JP2018061971A - タンディッシュカー - Google Patents
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Abstract
Description
斯かるタンディッシュカーの構造を開示する文献としては、特許文献1〜3に開示されたものがある。
理由としては、本体部の左右方向の両端部を支持点として、長尺とされたタンディッシュを支持すると、その支持状態が「両端単純支持はり」の状態となる。この支持状態では、タンディッシュの重量と、本体部内に注入されている溶鋼の重量により、タンディッシュ全体に大きな応力が付与されてしまい、左右方向に長いタンディッシュが重力によって湾曲状に変形する虞がある。
この特許文献3は、第2の支持方法を採用した装置、すなわち「本体部の左右(長手)方向中央部であって、その左右方向に対して直交する方向に配備された2つの昇降手段の間に架設された1つの昇降フレームでタンディッシュを支持する」構造であるために、例えばストランドが偶数個備えられたタンディッシュである場合、適用可能である。
しかしながら、ストランドが奇数個備えられたタンディッシュである場合には、分配室の左右方向中央にストランドが存在し、その中央のストランドの直下に昇降フレームが配備されることとなるので、この技術を採用することは不可能である。
さて、特許文献3は、1つの昇降フレームでタンディッシュを支持する構造であるが、タンディッシュが左右方向に非常に長いものになると、左右両端部が下方に曲がる変形、凸状変形となる虞がある。具体的には、タンディッシュの支持点が、タンディッシュの左右方向の中央、1箇所のみであるため、タンディッシュは左右方向に大きく突出した片持ちオーバーハング状態となる。この片持ちオーバーハング状態においては、タンディッシュに、本体部・カバー体・耐火物などの自重に加えて、注入されている溶鋼の重量により大きな応力が発生して、タンディッシュが凸状に変形する。
ところで、タンディッシュは、計重装置を介して昇降フレームに搭載されている。従来では、計重装置は、タンディッシュの鉄皮の近傍となる位置の昇降フレームに配備されていることが多く、高温となったタンディッシュからの熱の影響を受けることがしばしばあった。
ロードセルは、常に同じ温度で使用されることが好ましいが、鋳造開始と共にタンディッシュの鉄皮温度が上昇し、その熱の影響により、ロードセルは時々刻々と温度変化(上昇)してゆき、計重精度を悪化させる虞がある。
本発明にかかるタンディッシュカーは、注入室及び分配室が配備され且つ前記分配室が左右方向に長尺とされたタンディッシュを下方から支持する平面視枠型の昇降フレームと、前記昇降フレームの四隅を下方から上下方向に昇降させる昇降装置と、前記昇降装置と前記昇降フレームとが搭載される平面視枠型の台車フレームと、を備えたタンディッシュカーにおいて、前記タンディッシュの分配室の左右方向一方端及び他方端が、前記台車フレームの左右方向一方端及び他方端よりも外側に位置するものであって、前記昇降フレームの前記前後方向を向く2つの枠辺が、当該昇降フレームにサドルフレームを介して支持されている前記タンディッシュの底部より下方を通過するように形成されていて、前記昇降フレームの前後方向を向く2つの枠辺のそれぞれを外から囲い、且つ前記タンディッシュを支える前記サドルフレームが前記昇降フレームに載置され、前記サドルフレームは、前記タンディッシュの底部より下方を通過するように形成され、上方から前記タンディッシュが載置されると共に、載置された前記タンディッシュを前後方向に移動自在とするものとされ、前記昇降装置の頂部であって、前記昇降装置と前記昇降フレームとの間に、計重装置が配備されていることを特徴とする。
好ましくは、前記昇降フレームを構成する枠辺であって前後方向を向く2つの枠辺が、昇降上限位置において前記台車フレームを構成する枠辺であって前後方向を向く2つの枠辺の上方、乃至は、昇降下限位置において前記台車フレームの前後方向を向く2つの枠辺と上下方向で同一レベルとなるように配備されるとよい。
好ましくは、前記台車フレームの前後方向を向く2つの枠辺は、二股形状に形成されていて、前記二股形状とされた中途部の内部に、前記昇降フレームの前後方向を向く2つの枠辺の中途部がサドルフレームを伴った状態で上方から挿入可能とされているとよい。
好ましくは、前記昇降装置の直下であって、前記台車フレームに車輪が配備されているとよい。
好ましくは、前記昇降装置は油圧シリンダであり、前記計重装置は自動センタリング型ロードセルであるとよい。
