JP2009198207A - 津波・高波検出システム、津波・高波検出方法、及び磁気計測ブイ - Google Patents

津波・高波検出システム、津波・高波検出方法、及び磁気計測ブイ Download PDF

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Abstract

【課題】 圧力センサや変位計を用いて津波や高波の発生を検出し警報するシステムではセンサや計測部の設置位置が海底や海面に制約されることからから、設置費用や維持費用が高くなったり、船舶との衝突による損傷や太陽光線による劣化が生じたり、小さな波や突風による瞬間的な波も雑音として検出してしまって津波と区別する処理が煩雑になるという課題があった。
【解決手段】 津波や高波の発生時に生ずるうねり性の波によって渦電流が海面に沿って流れ、渦電流と直角な方向に、正弦波状の周期的な磁界が生ずるのをスカラ磁力計を海中ブイに収納して計測することにより、装置を海底や海面に設置することなく、錨等を用いて簡単に海に設置できるようにすると共に、津波の識別が簡単になるようにした。
【選択図】 図1

Description

この発明は、スカラ磁力計を用いて津波や高波の発生を検出する検出システムに関するものである。
従来、津波や高波の発生を検出するシステムとして、圧力センサや変位計を海底や海面に設置し、水圧や波の高さを計測するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−264056号公報(第1図)
圧力センサを用いた検出システムでは、地震により海底に陥没や隆起が生じて海底附近で水圧が変化するのを計測することで津波や高波発生の有無を判断している。このため圧力センサや計測部は海底付近に設置する必要がある。また、変位計を用いたシステムでは、波の上下運動による変位量から波の高さを計測することで津波や高波発生の有無を判断している。このため、変位センサや計測部は海面近くに設置する必要がある。
前者の場合、水深は一般に数100m以上になることから大掛かりな水圧対策が必要となる。また、装置の修理や整備を行う際には一旦海底から装置を引上げる必要がある等、装置の設置、維持、整備費が高くなるという問題がある。後者の場合、装置を海面に設置するため、装置が船舶と衝突することによる損傷や、太陽光線(紫外線)や、揺れによる劣化を生ずる等の問題がある。また、両者の共通の問題として、海底の水圧変化や波の高さから津波発生の判断をしているため、小さな波や突風による瞬間的な波も雑音として検出してしまうので津波と区別する処理が煩雑になるという問題があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、圧力センサや変位計などの装置を海底に設置することなく、簡単に海に設置できると共に津波や高波発生の検出能力を向上した検出システムを得ることを目的としたものである。
この発明による津波・高波検出システムは、波の上下運動により海面に沿って流れる渦電流によって生ずる磁界変化を時系列に計測する磁気計測手段と、前記磁界変化に基づき津波または高波の発生を判別する判別手段とを備えるようにした。
この発明によれば、簡易なシステム構成により、津波や高波の発生を検出することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施例1の津波・高波検出システムを表す概略図であり、図2はその構成図である。
図1において、磁気計測ブイ16は海中に設置されて周囲の海面の磁界変化を計測する。センター局20は磁気計測ブイ16から周囲の磁界変化の信号を入力し、津波や高波の発生を検知する。
図2において、1はセシウムランプ(放電ランプ)、2、3はそれぞれ第1、第2のレンズ、4は吸収セル、5はRFコイル、6は円偏光板、7は光検知器、8は位相器、9はRF増幅器、10は高周波電源、11はセシウムランプ1と第1のレンズ2と第2のレンズ3と吸収セル4とRFコイル5と円偏光板6と光検知器7と位相器8とRF増幅器9と高周波電源10とで構成される光磁気共鳴磁力計、12は伝送用通信器、13は太陽電池、14は蓄電池、15は非磁性カプセル、16は光磁気共鳴磁力計11、伝送用通信器12、太陽電池13、蓄電池14、非磁性カプセル15で構成される磁気計測ブイ、17は受信用通信器、18は津波・高波判別部、20は受信用通信器17と津波・高波判別部18と津波・高波警報発生部19で構成されるセンター局、SSは光磁気共鳴磁力計の出力(以下では「磁力計出力」という)である。
