プーリに対しては、成形時に成形不良の発生を抑えることができ、また、強度を向上させて伝達可能なトルクを高めることができる構成が求められていた。
本発明は、上述の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、成形不良の発生を抑制しつつ高いトルクを伝達可能にすることができる摩擦プーリを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る摩擦プーリは、回転可能な回転部材に外周において圧接されて動力を伝達する摩擦プーリであって、外周に内周側に凹む環状の溝である外周溝を有する軸線周りに円盤状の部材である回転輪と、前記回転輪の前記外周溝の少なくとも一部を覆う部材である被覆部とを備え、前記外周溝は、前記軸線方向において互いに対向する一対の前記軸線周りに環状の面である溝側面を有しており、前記溝側面は各々外周側方向に面しており、前記被覆部は、少なくとも前記一対の溝側面の各々の一部において形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る摩擦プーリにおいて、前記回転輪は、前記軸線について円盤状の一対の分割体を有しており、前記一対の分割体は夫々前記一対の溝側面を有しており、前記一対の分割体が前記軸線方向において重ね合わされて前記外周溝が形成される。
本発明の一態様に係る摩擦プーリにおいて、前記一対の分割体は、前記回転輪を前記軸線方向における中間部分において分割する。
本発明の一態様に係る摩擦プーリにおいて、前記被覆部は、前記回転部材に圧接される部分に少なくとも形成されている。
本発明の一態様に係る摩擦プーリにおいて、前記被覆部は樹脂材料から形成されている。
本発明に係る摩擦プーリによれば、成形不良の発生を抑制しつつ高いトルクを伝達可能にすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る摩擦プーリの概略構成を示すための摩擦プーリの側面図である。 図1に示す摩擦プーリの軸線に沿う断面における断面図である。 図2に示す摩擦プーリの外周溝近傍を拡大して示す部分拡大断面図である。 図2に示す摩擦プーリの各構成が分離された状態で示された軸線に沿う断面における摩擦プーリの分解断面図である。 使用状態における図2に示す摩擦プーリの様子を示すための部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る摩擦プーリの概略構成を示すための摩擦プーリの軸線に沿う断面における断面図である。 従来の摩擦プーリの概略構成を示すための軸線に沿った断面における断面図である。 従来の摩擦プーリのウェルドの発生のメカニズムの説明に供する略線的斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る摩擦プーリ1の概略構成を示すための摩擦プーリ1の側面図であり、図2は、図1に示す摩擦プーリ1の軸線xに沿う断面における断面図である。以下、説明の便宜上、軸線xから離れる方向(図2の矢印b参照)を外周側又は外周方向とし、軸線xに近づく方向(図2の矢印a参照)を内周側又は内周方向とする。また、図2において、軸線x方向における左側(図2の矢印c参照)を左側とし、軸線x方向における右側(図2の矢印d参照)を右側とする。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る摩擦プーリ1は、図1に示すように、その外周において、回転部材Rに圧接されて動力を伝達するために用いられる。摩擦プーリ1は、例えば車両の内燃機関において、クランクシャフトに取り付けられた回転部材Rとしてのプーリに直接又はこのプーリに巻き掛けられた回転部材Rとしてのタイミングベルトに後述する外周溝において圧接されてモータの動力をクランクシャフトに伝達し、内燃機関を始動するために用いられる。摩擦プーリ1は、クランクシャフトの動力をウォータポンプ等の補機に伝達するために、または、補機と補機との間の動力の伝達のために用いられてもよい。また、摩擦プーリ1は、回転部材Rに圧接されて動力を伝達可能な位置にある動力伝達状態と、回転部材に圧接されていない動力を伝達しない位置にある非動力伝達状態とに、駆動装置やバネ等の付勢部材を用いて選択移動可能に取り付けられていてもよい。摩擦プーリ1は、車両の内燃機関ではない他の装置においても動力を伝達するために用いることができる。
