JP2022015855A - トーショナルダンパ、及びその製造方法 - Google Patents

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翔一 大山
Shoichi Oyama
彰郎 加藤
Akiro Kato
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Abstract

【課題】圧縮挟持後の弾性部材の平面形状を真円に維持するとともに、トーショナルダンパの部品点数低減及び組立性向上を図ることにより、トーショナルダンパの品質の均一化、性能、耐久性の向上、及び製造コスト削減を実現するトーショナルダンパ、及びその製造方法を提供する。【解決手段】トーショナルダンパ1は、ハブプレート2と、一対の環状をなす慣性マス部材3A、3Bと、ハブプレート2の両面2c、2dと一対の慣性マス部材3A、3Bとの間にそれぞれ位置付けられるとともに環状をなす一対の弾性部4A、4Bを有する1つの弾性部材4と、一対の慣性マス部材3A、3Bの双方の外周部3a、3bを軸方向に互いに拘束することにより、一対の弾性部4A、4Bをそれぞれハブプレート2の両面と対向する慣性マス部材3A、3Bとの間で圧縮して挟持する接合部5と、弾性部材4をハブプレート2に一体成形によって固着して形成されるハブ成形体9とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、トーショナルダンパ、及びその製造方法に関し、特に、自動車、トラック、バス、建設機械、産業機械などの内燃機関に用いるトーショナルダンパ、及びその製造方法に関する。
特許文献1には、ハブプレートの両面と一対の慣性マス部材との間に、それぞれ一対の弾性部材が圧縮して挟持されたトーショナルダンパが開示されている。このトーショナルダンパは、一対の慣性マス部材を互いに接合した接合部を形成することにより、一対の弾性部材が圧縮されてハブプレートと一対の慣性マス部材とが弾性的に接続される。
一対の弾性部材とハブプレート及び/又は一対の慣性マス部材との間には、固着液からなる固着層が介在される。固着層が形成されるハブプレート及び/又は一対の慣性マス部材の固着面が弾性部材と固着されることにより、トーショナルダンパにトルク変動が入力されたとき、ハブプレート及び慣性マス部材に対する弾性部材の変形によるトルク変動の吸収、減衰がより一層円滑に行われる。なお、固着液を使用しない場合もあり得る。
特開2016-33411号公報
固着液は、トーショナルダンパの製造時に、例えば一対の弾性部材の両面に塗布され、塗布面、換言すると固着面に固着層を形成する。前述した接合部の形成に伴い弾性部材が慣性マス部材により圧縮挟持されたとき、弾性部材は、慣性マス部材による押圧力と固着液の固着前の液体状態による潤滑とにより、径方向に滑って移動することがある。固着液の量が周囲に比べて多い領域では潤滑性が高くなるため、当該領域においては弾性部材の径方向移動が部分的に大きくなり得る。
弾性部材の径方向移動が不均一になると、弾性部材は、平面形状が正規の環形状、具体的には回転軸を中心とした真円にならずに径方向に部分的にずれた状態で圧縮挟持される。このような弾性部材のずれは、トーショナルダンパの固有振動数にばらつきや回転のアンバランスを生じさせ、トーショナルダンパの品質を均一に維持できなくなるおそれがある。また、トーショナルダンパの性能及び耐久性の低下を招くおそれがある。
また、従来においては、トーショナルダンパの構成部材として2つの弾性部材を要する。このため、個々の弾性部材の平面形状がそれぞれ真円からずれる可能性がある。また、2つの弾性部材を要することにより、トーショナルダンパの部品点数低減及び組立性向上の実現が阻まれていた。
