JP2018060350A - 機器監視装置及び機器監視方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力消費を極力無駄にすることなく、機器の電源供給が遮断された状態で発生した異常に対して当該機器の制御部が適切な判定をできるようにした機器監視装置を提供する。【解決手段】制御ユニット100の主電源50と異なるスタンバイ中動作電源51により電源供給を受けて動作し、制御ユニットに対する電源供給が遮断された状態において、機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表すスタンバイ中監視情報を保持する状態監視回路10と、制御ユニットへの電源供給が復帰されたときに、制御ユニットとともに電源供給を受けて動作し、スタンバイ中監視情報を状態監視回路から制御ユニットにて取得可能な状態で引継いて保持するバッファ部として機能するアンド回路15と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器等の機器を監視して異常であることを検出してその結果を表す監視情報を前記機器において電源供給により動作する制御部に提供する機器監視装置及び機器監視方法に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載される温度保護装置が提案されている。この温度保護装置は機器の監視装置として機能しており、当該機器の発熱部品を冷却する冷却ファンに流れる電流を監視し、その電流に基づいて異常であることを検出すると、異常検出信号を監視情報として当該機器の制御部であるマイクロコンピュータに提供する。この異常検出信号を取得したマイクロコンピュータは、その異常時の処理として、表示器に冷却ファンが異常である旨の情報を表示(報知)させ、また、当該機器の動作を停止させる。
このような温度保護装置(機器監視装置)によれば、例えば、冷却ファンがロックしてファンモータに過大電流が流れる状況では、即座にその異常を表す監視情報(異常検出信号)を機器の制御部(マイクロコンピュータ)に提供することができる。その結果、制御部(マイクロコンピュータ)は、その監視情報に基づいて、その異常に対処するための処理(例えば、警報表示、機器の動作停止等)を実行することができる。
特開平6−261441号公報
ところで、電源供給が遮断されて機器が動作していない状況において、温度等の環境条件が機器の許容範囲を越えてしまう場合がある。例えば、車両が夏場の炎天下や極寒の冬季に長時間にわたって放置されていると、車載機器の温度条件がその許容温度範囲を越えてしまう場合がある。そのような状況を経過した車両が発進する際に温度条件が許容範囲内に戻っていると、その車両の発進時に電源供給を受ける監視装置は、車載機器の温度条件は正常として判断し、当該車載機器は電源供給を受けて正規の動作を行う。
しかしながら、上述したような状況では、車両が夏場の炎天下や極寒の冬季に放置されて車載機器の温度条件が許容温度条件を越えているときに車載機器の部品が劣化するおそれがある。このため、車両の発進時に温度条件が許容範囲内に戻って監視装置に正常であると判断された車載機器が正常に動作しない可能性がある。
このようなことを回避するために、車載機器に対する電源供給を常時維持しておき、車両が停車している状況であっても、監視装置の異常検出機能、及び監視装置による異常検出時における制御部での対応処理の機能を有効にしておくことが考えられる。しかしながら、このように車載機器に対する電源供給を常時維持しておくと、車載機器での暗電流が増大して、電力消費の無駄が発生する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、電力消費を極力無駄にすることなく、機器の電源供給が遮断された状態で発生した異常に対して当該機器の制御部が適切な判定をできるようにした機器監視装置及び機器監視方法を提供するものである。
本発明に係る機器監視装置は、機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表す監視情報を前記機器において電源供給により動作する制御部に提供する機器監視装置であって、前記制御部の電源と異なる電源により電源供給を受けて動作し、前記制御部に対する電源供給が遮断された状態において、前記機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表すスタンバイ中監視情報を保持する状態監視部と、前記制御部への電源供給が復帰されたときに、当該制御部とともに電源供給を受けて動作し、前記スタンバイ中監視情報を前記状態監視部から前記制御部にて取得可能な状態で引継いて保持するバッファ部とを有する構成となる。
