JP2018059876A - 構造物の変位監視方法および変位監視システム - Google Patents

構造物の変位監視方法および変位監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】過密した環境に設置されている構造物の変位・変形等を監視するのに好適な構造物の変位監視方法および変位監視システムを提供する。
【解決手段】測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視する方法であって、構造物上の異なる位置に複数の衛星信号受信機を設置するステップS1と、初期座標を設定するステップS2と、衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位ステップS3と、取得した変位を報知する報知ステップS4とを備えるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、衛星測位システムを用いた構造物の変位監視方法および変位監視システムに関するものである。
従来、構造物にGPS(Global Positioning System:衛星測位システム)受信機を設置して構造物の変位を監視する方法が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。従来のGPS受信機を用いた変位監視方法では、構造物の周辺地盤の固定点に設置したGPS受信機と、構造物上の観測点に設置したGPS受信機との間の相対測位により、構造物の変位を監視する方法が主流となっている。
特開2015−197344号公報 特開2008−76117号公報
ところで、都市部においては、構造物が過密で上空視野を確保し難く、周辺地盤上に固定点用のGPS受信機を設置するスペースが少ない場合がある。このため、構造物が過密に設置されている環境下であっても、GPSなどの衛星測位システムを用いて変位を監視できる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、過密した環境に設置されている構造物の変位・変形等を監視するのに好適な構造物の変位監視方法および変位監視システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る構造物の変位監視方法は、測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視する方法であって、構造物上の異なる位置に設置した複数の前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位ステップと、取得した変位を報知する報知ステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の構造物の変位監視方法は、上述した発明において、所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報ステップをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る構造物の変位監視システムは、測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視するシステムであって、構造物上の異なる位置に設置された複数の前記衛星信号受信機と、前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位手段と、取得した変位を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の構造物の変位監視システムは、上述した発明において、所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明に係る構造物の変位監視方法によれば、測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視する方法であって、構造物上の異なる位置に設置した複数の前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位ステップと、取得した変位を報知する報知ステップとを備えるので、構造物の周辺地盤上などに固定点を設けることなく、構造物上に設置した観測点のみで構造物の変位を精度よく監視することができるという効果を奏する。したがって、本発明は、過密した環境に設置されている構造物の変位・変形等を監視するのに好適である。
