JP6602176B2 - 建物の損傷判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の損傷を判定する方法に関するもので、特に、GNSS技術を用いて求めた地震後の建物の残留変形量から建物の損傷を判定する方法に関する。
従来より、地震後に生じる2次災害を防ぐため、地震直後に直ちに建物の損傷の度合いを判定することが求められている。特に、建物が傾斜している場合には、建物が倒壊する危険性があるため、早急に建物の損傷の度合いを判定する必要があった。
建物の損傷の度合いを判定する方法としては、建物の屋上または屋根に通信衛星からの測位信号を受信するGPS受信装置を設置し、建物の屋上または屋根の水平方向の変位量を計測し、この水平方向の変位量と当該建物の高さとから算出される建物の傾斜角の大きさを用いる方法が一般的である。
しかしながら、この方法では、建物が構築されている地盤の変位が考慮されていないため、建物の傾斜角の検出精度が十分とはいえなかった。
そこで、建物の屋上または屋根に通信衛星からの測位信号を受信するGPS受信装置を備えた監視端末を3台設置して、これら3台の監視端末でそれぞれ計測した各監視端末の位置座標を用いて、建物の傾斜角を算出することで、地盤の変位量を検出することなく、建物の傾斜角を算出する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−102529号公報
しかしながら、上記従来の方法では、建物に3台のGPS受信装置を設置する必要があるため設備が大掛かりになるだけでなく、建物が構築されている地盤の変位量を計測できないといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、地盤の変位を考慮に入れた建物の変位量を検知して、当該建物の損傷の度合いを精度よく判定できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、建物に設置されたGNSS受信機により検出した、地震前後の前記GNSS受信機の設置された位置の変位量である建物変位量の大きさから前記建物が損傷しているか否かを判定する建物の損傷判定方法において、前記建物の周囲の地盤にGNSS受信機を設置して、前記地盤の前記地震前後の変位量である地盤変位量を検出し、この検出された前記地盤変位量を用いて前記建物変位量を補正するとともに、前記補正された建物変位量を用いて前記建物が損傷しているか否かを判定することを特徴とする。
これにより、地震により建物直下の地盤が変位した場合でも、地震後の建物の実際の変位量を精度よく推定できるので、建物の損傷の判定精度を向上させることができる。
また、地震による建物直下の地盤の変位量の情報も得られるので、この情報を建物を復旧するの際の情報として利用できる。
なお、GNSS( Global Navigation Satelite System )は、人工衛星を使用して地上の現在位置を計測するシステムで、測位対象はGlobal(全地球)である。
また、前記地盤変位量を検出するGNSS受信機として、前記建物の周囲の地盤に設置されている既存の基地局に設けられたGNSS受信機を使用したので、新たにGNSS受信設備を設けることなく、建物の周囲の地盤の位置座標データを得ることができる。
なお、基地局は、位置座標(緯度・経度・楕円体高)が既知である固定点にアンテナ、受信機、3次元座標測定装置、及び、送信機を設置して、当該固定点の位置座標データを利用者に送信する機能を有する設備を指す。
また、前記基地局を、国土地理院が設置した電子基準点としたので、地盤変位量の測定精度を更に向上させることができる。
また、前記建物を囲む3箇所の地盤の地震前後の変位量を求め、前記3箇所の変位量を用いて前記地盤変位量を求めたので、地盤変位量の推定精度を向上させることができる。
また、前記3箇所の変位量のそれぞれに前記建物からの距離に依存する重み付けをし、前記重み付けされた変位量を用いて前記地盤変位量を求めたので、地盤変位量の推定精度を更に高めることができる。
また、本発明は、前記建物の地震後の高さをh’、前記補正された建物変位量(ベクトル量)の水平面内における所定の方向(例えば、上から見たときの建物が長方形である場合には、短辺の延長方向である幅方向)の成分をdxkとしたとき、下記の式を用いて算出される前記所定の方向における建物傾斜角φkが、予め設定された閾値Kを超えた場合に、前記建物が損傷していると判定することを特徴とする。
φk=tan-1(|dxk|/h’)