このような構成により、機器において制御部に対する電源供給が遮断された状態において、前記制御部の電源と異なる電源により電源供給を受ける機器監視部は、機器を監視して異常であることを検出すると、その結果を表すスタンバイ中監視情報を保持する。その後、制御部に対する電源供給が復帰すると、該制御部とともに電源供給を受けてバッファ部が前記スタンバイ中監視情報を前記情報監視部から引継いで保持する。電源供給を受ける前記制御部は前記バッファ部に保持されたスタンバイ中監視情報を取得することができる。
本発明に係る機器監視装置において、前記状態監視部は、前記機器において当該状態監視部とともに電源供給を受けて所定の動作を行うユニットを監視して異常であることを検出するユニット状態監視部を有する構成とすることができる。
このような構成により、機器において制御部への電源供給が遮断された状態で、ユニット状態監視部は、前記制御部の電源と異なる電源により電源供給を受けて、例えば、バックグラウンド処理等の所定の動作を行うユニットを監視し、異常であることを検出すると、その結果を表すスタンバイ中監視情報を保持する。
本発明に係る機器監視装置において、前記状態監視部は、前記制御部への電源供給が遮断された状態で機能するスタンバイ中動作電源を監視して異常であることを検出する電源状態監視部を有する構成となる。
このような構成により、電源状態監視部は、機器において制御部への電源供給が遮断された状態で機能する、例えば、バックグラウンド処理や、当該機器監視装置に利用されるスタンバイ中動作電源を監視し、異常であることを検出すると、その結果を表すスタンバイ中監視情報を保持する。
本発明に係る機器監視方法は、機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表す監視情報を前記機器において電源供給により動作する制御部に提供する機器監視方法であって、前記制御部の電源と異なる電源により電源供給を受けて動作し、前記制御部に対する電源供給が遮断された状態において、前記機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表すスタンバイ時監視情報を保持する状態監視部を動作させるステップと、前記制御部への電源供給が復帰されたときに、当該制御部とともに電源供給を受けて動作し、前記スタンバイ中監視情報を前記状態監視部から前記制御部にて取得可能な状態で引継いて保持するバッファ部を動作させるステップとを有する構成となる。
本発明に係る機器監視装置及び機器監視方法によれば、機器の制御部に対する電源供給が遮断されている状況において、別電源による電源供給を受ける機器監視部が機器の異常を検出した結果を表すスタンバイ中監視情報を保持し、前記制御部に対する電源供給が復帰したときに、前記スタンバイ中監視情報を制御部がバッファ部を介して取得することができる。従って、機器の制御部に対して常時電源供給せずに消費電力を極力無駄にすることなく、制御部は、電源供給が遮断されているときに発生した機器の異常について、電源供給が復帰した後に、適正に判定することができる。
本発明の実施の一形態に係る機器監視装置の回路構成を示す図である。 図1に示す機器監視装置の動作手順を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の一形態に係る機器監視装置における状態監視部の他の回路構成例を示す図である。 図3に示す状態監視部における複数の監視デバイスの出力と、該出力に応じた制御ユニットでの判定結果との関係を表すテーブルを示す図である。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係る機器監視装置は、図1に示すように構成される。この機器監視装置は、例えば、車両に搭載され、車載機器を監視してその異常を検出する。