従って、圧縮挟持後の弾性部材の平面形状を真円に維持するとともに、トーショナルダンパの部品点数低減及び組立性向上を図ることにより、トーショナルダンパの品質の均一化、性能、耐久性の向上、及び製造コスト削減が求められている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮挟持後の弾性部材の平面形状を真円に維持するとともに、トーショナルダンパの部品点数低減及び組立性向上を図ることにより、トーショナルダンパの品質の均一化、性能、耐久性の向上、及び製造コスト削減を実現するトーショナルダンパ、及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のトーショナルダンパは、回転軸を同芯で取り付け可能なハブプレートと、ハブプレートの径方向に延在する両面の外周部にそれぞれ配置される一対の環状をなす慣性マス部材と、ハブプレートの両面と一対の慣性マス部材との間にそれぞれ位置付けられるとともに環状をなす一対の弾性部を有する1つの弾性部材と、一対の慣性マス部材の双方の外周部を回転軸の軸方向に互いに拘束することにより、一対の弾性部をそれぞれハブプレートの両面と対向する慣性マス部材との間で圧縮して挟持する接合部と、弾性部材をハブプレートに一体成形によって固着して形成されるハブ成形体とを備える。
また、本発明のトーショナルダンパの製造方法は、回転軸を同芯で取り付け可能なハブプレートと、ハブプレートの径方向に延在する両面の外周部にそれぞれ配置される一対の環状をなす慣性マス部材と、ハブプレートの両面と一対の慣性マス部材との間にそれぞれ位置付けられるとともに環状をなす一対の弾性部を有する1つの弾性部材と、一対の慣性マス部材の双方の外周部を回転軸の軸方向に互いに拘束することにより、一対の弾性部をそれぞれハブプレートの両面と対向する慣性マス部材との間で圧縮して挟持する接合部とを備えたトーショナルダンパの製造方法であって、弾性部材をハブプレートに一体成形によって固着してハブ成形体を形成する一体成形工程と、一対の慣性マス部材のうちの一方をその内周孔にて治具に固定して載置する第1固定工程と、治具にハブプレートの軸孔を挿通することによりハブ成形体を治具に固定し、第1固定工程で固定した慣性マス部材にハブ成形体を載置する第2固定工程と、第2固定工程で固定したハブ成形体に一対の慣性マス部材のうちの他方を載置する第3固定工程と、一対の慣性マス部材の双方の外周部を回転軸の軸方向に互いに拘束して接合部を形成する接合工程とを含む。
本発明のトーショナルダンパ、及びその製造方法によれば、圧縮挟持後の弾性部材の平面形状を真円に維持するとともに、トーショナルダンパの部品点数低減及び組立性向上を図ることにより、トーショナルダンパの品質の均一化、性能、耐久性の向上、及び製造コスト削減を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパの平面図である。 図1のトーショナルダンパの一部を縦断面とした斜視図である。 図2のトーショナルダンパの接合部を拡大した縦断面図である。 図2のハブ成形体の平面図である。 図4のハブ成形体の縦断面図である。 従来のトーショナルダンパを分解したときのハブプレート及び弾性部材の平面図である。 (a)~(f):従来のトーショナルダンパの製造工程の一部を概略的に示す図である。 (a)~(b):図2のトーショナルダンパの製造工程の一部を概略的に示す図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパの平面図を示す。このトーショナルダンパ(以下、省略してダンパと称することがある)1は、ハブプレート2、慣性マス部材3、弾性部材4を備えている。
ハブプレート2は、金属製であって鋳造、鍛造、板金等により円板状に形成されている。ハブプレート2の径方向中央には、エンジンのクランクシャフトやカムシャフトなどの図示しない回転軸を挿通可能な軸孔2aが形成されている。軸孔2aの周囲には複数のボルト孔2bが形成されており、これらのボルト孔2bに図示しないボルトを挿通して図示しないボスをハブプレート2にボルト締結して取り付けることができる。これにより、回転軸がボスを介してハブプレート2ひいてはダンパ1と回転中心を一致させ、同芯で一体に回転可能に取り付けられる。
