JP2018061936A - 塗布膜形成方法、及び、インクジェット塗布装置 - Google Patents

塗布膜形成方法、及び、インクジェット塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度で高価な液滴ノズルを用いることなく、膜形成領域の液量を精度よく調節し、膜形成領域に形成される塗布膜を均一にすることができる塗布膜形成方法、及び、インクジェット塗布装置を提供する。
【解決手段】複数に区画された基材上の膜形成領域にインクジェット法により液滴を行って塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、前記膜形成領域に液滴を吐出することにより塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、前記塗布膜形成工程で吐出された各膜形成領域の液量を調節する液量調節工程と、を有し、前記液量調節工程では、前記塗布膜形成工程で吐出された液量が最も多い液量に各膜形成領域の液量が調節されるように構成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、基材上の膜形成領域に供給される塗布液の液量を調節にすることにより、膜形成領域に形成される塗布膜を均一にすることができる塗布膜形成方法、及び、塗布装置に関するものである。
インクジェット塗布技術は、カラーフィルタ等のように基板上に格子状に形成された各画素(膜形成領域)にインク(液滴)を吐出してR,G,Bの塗布膜を形成するものに適用されている。近年では、有機ELの製造にも適用されており、基材上に隔壁で区画された画素(膜形成領域)に有機EL材料(液滴)を吐出して、各画素に発光層が形成されている(例えば、下記特許文献1参照)。
有機ELでは、カラーフィルタよりも画素内の塗布液の液量の精度が求められる。すなわち、有機ELは、発光層自体が光源となり発光するが、画素内の塗布液の液量により発光状態が変化し、仮に画素内の塗布液の液量に差が生じると光源ムラの要因になる。そのため、画素に供給される塗布液の液量が均一にすることが要求される。
インクジェット塗布は、図7(a)に示すようなインクジェット塗布装置により行われる。インクジェット塗布装置は、基板Wを載置するステージ100と、塗布材料を吐出する液滴ノズルユニット101を有しており、液滴ノズルユニット101がステージ100上を移動しつつ塗布材料を吐出することにより、基板W上に塗布膜Cを形成することができる。すなわち、液滴ノズルユニット101には、図7(b)に示す複数のヘッドモジュール103を備えたヘッドユニット102を有しており、このヘッドモジュール103の各ノズル103aにピエゾ駆動電圧を印加させることによりノズル103aから塗布材料である液滴が吐出される。そして、液滴ノズルユニット101がステージ100上の基板Wに対して相対的に移動しつつ、ノズル103aから膜形成領域に液滴を吐出することにより、基板Wの膜形成領域に塗布膜Cが形成されるようになっている。
通常、液滴を吐出させるためのピエゾ駆動電圧は、ヘッドユニット102毎に与えられるため、ヘッドユニット102内のすべてのノズル103aに対して共通のピエゾ駆動電圧が与えられる。近年では、各ノズル103a毎に個別のピエゾ駆動電圧を与えられるように構成し、各ノズル103a毎にピエゾ駆動電圧を制御することにより、各ノズルから吐出される液滴量を精度よく設定できるヘッドユニット102が開発されている。このような液滴量を精度よく調節できるヘッドユニット102を用いることにより、各画素(膜形成領域)に所定量の液滴を供給し各画素に供給される液量が均一になるようにして有機ELが形成されている。
特開2011−090910号公報
しかし、液滴量を精度よく調節できるヘッドユニット102は非常に高価であり、インクジェット塗布装置全体が高価になるため、最終製品である有機ELのコストを抑えることができないという問題があった。
また、従来のインクジェット塗布装置で有機ELを製造する場合、既存のヘッドユニット102を、上記のような液滴量を精度よく調節できるヘッドユニット102に交換して実施するのは、制御的に非常に困難で、結局、インクジェット塗布装置全体を廃棄してインクジェット塗布装置全体を取り替える必要があるという経済的な問題もあった。