図1において、車載機器は、MPU(マイクロプロセッサユニット)等で構成された制御ユニット100と、車載機器において所定の処理を行なう処理ユニット110とを有している。制御ユニット100は、車載機器全体への電源供給を行う主電源50による電源供給(Vcc)を受けて処理ユニット110の制御処理等、各種制御処理を行なう。処理ユニット110は、制御ユニット100の制御のもと、主電源50による電源供給(Vcc)を受けて所定の定常処理を実行する他、車両のACCスイッチがオフされた駐車時等、主電源50による車載機器全体への電源供給が遮断された状況(スタンバイ中)において、スタンバイ中動作電源51による電源供給(VBack)を受けて前記定常処理に関連したバックグラウンド処理行う。
車両に搭載された機器監視装置は、状態監視回路10(状態監視部)と、バッファ部として機能するアンド回路15とを備えている。状態監視回路10(ユニット状態監視部)は、車載機器の処理ユニット110を監視対象としており、スタンバイ中動作電源51による電源供給(Vcc)を受けて、処理ユニット110の監視を行う。具体的には、状態監視回路10は、監視デバイス12と、処理ユニット110に設けられた温度検出素子であるサーミスタ14を含む温度検出回路とを有している。温度検出回路は、スタンバイ中動作電源51の電圧を抵抗器13とサーミスタ14とで分圧して得られる温度検出電圧を監視デバイス12の入力端子INに供給する。監視デバイス12は、低消費電力のラッチ型のICデバイスであって、入力端子INに入力する温度検出電圧が低下して基準電圧以下となったときに、通常L(ロー)レベルの状態にある出力端子OUTの信号をH(ハイ)レベルの状態に切り換えて、その状態を維持(ラッチ)する。この出力端子OUTの信号の状態(H/L)が処理ユニット110(監視対象デバイス)の監視結果を表す監視情報となる。なお、監視デバイス12は、クリア端子(CLR)に信号(Hレベル)が入力したときに、ラッチされた出力端子OUTの信号の状態をH(ハイ)レベルからL(ロー)レベルに戻す。
サーミスタ14として、例えば、負特性サーミスタが用いられ、温度が高くなるほどその抵抗値が低下する。よって、処理ユニット110(監視対象デバイス)の温度が高くなるほど、サーミスタ14の抵抗値が低下して、温度検出電圧が低下する。そして、その温度検出電圧が、処理ユニット11の許容される最大温度に対応した前記基準電圧以下になると、監視デバイス12の出力端子OUTの信号の状態がL(ロー)レベルからH(ハイ)レベルに切換る。
バッファ部として機能するアンド回路15は主電源50による電源供給により動作する。アンド回路15の全ての入力端子が監視デバイス12の出力端子OUTに接続されており、監視デバイス12の出力端子OUTの信号の状態がそのままアンド回路15の出力端子の信号に引き継がれる。アンド回路15の出力端子は、制御ユニット100の入力端子GPIO(INPUT)に接続され、制御ユニット100は、アンド回路15の出力端子の信号(監視情報)を取得することができる。なお、制御ユニット100の出力端子GPIO(OUTPUT)は、前述した監視デバイス12のクリア端子(CLR)に接続されており、制御ユニット100の出力端子GPIO(OUTPUT)からの信号で監視デバイス12の出力端子OUTの信号の状態をH(ハイ)レベルからL(ロー)レベルにリセットすることができる。
上述した機器監視装置は、例えば、図2に示すタイミングチャートで表されるタイミングに従って動作する。
車両のACCスイッチがオフされて主電源50による車載機器(制御ユニット100、処理ユニット110を含む)への電源供給が遮断され(タイミングt1)、制御ユニット100の動作が停止した状態において、スタンバイ中動作電源51によって電源供給を受ける監視デバイス12は、処理ユニット110に設けられたサーミスタ14の端子間電圧に対応した温度検出電圧Vsを順次入力端子INから取り込む。そして、その温度検出電圧Vsが正常な温度範囲対応した範囲にある状況では、監視デバイス12は、出力端子OUTの信号を、正常を表す監視情報であるL(ロー)レベルの状態に維持する。なお、このとき、処理ユニット110は、主電源50に代えてスタンバイ中動作電源51による電源供給を受けて、バックグラウンド処理を実行している。