摩擦プーリ1は、上述のように、回転する回転部材Rに外周において圧接されて動力を伝達するプーリであって、図1,2に示すように、外周に内周側に凹む環状の溝である外周溝20を有する軸線x周りに円盤状の部材である回転輪10と、回転輪10の外周溝20の少なくとも一部を覆う部材である被覆部30とを備えている。外周溝20は、軸線x方向において互いに対向する一対の軸線x周りに環状の面である溝側面21,22を有しており、溝側面21,22は各々、外周側方向に面する面であり、被覆部30は、一対の溝側面21,22の各々の少なくとも一部において形成されている。
具体的には、図2に示すように、回転輪10は、軸線xについて円盤状の一対の分割体11,12を有している。一対の分割体11,12は夫々一対の溝側面21,22を有しており、一対の分割体11,12が軸線x方向において重ね合わされて外周溝20が形成されている。一対の分割体11,12は、例えば、回転輪10を軸線x方向における中央又は略中央の位置である中間部分において(径方向に広がる面において)分割している。
以下、説明の便宜上、図2において右側に示されている分割体11を右分割体11と、左側に示されている分割体12を左分割体12ともいう。また、同様に、図2において右側に示されている溝側面21を右溝側面21と、左側に示されている溝側面22を左溝側面22ともいう。以下、摩擦プーリ1の形状をより具体的に説明する。
図3は、図2に示す摩擦プーリ1の外周溝20近傍を拡大して示す部分拡大断面図であり、図4は、図2に示す摩擦プーリ1の各構成が分離された状態で示された軸線に沿う断面における摩擦プーリ1の分解断面図である。図2〜4に示すように、回転輪10は、軸線xを中心又は略中心とする中空の円盤状の形状を呈している。回転輪10の一部を構成する右分割体11は、軸線xについて環状に外周方向に広がっており、例えば軸線xを中心又は略中心とする中空の円盤状の形状の部材である。また、回転輪10の一部を構成する左分割体12は、軸線xについて環状に外周方向に広がっており、例えば軸線xを中心又は略中心とする中空の円盤状の形状の部材である。右分割体11と左分割体12とは、軸線xに直交する面に対して対称又は略対称の形状となっている。右分割体11と左分割体12とは、このように対称な形状でなくてもよい。
右分割体11は、環状の外周面(外周面11a)を有しており、右分割体11において軸線x方向左側(内側)の側面に、外周面に沿って延びる環状の段部である右内側段部13を有している。また、左分割体12は、同様に、環状の外周面(外周面12a)を有しており、左分割体12において軸線x方向右側(内側)の側面に、外周面に沿って延びる環状の段部である左内側段部14を有している。
回転輪10において、右分割体11と左分割体12とは、各々の内側の側面において対向しており、つまり、右分割体11の左側の側面と左分割体12の右側の側面とが互いに対向しており、回転輪10の外周側の部分において、右内側段部13と左内側段部14とは互いに軸線x方向において対向して外周溝20を形成している。外周溝20の軸線x方向における幅は、圧接される回転部材Rの外周部分の形状に対応しており、図1に示すように、回転部材Rの外周部分が軸線x方向において被覆部30を介して外周溝20に押圧されて、被覆部30に圧接されるような幅となっている。
回転輪10において、右分割体11と左分割体12とは、軸線x方向において不動に、つまり軸線x方向において互いに相対運動不能に固定されている。また、右分割体11と左分割体12とは、軸線xについて互いに相対回動不能に固定されている。
右分割体11は、具体的には、図2〜4に示すように、中空円盤状の形状を有しており、右内側段部13と、外周面11aと、内周面11bと、内側側面11cと、外側側面11dとによって画定されている。外周面11aは、軸線xを中心又は略中心とする円筒面又は略円筒面であり、内周面11bは、同様に軸線xを中心又は略中心とする円筒面又は略円筒面であり、外周面11aよりも内周側において延びている。内側側面11cは、軸線x方向に交差する方向に、例えば軸線xに直交する方向(以下、径方向ともいう。)又は略直交する方向に延びる円盤面又は円環状の平面であり、左側(内側)において、内周面11bと右内側段部13との間に広がっている。外側側面11dは、径方向又は略径方向に、例えば径方向に延びる円盤面又は円環状の平面であり、右側(外側)において、外周面11aと内周面11bとの間に広がっている。外側側面11dは、図2〜4に示すように、内周側の部分が内側(左側)に凹んでいてもよい。この凹みは例えば軸線xを中心又は略中心とする円筒状の凹みである。凹みの形状は他の形状であってもよい。