そこで、本発明は、ノズル毎に駆動電圧を調節できる高精度で高価な液滴ノズルユニットを有するインクジェット塗布装置を用いることなく、膜形成領域の液量を精度よく調節し、膜形成領域に形成される塗布膜を均一にすることができる塗布膜形成方法、及び、インクジェット塗布装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明の塗布膜形成方法は、複数に区画された基材上の膜形成領域にインクジェット法により液滴を行って塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、前記膜形成領域に液滴を吐出することにより塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、前記塗布膜形成工程で吐出された各膜形成領域の液量を調節する液量調節工程と、を有し、前記液量調節工程では、前記膜形成領域に設定された液量に各膜形成領域の液量が調節されることを特徴としている。
上記本発明の塗布膜形成方法によれば、塗布膜形成工程により各画素に液滴を行って塗布膜を形成した後、液量調節工程により、各画素内の塗布液の液量が調節されるため、各画素に供給される塗布液の液量を均一にすることができる。具体的には、塗布膜形成工程により液滴を行った後、予め画素内(膜形成領域内)に設定された液量に合わせるように、液量調節工程において不足分の液滴が補充されるため、すべての画素の液量を均一に調節することができる。したがって、従来のように、各ノズル毎にピエゾ駆動電圧を制御して液滴量を調節し、各ノズルから吐出される液滴量を精度よく設定できる高価なヘッドユニットを用いなくても、塗布膜形成工程後の液量調節工程において膜形成領域の液量を精度よく調節し、膜形成領域に形成される塗布膜を均一にすることができる。
また、前記液量調節工程は、前記膜形成領域に設定された液量よりも前記塗布膜形成工程で吐出された液量が多い場合には、前記塗布膜形成工程で吐出された液量が最も多い液量に各膜形成領域の液量が調節される構成にしてもよい。
この構成によれば、塗布膜形成工程により液滴を行った後、画素内に供給される液量が予め膜形成領域に設定された液量よりも多く供給された場合であっても、液量調節工程において、塗布膜形成工程で画素内に吐出された液量が最も多い液量に調節されるため、各画素に供給される塗布液の液量を均一にすることができる。
また、前記液量調節工程では、塗布ノズルから吐出される液滴量が、前記塗布膜形成工程で塗布ノズルから吐出される液滴量よりも少量の液滴によって各膜形成領域の液量が調節される構成としてもよい。
この構成によれば、液量調節工程における各画素の液量調節が少量の液滴よって行われるため、塗布膜形成工程後の各画素に対して細やかに液量調節でき、各画素の液量を均一にしやすくなる。
また、上記課題を解決するために本発明のインクジェット塗布装置は、基材を載置するステージと、前記ステージに載置された基材に対し相対的に移動しつつ、液滴を吐出して基材に塗布膜を形成する液滴ノズルユニットと、を備え、前記液滴ノズルユニットは、基材上の膜形成領域に液滴を吐出する通常液滴ノズルと、前記液滴ノズルよりも液滴量よりも少量の液滴を吐出する微少液滴ノズルと、を有し、前記微少液滴ノズルは、前記通常液滴ノズルよりも塗布方向後側に配置されていることを特徴としている。
上記本発明の塗布装置によれば、通常液滴ノズルよりも塗布方向後側に微少液滴ノズルを備えているため、通常液滴ノズルにより各画素に液滴を行って塗布膜を形成した後、微少液滴ノズルにより液滴を行うことにより、各画素内の塗布液の液量が調節され、各画素に供給される塗布液の液量を均一にすることができる。すなわち、塗布方向に一度走査するだけで各画素における液滴量を調節し、各画素に均一な塗布膜を形成することができる。
また、前記微少液滴ノズルは、通常液滴ノズルの塗布方向両側に配置されている構成にしてもよい。
この構成によれば、通常液滴ノズルの塗布方向両側に微少液滴ノズルが設けられているため、塗布方向における走査方向が、往路又は復路のいずれの場合であっても通常液滴ノズルによる液滴後、微少液滴ノズルにおける液量調節を行うことができるため、一方向の走査だけで各画素に均一な塗布膜を形成することができる。