何らかの原因(外気温の上昇、処理ユニット110の故障等)で、バックグラウンド処理を実行する処理ユニット110の温度Ts(監視温度)が上昇すると、サーミスタ14の抵抗値が低下し、それに伴って温度検出電圧Vsが低下する。そして、更に温度上昇が続いて処理ユニット110の温度Tsが許容温度Tth以上になり、温度検出電圧Vsが基準電圧Vth以下になると(タイミングt2)、監視デバイス12は、出力端子OUTの信号を、異常を表す監視情報(スタンバイ中監視情報)であるH(ハイ)レベルの状態に切り換える。この時点で、アンド回路15には電源供給(主電源50)がなされておらず、監視デバイス12の出力端子OUTの信号を、アンド回路15が制御ユニット100へ出力することはない。これは、スタンバイ中に制御ユニット100は動作しておらず、そのときに入力端子GPIO(INPUT)へH(ハイ)レベルが入力されると、制御ユニット100が故障する可能性があるためである。その後、処理ユニット110の温度Tsが下降して、許容温度Tthを下回り、処理ユニット110の温度Tsが正常な温度範囲内になっても(タイミングt3)、監視デバイス12は、出力端子OUTの信号を、異常を表す監視情報であるH(ハイ)レベルの状態に維持する(ラッチ)。
その後、車両が発進する際にACCスイッチがオンされて、主電源50による車載機器に対する電源供給が復帰する(タイミングt4)と、主電源50による電源供給を受けて制御ユニット100の動作が再開されるとともに、アンド回路15が有効になる。すると、アンド回路15は、監視デバイス12の出力端子OUTの信号の状態(スタンバイ中監視情報)を引継ぎ、出力端子の信号の状態をH(Hレベル)にする。動作を開始した制御ユニット100は、電源供給復帰後の所定の処理を終了した後の所定のタイミング(t5)において、アンド回路15の出力端子の信号の状態(Hレベル)を取り込む。そして、制御ユニット100は、取り込んだその信号の状態(スタンバイ中監視情報)に基づいて、主電源50が遮断されている期間(スタンバイ期間)において、処理ユニット110が許容温度以上に過熱されて異常な状態であったと判定し、異常発生時の処理を行なう。例えば、制御ユニット100は、処理ユニット110が許容温度以上になったことを表す警報メッセージを表示部に表示させ、また、主電源50が遮断されている期間に処理ユニット110のバックグラウンド処理にて得られた情報を破棄する、あるいは、処理ユニット110の動作を停止させる等の異常発生時の処理を行なう。
なお、処理ユニット100は、アンド回路15の出力端子の信号の状態(スタンバイ中監視情報)を取得した後(タイミングt5の後)、適当なタイミング(例えば、次に主電源50による電源供給が遮断される前)に、出力端子GPIO(OUTPUT)からクリア信号を出力する。そのクリア信号により、監視デバイス12の出力端子OUTの信号の状態がH(ハイ)レベルからL(ロー)レベルに切り換えられる。
上述したような機器監視装置によれば、制御ユニット100を含む車載機器に対する主電源50による電源供給が遮断されている状況において、主電源50以外の別に設けられたスタンバイ中動作電源51による電源供給を受ける監視デバイス12(機器監視回路10)が処理ユニット110を監視してその異常を検出し、その結果を表す情報として、出力端子OUTの信号の状態をH(ハイ)レベルに保持する。そして、車載機器に対する主電源50による電源供給が復帰したときに、その主電源50による電源供給を受ける制御ユニット100は、監視デバイス12の出力端子OUTのH(ハイ)レベルとなる信号の状態(スタンバイ中監視情報)を、主電源50による電源供給を受けて有効となるアンド回路15を介して取得することができる。従って、車載機器(制御ユニット100を含む)に電源供給を行う主電源50を常時有効にしておかずに駐車時等に遮断状態にしても、制御ユニット100は、車載機器の主電源50が遮断されているときに発生した処理ユニット110の異常過熱について、主電源50による電源供給が復帰した後に、適正に判定することができる。よって、状態監視回路10を、低消費電力に抑えるために最小限の機能に限定し、スタンバイ中電源51による動作とすることで、車載機器での無駄な消費電力を抑えることができる。
前述した機器監視装置における状態監視回路10(状態監視部)は、図1に示す構成に代えて、図3に示すように構成することができる。この構成の状態監視回路10は、スタンバイ中動作電源51による電源供給を受けて当該スタンバイ中動作電源51の複数の項目についての監視を行う。
