JP2013246554A - 津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラム - Google Patents

津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】陸地において津波の発生を早期に検出でき、容易にメンテナンスすることができる津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラムを提供する。
【解決手段】津波警報システム1は、互いに離れた位置に設置され、津波により発生する超低周波音波を測定する複数の音波測定部100と、複数の音波測定部100のそれぞれに超低周波音波が到達した時刻をそれぞれ用い、一の音波測定部に超低周波音波が到達した一の時刻と他の音波測定部に超低周波音波が到達した他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出し、複数の時間差に基づいて津波の発生地点を算出する発生地点算出部200と、津波の速度、発生地点算出部が算出した発生地点、及び予め定められた地点の位置情報を用いて、予め定められた地点に津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測部205とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラムに関する。特に、本発明は、超低周波音波を利用する津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラムに関する。
日本列島を含む太平洋沿岸のアジア諸国は火山帯に属するだけでなく、複数のプレートの衝突領域であるので、多く地震や津波が発生する地域である。特に、海溝型の巨大地震が発生した場合には巨大津波が同時に発生することがあるので、社会的な見地からは発生した津波の規模や到達時間をいかに早く国民に知らせることができるかは非常に重要な課題である。
従来、ドップラー式多層流速計を用いて多層の流速値を計測し、流速分布を求め、その流速分布、又は流速分布と流速値の組合せを用いて津波であるか否かを判断する津波検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の津波検出装置によれば、津波か風波かの判断が迅速にでき、津波を早く検知し、津波の方向も検知できる。
特許第4534200号
しかし、特許文献1に記載されている津波検出装置においては、表面波、水粒子速度、又は水圧波を測定することを要するので、津波の発生に関する警報を更に迅速にすることは困難である。また、特許文献1に記載されている津波検出装置においては、海象計を海に設置することを要するので、容易にメンテナンスできない。
したがって、本発明の目的は、陸地において津波の発生を早期に検出でき、容易にメンテナンスすることができる津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラムを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、互いに離れた位置に設置され、津波により発生する超低周波音波を測定する複数の音波測定部と、複数の音波測定部のそれぞれに超低周波音波が到達した時刻をそれぞれ用い、一の音波測定部に超低周波音波が到達した一の時刻と他の音波測定部に超低周波音波が到達した他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出し、複数の時間差に基づいて津波の発生地点を算出する発生地点算出部と、津波の速度、発生地点算出部が算出した発生地点、及び予め定められた地点の位置情報を用いて、予め定められた地点に津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測部とを備える津波警報システムが提供される。
また、上記津波警報システムにおいて、発生地点算出部が、一の音波測定部が超低周波音波を測定した第一の時刻と他の音波測定部が超低周波音波を測定した第二の時刻との時間差、及び第一の時刻又は第二の時刻と更に他の音波測定部が超低周波音波を測定した第三の時刻との時間差に基づいて津波の発生地点を算出することもできる。
また、上記津波警報システムにおいて、発生地点算出部が、一の音波測定部が設置されている第1の地点と他の音波測定部が設置されている第2の地点とを焦点とし、第一の時刻と第二の時刻との時間差が一定になる位置の仮想の第1の双曲線と、第1の地点又は第2の地点と更に他の音波測定部が設置されている第3の地点とを焦点とし、第一の時刻と第三の時刻との時間差が一定になる位置の仮想の第2の双曲線との交点を用いて津波の発生地点を算出することもできる。
また、上記津波警報システムにおいて、複数の音波測定部が測定した超低周波音波の振幅をそれぞれ取得する振幅取得部と、振幅取得部が取得した振幅それぞれの大きさを用いて津波の規模を推定する規模推定部とを更に備えることもできる。
また、上記津波警報システムにおいて、到達時刻予測部が予測した津波が到達する時刻を含み、津波の到達を警告する警告情報を生成する警告情報生成部を更に備えることもできる。
また、上記津波警報システムにおいて、複数の音波測定部が設置されている位置それぞれの磁場を測定する複数の磁場測定部と、現在時刻から予め定められた時間遡った時刻までに複数の磁場測定部のそれぞれが測定した磁場の平均値と、現在時刻における磁場の値との差に基づいて津波の発生の有無を判断する津波発生判断部とを更に備えることもできる。