なお、センター局20は津波・高波検出部の一例であり、光磁気共鳴磁力計11は磁気計測部の一例である。また、図1ではセンター局(津波・高波検出部)20は陸地に設置されているが海上に停泊する船舶などに設置されていても構わない。
次に、この発明の実施例1の光磁気共鳴磁力計11の動作について説明する。高周波電源10によって、セシウムランプ(放電ランプ)1と吸収セル4に高周波電力が供給される。高周波電力を受けたセシウムランプ1は光(D光)を発生する。第1のレンズはこの光を平行光にして、さらに、円偏光板6によって円偏向に変換する。円偏向に変換された光が吸収セル4に投射されると、吸収セル4中のセシウムがゼーマンサブレベルにおいて偏分布する。この状態の時に、周囲磁界に比例したゼーマンサブレベル間隔に対応する周波数で振動する高周波磁界をRFコイル5を介して吸収セル4に印加すると誘導遷移が発生して、原子群が基底状態のゼーマンサブレベルにランダムに分布する初期状態に戻る動作が連続して起こる。
この現象を第2のレンズ3、光検知器7によって変調光信号という形で取出してさらに電気信号に変換し、この電気信号を位相器8、RF増幅器9によってRFコイル5に正帰還がかかるようにしてこの発振周波数を計測することにより、磁界変化を計測することができ、また、スカラ磁力計として周囲磁界Hを計測することができる。この光磁気共鳴磁力計は、極めて高感度で微少な磁界変化を高精度に測定できる他、磁界の絶対量を計測できる、連続測定できる等の特徴を有するものであり、詳細については、例えば特開2002−296334号公報等に記載がある。
セシウム原子の場合、磁界1nT当り約3Hzのスケールファクタで、地球の各地域において周囲磁界Hの大きさに応じて100KHz〜200KHzで発振するので、この発振周波数を電圧変換したものを磁力計出力SSとして計測することで、周囲磁界の変化および周囲磁界Hを正確に計測することができる。
伝送用通信器12は時々刻々、時系列に計測するこの磁力計出力SSを、地上等に設けられたセンター局20に向けて送信する。
ここで、この光磁気共鳴磁力計11を非磁性カプセルに収納した磁気計測ブイを用意し、この磁気計測ブイを海中に設置し周囲の海面の磁界変化を計測することにより波の動きを磁界変化として捕らえることができる。
これは、海水がナトリウム、塩素等のイオンを大量に含んでおり、海面は一枚の大きな導体と見なすことができ、地磁気の下で導体が自分自身を貫く磁束密度が変化するように運動すると、導体面である海面に沿って渦電流が流れ、この渦電流により渦電流と直角な方向の海面法線方向に磁界を生じるので、磁界という形態で波の状態を計測できるからである。
図3は、海面での磁界発生の様子を示したものであり、海面に波がない場合((a)、海面に上下方向の変位がない場合)と、津波や高波時にうねり性の波がある場合((b)、うねり性の波により海面に上下方向の変位がある場合)の、海面附近に生ずる磁界の違いを示した図である。
地磁気の磁界は図3中の(a)のように局所的に大きさも向きも一様であり、例えば、北半球では斜め下に向かっており、波が無く海面が穏やかな場合は海面を貫く磁界は一定であるため、渦電流は発生しなく渦電流による磁界は発生しない。
これに対して図3中の(b)のように津波や高波により海面がうねる場合は、海面の向きが地磁気に対して変化するので海面を貫く磁束密度もうねりに対応して変化して海面には渦電流が発生し、この渦電流により渦電流と直角な方向に磁界が生じる。
図3(b)のA地点のように波が大きいほど波が発生する磁界は大きく、B地点のように波が小さく、波の動きが反対になると、小さく、向きも逆になり、概ね、波の、大きさ、周期に比例して磁界変化が生ずる。
図4は、波の種類と磁界変化の関係を示す図である。図4中の(a)のように津波や高波によりうねりの大きな波が存在する場合にはうねりの大きな磁界変化が計測されるが、突風や風等により生ずる波は一般に小さく、ささくれたものとなり、計測される磁界は図4中の(b)のように振幅の小さい周波数の高い波形になる。また、干満、潮流による海面の動きは非常にゆっくりしているので低周波数の波形になる。
このように、海中の所定の位置で磁界変化を計測すると、津波や高波によりうねりの大きな波が発生している場合は振幅の大きな波形が計測され、突風や風等により波が発生している場合は振幅の小さい周波数の高い波形が観測される。また、干満、潮流により海面に動きがある場合は低周波数の波形が観測される。
本発明の実施の形態では、海面近くで波を計測するために、非磁性材料のFRPや強化プラスチック等を使用して非磁性、かつ、機密構造にした非磁性や非磁性カプセル15を用い、この非磁性カプセル15内に光磁気共鳴磁力計11、伝送用通信器12、太陽電池13、蓄電池14を封入する。そして、潮流や風で流されないように、非磁性カプセル15の底の部分に非磁性である鉛やコンクリートを用いた錨が設けて海底の一定個所に留まってブイが常に海面下の所定の深さに設置されるようにした。