なお、回転軸をハブプレート2の回転中心にボルト1本で取り付ける場合もあり得る。また、回転軸の端部がフランジ状に形成されている場合には、ボスがなくともハブプレート2に回転軸を直接にボルト締結可能である。また、以降の説明においては、回転軸の軸方向、すなわちハブプレート2の軸孔2aにおける回転軸の貫通方向を「軸方向」とし、回転軸に垂直な放射方向、すなわちハブプレート2の両面2c、2dが延在する径方向を「径方向」とし、回転軸の正負の回転方向、すなわちハブプレート2の周方向を「周方向」とする。
図2は、図1のトーショナルダンパの一部を縦断面とした斜視図を示す。慣性マス部材3は、金属製であって鋳造、鍛造、板金等により環状に形成され、一対の慣性マス部材3A、3B(以下、慣性マス部材3と総称することがある)から構成されている。一対の慣性マス部材3A、3Bは、ハブプレート2の径方向に延在する両面2c、2dの外周部にそれぞれ配置され、回転軸に対して少なくとも周方向に揺動自在であり、好ましくはさらに回転軸に対して径方向(図1及び図2で見て上下方向を含む)に揺動自在である。
弾性部材4は、いわゆるダンパゴムの機能を有するゴムリングであって、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)等のゴム材料や樹脂エラストマーにより形成されており、環状をなす一対の弾性部4A、4Bを備えている。一対の弾性部4A、4Bは、ハブプレート2の両面2c、2dと一対の慣性マス部材3A、3Bとの間にそれぞれ位置付けられる。
一対の弾性部4A、4Bと一対の慣性マス部材3A、3Bとの間には、それぞれ固着液が介在される。固着液によって、弾性部4A、4Bが一対の慣性マス部材3A、3Bに後接着される。より具体的には、一対の弾性部4A、4Bを一対の慣性マス部材3A、3Bに圧縮して接触させた状態で固着させることができるポストボンド法が用いられる。固着液は、公知の接着剤や加硫接着剤を使用可能である。ポストボンド法に適用できるとともに、天然ゴム、NBR、EPDMなどの防振ゴムに用いられる固着液としては、シランカップリング剤が好ましい。
また、ダンパ1には、一対の慣性マス部材3A、3Bの双方の外周部3a、3bを軸方向に互いに拘束して接合する接合部5が形成されている。接合部5は、ダンパ1の環状をなす外縁として形成され、一対の弾性部4A、4Bをそれぞれ圧縮してハブプレート2の両面2c、2dとの間で挟持する。接合部5を形成することにより、一対の弾性部4A、4Bが圧縮されてハブプレート2と一対の慣性マス部材3A、3Bとが弾性的に接続される。
図3は、接合部5を拡大した縦断面図を示す。接合部5は、例えば、嵌合部6、加締め部7、及び突当部8から構成されている。嵌合部6は、一対の慣性マス部材3A、3Bの双方の外周部3a、3bをそれぞれ軸方向に向けて屈曲させて互いに嵌合することにより形成される。加締め部7は、一対の慣性マス部材3A、3Bの外周部3a、3bのうちの径方向の外側に位置する慣性マス部材3Aの外周部3aを軸方向に向けて屈曲させた後、この外周部3aを径方向の中央側に折り返して加締めることにより形成される。
突当部8は、一対の慣性マス部材3A、3Bの外周部3a、3bのうちの径方向の内側に位置する慣性マス部材3Bの外周部3bを嵌合部6から延在した部位として形成され、対向する慣性マス部材3Aに突き当てられる。これにより、一対の慣性マス部材3A、3Bの軸方向における離間距離を規定して一対の慣性マス部材3A、3Bを位置決め可能である。嵌合部6、加締め部7、及び突当部8は、何れもダンパ1の周方向に環状をなす部位である。
なお、接合部5は、一対の慣性マス部材3A、3Bが軸方向に互いに拘束され、一対の弾性部4A、4Bを圧縮して挟持可能であれば、突当部8、或いは、加締め部7及び突当部8を備えていなくとも良く、嵌合部6のみであっても良い。また、接合部5は、嵌合部6とは異なる接合手段により形成しても良い。