また、本発明に係る他の構造物の変位監視方法によれば、所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報ステップをさらに備えるので、取得された変位が異常値にあることをユーザに知らしめることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る構造物の変位監視システムによれば、測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視するシステムであって、構造物上の異なる位置に設置された複数の前記衛星信号受信機と、前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位手段と、取得した変位を報知する報知手段とを備えるので、構造物の周辺地盤上などに固定点を設けることなく、構造物上に設置した観測点のみで構造物の変位を精度よく監視することができるという効果を奏する。したがって、本発明は、過密した環境に設置されている構造物の変位・変形等を監視するのに好適である。
また、本発明に係る他の構造物の変位監視システムによれば、所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報手段をさらに備えるので、取得された変位が異常値にあることをユーザに知らしめることができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る構造物の変位監視方法および変位監視システムの実施の形態を示す概略状況図である。 図2は、本発明に係る構造物の変位監視方法および変位監視システムの実施の形態を示す概略構成図である。 図3は、本発明に係る構造物の変位監視方法および変位監視システムの実施の形態を示す概略フローチャート図である。
以下に、本発明に係る構造物の変位監視方法および変位監視システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下の説明では、変位・変形を監視する対象の構造物として、都市部の過密した環境に設置された中小マンションの場合を例にとり、衛星信号受信機としてGPS受信機を用いる場合を例にとり説明する。また、GPS受信機が設置された観測点をGPS観測点、GPS受信機が設置された固定点をGPS固定点と呼ぶことにする。なお、本発明で利用する衛星測位システムはGPSに限るものではなくGNSS(Global Navigation Satellite Systems)のような全地球航法衛星システムであってもよい。GNSSを利用する場合、以下の説明においてGPS受信機をGNSS受信機、GPS観測点をGNSS観測点、GPS固定点をGNSS固定点と読み替えればよい。
本発明に係る構造物の変位監視方法は、構造物上に設置した複数のGPS観測点のみを利用して構造物の変位を監視する方法であり、GPS観測点どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位ステップと、取得した変位を報知する報知ステップとを備えるものである。
杭基礎の傾斜等の問題があるものの、基本的に構造物が大きく変位するケースは稀である。また周辺地盤の変位も常に安定とは限らず、その不安定な変位が構造物上に設置した複数のGPS観測点に影響を与えることもある。したがって、構造物の周辺地盤上にGPS固定点は設けず、構造物の変位(異常)を構造物上に設置した複数のGPS観測点のみで解析し判定する。なお、ここで用いるGPS受信機は、高精度・高価格の2周波GPS受信機ではなく、相対測位で数cm程度以下の精度の低価格の1周波GPS受信機で十分である。
構造物の微妙な変位・変形計測に際しては、構造物上に設置した複数のGPS観測点の相対測位法を採用する。その際、まず、1つのGPS観測点をGPS固定点として選定し、他の全GPS観測点との相対測位を行い基線長の変化等を解析する。次に、他のGPS観測点をGPS固定点としGPS固定点以外のGPS観測点との相対測位解析を行う。これを順次全GPS観測点について行うことで、GPS観測点の設置位置に変位(異常)が発生しているかの解を得る。この作業工程により、非常に低コストで構造物の変位を監視することが可能となる。
上記の観測結果を時系列に見た場合、測位情報では周辺の地殻変動およびプレート変動に沿った年周期(季節変動)や変位パターンに沿っているかについても把握可能である。断層を跨ぐ構造物の場合は、複数のGPS観測点の時系列正確度・精度解析も含めることで、断層の存在等も発見可能となる。
なお、上記の実施の形態では、構造物の変位・変形をよりリアルタイムに捉えることを目的に、相対測位として主にリアルタイムキネマティック(RTK)測位を想定しているが、これ以外の測位方式であってもよい。相対測位は一般にGPS固定点の正確な位置を取得した後(既知点)、この既知点とGPS観測点(未知点)で同時に単独測位を行い、共通誤差を相殺して未知点の測位を行う方法である。共通誤差として座標値を利用する場合と、測位衛星の送信電波の波長を利用する場合がある。前者は座標が既知であるGPS固定点のGPS受信機で観測された座標の誤差を、未知点のGPS受信機に送り、未知点の測定座標から差し引いて補正し精度を改善させる。後者は干渉測位と呼ばれ、測位の物差しとしてGPS衛星の送信電波の波長を用いる。
