JP2018061382A - 永久磁石電動機 - Google Patents

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Tetsuya Tsuruta
哲也 鶴田
村上 正憲
Masanori Murakami
正憲 村上
慎悟 鈴木
Shingo Suzuki
慎悟 鈴木
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Abstract

【課題】軸受の電食を防止するために、絶縁部材に軸方向に延びる穴を形成した場合でも、絶縁部材の強度を確保すること。【解決手段】回転子3は、環状の永久磁石31と、永久磁石31の内径側に位置する環状の外周側鉄心32と、外周側鉄心32の内径側に位置する環状の内周側鉄心34と、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間に位置する絶縁部材33と、内周側鉄心34の中心軸Oに沿って設けられたシャフト35を備えており、外周側鉄心32は、内周面321から内径側に突出する複数の外周側凸部322を備え、内周側鉄心34は、外周面341から外径側に突出する複数の内周側凸部342を備え、絶縁部材33は、絶縁部材33の軸方向の一端面33aに開口する第1止まり穴331と絶縁部材33の軸方向の他端面33bに開口する第2止まり穴332を有し、第1止まり穴331と第2止まり穴332の間には壁部333が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、絶縁部材を有する回転子を備えた永久磁石電動機に関する。
従来の永久磁石電動機には、回転磁界を発生する固定子の内部に、永久磁石を有する回転子を回転可能に配置したインナーロータ型の永久磁石電動機が知られている。この永久磁石電動機は、例えば、空気調和機に搭載する送風ファンを回転駆動するために用いられる。
この永久磁石電動機を高周波スイッチングを行うPWM方式のインバータで駆動すると、軸受の内輪と外輪の間に電位差(軸電圧)が生じ、この軸電圧が軸受内部の油膜の絶縁破壊電圧に達すると、軸受内部に電流が流れて軸受内部に電食を発生させる。この軸受の電食を防止するために、例えば、絶縁部材を有する回転子を備えたものが知られている。この回転子は、例えば、環状の永久磁石と、永久磁石の内径側に位置する環状の外周側鉄心と、外周側鉄心の内径側に位置する環状の内周側鉄心と、外周側鉄心と内周側鉄心の間に位置する絶縁部材と、内周側鉄心の中心軸の方向に貫通する貫通穴に固着されたシャフトを備えている。
このような回転子の絶縁部材は、例えば、外周側鉄心と内周側鉄心の間に充填された樹脂で形成されている。また、回転子の外周側鉄心と内周側鉄心は、それぞれに複数の凸部が形成されている。複数の凸部は、外周側鉄心および内周側鉄心と絶縁部材との回り止めのために、それぞれ、外周側鉄心の内周面から内径側に突出し、内周側鉄心の外周面から外径側に突出するものである(例えば、特許文献1参照)。さらに、特許文献1に記載の回転子では、外周側鉄心と内周側鉄心に形成されたそれぞれの凸部が、内周側鉄心の中心軸から径方向を見たときに重なる位置に配置されている。
特開2012−39875号公報
ところで、上述した軸受の電食は、永久磁石電動機をPWM方式のインバータで駆動すると、固定子の巻線の中性点電位が零にならず、コモンモード電圧と呼ばれる電圧が発生する。このコモンモード電圧は、スイッチングによる高周波成分が含まれるため、永久磁石電動機の内部の浮遊容量分布によって、軸受の外輪と内輪の間に軸電圧を発生させる。
コモンモード電圧は、固定子の巻線とシャフトの間の静電容量分布と、シャフトとインバータ駆動用回路基板の間の静電容量分布により、軸受の内輪側(シャフト側)の電位として分圧される。そして、コモンモード電圧は、固定子の巻線とブラケットの間の静電容量分布と、ブラケットとインバータ駆動用回路基板の間の静電容量分布により、軸受の外輪側(ブラケット側)の電位として分圧される。この軸受の内輪側と外輪側の電位差が軸電圧となる。
このような軸電圧を抑制するために、軸受の内輪側(シャフト側)の電位と軸受の外輪側(ブラケット側)の電位をバランスさせることが必要であり、引用文献1に記載の回転子では、外周側鉄心と内周側鉄心の間に絶縁部材を充填して、外周側鉄心と内周側鉄心の間の静電容量(固定子の巻線とシャフトの間の静電容量分布の一部)を小さくして軸受の内輪側の電位を下げて内輪側と外輪側の電位を合わせている。