また、本発明は、上記目的を達成するため、互いに離れた複数の位置のそれぞれにおいて、津波により発生する超低周波音波を測定する音波測定段階と、互いに離れた位置のそれぞれに超低周波音波が到達した時刻をそれぞれ用い、一の時刻と他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出し、複数の時間差に基づいて津波の発生地点を算出する発生地点算出段階と、津波の速度、発生地点算出段階において算出された発生地点、及び予め定められた地点の位置情報を用いて、予め定められた地点に津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測段階とを備える津波警報方法が提供される。
また、本発明は、上記目的を達成するため、津波警報を発する津波警報システム用のプログラムであって、津波警報システムに、互いに離れた複数の位置のそれぞれにおいて津波により発生する超低周波音波を測定する音波測定機能と、互いに離れた位置のそれぞれに超低周波音波が到達した時刻をそれぞれ用い、一の時刻と他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出し、複数の時間差に基づいて津波の発生地点を算出する発生地点算出機能と、津波の速度、発生地点算出機能が算出した発生地点、及び予め定められた地点の位置情報を用いて、予め定められた地点に津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測機能とを実現させる津波警報システム用のプログラムが提供される。
本発明に係る津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラムによれば、陸地において津波の発生を早期に検出でき、容易にメンテナンスすることができる津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラムを提供できる。
第1の実施の形態に係る津波警報システムの概要図である。 第1の実施の形態に係る津波警報システムの機能構成のブロック図である。 第1の実施の形態に係る発生地点算出部が津波の発生地点を算出する方法の模式図である。 第1の実施の形態に係る発生地点算出部が津波の発生地点を算出する方法の模式図である。 第1の実施の形態に係る推定ユニットが津波の規模を推定する方法の概要図である。 第1の実施の形態に係る津波警報システムが警告情報を出力する処理のフローチャートである。 第2の実施の形態に係る津波警報システムの機能構成のブロック図である。 第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る津波警報システムのハードウェア構成図である。 津波発生時の細倉(HSK)の超低周波音波の測定結果と相馬市(Soma)の水位計の相関図である。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る津波警報システムの概要を示す。
(津波警報システム1の概要)
本実施の形態に係る津波警報システム1は、震源710において発生した地震に伴って生じる津波510の発生を検知すると共に、沿岸部に津波510が到達する時刻を予測する。そして、津波警報システム1は、津波510が沿岸部に到達する時刻である到達時刻、及び津波510の規模を含む警報を発する。
具体的に、津波警報システム1は、地殻700上に存在する海500において発生した津波510によって発生する超低周波音波600を利用する。まず、津波510が発生することに伴い、海面は急激に押し上げられるか又は引き下げられる。海面が急激に押し上げられるか又は引き下げられると、海面上の大気は急激に圧縮若しくは膨張する。大気が急激に圧縮若しくは膨張することにより、超低周波音波600が発生する。
津波警報システム1は、この超低周波音波600を地上に設置された複数の測定点で測定する。そして、津波警報システム1は、複数の測定点が超低周波音波600を測定した時刻と複数の測定点の位置とに基づいて津波が発生した地点を算出する。また、津波警報システム1は、超低周波音波600の振幅を用いて津波510の規模を推定する。続いて、津波警報システム1は、津波が発生した地点、地上の予め定められた地点の位置情報、及び津波の速度を用いて当該予め定められた地点に津波510が到達する時刻を予測する。津波警報システム1は、予測した時刻と津波510の規模の情報とを含み、津波の到達を警告する警告情報を発する。津波警報システム1は、防災無線、テレビ、ラジオ、インターネット、及び/又は各種の携帯電話網を介して警告情報を発する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る津波警報システムの機能構成の一例を示す。
津波警報システム1は、超低周波音波600を測定する複数の測定ユニット10と、複数の測定ユニット10の測定結果に基づいて津波510の沿岸部への到達時刻を予測する予測ユニット20と、複数の測定ユニット10の測定結果に基づいて津波510の規模を推定する推定ユニット30と、予測ユニット20及び推定ユニット30の結果に応じた警告内容を含む警告情報を生成する警告情報生成部40と、警告情報生成部40が生成した警告情報を出力する情報出力部50とを備える。