本発明によれば、ノズル毎に駆動電圧を調節できる高精度で高価な液滴ノズルユニットを有するインクジェット塗布装置を用いることなく、膜形成領域の液量を精度よく調節し、膜形成領域に形成される塗布膜を均一にすることができる。
本発明のインクジェット塗布装置を概略的に示す側面図である。 上記インクジェット塗布装置の上面図である。 基材とヘッドユニットとの関係を示す図である。 ヘッドユニットのノズル配置を示す図である。 膜形成領域に吐出される液滴量を示す図であり、(a)は通常液滴ノズルで液滴を吐出した状態を示す図、(b)は微少液滴ノズルで液滴を補充した状態を示す図である。 インクジェット塗布装置の動作を説明するためのフローチャートである。 従来のインクジェット塗布装置を示す図であり、(a)は側面図、(b)はノズル配置を示す図である。
本発明のインクジェット塗布装置に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、インクジェット塗布装置の一実施形態を示す側面図であり、図2は、インクジェット塗布装置の上面図である。
インクジェット塗布装置は、図1、図2に示すように、基板Wを載置するステージ10と、基板Wに液滴d(塗布材料)を塗布する液滴ノズルユニット2とを有しており、液滴ノズルユニット2がステージ10に載置された基板W上を移動しつつ、液滴dを所定の着弾位置(膜形成領域S)に吐出することにより、基板W上に平坦状の塗布膜C(図3参照)が形成される。
ここで、有機ELの基板Wは、図3に示すように、塗布膜Cを形成すべき膜形成領域Sが複数箇所形成されている。具体的には、基板Wは、隔壁Bによって複数に区画された矩形状の画素領域に画素電極が形成されており、この画素電極上に発光層を含む有機EL層が形成される。すなわち、画素領域が膜形成領域Sであり、インクジェット塗布装置により、この膜形成領域Sに液滴dが行われることにより、均一な塗布膜Cが形成される。
なお、以下の説明では、この液滴ノズルユニット2が移動する方向をX軸方向(本実施形態の主走査方向)、これと水平面上で直交する方向をY軸方向(本実施形態の副走査方向)、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることとする。
インクジェット塗布装置は、基台1を有しており、この基台1上にステージ10、液滴ノズルユニット2が設けられている。具体的には、基台1上に直方体形状のステージ10が設けられており、このステージ10をY軸方向に跨ぐように液滴ノズルユニット2が設けられている。
ステージ10は、基板Wを載置するものであり、載置された基板Wが水平な姿勢を維持した状態で載置されるようになっている。具体的には、ステージ10の表面は、平坦に形成されており、その表面には、吸引孔が複数形成されている。この吸引孔には真空ポンプが接続されており、ステージ10の表面に基板Wを載置した状態で真空ポンプを作動させることにより、吸引孔に吸引力が発生し、基板Wが水平な姿勢でステージ10の表面に吸着保持できるようになっている。
また、液滴ノズルユニット2は、基板W上に塗布材料を着弾させて塗布するものであり、塗布材料を吐出するヘッドユニット21と、このヘッドユニット21を支持するガントリ部22とを有している。このガントリ部22は、ステージ10のY軸方向両外側に配置される脚部22aと、これらの脚部22aを連結しY軸方向に延びる石材製のビーム部材22bとを有する略門型形状に形成されている。そして、このビーム部材22bにヘッドユニット21が取付けられており、ガントリ部22は、ステージ10をY軸方向に跨いだ状態でX軸方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、基台1のY軸方向両端部分にはそれぞれX軸方向に延びるレール(不図示)が設置されており、脚部22aがこのレールにスライド自在に取り付けられている。そして、脚部22aにはリニアモータが取り付けられており、このリニアモータを駆動制御することにより、ガントリ部22がX軸方向に移動し、任意の位置で停止できるようになっている。