しかしながら、特許文献1に記載の回転子のように、外周側鉄心と内周側鉄心に形成されたそれぞれの凸部が、内周側鉄心の中心軸から径方向を見たときに重なる位置に配置され、それぞれの凸部の間に絶縁部材が充填された構造では、それぞれの凸部の間の距離が近くなる。回転子の外周側鉄心と内周側鉄心の間の静電容量は、これらの凸部の間の距離に依存し、凸部の間の距離が近くなると、外周側鉄心と内周側鉄心の間の静電容量が大きくなる。外周側鉄心と内周側鉄心の間の静電容量が大きくなると、内輪側の電位が高くなり、軸電圧を抑制できず、この結果、軸受の電食を生じさせるおそれがあった。
特許文献1に記載の回転子は、外周側鉄心と内周側鉄心の間の静電容量を小さくするため、絶縁部材には、内周側鉄心の中心軸から径方向を見たときに、外周側鉄心と内周側鉄心に形成されたそれぞれの凸部が重ならない位置に軸方向に延びる穴が形成されている。この軸方向に延びる穴は、例えば、絶縁部材の軸方向に貫通した貫通穴であり、絶縁部材の誘電率を小さくし、外周側鉄心と内周側鉄心の間の静電容量を小さくするようにしている。しかしながら、絶縁部材は樹脂で形成されており、外周側鉄心や内周側鉄心よりも弱い(もろい)ので、外周側鉄心と内周側鉄心の間の静電容量を小さくするために、絶縁部材に多くの貫通穴や大きな貫通穴を形成するほど、絶縁部材の強度が低下するおそれがあった。
本発明は上記問題点に鑑み、軸受の電食を防止するために、絶縁部材に軸方向に延びる穴を形成した場合でも、絶縁部材の強度を確保することができる永久磁石電動機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の永久磁石電動機は、固定子と固定子の内部に配置された回転子を備え、回転子は、環状の永久磁石と、永久磁石の内径側に位置する環状の外周側鉄心と、外周側鉄心の内径側に位置する環状の内周側鉄心と、外周側鉄心と内周側鉄心の間に位置する絶縁部材と、内周側鉄心の中心軸に沿って設けられたシャフトを備えている。
そして、外周側鉄心は、内周面から内径側に突出する複数の外周側凸部を備え、内周側鉄心は、外周面から外径側に突出する複数の内周側凸部を備えている。
さらに、絶縁部材は、絶縁部材の軸方向の一端面に開口する第1止まり穴と絶縁部材の軸方向の他端面に開口する第2止まり穴を有し、第1止まり穴と第2止まり穴の間に壁部が設けられていることを特徴とする。
本発明の永久磁石電動機によれば、軸受の電食を防止するために、絶縁部材に軸方向に延びる穴を形成した場合でも、絶縁部材の強度を確保することができる。
本発明による永久磁石電動機を示す説明図である。 本発明による永久磁石電動機の回転子の第1の実施形態を示す平面図である。 図2のA−A’断面図である。 図2のB−B’断面図であり、(a)は全体の断面図、(b)は(a)のE矢視の囲み部分の部分断面図である。 本発明による永久磁石電動機の回転子の第1の実施形態を示す横断面図である。 本発明による永久磁石電動機の回転子の第2の実施形態を示す平面図である。 図6のC−C’断面図であり、(a)は全体の断面図、(b)は(a)のF矢視の囲み部分の部分断面図である。 図6のD−D’断面図であり、(a)は全体の断面図、(b)は(a)のG矢視の囲み部分の部分断面図である。 本発明による永久磁石電動機の回転子の第2の実施形態を示す横断面図である。
<モータの全体構成>
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1乃至図9は、本実施形態における永久磁石電動機1の構成を説明する図である。図1乃至図9に示すように、この永久磁石電動機1は、例えば、ブラシレスDCモータであり、空気調和機の室内機に搭載される送風ファンを回転駆動するために用いられる。以下では、回転磁界を発生する固定子2の内部に、永久磁石31を有する回転子3を回転可能に配置したインナーロータ型の永久磁石電動機1を例に説明する。本実施形態における永久磁石電動機1は、固定子2と、回転子3と、第1軸受41と、第2軸受42と、第1ブラケット51と、第2ブラケット52を備えている。
<固定子と回転子>
固定子2は、円筒形状のヨーク部とヨーク部から内径側に延びる複数のティース部とを有した固定子鉄心21を備え、インシュレータ22を介してティース部に巻線23が巻回されている。この固定子2は、固定子鉄心21の内周面を除いて、樹脂で形成されたモータ外郭6で覆われている。回転子3は、環状の永久磁石31とシャフト35を有し、永久磁石31は、後述する外周側鉄心32や絶縁部材33や内周側鉄心34を介してシャフト35の周囲に一体的に配置されている。この回転子3は、固定子2の固定子鉄心21の内周側に所定の空隙(ギャップ)をもって回転自在に配置されている。
<軸受とブラケット>
第1軸受41は、回転子3のシャフト35の一端側(出力側)を支持している。第2軸受42は、回転子3のシャフト35の他端側(反出力側)を支持している。第1軸受41および第2軸受42は、例えば、ボールベアリングが用いられる。