尚、この光磁気共鳴磁力計11や伝送用通信器12が沖合いにおいて自立した状態で常時動作するようにするための電源として、非磁性カプセル15の外側には太陽電池13が設けられる。海中を透過する太陽光線を吸収して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを蓄電池14に蓄えることにより上記光磁気共鳴磁力計11や伝送用通信器12に昼夜、天候に関係なく常に電源が供給されるようになっている。
次に、センター局20が磁気計測ブイ16からの磁力計出力SSを受信し、津波・高波判断部18が津波や高波の発生を判別する判別信号HHを算出する動作について説明する。
図5は、津波・高波判別部18の構成図である。図5において、津波・高波判別部18はバンドパスフィルタ181、二乗平均処理部182、判別部183、分散計算処理部184、係数倍処理部185を備える。
図6は、津波・高波判別部18が判別信号HHを出力し、津波・高波警報発生部19が判別信号HHに基づき津波や高波の発生を判断して、警報等を発するまでのフローを表した図である。
センター局20の受信用通信器17は、磁気計測ブイ16から図示しない受信アンテナを介して磁力計出力SSを受信する。受信用通信器17は受信した磁力計出力SSを電気信号に変換して、磁界計測信号30として図4に示すような波の状態に対応した波形を出力する。
津波・高波判断部18は、受信用通信器17から磁界計測信号30を入力する(図6、ステップS01)。
バンドパスフィルタ181は、この磁界計測信号30を処理して1/10Hz〜数Hzの帯域の信号のみを抽出する(S02)。例えば、数1/10Hz〜数Hzのバンドパスフイルタを設けることで、突風や風等により生じた振幅の小さい周波数の高い波形や干満、潮流による超低周波数の波形は除去して津波や高波により生じた振幅の大きく周波数の低い波形のみを通過させるようにする。
次に、二乗平均処理部182は、バンドパスフィルタ181の通過信号を入力し、この信号の振幅の二乗平均値を津波・高波特徴評価信号Sとして算出する(S03)。
一方、分散計算処理部184も受信用通信器17から磁界計測信号30を入力して、磁界計測信号30の分散を計算する(S04)。
係数倍処理部185はこの分散値に所定の係数を乗じて、自動スレッシホールドTHを算出する(S05)。
計測信号のSに対して、分散は雑音のNに相当するものであり、自動スレッシホールドTHは雑音の所定係数倍に相当するものである。所定の係数は、雑音に対する信号比、即ち、S/Nがどの値の時に計測信号が津波や高波信号であると判断する評価基準値であり、例えば、2のような値を定める。この場合、計測信号S/Nが2以上の時に津波や高波信号が存在した判断する。
次に、判別部183は、津波・高波特徴評価信号Sと自動スレッシホールドTHを入力し、津波・高波特徴評価信号Sの自動スレッシホールドTHに対する比を求めて判別信号HHとして出力する(S06)。
津波・高波警報発生部19は、上記判別信号HHの値が1以上の場合には、津波や高波が生じていると判断する(S07、S08)。ここで、HHの値が1以上ということは、計測信号のS/Nが係数倍以上であることをを示しており、計測信号が津波や高波信号であるという評価基準値を超えたことを示しているので津波や高波が生じていると判断する。
さらに、上記判別信号HHの値から津波や高波の規模を予測して、サイレンや拡声器スピーカ、通信等により周りの住民に警報する(S09)。
このように本実施の形態1では、光磁気共鳴磁力計11、伝送用通信器12、太陽電池13、蓄電池14を非磁性カプセル15に収納した磁気計測ブイ16を用いることにより、海面から少し下の位置に光磁気共鳴磁力計を設置可能とし、しかも、太陽電池13、蓄電池14によって昼夜、天候に関係なく常に光磁気共鳴磁力計11や伝送用通信器12を稼動させて、海面の波の状態を磁界変化という形態で計測することができる。
磁気計測ブイ16は磁界変化の信号をセンター局20に伝送し、センター局20では津波・高波判別部18が津波や高波が発生しているか否かの指標となる判別信号を算出し、津波・高波警報発生部19において上記判別信号の大きさから津波や高波の発生有無の判断や規模を予測して、サイレンや拡声器スピーカ、通信等により周りの住民に警報するようにした。
