JP2018062587A - 付着防止用コート剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に対する塗工性と接着強度、耐ブロッキング性に優れ、食品や飲料といった内容物の付着防止性に優れた付着防止用コート剤を提供すること。また、基材に対する接着強度と付着防止性に優れた蓋材を提供すること。
【解決手段】ヒートシール樹脂とワックスと溶剤とを含有し、ワックスの融点が30℃以上70℃以下であり、ヒートシール樹脂とワックスとの合計100質量部に対してワックス1〜40質量部含有することを特徴とする付着防止用コート剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、付着防止用コート剤およびそれを用いた蓋材と容器に関する。更に詳しくは、プリン、ヨーグルト、ゼリー、菓子等の食品や、乳飲料、果実飲料、シロップ等の飲料等の内容物の付着を防止するためのコート剤およびそれを用いた蓋材と容器に関する。
プリン、ヨーグルト、ゼリーなどの食品や、乳飲料やシロップなどの飲料用の蓋材には、基材層の容器側に密着する側にヒートシール層が積層されたものが使用される。蓋材の機能としては、輸送時や陳列時に内容物が蓋に付着しない、または蓋に付着してもすぐに落下するような付着防止性や、蓋材と容器とが剥離しないよう、ヒートシール層と容器間の良好なヒートシール強度が特に求められる。
特許文献1には、ヒートシール剤にワックスを含む内容物付着防止用蓋材が記載されているが、付着防止性は認められるものの、ヒートシール強度に劣るという問題があった。
特許文献2、3には、数μmの粒子を用いて凹凸を作成し、さらに凹凸の上に酸化物粒子を配することで内容物の付着防止性を発現させるという技術が開示されている。しかし、凹凸を有することによるヒートシール強度の低下や、外観への悪影響が避けられないといった問題があった。また、凹凸を作成してから酸化物粒子を配する場合は、製造工程が増加するため、生産性の観点からも望ましくないといった問題があった。
特開2007−15338号公報 特開2011−093315号公報 特開2012−41049号公報
本発明が解決しようとする課題は、基材に対する塗工性と接着強度、耐ブロッキング性に優れ、食品や飲料といった内容物の付着防止性に優れた付着防止用コート剤を提供することである。また、基材に対する接着強度と付着防止性に優れた蓋材を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の実施態様は、ヒートシール樹脂とワックスと溶剤とを含有し、ワックスの融点が30℃以上70℃以下であり、ヒートシール樹脂とワックスとの合計100質量部に対してワックス1〜40質量部含有することを特徴とする付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、ワックスの100℃における溶融粘度が、10mm2/s以下であることを特徴とする上記付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、ワックスが、パラフィンワックスである上記付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、ワックスの融点が、50℃以上65℃以下である上記付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、ヒートシール樹脂とワックスとの合計100質量部に対してワックス10〜25質量部含有する上記付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、ヒートシール樹脂が、ポリエステル樹脂(B)、アクリル樹脂(C)、ポリウレタン樹脂(D)、アルキッド樹脂(E)およびポリオレフィン樹脂(F)からなる群より選ばれる一種以上を含有する上記付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、沸点が90℃以上であり、溶解性パラメーターが7.5〜9.0である溶剤が、付着防止用コート剤100質量部に対して40質量部以上含む上記付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、食品用である上記付着防止用コート剤である。
また、本発明の実施態様は、少なくとも基材と付着防止層とを有する蓋材であって、付着防止層が、上記付着防止用コート剤より形成された蓋材である。
また、本発明の実施態様は、少なくとも基材とアンカーコート剤層と付着防止層とをこの順に積層した蓋材であって、付着防止層が、上記付着防止用コート剤より形成された蓋材である。
また、本発明の実施態様は、上記蓋材を有する容器である。
本発明により、基材に対する塗工性と接着強度、耐ブロッキング性に優れ、食品や飲料といった内容物の付着防止性に優れた付着防止用コート剤を提供できるようになった。また、基材に対する接着強度と付着防止性に優れた蓋材を提供できるようになった。
図1は、基材層2の一方の面に付着防止層4を設けた蓋材1を表す図である。 図2は、基材層2の一方の面にアンカーコート剤層3、付着防止層4を設けた蓋材2を表す図である。 図3は、基材層2の一方の面にアンカーコート剤層3、付着防止層4、もう一方の面にガスバリア層5を設けた蓋材3を表す図である。 図4は、基材層2のもう一方の面にガスバリア層5を設けた側に対し、接着層6を介して紙層7または保護フィルム層8を積層した蓋材4を表す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の付着防止用コート剤は、ヒートシール樹脂とワックスと溶剤とを含有し、ワックスの融点が30℃以上70℃以下であり、ヒートシール樹脂とワックスとの合計100質量部に対してワックス1〜40質量部含有することを特徴とする。