第1ブラケット51は、金属製(鋼板やアルミニウムなど)であり、回転子3のシャフト35の一端側のモータ外郭6に固定されている。第1ブラケット51は、底面を有する円筒形状のブラケット本体部511と、底面に設けられ第1軸受41を収容するための第1軸受収容部512を有する。第1ブラケット51のブラケット本体部511は、モータ外郭6の外周面に圧入されている。第1ブラケット51の第1軸受収容部512は、底面を有する円筒形状に形成されており、底面の中央に孔を有し、この孔からシャフト35の一端側が突出している。
第2ブラケット52は、金属製(鋼板やアルミニウムなど)であり、回転子3のシャフト35の他端側のモータ外郭6に配置されている。第2ブラケット52は、第2軸受42を収容するための第2軸受収容部521と、第2軸受収容部521の周りに広がるフランジ部522を有する。第2ブラケット52の第2軸受収容部521は、底面を有する円筒形状に形成されており、第2ブラケット52のフランジ部522は、一部が樹脂で覆われモータ外郭6と一体になっている。
第1軸受41は、第1ブラケット51に設けられた第1軸受収容部512に収容され、第2軸受42は、第2ブラケット52に設けられた第2軸受収容部521に収容されており、第1軸受41と第1軸受収容部512、第2軸受42と第2軸受収容部521はそれぞれ電気的に導通している。
<回転子の具体的な構成>
<回転子の第1の実施形態>
以上のように構成された永久磁石電動機1では、第1軸受41や第2軸受42に電食が生じないようにするため、図1に示すように、回転子3の一部に絶縁部材33を備えている。以下、回転子3の第1の実施形態について説明する。回転子3は、図1乃至図5に示すように、外径側から内径側に向って、永久磁石31と、外周側鉄心32と、絶縁部材33と、内周側鉄心34と、シャフト35を備えている。
永久磁石31は、環状に形成されており、N極とS極が周方向に等間隔に交互に表れるように複数(例えば8個)の永久磁石片311が配置されている。なお、永久磁石31は、磁石粉末を樹脂で固めることで環状に形成されたプラスチックマグネットを用いてもよい。外周側鉄心32は、環状に形成されており、永久磁石31の内径側に位置している。外周側鉄心32には、後述する絶縁部材33との回り止めの機能を確保するために、内周面321から内径側に突出する複数(例えば8個)の外周側凸部322を備えている。複数の外周側凸部322は、中心軸Oの方向に延びるとともに周方向に等間隔に配置されている。
内周側鉄心34は、環状に形成されており、外周側鉄心32の内径側に位置している。内周側鉄心34には、後述する絶縁部材33との回り止めの機能を確保するために、外周面341から外径側に突出する複数(例えば8個)の内周側凸部342と、中心に中心軸Oの方向に貫通する貫通穴343を備えている。複数の内周側凸部342は、中心軸Oの方向に延びるとともに周方向に等間隔に配置されている。絶縁部材33は、PBTやPETなどの誘電体の樹脂で形成されており、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間に位置している。絶縁部材33は、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間に樹脂が充填されることで、外周側鉄心32と内周側鉄心34に一体成形されており、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量(固定子2の巻線23とシャフト35の間の静電容量分布の一部)を小さくして第1軸受41および第2軸受42の内輪側の電位を下げて内輪側と外輪側の電位を合わせている。シャフト35は、内周側鉄心34に備えた貫通穴343に圧入やカシメなどによって固着されている。
<本発明に関わる回転子の構造、作用および効果>
次に、本実施形態における永久磁石電動機1において、図2乃至図5を用いて、本発明に関わる回転子1の構造や、その作用および効果について説明する。上記した回転子3の構成において、外周側鉄心32の外周側凸部322と内周側鉄心34の内周側凸部342とが、背景技術の欄で述べた特許文献1に記載の回転子のように、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに重なる位置に配置された場合、次のような問題がある。
空気調和機に搭載する送風ファンを回転駆動するために用いられる永久磁石電動機1は、PWM方式のインバータで駆動されるため、巻線の中性点電位が零にならず、コモンモード電圧と呼ばれる電圧が発生する。このコモンモード電圧に起因して、永久磁石電動機1の内部の浮遊容量分布によって、第1軸受41や第2軸受42の外輪と内輪の間に電位差(軸電圧)が発生する。この軸電圧が軸受内部の油膜の絶縁破壊電圧に達すると、軸受内部に電流が流れて軸受内部に電食を発生させる。