好ましくは、前記昇降フレームが前記水平方向規制手段に接触したときの前記計重装置の傾斜によって生じる水平方向の復元力が、前記昇降装置の水平方向の許容値を超えない範囲に対応する、前記遊隙量であるとよい。
以下、本実施形態にかかるタンディッシュカー14を説明する前に、本実施形態のタンディッシュカー14で支持されるタンディッシュ2が配備された連続鋳造設備1の説明を行う。
図14に示すように、連続鋳造設備1は、溶鋼4を一時的に貯留するタンディッシュ2と、溶鋼4を鋳造する鋳型3と、鋳型3から出た鋳片5を支えつつ移送する複数のサポートロール6とを有している。このような構成の連続鋳造設備1では、取鍋7により運ばれてきた溶鋼4がタンディッシュ2に注がれ、注がれた溶鋼4はタンディッシュ2に設けた浸漬ノズル8を介して鋳型3に注入される。鋳型3では注入された溶鋼4が冷却され、その表面部が凝固した状態の鋳片5となって、サポートロール6に保持されながら鋳型3下部から引き抜かれて、下流側に搬送されるようになっている。
具体的には、タンディッシュ2は、上部が開放状とされて内部に溶鋼4を貯留可能とされると共に、外壁面から突出状に設けられた張り出し部12を備える本体部9と、本体部9の上部を覆うように載置されるカバー体13とを有している。
一対の張り出し部12は、本体部9を構成する分配室11の中央から左側に1つ配備されると共に、中央から右側に1つ配備されている。つまり、張り出し部12は、本体部9の左右方向に2つ、配備されている。
図1は、本発明のタンディッシュカー14の概略を示した図であり、タンディッシュが搭載された状態を示す図である。
図1〜図7に示すように、タンディッシュカー14は、タンディッシュ2を下方から支持する平面視矩形枠型の昇降フレーム16と、昇降フレーム16の四隅に配置され、且つこの昇降フレーム16を下方から上下方向に昇降させる昇降装置19と、昇降装置19を駆動させる駆動装置と、駆動装置と昇降装置19と昇降フレーム16とが搭載される平面視矩形枠型の台車フレーム15と、を備えている。
なお、タンディッシュカー14を走行させる時には、浸漬ノズル8が鋳型3に干渉しないように、タンディッシュ2を上昇させた状態とする。
図3〜図7に示すように、台車フレーム15は、前後方向を向く2つの枠辺21と、左右方向を向く2つの枠辺22とで構成される平面視矩形状の枠体である。すなわち、台車フレーム15は、前後方向に延びるビーム部材21が所定の間隔を空けて左右一対設けられていて、左右に設けられた一対のビーム部材21の前端部23同士、後端部24同士それぞれを掛け渡すように梁部材22が前後一対設けられている。この梁部材22は、左右一対のビーム部材21を連結する部材である。
各ビーム部材21の前端部23及び後端部24の上面、すなわち台車フレーム15の上面の四隅には、昇降フレーム16を上下方向に昇降させる昇降装置19がそれぞれ配備されている。この昇降装置19の頂部には、計重装置20が備えられている。
ビーム部材21は、前後方向中途部25が二股形状に形成されている。具体的には、ビーム部材21の中途部25においては、2本の長尺の棒材が左右方向に所定の間隔を空けて、ビーム部材21の前端部23と後端部24とを掛け渡すように配備されている。
なお、前後方向を向いて配備された2本の棒材の間隔、すなわちビーム部材21の中途部25に形成された空間26の左右方向の長さは、サドルフレーム17の左右方向の長さ(幅)よりやや大きい長さとされている。すなわち、空間26の中でサドルフレーム17を遊嵌状態とするために、その空間26の左右方向の長さは、サドルフレーム17の左右方向の長さよりも若干大きい。また、空間26の前後方向の長さも前述と同じく、サドルフレーム17の前後方向の長さよりも若干大きい。
台車フレーム15の上方には、タンディッシュ2を下方から支持し、且つ上下方向に昇降させる昇降フレーム16が配備されている。
すなわち、昇降フレーム16を構成する枠辺であって前後方向を向く2つの支持部材27は、昇降上限位置において、台車フレーム15を構成する枠辺であって前後方向を向く2つのビーム部材21の上方、乃至は、昇降下限位置において、台車フレーム15の前後方向を向く2つのビーム部材21と上下方向で同一レベルとなるように配備されている。
この支持部材27の前端部29及び後端部30は、内部が空洞で下方が開放状とされた円筒部材で形成されていて、空洞とされた内部に、頂部にロードセル20が載置された油圧シリンダ19がそれぞれ格納される。なお、本実施形態において、前端部29及び後端部30を円筒部材としたが、形状に関しては特に問わず、例えば角筒部材であってもよい。