本発明の付着防止用コート剤は、ヒートシール樹脂とワックスとの合計100質量部に対してワックス10〜25質量部含有することが好ましい。10質量部以上を含有することで滑り性を付与することでき、25質量部以下を含有することで、良好なヒートシール強度を得ることができる。
<ヒートシール樹脂>
本明細書でいうヒートシール樹脂とは、常温では固体であり、加熱により溶融する樹脂を指し、ポリエステル樹脂(B)、アクリル樹脂(C)、ポリウレタン樹脂(D)、アルキッド樹脂(E)およびポリオレフィン樹脂(F)からなる群より選ばれる一種以上を含有することが好ましい。
<ポリエステル樹脂(B)>
ポリエステル樹脂(B)は、単量体として多価カルボン酸と多価アルコールより構成される重合体であり、アンカーコート剤層または基材層への強い化学的相互作用による接着強度の向上が期待できるため好ましい。尚、本明細書でいうポリエステル樹脂(B)とは、以下に示すアルキッド樹脂(E)を除くものである。ポリエステル樹脂(B)は、公知のものが採用でき、具体的には、樹脂の凝集力の確保の点から、重量平均分子量が1000〜100000であることが好ましい。また、接着強度の点から、ガラス転移温度が−10℃〜200℃であることが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)を構成する多価カルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、3価以上のカルボン酸等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上を選択し使用できる。一方、ポリエステル樹脂(B)を構成する多価アルコール成分としては、脂肪族グリコール、エーテルグリコール類、3価以上のポリアルコール等が挙げることができ、これらの中から1種、又はそれ以上を選び使用できる。
<アクリル樹脂(C)>
アクリル樹脂(C)は、単量体としてアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを主成分として構成される重合体であり、その他単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、カルボン酸ビニル、オレフィン等を構成単量体として含んでいても良い。アクリル樹脂(C)は、接着強度の向上が期待できるため好ましい。アクリル樹脂は、凝集力が強固であり、常温下での接着強度や接着強度を保持する上で有用である。また、コスト面からも安価であるため採用しやすい。アクリル樹脂(C)は、公知のものが採用できる。溶剤への溶解性及び樹脂の凝集力の点から、重量平均分子量が20000〜300000であることが好ましい。また、接着強度向上の点から、ガラス転移温度が10℃〜200℃であることが好ましい。インキのハンドリング性の点から酸価は0〜100mgKOH/gであることが好ましい。具体的には、アクリル変性ウレタン、アクリル( メタクリル酸) とビニルブチラールのブレンド樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマー等から選ばれる少なくとも1種が使用でき、2種類の樹脂を併用してもよい。ただし、前記のヒートシール樹脂100質量部中、接着強度の点から45〜60質量部含有することが好ましい。
<ポリウレタン樹脂(D)>
ポリウレタン樹脂(D)は、ウレタン結合を有する重合体であり、その多くは、単量体としてポリイソシアネートと多価アルコールより構成される重合体である。ポリウレタン樹脂(D)は、接着強度の向上が期待できるため好ましい。ポリウレタン樹脂(D)は、耐ブロッキング性及び溶解性の点から、重量平均分子量が20000〜100000であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(D)のアミン価は、0.5〜20mgKOH/gであることが好ましい。アミン価が0.5以上であると、ポリオレフィン系フィルムへの接着性が良好となり、20以下であると、イソシアネート系硬化剤を添加した際のインキ安定性が良好となる。ポリウレタン樹脂(D)は、ヒートシール樹脂100質量部中、接着性や耐摩擦性の点から25〜40重量部含有することが好ましい。
ポリウレタン樹脂(D)は、多価アルコールとポリイソシアネートを反応させ、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーに鎖延長剤、末端停止剤を反応させて得るプレポリマー法、あるいは、多価アルコールとポリイソシアネートと鎖延長剤を一段で反応させて得るワンショット法により製造することが好ましい。
ここで、多価アルコールとしては、上記の多価アルコールの他、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの高分子ポリオールを使用することが好ましく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールの一種以上を使用することがより好ましい。ポリエステルポリオールは、末端および/または側鎖にヒドロキシル基を含有するポリエステルポリオールのことで、グリコールやポリオールらのヒドロキシル基含有化合物と多価カルボン酸、あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られる。本発明においては、ヒドロキシル基を2個含有する化合物と2価のカルボン酸からなるポリエステルジオールが好ましい。