このように構成されるダンパ1は、回転軸に装着されるハブプレート2と慣性マス部材3を弾性部材4で弾性接続する。このため、弾性部材4の粘弾性により、回転軸に発生する種々の振動(ねじれ振動や上下振動)を吸収、減衰する。
ここで、本実施形態のダンパ1は、図2及び図3に示すように、一対の弾性部4A、4Bを有する1つの弾性部材4がハブプレート2に一体成形によって固着され、弾性部材4とハブプレート2とが一体となったハブ成形体9を備えている。ハブ成形体9は、弾性部材4を例えば加硫成形によりハブプレート2に一体成形することにより、一対の弾性部4A、4Bがそれぞれハブプレート2の両面2c、2dに加硫接着により固着されている。また、このような一体成形によって、弾性部材4には一対の弾性部4A、4Bを互いに軸方向にて結合する結合部4Cが形成される。
図4はハブ成形体9の平面図を示し、図5はハブ成形体9の縦断面図を示す。ハブプレート2には貫通孔10が形成されている。貫通孔10は、ハブプレート2の周方向に沿って複数形成されている。弾性部材4の原料となるゴム材料を加硫成形によりハブプレート2に一体成形する際、ゴム材料が貫通孔10に流入して硬化する。これにより、各貫通孔10に結合部4Cがそれぞれ位置付けられ、一対の弾性部4A、4Bが複数の貫通孔10においてそれぞれ結合部4Cで結合して一体化した弾性部材4、ひいてはハブプレート2及び弾性部材4が一体化したハブ成形体9が形成される。
図6は、従来のトーショナルダンパ1を分解したときのハブプレート2及び弾性部材4の平面図を示す。従来の弾性部材4は、環状をなす一対の弾性部材4A、4Bから構成されている。一対の弾性部材4A、4Bは、ハブプレート2の両面2c、2dと一対の慣性マス部材3A、3Bとの間にそれぞれ別個の部材として配置される。図6は、接合部5の形成に伴い弾性部材4Bが慣性マス部材3Bとハブプレート2とにより圧縮挟持された後を示しており、以下、従来のダンパ1の問題点について説明する。
一対の弾性部材4A、4Bとハブプレート2との間、及び一対の弾性部材4A、4Bと対向する一対の慣性マス部材3A、3Bとの間には、それぞれ固着液からなる図示しない固着層が介在されている。固着層は、ダンパ1の製造時に一対の弾性部材4A、4Bの両面に固着液を塗布したり、或いは、ハブプレート2の両面2c、2dと一対の弾性部材4A、4Bに対する一対の慣性マス部材3A、3Bの対向面に固着液を塗布したりすることにより形成される。
ここで、固着層における固着液の分布が不均一となり、塗布された固着液の量が周囲に比べて多い領域が存在することがある。接合部5の形成に伴い弾性部材4A、4Bが慣性マス部材3A、3Bにより圧縮挟持されたとき、当該領域は、その周囲に比べて塗布された固着液の量が多いため、弾性部材4A、4Bの摩擦抵抗が小さくなる。
一対の弾性部材4A、4Bは、圧縮挟持によって、慣性マス部材3A、3Bによる押圧力と固着液の潤滑性とにより、径方向に滑って若干移動することがある。前述した摩擦抵抗が小さくなる領域では、図6に矢印で示すように、弾性部材4Bの径方向移動が部分的に大きくなる箇所が存在する。図示しないが、弾性部材4Aについても同様である。
すなわち、従来のダンパ1においては、一対の弾性部材4A、4Bは、平面形状が正規の環形状にならずに、換言すると、回転軸を中心とした真円にならずに、径方向に部分的にずれた状態で圧縮挟持される。このような一対の弾性部材4A、4Bのずれは、ダンパ1の固有振動数のばらつきや回転のアンバランスを生じさせ、ダンパ1の品質を均一に維持することができなくなり、また、ダンパ1の性能や耐久性の低下を招くおそれがある。
これに対し本実施形態の場合には、図4及び図5に示したように、弾性部4A、4Bが複数の貫通孔10においてそれぞれ結合部4Cで結合して一体化した弾性部材4、ひいてはハブプレート2及び弾性部材4が一体化したハブ成形体9が形成される。一対の弾性部4A、4Bはそれぞれハブプレート2の両面2c、2dに形成される。また、結合部4Cは、圧縮挟持された際の弾性部4A、4Bの径方向移動を規制する。