図3において、この状態監視回路10は、第1監視デバイス121、第2監視デバイス122、第3監視デバイス123、第4監視デバイス124及び第5監視デバイス125の5つの監視デバイスを有する。図示はしていないが、第1監視デバイス121〜第5監視デバイス125のそれぞれはスタンバイ中動作電源51による電源供給により動作する。また、各監視デバイス121〜125においては、OV通知出力及びUV通知出力のそれぞれは、Hレベルとなるとラッチされ、CLR端子(図示略)にHレベル信号が入力されたときに、ラッチされた出力HレベルからLレベルに戻る。
第1監視デバイス121は、スタンバイ中動作電源51の出力電圧変動(電源変動)を監視しており、スタンバイ中動作電源51の電圧を抵抗器16と抵抗器17とによって分圧して得られる第1検出電圧が入力端子INに入力する。スタンバイ中電源51の電圧変動を監視するのは、後述するように、動作温度を監視する第2監視デバイス122及び第3監視デバイス123の異常検出に影響を与えるからである。スタンバイ中電源51は、電源デバイスにより生成されており、その出力電圧範囲は仕様により規定されている。この出力電圧範囲が正常であることを前提として、各監視デバイス121〜125の異常検出機能は設計されている。例えば、第2監視デバイス122は、製品内部温度が高温異常となった場合にのみ、入力電圧が異常閾値を下回ることで異常検出が可能となるべきである。しかし、実際には、温度が正常であってもスタンバイ中電源51の電圧が低下した場合にも、その電源電圧が異常閾値を下回り、異常検出がなされてしまう。また、第2監視デバイス122だけの異常通知だけでは、高温異常が発生したのか、電圧低下が発生したのかの区別がつかない。これは、第3監視デバイス123についても同様である。第1監視デバイス121は、スタンバイ中電源51の電圧値が正常であるか否かを監視し、スタンバイ中に発生する可能性がある異常の内容を確認するために必要となる。
具体的には、第1検査電圧が正常範囲にある場合、スタンバイ中動作電源51の電圧値が正常範囲にあるとして、第1監視デバイス121は、OV通知出力及びUV通知出力をともにLレベルに維持する。第1検査電圧が正常範囲を越える場合、スタンバイ中動作電源51の電圧値も正常範囲を越えて高電圧方向に異常であるとして、第1監視デバイス121は、OV通知出力をHレベルにラッチする。このとき、UV通知出力はLレベルに維持される。また、第1検査電圧が正常範囲を下回る場合、スタンバイ中動作電源51の電圧値も正常範囲を下回って低電圧方向に異常であるとして、第1監視デバイス121は、UV通知出力をHレベルにラッチする。このとき、OV通知出力はLレベルに維持される。
第2監視デバイス122は、スタンバイ中動作電源51による電源供給を受けて動作する処理ユニット110(監視対象デバイス:図1参照)の動作温度が許容上限温度max以上であるか否かを監視しており、スタンバイ中動作電源51の電圧を抵抗器18と処理ユニット110に設けられたサーミスタ19(負特性サーミスタ)とによって分圧して得られる第1温度検出電圧を入力する。第2監視デバイス122のOV通知出力及びUV通知出力のそれぞれはHレベルにラッチ可能である。第2監視デバイス122は、前記第1温度検出電圧が前記許容上限温度maxに対応した下限基準電圧を越えていると、正常であるとして、OV通知出力をHレベルの状態にする。このとき、UV通知出力はLレベルである。一方、前記第1温度検出電圧が前記下限基準電圧以下であると、第2監視デバイス122は、異常であるとして、OV通知出力をHレベルに維持しつつ、UV通知出力をHレベルにラッチする。
第3監視デバイス123は、スタンバイ中動作電源51による電源供給を受けて動作する処理ユニット110(監視対象デバイス:図1参照)の動作温度が許容下限温度min以下であるか否かを監視しており、スタンバイ中動作電源51の電圧を抵抗器20とスタンバイ中動作電源51に設けられたサーミスタ21(負特性サーミスタ)とによって分圧して得られる第2温度検出電圧を入力する。第3監視デバイス122のOV通知出力及びUV通知出力のそれぞれはHレベルにラッチ可能である。第3監視デバイス123は、前記第1温度検出電圧が前記許容下限温度minに対応した上限基準電圧(>下限基準電圧)を下回っていると、正常であるとして、UV通知出力をHレベルの状態にする。このとき、OV通知出力はLレベルである。一方、前記第1温度検出電圧が前記上限基準電圧以上であると、第3監視デバイス123は、異常であるとして、UV通知出力をHレベルに維持しつつ、OV通知出力をHレベルにラッチする。
