JP2020158146A - ヨーグルト容器用蓋材 - Google Patents

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啓司 麻植
Keiji Asaue
啓司 麻植
浩之 西川
Hiroyuki Nishikawa
浩之 西川
美智子 日比野
Michiko Hibino
美智子 日比野
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Abstract

【課題】耐擦動性に優れるがゆえに優れたヨーグルト付着防止効果を発揮できる蓋材を提供する。【解決手段】ヨーグルトが充填される容器の蓋材であって、(1)前記蓋材は、1)基材層、2)シール層及び3)シール層表面に付着した疎水性酸化物微粒子を順に含み、(2)前記シール層は、(a)融点のピーク温度が130℃以上のポリエチレン系樹脂、(b)融点のピーク温度が60℃以下のエチレン・α−オレフィン共重合体、(c)粘着付与材及び(d)炭酸カルシウム粒子を含む、ことを特徴とするヨーグルト容器用蓋材に係る。【選択図】図2

Description

本発明は、ヨーグルトを収容する容器に用いられる蓋材に関する。
一般にスーパーマーケット、コンビニエンスストア等で販売されているヨーグルト製品は、ヨーグルトを収容するための容器に充填された後、蓋材により密封された形態をとっている。この場合、特に液状タイプのヨーグルトにおいては、輸送時等において、ヨーグルトが蓋材(内面側)に付着するという問題がある。ヨーグルトが蓋材に多量に付着した場合は、外観が悪くなるだけでなく、食品ロスにもつながることになる。
このため、ヨーグルトが付着しにくい蓋材の開発が進められている。例えば、熱可塑性樹脂を含有する層の表面の少なくとも一部に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着している積層体を包装材料として用いることが提案されている(特許文献1)。
特開2011−93315号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、疎水性酸化物微粒子の付着力という点においてさらなる改善の余地がある。この付着力が不十分である場合は、摩擦力等で疎水性酸化物微粒子が経時的に脱落しやすいという問題が生じる。そして、疎水性酸化物微粒子が脱落すると、その部分のヨーグルトの付着防止性能が劣り、ヨーグルトが付着しやすくなる。
従って、本発明の主な目的は、耐擦動性に優れるがゆえにより優れたヨーグルト付着防止効果を発揮できる蓋材を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する積層体を蓋材として用いることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のヨーグルト容器用蓋材に係る。
1. ヨーグルトが充填される容器の蓋材であって、
(1)前記蓋材は、1)基材層、2)シール層及び3)シール層表面に付着した疎水性酸化物微粒子を順に含み、
(2)前記シール層は、(a)融点のピーク温度が130℃以上のポリエチレン系樹脂、(b)融点のピーク温度が60℃以下のエチレン・α−オレフィン共重合体、(c)粘着付与材及び(d)炭酸カルシウム粒子を含む、
ことを特徴とするヨーグルト容器用蓋材。
2. 炭酸カルシウム粒子は、前記(a)〜(c)の合計100重量部に対して30〜60重量部である、前記項1に記載のヨーグルト容器用蓋材。
3. 炭酸カルシウム粒子は、平均粒径D50が1〜5μmである、前記項1又は2に記載のヨーグルト容器用蓋材。
4. シール層は、厚みが10〜30μmである、前記項1〜3のいずれかに記載のヨーグルト容器用蓋材。
本発明によれば、耐擦動性に優れるがゆえにより優れたヨーグルト付着防止効果を発揮できる蓋材を提供することができる。すなわち、本発明では、疎水性酸化物微粒子が蓋材から脱落しにくい構造を有することから、より優れた付着防止性能を得ることができる。
特に、本発明の蓋材は、上記(a)〜(d)の成分を含む特定のシール層の表面に疎水性酸化物微粒子が固着された構造を有するので、疎水性酸化物微粒子が脱落しにくく、ヨーグルトの付着防止効果をより長く持続させることが可能となる。
このように特徴を有する本発明の蓋材は、各種のヨーグルト製品における容器に用いられる蓋材として好適に用いることができる。