一方、ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネートが好ましい。これらのジイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。この内、溶剤への溶解性、皮膜強度などからイソホロンジイソシアネートであることが好ましい。
<アルキッド樹脂(E)>
アルキッド樹脂(E)は、樹脂が持つ強靭なタックによる基材層への接着の向上のために用いる。本発明における、アルキッド樹脂とは、多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分の反応に加え、脂肪酸成分を加えたものを指す。脂肪酸成分とは、油脂などの構成成分である有機酸を指す。アルキッド樹脂(E)は、樹脂の凝集力向上の点から重量平均分子量が1000〜100000であることが好ましい。また、接着強度向上の点からガラス転移温度が−50℃〜200℃であることが好ましい。ヒートシール樹脂100重量部中、アンカーコート剤層または基材層との接着性の点から10〜30重量部含有することが好ましい。アルキッド樹脂(E)の多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分としては、前述のポリエステル樹脂(B)の多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を同様に使用することができる。
<ポリオレフィン樹脂(F)>
ポリオレフィン樹脂(F)は、単量体としてエチレン、プロピレン、ブチレン、炭素数5〜20のオレフィンから構成された重合体である。また、単量体として、ポリビニルアルコールや酢酸ビニル等のオレフィンと共重合可能な単量体が構成単量体の一部に含まれているものも、ポリオレフィン樹脂(F)に含まれる。重量平均分子量が10000〜300000が好ましく、50000〜150000がより好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレンとポリビニルアルコールとの共重合体(EVA)等を挙げることができる。
上記のポリエステル樹脂(B)、アクリル樹脂(C)、ポリウレタン樹脂(D)、アルキッド樹脂(E)、ポリオレフィン樹脂(F)は、単独重合体(ホモポリマー)でも共重合体(コポリマー)であっても良い。また、これらの樹脂は、重合体の主鎖や側鎖がグラフト化されたグラフトポリマーであっても構わない。
以下に、ヒートシール樹脂が、グラフトポリマーである場合の好ましい態様を示す。
アクリル/ポリエステルグラフトポリマー(A1)またはアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(A2)は、特にアクリル樹脂成分の凝集力が強固であり、常温下での接着強度や熱間での接着強度を保持することができる。また、グラフトされたポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂成分がアンカーコート剤層へ強固に接着することから更なる常温下での接着強度や熱間での接着強度をより向上することができる。アクリル/ポリエステルグラフトポリマー(A1)またはアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(A2)は、具体的には、重量平均分子量が20000〜200000であることが好ましい。前記のヒートシール樹脂100質量部中、接着性の点から5〜20質量部が好ましい。
アクリル/ポリエステルグラフトポリマー(A1)は、一般に、ポリエステルポリマーに対して、アクリルポリマーを生じるモノマーを適当な反応条件下でグラフトさせることにより製造される。このアクリル/ポリエステルグラフトポリマー(A1)は、ポリエステル鎖及びポリ(メタ)アクリレート鎖を有するグラフトポリマーである。
アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(A2)は、一般に、ポリエステルポリマーおよびポリオレフィンポリマーに対して、アクリルポリマーを生じるモノマーを適当な反応条件下でグラフトさせることにより製造される。このアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(A2)は、ポリエステル鎖及びポリオレフィン鎖、ポリ(メタ)アクリレート鎖を有するグラフトポリマーである。
アクリル/ポリエステルグラフトポリマー(A1)またはアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(A2)の例として、イタコン酸を構成単量体とするポリエステルポリマーが挙げられる。このポリエステルポリマーの代表例として、線状又は分枝状の構造を有し、−5〜150mg KOH/g、好ましくは10〜50mgKOH/gのOHV、好ましくは5mgKOH/g以下、より好ましくは2mgKOH/g以下のAV、700〜25000、好ましくは2000〜12000のMnを挙げることができる。
ポリエステルポリマー中のイタコン酸の含有量は、使用されたポリカルボン酸の全体量に対して、0.1モル%〜20モル%、好ましくは1モル%〜10モル%、更に好ましくは2モル%〜8モル%の範囲内である。
<ワックス>
本明細書でいうワックスとは、ある一定の軟化温度幅をもち,熱可塑性である有機物の固体を指す。ワックスの融点は、70℃以下であり、融点が低いと、スリップ性が向上し、塗工後のワックスの塗膜表面への偏在化が促進され、付着防止性の向上が期待できる。より好ましい融点の上限値は65℃以下である。融点65℃以下では、少ない添加量でも付着防止性の向上が期待できる。また、ワックスの融点の下限値は、特に限定されるものではないが、30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。ワックスの融点が30℃以上であることで、高温環境下においても品質変化が起こりにくい。