また、ビーム部材22bは、両脚部22aを連結する柱状部材であり、石材で形成されている。このビーム部材22bには、ヘッドユニット21が取付けられている。具体的には、ビーム部材22bのX軸方向一方側の側面に、ヘッドユニット21が取り付けられており、このヘッドユニット21に設けられたノズル31a,41a(図4参照)がステージ10の表面に向く姿勢で取付けられている。したがって、ガントリ部22がX軸方向に移動又は停止するにしたがって、ヘッドユニット21もそれに付随して移動又は停止を行うことができ、ガントリ部22の移動量を調節することにより、ステージ10の表面に載置された基板W上にヘッドユニット21を位置させて基板W上に塗布材料を吐出できるようになっている。
また、ヘッドユニット21は、図4に示すように、複数のノズル31a,41aを一体化させたものであり、第1ノズルユニット30と、第2ノズルユニット40とを有している。本実施形態では、第1ノズルユニット30と第2ノズルユニット40とがX軸方向に互いに隣接して配置された状態で固定されている。すなわち、図4に示す例では、第1ノズルユニット30は、第2ノズルユニット40対して進行方向前側(塗布方向前側ともいう)に配置されており、X軸方向に移動して塗布する際に最初に基板Wと対面する側に配置されている。
第1ノズルユニット30は、通常液滴ノズル31aを有する複数のヘッドモジュール31を備えている。本実施形態では、複数のヘッドモジュール31がY軸方向に沿って配列されており、塗布方向に対して直交する方向に配置されている。ヘッドモジュール31は、複数の通常液滴ノズル31aを有しており、通常液滴ノズル31aが一方向に所定の配列ピッチで整列した状態で設けられている。この通常液滴ノズル31aは、微少液滴ノズル41aよりも大径の液滴dmを吐出するノズルであり、汎用性のあるノズルが使用されている。すなわち、ヘッドモジュール31に駆動電圧が印加されると、各通常液滴ノズル31aに共通の駆動電圧が印加され、各通常液滴ノズル31aから所定の液量の液滴dmが吐出されるようになっている。なお、本実施形態では、通常液滴ノズル31aから吐出される液滴dを特に液滴dmと呼び、後述の微少液滴ノズル41aから吐出される液滴dを特にdsと呼び、これらの液滴dm、dsを区別する必要がないときは、単に液滴dと呼ぶことにする。
また、ヘッドモジュール31は、それぞれが互いに重複する部分を有するようにずらして配置されている。図4の例では、隣接するヘッドモジュール31がX軸方向に交互にずらして配置されている。すなわち、これらのヘッドモジュール31は、通常液滴ノズル31aの配置間隔とヘッドモジュール31の両端部分とでは寸法が異なっているため、この両端部分の寸法分を相殺できるようにX軸方向にずらしつつY軸方向に配列される。すなわち、第1ノズルユニット30は、X軸方向に見て通常液滴ノズル31aがY軸方向に等間隔で配置されており、第1ノズルユニット30全体としてX軸方向に見て、すべての通常液滴ノズル31aがY軸方向に沿って配列ピッチtで配列され、X軸方向から見てY軸方向に亘って等間隔で配置されている。
また、第2ノズルユニット40は、複数の微少液滴ノズル41aを有しており、一方向(本実施形態ではY軸方向)に所定ピッチで整列した状態で配置されている。この微少液滴ノズル41aは、通常液滴ノズル31aが吐出する液滴dmよりも小径の液滴dsを吐出するノズルであり、通常液滴ノズル31aよりも少ない液量の液滴dsを吐出することができる。本実施形態では、例えば、微少液滴ノズル41aから、通常液滴ノズル31aの1/100の量の液滴dsが吐出されるようになっている。