なお、複数の測定ユニット10と予測ユニット20及び推定ユニット30との間、並びに予測ユニット20及び推定ユニット30と警告情報生成部40との間、そして警告情報生成部40と情報出力部50との間はそれぞれ、有線通信、無線通信、各種の携帯電話網、及び/又はインターネットを介して互いに情報の送受信がなされる構成になっている。
(測定ユニット10)
測定ユニット10は、超低周波音波を測定する音波測定部100と、音波測定部100が超低周波音波を測定した時刻を取得する時刻取得部105とを有する。ここで、津波警報システム1は、複数の測定ユニット(例えば、測定ユニット10、測定ユニット10a、測定ユニット10b、測定ユニット10c等)を備える。そして、複数の測定ユニットは陸上の互いに離れた位置に設置される。複数の測定ユニットはそれぞれ、津波の襲来を早期に認知させることが要求される沿岸部及び沿岸部近傍に設置されることが好ましい。複数の測定ユニットはそれぞれ同一の機能及び構成を有するので、以下、一の測定ユニット10が有する音波測定部100及び時刻取得部105についてのみ説明する。
(音波測定部100)
音波測定部100は、津波により発生する超低周波音波を測定する。音波測定部100は、予め定められた周波数特性の音波を測定可能なマイクロホンを有し、マイクロホンを介して取得した音波を予め定められたサンプリング間隔で継続的に測定する。ここで、超低周波音波は、周波数が20Hz以下の音波、好ましくは0.1Hz以下の音波である。例えば、音波測定部100は、周波数が0.002Hz以上0.05Hz以下程度を主成分とする音波を測定する。音波測定部100は、予測ユニット20及び推定ユニット30に測定結果を供給する。
なお、音波測定部100は、当該音波測定部100を有する測定ユニット10が設置されている地点の位置情報を、例えばGPS装置を用いて取得できる。また、音波測定部100は、当該音波測定部100を有する測定ユニット10が設置されている地点の位置情報を予めGPS装置等により取得し、当該位置情報を記憶することができる。そして、音波測定部100は、取得した当該位置情報若しくは記憶している当該位置情報を測定結果に対応づけて予測ユニット20及び推定ユニット30に供給する。
(時刻取得部105)
時刻取得部105は、音波測定部100が超低周波音波を測定した時刻を取得する。具体的に、時刻取得部105は、音波測定部100が予め定められた振幅以上の超低周波音波を測定した場合、当該超低周波音波の測定時刻を取得する。例えば、時刻取得部105は、音波測定部100が測定した予め定められた振幅以上の超低周波音波のうち、超低周波音波のピークの時刻を取得する。なお、時刻取得部105は、電波時計又はGPS時計を用いて時刻同期することで時刻の精度を保つことができる。時刻取得部105は、取得した時刻を音波測定部100の測定結果に対応づけて予測ユニット20及び推定ユニット30に供給する。
(予測ユニット20)
予測ユニット20は、津波の発生地点を算出する発生地点算出部200と、発生地点算出部200が算出した発生地点の位置情報を用いて予め定められた地点に津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測部205と、複数の音波測定部100によって測定された超低周波音波の位相差を算出する位相差算出部210とを有する。
(発生地点算出部200)
発生地点算出部200は、複数の音波測定部100のそれぞれに超低周波音波(例えば、予め定められた振幅以上の超低周波音波であって、予め定められた振幅以上の超低周波音波のうちピークを示す超低周波音波)が到達した時刻をそれぞれ用い、一の時刻と他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出する。そして発生地点算出部200は、複数の時間差に基づいて津波の発生地点をリアルタイムに算出する。
具体的に、発生地点算出部200は、一の音波測定部100が超低周波音波を測定した第一の時刻と他の音波測定部100が超低周波音波を測定した第二の時刻との時間差を時刻取得部105から供給された時刻の情報を用いて算出する。また、発生地点算出部200は、第一の時刻又は第二の時刻と更に他の音波測定部100が超低周波音波を測定した第三の時刻との時間差を時刻取得部105から供給された時刻の情報を用いて算出する。
そして、発生地点算出部200は、一の音波測定部100が設置されている第1の地点と他の音波測定部100が設置されている第2の地点とを焦点とし、第一の時刻と第二の時刻との時間差が一定になる位置の仮想の軌跡である第1の双曲線と、第1の地点又は第2の地点と更に他の音波測定部100が設置されている第3の地点とを焦点とし、第一の時刻と第三の時刻との時間差が一定になる位置の仮想の軌跡である第2の双曲線との交点を算出する。発生地点算出部200は、算出した交点を津波が発生した地点である発生地点と判断する。より具体的に、以下、図を用いて発生地点算出部200の機能を説明する。
図3は、第1の実施の形態に係る発生地点算出部が津波の発生地点を算出する方法を模式的に示す。なお、図3において一点鎖線は海岸線を示す。
図3において、複数の地点に音波測定部が設置されている。例えば、音波測定部100a、音波測定部100b、及び音波測定部100cがそれぞれ互いに離間した陸上の地点に設置されている。ここで、xy座標図系で音波測定部100aの設置位置を(x、y)、音波測定部100bの設置位置を(x、y)、音波測定部100cの設置位置を(x、y)とする。また、津波の発生地点400の位置を(x、y)とする。更に、津波の発生に伴う超低周波音波が音波測定部100aに到達した時刻をt、音波測定部100bに到達した時刻をt、音波測定部100cに到達した時刻をtとする。そして、超低周波音波の伝搬速度をcとする。なお、複数の音波測定部100の設置位置はそれぞれ、例えば、緯度経度を用いて規定できる。