GPS固定点、GPS観測点はともに、GPS受信機の設置後はそれぞれ単独測位を開始するが、前者は単に固定点の役割、すなわちGPS観測点向けの補正情報のみの算出、配信を担う。
また、従来、構造物の変位・変形をGPS機器の相対測位を用いて監視する場合、GPS固定点は構造物上とは異なる場所(構造物の周辺の安定な地盤上など)に設置していた。本発明は、GPS受信機の改造や周辺機器を付属させるのではなく、地盤上など設置するGPS固定点を不要とし、構造物の屋上などに設置したGPS観測点の測位データのみを用いて、構造物の変位・変形を解析する。
一般に、GPS受信機を設置して測位を行う場合、仰角15°以上の上空視野の確保が必要となるが、都市部は住宅等が密集しており、構造物の屋上にGPS受信機を設置することはできても、上空視野を確保できるGPS固定点の設置場所(地盤)は限られてしまう。地盤上にGPS固定点を設置できない場合は、GPS固定点とGPS観測点の両方を構造物の屋上に設置する方法が考えられるが、GPS固定点の屋上での不安定な挙動が構造物全体の変位・変形の把握を阻害することが想定される。
そこで、本発明では、構造物上に設置したGPS観測点のみで構造物の変位・変形を把握するようにしている。その際、上述したように、GPS固定点は固定点の役割しか担わないという機能限定を解除することとした。そして、構造物上に設置した複数のGPS受信機の全てにGPS固定点としての機能とGPS観測点としての機能を持たせ、測位したGPS受信機の位置を解析して構造物の変位・変形を観測する。
各GPS受信機の基本的なデータ取得内容、解析方法は以下のとおりである。ここでは、マンション杭の傾斜や沈下を観測する場合を例にとり説明する。
a)杭上部(マンション屋上部分など)にGPS受信機を設置する。
b)このGPS受信機に「GPS固定点機能」と「GPS観測点機能」の両機能を装備させておく。
c)GPS受信機の設置初期にGPS受信機の設置位置の位置情報を取得する。
d)GPS受信機の設置後、全てのGPS受信機で単独測位を開始させる。
e)まず1つのGPS受信機をGPS固定点に、他をGPS観測点と設定し、GPS観測点の座標変化と、GPS固定点とGPS観測点間の基線長の変化を読み取る。例えばGPS受信機を4つ設置する場合には、GPS固定点と他のGPS観測点を1組とカウントしたとき、4組の座標変化および基線長の変化を取得することで、杭のどの部分に傾斜や沈下が生じているか等を把握できる。これにより、従来の方法では周辺地盤上に設置していたGPS固定点も不要となる。
ところでGPS受信機設置位置の座標値を得る方法としては、主に以下の3つがある。
1)現場で取得した公共測量相当の位置情報をGPS受信機設置位置の位置情報として利用する。
2)GPS受信機の設置場所にGPS受信機を置き、数時間の単独測位で得られる位置情報を利用する。
3)GPS受信機の設置場所に1周波もしくは2周波のGPS受信機を設置し、周辺の電子基準点(国土地理院)との基線解析で求める。
GPS受信機設置位置の座標値は、国土地理院が定める公共測量値のような絶対的な真値は不要であり、単独測位で得られる測位情報の中からおおよその位置を決定するだけで充分である。つまり、その値を観測上の真値と設定すればよい。また、GPS受信機設置位置の座標は設置初期に決定した位置情報を使用する。構造物の倒壊等がない限り途中でキャリブレーションをする必要はない。
次に、初期座標値の求め方について、より具体的に説明する。
上記の1)の方法は、国土地理院の公共測量にしたがって周辺の1等、2等基準点等を用いて測量する方法であり、既設の構造物にGPS受信機を新規設置する場合には、非常にコストが高いものとなる。新設の構造物であれば、現場作業の一つとして行う測量時にGPS受信機の設置箇所の測量も行い、その座標を用いることも可能である。
上記の2)の方法は、GPS受信機を設置後、数時間の測位を行い、その平均的な位置情報を用いる方法である。
上記の3)の方法は、1周波もしくは2周波のGPS受信機を設置し、周辺の電子基準点のリアルタイム位置情報を利用して基線解析から位置を求める方法である。2周波のGPS受信機が必要となる場合は、その分の機器コストがかかる。
次に、GPS受信機を5つ設置した場合の構造物の変位監視システムを例にとり、初期座標設定から観測までの流れを説明する。ここでは、相対測位の中で最も精度が良い搬送波を用いた干渉測位を用いた方法で説明する。
図1に示すように、中小マンションなどの構造物1の屋上2の異なる位置(例えば四隅と中央)に、5つのGPS観測点A〜Eを設置する。GPS観測点A〜Eは、図示しない通信装置を通じて遠隔地の監視室のコンピュータに有線または無線通信回線を介して接続されている。