本発明のヨーグルト容器用蓋材の層構成例を示す図である。 本発明のヨーグルト容器用蓋材を容器に適用した状態を示す模式図である。
1.ヨーグルト容器用蓋材
本発明のヨーグルト容器用蓋材(本発明蓋材)は、ヨーグルトが充填される容器の蓋材であって、
(1)前記蓋材は、1)基材層、2)シール層及び3)シール層表面に付着した疎水性酸化物微粒子を順に含み、
(2)前記シール層は、(a)融点のピーク温度が130℃以上のポリエチレン系樹脂、(b)融点のピーク温度が60℃以下のエチレン・α−オレフィン共重合体、(c)粘着付与材及び(d)炭酸カルシウム粒子を含む、
ことを特徴とする。
本発明蓋材の基本構成例(層構成例)を図1に示す。図1の基本構成例においては、本発明蓋材10は、基材層11に直に接するようにシール層12が積層されており、基材層11と反対側のシール層12の表面に複数の疎水性酸化物微粒子13がシール層上に固定された状態で固着ないしは堆積している。
そして、図2には、本発明蓋材をヨーグルト容器に蓋材として使用する場合の使用例を示す。ヨーグルト容器21にヨーグルト22が充填された後、本発明蓋材10の疎水性酸化物微粒子13が付着した面が容器21の内面となるように配置し、シール層12と容器開口部のフランジ部21aとが互いにヒートシールにより接合される。
このような構成を採用することによって、容器に充填されたヨーグルトが密閉される。この状態でヨーグルト22が蓋材10に接触しても、シール層12に支持された疎水性酸化物微粒子13(又はその微粒子の凝集体からなる層)によりヨーグルト22の液滴が弾かれる結果、本発明蓋材の内側はヨーグルトが付着せず、清浄な状態が維持される。以下において、本発明蓋材を構成する各層等について説明する。
基材層
基材層は、シール層の下地層となる層であり、特にシール層を支持する役割等を果たすものである。
基材層としては、公知の材料を採用することができる。例えば、紙、合成紙、樹脂フィルム、蒸着層付き樹脂フィルム、合成樹脂板、アルミニウム箔、その他の金属箔、金属板、織布、不織布、皮、合成皮革、木材、ガラス板等の単体又はこれらの複合材料・積層材料を好適に用いることができる。
基材層には、公知の包装材料、建築材料、服飾材、日用品等で採用されている各層が任意の位置に積層されていても良い。例えば、印刷層、印刷保護層(いわゆるOP層)、着色層、接着剤層、接着強化層、プライマーコート層、アンカーコート層、防滑剤層、滑剤層、防曇剤層等が挙げられる。
基材層の形成方法、基材層とシール層との積層方法等は、特に限定的でなく、例えばドライラミネート法、押し出しラミネート法、ウエットラミネート法、ヒートラミネート法等の公知の方法を採用することもできる。この場合、基材層は、予め形成されたシートを用いても良いし、あるいは基材層用原料と後記のシール層用原料とを用い、例えば同時押し出しラミネート法等により積層体(積層シート)として提供することもできる。
基材層の厚みは、特に限定的ではないが、一般的には10〜200μm程度とし、特に50〜150μmとすることが好ましい。
シール層
シール層は、疎水性酸化物微粒子を固着させておくとともに、ヨーグルト容器とヨーグルト蓋材とを接着させる機能を備える層でもある。シール層として特定の樹脂成分を採用することにより、疎水性酸化物微粒子の擦動による脱落を効果的に抑制することができる。また、シール層中に炭酸カルシウム粒子が含まれることにより、高いヨーグルト付着防止効果を得ることができる。
シール層を構成する成分として、特に(a)融点のピーク温度が130℃以上のポリエチレン系樹脂、(b)融点のピーク温度が60℃以下のエチレン・α−オレフィン共重合体、(c)粘着付与材及び(d)炭酸カルシウム粒子を含むことを特徴とする。
上記(a)成分の融点のピーク温度が130℃以上のポリエチレン系樹脂は、それ自体は公知又は市販のものを適宜使用することができる。また、ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のいずれも採用することができる。また、ポリエチレン系樹脂は、ホモポリマーのほか、本発明の効果を妨げない範囲内で共重合成分(オレフィン成分)が共重合したコポリマーであっても良い。本発明では、特に高密度ポリエチレンというポリエチレン系樹脂を好適に用いることができる。