右内側段部13は、内側側面11cの外周側の部分において、右側(外側)に凹んでおり、内側側面11cの外周側端と外周面11aの内側端(左側端)との間に広がっている。具体的には、図2〜4に示すように、右分割体11の右内側段部13は、環状のテーパ状の面である右溝側面21を有している。右溝側面21は、外周側方向(矢印b方向側)に面している。つまり、右溝側面21は、径方向から外側(右側)に(矢印d方向に)傾斜している環状の面である。例えば、右溝側面21は軸線x方向において左側から右側(内側から外側)に向かうに連れて拡径する円錐面状に形成されている。右溝側面21は、軸線xに沿う断面(以下、単に断面ともいう。)において、曲線の輪郭を描く面であってもよく、例えば、外周溝20の内部側に向かって凸の曲線の輪郭を描く面であってもよく、または、外周溝20の内部側から凹んだ曲線の輪郭を描く面であってもよい。また、右内側段部13は、内側側面11cと右溝側面21との間に延びる環状の面である段差面15を有している。段差面15は、具体的には、軸線xを中心又は略中心とする円筒面又は略円筒面であり、後述するように外周溝20の溝底面23の一部を形成する。
左分割体12は、具体的には、図2〜4に示すように、中空円盤状の形状を有しており、左内側段部14と、外周面12aと、内周面12bと、内側側面12cと、外側側面12dとによって画定されている。外周面12aは、軸線xを中心又は略中心とする円筒面又は略円筒面であり、内周面12bは、同様に軸線xを中心又は略中心とする円筒面又は略円筒面であり、外周面12aよりも内周側において延びている。内側側面12cは、軸線x方向に交差する方向に、例えば径方向に又は略径方向に延びる円盤面又は円環状の平面であり、右側(内側)において、内周面12bと左内側段部14との間に広がっている。外側側面12dは、径方向又は略径方向に、例えば径方向に延びる円盤面又は円環状の平面であり、左側(外側)において、外周面12aと内周面12bとの間に広がっている。外側側面12dは、図2〜4に示すように、内周側の部分が内側(右側)に凹んでいてもよい。この凹みは例えば軸線xを中心又は略中心とする円筒状の凹みである。凹みの形状は他の形状であってもよい。
左内側段部14は、内側側面12cの外周側の部分において、左側(外側)に凹んでおり、内側側面12cの外周側端と外周面12aの内側端(右側端)との間に広がっている。具体的には、図2〜4に示すように、左分割体12の左内側段部14は、環状のテーパ状の面である左溝側面22を有している。左溝側面22は、外周側方向(矢印b方向側)に面している。つまり、左溝側面22は、径方向から外側(左側)に(矢印c方向に)傾斜している環状の面である。例えば、左溝側面22は軸線x方向において右側から左側(内側から外側)に向かうに連れて拡径する円錐面状に形成されている。左溝側面22は、軸線xに沿う断面において、曲線の輪郭を描く面であってもよく、例えば、外周溝20の内部側に向かって凸の曲線の輪郭を描く面であってもよく、または、外周溝20の内部側から凹んだ曲線の輪郭を描く面であってもよい。また、左内側段部14は、内側側面12cと左溝側面22との間に延びる環状の面である段差面16を有している。段差面16は、具体的には、軸線xを中心又は略中心とする円筒面又は略円筒面であり、後述するように外周溝20の溝底面23の一部を形成する。
右分割体11及び左分割体12は、内側側面11c,12cが軸線x方向において互いに重ね合わされて、右内側段部13と左内側段部14とが軸線x方向において互いに対向し、外周溝20が形成されるようになっている。内側側面11c,12cは、径方向に広がる平面であってもよく、また、互いに重ね合わせ可能に対応した曲面状の形状や凹凸を有する形状等の他の形状であってもよい。より具体的には、右分割体11及び左分割体12が重ね合わされた状態にある回転輪10において、右溝側面21と左溝側面22とは軸線x方向において互いに対向するようになっており、また、右内側段部13の段差面15と左内側段部14の段差面16とは、軸線x方向において互いに連続した面を形成して外周溝20の溝底面23を形成するようになっている。また、右分割体11の内周面11bと左分割体12の内周面12bとは、軸線x方向において互いに連続した面を形成して後述する貫通孔19を形成するようになっている。