回転子3は、絶縁部材33が外周側鉄心32と内周側鉄心34の間に充填されて、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量を小さくする構造になっているが、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の距離が他の部分に比べて外周側凸部322と内周側凸部342の間で近くなる。このような外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量は、外周側凸部322と内周側凸部342の間の距離に依存し、外周側凸部322と内周側凸部342の間の距離が近くなると、その部分の静電容量が大きくなり、全体として外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量が大きくなる。
外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量が大きくなると、軸電圧が上昇し、第1軸受41や第2軸受42に電食が発生するおそれがある。上記した回転子3の構成において、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量を小さくするため、背景技術の欄で述べた特許文献1に記載の回転子のように、絶縁部材33には、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに、外周側鉄心32の外周側凸部322と内周側鉄心34の内周側凸部342が重ならない位置(外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の距離が他の部分に比べて遠くなる部分)に、内周側鉄心34の中心軸Oの方向に貫通した貫通穴を形成すれば良いが、次のような問題がある。絶縁部材33は樹脂で形成されており、金属の外周側鉄心32や内周側鉄心34よりも弱い(もろい)ので、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量を小さくするために、絶縁部材33に多くの貫通穴や大きな貫通穴を形成するほど、絶縁部材33の強度が低下するおそれがある。したがって、第1軸受41や第2軸受42の電食を防止するために、絶縁部材33に軸方向に延びる穴を形成した場合でも、絶縁部材33の強度を確保する必要性があった。
そこで、第1の実施形態による回転子3では、外周側凸部322と内周側凸部342は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに重なる位置に配置している。絶縁部材33は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに外周側凸部322と内周側凸部342が重なる位置に、第1止まり穴331と第2止まり穴322と壁部333を有している。第1止まり穴331は、シャフト35と平行に伸び絶縁部材33の軸方向の一端面33aに開口する穴である。第2止まり穴332は、シャフト35と平行に伸び絶縁部材33の軸方向の他端面33bに開口する穴である。第1止まり穴331と第2止まり穴332は、行き止まりの穴(絶縁部材33の全体を貫通させず、絶縁部材33の軸方向の途中までしかない穴)になっている。第1止まり穴331と第2止まり穴332は、同軸上に配置された丸穴である。壁部333は、第1止まり穴331の底部331aと第2止まり穴332の底部332aの間に設けられており、本実施形態では、絶縁部材33の軸方向の中央部分に形成されている。この壁部333があることで貫通穴を形成した場合に比べて絶縁部材33の強度を確保することができる。
ところで、壁部333の厚さtが厚いほど、絶縁部材33の体積が増えるため、絶縁部材33の強度を上げることができる。しかしながら、壁部333の厚さtを厚くし絶縁部材33の体積を増やすと、外周側凸部322と内周側凸部342の間の静電容量が大きくなる。そこで、絶縁部材33の強度の確保と外周側凸部322と内周側凸部342の間の静電容量の低減を両立するため、本出願人は、図4に示すように、壁部333について、壁部333の内周側鉄心34側の付け根部333aと、壁部333の外周側鉄心32側の付け根部333bに着目することにした。そこで、壁部333について、壁部333の内周側鉄心34側の付け根部333aと、壁部333の外周側鉄心32側の付け根部333bのそれぞれに加わる力を比較すると、内周側鉄心34側の付け根部333aに加わる力が外周側鉄心32側の付け根部333bに加わる力よりも大きくなる。従って、壁部333の厚さtは、加わる力が大きくなる内周側鉄心34側の付け根部333aに加わる力に十分耐えられる厚さにする必要がある。一方、外周側鉄心32側の付け根部333bは、内周側鉄心34側の付け根部333aに比べて加わる力が小さくなるため、必要な壁部333の厚さtは、内周側鉄心34側の付け根部333aに比べて外周側鉄心32側の付け根部333bよりも薄くてもよい。