係合部材34内には、サドルフレーム17を係合する回転自在のローラ34aが収納されている。すなわち、サドルフレーム17は、係合部材34内に収納されるローラ34aに搭載される。
支持部材27の前後方向中途部31は、前端部29及び後端部30の間を掛け渡すように配備された棒材である。この中途部31は、昇降フレーム16にサドルフレームを介して下方から支持されているタンディッシュ2の底部より下方を通過するように形成されている。支持部材27の前端部29及び後端部30に連結された中途部31の部位、すなわち中途部31の前側基端32及び後側基端33には、水平方向規制手段45の第2規制部(詳細は後述)が左右一対それぞれ配備されている。
以上より、支持部材27は、中途部31が側面視において、下方に凸状(U字状)に突出し且つ前端部29及び後端部30が上方に突出した形状を有する。すなわち、支持部材27は、円筒部材とされた前端部29から後方斜め下側へ突出し、中途部31で略水平状態となって後方へ延び、そして後方斜め上側を向いて、円筒部材とされた後端部30へ繋がる形状である。
本実施形態においては、前後方向を向く支持部材27の外側には、サドルフレーム17が配備されている。
サドルフレーム17は、タンディッシュ2における溶鋼吐出位置と、鋳型3の中心とが一致するように、サドルフレーム17の前後方向の位置を微調整するタンディッシュ2のセンタリング機能を有するものである。なお、タンディッシュ2の左右方向のセンタリングは、一般的に、タンディッシュカーを走行させることで行う。
このサドルフレーム17の前端部35及び後端部36は、内部にロードセル20と油圧シリンダ19が格納され、且つ円筒形状とされた支持部材27の前端部29及び後端部30の外周囲を、左右方向から囲むように覆う枠体とされている。
サドルフレーム17の前後方向中途部37は、前端部35及び後端部36の間を掛け渡すように、且つ二股形状に形成されている。この中途部37は、タンディッシュ2がタンディッシュカー14に搭載されたとき、当該タンディッシュ2の底部より下方を通過するように形成されている。
すなわち、サドルフレーム17の中途部37は、昇降フレーム16の降下時においての側面視で、ビーム部材21の中途部25及び支持部材27の中途部31と同様の高さとなるように形成されている。
このサドルフレーム17は、支持部材27の中途部31より左右方向に幅広に形成されていて、支持部材27の中途部31を外から囲い、台車フレーム15を構成するビーム部材21の中途部25に形成された空間26に挿入されるものである。
さて、サドルフレーム17の後端部36には、サドルフレーム17を前後方向に移動させるサドルフレーム駆動装置42が後方を向いて備えられている。
本実施形態においては、サドルフレーム駆動装置42に、油圧シリンダを採用している。このサドルフレーム駆動装置42は、トラニオン部43がサドルフレーム17の後端部36に設けられている取り付け部材40の孔に挿嵌されると共に、クレビス部44が支持部材27の後端部30に設けられている取り付け部材41にピンで結合されている。サドルフレーム駆動装置42の伸縮により、支持部材27の後端部30に対するサドルフレーム17の前後位置を可変としている。
なお、サドルフレーム駆動装置42は、サドルフレーム17の前端部35に配備されていてもよい。
フローティング状態の昇降フレーム16は、ダブルコンベックス型のロードセル20のみに当接している。このロードセル20は、昇降フレーム16がフローティング状態となっている中で、被計重物を計重している。前述のような状態においては、ロードセル20の計重精度を悪化させる摺動抵抗(例えば、計重の抵抗となるサイドガイド)が無いので、ロードセル20による計重精度が極めて高精度なものとなる。
一方で、ロードセル20が過剰に傾斜することは、ロードセル20自身が損傷してしまう虞があるので、好ましくない。
台車フレーム15の四隅に配備された車輪18の直上に、油圧シリンダ19が4つ配備され、その各油圧シリンダ19の頂部、すなわち油圧シリンダ(シリンダロッド)19の上部先端に、ロードセル20が4つ配備されている。さらに、この4つロードセル20の上部に、矩形枠体の昇降フレーム16が載置されている。つまり、ロードセル20は、油圧シリンダ19の頂部であって、油圧シリンダ19と昇降フレーム16との間に配備されていることとなる。