また、第2ノズルユニット40は、上述の第1ノズルユニット30と同様の構成を有しており、微少液滴ノズル41aの配置は第1ノズルユニット30の通常液滴ノズル31a配置と同一に形成されている。すなわち、隣接するヘッドモジュール41は、ヘッドモジュール41の両端部分の寸法分を相殺できるようにX軸方向に交互にずれるように配置されている。また、この第2ノズルユニット40の各微少液滴ノズル41aは、ヘッドユニット21に搭載された状態では、各微少液滴ノズル41aがX軸方向から見て第1ノズルユニット30の各通常液滴ノズル31aと同じ位置に位置するように取り付けられている。すなわち、第2ノズルユニット40の微少液滴ノズル41aは、X軸方向への所定量走査後、第1ノズルユニット30の通常液滴ノズル31aが位置していたノズル位置に確実に位置できるようになっている。これにより、第1ノズルユニット30の通常液滴ノズル31aが液滴dmを着弾させた膜形成領域Sに第2ノズルユニット40の微少液滴ノズル41aが確実に液滴dsを着弾させることができるようになっている。なお、本実施形態では、通常液滴ノズル31aと微少液滴ノズル41aとを区別する必要がない場合は、単にノズル31a、41aともいう。
また、本実施形態のインクジェット塗布装置は装置全体の動作を統括する制御装置(不図示)を有している。この制御装置は、予め記憶されたプログラムに従って一連の塗布動作を実行すべく、各ユニットのサーボモータ、リニアモータ等の駆動装置を駆動制御するとともに塗布動作に必要な各種演算を行うものである。
この制御装置には、各ノズル31a、41aから吐出される塗布材料の吐出位置(設定着弾位置)が記憶されており、この設定着弾位置がそれぞれのノズル31a、41a毎に設定されている。本実施形態では、図3に示すように、製品基板の膜形成領域Sに対応するように基板W上に複数の塗布膜Cが形成されるように設定されており、塗布膜Cが形成されるべき膜形成領域Sに応じたアライメントマーク(不図示)を基準とした設定着弾位置が設定されている。
また、制御装置には、通常液滴ノズル31aから吐出される塗布液の液量が記憶されている。すなわち、1つの通常液滴ノズル31aによって1つの画素領域(膜形成領域S)に着弾させたときの液量がそれぞれの通常液滴ノズル31aについて記憶されている。例えば、第1ノズルユニット30の通常液滴ノズル31aは、10(pl)(基準塗布量)の液滴が吐出できるように設計されているが、機械的な精度誤差等により、実際に吐出させた場合には、10.1(pl)の液滴であったり、9.9(pl)の液滴が吐出される通常液滴ノズル31aも存在する。このような微少誤差分も含めて各通常液滴ノズル31aが実際に膜形成領域Sに必要となる液滴dmを吐出したときの液量が記憶されている。
また、制御装置には、各画素領域(膜形成領域S)に吐出される液量が均一になるように各通常液滴ノズル31aに対する微少液滴ノズル41aの調整量が記憶されている。すなわち、ある膜形成領域Sに通常液滴ノズル31aで吐出した液量の不足分が微少液滴ノズル41aで補充されて調節されるが、その補充量が記憶されている。例えば、ある膜形成領域Sに基準塗布量である10(pl)の液量を塗布する場合、通常液滴ノズル31aの精度誤差により、基準塗布量10(pl)より少ない9.9(pl)しか吐出しない通常液滴ノズル31aでは、膜形成領域Sに対して0.1(pl)の塗布液が不足する。そのため、9.9(pl)しか吐出しない通常液滴ノズル31aの膜形成領域Sに対して、微少液滴ノズル41aで0.1(pl)の液滴dsが吐出されるように設定されている。そして、本実施形態では、通常液滴ノズル31aのうち、膜形成領域Sに吐出された液量が最大になった液量に対する不足分が、微少液滴ノズル41aの補充量として記憶されている。
次にこのインクジェット塗布装置の動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1により基板Wが搬入される。具体的には、ロボットハンド等により基板Wがステージ10上に載置される。基板Wがステージ10に載置され基板Wが保持されると、基板Wのアライメントマークが取り込まれ、このアライメントマークを基準に設定着弾位置が補正される。すなわち、ステージ10上の基板Wに対して、各ノズル31a、41a毎に設定着弾位置、及び、液滴供給量が設定される。なお、本実施形態では、各膜形成領域Sに30(pl)が供給される場合について説明する。
次に、ステップS2により塗布工程が行われる。この塗布工程は、塗布膜形成工程、液量調節工程で構成されている。