ワックスの100℃における溶融粘度は10mm2/s以下であることが好ましい。溶融粘度が10mm2/s以下であることで、塗工後の乾燥工程でワックスの塗膜表面への偏在化が生じると考えられ、付着防止性の向上が期待できる。より好ましい溶融粘度は5mm2/s以下である。また、ワックスの溶融粘度の下限は特に限定されるものではないが、0.1mm2/s以上であることが好ましい。
ワックスとしては、例えば、動物ワックス、植物ワックス、鉱物ワックス、石油ワックス、合成炭化水素、変性ワックスなどで代表されるものであり、より具体例を挙げると動物ワックスには密ろうなど、植物ワックスとしてキャンデリアワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなど、鉱物ワックスとしてモンタンワックス、オゾケライトなど、石油ワックスとしてパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなど、合成炭化水素としてフィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックスなど、変性ワックスとしてモンタンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体が挙げられる。これらワックスの内、パラフィンワックスであることが好ましい。
ワックスの含有量は、ヒートシール樹脂とワックスの固形分100質量部に対してワックスが1〜40質量部であり、この範囲内であると付着防止性とヒートシール強度を両立することが可能となる。より好ましくは5〜30部、さらに好ましくは10〜25の範囲内である。
<溶剤>
溶剤としては、溶解性パラメーター(sp値)が7.5〜9.0であることが好ましい。sp値が9.0以下であることによりワックスの溶解性や分散性が良化し、均一な塗膜を得ることができる。また、sp値が7.5以上であることで、ヒートシール樹脂との相溶性が良好となり、均一な塗膜が得られる。本明細書におけるsp値は、Fedоrsの推算法(R.F.Fedors:Polym. Eng. Sci.,14[2],147−154(1974)より求められる値である。
溶剤の沸点は、90℃以上130℃以下であることが好ましい。沸点が90℃以上であることで、塗工後の乾燥工程で乾燥するまでの時間を長くすることができ、塗膜表面へのワックスの偏在化を促進すると考えられ、付着防止性の更なる向上が期待できる。また、沸点が130℃以下であることで、塗工後の塗膜の乾燥に要する時間が過大になることがなく、生産性の観点から好ましい。具体的には、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン系溶剤、n−オクタンなどの炭化水素系溶剤、水などの公知の溶剤を、単独または複数使用できる。
溶剤は、n−オクタン(SP値7.6、沸点125℃)、酢酸n−プロピル(SP値8.7、沸点102℃)、酢酸n−ブチル(SP値8.7、沸点126℃)、ジイソプロピルケトン(SP値8.5、沸点125℃)等が好ましい。溶解性パラメーター(sp値)が7.5〜9.0であり、沸点が90℃〜130℃の溶剤の含有量は付着防止用コート剤100質量部に対して、40質量部以上90質量部以下含有することが好ましい。
<蓋材>
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、熱封緘蓋材1は、基材層2の一方の面に付着防止層4を設けたものである。基材層2としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の合成樹脂フィルムの単体又は複合体が用いられ、コストや成形性、柔軟性、フィルムの強度の点から、その厚みは6〜50μm程度、好ましくは9〜40μmが好ましい。付着防止層4はグラビア印刷方式またはコーター塗工によって塗工するのが好ましい。付着防止用コート剤の塗布量は、接着性や作用性、経済性の点から1.5〜15g/m2が好ましい。また必要に応じて、図2に示すように、熱封緘蓋材2は、基材層2の一方の面にアンカーコート剤層3を積層してもよい。
アンカーコート剤層3には、特に限定されるものではないが、イソシアネート系硬化剤を添加したウレタン樹脂またはウレタン樹脂及び塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂のいずれかから選択される樹脂を積層するのが好ましい。乾燥後樹脂固形分で0.5g/m2〜3.0g/m2程度、基材層2に塗布すればよい。アンカーコート剤層3に利用可能なウレタン樹脂(D)は前述の付着防止層に用いるポリウレタン樹脂(B)を使用することができる。アンカーコート剤層3に利用可能な塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂としては、塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーを共重合して得られる。また、水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、共重合において更にビニルアルコールを用いたり、酢酸ビニルの一部をケン化することができる。水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。本発明においては、様々な溶剤への溶解性を確保する観点から塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂は水酸基を持つことが好ましく、水酸基価は60〜170mgKOH/gが好ましい。