このように、建物傾斜角φkを用いて建物が損傷しているか否かを判定すれば、建物の損傷の程度を確実に把握することができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本実施の形態に係る建物の損傷判定システムの機能ブロック図である。 GNSS受信装置の配置例を示す図である。 本実施の形態に係る建物の損傷判定方法を示すフローチャートである。 建物変位量、地盤変位量、建物変位量の補正値、及び、建物傾斜角の算出方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は建物の損傷判定システム1の機能ブロック図で、図2(a),(b)図は、GNSS受信装置の配置例を示す図である。
建物の損傷判定システム1は、通信衛星2からの時刻情報信号を受信して現在地の座標である位置データを算出する第1〜第4のGNSS受信装置11〜14と、地震発生の信号を出力する地震情報出力装置15と、第1〜第4のGNSS受信装置11〜14から送られてくる位置データを用いて建物が損傷しているか否かを判定する建物管理装置16とを備える。
第1のGNSS受信装置11は、受信アンテナ111と、GNSS受信機112と、位置データ算出手段113と、送信機114と、送信アンテナ115とを備える。
本例では、第1のGNSS受信装置11を、損傷判定を行う建物(以下、建物3という)の頂部である屋上31に設置して、当該GNSS受信装置(第1のGNSS受信装置11)の設置された位置Pの地震前後の変位量である建物変位量を検出する。
GNSS受信機112は、受信アンテナ111で受信した複数の通信衛星2からの時刻情報信号を位置データ算出手段113に送る。
位置データ算出手段113では、GNSS受信機112から送られてきた複数(3個以上)の通信衛星2からの時刻情報信号を比較して、現在地である第1のGNSS受信装置11の設置された位置の位置座標(測地座標系の座標である緯度、経度、高度)を算出するとともに、算出された測地座標系の座標を、例えば、図2(b)に示すような、建物3の近くに設けられている基地局Oを原点とした直交座標系の座標に変換して送信機114に送る。+x方向が東で、+y方向が北、+z方向が高さ方向である。
送信機114は、位置データ算出手段113で算出された当該受信装置(第1のGNSS受信装置11)の座標データを、送信アンテナ115から建物管理装置16に送る。
第2〜第4のGNSS受信装置12〜14は、第1のGNSS受信装置11と同じ構成で、建物3の周囲の地盤4の設置位置A,B,Cに、建物3を囲むように設置されて、地盤4の地震前後の変位量である地盤変位量を検出する。
第1のGNSS受信装置11と第2〜第4のGNSS受信装置12〜14の設置位置A,B,Cとの距離をそれぞれLa,Lb,Lcとすると、La,Lb,Lcは同じ長さでなくともよい。すなわち、設置位置A,B,Cの作る三角形ABCは、必ずしも正三角形である必要はない。
なお、第2〜第4のGNSS受信装置12〜14としては、新たに設置したものでもよいし、設置済みである基準局を利用してもよい。
地震情報出力装置15と建物管理装置16とは、例えば、建物3の図示しない管理室に設置される。
地震情報出力装置15は、地震検出手段としての加速度センサ151と、地震発生検知手段152と、地震情報出力手段153とを備え、加速度センサ151の出力が所定大きさ(例えば、0.3[m/s2];震度3程度)を超えたときに「地震が発生した」ことを通知する信号である地震発生通知信号を建物管理装置16に出力する。
建物管理装置16は、受信アンテナ161と、受信機162と、記憶手段163と、建物変位量算出手段164と、地盤変位量算出手段165と、建物変位量補正手段166と、建物傾斜角算出手段167と、損傷判定手段168と、表示手段169を備える。
受信機162は、受信アンテナ161で受信した、第1〜第4のGNSS受信装置11〜14の座標データ(3次元座標データ)を記憶手段163に送る。
記憶手段163は、地震前データ領域R1と地震後データ領域R2とを備え、地震情報出力装置15からの地震発生の信号の入力前には、第1〜第4のGNSS受信装置11〜14の設置位置の座標データP=(xp,yp,zp)、を地震前データ領域R1に記憶し、地震発生の信号の入力後には、第1〜第4のGNSS受信装置11〜14の設置位置の座標データP’=(xp’,yp’,zp’)、を地震後データ領域R2に記憶する。
建物変位量算出手段164は、記憶手段163に記憶された第1のGNSS受信装置11の座標データを用いて、建物3の変位量である建物変位量ベクトルdPを算出する。
地盤変位量算出手段165は、記憶手段163に記憶された第2〜第4のGNSS受信装置12〜14の設置位置A,B,Cの地震前の座標データQn=(xn,yn,zn)と、地震後の設置位置A’,B’,C’の座標データQ’n=(xn’,yn’,zn’)とを用いて、地盤4の変位量である地盤変位量ベクトルdGを算出する(n=a,b,c)。