本発明では、上記ポリエチレン系樹脂は、上記のように融点のピーク温度が130℃以上であるが、特に130〜135℃であることが望ましい。融点のピーク温度が130℃以上であるポリエチレン系樹脂を用いることによって、フィルムのブロッキングの防止及び炭酸カルシウムの分散状態の制御を行うことができる。
なお、本発明において、融点のピーク温度とは、示差走査熱量分析(DSC)におけるDSCチャートのサンプル溶融時に起こる吸熱ピークのピークトップをいう。
上記(b)成分の融点のピーク温度が60℃以下のエチレン・α−オレフィン共重合体自体は、公知又は市販のものを適宜使用することができる。前記共重合体を構成するα−オレフィンは、末端(α位)に二重結合を有する炭素数4〜20の炭化水素であれば良く、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。市販品としては、例えば「三井化学のタフマー、日本ポリエチレンのカーネル、ダウケミカル社製のENGAGE、VERSIFY」等を用いることができる。
上記(b)成分の融点のピーク温度が60℃以下であるが、特に55℃以下とすれば良い。その下限値は、限定的ではないが、通常は50℃程度とすれば良い。
上記(c)成分の粘着付与材としては、公知又は市販の粘着付与材を用いることができる。例えば、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂等のほか、これらの水素添加物も使用することができる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。粘着付与材を含有させることにより、容器との接着機能を上げるという効果を得ることができる。
本発明では、上記(a)〜(c)成分の配合割合は、限定的ではなく、例えば上記(a)〜(c)成分の合計量を100重量部として、上記(a)成分は10〜40重量部(好ましくは15〜30重量部)、上記(b)成分は30〜50重量部(好ましくは35〜45重量部)、上記(c)成分は30〜50重量部(好ましくは35〜45重量部)とすることができる。
また、シール層中における上記(a)〜(c)成分の合計量の占める割合は、通常は60〜80重量%程度とし、特に65〜75重量%とすることが好ましい。その残部としては、後記の炭酸カルシウム粒子のほか、本発明の効果を妨げない範囲内で他の成分(例えば他の樹脂成分、分散剤、酸化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等)が含まれていても良い。
上記(d)成分の炭酸カルシウム粒子(粉末)は、シール層中に分散している粒子であり、主として疎水性酸化物微粒子の付着力の向上という役割を果たすものである。炭酸カルシウム自体は、特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。
炭酸カルシウム粒子の大きさは、限定的ではないが、例えば平均粒子径(空気透過法)が1〜10μm程度であれば良く、特に1〜5μmであることが望ましい。従って、例えば1〜3μmとすることもできる。このような範囲内に設定することによって、蓋材の外観を損なうことなく疎水性酸化物粒子の付着力を向上させることができる。炭酸カルシウム粒子の粒子形状も、特に制限されず、例えば略球状、繊維状、不定形状等のいずれであっても良い。
炭酸カルシウム粒子の含有量は、限定的ではないが、特に上記(a)〜(c)成分の合計100重量部に対して30〜60重量部程度とすることが好ましく、特に40〜55重量部とすることがより好ましい。このような範囲内に設定することによって、より優れた付着防止効果を得ることができる。
シール層の厚みは、特に限定的ではないが、通常10〜30μm程度とし、特に15〜25μmとすることが好ましい。従って、例えば10〜20μmとすることもできる。このような厚みに設定することによって、ヨーグルト容器との十分な接着強度を得られるとともに、適切な引っ張り強度でヨーグルト容器からの引き剥がしを行うことができる。
シール層の形成方法は、特に制限されず、例えば1)上記(a)〜(d)成分を含む混合物を原料として用い、公知の方法で成形して得られたフィルムを基材層に積層する方法、2)前記混合物とポリエチレン系樹脂とを同時押出し(共押出し)で積層体として成形する方法等のいずれも採用することができる。また、シール層と基材層とを積層するに際し、本発明の効果を妨げない範囲内で必要に応じて接着剤層、プライマー層等を介在させる方法を採用することもできる。
