JP2018062378A - プラスチック容器および内容物入り容器 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、樹脂材料の使用量の増化に伴い、プラスチック容器自体の重量増加や製造コストの上昇といった新たな問題が生じてしまっている。
通常、ペタロイド形状の底部を有するプラスチックボトルは耐圧性に優れているため、その多くは炭酸飲料を充填して販売するために使用されている。このため消費者は、ペタロイド形状の底部を有するプラスチックボトルには炭酸飲料が充填されている、というイメージを強く有している。したがって、このようなペタロイド形状の底部を有するプラスチックボトルを緑茶またはコーヒー等の容器として用いることは、消費者が内容物を誤解する可能性があるため、事実上困難となっている。
さらに、その外観から消費者が内容物を誤解することのない底部を備えるプラスチック容器を提供することを目的とする。
また、本発明によれば、プラスチック容器の作製に使用する樹脂材料の量を増やす必要がないため、プラスチック容器自体の重量増加およびその製造コスト上昇を抑えることができる。
さらに、本発明によれば、その底部の外観から消費者が内容物を誤解してしまうことを防止することができる。
なお、本明細書中、「上方」、「下方」とは、それぞれプラスチック容器を正立させた状態(図1)における上方、下方のことをいう。
図1に示すように、プラスチック容器10は、口部11と、首部12と、肩部13と、胴部20と、底部30とを備えている。
また、プラスチック容器10の厚さは、口部11、首部12、肩部13、胴部20、底部30の厚さが全て同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、上記した樹脂材料を2種類以上混合したブレンド樹脂材料を使用してもよい。
上記した樹脂材料の中でも、底部30の成形性という観点からは、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
本実施の形態において、接地部31の直径φ1は、胴部12の最大直径φ2の65%以上、80%以下である。より好ましくは、70%以上、78%以下である。これにより、成形性を損なうことなく、内部が陽圧となった際の底部30の変形および反転を防止することができ、プラスチック容器10の転倒を防止することができる。
また、接地部31の直径φ1は、容器の容量に応じて適宜変更することが好ましいが、例えば、28mm以上、65mm以下であることが好ましく、35mm以上、58mm以下であることがより好ましい。
この中間部32cは、好ましくは0.5mm以上、4.5mm以下の深さ、より好ましくは1mm以上、3.5mm以下の深さを有する。
また、中間部32cの長手方向に沿う長さは、6mm以上、42mm以下であることが好ましく、8mm以上、36mm以下であることがより好ましい。
突起33の接地部31からの高さhは、3mm以上、30mm以下であることが好ましく、5mm以上、20mm以下であることがより好ましい。
変曲点Xにおける周縁側湾曲線α2の接線Yと、接地部31が存在する接地面Z、すなわちプラスチック容器10を成立させた時、接地部31と接する接地面Zとのなす角θ、は、45°以上、70°以下であることが好ましく、50°以上、65°以下であることがより好ましい。これにより、プラスチック容器10内部が陽圧になることにより発生しうる底部30の変形および反転を防止することができる。
また、プラスチック容器10の底部30の変形をより効果的に防止すべく、底部30の接地部31における厚みは、0.1mm以上、1.5mm以下とすることが好ましく、0.2mm以上、1mm以下とすることがより好ましい。
また、一実施形態において、プラスチック容器10の胴部20は、図1に示すように、直径の異なる複数の部分からなるものであってもよい。この場合、最大直径は、直径の最も太い箇所において測定される。
この場合、胴部20の最大直径は、40mm以上、90mm以下であることが好ましく、50mm以上、75mm以下であることがより好ましい。
また、肩部13は、首部12と胴部20との間に位置しており、首部12側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。断面視において、肩部13は、略S字状に湾曲しているが(図1参照)、これに限らず首部13の断面が直線状であっても良い。
このプラスチック製部材40は、少なくとも胴部20に設けられていればよく、口部11を除く全域すなわち首部12、肩部13および底部30を覆うように設けられてもよい。