建物変位量補正手段166は、地盤変位量算出手段165で算出された地盤変位量ベクトルdGを用いて、建物変位量算出手段164で算出された建物変位量ベクトルdPを補正して補正変位量ベクトルdPsを算出する。
なお、建物変位量ベクトルdP、地盤変位量ベクトルdG、及び、補正変位量ベクトルdPsの算出方法については後述する。
建物傾斜角算出手段167は、建物変位量算出手段164に取り込まれた地震後の第1のGNSS受信装置11の座標データと、建物変位量補正手段166で求められた補正変位量ベクトルdPGとを用いて、所定の方向における建物傾斜角φを算出する。
本例では、図2(a),(b)に示すように、建物3の平面形状を長方形とするとともに、所定の方向を短辺の延長方向である長方形の幅方向とした。
ここで、長方形の幅方向をk方向(例えば、東北東)、k方向と+x方向(東)とのなす角をαk、補正変位量ベクトルをdPs=(dxs,dys,dzs)とすると、所定の方向であるk方向における残留変位量ベクトルdxkは下記の式(1)を用いて算出される。
dxk=dxs・cosαk+dys・sinαk …… (1)
また、建物傾斜角φkは、下記の式(2)により算出される。
φk=tan-1(|dxk|/zp’) …… (2)
ここで、zp’は、地震後の第1のGNSS受信装置11の座標データのz成分である。本例では、第1のGNSS受信装置11を建物3の頂部である屋上31に設置しているので、zp’は、地震後の建物3の高さh’にほぼ等しい。
損傷判定手段168は、建物傾斜角算出手段167で算出された建物傾斜角φxと、予め設定された閾値Kとを比較し、φx>Kである場合に、建物3が損傷していると判定する。
表示手段169は、建物傾斜角φxの値と判定結果とを、ディスプレイ等の表示画面に表示する。
次に、本発明による建物の損傷判定方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、第1〜第4のGNSS受信装置11〜14により、通信衛星2からの時刻情報信号を受信して、第1のGNSS受信装置11の設置位置である建物3の屋上31の座標データP=(xp,yp,zp)と、第2〜第4のGNSS受信装置12〜14の設置位置A,B,Cの座標データQa=(xa,ya,za),Qb=(xb,yb,zb),Qc=(xc,yc,zc)とを算出して、記憶手段163の地震前データ領域R1に記憶する(ステップS10)。
次に、建物管理装置16に、地震発生通知信号が入力されたか否かを判定し(ステップS11)、地震発生通知信号が入力されていない場合には、ステップS10に戻って、座標データの算出を継続する。
一方、地震発生通知信号が入力された場合には、ステップS12に進んで、地震後における第1〜第4のGNSS受信装置11〜14の設置位置の座標データを、地震後のデータP’=(xp’,yp’,zp’)、Qa’=(xa’,ya’,za’)、Qb’=(xb’,yb’,zb’)、Qc’=(xc’,yc’,zc’)として、地震後データ領域R2に記憶する。
次に、図4(a),(b)に示すように、地震前後の第1〜第4のGNSS受信装置11〜14の座標データを用いて、建物3の変位量である建物変位量ベクトルdP=(dxp,dyp,dzp)と、地盤変位量ベクトルdG=(dxG,dyG,dzG)とを算出する(ステップS13)。
dxp=xp’−xp、dyp=yp’−yp、dzp=zp’−zpである。
地盤変位量ベクトルdGは、以下の手順で算出する。
地震前後の第2〜第4のGNSS受信装置12〜14の設置位置A,B,Cの変位量をそれぞれdQk=(dxn,dyn,dzn)とすると、dxn=xn’−xn,dyn=yn’−yn、dzn=zn’−znである(n=a,b,c)。
地盤変位量ベクトルdGとしては、dQa,dQb,dQcのいずれか、もしくは、dQa,dQb,dQcの平均値を採用してもよいが、本例では、dQa,dQb,dQcのそれぞれに建物3からの距離(厳密には、第1のGNSS受信装置11の設置位置Pからの距離La,Lb,Lc)に依存する重み付けをし、これら重み付けされた変位量から地盤変位量ベクトルdGを求めることで、地盤変位量ベクトルdGの推定精度を高めるようにしている。
具体的には、地盤変位量ベクトルdGを、
dG=dQa・(Sa/S)+dQb・(Sb/S)+dQc・(Sc/S) ……(3)
とした。
ここで、dG=(dxG,dyG,dzG)とすると、
dxG=dxa・(Sa/S)+dxb・(Sb/S)+dxc・(Sc/S)
dyG=dya・(Sa/S)+dyb・(Sb/S)+dyc・(Sc/S)