本実施の形態によれば、従来のように津波や高波を検知するセンサ等を海底や海面に設置しなければならないという制約がなく、ブイを用いてセンサを海中の任意の位置に簡単に設置できるので、設置費用や維持費用が少なく、船舶との衝突による損傷や太陽光線(紫外線)や揺れによる劣化等が生じることがない。また、従来、海底の水圧変化や波の高さから津波や高波発生の判断をしていたために生じていた小さな波や突風による瞬間的な波による雑音のために信号処理が煩雑になるという課題を解消して、津波や高波の発生の検出能力を向上できる。
なお、本実施の形態では磁気計測ブイ16とは別にセンター局20を設けセンター局20において津波や高波の発生を検知していたが、磁気計測ブイ16内に津波・高波判別部18及び津波・高波警報発生部19を設け、磁気計測ブイ16が津波や高波の発生を検知するようにしても構わない。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2の津波・高波検出システムを示す構成図である。
図7において、A11、A21、…、An1、An2、…、Anmは、海中にほぼ等間隔でn×mの行列状に配置された磁気計測ブイ16の第11、第21、…、第n1、第n2、・・・、第nmの位置にある磁気計測ブイ16を各々表している。
M11、M21、…、Mnmは、上記磁気計測ブイA11、A21、…、Anmに対応して、磁気計測ブイAnmが送信する磁力計出力SSを時事刻々更新して記憶する第11、第21、…、第nmのメモリ、21は時系列行列データ処理部、22は速度、方向算出部、23は津波・高波予測警報発生部である。なお、実施の形態1と同様の構成には同一番号を付しその説明を省略する。
次に、この発明の実施例2の津波・高波検出システムの動作について説明する。
図8は、海中磁気計測ブイの配置の一例を示す図である。津波や高波の発生しやすい沖合いに、第11、第21、…、第n1、第n2、…、第nmの海中磁気計測ブイA11、A21、…、An1、An2、…、Anmがn行、m列の行列状に配置されている。
一方、第nmのメモリMnmは、受信用通信器17を経由して、各々対応する海中磁気計測ブイAnmから受信した光磁気共鳴磁力計SSを過去数10分に渡って一定周期で時々刻々更新して記憶されるようになっている。
ここで波面、例えば、波の山の面位置は局所的には一直線状に揃っており、波はこれと直角方向に進んでいくので波の進行方向と海中磁気計測ブイの設置方向との関係によって計測される磁界計測信号30は異なる。
図9は、波の進行方向と海中磁気計測ブイの設置方向との関係によって計測される磁界計測信号の一例を示した図である。
図中(a)は海中磁気計測ブイの設置方向と波の進行方向との関係を示す図である。図中(b)、(c)、(d)は海中磁気計測ブイがA地点、B地点、C地点のように波の進行方向と平行に位置する場合に計測される磁界計測信号を示しており、其々、A地点、B地点、C地点の位置に対応して磁界計測信号30の位相が概ねΔT(時間)づつ遅れた波形をしている。
また、図中(b)、(e)、(f)はA地点、D地点、E地点のように波の進行方向と直角方向に位置する場合を示しており、概ね磁界計測信号の位相が揃った波形をしている。
ここで、各地点での磁界計測信号30の位相差は、波が行列状に設置されたブイの列方向に進行している場合は列方向には生じるが、それと直角方向の行方向は零となる。また、行方向と列方向の中間の方位で波が進行している場合は、行と列の両方向で位相差は等しくなる。よって、この位相ずれに着目することにより波の進行方向の情報を得ることができる。
時系列行列データ処理部21は、行方向、列方向に時事刻々更新される磁界計測信号の位相差ΔTを、例えば波形のピークが現れる時間の差により算出する一方、第11、第21、…、第nmのメモリM11、M21、…、Mnmに記憶されている磁界計測信号のうち最大振幅のものを出力する。
津波・高波判別部18は、時系列行列データ処理部21から出力される最大振幅の磁界計測信号を入力して、実施の形態1と同様に、例えば、数1/10Hz〜数Hzのバンドパスフイルタによって津波や高波以外の雑音波形を除去し、振幅の二乗平均値を津波・高波特徴評価信号Sとして算出する一方、分散を算出してこれに所定の係数を掛けたものを自動スレッシホールドTHとして算出し、津波・高波特徴評価信号Sの自動スレッシホールドTHに対する比を判別信号HHとして出力する。
速度・方向算出部22は、HHの値が1以上の場合には津波や高波が生じていると判断し、時系列行列データ処理部21で算出した位相差ΔTを入力して、海中磁気計測ブイ間の距離lをΔTで除算することにより波の移動速度Vを算出する。また、行方向、列方向の位相差ΔTとの比率により波の進行方向を算出する。