以上のことから、壁部333の厚さtは、一律の厚さにするのではなく、内周側鉄心34側の付け根部333aでは、内周側鉄心34側の付け根部333aに加わる力に合わせた厚さとし、外周側鉄心32側の付け根部333bでは、外周側鉄心34側の付け根部333bに加わる力に合わせた厚さとすれば、絶縁部材33の強度の向上と外周側凸部322と内周側凸部342の間の静電容量の低減を両立することができる。つまり、壁部333の厚さtを、加わる力が大きい内周側鉄心34側の付け根部333aでは厚く形成し、加わる力が小さい外周側鉄心32側の付け根部333bでは薄く形成することにより、絶縁部材33の強度を確保しながら無駄な絶縁部材33の体積を削減し、外周側鉄心32と内周側鉄心34の間の静電容量を低減することができる。本実施形態では、図4に示すように、壁部333の厚さtを、内周側鉄心34側の付け根部333aではt1、外周側鉄心32側の付け根部333bではt2とし、t1>t2の関係になるようにした。例えば、壁部333の厚さtを、内周側鉄心34側から外周側鉄心32側に向かうに従い徐々に小さくなるようにした。以上説明したように、第1の実施形態による回転子3によれば、第1軸受41や第2軸受42に電食が発生するのを防止するため、絶縁部材33に第1止まり穴331と第2止まり穴332を形成した場合でも、絶縁部材33の強度を確保することができる。
<回転子の第2の実施形態>
次に、図6乃至図9を用いて、本発明における回転子3の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態と異なる点は、外周側鉄心32の外周側凸部322と内周側鉄心34の内周側凸部342の配置と、絶縁部材33の第1止まり穴331、第2止まり穴332および壁部333の配置が相違する点である。なお、回転子3のこれ以外の構成については、上述した第1の実施形態と同じであるため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
回転子3は、図6乃至図9に示すように、外周側鉄心32の外周側凸部322と内周側鉄心34の内周側凸部342は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに重ならない位置に配置されている。また、絶縁部材33は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに、外周側鉄心32の外周側凸部322と重なる位置と、内周側鉄心34の内周側凸部342と重なる位置のそれぞれに、第1止まり穴331と第2止まり穴322と壁部333を有している。第1止まり穴331は、シャフト35と平行に伸び絶縁部材33の軸方向の一端面33aに開口する穴である。第2止まり穴332は、シャフト35と平行に伸び絶縁部材33の軸方向の他端面33bに開口する穴である。第1止まり穴331と第2止まり穴332は、上述した第1の実施形態と同様に、行き止まりの穴であり、同軸上に配置された丸穴である。壁部333は、第1止まり穴331の底部331aと第2止まり穴332の底部332aの間に設けられており、本実施形態では、絶縁部材33の軸方向の中央部分に形成されている。
そして、本実施形態では、図7および図8に示すように、上述した第1の実施形態と同様に、壁部333の厚さtを、内周側鉄心32側の付け根部333aではt1、外周側鉄心32側の付け根部333bではt2とし、t1>t2の関係になるようにした。例えば、壁部333の厚さtを、内周側鉄心34側から外周側鉄心32側に向かうに従い徐々に小さくなるようにした。以上説明したように、第2の実施形態による回転子3によれば、上述した第1の実施形態と同様に、第1軸受41や第2軸受42に電食が発生するのを防止するため、絶縁部材33に第1止まり穴331と第2止まり穴332を形成した場合でも、絶縁部材33の強度を確保することができる。