まず、音波測定部100aと音波測定部100bとに超低周波音波が到達する時刻の差である時間差、すなわち「t−t」から次の式が成り立つ。
((x−x)^2+(y−y)^2)^(1/2)−((x−x)^2+(y−y)^2)^(1/2)=c(t−t)…(式1)
同様に音波測定部100aと音波測定部100cとに超低周波音波が到達する時刻の差である時間差、すなわち「t−t」から次の式が成り立つ。
((x−x)^2+(y−y)^2)^(1/2)−((x−x)^2+(y−y)^2)^(1/2)=c(t−t)…(式2)
発生地点算出部200は、式1と式2との連立方程式を解くことで津波の発生地点(x、y)を算出する。すなわち、上記式1は、音波測定部100aと音波測定部100bとを焦点とする双曲線800及び双曲線800aを表す。そして、上記式2は、音波測定部100aと音波測定部100cとを焦点とする双曲線810及び双曲線810aを表す。発生地点算出部200は、双曲線800と双曲線810との交点を津波の発生地点400であると判断する。
図4は、第1の実施の形態に係る発生地点算出部が津波の発生地点を算出する方法を模式的に示す。なお、図4において一点鎖線は海岸線を示す。
複数の音波測定部100を陸上に設置する個数は上記の例で示した3か所に限られない。複数の音波測定部100は、4か所以上に設置することができる。音波測定部100の設置個数を増加させることにより、上述した双曲線の本数も増えるので、より正確に津波の発生地点400を予測することができる。
図4は、音波測定部が4か所に設置されている例を示す。この場合、発生地点算出部200は、音波測定部100dと音波測定部100cとを焦点とする双曲線820及び双曲線820aを更に算出する。そして、発生地点算出部200は、双曲線800、双曲線810、及び双曲線820の交点を津波の発生地点400であると判断する。
発生地点算出部200は、算出した発生地点400の位置情報を到達時刻予測部205に供給する。
(位相差算出部210)
位相差算出部210は、複数の音波測定部100それぞれから受け取った超低周波音波の測定結果を用い、予め定められた周波数の音波を抽出する。そして、位相差算出部210は、抽出した複数の音波の位相差をそれぞれ算出する。位相差算出部210は、算出した複数の位相差を発生地点算出部200に供給する。発生地点算出部200は、位相差算出部210から受け取った複数の位相差に基づいて、津波の発生地点400を算出する。これにより発生地点算出部200は、複数の時間差を用いて津波の発生地点400を算出すると共に、複数の位相差を用いて津波の発生地点400を算出する方法を併用することができる。これにより、発生地点算出部200は、より高精度に津波の発生地点400を算出できる。
(到達時刻予測部205)
到達時刻予測部205は、津波の速度、発生地点算出部200が算出した発生地点400の位置情報、及び予め定められた地点の位置情報(例えば、予め定められた地点の緯度経度の情報)を用いて、予め定められた地点に津波が到達する時刻を算出する。具体的に到達時刻予測部205は、発生地点400と予め定められた地点との間の距離及び津波の速度から津波が予め定められた地点に到達する時間を算出する。そして、到達時刻予測部205は、算出した時間と津波発生時刻(例えば、予め定められた地点に設置されている音波測定部100が超低周波音波のピークを測定した時刻)とを用い、当該予め定められた地点に津波が到達する時刻を算出する。到達時刻予測部205は、算出した時刻を津波が到達すると予測された時刻であるとして、警告情報生成部40に供給する。
なお、地震に伴って発生する津波の速度は、津波が発生する前に数値解析で予め算出した値を用いる。例えば、津波(例えば、表面波と重力長波とのうち、重力長波)の速度として、海の平均水深と重力加速度とを用いて算出される値(一例として、重力加速度に水深を乗じた値の平方根)を用いることができる。
(推定ユニット30、振幅取得部300、規模推定部305)
推定ユニット30は、複数の音波測定部100が測定した超低周波音波の振幅をそれぞれ取得する振幅取得部300と、振幅取得部300が取得した振幅それぞれのうち、少なくとも1つの振幅の大きさを用いて津波の規模を推定する規模推定部305とを有する。
図5は、第1の実施の形態に係る推定ユニットが津波の規模を推定する方法の概要を示す。
図5の上のグラフは横軸に時刻、縦軸に津波の高さ(単位は「a.u.」)をとった場合の津波の高さの変化を模式的に示す。また、図5の下のグラフは横軸に時刻、縦軸に超低周波音波の大きさ(単位は「a.u.」)をとった場合の超低周波音波の振幅の変化を模式的に示す。なお、図5中、「A」は地震発生時刻、「P」は超低周波音波のピークである。
振幅取得部300は、超低周波音波の振幅を継続的に取得する。振幅取得部300は、複数の音波測定部100のそれぞれから受け取る超低周波音波を表す情報を解析することで振幅を取得する。この場合において振幅取得部300は、複数の音波測定部100それぞれが設置されている地点の位置情報に対応づけて振幅をそれぞれ取得できる。そして、振幅取得部300は、超低周波音波のピークの振幅をそれぞれ取得する。振幅取得部300は、取得した複数のピークの振幅を示す情報を、当該ピークを測定した音波測定部100が設置されている地点の位置情報と共に、規模推定部305に供給する。