疎水性酸化物微粒子
疎水性酸化物微粒子は、シール層に付着される粒子であり、特にヨーグルトの付着防止機能を果たすものである。
疎水性酸化物微粒子の大きさは、限定的ではないが、一次粒子平均径が通常3〜100nmであることが好ましく、特には5〜50nmであることがより好ましく、その中でも5〜20nmであることが最も好ましい。一次粒子平均径を上記範囲とすることにより、疎水性酸化物微粒子が適度な凝集状態となり、その凝集体中にある空隙に空気等の気体を保持することができることで、ヨーグルトが付着しにくくなる。
なお、本発明において、一次粒子平均径の測定は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で実施することができ、走査型電子顕微鏡の分解能が低い場合には透過型電子顕微鏡等の他の電子顕微鏡を併用して実施しても良い。具体的には、粒子形状が球状の場合はその直径、非球状の場合はその最長径と最短径との平均値を直径とみなし、走査型電子顕微鏡等による観察により任意に選んだ20個分の粒子の直径の平均を一次粒子平均径とする。
疎水性酸化物微粒子としては、疎水性を有するものであれば特に限定されず、表面処理により疎水化されたものであっても良い。例えば、親水性酸化物微粒子をシランカップリング剤等で表面処理を施し、表面状態を疎水性とした微粒子を用いることもできる。酸化物の種類も、疎水性を有するものであれば限定されない。例えばシリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、チタニア等の少なくとも1種を用いることができる。これらは公知又は市販のものを採用することができる。例えば、シリカとしては、製品名「AEROSIL R972」、「AEROSIL R972V」、「AEROSIL R972CF」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RY200」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R202」、「AEROSIL R805」、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」、(以上、エボニック デグサ社製)等が挙げられる。チタニアとしては、製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等が例示できる。アルミナとしては、製品名「AEROXIDE Alu C」(エボニック デグサ社製)等をシランカップリング剤で処理して粒子表面を疎水性とした微粒子が例示できる。
この中でも、疎水性シリカ微粒子を好適に用いることができる。とりわけ、より優れた非付着性が得られるという点において、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子が好ましい。これに対応する市販品としては、例えば前記「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」(いずれもエボニック デグサ社製)等が挙げられる。
シール層に付着させる疎水性酸化物微粒子の付着量(乾燥後重量)は限定的ではないが、通常0.01〜10g/mとすることが好ましく、特に0.2〜1.5g/mとすることがより好ましく、その中でも0.2〜1g/mとすることが最も好ましい。上記範囲内に設定することによって、ヨーグルトがより付着しにくくなる。
疎水性酸化物微粒子は、三次元網目構造を有する多孔質層を形成していることが好ましい。このようなポーラスな層状態で付着することにより、当該層に空気を多く含むことができる結果、より優れた非付着性を発揮することができる。その厚みは、通常は0.1〜5μm程度が好ましく、特に0.2〜2.5μm程度とすることがより好ましいが、上記付着量の範囲を満たしていれば特に限定されない。
また、疎水性酸化物微粒子は、シール層の全面(基材層側と反対側の面の全面)に付着していても良いし、シール層が熱接着される領域(いわゆる接着しろ)を除いた領域に付着していても良い。本発明では、シール層の全面に付着している場合でも、熱接着される領域上に存在する疎水性酸化物微粒子のほとんど又は全部がシール層中に埋没したり食い込んだりするので熱接着が阻害されることはないので、工業的生産上はシール層の全面に付着している方が望ましい。