第1規制部46は、台車フレーム15を構成するビーム部材21の中途部25に形成されている空間26の前端側及び後端側にそれぞれ設けられている。第1規制部46は、ビーム部材21の上面から上方に突出した板片であって、板片が所定の間隔を空けて左右一対配備されている。2つの板片の間に形成されている空間48に、昇降フレーム16を構成する支持部材27の基端側が挿入される。つまり、2つの板片で構成される第1規制部46は、支持部材27を挟み込んだ、左右方向に遊挿状態としている。
第2規制部47は、支持部材27の基端32,33の側壁面から左右方向に突出した2つの板片に、軸心が前後方向を向く短尺の棒材49を取り付けた略井桁状の部材である。この第2規制部47は、支持部材27の前側基端32の左側壁及び右側壁、後側基端33の左側壁及び右側壁に、それぞれ配備されている。
以上より、水平方向規制手段45は、台車フレーム15に立設された第1規制部46(ストッパ)に、昇降フレーム16が当接することで、水平方向で、且つ左右方向における昇降フレーム16の動揺量が過大になることを規制する機構である。また、水平方向規制手段45は、台車フレーム15に立設されたストッパに、昇降フレーム16の支持部材27に設けられている第2規制部47が第1規制部46に当接することで、水平方向で、且つ前後方向における昇降フレーム16の動揺量が過大になることを規制する機構でもある。
さらには、天井クレーンなどを使用してタンディッシュ2を、タンディッシュカー14に搭載する際には、天井クレーンなどにより吊り下げられたタンディッシュ2がふら付く場合があり、タンディッシュカー14(昇降フレーム16)に対して、押し付けられるように載置されることがあるが、水平方向規制手段45が備えられていることにより、昇降フレーム16を保護することができる。
図8〜図13に、水平方向規制手段45の構成を示した図を示す。なお、図8〜図13においては、サドルフレーム17を省略して描いている。また、各図に関しては、各装置・部材の構成をわかりやすくするため、部分的に断面して描いている箇所がある。
図8、図9は、昇降フレーム16が下降した状態における、水平方向規制手段45の構成の概略を示した図である。また、図10、図11は、昇降フレーム16が上昇された状態における、水平方向規制手段45の構成の概略を示した図である。図12、図13は、水平方向規制手段45の具体的な構成を示した図である。
本実施形態の水平方向規制手段45は、走行中などに生じる、水平方向の力が台車フレーム15に作用したときにおけるロードセル20の振れを抑制する手段である。
詳しくは、左側の台車フレーム15に着目すると、昇降フレーム16が水平方向で且つ左右方向に移動することを規制する第1規制部46が、台車フレーム15の左側の前端部23及び後端部24に、それぞれ1つ設けられている。
また、左側の昇降フレーム16に着目すると、昇降フレーム16が水平方向で且つ前後方向に移動することを規制する第2規制部47が、昇降フレーム16(支持部材27)の前側基端32の右側面及び左側面にそれぞれ1つずつ設けられるとともに、後側基端33の右側面及び左側面にそれぞれ1つずつ設けられている。
この水平方向規制手段45は、昇降フレーム16が第1規制部46に当接することで、その昇降フレーム16の水平方向で且つ左右方向の移動を規制する構成である。また、水平方向規制手段45は、第1規制部46に第2規制部47が当接することで、昇降フレーム16の水平方向で且つ前後方向の移動を規制する構成である。
第1規制部46は、昇降フレーム16を挟み込む、すなわち支持部材27の前側基端32及び後側基端33が空間48内に挿入可能となるように、台車フレーム15に左右一対取り付けられている。この第1規制部46は、昇降フレーム16が上昇した状態においても、支持部材27(昇降フレーム16)を挟み込むことが可能となるような、長尺の板材で形成されている。
第1規制部46は、昇降フレーム16の下降位置から上昇位置まで対応可能となっているので、昇降フレーム16が上下方向で何れの高さに存在しても、昇降フレーム16の水平方向の移動を規制することが可能となる。なお、第1規制部46は、台車フレーム15と一体構造とされていてもよい。
即ち、タンディッシュカー14の静止状態(例えば、鋳造中の非走行時)では、昇降フレーム16は、台車フレーム15側のいずれの箇所にも接しておらず、水平方向規制手段45にも接触していないので、計重の抵抗となるサイドガイドのなどの部材を設けておく必要がない。
しかし、走行中のタンディッシュカー14が加減速する時や振動した時には、昇降フレーム16に対して、左方向または右方向の水平力が作用する。この水平力によって、ロードセル20が左右方向に傾くので、昇降フレーム16は台車フレーム15に対して、水平方向で且つ左右方向に移動(動揺)してしまうこととなる。