なお、上述した第1及び第2の実施形態による回転子3では、絶縁部材33の第1止まり穴331と第2止まり穴332は、同軸上に配置された丸穴としたが、本発明はこれに限らず、同軸上に配置された四角形や扇形などのその他の形状の穴としてもよい。そして、上述した第1及び第2の実施形態による回転子3では、第1止まり穴331と第2止まり穴332を同軸上に配置するようにしたが、本発明はこれに限らず、第1止まり穴331と第2止まり穴332を同軸上に配置しなくてもよい。そして、上述した第1及び第2の実施形態による回転子3では、壁部333は、第1止まり穴331と第2止まり穴332の間に位置しており、絶縁部材33の軸方向の中央部分に形成されているが、本発明はこれに限らず、例えば、第1止まり穴331の深さを第2止まり穴332の深さよりも深くし、絶縁部材33の軸方向の中央部分以外に形成されていてもよい。そして、上述した第1及び第2の実施形態による回転子3では、壁部333の厚さtを、内周側鉄心34側から外周側鉄心32側に向かうに従い徐々に小さくなるようにしたが、本発明はこれに限らず、t1>t2の関係になっていれば、必ずしも内周側鉄心34側から外周側鉄心32側に向かうに従い徐々に小さくならなくてもよい。
また、上述した第1の実施形態による回転子3では、絶縁部材33は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに、外周側凸部322と内周側凸部342が重なる位置に、第1止まり穴331と第2止まり穴332と壁部333が形成されているが、本発明はこれに限らず、絶縁部材33は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに、外周側凸部322と内周側凸部342が重ならない位置に、第1止まり穴331と第2止まり穴332と壁部333が形成されていてもよい。さらに、上述した第2の実施形態による回転子3では、絶縁部材33は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに、外周側鉄心32の外周側凸部322と重なる位置と、内周側鉄心34の内周側凸部342と重なる位置のそれぞれに、第1止まり穴331と第2止まり穴332と壁部333が形成されているが、本発明はこれに限らず、絶縁部材33は、内周側鉄心34の中心軸Oから径方向を見たときに、外周側鉄心32の外周側凸部322と重なる位置、または、内周側鉄心34の内周側凸部342と重なる位置のいずれか一方に、第1止まり穴331と第2止まり穴332と壁部333が形成されていてもよい。
1 永久磁石電動機
2 固定子
21 固定子鉄心
22 インシュレータ
23 巻線
3 回転子
31 永久磁石
311 永久磁石片
32 外周側鉄心
321 内周面
322 外周側凸部
33 絶縁部材
33a 一端面
33b 他端面
331 第1止まり穴
331a 底部
332 第2止まり穴
332a 底部
333 壁部
333a 付け根部
333b 付け根部
34 内周側鉄心
341 外周面
342 内周側凸部
343 貫通穴
35 シャフト
41 第1軸受
42 第2軸受
51 第1ブラケット
511 ブラケット本体部
512 第1軸受収容部
52 第2ブラケット
521 第2軸受収容部
522 フランジ部
6 モータ外郭
O 中心軸
t1 内周側鉄心34側の付け根部333aの厚さ
t2 外周側鉄心32側の付け根部333bの厚さ

Claims (3)

  1. 固定子と前記固定子の内部に配置された回転子を備え、
    前記回転子は、環状の永久磁石と、前記永久磁石の内径側に位置する環状の外周側鉄心と、前記外周側鉄心の内径側に位置する環状の内周側鉄心と、前記外周側鉄心と前記内周側鉄心の間に位置する絶縁部材と、前記内周側鉄心の中心軸に沿って設けられたシャフトを備えた永久磁石電動機であって、
    前記外周側鉄心は、内周面から内径側に突出する複数の外周側凸部を備え、
    前記内周側鉄心は、外周面から外径側に突出する複数の内周側凸部を備え、
    前記絶縁部材は、前記絶縁部材の軸方向の一端面に開口する第1止まり穴と前記絶縁部材の軸方向の他端面に開口する第2止まり穴を有し、
    前記第1止まり穴と前記第2止まり穴の間には壁部が設けられていることを特徴とする永久磁石電動機。
  2. 前記第1止まり穴と前記第2止まり穴は同軸上に配置され、
    前記壁部は、前記第1止まり穴の底部と前記第2止まり穴の底部の間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の永久磁石電動機。
  3. 前記壁部は、前記内周側鉄心側の付け根部の厚さよりも、前記外周側鉄心側の付け根部の厚さが薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項2記載の永久磁石電動機。
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