疎水性酸化物微粒子をシール層に付与する方法としては、例えば疎水性酸化物微粒子を溶媒に分散させてなる分散体を用いてシール層上に塗膜を形成した後に乾燥する方法により実施することができる。塗膜の形成方法としては、例えばロールコーティング、グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り等の公知の方法を採用することができる。
上記溶媒は、特に限定されず、水のほか、例えばアルコール(エタノール)、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、IPA、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ペンタメチレングリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコール等の有機溶剤を適宜選択することができる。この際、微量の分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤等を併用することもできる。溶媒に対する疎水性酸化物微粒子の分散量は、通常10〜100g/L程度とすれば良い。
また、乾燥する場合は、自然乾燥又は強制乾燥(加熱乾燥)のいずれであっても良いが、工業的には強制乾燥することがこのましい。乾燥温度は、熱接着層に影響を与えない範囲であれば制限されないが、通常は150℃以下、特に80〜120℃とすることが好ましい。
2.ヨーグルト容器用蓋材の製造方法
本発明蓋材の製造方法は、特に限定されず、上述したような方法で各層を形成すれば良い。積層する順序も、特に限定されず、例えば1)上記(a)〜(d)成分を含む混合物とポリエチレン系樹脂とを同時押出し(共押出し)で積層体として成形する工程、2)疎水性酸化物微粒子を溶媒に分散させてなる分散体を用いてシール層上に塗膜を形成した後に乾燥する工程を含む方法によって本発明蓋材を好適に製造することができる。
上記方法では、必要に応じて、蓋材を製造する際に採用される一般的な工程(例えばトリミング等)を採用することもできる。
3.ヨーグルト容器用蓋材の使用
本発明蓋材は、公知の付着防止タイプの蓋材と同様にして用いることができる。例えば、図2で示したように、疎水性酸化物微粒子が固着した面を下方に向け、ヨーグルトが充填された容器の開口部に当接した状態で加圧・加熱することによりヒートシールを実施すれば良い。これにより、シール層と容器開口部とが熱接着される結果、内容物であるヨーグルトの密閉が実現される。
本発明では、ヒートシールに際し、特にシール層全面に疎水性酸化物粒子が固着している場合は、シール層と容器開口部との間には疎水性酸化物微粒子が介在することになるが、ヒートシール時にシール層が溶融することで疎水性酸化物微粒子がシール層中に埋没するため、疎水性酸化物微粒子によりヒートシールが阻害されない。その結果、優れたヒートシール性が実現されるとともに、優れたヨーグルト付着防止効果を得ることができる。
ヨーグルトを収容する容器は、通常は合成樹脂製であることが好ましく、例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等を採用することができる。また、容器形状は、限定的ではないが、特に高いヒートシール性を得ることができるという点で、容器開口部にフランジ部が形成されている容器を採用することが望ましい。例えば、図2に示すように、容器20の開口部の周縁にフランジ部20aが形成されていることが好ましい。フランジ部20aの幅は、例えば1〜5mm程度とすることができる。フランジ部の形成は、公知の加工方法によって実施することができる。
また、収容するヨーグルトは、特に限定されず、固形タイプ、液状タイプ(ソフトタイプ)等のいずれでも良いが、特に本発明蓋材の機能を発揮できるという点では液状タイプのヨーグルトに適用することが好ましい。さらに、ヨーグルトの脂肪分についても、本発明蓋材では高い脂肪分のヨーグルトでも良好な付着防止効果を発揮することができる。例えば脂肪分が4%以上(特に4〜10%、さらには4.5〜8%)のヨーグルトに対しても付着防止効果を発揮することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