右分割体11には、内側側面11cと外側側面11dとの間を貫通する孔である貫通孔17が形成されている。貫通孔17は、1つ又は複数形成されており、複数形成されている場合は、軸線xを中心として等角度間隔に形成されている。また、左分割体12には、右分割体11の貫通孔17に対応して、内側側面12cと外側側面12dとの間を貫通する孔である貫通孔18が形成されている。貫通孔18は、貫通孔17に対応して、1つ又は複数形成されており、複数形成されている場合は、軸線xを中心として等角度間隔に形成されている。回転輪10において、各貫通孔17と各貫通孔18とは夫々対応するように形成されており、互いに連通するような位置や大きさに形成されている。また、摩擦プーリ1は、図2に示すように、軸線x方向において互いに重ね合わされた右分割体11と左分割体12とを互いに相対移動不能に固定するための部材である固定部材40を貫通孔17,18に対応して有している。つまり、固定部材40は、互いに連通している貫通孔17,18に通されて、右分割体11と左分割体12と相対移動不能に固定する。固定部材40は、例えば、図2に示すように、ボルト41とナット42である。固定部材40は、ボルト41及びナット42に限らず、他の公知の固定部材であってもよい。例えば、貫通孔17,18のいずれかにネジが形成されており、ボルト41がこのネジに螺合される形態の固定部材40であってもよい。また、ボルト41が、摩擦プーリ1が取り付けられる装置(取付対象)に貫通孔17,18を介して螺合され、摩擦プーリ1が取付対象に固定されると共に、右分割体11と左分割体12とが相対移動不能に固定されるようにする固定部材40であってもよい。また、固定部材40は、貫通孔17,18に係合するものではなくてもよい。この場合、右分割体11と左分割体12とは夫々貫通孔17,18を有していなくてもよい。
被覆部30は、具体的には図2〜4に示すように、外周溝20及び外周面11a,12aを覆うように形成されている。より具体的には、被覆部30は、右被覆部31と左被覆部32とを有しており、右被覆部31が右分割体11において右内側段部13及び外周面11aを覆っており、左被覆部32が左分割体12において左内側段部14及び外周面12aを覆っている。右被覆部31と左被覆部32とは一体に形成されていないが、右分割体11と左分割体12とが重ね合わされた状態において被覆されることにより一体に形成されていてもよい。
右被覆部31の厚さ(W1)と左被覆部32の厚さ(W2)とは、一定の若しくは略一定の値を有しており、右被覆部31は右内側段部13及び外周面11a上を一定の又は略一定の厚さW1で広がっており、左被覆部32は左内側段部14及び外周面12a上を一定の又は略一定の厚さ(W2)で広がっている。右被覆部31の厚さW1と左被覆部32の厚さW2とは同一若しくは略同一となっている。被覆部30は、弾性率の低い又は非弾性の樹脂材料から形成されている。被覆部30の材料は樹脂材料に限らず、弾性率の低い又は非弾性材である他の高強度材料であってもよい。
外周溝20の形状及び被覆部30の厚さは、動力伝達状態において、回転部材Rの外周部分が、外周溝20の右溝側面21と左溝側面22とによって夫々右被覆部31と左被覆部32とを介して挟持されるように設定されている。右被覆部31は、右内側段部13及び外周面11a全体を覆うように形成されていなくてもよい。右被覆部31は、少なくとも右内側段部13の一部に形成されていればよい。同様に、左被覆部32は、左内側段部14及び外周面12a全体を覆うように形成されていなくてもよい。左被覆部32は、少なくとも左内側段部14の一部に形成されていればよい。但し、被覆部30は、動力伝達状態において回転部材Rに圧接される外周溝20の右溝側面21及び左溝側面22の夫々の部分に少なくとも形成されている必要がある。