第4監視デバイス124は、スタンバイ中動作電源51による電源供給を受けて動作する処理ユニット(監視対象デバイス:図1参照)の入力電圧VBackを監視対象としている。具体的には、第4監視デバイス124は、処理ユニット110に対する入力電圧Vbackが許容上限電圧max以上であるか否かを監視しており、スタンバイ中動作電源51の電圧を抵抗器22と抵抗器23とによって分圧して得られる第2検出電圧を入力する。この第4監視デバイス124の第1監視デバイス121との違いは、異常検出閾値である。第1監視デバイス121は、スタンバイ中動作電源51の電圧変動を監視しており、異常と検出される電圧範囲は狭い。一方、第4監視デバイス124は、監視対象となる処理ユニット110の動作保証電圧を対象にして異常を検出する。通常、第1監視デバイス121の異常検出範囲より、第4監視デバイス124と後述する第5監視デバイス125とによる異常検出範囲のほうが広くなる。また、第1監視デバイス121が異常を検出したときに、第4監視デバイス124も異常を検出するとは限らず、この差により、スタンバイ中に発生する可能性がある異常の内容を正確に確認することが可能となる。第4監視デバイス124は、前記第2検出電圧が許容される電圧範囲(動作保証電圧範囲)の上限基準電圧maxに達していなければ、正常であるとして、UV通知出力をHレベルにラッチする。このとき、OV通知出力はLレベルである。一方、前記第2検出電圧が前記上限基準電圧max以上であると、第4監視デバイス124は、異常であるとして、UV通知出力をHレベルに維持しつつ、OV通知出力をHレベルにラッチする。
第5監視デバイス125は、第4監視デバイス124と同様に、スタンバイ中動作電源51による電源供給を受けて動作する処理ユニット110(監視対象デバイス:図1参照)の入力電圧Vbackを監視対象としている。具体的には、第5監視デバイス125は、処理ユニット110に対する入力電圧Vbackが許容下限電圧min以下であるか否かを監視しており、スタンバイ中動作電源51の電圧を抵抗器24と抵抗器25とによって分圧して得られる第3検出電圧を入力する。この第5監視デバイス125も、上述した第4監視デバイス124と同様に、監視対象となる処理ユニット110の動作保証電圧を対象にして異常を検出する。前述したように、通常、第1監視デバイス121の異常検出範囲より、第4監視デバイス124と第5監視デバイス125とによる異常検出範囲のほうが広く、第1監視デバイス121が異常を検出したときに、第4監視デバイス124の場合と同様、第5監視デバイス125も異常を検出するとは限らず、この差により、スタンバイ中に発生する可能性がある以上の内容を正確に確認することが可能となる。第5監視デバイス125は、前記第3検出電圧が許容される電圧範囲(動作保証電圧範囲)の下限基準電圧minを越えていれば、正常であるとして、OV通知出力をHレベルにラッチする。このとき、UV通知出力はLレベルにある。一方、前記第3検出電圧が前記下限基準電圧min以下であると、第5監視デバイス125は、異常であるとして、OV通知出力をHレベルに維持しつつ、UV通知出力をHレベルにラッチする。
上述したような構成の機器監視装置における第1監視デバイス121〜第5監視デバイス125のそれぞれのOV通知出力(監視情報)及びUV通知出力(監視情報)は、アンド回路15のようなバッファ部を介して制御ユニット100に供給される。そして、制御ユニット100は、動作開始時に、各監視デバイス121〜125からのOV通知出力及びUV通知出力の状態に応じて、車載機器におけるスタンバイ中動作電源51の状態を考慮しつつ監視対象の処理ユニット110の種々の状態を判定することができる。例えば、図4において動作開始判定が「OK」の場合のように、第1監視デバイス121(電源変動検出)の監視情報が正常を表し、第2監視デバイス122(動作温度max)のOV通知出力がHレベル、第3監視デバイス123(動作温度min)のUV通知出力がHレベル、第4監視通知デバイス124(動作電圧max)のUV通知出力がHレベル、及び第5監視通知デバイス125(動作電圧min)のOV通知出力がHレベルのとき、制御ユニット100は、正常に動作するスタンバイ中動作電源51による電源供給を受けて動作する処理ユニット110が正常であると判定し、通常の電源立ち上げシーケンスを実施する。