a)融点のピーク温度が132℃のポリエチレン樹脂20重量部、b)融点が36℃のエチレン・α―オレフィン共重合体40重量部及びc)粘着付与剤として水素化石油樹脂40重量部を混合し、合計100重量部の樹脂混合物とした。この樹脂混合物100重量部に対し、平均粒子径3μmの炭酸カルシウム微粒子50重量部を加えて混練した。この混練物と、ポリエチレン(基材層用原料)とをフィルム厚み15μm:40μmの割合となるように共押出し成形することによって「シール層/ポリエチレン層」からなる多層フィルムを作製した。
他方、疎水性酸化物微粒子(製品名「AEROSIL R812S」エボニック デグサ社製、BET比表面積:220m/g、一次粒子平均径:7nm)5gをエタノール100mLに分散させてコート液を調製した。
得られたコート液を多層フィルムのシール層の表面に乾燥後重量で0.5g/mになるようにバーコート方式で付与した後、100℃で10秒程度をかけて乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、「ポリエチレン層/シール層/疎水性酸化物微粒子」からなる構成のヨーグルト蓋材を得た。
実施例2
樹脂混合物100重量部に対して炭酸カルシウム微粒子30重量部とした以外は、実施例1と同様にしてヨーグルト蓋材を得た。
実施例3
炭酸カルシウム微粒子の大きさを平均粒子径1.8μmのものに変更した以外は、実施例1と同様にしてヨーグルト蓋材を得た。
実施例4
炭酸カルシウム微粒子の大きさを、平均粒子径1μmのものに変更した以外は、実施例1と同様にしてヨーグルト蓋材を得た。
比較例1
樹脂混合物として、a)ポリオレフィン樹脂45重量部、b)スチレン系エラストマー15重量部、c)マレイン酸変性樹脂25重量部及びd)粘着剤として水素化石油樹脂15重量部の合計100重量部の樹脂混合物とし、炭酸カルシウム微粒子を平均粒径30μmのアクリル樹脂ビーズに代え、樹脂混合物100重量部に対するアクリル樹脂ビーズ量を14重量部とした以外は、実施例1と同様の方法でヨーグルト蓋材を得た。
試験例1
各実施例及び比較例で得られたヨーグルト蓋材を、タブ付きの縦62mm×横67mmの矩形状に切り抜き、市販のヨーグルト(森永乳業製「パルテノ」、乳脂肪分4.5%)。が8分目まで充填されたフランジ付きポリスチレン製容器(フランジ幅4mm、フランジ外径60mm×65mm□、高さ約48mm、内容積約100cmになるように成形したもの)のフランジ上に前記蓋材をヒートシールした。ヒートシール条件は、温度210℃及び圧力2kg/cmにて1秒間で2mm幅のリング(凹状)シールとした。
次いで、上記でシールされたサンプルを振動試験「BF−50UT(IDEX社製)」にセットし、(a)15Hzで5秒、(b)25Hzで30秒、(c)5Hzで15秒、(d)30Hzで25秒の振動を1セットとして、3セット繰り返し、ヨーグルトによるヨーグルト容器用蓋材表面への擦動の再現を行った。
その後、ヨーグルト容器用蓋材を容器から引き剥がし、ヨーグルト容器用蓋材の内面にヨーグルトが全く付いていなかったものを「○」、1粒だけヨーグルトが付着していたものを「△」、2粒以上ヨーグルトが付着していたものを「×」として評価した。その結果を表1に示す。
以上の結果からも明らかなように、本発明のヨーグルト容器用蓋材は、耐擦動性に優れるがゆえにヨーグルトが付着しにくくなっていることがわかる。

Claims (4)

  1. ヨーグルトが充填される容器の蓋材であって、
    (1)前記蓋材は、1)基材層、2)シール層及び3)シール層表面に付着した疎水性酸化物微粒子を順に含み、
    (2)前記シール層は、(a)融点のピーク温度が130℃以上のポリエチレン系樹脂、(b)融点のピーク温度が60℃以下のエチレン・α−オレフィン共重合体、(c)粘着付与材及び(d)炭酸カルシウム粒子を含む、
    ことを特徴とするヨーグルト容器用蓋材。
  2. 炭酸カルシウム粒子は、前記(a)〜(c)の合計100重量部に対して30〜60重量部である、請求項1に記載のヨーグルト容器用蓋材。
  3. 炭酸カルシウム粒子は、平均粒径D50が1〜5μmである、請求項1又は2に記載のヨーグルト容器用蓋材。
  4. シール層は、厚みが10〜30μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のヨーグルト容器用蓋材。
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