右分割体11と左分割体12とが重ね合わされて形成された回転輪10は、図2に示すように、内周面11bと内周面12bとが接続されることにより形成される軸線x方向に延びる貫通孔19を有している。この貫通孔19には、図示しないモータの軸やこの軸に取り付けられた部材が圧入されて嵌合され若しくは固定される。摩擦プーリ1の使用方法に応じて、回転輪10の貫通孔19には、摩擦プーリ1が用いられる内燃機関の補機等の装置や構成等の取り付け用の部材等(軸等)が圧入されて嵌合され若しくは固定される。固定はボルトやナット等の図示しない公知の手段によって行われる。摩擦プーリ1がアイドルプーリとして用いられる場合は、回転輪10の貫通孔19に回転軸が挿通され、または、ベアリングが取り付けられる。また、貫通孔19が回転輪10の回転支持のために用いられるのではなく、固定用の孔として用いられる場合は、貫通孔19は、軸線xを中心として形成されていなくてもよく、また、複数設けられていてもよい。貫通孔19は、摩擦プーリ1が取り付けられる対象に応じた形状を有している。また、回転輪10は貫通孔19を有していない中実部材であってもよい。
次いで、上述の構成を有する摩擦プーリ1の作用について説明する。図5は、使用状態(動力伝達状態)における摩擦プーリ1の様子を示すための部分拡大断面図である。
図5に示すように、動力伝達状態において、摩擦プーリ1は、回転部材Rの外周部分R1を外周溝20内に収容し、被覆部30が回転部材Rに圧接されて、被覆部30と回転部材Rの外周部分R1との間に発生する摩擦力により、回転部材Rとの間で回転駆動力を伝達する。
より具体的には、図5に示すように、動力伝達状態において、右分割体11と左分割体12とが、右内側段部13及び左内側段部14の間において回転部材Rの外周部分R1の外周溝20内に収容された部分を軸線x方向において挟む。これにより、右分割体11に形成された右被覆部31が、回転部材Rの外周部分R1の外周面R2に押し付けられている。右被覆部31の右溝側面21に沿って延びる環状の表面である右被覆部傾斜表面31aは、所定の幅C1の環状の範囲の一部分において回転部材Rの外周面R2に押し付けられて圧接されている。同様に、左分割体12に形成された左被覆部32が、回転部材Rの外周部分R1の外周面R3に押し付けられている。左被覆部32の左溝側面22に沿って延びる環状の表面である左被覆部傾斜表面32aは、所定の幅C2の環状の範囲の一部分において回転部材Rの外周面R3に押し付けられて圧接されている。幅C1と幅C2とは同一又は略同一である。回転部材Rの外周面R2は、外周部分R1に形成された軸線x方向において一方の側(図5において右側)に面する環状の面であり、回転部材Rの外周面R3は、外周部分R1に形成された軸線x方向において他方の側(図5において左側)に面する環状の面である。回転部材Rの外周面R2,R3は、被覆部30と接触する部分において右被覆部傾斜表面31a及び左被覆部傾斜表面32aに沿って延びる形状が好ましい。
上述のように、動力伝達状態において、右被覆部31は、右被覆部傾斜表面31aの接触部分において回転部材Rの外周面R2に押し付けられており、摩擦プーリ1又は回転部材Rが回転した際に、接触部分において右被覆部31と回転部材Rの外周面R2との間に摩擦力が発生するようになる。同様に、動力伝達状態において、左被覆部32は、左被覆部傾斜表面32aの接触部分において回転部材Rの外周面R3に押し付けられており、摩擦プーリ1又は回転部材Rが回転した際に、接触部分において左被覆部32と回転部材Rの外周面R3との間に摩擦力が発生するようになる。このため、摩擦プーリ1又は回転部材Rが回転駆動された場合に、この回転駆動力が、回転部材Rの外周部分R1と右被覆部31及び左被覆部32との間を介して伝達される。
摩擦プーリ1は、上述のように、回転部材Rを被覆部30によって左右から挟むことによって動力の伝達を可能にするので、被覆部30を弾性を有さない部材若しくは低い弾性を有する部材とすることができる。このため、被覆部30の材料として、樹脂材料等のゴム材料よりも強度が高く、被覆部30の成形不良が発生しにくくすることができる材料を用いることができる。これにより、被覆部30の耐久性を高めることができ、摩擦プーリ1の耐久性を高めることができ、摩擦プーリ1の伝達可能なトルクの大きさを大きくすることができる。
このように、本発明の第1の実施の形態に係る摩擦プーリ1によれば、成形不良の発生を抑制しつつ高いトルクを伝達可能にすることができる。
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る摩擦プーリ2について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る摩擦プーリ2の概略構成を示すための摩擦プーリ2の軸線xに沿う断面における断面図である。以下、上述の本発明の第1の実施の形態に係る摩擦プーリ1と同一の構成又は同様の機能を有する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成について説明する。