圧縮挟持された際に弾性部4A、4Bの径方向移動が若干生じたとしても、その移動は周方向において均等に行われ、径方向移動が部分的に大きくなる箇所は存在せず、弾性部4A、4Bは平面で見て真円形状となる。すなわち、本実施形態のダンパ1において、結合部4Cは、一対の弾性部4A、4Bの径方向における部分的なずれを抑制する規制部として機能し、この結果、一対の弾性部4A、4Bは、径方向に部分的なずれが生じない真円の平面形状で圧縮挟持される。
図7(a)~(f)は、従来のトーショナルダンパ1の製造工程の一部を概略的に示す。従来のトーショナルダンパ1の製造においては、第1治具11と第2治具12とを用意する。第1治具11は、その径方向中央部に形成された凸部11aと、径方向外周部に環状に形成された段差部11bとを有する。第2治具12は、凸部11aに挿通可能な挿通孔12aを有する。
先ず、図7(a)に示すように、第1治具11の段差部11bに慣性マス部材3Aの内周孔3cを嵌め込み、第1治具11に慣性マス部材3Aを載置して固定する。次に、第1治具11の凸部11aに第2治具12の挿通孔12aを挿通し、第2治具12を慣性マス部材3Aに載置する。次に、第2治具12の外周面12bに弾性部材4Aの内周孔4aを嵌め込み、弾性部材4Aを第2治具12に固定しつつ慣性マス部材3Aに載置する。これにより、弾性部材4Aの芯出しが行われ、慣性マス部材3Aに対して弾性部材4Aが同芯配置される。
次に、図7(b)に示すように、第2治具12を退避させる。次に、図7(c)に示すように、第1治具11の凸部11aにハブプレート2の軸孔2aを挿通し、ハブプレート2を弾性部材4Aに載置して固定する。これにより、ハブプレート2の芯出しが行われ、弾性部材4A、ひいては慣性マス部材3Aに対してハブプレート2が同芯配置される。
次に、図7(d)に示すように、第1治具11の凸部11aに第2治具12の挿通孔12aを挿通し、第2治具12をハブプレート2に載置して固定する。次に、第2治具12の外周面12bに弾性部材4Bの内周孔4bを嵌め込み、弾性部材4Bをハブプレート2に載置して固定する。これにより、弾性部材4Bの芯出しが行われ、弾性部材4A、慣性マス部材3A、ひいてはハブプレート2に対して弾性部材4Bが同芯配置される。
次に、図7(e)に示すように、第2治具12を退避させる。次に、図7(f)に示すように、弾性部材4Bに慣性マス部材3Aを載置する。そして、突当部8を慣性マス部材3Aに突き当てつつ、一対の慣性マス部材3A、3Bの双方の外周部3a、3bを互いに嵌合させて嵌合部6を形成する。さらに、外周部3aを径方向の中央側に折り返して加締め部7を形成する。これにより、一対の慣性マス部材3A、3Bの双方の外周部3a、3bが軸方向に互いに拘束されて接合部5が形成され、従来のダンパ1の製造が完了する。
一方、図8(a)~(b)は、本実施形態のトーショナルダンパ1の製造工程の一部を概略的に示す。先ず、ハブプレート2をセットした図示しない金型に弾性部材4のゴム材料を流し込み、ハブプレート2に加硫成形などの一体成形によって弾性部材4を固着することにより図5に示すハブ成形体9を予め形成する(一体成形工程)。そして、以降に説明する本実施形態のダンパ1の製造に係る組立工程においては第1治具11のみを使用する。
図8(a)に示すように、第1治具11の段差部11bに慣性マス部材3Aの内周孔3cを嵌め込み、第1治具11に慣性マス部材3Aを載置して固定する。すなわち、一対の慣性マス部材3A、3Bのうちの一方である慣性マス部材3Aをその内周孔3cにて第1治具(治具)11に固定して載置する(第1固定工程)。
次に、第1治具11の凸部11aにハブプレート2の軸孔2aを挿通することによりハブ成形体9を第1治具11に固定し、第1固定工程で固定した慣性マス部材3Aにハブ成形体9を載置する(第2固定工程)。これにより、ハブ成形体9の芯出しが行われ、慣性マス部材3Aに対してハブ成形体9が同芯配置される。