まず、ステップS21により塗布膜形成工程が行われる。具体的には、図3に示すように、第1ノズルユニット及び第2ノズルユニットが初期位置に配置され、塗布方向に走行しつつ通常液滴ノズルから設定された膜形成領域Sに液滴dを着弾させることにより、膜形成領域Sに塗布膜Cを形成する。本実施形態では、各膜形成領域Sに30(pl)液滴dさせるように設定されているため、各膜形成領域Sに対し通常液滴ノズル31aから3滴分の液滴dが吐出される(図5(a))。ここで、上述したように通常液滴ノズル31aは、精度誤差等の影響により、各膜形成領域Sに吐出される液量は正確には30(pl)ではなく、図5(b)に一例として示すように、膜形成領域Sには、30(pl)、29.8(pl)、30.2(pl)の液量が吐出されている。
次に、ステップS22により液量調節工程が行われる。すなわち、第2ノズルユニット40の微少液滴ノズル41aから液滴dmを吐出することにより、各膜形成領域Sの液量が最大の液量である30.2(pl)に調節される。具体的には、図5(b)に示すように、塗布液が30(pl)吐出された膜形成領域Sには、微少液滴ノズル41aから2滴吐出されることにより30.2(pl)に調節される。同様に、塗布液が29.8(pl)吐出された膜形成領域Sには、微少液滴ノズル41aから4滴吐出されることにより30.2(pl)に調節される。なお、塗布液が30.2(pl)吐出された膜形成領域Sには、微少液滴ノズル41aから液滴dが吐出されることはない。このように、通常液滴ノズル31aで吐出された後、各膜形成領域Sの液量が微少液滴ノズル41aで調節されることにより、各膜形成領域Sの液量が均一になるように調節される。仮に微少液滴ノズル41aから吐出される液量に精度誤差による誤差が生じているとしても、吐出量の多い通常液滴ノズル31aの精度誤差による液量誤差よりも小さいため、各膜形成領域Sに供給される液量のバラツキを効果的に抑えることができる。
なお、液量調節工程の開始は、塗布膜形成工程の完了後であってもよいし、塗布膜形成工程により液滴された膜形成領域Sが形成された後すぐに開始してもよい。
次に、ステップS3により、基板Wの排出が行われる。具体的には、上記塗布膜形成工程、液量調節工程によりすべての膜形成領域Sに塗布膜Cが形成されると、ロボットハンド等によりステージ10に載置された基板Wが排出され、基板Wは後工程である乾燥装置に搬送される。
このように、上記実施形態における塗布膜C形成方法、及び、インクジェット塗布装置によれば、塗布膜形成工程により各画素に液滴dmを行って塗布膜Cを形成した後、液量調節工程により、各画素内の塗布液の液量が調節されるため、各画素に供給される塗布液の液量を均一にすることができる。具体的には、塗布膜形成工程により液滴dmを行った後、液量が最も多い液量が吐出される画素内の液量に合わせるように、液量調節工程において不足分の液滴dsが補充されるため、すべての画素の液量を均一に調節することができる。したがって、従来のように、各ノズル31a、41a毎にピエゾ駆動電圧を制御して液滴量を調節し、各ノズルから吐出される液滴量を精度よく設定できる高価なヘッドユニットを用いなくても、塗布膜形成工程後の液量調節工程において膜形成領域Sの液量を精度よく調節し、膜形成領域Sに形成される塗布膜Cを均一にすることができる。
また、上記実施形態では、塗布膜形成工程で膜形成領域Sに供給された液量が最も多い液量に各膜形成領域Sの液量が調節される例について説明したが、各膜形成領域Sの液量が、予め設定された液量に調節されるものであってもよい。すなわち、塗布膜形成工程において、膜形成領域Sに通常液滴ノズル31aにより、29.8(pl)、29.5(pl)、29.2(pl)のように、各膜形成領域Sに設定された30(pl)に満たない液量が供給された場合、液量調節工程において、微少液滴ノズル41aにより、それぞれ0.2(pl)、0.5(pl)、0.8(pl)の液滴を吐出して設定された液量30(pl)に調節されるものであってもよい。すなわち、膜形成領域Sに設定された液量、もしくは、塗布膜形成工程で各膜形成領域Sに供給される液量の最も多い液量のうち、多い方の液量に合わせるように調節されれば、各膜形成領域Sに供給される液量を均一にすることができる。