dzG=dza・(Sa/S)+dzb・(Sb/S)+dzc・(Sc/S)である。
なお、Sは地震前の△ABCの面積、Sa,Sb,Scは、△ABCの各頂点A,B,Cと第1のGNSS受信装置11の設置位置Pとを結ぶ線分PA,PB,PCにより分割された△PBC,△PCA,△PABの面積である。△PBC,△PCA,△PABの面積は第1のGNSS受信装置11の設置位置Pから第2〜第4のGNSS受信装置12〜14の設置位置A,B,Cまでの距離La,Lb,Lcに依存する。すなわち、線分PAの長さである距離Laが短いほど△PBCの面積は大きくなり、線分PBの長さである距離Lbが短いほど△PCAの面積は大きくなる。また、線分PCの長さである距離Lcが短いほど△PABの面積は大きくなる。
次に、地盤変位量ベクトルdGを用いて建物変位量ベクトルdPを補正し、補正変位量ベクトルdPsとを算出する(ステップS14)。
補正変位量ベクトルdPsは、以下の式(4)により算出される。
dPs=dP−dG ……(4)
ここで、dPs=(dxs,dys,dzs)とすると、dxs=dxp−dxG,dys=dyp−dyG,dzs=dzp−dzG,である。
補正変位量ベクトルdPsの算出後には、予め設定された所定の方向である建物3の幅方向であるk方向における変位量dxkを算出(ステップS15)した後、k方向における建物傾斜角φkを算出する(ステップS16)。
残留変位量dxkの算出式(1)と建物傾斜角φkの算出式(2)とを、下記に再掲する。
dxk=dxs・cosαk+dys・sinαk …… (1)
φk=tan-1(|dxk|/zp’) …… (2)
αkはk方向と+x方向とのなす角で、zp’は地震後の第1のGNSS受信装置11の位置座標のデータのz成分である。
次に、建物傾斜角φxと、予め設定された閾値Kとを比較して、建物3が損傷しているか否かを判定する(ステップS17)。
具体的には、建物傾斜角φkと、予め設定された閾値Kとを比較し、φk>Kである場合には、建物3が損傷がない(少ない)と判定し、φk>Kである場合に、建物3が損傷していると判定する。本例では、(財)日本建築防災協会が被災度区分において「小破」としている残留傾斜角である1/150を閾値Kとした。
建物3が損傷していると判定された場合には、ディスプレイ等の表示画面に「建物損傷有り」と表示するとともに、建物傾斜角φxの値を表示し(ステップS18)、建物3が損傷していないと判定された場合には、ディスプレイ等の表示画面に「建物損傷軽微」と表示(ステップS19)して、本処理を終了する。
なお、ステップS12に戻って、建物の損傷判定を継続してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
例えば、前記実施形態では、建物3の周囲の地盤4の設置位置に、建物3を囲むように第2〜第4のGNSS受信装置12〜14を設置して、地盤4の変位量を算出したが、既存の基地局に設けられたGNSS受信機から位置座標データを取得して、地盤4の変位量を算出してもよい。なお、上記既存の基地局としては、予め設置された基地局のうちの、建物3を囲む、少なくとも3つの基地局を選択することはいうまでもない。
なお、既存の基地局は、それぞれが、数km程度離れて設置されるので、1つの基地局を複数の建物で共有できる。したがって、少ないGNSS受信機で、多数の建物の地盤変位量を計測できるので、システムを簡略化することができる。
このとき、基地局を、位置座標データの精度の高い、国土地理院が設置した電子基準点としたので、地盤変位量の測定精度を更に向上させることができる。
また、前記実施形態では、建物3の周囲の地盤4の設置位置A,B,Cに、建物3を囲むように3台のGNSS受信装置12〜14を設置して地盤変位量ベクトルを検出したが、GNSS受信装置を4台以上にしてもよい。なお、GNSS受信装置が1台または2台であっても、地盤変位量ベクトルを求めることはできるが、本例のように、GNSS受信装置を3台とした方が、地盤4の変位量を効率的にかつ精度よく求めることができるので、好ましい。
また、前記実施形態では、建物傾斜角φkを算出する際に、地震後における第1のGNSS受信装置11の設置位置P’のz方向の座標データzp’を用いたが、建物傾斜角φkが1/30以下の、倒壊のする危険性のない建物3を損傷判定の対象とする場合には、建物3の地震前の高さhと地震後の高さh’とはほぼ等しいので、上記のzp’に代えて、建物3の地震前の高さhを用いてもよい。
また、前記実施形態では、建物傾斜角φkを用いて建物3の損傷判定を行ったが、k方向の残留変位量dxkを用いて建物3の損傷判定を行ってもよい。なお、この場合には、建物3のそれぞれについて閾値Kmを設定する必要があることはいうまでもない。