次に、図8(b)に示すように、第2固定工程で固定したハブ成形体9に一対の慣性マス部材3A、3Bのうちの他方である慣性マス部材3Bを載置する(第3固定工程)。そして、突当部8を慣性マス部材3Aに突き当てつつ、一対の慣性マス部材3A、3Bの双方の外周部3a、3bを互いに嵌合させて嵌合部6を形成する。さらに、外周部3aを径方向の中央側に折り返して加締め部7を形成する。これにより、一対の慣性マス部材3A、3Bの双方の外周部3a、3bが軸方向に互いに拘束されて接合部5が形成され(接合工程)、本実施形態のダンパ1の製造が完了する。
以上のように、本実施形態のダンパ1によれば、1つの弾性部材4をハブプレート2に一体成形によって固着してハブ成形体9を形成する。これにより、接合部5の形成に伴い弾性部材4が慣性マス部材3A、3Bにより圧縮挟持されるときにおいては、弾性部材4の弾性部4A、4Bはハブプレート2の両面2c、2dに加硫接着などにより既に固着されている。従って、ハブ形成体9においては、従来のように固着前の固着液の潤滑によって弾性部4A、4Bが径方向に滑って移動することが抑制される。
また、ハブ形成体9においては、従来のように固着液の分布の不均一によって弾性部4A、4Bの径方向移動が不均一になることはない。従って、圧縮挟持後の弾性部4A、4Bの平面形状を真円に維持することができるため、ダンパ1の品質の均一化と、ダンパ1の性能及び耐久性の向上とを実現することができる。
また、従来においては、ダンパ1の構成部材として2つの弾性部材4A、4Bを要する。このため、個々の弾性部材4A、4Bの平面形状がそれぞれ真円からずれる可能性がある。しかし、本実施形態では、1つの弾性部材4とハブプレート2とを一体成形により固着ししているため、弾性部4A、4Bの双方の平面形状を真円に維持することが従来に比して容易である。
また、従来のように2つの弾性部材4A、4Bではなく1つの弾性部材4で済むため、ダンパ1の部品点数低減、組立性向上、ひいては製造コスト削減を実現することができる。より具体的には、図8(a)~(b)を示して説明したように、本実施形態のダンパ1の製造においては、一体成形工程と、第1治具11を用いた第1~第3固定工程と、接合工程とにより簡素化された組立工程を実現している。
すなわち、弾性部材4は従来のダンパ1のように2つの弾性部材4A、4Bから構成されないため、図7(a)~(f)に示した従来の工程のように、各弾性部材4A、4Bをそれぞれ個別に載置してそれぞれ芯出しするために第2治具12を用いる必要はなく、芯出し作業は従来の3回から1回に低減される。また、各弾性部材4A、4Bの芯出し後に第2治具12を退避させる工程も不要となる。
また、弾性部材4が結合部4Cを含むことにより、ハブ成形体9において各弾性部4A、4Bを連結することができる。これにより、圧縮挟持後の弾性部4A、4Bの径方向移動が結合部4Cによりさらに抑制され、弾性部4A、4Bの平面形状をより一層確実に真円に維持することができる。従って、ダンパ1の品質の均一化と、ダンパ1の性能及び耐久性の向上とをより一層確実に実現することができる。
また、ハブプレート2に結合部4Cが位置付けられる貫通孔10を形成したことにより、結合部4C自体の径方向移動を貫通孔10において規制することができる。さらに、ハブ成形体9において弾性部材4とハブプレート2とをより一層強固に一体化することができる。これにより、弾性部4A、4Bの平面形状をより一層確実に真円に維持することができる。従って、ダンパ1の品質の均一化と、ダンパ1の性能及び耐久性の向上とをより一層確実に実現することができる。
また、貫通孔10はハブプレート2の周方向に沿って複数形成され、結合部4Cは複数の貫通孔10にそれぞれ位置付けられる。これにより、圧縮挟持後の弾性部4A、4Bの径方向移動が複数の結合部4Cによりさらに抑制され、弾性部4A、4Bの平面形状をより一層確実に真円に維持することができる。また、圧縮挟持後の弾性部4A、4Bの径方向移動が若干生じたとしても、周方向に沿った複数の結合部4Cによって弾性部4A、4Bの径方向移動が不均一になることはない。従って、ダンパ1の品質の均一化と、ダンパ1の性能及び耐久性の向上とをより一層確実に実現することができる。