プラスチック製部材40が多層からなるものである場合、最内面と最外面との層構成が同じであっても、異なっていてもよく、例えば、最内面から、低密度PE/接着層/EVOH/接着層/低密度PEの層構成を有するもの、PP/接着層/EVOH/接着層/PPの層構成を有するものなどを挙げることができる。
この場合の接着層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤などが挙げられる。
印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法により行うことができる。
成形方法としては、例えば、深絞り成形、または樹脂シートをチューブ状に成形し、その端部を融着、または接着する方法などが挙げられる。
(1)まず樹脂材料51を加熱溶融し、ダイ52からチューブ状に押し出し、チューブ状パリソン53を形成させ、
(2)次いで、図6(b)に示すように、例えば2分割の金型54によりチューブ状パリソン53を挟み込み、
(3)次いで、図6(c)に示すように、吹き込みノズル55よりチューブ状パリソン53内に空気を吹き込み、チューブ状パリソン53を金型54に合わせて成形し、冷却、型開き、取り出しを順次行うことにより、図6(d)に示すような有底円筒形状のプラスチック製部材40aを得ることができる(ダイレクトブロー成形)。
本方法によれば、金型の設計を変更することにより、得られるプラスチック製部材40aの設計を変更することができ、プリフォーム10aとの密着性の高いプラスチック製部材40aを作製することができる。
まず、上記した樹脂材料等を、押出装置内で加熱溶融し、溶融した樹脂材料等をリングダイより連続的に押し出し、冷却することにより、未延伸の押出チューブ1に成形する(図7(a)参照)。なお、多層からなるプラスチック製部材40aは、2以上の樹脂材料を共押し出しすることにより、作製することができる。
次いで、この未延伸の押出チューブの一端を溶着または接着することによって、押出チューブの一端を閉鎖する。
さらに、この一端が閉鎖された押出チューブ61を、押出チューブ61の外径よりも大きい内径を有する金型62内に配置する(図7(b)参照)。
次いで、押出チューブ1の他端にブロー装置63を配置(装着)する(図7(c)参照)。このとき、ブロー装置63は、押出チューブ61と、これらの間からエアが漏れないよう密着させることが好ましい。
続いて、押出チューブ61、金型62およびブロー装置63を、この配置のまま加熱炉64に送り込み、加熱炉64の内部で70〜150℃に加熱する(図7(d)参照)。加熱炉64としては、その内部を均一な温度にするために、熱風循環式加熱炉を用いても良い。あるいは押出チューブ61、金型62およびブロー装置63を、加熱した液体中を通過させることにより、これらを加熱しても良い。
次に、押出チューブ61、金型62およびブロー装置63を、加熱炉64から取り出し、ブロー装置63から押出チューブ61内にエアを噴出することにより、押出チューブ61の内面を加圧延伸する。これにより、押出チューブ61は、膨張し、金型62の内面形状に沿って拡径される(図7(e)参照)。
その後、ブロー装置63からエアを噴出した状態のまま、押出チューブ61を冷水中で冷却し、押出チューブを金型62から取り出す(図7(f)参照)。これを所望の大きさにカットすることにより熱収縮性のプラスチック製部材40aを得ることができる(図7(g)参照)。
不活性ガス充填後のプラスチック容器内の圧力は、ゲージ圧で、25kPa以上、300kPa以下であることが好ましく、50kPa以上、200kPa以下であることがより好ましい。プラスチック容器内の圧力を上記数値範囲とすることにより、容器に余計な力を加えることなく、保管時における内容物の酸化をより防止することができる。
まず、図2に示す底部30を備える図1に示すプラスチック容器10(実施例)を作製した。このプラスチック容器10は、23.8gのPET製のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することによりを作製した。
環状の接地部31の直径φ1は、53mm、胴部20の最大直径φ2は、70mmであり、接地部31の直径φ1は、胴部20の最大直径φ2の75.8%(φ1/φ2×100)であった。
また、底部30は凹状リブ32を有しており、その本数は、9本であり、中間部32cの深さは、2mmで一定であった。
また、底部は、突起33を有しており、突起33から接地部31の高さhは、10mmであった。
また、底部30は、接地部31から中央側に向けて湾曲線が形成されており、この湾曲線は、変曲点Xにて接続される中央側湾曲線α1と周縁側湾曲線α2とを有していた。さらに、変曲点Xにおける周縁側湾曲線の接線Yと、接地部31が存在する接地面Zとのなす角は、62°であった。