規模推定部305は、振幅取得部300から受け取った情報を用い、発生した津波の規模を推定する。例えば、規模推定部305は、過去に発生した津波の規模と当該津波が発生した時に音波測定部100が測定した超低周波音波のピークの振幅とを対応づけたデータベースを含むことができる。当該データベースは、予め定められた地点に設置された音波測定部100が測定した超低周波音波のピークの振幅、及び/又は複数の音波測定部100が測定した超低周波音波のピークの振幅の平均値と、当該超低周波音波を発生させた津波の高さの実測値とを一意に対応づけてもよい。
規模推定部305は、振幅取得部300から受け取った振幅を示す情報と当該データベースに格納されている情報とを比較する。そして、規模推定部305は、複数の音波測定部100が設置されている地点のそれぞれについて発生した津波の規模(例えば、津波の高さ)を推定する。規模推定部305は推定した結果を示す情報を警告情報生成部40に供給する。
(警告情報生成部40)
警告情報生成部40は、予め定められた地点に津波が到達する時刻、及び当該津波の規模を示す情報を含む警告情報を生成する。具体的に警告情報生成部40は、到達時刻予測部205が予測した津波が到達する時刻を含み、津波の到達を警告する警告情報を生成する。また、警告情報生成部40は、当該警告情報を生成する場合に、規模推定部305から受け取った津波の規模を示す情報を当該警告情報に含める。警告情報生成部40は、生成した警告情報を情報出力部50に供給する。
(情報出力部50)
情報出力部50は、警告情報生成部40から受け取った警告情報をテキストデータ、音声、画像等の形態で緊急警報として出力する。例えば、情報出力部50は、警報音と共に津波の到達時刻、及び津波の規模を示す情報、並びに速やかに避難することを指示する情報を、スピーカー、モニター等の出力装置に出力させる。
(津波警報方法及び津波警報システム用のプログラムの概要)
図6は、第1の実施の形態に係る津波警報システムが警告情報を出力する処理のフローチャートの一例を示す。
まず、音波測定部100が、津波により発生した超低周波音波を測定する(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す)。音波測定部100は、測定した情報を予測ユニット20及び推定ユニット30に供給する。また、時刻取得部105は、音波測定部100が測定した超低周波音波のピークの時刻を取得する。本実施の形態では、複数の音波測定部100のそれぞれに対応して設けられる複数の時刻取得部105がそれぞれ、超低周波音波のピークの時刻を取得する(S20)。複数の時刻取得部105は、複数の時刻取得部105のそれぞれに対応する音波測定部100が測定した超低周波音波に関する情報と共に、予測ユニット20及び推定ユニット30に取得した時刻を示す情報を供給する。
予測ユニット20の発生地点算出部200は、複数の音波測定部100それぞれに超低周波音波が到達した時刻のそれぞれの差を時間差として算出する(S30)。そして、発生地点算出部200は、少なくとも2つの時間差と、少なくとも3つの音波測定部100が設置されている地点の位置情報(すなわち、測定地点の位置情報)とを用い、複数の仮想の双曲線を形成する(S40)。そして、発生地点算出部200は、複数の双曲線の交点を算出する(S50)。発生地点算出部200は、当該交点を津波の発生地点であると判断する。発生地点算出部200は、津波の発生地点の位置情報を到達時刻予測部205に供給する。
到達時刻予測部205は、津波の発生地点の位置情報と、津波の速度と、予め定められた地点の位置情報(例えば、複数の音波測定部100が設置されているそれぞれの位置情報)とを用い、津波が当該予め定められた地点に到達する時刻である到達時刻を算出する(S60)。到達時刻予測部205は、予め定められた地点が複数存在する場合、複数の地点ごとに津波の到達時刻を算出する。到達時刻予測部205は、算出した到達時刻を示す情報を当該予め定められた地点の位置情報に対応づけて警告情報生成部40に供給する。
一方、推定ユニット30の振幅取得部300は、複数の音波測定部100から受け取った超低周波音波に関する情報から超低周波音波のピーク時の振幅を取得する(S25)。振幅取得部300は、取得した振幅を示す情報を規模推定部305に供給する。規模推定部305は、振幅取得部300から受け取った振幅を示す情報に基づいて、発生した津波の規模を推定する(S65)。規模推定部305は、推定結果を示す情報を警告情報生成部40に供給する。
警告情報生成部40は、到達時刻予測部205から受け取った情報、及び規模推定部305から受け取った推定結果を示す情報用いて警告情報を生成する。そして、警告情報生成部40は情報出力部50に働きかけて、警告情報を外部に出力させる(S70)。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態に係る津波警報システム1は、津波の発生に伴って生じ、津波(水波)よりも伝搬速度が速い超低周波音波を津波の発生検知、及び津波の到達時刻の予測に利用するので、津波の発生を略リアルタイムで検知できると共に、津波が沿岸部に到達する時刻よりも数10分程度早期に巨大津波に対する緊急津波警報を発令することができる。
また、津波警報システム1は、減衰しにくい超低周波数音波を津波の発生検知、及び津波の到達時刻の予測に利用するので、複数の音波測定部100を地上に設置することができる。これにより、津波警報システム1の構成部材を洋上に設置することを要さないので、メンテナンスが容易になる。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る津波警報システムの機能構成の一例を示す。