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、弾性部4A、4Bの平面形状を真円に維持可能であれば、貫通孔10及び結合部4Cは1つであっても良く、これらの数は特に限定されない。また、貫通孔10の孔形状及び結合部4Cの断面形状は円形に限らない。例えば、1つ或いは2つの長孔形状の貫通孔10を設け、この貫通孔10に合致する形状の結合部4Cを形成しても良い。
1 トーショナルダンパ
2 ハブプレート
2a 軸孔
2b ボルト孔
2c、2d 両面
3、3A、3B 慣性マス部材
3a、3b 一対の慣性マス部材の外周部
3c 慣性マス部材3Aの内周孔
4 弾性部材
4A、4B 弾性部
4C 結合部
5 接合部
6 嵌合部
7 加締め部
8 突当部
9 ハブ成形体
10 貫通孔
11 第1治具(治具)
11a 凸部
11b 段差部
12 第2治具
12a 挿通孔
12b 外周部

Claims (5)

  1. 回転軸を同芯で取り付け可能なハブプレートと、
    前記ハブプレートの径方向に延在する両面の外周部にそれぞれ配置される一対の環状をなす慣性マス部材と、
    前記ハブプレートの両面と一対の前記慣性マス部材との間にそれぞれ位置付けられるとともに環状をなす一対の弾性部を有する1つの弾性部材と、
    一対の前記慣性マス部材の双方の外周部を前記回転軸の軸方向に互いに拘束することにより、一対の前記弾性部をそれぞれ前記ハブプレートの両面と対向する前記慣性マス部材との間で圧縮して挟持する接合部と、
    前記弾性部材を前記ハブプレートに一体成形によって固着して形成されるハブ成形体と
    を備える、トーショナルダンパ。
  2. 前記弾性部材は、前記一体成形によって一対の前記弾性部を互いに前記軸方向にて結合する結合部を含む、請求項1に記載のトーショナルダンパ。
  3. 前記ハブプレートは、前記結合部が位置付けられる貫通孔を有する、請求項2に記載のトーショナルダンパ。
  4. 前記貫通孔は、前記ハブプレートの周方向に沿って複数形成され、
    前記結合部は、複数の前記貫通孔にそれぞれ位置付けられる、請求項3に記載のトーショナルダンパ。
  5. 回転軸を同芯で取り付け可能なハブプレートと、
    前記ハブプレートの径方向に延在する両面の外周部にそれぞれ配置される一対の環状をなす慣性マス部材と、
    前記ハブプレートの両面と一対の前記慣性マス部材との間にそれぞれ位置付けられるとともに環状をなす一対の弾性部を有する弾性部材と、
    一対の前記慣性マス部材の双方の外周部を前記回転軸の軸方向に互いに拘束することにより、一対の前記弾性部をそれぞれ前記ハブプレートの両面と対向する前記慣性マス部材との間で圧縮して挟持する接合部と
    を備えたトーショナルダンパの製造方法であって、
    前記弾性部材を前記ハブプレートに一体成形によって固着してハブ成形体を形成する一体成形工程と、
    一対の前記慣性マス部材のうちの一方をその内周孔にて治具に固定して載置する第1固定工程と、
    前記治具に前記ハブプレートの軸孔を挿通することにより前記ハブ成形体を前記治具に固定し、前記第1固定工程で固定した前記慣性マス部材に前記ハブ成形体を載置する第2固定工程と、
    前記第2固定工程で固定した前記ハブ成形体に一対の前記慣性マス部材のうちの他方を載置する第3固定工程と、
    一対の前記慣性マス部材の双方の前記外周部を前記回転軸の軸方向に互いに拘束して前記接合部を形成する接合工程と
    を含む、トーショナルダンパの製造方法。
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