ここで、底部反転判定とは、加圧した状態で底部を目視し、当初接地部以外の部分が、接地しているか否かの判定をいう。
一方、比較例として、図8に示すプラスチック容器101(比較例1)と、図9に示すプラスチック容器102(比較例2)とをそれぞれ作製した。この場合、上述したプラスチック容器10(実施例)の場合と同様に、それぞれ23.8gのプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより、作製した。なお、これら3種類のボトルの相違点は底部形状のみであり、他の部分(口部、胴部等)の形状は同一であった。
次に、これらプラスチック容器101および102内を陽圧とし、徐々にその内圧を高めていき、内圧を50kPa、75kPaおよび100kPaとした場合におけるプラスチック容器101および102の全高変化量を測定した。測定結果を表1に示した。
Claims (14)
- 口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備えたプラスチック容器であって、
前記底部は、環状の接地部を有し、前記接地部の直径は、前記胴部の最大直径の65%以上、80%以下であり、
前記底部は、中央側から周縁側に向けて放射状に延びる複数の凹状リブを有し、各凹状リブは、中央側の内端部と、周縁側の外端部と、前記内端部と前記外端部との間に位置する中間部とを有し、
各凹状リブの前記中間部は、長さ方向に沿って一定の深さをもつことを特徴とする、プラスチック容器。 - 各凹状リブの前記外端部は、前記胴部のうち最大直径を有する領域よりも中央側に位置することを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック容器。
- 前記接地部が、接地線を形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
- 前記凹状リブの本数は、5本以上、19本以下であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
- 前記底部の中央に、下方に向けて突出する突起が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
- 前記底部のうち前記突起の周囲に、環状の平坦面が形成され、各凹状リブの前記内端部は、前記平坦面で終端していることを特徴とする、請求項5に記載のプラスチック容器。
- 垂直断面において、前記接地部から中央側に向けて湾曲線が形成され、前記湾曲線は、第1の曲率半径を有する中央側湾曲線と、前記第1の曲率半径と異なる第2の曲率半径を有する周縁側湾曲線とを有し、前記中央側湾曲線と前記周縁側湾曲線とは、変曲点において互いに接続され、
前記変曲点における前記周縁側湾曲線の接線と、前記接地部が存在する接地面とのなす角は、45°以上、70°以下であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプラスチック容器。 - 前記接地部における前記底部の厚みが、0.1mm以上、1.5mm以下であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
- 前記凹状リブの長手方向に沿う長さは、10mm以上、45mm以下であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
- 少なくとも前記胴部の周囲に密着して設けられたプラスチック製部材を更に備えることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプラスチック容器と、
前記プラスチック容器に充填された炭酸飲料と、
前記プラスチック容器の前記口部に装着されたキャップとを備えたことを特徴とする内容物入り容器。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプラスチック容器と、
前記プラスチック容器に充填されたワインと、
前記プラスチック容器の前記口部に装着されたキャップとを備えたことを特徴とする内容物入り容器。 - 前記プラスチック容器に不活性ガスが充填されている、請求項11または12に記載の内容物入り容器。
- 前記不活性ガスが充填されたプラスチック容器内の圧力が、ゲージ圧で、25kPa以上、300kPa以下である、請求項13に記載の内容物入り容器。
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