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂に使用される溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、水などの公知の溶剤を、単独または複数使用できる。
アンカーコート剤層3に使用できるアンカーコート剤は、前記ウレタン樹脂またはウレタン樹脂及び塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂のいずれかから選択される樹脂を公知の方法で有機溶剤中に溶解することにより製造することができる。アンカーコート剤に使用される溶剤としては、前記ウレタン樹脂及び前記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂で述べた溶剤を挙げることができる。アンカーコート剤における、印刷時に使用する希釈溶剤は、粘度を調整して印刷効果や印刷物濃度などを制御するために、使用材料の溶解性や乾燥性を考慮し、前述のアンカーコート剤に使用される溶剤より適宜選択できる。
前述のアンカーコート剤は、用途や基材に応じて、様々な樹脂を併用することができる。用いられる樹脂の例としては、アクリル樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、アンカーコート剤の総質量に対して5〜25質量部が好ましい。前述のアンカーコート剤は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、コーター塗工などの既知の印刷方式で印刷することができる。好ましくはグラビア印刷である。
前述のアンカーコート剤は、用途や基材、必要な物性に応じて、イソシアネート硬化剤を併用して使用することができる。用いられるイソシアネート硬化剤の例としては、ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)をあげることができる。また、ポリイソシアネートの変性体がアダクト型、2官能プレポリマー型、ビゥレット型をあげられる。これらの硬化剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができ、前述のアンカーコート剤100質量部中、1〜10質量部が好ましい。10質量部より大きいと、印刷物における乾燥性の低下により耐ブロッキング性の確保が難しい。また、デザイン印刷層が硬化しすぎて付着防止層の熱接着を阻害してしまう。1質量部より小さいと、印刷物における塗膜の硬化が十分に見られないため、良好な接着強度が得られない。
また必要に応じて、図3に示すように、熱封緘蓋材3は、基材層2の一方の面にアンカーコート剤層3、付着防止層4、もう一方の面にガスバリア層5を設けても良い。ガスバリア層5には、金属または金属蒸着層、から選ばれる少なくとも1種類以上を用いることができる。金属蒸着層には、Al、Ag、Ti、Sn、Al23(アルミナ)、SiO2(シリカ)、SnO、TiO2 等を用いることができる。コストや耐透湿性、耐酸素透過性の点から好ましい厚みは300〜1200オングストローム程度である。
基材層2に、あらかじめガスバリア層5を蒸着させた市販の樹脂フィルムを使用することができる。例えばアルミニウム蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、アルミニウム蒸着層は600オングストローム)、シリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、シリカ蒸着層は700オングストローム)、アルミナ蒸着12μmポリエステルフィルム(東洋メタライジング株式会社製、アルミナ蒸着層は1000オングストローム)あるいはシリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(三菱化学興人パックス株式会社製ハイバリア<テックバリア>)等を使用することができる。
また必要に応じて、図4に示すように、熱封緘蓋材4は、基材層2の外面のガスバリア層5側に接着層6を介して紙層7または保護フィルム層8を積層してもよい。
紙層7には、純白ロール紙、クラフト紙、上質紙、模造紙、洋紙、和紙、各種コート紙等が使用できるが、中でも片面コート紙の使用が最も好ましい。紙層7の外面(蓋材の最外面)には、各種印刷や1μm程度のオーバーコート層等が施してあってもよい。もちろん紙層 の両面に印刷等が施してあっても差し支えない。片面コート紙には例えば「リュウオーコートA 」( 名古屋パルプ株式会社製)が使用できる。ヒートシール時の熱伝導やカール防止の点から紙の厚みは30〜150μmが適当で、好ましくは50〜130μm程度である。また、紙層7の厚みが蓋材2全体の厚みの2分の1以上であるのが好ましく、2分の1以上とすることによって、蓋材2のカールを防止し、蓋材2に適度な剛性を与え、枚葉供給時の事故を低減し、さらに開封時にはデッドホールド性( 開封後の保形性) を付与できるなどの利点を有する。
保護フィルム層8としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の合成樹脂フィルムの単体又は複合体が用いられ、コストや成形性、柔軟性、フィルムの強度の点から、その厚みは6〜50μm程度、好ましくは9〜40μmである。
また、任意の層に印刷を施すことができる。この場合、紙層7にはエコカラーFシリーズ(いずれも東洋インキ株式会社製)等が使用でき、保護フィルム層8にはファインスターシリーズ(いずれも東洋インキ株式会社製)等が使用でき印刷層の厚みには特に規定はないが、0.1μm〜5μm程度である。