次に、津波・高波予測警報発生部23は、実施の形態1と同様に、判別信号HHの値から津波や高波の発生の有無判断や規模を予測する一方、上記速度・方向算出部22で算出した波の移動速度Vと波の進行方向情報を入力する。そして、これらの波の移動速度Vと進行方向情報に基づき津波や高波の到達時間を予測して、サイレンや拡声器スピーカ、通信等により周りの住民に警報する。
このように行列状に配置した海中磁気計測ブイA11、A21、…、An1、An2、…、Anm、メモリM11、M21、…、Mnm、時系列行列データ処理部21、津波・高波判別部18、速度・方向算出部22、津波・高波予測警報発生部23によって、行方向、列方向の磁界計測信号の位相差から波の移動速度と進行方向を算出することによって津波や高波の発生の有無判断や規模予測に加えて到達時間が予測するとともに、従来のようにセンサに水圧計や変位計を用いた場合に生じていた設置上の制約から生じていた維持費用が高いという欠点をなくすことができる上に船舶との衝突による損傷や太陽光線(紫外線)や揺れによる劣化等が生じないという長所がある。
以上によれば、波の移動速度と進行方向を算出して津波や高波の到達時間を予測することができるので、さらに警報能力が向上するとともに従来のように水圧計や変位計のセンサを用いていた場合に生じていた設置上の不便や維持費用が高いという欠点をなくすことができる。
実施の形態3.
図10はこの発明の実施例3を示す構成図である。24はベクトル合成磁力計であり、B11は伝送用通信器12と太陽電池13と蓄電池14と非磁性カプセル15とで構成される第11の磁気計測ブイ16を示す。B21、…、Bn1、Bn2、…、Bnmは磁気計測ブイB11と同一の構成の第21、…、第n1、第n2、…、第nmの位置にある磁気計測ブイである。なお、実施の形態1、2と同様の構成には同一番号を付しその説明を省略する。
ここで、ベクトル合成磁力計24は、例えば磁気インピダンス効果を利用した半導体磁気ベクトルセンサ3個一組を直交3軸に配置している。これら半導体磁気ベクトルセンサの出力値をX、Y、Zとすると、これらの出力値は周囲磁界の直交3成分を表しており、数1の計算をすることにより、スカラ磁力計として周囲磁界の絶対値Hを求めることができる。このようにして、ベクトル合成磁力計24は、式1の計算式により周囲磁界Hを算出してして出力する。
Figure 2009198207
実施の形態3では、数1により算出した周囲磁界Hを用いることで、実施の形態2と同様に、津波や高波の発生の有無判断や規模予測に加えて到達時間を予測することができる。
なお、(n×m)の行列状に配列された海中磁気計測ブイB11、B21、…、Bn1、Bn2、…、Bnm、海中磁気計測ブイBnmに対応して設けられたメモリM11、 M21、…、Mnm、津波・高波判別部18、時系列行列データ処理部21、速度・方向算出部22、津波・高波予測警報発生部23等が行う動作は、実施の形態2における動作と同じであり、行方向、列方向の磁界計測信号の位相差から波の移動速度と進行方向を算出し、津波や高波の発生の有無判断や規模予測に加えて到達時間を予測することが可能となる。
実施の形態3では、周囲磁界Hの算出に磁気インピダンス効果を利用した半導体磁気ベクトルセンサを用いるようにした。この半導体磁気ベクトルセンサは、半導体の薄膜製造技術を利用することで超小型センサチップとして大量に安価に製造でき、ベクトル合成スカラ磁気センサ部分を小型化、軽量化、低コスト化できる。これにより、磁界センサーを緻密に配置することが可能となって津波や高波の警報能力がさらに向上するとともに、広範囲に展開できて運用範囲が広がるという長所がある。
この発明の実施の形態1の津波・高波検出システムの概略図である。 この発明の実施の形態1の津波・高波検出システムを示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における波の存在の有無と発生磁界の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1における波の種類と磁界変化の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1の津波・高波判別部18の構成図である。 この発明の実施の形態1における津波・高波発生の判定フローを示す図である。 この発明の実施の形態2の例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2における海中磁気計測ブイの配置の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2における波の進行方向と海中磁気計測ブイの設置方向との関係によって計測される磁界計測信号との関連を示す図である。 この発明の実施の形態3の例を示すブロック図である。