また、図4において動作開始判定が「NG」の各場合には、制御ユニット100は、スタンバイ中に監視対象の処理ユニット110に対する何らかの異常があったと判定し、異常発生時の処理を行なう。例えば、制御ユニット100は、処理ユニット110が許容温度以上になったことを表す警報メッセージを表示部に表示させ、また、主電源50が遮断されている期間に処理ユニット110のバックグラウンド処理にて得られた情報を破棄する、あるいは、処理ユニット110の動作を停止させる等の異常発生時の処理を行なう。
図4において動作開始判定が「△1」の場合、電源変動により正常が異常として判定されている可能性がある。この場合、制御ユニット100は、通常スタンバイから復帰したときに行う立ち上げ動作を開始させる前に、デバイス異常を1つずつ確認する専用シーケンスを実施する。また、図4において動作開始判定が「△2」の場合、電源変動により異常が正常として判定されている可能性がある。この場合も、制御ユニット100は、通常スタンバイから復帰したときに行う立ち上げ動作を開始させる前に、デバイス異常を1つずつ確認する専用シーケンスを実施する。
状態監視回路10(状態監視部)を図3に示すように構成すれば、機器の詳細な異常の検出が可能となり、検出した状態に応じて対応を変えることができる。また、その検出可能な種類も増えることになる。
本発明に係る機器監視装置及び機器監視方法は、電力消費を極力無駄にすることなく、機器の電源供給が遮断された状態で発生した異常に対して当該機器の制御部が適切な判定をできるという効果を有し、電子機器等の機器を監視して異常であることを検出してその結果を表す監視情報を前記機器において電源供給により動作する制御部に提供する機器監視装置及び機器監視方法として有用である。
10 状態監視回路
12 監視デバイス
121 第監視デバイス
122 第2監視デバイス
123 第3監視デバイス
124 第4監視デバイス
125 第5監視デバイス
13、16、17、18、20、22、23、24、25 抵抗器
14、19、21 サーミスタ
15 アンド回路
50 主電源
51 スタンバイ中動作電源
100 制御ユニット
110 処理ユニット

Claims (4)

  1. 機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表す監視情報を前記機器において電源供給により動作する制御部に提供する機器監視装置であって、
    前記制御部の電源と異なる電源により電源供給を受けて動作し、前記制御部に対する電源供給が遮断された状態において、前記機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表すスタンバイ中監視情報を保持する状態監視部と、
    前記制御部への電源供給が復帰されたときに、当該制御部とともに電源供給を受けて動作し、前記スタンバイ中監視情報を前記状態監視部から前記制御部にて取得可能な状態で引継いて保持するバッファ部とを有する機器監視装置。
  2. 前記状態監視部は、前記機器において当該状態監視部とともに電源供給を受けて所定の動作を行うユニットを監視して異常であることを検出するユニット状態監視部を有する請求項1記載の機器監視装置。
  3. 前記状態監視部は、前記制御部への電源供給が遮断された状態で機能するスタンバイ中動作電源を監視して異常であることを検出する電源状態監視部を有する請求項1または2記載の機器監視装置。
  4. 機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表す監視情報を前記機器において電源供給により動作する制御部に提供する機器監視方法であって、
    前記制御部の電源と異なる電源により電源供給を受けて動作し、前記制御部に対する電源供給が遮断された状態において、前記機器を監視して異常であることを検出し、その結果を表すスタンバイ時監視情報を保持する状態監視部を動作させるステップと、
    前記制御部への電源供給が復帰されたときに、当該制御部とともに電源供給を受けて動作し、前記スタンバイ中監視情報を前記状態監視部から前記制御部にて取得可能な状態で引継いて保持するバッファ部を動作させるステップとを有する機器監視方法。
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