接着層6は特に限定されるものではないが、ドライラミネート用接着剤を使用したドライラミネート法によって積層するのが好ましい。ドライラミネート用接着剤としては、公知のものが採用でき、例えばポリエステルウレタン系、ポリエステル系等のドライラミネート接着剤を用いるのが好ましく、十分な接着強度の保持や経済性の点から、その塗布量は0.5〜10g/m2程度である。
<容器>
この熱封緘蓋材を用いて熱封緘させる容器としては、カップ型やボトル型、パック型、筒型、チューブ型、トレー型の合成樹脂容器などが挙げられるが、中でも4連ポットパックの合成樹脂製の容器が適しており、例えばポリスチレン、ポリプロピレン、PET等の材質で、これらの容器の開口部にはヒートシール用のフランジ部を有するのが望ましい。なお、各樹脂容器の材質によって、それに適する付着防止層4を適宜使い分けるのが好ましく、特にポリスチレン製の容器に対しては上記記載付着防止層4を用いるのが好ましい。ヒートシールの条件は樹脂の種類や厚みにもよるが、通常140〜240℃ で0.3〜5秒程度である。またこの発明の熱封緘蓋材は、特にリングシール( 蓋材を合成樹脂製容器のフランジ部に、断面凹形または凸形にヒートシールすること) する容器に適しており、凹部または凸部の幅0.3〜3mm、凹部の深さまたは凸部の高さ0.1〜5mmが好ましい。なお、凹部の底面や壁面は完全な直線状でなくとも、緩やかなカーブや傾斜していてもよく、また角部は完全な角でなくとも丸味を帯びていても良い。このようなリングシールを施すことにより、いっそう密封性が改善される。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部は、特に注釈の無い場合、質量部を表す。
<水酸基価(OHV)、酸価(AV)>
JIS K0070に従って求めた。
<アミン価>
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数でJISK0070に準じて以下の方法に従って求めた。
試料を0.5〜2g精秤した(試料固形分:Sg)。精秤した試料にメタノール/メチルエチルケトン=60/40(質量比)の混合溶液50mLを加え溶解させた。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なった。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い、下記(式1)によりアミン価を求めた。
(式1)アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S [mgKOH/g]
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)>
重量平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(東ソー株式会社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
東ソー株式会社製TSKgelG5000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG4000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG3000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG2000HXL
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
<ガラス転移温度(Tg)>
ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定測定)により求めた。なお、測定機は株式会社リガク製 DSC8231を使用し、測定温度範囲−50〜250℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移の開始温度と終了温度の中点をガラス転移温度とした。
(ポリウレタン樹脂(d−1)の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリエステルジオ−ル22.226部、イソホロンジイソシアネート5.434部、酢酸エチル7.5部を仕込み、窒素気流下に120℃で6時間反応させ、酢酸エチル7.5部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.663部を得た。次いで、イソホロンジアミン2.203部、ジn−ブチルアミン0.138部、酢酸エチル20部およびエタノール20部からなる混合溶液に、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.663部を添加して50℃1時間反応させた後、エタノール15部を添加して、固形分30%、重量平均分子量24000、アミン価4mgKOH/gのポリウレタン樹脂(d−1)の溶液を得た。
(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂の調製)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(ソルバインTA5R日信化学(株)製、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=88/1/11(質量比)の共重合体、Mn23000、Tg78℃、OHV166.3mgKOH/g)25部を、酢酸エチル75部に混合溶解させて、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂ワニスを得た。
(アンカーコート剤1)