符号の説明
1 セシウムランプ、2 第1のレンズ、3 第2のレンズ、4 吸収セル、5 RFコイル、6 円偏光板、7 光検知器、8 位相器、9 RF増幅器、10 高周波電源、11 光磁気共鳴磁力計、12 伝送用通信器、13 太陽電池、14 蓄電池、15 非磁性カプセル、16 磁気計測ブイ、17 受信用通信器、18 津波・高波判別部、19 津波・高波警報発生部、20 センター局、21 時系列行列データ処理部、22 速度、方向算出部、23 津波・高波予測警報発生部、24 ベクトル合成磁力計、30 磁界計測信号、A11、…、Anm 第11、…、第nmの位置の磁気計測ブイ、M11、…、Mnm 第11、…、第nmのメモリB11、…、Bnm 第11、…、第nmの海中磁気計測ブイ。

Claims (7)

  1. 波の上下運動により海面に沿って流れる渦電流によって生ずる磁界変化を時系列に計測する磁気計測部と、前記磁界変化に基づき津波または高波の発生を検出する津波・高波検出部と、を備えることを特徴とする津波・高波検出システム。
  2. 前記磁気計測部は、前記磁界変化の信号を送信する送信部を備え、
    前記津波・高波検出部は、前記磁気計測部から前記磁界変化の信号を受信する受信部と、所定の帯域にある前記磁界変化の信号振幅の二乗平均値を算出する二乗平均処理部と、前記磁界変化の信号振幅の分散値を算出する分散計算処理部と、前記二乗平均値と前記分散値との比に基づき津波または高波の発生を検出する判別部とを備えることを特徴とする請求項1記載の津波・高波検出システム。
  3. 前記磁気計測部は、ゼーマンサブレベルを有する物質を内臓した吸収セルと、前記吸収セルに光を照射する放電ランプと、前記放電ランプの光を前記吸収セルに導くとともに前記吸収セルを透過した光を光検知器に導く光学系と、前記吸収セルを通過した光を電気信号に変換する光検知器と、前記光検知器からの電気信号を増幅する増幅器と、前記ゼーマンサブレベル間隔に対応する周波数で振動する高周波磁界を前記吸収セルに印加するコイルと、を備えた光磁気共鳴磁力計であることを特徴とする請求項1または2記載の津波・高波検出システム。
  4. 前記磁気計測部は非磁性カプセルに収納され、さらに、ブイに格納されて海中に設置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の津波・高波検出システム。
  5. 前記津波・高波検出部は、海中の複数箇所に設置された前記ブイの各ブイに格納された前記磁気計測部が計測する磁界変化を収集して、津波や高波の波の移動速度と進行方向を算出することを特徴とする請求項4記載の津波・高波検出システム。
  6. ゼーマンサブレベルを有する物質を内臓した吸収セルと、前記吸収セルに光を照射する放電ランプと、前記放電ランプの光を前記吸収セルに導くとともに前記吸収セルを透過した光を光検知器に導く光学系と、前記吸収セルを通過した光を電気信号に変換する光検知器と、前記光検知器からの電気信号を送信する送信器と、前記ゼーマンサブレベル間隔に対応する周波数で振動する高周波磁界を前記吸収セルに印加するコイルとからなる磁気計測部を収納した非磁性カプセルを備え、海中に設置されて、波の上下運動により海面に沿って流れる渦電流によって生ずる磁界変化を時系列に計測することを特徴とする磁気計測ブイ。
  7. 波の上下運動により海面に沿って流れる渦電流によって生ずる磁界変化を時系列に計測するステップと、前記磁界変化に基づき津波または高波の発生を検出するステップと、を備えることを特徴とする津波・高波検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013083618A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Tokyo Metropolitan Univ 津波の検知方法、検知装置および検知プログラム
JP2013246554A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 Tokyo Metropolitan Univ 津波警報システム、津波警報方法、及び津波警報システム用のプログラム
US9085865B2 (en) 2012-12-21 2015-07-21 Kaichiro Kamei Wave dissipating device

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