摩擦プーリ2は、摩擦プーリ1に対して異なる回転輪50を有している。摩擦プーリ2の回転輪50は、図6に示すように、上述の回転輪10のように分割されておらず、一対の分割体11,12を有しておらず、分割体11,12が一体に結合された形態となっている。また、分割体11,12の固定のための貫通孔17,18及び固定部材40を有していない。
本発明の第2の実施の形態に係る摩擦プーリ2も上述の本発明の第1の実施の形態に係る摩擦プーリ1と同様の効果を奏することができ、成形不良の発生を抑制しつつ高いトルクを伝達可能にすることができる。
回転輪10,50と被覆部30との一体成形に関しては、分割体11,12を有する分割構造を有する回転輪10の方が分割構造を有さない回転輪50よりも好ましい。回転輪10,50と被覆部30を一体成形する場合、分割体11,12の溝側面21,22の夫々に右被覆部31及び左被覆部32を形成する方が、回転輪50の外周溝20に被覆部30を形成するよりも容易であるからである。このように、回転輪と被覆部との一体成形に関しては、摩擦プーリ1に利点がある。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に係る摩擦プーリに限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
また、本発明に係る摩擦プーリの適用対象は、内燃機関に限定されず、他の自動車や産業機械等の本発明に係る摩擦プーリが適用可能な全ての装置や構成を含む。
1,2,90 摩擦プーリ
10,50 回転輪
11 分割体(右分割体)
11a,12a 外周面
11b,12b 内周面
11c,12c 内側側面
11d,12d 外側側面
12 分割体(左分割体)
13 右内側段部
14 左内側段部
15,16 段差面
17,18,19 貫通孔
20 外周溝
21 溝側面(右溝側面)
22 溝側面(左溝側面)
23 溝底面
30 被覆部
31 右被覆部
31a 右被覆部傾斜表面
32 左被覆部
32a 左被覆部傾斜表面
40 固定部材
41 ボルト
42 ナット
91 基体
92 円盤部
93 円筒部
93a,95a 外周面
95 ゴム環
96 ウェルド
C1,C2 幅
ij 注入口
x 軸線
R 回転部材
R1 外周部分
R2,R3 外周面
W1,W2 厚さ

Claims (5)

  1. 回転可能な回転部材に外周において圧接されて動力を伝達する摩擦プーリであって、
    外周に内周側に凹む環状の溝である外周溝を有する軸線周りに円盤状の部材である回転輪と、
    前記回転輪の前記外周溝の少なくとも一部を覆う部材である被覆部とを備え、
    前記外周溝は、前記軸線方向において互いに対向する一対の前記軸線周りに環状の面である溝側面を有しており、
    前記溝側面は各々外周側方向に面しており、
    前記被覆部は、少なくとも前記一対の溝側面の各々の一部において形成されていることを特徴とする摩擦プーリ。
  2. 前記回転輪は、前記軸線について円盤状の一対の分割体を有しており、前記一対の分割体は夫々前記一対の溝側面を有しており、前記一対の分割体が前記軸線方向において重ね合わされて前記外周溝が形成されることを特徴とする請求項1記載の摩擦プーリ。
  3. 前記一対の分割体は、前記回転輪を前記軸線方向における中間部分において分割することを特徴とする請求項2記載の摩擦プーリ。
  4. 前記被覆部は、前記回転部材に圧接される部分に少なくとも形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の摩擦プーリ。
  5. 前記被覆部は樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の摩擦プーリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115464514A (zh) * 2022-10-18 2022-12-13 安徽金寨将军磁业有限公司 一种永磁铁氧体磁瓦磨床组合式送进轮

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