上記ポリウレタン樹脂(d−1)65部、上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂ワニス15部、酢酸エチル10部、エタノール10部を撹拌混合してアンカーコート剤1を得た。アンカーコート剤1を100部に対して、酢酸エチルとエタノールとの混合溶剤(質量比1:1)50部を希釈溶剤として、デュラネートD101(旭化成株式会社製)5部をポリイソシアネート硬化剤として添加混合し、希釈アンカーコート剤1を得た。
(ヒートシール樹脂(a−1)の合成)
イタコン酸(286g、2.2モル)、イソフタル酸(282g、1.7モル)、テレフタル酸(132g、0.8モル)、モノエチレングリコール(120g、1.9モル)、ネオペンチルグリコール(129g、1.2モル)及び1,6−ヘキサンジオール(211g、1.8モル)からなる混合物を、窒素気流中、水を留去しながら、240℃4時間反応させた。その後150mgのチタンテトラブトキシドを添加し、Mw13400、OHV35mgKOHg、AV1.2mgKOH/gのポリエステル樹脂を得た。次に、反応容器中に、酢酸プロピル55g及び上記ポリエステル樹脂24gを入れ、85℃で完全に溶解させ、引き続きt−ブチル−ペル−2−エチルヘキサノアート0.5gを添加した。この溶液を30分85℃で撹拌しながら、メタクリル酸メチル16g及びメタクリル酸ブチル16gからなる混合物を添加した。反応終了後、酢酸プロピル1.5gで希釈し、ポリエステル樹脂にアクリル樹脂鎖がグラフトされた固形分50%のヒートシール樹脂(a−1)を含む分散体を得た。
(ヒートシール樹脂(a−2)の合成例2)
接続されたサーモスタット、還流冷却器、ブレード撹拌機及び内部温度計を備えた二重ジャケット容器中に、酢酸プロピル35g及び前記ポリエステル12.8gを入れ、上記ヒートシール樹脂(a−1)の合成で使用したポリエステル樹脂を90℃で完全に溶解させ、30分間撹拌し、引き続きt−ブチル−ペル−2−エチルヘキサノアート0.15gを添加した。この溶液を30分90℃で撹拌し、メタクリル酸メチル12g、メタクリル酸ブチル12g及び他のt−ブチル−ペル−2−エチルヘキサノアート0.15gからなる混合物を添加した。全体で150分の反応時間の後に前記ポリマー溶液を冷却し、溶液の濃度低下のために酢酸プロピル2.1gで希釈し、固形分50%のヒートシール樹脂(a−2)を得た。
(ヒートシール樹脂(a−3)の合成例)
撹拌槽中で、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−ゴムを有するポリオレフィンポリマー、Buna EP6170)及び前記ポリエステルポリマー20gを、酢酸プロピル50g、酢酸エチル20g及びイソオクタン10gからなる混合物中に90℃で分散させた。この混合物に、最初にtert−ブチルペルベンゾアート2gを添加し、引き続きn−ブチルメタクリラート18.5g及びメタクリル酸メチル18.5gからなる混合物を90分で添加した。引き続き、120分90℃で重合させた。引き続き、tert−ブチルペルベンゾアート0.5gを後開始のために添加し、更に90℃で90分撹拌した。全体で150分の反応時間の後に前記ポリマー溶液を冷却し、溶液の濃度低下のために酢酸プロピル22.4gで希釈し、固形分50%のヒートシール樹脂(a−3)を得た。
<ポリエステル樹脂(B)>
・バイロン(登録商標)300(東洋紡績社製、Mn23000、Tg7℃、OHV5mgKOH/g、AV<2mgKOH/g)を使用した。
<アクリル樹脂(C)>
・DEGALAN(登録商標)P24(Evonik Industries AG社製、Mw180000、Tg43℃)を使用した。
(アルキッド樹脂(E)の合成例)
反応容器中、大豆油脂肪酸30部、オルソフタル酸無水物15部、ペンタエリスリトール15部、トリメチロールプロパン5部、グリセリン5部、酢酸プロピル25部を仕込み、窒素気流下に300℃で2時間反応させ、酢酸プロピル5部を加え冷却し、固形分7%、重量平均分子量20000、AV6mgKOH1gのアルキッド樹脂(E)を得た。
<付着防止用コート剤の製造>
(付着防止用コート剤1)
[実施例1]
ワックスAを4部、上記ヒートシール樹脂(a−1)を含む分散体をヒートシール樹脂(a−1)の固形分が16部となる量(32部)、酢酸プロピル64部を60℃で撹拌混合し、付着防止用コート剤1を得た。
[実施例1〜47、比較例1〜13]
表2〜6に記載された原料および配合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、付着防止用コート剤2〜47およびコート剤A1〜A13をそれぞれ得た。尚、実施例および比較例で使用したワックスを表1に示す。また、表2〜6の数値は、特に断りのない限り、部を表し、空欄は使用していないことを表す。
<蓋材の製造>
[実施例1]
次の印刷条件の下で、基材であるポリエステルフィルム(東洋坊株式会社、E5100 厚み25μm)に、上記希釈アンカーコート剤1、付着防止用コート剤1を順次印刷を行い、基材、アンカーコート剤層および付着防止層が順次積層された蓋材1を得た。
[実施例20]
以下に示す印刷条件で、基材層であるポリエステルフィルムに付着防止用コート剤19を印刷し、基材と付着防止用コート剤20を積層した実施例20(蓋材20)を得た。
[印刷条件]
印刷機:富士機械工業株式会社製グラビア印刷機
印刷フィルム:ポリエステルフィルム(東洋坊株式会社、E5100 厚み25μm)
圧胴:ゴム硬度80HsのNBR(ニトリルブタジエンゴム)製
ドクター:刃先の厚みが60μmのセラミックメッキドクターブレード(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)
版:東洋プリプレス株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(スタイラス角度130度、アンカーコート剤用:175線/inch、付着防止用コート剤用:100線/inch)