図2は、本発明に係る構造物の変位監視システム10の概略構成図である。この図に示すように、この構造物の変位監視システム10は、監視室に設けられるコンピュータ12を有している。コンピュータ12は、相対測位手段14、報知手段16、警報手段18、記憶手段20、これらを制御する制御手段22を備えている。記憶手段20はGPS観測点A〜Eから得られた計測データをリアルタイムに記憶・収集する。記憶手段20に記憶・収集されたデータは制御手段22を通じて適宜読み出され、相対測位手段14によって処理されるようになっている。相対測位手段14はGPS観測点A〜Eどうしの間の時間経過に伴う変位・変形情報を相対測位により取得するものであり、各種解析ソフトウェア、演算手段などで構成される。なお、このコンピュータ12はインターネットに接続している。このため、例えばユーザの要求に応じて、報知手段16の機能によりインターネットを経由して構造物の管理関係者が有するユーザ端末装置(例えば、パソコンや携帯電話端末など)に構造物の変位・変形情報を配信可能である。また、警報手段18は、所定の閾値以上の変位が取得された場合に、管理室のコンピュータ12や上記のユーザ端末装置を通じてアラーム音などの警報を発する処理を行う。
GPS観測点(固定点も併用)5つを設置した直後の測位の開始初期は、解析ソフトウェア側の解析準備のため精度が低い測位結果が出るが(例えば誤差10m程度)、所定時間(例えば1時間程度)経過すると精度は上がり、数m程度の精度に落ち着く。測位に用いるGPS衛星等の種類と個数が同じであること、構造物という狭い範囲での測位であるため、GPS等電波の大気遅延、電離層遅延の影響も同じであり、5つのGPS観測点の精度も同じになる。
図3に示すように、まず、5つのGPS観測点A〜Eを設置した後(ステップS1)、これらA〜Eの初期座標を設定する(ステップS2)。この場合、例えばGPS固定点Aの単独測位情報の中心付近の座標からAのおおよその初期座標を決定する。その後、他のGPS観測点B、C、D、Eとの干渉測位による基線長・方向の変化から、固定点をAとした際に算出されるB、C、D、Eの初期座標(FIX座標)が決定されるため、それを初期座標とする。さらに簡素化するためには、5つのGPS観測点を設置し、単独測位開始数時間後に得られる測位データの中心値付近から5つのGPS観測点のおおよその座標値(緯度・経度・楕円体高)を取得し初期座標としてもよい。なお、この後者の方法は前者の方法に比べて5つの初期座標に多少のブレが生じるおそれがある。以上の初期座標の設定は、管理室のコンピュータ12に備わる図示しない解析ソフトウェアや相対測位手段14が行うことができる。
上記の手順により、5つのGPS観測点A、B、C、D、Eの初期座標が決定される。次に、リアルタイムの観測工程に入る(ステップS3)。まず、Aの座標を固定点としてB、C、D、Eと干渉測位解析を行い、時間経過に伴うそれぞれの座標変化を観測する。干渉測位解析は相対測位手段14に備わる解析ソフトウェアが行う。
ここで、観測するのは座標値ではなく、基線長と方向の変化だけでも構わない。構造物の変位計測は相対測位であるため、A、B、C、D、Eをそれぞれ固定点とした場合の他の点の絶対的な座標が必要なのではなく、A、B、C、D、Eの仮の位置をそれぞれ固定点とした場合の他の点との座標差、基線長の変化、基線方向の変化が変位を示すため、それらの値が重要となる。このため、上述したように、初期に決定したGPS観測点の座標値はおおよその値で充分ということになる。初期のGPS観測点の座標値は実際の座標値から数m程度異なっていても構わない。
次に、B、C、D、Eそれぞれの点を固定点とした際の他の点に対する干渉測位解析を行う。
さて、構造物上に設置したA、B、C、D、Eの観測点のうち、A点が大きく変位したと仮定する。A、B、C、D、Eの観測点のA点を固定点とした場合、他のB、C、D、E観測点との座標差や基線長・基線方向はA点の変位相当分が現れる。B、C、D、Eそれぞれを固定点とした場合は、A点のみに異常値(座標差、基線長・方向)が出る。
こうした異常値を含めて観測結果としての変位・変形情報は、報知手段16の機能により監視室のコンピュータ12やユーザ端末装置の画面などに報知される(ステップS4)。ここで、取得された異常値があらかじめ定めた所定の閾値以上である場合には、警報手段18は管理室のコンピュータ12やユーザ端末装置を通じてアラーム音などの警報を発する。これにより管理者や管理関係者などのユーザは、閾値以上の変位が生じたことを即座に把握することができる。
なお、上記の実施の形態において、コンピュータ12はGPS観測点(固定点併用)の測位情報をリアルタイムで取得でき、相対測位手段14による解析もリアルタイムで可能である。また、報知手段16は、例えばユーザの要求に応じて、例えば所定時間毎(例えば1日(24時間)毎)の解析結果(観測結果)もユーザに報知することもできる。したがって、GPS観測点を5つ設けた場合に必要となる解析時間も基本はリアルタイムである。また、一般に構造物はあまり大きく変位しないため、大地震時等を除き、測位情報を数時間平均または1日平均した測位平均値で比較するのが通例である。また、GPS観測点は5つに限るものではなく同一構造物につき複数点であればいくつであっても構わない。