また、上記実施形態では、通常液滴ノズル31aよりも微少粒径を吐出する微少液滴ノズル41aを有する例について説明したが、通常液滴ノズル31aからの液滴量を変更できる場合には、通常ノズル31aを有する第1ノズルユニットを塗布方向に2段設け、塗布方向前側に通常液滴量の通常液滴ノズル31aを有する第1ノズルユニット30を配置し、塗布方向後ろ側に吐出される液量を少量に設定した通常液滴ノズル31aを有する第1ノズルユニット30を設けるものであってもよい。
また、上記実施形態では、通常液滴ノズル31aよりも少量の液滴dを吐出して調節する例について説明したが、通常液滴ノズル31aの液滴量のバラツキによっては、通常液滴ノズル31aと同じ液滴量を吐出して調節するものであってもよい。例えば、比較的液滴量が多い通常液滴ノズル31aと比較的液滴量の少ない通常ノズル31aを組み合わせることにより膜形成領域Sに供給される液滴量を調節することができる。
また、上記実施形態では、第1ノズルユニット30の塗布方向後ろ側に第2ノズルユニット40が配置される例について説明したが、第1ノズルユニット30の塗布方向両側(前後両側)にそれぞれ第2ノズルユニット40が配置されるものであってもよい。このように配置することにより、塗布方向における往路、復路、いずれにおいても第1ノズルユニット30の通常液滴ノズル31aで吐出する塗布膜形成工程を行った後、すぐに第1ノズルユニット40の塗布方向後ろ側に位置する第2ノズルユニット40の微少液滴ノズル41aによる液量調節工程を行うことができる。
また、上記実施形態では、第1ノズルユニット30の通常液滴ノズル31a、第2ノズルユニット40の微少液滴ノズル41a共に、塗布方向と直交する方向に配列される例について説明したが、第1ノズルユニット30及び第2ノズルユニット40共に、塗布方向に対して所定角度傾斜させることにより、各ノズル31a、41a間の寸法を塗布方向に対して狭くさせて解像度を向上させるように構成してもよい。
2 液滴ノズルユニット
10 ステージ
21 ヘッドユニット
30 第1ノズルユニット
31a 通常液滴ノズル
40 第2ノズルユニット
41a 微少液滴ノズル(第2ノズルユニット)
C 塗布膜
S 膜形成領域
W 基板

Claims (5)

  1. 複数に区画された基材上の膜形成領域にインクジェット法により液滴を行って塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
    前記膜形成領域に液滴を吐出することにより塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
    前記塗布膜形成工程で吐出された各膜形成領域の液量を調節する液量調節工程と、
    を有し、
    前記液量調節工程では、前記膜形成領域に設定された液量に各膜形成領域の液量が調節されることを特徴とする塗布膜形成方法。
  2. 前記液量調節工程は、前記膜形成領域に設定された液量よりも前記塗布膜形成工程で吐出された液量が多い場合には、前記塗布膜形成工程で吐出された液量が最も多い液量に各膜形成領域の液量が調節されることを特徴とする請求項1に記載の塗布膜形成方法。
  3. 前記液量調節工程では、塗布ノズルから吐出される液滴量が、前記塗布膜形成工程で塗布ノズルから吐出される液滴量よりも少量の液滴によって各膜形成領域の液量が調節されることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布膜形成方法。
  4. 基材を載置するステージと、
    前記ステージに載置された基材に対し相対的に移動しつつ、液滴を吐出して基材に塗布膜を形成する液滴ノズルユニットと、
    を備え、
    前記液滴ノズルユニットは、基材上の膜形成領域に液滴を吐出する通常液滴ノズルと、
    前記液滴ノズルよりも液滴量よりも少量の液滴を吐出する微少液滴ノズルと、
    を有し、
    前記微少液滴ノズルは、前記通常液滴ノズルよりも塗布方向後側に配置されていることを特徴とするインクジェット塗布装置。
  5. 前記微少液滴ノズルは、通常液滴ノズルの塗布方向両側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット塗布装置。
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