また、前記実施形態では、建物3の平面形状を長方形とするとともに、所定の方向を短辺の延長方向である長方形の幅方向としたが、所定の方向は、建物3の形状や構造等によって適宜決定すればよい。
また、複数の方向k1,k2,……,kmについてそれぞれ建物傾斜角φk1,φk2,……,φkmを求め、これらのうちの最大値φmaxの大きさにより建物3の損傷判定を行ってもよい。
また、前記実施形態では、閾値Kを1個としたが複数としてもよい。具体的には、K1=1/150,K2=1/100,K3=1/50とし、φk>K3なら損傷が大、K3≧φk>K2なら損傷が中、K2≧φk>K1なら損傷が小、K1>φkなら損傷が軽微であると判定する。
また、前記実施形態では、加速度センサ151の出力から地震が発生したか否かを判定したが、加速度センサ151に代えて地震計などの他の振動検出手段を用いて地震の発生を検知してもよい。あるいは、建物管理装置16をインターネットに接続し、インターネットの災害情報サイトから地震情報が提供された時刻を地震発生時刻とし、地震発生時刻前に受信した第1〜第4のGNSS受信装置11〜14の設置位置の座標データを地震前データ領域R1に記憶し、地震発生時刻後に受信した、第1〜第4のGNSS受信装置11〜14の設置位置の座標データを地震後データ領域R2に記憶するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、下記に再掲する式(3)を用いて地盤変位量ベクトルdGを求めたが、下記の式(5)に示すように、第1のGNSS受信装置11の設置位置Pから第2〜第4のGNSS受信装置12〜14の設置位置A,B,Cまでの距離La,Lb,Lcによる重み付けをしてもよい。
dG=dQa・(Sa/S)+dQb・(Sb/S)+dQc・(Sc/S) ……(3)
dG=dLa・(La/L)+dLb・(Lb/L)+dQc・(Lc/L) ……(5)
1 建物の損傷判定システム、2 通信衛星、3 建物、4 地盤、
11〜14 第1〜第4のGNSS受信装置、111 受信アンテナ、
112 GNSS受信機、113 位置データ算出手段、114 送信機、
115 送信アンテナ、15 地震情報出力装置、151 加速度センサ、
152 地震発生検知手段、153 地震情報出力手段、16 建物管理装置、
161 受信アンテナ、162 受信機、163 記憶手段、
164 建物変位量算出手段、165 地盤変位量算出手段、
166 建物変位量補正手段、167 建物傾斜角算出手段、168 損傷判定手段、
169 表示手段。

Claims (6)

  1. 建物に設置されたGNSS受信機により検出した、地震前後の前記GNSS受信機の設置された位置の変位量である建物変位量の大きさから前記建物が損傷しているか否かを判定する建物の損傷判定方法において、
    前記建物の周囲の地盤にGNSS受信機を設置して、前記地盤の前記地震前後の変位量である地盤変位量を検出し、この検出された前記地盤変位量を用いて前記建物変位量を補正するとともに、前記補正された建物変位量を用いて前記建物が損傷しているか否かを判定することを特徴とする建物の損傷判定方法。
  2. 前記地盤変位量を検出するGNSS受信機が、前記建物の周囲の地盤に設置されている既存の基地局に設けられたGNSS受信機であることを特徴とする請求項1に記載の建物の損傷判定方法。
  3. 前記基地局が、国土地理院が設置した電子基準点であることを特徴とする請求項2に記載の建物の損傷判定方法。
  4. 前記建物を囲む3箇所の地盤の地震前後の変位量を求めるとともに、
    前記3箇所の変位量を用いて前記地盤変位量を求めることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の建物の損傷判定方法。
  5. 前記3箇所の変位量のそれぞれに前記建物からの距離に依存する重み付けをし、
    前記重み付けされた変位量を用いて前記地盤変位量を求めることを特徴とする請求項4に記載の建物の損傷判定方法。
  6. 前記建物の地震後の高さをh’、前記補正された建物変位量の水平面内における所定の方向の成分をdxkとしたとき、下記の式を用いて算出される前記所定の方向における建物傾斜角φkが、予め設定された閾値Kを超えた場合に、前記建物が損傷していると判定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の建物の損傷判定方法。
    φk=tan-1(|dxk/h’)
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