本実施形態では、走行中のタンディッシュカー14の前後方向に、水平力が作用すると、ロードセル20が前後方向に傾こうとするが、第2規制部47が第1規制部46に当接するようになっているので、昇降フレーム16は台車フレーム15に対して前後方向に移動(動揺)が規制される。
それ故、本実施形態では、昇降フレーム16が上昇しても、第2規制部47が必ず第1規制部46に当接するような構成である(図11、図12参照)。
それ故、本実施形態では、昇降フレーム16の下降状態でも、第2規制部47が必ず第1規制部46に当接するような構成である(図10、図12参照)。
さて、図12、図13の示すように、第1規制部46と第2規制部47との隙間、第1規制部46と昇降フレーム16との隙間である、遊隙量(C1〜C3)は、ロードセル20の傾斜許容値(ロードセル20が損傷する傾斜角度の限界値)を超えないことが好ましい。また、遊隙量は、油圧シリンダ19の水平方向の許容値(油圧シリンダ19が損傷する水平力の限界値)を超えないことが好ましい。
また、昇降フレーム16が水平方向規制手段45に接触したときのロードセル20の傾斜によって生じる水平方向の復元力が、油圧シリンダ19の水平方向に作用する力の許容値を超えない範囲(油圧シリンダ19に作用可能な水平力以上の水平力が作用すると、油圧シリンダ19が損傷する限界値)に対応する、遊隙量であることが好ましい。
ここで、適正な遊隙量について説明する。
昇降フレーム16が上昇状態、つまり油圧シリンダ19のシリンダロッドが最も突出した状態のときに、タンディッシュカー14の急峻な加減速が行われると、そのシリンダロッドの頂部には5700kgfの水平力が作用することになる。なお、本実施形態の場合、耐水平力が8500kgfの油圧シリンダ19を採用しているので、この油圧シリンダ19が損傷することはない。しかし、操業上の安全性を確実に確保するために、本実施形態においては遊隙量調整手段50,51を設けている。
また、水平方向規制手段45の第2規制部47に、第2遊隙量調整手段51(図例は、ねじ機構)を設けている。本実施形態では、当該第2遊隙量調整手段51により、遊隙量C1を7mmに設定している。なお、遊隙量C1〜C3は一例であり、この値に限定されない。
また、タンディッシュ2を有底箱形に形成された平面視で略T形状の容器としたが、平面視でI形状の容器としてもよい。なお、遊隙量調整手段50,51を省略することも可能である。
2 タンディッシュ
3 鋳型
4 溶鋼
5 鋳片
6 サポートロール
7 取鍋
8 浸漬ノズル
9 本体部
10 注入室
11 分配室
12 張り出し部
13 カバー体
14 タンディッシュカー
15 台車フレーム
16 昇降フレーム
17 サドルフレーム
18 車輪
19 昇降装置(油圧シリンダ)
20 計重装置(ロードセル)
21 前後方向を向く2つの枠辺(ビーム部材)
22 左右方向を向く2つの枠辺(梁部材)
23 前端部
24 後端部
25 前後方向中途部
26 空間
27 前後方向を向く2つの枠辺(支持部材)
28 左右方向を向く2つの枠辺(連結部材)
29 前端部
30 後端部
31 前後方向中途部
32 前側基端
33 後側基端
34 係合部材
34a ローラ
35 前端部
36 後端部
37 前後方向中途部
38 空間
39 載置部材
40 取り付け部材
41 取り付け部材
42 サドルフレーム駆動装置
43 トラニオン部
44 クレビス部
45 水平方向規制手段
46 第1規制部
47 第2規制部
48 空間
49 棒材
50 第1遊隙量調整手段
51 第2遊隙量調整手段
52 締結手段
F 床面
Claims (12)
- 注入室及び分配室が配備され且つ前記分配室が左右方向に長尺とされたタンディッシュを下方から支持する平面視枠型の昇降フレームと、前記昇降フレームの四隅を下方から上下方向に昇降させる昇降装置と、前記昇降装置と前記昇降フレームとが搭載される平面視枠型の台車フレームと、を備えたタンディッシュカーにおいて、
前記タンディッシュの分配室の左右方向一方端及び他方端が、前記台車フレームの左右方向一方端及び他方端よりも外側に位置するものであって、
前記昇降フレームの前記前後方向を向く2つの枠辺が、当該昇降フレームにサドルフレームを介して支持されている前記タンディッシュの底部より下方を通過するように形成されていて、