第2の実施の形態に係る津波警報システム1aは、津波発生判断部60を更に備え、測定ユニット11が磁場測定部110を更に有する点を除き、第1の実施の形態に係る津波警報システム1と略同一の構成及び機能を有する。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
津波警報システム1aは、第1の実施の形態に係る津波警報システム1と同様に津波の発生により生じる超低周波音波を利用して津波の到達時刻及び津波の規模を推定することができると共に、導電性を有する海水の塊の流体運動により発生する地球磁場の微小な変動を計測することで津波の発生を早期に検知できる。
すなわち、津波警報システム1aは、津波警報システム1が備える各構成に加え、複数の音波測定部100が設置されている位置、若しくは複数の音波測定部100が設置されている位置から所定の距離離れた位置それぞれの磁場を測定する複数の磁場測定部110と、現在時刻から予め定められた時間遡った時刻までに複数の磁場測定部110のそれぞれが測定した磁場の平均値(M)と、現在時刻における磁場の値との差に基づいて津波の発生の有無を判断する津波発生判断部60とを更に備える。
(磁場測定部110)
具体的に、複数の磁場測定部110は、複数の磁場測定部110(すなわち、複数の測定ユニット11a、測定ユニット11b、測定ユニット11c等)が設置されている地点において、当該地点における磁場の変化を予め定められたサンプリング間隔で継続的に測定する。なお、このサンプリング間隔は、音波測定部100のサンプリング間隔と同一であってもよいし、異なっていてもよい。複数の磁場測定部110はそれぞれ、測定結果を示す情報を津波発生判断部60にリアルタイムに供給する。
なお、磁場測定部110は、例えば、一対のフラックスゲート磁力計を用いることができる。例えば、一方のフラックスゲート磁力計を地下(例えば、地下70mの坑道内)に設置し、他方のフラックスゲート磁力計を地表に近い位置(例えば、地表の下1m)に設置し、双方のフラックスゲート磁力計をGPS電波により時刻同期させる。また、磁場測定部110が測定する磁場は、互いに直交する磁場の3成分のうちの少なくとも1成分の磁場である。例えば、磁場測定部110は、磁場の3成分のうちの1成分(例えば、垂直磁力成分(Z成分))のみを測定することや、磁場の3成分のうちの2成分(例えば、Z成分と2つの水平成分のうちの1つの成分)を測定すること、あるいは磁場の3成分のすべてを測定することができる。
(津波発生判断部60)
津波発生判断部60は、一の磁場測定部110が設置されている地点における磁場と、他の磁場測定部110が設置されている地点における磁場との差を算出する。そして、津波発生判断部60は、算出した差に基づいて磁場が変動していると判断する。例えば、津波発生判断部60は、複数の磁場測定部110が設置されているそれぞれの地点において、現在時刻から予め定められた時間遡った時刻までの磁場の平均値(M)を算出する。そして、津波発生判断部60は、算出した磁場の平均値(M)と現在時刻における磁場の値との差を算出する。
そして、津波発生判断部60は、算出した差が示す値が予め定められた閾値を超えた場合、津波が発生したと判断する。例えば、予め定められた時間遡った時刻から現在時刻までの磁場の平均値と現在時刻における磁場の値との差の標準偏差を「σ」とした場合、津波発生判断部60は、現在時刻における磁場の値が「M±2σ」を超えた場合に津波が発生したと判断する。
津波発生判断部60は、津波が発生したと判断した場合、津波の発生を示す情報を警告情報生成部40に供給する。警告情報生成部40は、津波発生判断部60から受け取った津波の発生を示す情報を含む警告情報を生成する。そして、警告情報生成部40は、情報出力部50に働きかけて、生成した警告情報を出力させる。
また、津波警報システム1aは、一の磁場測定部110が設置されている地点において測定された磁場変化と、他の磁場測定部110が設置されている地点において測定された磁場変化との差分信号を利用することもできる。
すなわち、時刻tにおける差分信号をD(t)とし、所定の時刻から現在時刻までの差分信号D(t)の平均値をMaとすると、Maは以下のようにして算出される。ただし、Tはサンプリング間隔である。
Ma=(D(t−nT)+D(t−(n−1)T)+・・・+D(t−T))/n…(式3)
また、標準偏差σは以下のようにして算出される。
σ=((D(t−nT)−Ma)+・・・+(D(t−T)−Ma))/n…(式4)
そして、津波発生判断部60は、(D(t)−Ma)の絶対値を「E」とした場合、以下の不等式のいずれかが満たされる時刻「t」において、津波が発生したと判断する。ただし、kは任意の定数(例えば、2以上4以下の定数)である。
E>3σ または E>kσ
式3及び式4における「n」は、10分から30分の離散時間である。例えば、サンプリング間隔Tが1秒である場合、nは600から1800になる。また、サンプリング間隔が2秒である場合、nは300から900になる。なお、サンプリング間隔は0.5秒以上2秒以下程度に設定する。そして、津波発生判断部60は、kσが「E」を予め定められた時間(例えば、30秒)、継続して超過した場合、津波が発生したと判断する。