印圧:0.1MPa
ドクター圧:2kg/cm2
印刷速度:60m/分
乾燥温度:F100℃
[実施例2〜19、26〜53]
付着防止用コート剤2〜47を、表7に記載された通りに、実施例1同様の方法で印刷、積層し、実施例2〜19、26〜53(蓋材2〜18、25〜50)を得た。
[実施例21〜25]
付着防止用コート剤10、21〜24を、表7に記載された通りに、実施例1同様の方法で印刷、積層し、実施例21〜25(蓋材21〜25)を得た。
[比較例1〜13]
コート剤A1〜A13を、表7に記載された通りに、実施例1同様の方法で印刷、積層し、比較例1〜13(蓋材A1〜A13)を得た。
評価は、以下に示す接着強度、ヨーグルト落下率、塗工性、ブロッキングの4種類について行った。評価結果を表7に挙げる。
<接着強度>
上記蓋材をそれぞれ15mm×60mmの短冊状に切り取り、15mm×30mmの短冊状のポリスチレン製のシート(共栄樹脂株式会社、キョーエイPSシート)に、蓋材の付着防止層の面が接するように貼り合わせた後、単動式ヒートシーラーにより、以下の条件で熱接着し、熱接着部分の強度をオートグラフ(島津製作所株式会社製)によって、25℃の条件下、剥離角度180度、剥離速度300mm/分で測定した。接着強度4N/25mm2以上が実用範囲内であり、接着強度が高いものほど良好である。
熱接着条件 熱接着温度:180℃
熱接着条件 :1.0秒
熱接着圧力 :2kg/cm2
<ヨーグルト落下率>
上記蓋材をそれぞれ20mm×50mmの短冊状に切り取り、25mm×75mmのスライドガラスに蓋材の基材面を貼り付けた。水平に保った状態で蓋材の付着防止層の面にヨーグルト(DANONE社製、ダノンビオ・プレーン砂糖不使用)1gを15mm×30mmの面積に平滑になるように塗工した。塗工してから30秒後に、水平面の上下を反転させて逆さの状態に保ち、10分後に落下したヨーグルトの質量を測定し、下記式により落下率を求めた。落下率40%以上が実用範囲内であり、落下率の数値が高いものほど良好である。
落下率(%)=落下したヨーグルトの質量/乗せた塗工したヨーグルトの質量×100
<塗工性>
各蓋材の塗工面(付着防止層の面)の状態を目視で観察し、下記5段階に基づいて評価した。
5:スジや斑点が確認されなかった。(極めて良好)
4:一部に微細なスジや斑点が確認された。(良好)
3:一部に大きなスジや斑点が確認された。(やや良好)
2:全体に微細なスジや斑点が確認された。(実用範囲内)
1:全体に大きなスジや斑点が確認された。(不良)
<ブロッキング>
[耐ブロッキング性]
上記蓋材を4cm×4cmの大きさに切り、同じ大きさに切った無地のPETフィルム(エステルフィルムE5100、厚さ25μm、東洋紡社製)と重ねあわせた。0.5kg/cm2の荷重を掛け、40℃80%RHの雰囲気で15時間放置後、印刷面とPETフィルムを引きはがし、印刷皮膜の取られ具合を目視により、下記5段階に基づいて評価した。
5:剥離した際に剥離抵抗が全くない(極めて良好)
4:微かな剥離抵抗がある(良好)
3:剥離抵抗はあるが、印刷面に剥離した痕が確認されなかった。(実用範囲内)
2:印刷面に剥離した痕が確認された。(不良)
1:印刷面とPETフィルム面が剥がせない。(極めて不良)
2.基材層
3.アンカーコート剤層
4.付着防止層
5.ガスバリア層
6.接着層
7.紙層
8.保護フィルム層

Claims (11)

  1. ヒートシール樹脂とワックスと溶剤とを含有し、ワックスの融点が30℃以上70℃以下であり、ヒートシール樹脂とワックスとの合計100質量部に対してワックス1〜40質量部含有することを特徴とする付着防止用コート剤。
  2. ワックスの100℃における溶融粘度が、10mm2/s以下であることを特徴とする請求項1記載の付着防止用コート剤。
  3. ワックスが、パラフィンワックスであることを特徴とする請求項1または2記載の付着防止用コート剤。
  4. ワックスの融点が、50℃以上65℃以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の付着防止用コート剤。
  5. ヒートシール樹脂とワックスとの合計100質量部に対してワックス10〜25質量部含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の付着防止用コート剤。
  6. ヒートシール樹脂が、ポリエステル樹脂(B)、アクリル樹脂(C)、ポリウレタン樹脂(D)、アルキッド樹脂(E)およびポリオレフィン樹脂(F)からなる群より選ばれる一種以上を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の付着防止用コート剤。
  7. 沸点が90℃以上であり、溶解性パラメーターが7.5〜9.0である溶剤が、付着防止用コート剤100質量部に対して40質量部以上含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の付着防止用コート剤。
  8. 食品用であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の付着防止用コート剤。
  9. 少なくとも基材と付着防止層とを有する蓋材であって、付着防止層が、請求項1〜8いずれか記載の付着防止用コート剤より形成された蓋材。
  10. 少なくとも基材とアンカーコート剤層と付着防止層とをこの順に積層した蓋材であって、付着防止層が、請求項1〜8いずれか記載の付着防止用コート剤より形成された蓋材。
  11. 請求項9または10記載の蓋材を有する容器。
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