前記昇降フレームの前後方向を向く2つの枠辺のそれぞれを外から囲い、且つ前記タンディッシュを支える前記サドルフレームが前記昇降フレームに載置され、
前記サドルフレームは、前記タンディッシュの底部より下方を通過するように形成され、上方から前記タンディッシュが載置されると共に、載置された前記タンディッシュを前後方向に移動自在とするものとされ、
前記昇降装置の頂部であって、前記昇降装置と前記昇降フレームとの間に、計重装置が配備されている
ことを特徴とするタンディッシュカー。 - 前記サドルフレームが、昇降上限位置において前記台車フレームを構成する枠辺であって前後方向を向く2つの枠辺の上方、乃至は、昇降下限位置において前記台車フレームの前後方向を向く2つの枠辺と上下方向で同一レベルとなるように配備される
ことを特徴とする請求項1に記載のタンディッシュカー。 - 前記昇降フレームを構成する枠辺であって前後方向を向く2つの枠辺が、昇降上限位置において前記台車フレームを構成する枠辺であって前後方向を向く2つの枠辺の上方、乃至は、昇降下限位置において前記台車フレームの前後方向を向く2つの枠辺と上下方向で同一レベルとなるように配備される、
ことを特徴とする請求項1に記載のタンディッシュカー。 - 前記台車フレームの前後方向を向く2つの枠辺は、二股形状に形成されていて、前記二股形状とされた中途部の内部に、前記昇降フレームの前後方向を向く2つの枠辺の中途部が上方から挿入可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のタンディッシュカー。
- 前記台車フレームの前後方向を向く2つの枠辺は、二股形状に形成されていて、前記二股形状とされた中途部の内部に、前記昇降フレームの前後方向を向く2つの枠辺の中途部がサドルフレームを伴った状態で上方から挿入可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のタンディッシュカー。
- 前記昇降フレーム及び前記サドルフレームの水平方向の移動を所定の範囲に規制する水平方向規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタンディッシュカー。
- 前記昇降装置の直下であって、前記台車フレームに車輪が配備されていることを特徴とする請求項1に記載のタンディッシュカー。
- 前記昇降装置は油圧シリンダであり、
前記計重装置は自動センタリング型ロードセルであることを特徴とする請求項7に記載のタンディッシュカー。 - 前記台車フレーム上に前記昇降装置が立設され、且つ前記昇降装置の頂部に、圧縮型かつ自動調心型とされた前記計重装置が配備されていて、
前記昇降フレームは、前記計重装置及び前記昇降装置を介して、前記台車フレーム上に搭載されていて、
前記水平方向規制手段は、前記台車フレーム及び前記昇降フレームの少なくとも一方に設けられており、
前記昇降フレームと前記水平方向規制手段との間に、前記台車フレーム停止時に、前記水平方向規制手段と前記昇降フレームとが非接触となる遊隙を設けておき、
前記水平方向規制手段は、昇降フレームの昇降上限位置及び下限位置の間において、前記昇降フレームの水平方向の移動を規制する構成とされている
ことを特徴とする請求項6に記載のタンディッシュカー。 - 前記昇降フレームが前記水平方向規制手段に接触したときに生じる、前記計重装置の傾斜角度が、前記計重装置の許容傾斜角度を超えない範囲に対応する、前記遊隙量である
ことを特徴とする請求項9に記載のタンディッシュカー。 - 前記昇降フレームが前記水平方向規制手段に接触したときの前記計重装置の傾斜によって生じる水平方向の復元力が、前記昇降装置の水平方向の許容値を超えない範囲に対応する、前記遊隙量である
ことを特徴とする請求項9に記載のタンディッシュカー。 - 前記水平方向規制手段は、前記台車フレームから上方に延びるように取り付けられていて、前記昇降フレームが左右方向に移動することを規制する第1規制部と、前記昇降フレームに取り付けられていて、前記昇降フレームが前後方向に移動することを規制する第2規制部と、を有し、
前記第1規制部に前記第2規制部が当接することで、前記昇降フレームが前後方向に移動することを規制する構成であり、
前記第1規制部の高さは、前記昇降フレームが上昇した状態における前記第2規制部の移動高さより高いものである
ことを特徴とする請求項9に記載のタンディッシュカー。
Priority Applications (1)
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