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態に係る津波警報システム1aは、津波の発生により生じる磁場の変化をリアルタイムに観測することで津波の発生を検知するので、より早期に津波の発生を検知できる。すなわち、津波の発生地点において生じた磁場の変化は電離層を介して測定地点(つまり、測定ユニット11が設置されている地点)に到達するので、予め定められた当該測定地点と津波の発生地点とが所定の距離以上離れている場合、超低周波音波より早く測定地点において磁場の変化が観測される。したがって、津波警報システム1aは、磁場の変化を利用した津波の発生の有無の判断と、超低周波音波を利用した津波の発生地点の算出及び津波の到達時刻の予測とを併せて用いることができるので、津波検知の信頼性を向上させることができる。よって、津波警報システム1aは、津波の発生を更に早期に検知できると共に、津波の沿岸部への到達時刻を素早く算出することができる。
また、津波警報システム1aは、複数の測定ユニット11を備えているので、陸地の複数個所において磁場の変化を測定できる。これにより、第2の実施の形態に係る津波警報システムは、地磁気の乱れ等の外乱の影響を低減させた状態で津波の発生を検知できる。
図8は、本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る津波警報システムのハードウェア構成の一例を示す。
第1の実施の形態に係る津波警報システム1及び第2の実施の形態に係る津波警報システム1aは、CPU1500と、グラフィックコントローラ1520と、RandomAccessMemory(RAM)、Read−OnlyMemory(ROM)及び/又はフラッシュROM等のメモリ1530と、データを記憶する記憶装置1540と、記録媒体からデータを読み込み及び/又は記録媒体にデータを書き込む読込み/書込み装置1545と、データを入力する入力装置1560と、外部の通信機器とデータを送受信する通信インターフェース1550と、CPU1500とグラフィックコントローラ1520とメモリ1530と記憶装置1540と読込み/書込み装置1545と入力装置1560と通信インターフェース1550とを互いに通信可能に接続するチップセット1510とを備える。
チップセット1510は、メモリ1530と、メモリ1530にアクセスして所定の処理を実行するCPU1500と、外部の表示装置の表示を制御するグラフィックコントローラ1520とを相互に接続することにより、各構成要素間のデータの受渡しを実行する。CPU1500は、メモリ1530に格納されたプログラムに基づいて動作して、各構成要素を制御する。グラフィックコントローラ1520は、メモリ1530内に設けられたバッファ上に一時的に蓄えられた画像データに基づいて、画像を所定の表示装置に表示させる。
また、チップセット1510は、記憶装置1540と、読込み/書込み装置1545と、通信インターフェース1550とを接続する。記憶装置1540は、津波警報システムのCPU1500が使用するプログラムとデータとを格納する。記憶装置1540は、例えば、フラッシュメモリである。読込み/書込み装置1545は、プログラム及び/又はデータを記憶している記憶媒体からプログラム及び/又はデータを読み取って、読み取ったプログラム及び/又はデータを記憶装置1540に格納する。読込み/書込み装置1545は、例えば、通信インターフェース1550を介し、インターネット上のサーバから所定のプログラムを取得して、取得したプログラムを記憶装置1540に格納する。
通信インターフェース1550は、通信ネットワークを介して外部の装置とデータの送受信を実行する。また、通信インターフェース1550は、通信ネットワークが不通の場合、通信ネットワークを介さずに外部の装置とデータの送受信を実行することもできる。そして、タブレット、マイク等の入力装置1560は、所定のインターフェースを介してチップセット1510と接続する。
記憶装置1540に格納される津波警報システム用のプログラムは、インターネット等の通信ネットワーク、又は磁気記録媒体、光学記録媒体等の記録媒体を介して記憶装置1540に提供される。そして、記憶装置1540に格納された津波警報システム用のプログラムは、CPU1500により実行される。
第1の実施の形態に係る津波警報システム1及び第2の実施の形態に係る津波警報システム1aにより実行される津波警報システム用のプログラムは、CPU1500に働きかけて、津波警報システム1及び第2の実施の形態に係る津波警報システムを、図1から図7にかけて説明した音波測定部100、時刻取得部105、磁場測定部110、発生地点算出部200、到達時刻予測部205、位相差算出部210、振幅取得部300、規模推定部305、警告情報生成部40、情報出力部50、及び津波発生判断部60として機能させる。
(測定事例)
本発明者が実際に測定した超低周波音波について説明する。本発明者が細倉鉱山に設置した音波測定部は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)において生じた巨大津波に伴う超低周波音波を観測した。すなわち、本発明者が超低周波音波の連続観測のために用いている野外観測システム(宮城県栗原市細倉)は、東日本大震災津波によって発生した超低周波音波を観測した。超低周波数の音波は減衰しにくく、また津波(水波)の速度よりも速度が速いため、津波の到達よりも数10分程度早く津波の発生を検知することが可能である(図9参照)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せのすべてが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。