上記の実施の形態では、GPS受信機として1周波GPS受信機を用いている。この種の受信機は通常、携帯電話並みのサイズで通信機能も搭載しており、耐用年数も7〜10年程度と比較的長く安価である。また、初期座標の設定や相対測位手段14などに用いる解析ソフトウェアは無料のフリーソフトを利用できる。したがって、本発明を適用する際の初期コスト、運用コストは安価で済む。
本発明によれば、例えば、都市部など過密な環境下に設置された学校等の公共施設、施工者のいなくなった中小マンション等の杭や構造物の変形・変位を低コストに監視することができる。公共施設は一般に避難場所として利用されるが、大地震後の余震等が継続する中で当該施設が安全か否かの確認を行う際にも本発明を利用することができる。
以上説明したように、本発明に係る構造物の変位監視方法によれば、測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視する方法であって、構造物上の異なる位置に設置した複数の前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位ステップと、取得した変位を報知する報知ステップとを備えるので、構造物の周辺地盤上などに固定点を設けることなく、構造物上に設置した観測点のみで構造物の変位を精度よく監視することができる。したがって、本発明は、過密した環境に設置されている構造物の変位・変形等を監視するのに好適である。
また、本発明に係る他の構造物の変位監視方法によれば、所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報ステップをさらに備えるので、取得された変位が異常値にあることをユーザに知らしめることができる。
また、本発明に係る構造物の変位監視システムによれば、測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視するシステムであって、構造物上の異なる位置に設置された複数の前記衛星信号受信機と、前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位手段と、取得した変位を報知する報知手段とを備えるので、構造物の周辺地盤上などに固定点を設けることなく、構造物上に設置した観測点のみで構造物の変位を精度よく監視することができる。したがって、本発明は、過密した環境に設置されている構造物の変位・変形等を監視するのに好適である。
また、本発明に係る他の構造物の変位監視システムによれば、所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報手段をさらに備えるので、取得された変位が異常値にあることをユーザに知らしめることができる。
以上のように、本発明に係る構造物の変位監視方法および変位監視システムは、衛星測位システムを用いた構造物の変位監視に有用であり、特に、都市部などの過密した環境に設置されている構造物の変位・変形等を監視するのに適している。
1 構造物
2 屋上
10 構造物の変位監視システム
12 コンピュータ
14 相対測位手段
16 報知手段
18 警報手段
20 記憶手段
22 制御手段
A〜E GPS観測点

Claims (4)

  1. 測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視する方法であって、
    構造物上の異なる位置に設置した複数の前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位ステップと、
    取得した変位を報知する報知ステップとを備えることを特徴とする構造物の変位監視方法。
  2. 所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報ステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の構造物の変位監視方法。
  3. 測位衛星からの信号を受信する衛星信号受信機を用いて構造物の変位を監視するシステムであって、
    構造物上の異なる位置に設置された複数の前記衛星信号受信機と、
    前記衛星信号受信機どうしの間の時間経過に伴う変位を、相対測位により取得する相対測位手段と、
    取得した変位を報知する報知手段とを備えることを特徴とする構造物の変位監視システム。
  4. 所定の閾値以上の変位が取得された場合に警報を発する警報手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の構造物の変位監視システム。
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