1、1a 津波警報システム
10、10a、10b、10c 測定ユニット
11、11a、11b、11c 測定ユニット
20 予測ユニット
30 推定ユニット
40 警告情報生成部
50 情報出力部
60 津波発生判断部
100、100a、100b、100c、100d 音波測定部
105 時刻取得部
110 磁場測定部
200 発生地点算出部
205 到達時刻予測部
210 位相差算出部
300 振幅取得部
305 規模推定部
400 発生地点
500 海
510 津波
600 超低周波音波
700 地殻
710 震源
800、800a、810、810a、820、820a 双曲線
1500 CPU
1510 チップセット
1520 グラフィックコントローラ
1530 メモリ
1540 記憶装置
1545 読込み/書込み装置
1550 通信インターフェース
1560 入力装置

Claims (8)

  1. 互いに離れた位置に設置され、津波により発生する超低周波音波を測定する複数の音波測定部と、
    前記複数の音波測定部のそれぞれに前記超低周波音波が到達した時刻をそれぞれ用い、一の音波測定部に前記超低周波音波が到達した一の時刻と他の音波測定部に前記超低周波音波が到達した他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出し、複数の前記時間差に基づいて前記津波の発生地点を算出する発生地点算出部と、
    前記津波の速度、前記発生地点算出部が算出した前記発生地点、及び予め定められた地点の位置情報を用いて、前記予め定められた地点に前記津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測部と
    を備える津波警報システム。
  2. 前記発生地点算出部が、一の音波測定部が前記超低周波音波を測定した第一の時刻と他の音波測定部が前記超低周波音波を測定した第二の時刻との時間差、及び前記第一の時刻又は前記第二の時刻と更に他の音波測定部が前記超低周波音波を測定した第三の時刻との時間差に基づいて前記津波の発生地点を算出する請求項1に記載の津波警報システム。
  3. 前記発生地点算出部が、前記一の音波測定部が設置されている第1の地点と前記他の音波測定部が設置されている第2の地点とを焦点とし、前記第一の時刻と前記第二の時刻との時間差が一定になる位置の仮想の第1の双曲線と、前記第1の地点又は前記第2の地点と前記更に他の音波測定部が設置されている第3の地点とを焦点とし、前記第一の時刻と前記第三の時刻との時間差が一定になる位置の仮想の第2の双曲線との交点を用いて前記津波の発生地点を算出する請求項2に記載の津波警報システム。
  4. 前記複数の音波測定部が測定した前記超低周波音波の振幅をそれぞれ取得する振幅取得部と、
    前記振幅取得部が取得した振幅それぞれの大きさを用いて前記津波の規模を推定する規模推定部と
    を更に備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の津波警報システム。
  5. 前記到達時刻予測部が予測した前記津波が到達する前記時刻を含み、前記津波の到達を警告する警告情報を生成する警告情報生成部を更に備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の津波警報システム。
  6. 前記複数の音波測定部が設置されている位置それぞれの磁場を測定する複数の磁場測定部と、
    現在時刻から予め定められた時間遡った時刻までに前記複数の磁場測定部のそれぞれが測定した前記磁場の平均値と、前記現在時刻における前記磁場の値との差に基づいて前記津波の発生の有無を判断する津波発生判断部と
    を更に備える請求項5に記載の津波警報システム。
  7. 互いに離れた複数の位置のそれぞれにおいて、津波により発生する超低周波音波を測定する音波測定段階と、
    前記互いに離れた位置のそれぞれに前記超低周波音波が到達した時刻をそれぞれ用い、一の時刻と他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出し、複数の前記時間差に基づいて前記津波の発生地点を算出する発生地点算出段階と、
    前記津波の速度、前記発生地点算出段階において算出された前記発生地点、及び予め定められた地点の位置情報を用いて、前記予め定められた地点に前記津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測段階と
    を備える津波警報方法。
  8. 津波警報を発する津波警報システム用のプログラムであって、
    前記津波警報システムに、
    互いに離れた複数の位置のそれぞれにおいて津波により発生する超低周波音波を測定する音波測定機能と、
    前記互いに離れた位置のそれぞれに前記超低周波音波が到達した時刻をそれぞれ用い、一の時刻と他の時刻との差を時間差としてそれぞれ算出し、複数の前記時間差に基づいて前記津波の発生地点を算出する発生地点算出機能と、
    前記津波の速度、前記発生地点算出機能が算出した前記発生地点、及び予め定められた地点の位置情報を用いて、前記予め定められた地点に前記津波が到達する時刻を予測する到達時刻予測機能と
    を実現させる津波警報システム用のプログラム。
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